JP5804565B2 - 消泡剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、消泡剤組成物及び該組成物より製造される粒状消泡剤に関する。
シリコーン系消泡剤は他の消泡剤に比べて種々の優れた性質を有するので、化学工業、食品工業、石油工業、織物工業、製紙工業、紙パルプ工業、医薬品工業などの発泡を伴う製造工程や排水処理、し尿処理工程等の幅広い用途で使用されている。このシリコーン系消泡剤としては、ジメチルポリシロキサンなどのシリコーンオイルを微粉末シリカと混合したオイルコンパウンドを、界面活性剤と共に水中に分散させてなるエマルション型消泡剤が汎用されている。このエマルション型消泡剤は発泡液への分散性に優れるため、発泡箇所に添加されることにより直ちに消泡効果を発揮する。
しかし、エマルション型消泡剤は時間が経過するにつれその消泡効果が低下し、排水処理のように連続的に処理液が供給される場合は消泡成分の濃度が時間とともに低下するため、定期的に消泡剤を添加するか、少量ずつ連続的に添加する必要がある。また、エマルション型という形態から、消泡成分を徐々に放出し、長時間にわたって効果を持続させるといった、徐放性を付与することは困難である。
また、エマルション型消泡剤は、温度変化の影響を受けやすく、貯蔵中に濃淡分離、乳化粒子の破壊による分離、腐敗等の問題が発生しやすいため長期間の保管には不向きであり、保管条件に制約がある。
そこで、これらの問題を解決すべく、特許文献1及び2には、消泡剤成分をシリカや酸化アルミニウム、タルク等の吸油性を有する多孔質粉体に吸着させてなる粉末消泡剤が記載されている。しかしながら、該粉末消泡剤は、帯電による流動性の低下や、発塵による人体への影響等、作業性に問題がある。また、消泡剤有効成分の放出制御は難しく、徐放性といった機能を付与することは現実的でない。
また、特許文献3には、常温で固体状である界面活性剤を含有してなる固形消泡剤が記載されている。該固形消泡剤は、取り扱いが容易で作業性に問題はなく、徐放性を付与することも容易であるが、その形状および性質から単独で使用され、他の成分に内添する用途には不向きである。
特許文献4〜7には、シリコーン消泡剤を水溶性の澱粉、加工澱粉又はこれらの誘導体に担持、その他熱可塑性有機バインダーを使用して造粒することで、粉末洗剤への内添を可能にした衣類用粉末洗剤が記載されている。しかし、澱粉、化工澱粉又はこれらの誘導体は、シリカやゼオライト等の多孔質粉体と比較して吸油量が少ないため、シリコーン消泡剤に対する担体の割合が少なくなると、シリコーン消泡剤が染み出すという問題がある。そのため、特許文献4〜7に記載の消泡剤造粒物では必然的にシリコーン消泡剤の配合量が少なくなっている。また、該消泡剤造粒物は熱可塑性有機バインダーを使用するため、造粒時に加熱が必要である。また、従来の粒状消泡剤組成物はいずれも消泡剤成分がすみやかに溶出することを目的としているため、徐放性については触れられていない。
特開昭60−106507号公報 特許第4224535号公報 特許第4395480号公報 特開平3−186307号公報 特公平6−65365号公報 特開平10−176195号公報 特開平10−306295号公報
本発明は、以上の従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、長期保存に適し、粉末または粒状組成物組成物に内添可能であり、更に徐放性の制御が容易な固体消泡剤を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を達成するため鋭意検討を行った結果、下記(A)〜(E)成分を含有してなる消泡剤組成物が、長期保存に適し、粉末または粒状組成物に内添可能であり、更に徐放性の制御が容易である粒状消泡剤を提供できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、下記(A)成分〜(E)成分を含有する消泡剤組成物及び該組成物から製造される粒状消泡剤を提供する。
(A)シリコーン消泡剤 組成物総質量の5〜60質量%、
(B)固形担体 組成物総質量の5〜60質量%、
(C)結合剤 組成物総質量の0.1〜10質量%、
(D)デンプングリコール酸ナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、カルメロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、コメデンプン、トウモロコシデンプン、非水溶性架橋ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウムから選ばれる少なくとも1種である、崩壊剤 組成物総質量の0.1〜12質量%、及び
(E)下記(I)〜(III)から選ばれる少なくとも1種である、25℃で固体状の充填剤 組成物総質量の3〜80質量%
(I)水溶性物質
(II)膨潤性物質
(III)透水性物質。
本発明の消泡剤組成物から得られる粒状消泡剤は水分を含まない固体状態となるため、エマルション型の消泡剤が有する分離や腐敗といった問題を有さず、保存安定性に著しく優れている。また、粉末型の消泡剤が有する帯電による粒子凝集や発塵といった問題を有さず作業性に優れている。更に、本発明の消泡剤組成物から得られる粒状消泡剤は、他の粉末または粒状組成物に内添可能であり、かつ長期保存安定性及び内添安定性を有する。また、本発明の消泡剤組成物は、消泡剤成分の放出度合を調整することができ、かつ良好な徐放性を有する。
以下、本発明を詳しく説明する。
[(A)シリコーン消泡剤]
(A)シリコーン消泡剤は、従来公知のシリコーン消泡剤であればよく特に限定されるものではないが、(a)オルガノポリシロキサンと(b)微粉末シリカとからなるシリコーンオイルコンパウンド、または該シリコーンオイルコンパウンドと(c)界面活性剤とからなるシリコーン混合物が好ましい。(A)シリコーン消泡剤は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
シリコーンオイルコンパウンド
(a)オルガノポリシロキサン
オルガノポリシロキサンは、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。該オルガノポリシロキサンとしては、例えば、下記平均組成式(1): R SiO(4−a)/2 (1)
(式中、Rは、互いに独立に、置換もしくは非置換の1価炭化水素基であり、aは1.9〜2.2の数である)
で表されるものが挙げられる。尚、上記式(1)で示されるオルガノポリシロキサンは本質的に疎水性である。
前記式(1)において、Rは好ましくは、互いに独立に、置換もしくは非置換の、炭素数1〜18の一価炭化水素基である。該一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、スチリル基、α−メチルスチリル基等のアラルキル基など、又は、これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、水酸基等で置換したクロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基、3−アミノプロピル基、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピル基等が挙げられる。中でも、消泡性及び経済性の面から、R1で示される基の合計個数のうち80%以上、特に90%以上がメチル基であることが好ましい。aは、1.9≦a≦2.2、好ましくは1.95≦a≦2.15を満たす数である。該オルガノポリシロキサンの末端は、R Si−で示されるトリオルガノシリル基で封鎖されていても、HOR Si−で示されるジオルガノヒドロキシシリル基で封鎖されていてもよい。
該オルガノポリシロキサンは、消泡性、及び作業性の面から、オストワルド粘度計により測定した25℃における粘度10〜100,000mm2/s、好ましくは50〜10,000mm2/sを有するのがよい。上記下限値未満ではシリコーンオイルコンパウンドの消泡性能が劣り、上記上限値を超えるとシリコーンオイルコンパウンドの粘度が増大して作業性が悪くなる。
上記式(1)で表されるオルガノポリシロキサンの好ましい例としては、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサンコポリマー、メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ポリシロキサン、及びα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
(b)微粉末シリカ
微粉末シリカは公知のものであればよく、例えば、沈降シリカ等の湿式シリカ、シリカキセロゲル、ヒュームドシリカ等の乾式シリカが使用できる。上記シリカはいずれも親水性シリカである。本発明は、該親水性シリカをそのまま用いてもよいし、有機シリル基を有する化合物で表面処理して疎水性シリカとしたものを用いてもよい。微粉末シリカは1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。該微粉末シリカは市販品を用いることができる。例えば、商品名で、アエロジル(登録商標)(日本アエロジル(株)製)、ニプシル(登録商標)、ニプジェル(登録商標)(共に東ソーシリカ(株)製)、サイリシア(登録商標)(富士シリシア社製)等が挙げられる。微粉末シリカは、BET法による比表面積150m/g以上を有するものが好ましく、より好ましくは150〜500m/gを有するものである。
微粉末シリカの量は、上記(a)オルガノポリシロキサン100質量部に対し1〜30質量部、特に3〜20質量部となる量が好ましい。微粉末シリカの量が少なすぎると消泡性能が劣り、多すぎるとシリコーンオイルコンパウンドの粘度が増加して作業性が悪くなる。
・シリコーンオイルコンパウンドの調製
シリコーンオイルコンパウンドの調製は公知の方法に従えばよいが、例えば、上記(a)オルガノポリシロキサンと(b)微粉末シリカを混合し、室温〜200℃の温度で加熱処理した後、必要に応じて中和及び/又は低沸点留分を除くことによって製造することができる。このシリコーンオイルコンパウンドには、特公平4−42043号公報、特開平5−261206号公報、及び特開2005−324140号公報等に記載される無機質アンモニウム塩、有機ケイ素化合物、シロキサン樹脂、及びアルカリ触媒などを、消泡剤の消泡持続性、高温特性、希釈安定性、及び耐アルカリ性などの向上のために更に添加してもよい。
シリコーン混合物
(c)界面活性剤
界面活性剤は、シリコーンオイルコンパウンドを水に分散させるためのものであり、公知のものが使用できる。該界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
上記界面活性剤は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。界面活性剤の量は、シリコーンオイルコンパウンド100質量部に対して、300質量部以下、より好ましくは250質量部以下である。該添加量が上記上限値を超えると、消泡成分が完全に水へ分散してしまい、消泡効果が低下する場合がある。
・シリコーン混合物の調製
シリコーン混合物の調製は公知の方法に従えばよいが、例えば、上記シリコーンオイルコンパウンドと(c)界面活性剤とを15〜60℃の温度で、プロペラミキサー、アンカーミキサー、パドルミキサー、ゲートミキサー、ホモミキサー、ラインミキサー、コロイドミル、ホモジナイザー、ホモディスパー等の撹拌混合機を用いて均一に混合することによって調製することができる。
(A)シリコーン消泡剤の含有量は、好ましくは消泡剤組成物の総質量に対し5〜60質量%、より好ましくは15〜45質量%となる量である。シリコーン消泡剤の含有量が上記下限値より少ないと消泡性能が不十分となるおそれがあり、上記上限値より多いと担体による固形化が困難となるか、水溶解性及び分散性が悪くなる場合がある。
[(B)固形担体]
(B)固形担体は、(A)シリコーン消泡剤をその表面に付着させて固体として取り扱えるようにするために作用する。該固形担体は公知のものでよく、例えば炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク、ベントナイト、カオリン、ケイソウ土、軽石、バーミキュライト、パーライト、アタパルジャイト、セリサイト、パイロフィライト、シリカ、ゼオライト、ラジオライト、酸性白土、活性白土、活性炭等の無機担体や、糖類、澱粉、加工澱粉、デキストリン、小麦粉、大豆粉、トウモロコシ粉、木粉、セルロース、ポリビニルアルコール等の有機担体が挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。中でも、吸油量が多く、消泡剤組成物中に占めるシリコーン消泡剤の割合を多くすることができるため、シリカが好ましい。特に、BET比表面積150〜400m2/g、好ましくは250〜380m2/gを有するシリカが好適である。固形担体は、消泡剤組成物の総質量に対し5〜60質量%、好ましくは15〜45質量%となる量で含有される。
[(C)結合剤]
結合剤は、上記固形担体を固め、固形担体同士が離れて解体することがない粒状物を形成するために作用する。該結合剤により固形担体を固める方法としては、結合剤を水に溶解させて水溶液としてから上記固形担体と混練して使用する方法と、上記固形担体と結合剤とを混合した混合物に水を添加する方法とがある。結合剤は公知のものでよく、例えば、糖、糖蜜、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、澱粉、加水分解デンプン、予備ゼラチン化されたデンプン等の加工澱粉、リグニン、ゼラチン、グアーガム、アラビアガム、トラガカントガム、デキストリン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、結晶セルロース、微結晶セルロース、ポリエチレンオキシド、水溶性ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カルシウム、ワックスなどが例示される。これらは1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。中でも、溶解性および粘性の点からカルボキシメチルセルロースナトリウムが好ましい。特には、結合剤は、1質量パーセント水溶液としたときの粘度が、回転粘度計により測定される25℃における絶対粘度100mPa・sを超えるもの、好ましくは500mPa・sを超えるものが好ましい。上限は特に制限されないが、3000mPa・s未満、好ましくは2000mPa・s未満であるのがよい。
結合剤の量は、担体粒子同士を結合させ、粒状とするために十分な量であればよいが、特には、消泡剤組成物の総質量に対して、0.1〜10質量%、より好ましくは2〜6質量%である。結合剤の量が上記下限値より少ないと、担体粒子を十分に固形化できないおそれがある。結合剤の量が上記上限値より多いと、造粒時の付着や連なりの原因となり、また、粒状消泡剤の崩壊、分散を妨げる場合があり好ましくない。
[(D)崩壊剤]
崩壊剤は、粒状シリコーン消泡剤の分散または崩壊を促進し、効率的に消泡剤成分を放出するために作用する。崩壊剤は公知のものでよく、例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、カルメロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、コメデンプン、トウモロコシデンプン、非水溶性架橋ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。これらは1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。中でも、膨潤速度および膨潤圧の点から非水溶性架橋ポリビニルピロリドンが好ましい。
崩壊剤の量は、粒状シリコーン消泡剤の分散または崩壊を促すために十分な量であればよいが、特には、消泡剤組成物の総質量に対して好ましくは0.1〜12質量%、より好ましくは2〜8質量%である。崩壊剤の量が上記下限値より少ないと、粒状シリコーン消泡剤の崩壊時間が極端に遅くなるおそれがある。崩壊剤の量が上記上限値より多いと、加湿により強度が低下する場合があり、また、経済的にも好ましくない。
[(E)25℃で固体状の充填剤]
上記(A)成分は本質的に疎水性であるため、その撥水性により上記(D)崩壊剤の吸水、膨潤を阻害する傾向がある。(E)成分は、(A)成分による吸水、膨潤の阻害を解消し、崩壊剤の吸水を促し、速やかに膨潤させることで粒状消泡剤の分散または崩壊を進めるために作用する。
(E)成分は、粒状消泡剤中に水を取り込むことができる25℃で固体状の充填剤である。該(E)成分は(I)水溶性物質、(II)膨潤性物質及び(III)透水性物質から選ばれる少なくとも1種である。(I)水溶性物質としては、例えば、水溶性高分子等、水に溶解する物質が挙げられる。(II)膨潤性物質としては、例えば、吸水性粒子等、水との接触により膨潤またはゲル化して遊離することができる物質が挙げられる。(III)透水性物質としては、例えば、多孔質粒子及び中空粒子等、水分子を透過する物質が挙げられる。これらは1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
(I)水溶性物質としては、例えば、澱粉および加工澱粉、デキストリン、シクロデキストリンおよびマルトデキストリン等の多糖類、乳糖、及び糖アルコール等の糖類;ヒドロキシプロピルセルロース及びメチルセルロース等のセルロース類;アミノ酸及びその塩;ペプチド;タンパク質;ポリビニルアルコール、水溶性ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキサイド、スルホン化ポリイソプレン、及びスルホン化イソプレン共重合体等の水溶性高分子;酢酸カリウム、硝酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、臭化カリウム、リン酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、及び硝酸カルシウム等の、無機塩類、有機酸塩類及び前記塩の複塩等が挙げられる。特に、速やかに溶解して崩壊剤の吸水を促すという観点から、マルトデキストリンが好ましい。
(II)膨潤性物質としては、吸水性を有する、膨潤性層状材料である膨潤性粘土が挙げられる。該膨潤性粘土としては、例えば、ベントナイト、スメクタイト、モンモリロナイト、サポナイト、ノントロナイト、ラポナイト、バイデライト、ノントロナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、ステベンサイト、バーミキュライト、ボルコンスコイト、マガダイト、メドモンタイト、ケニヤアイト及びそれらの混合物が挙げられるが、より好ましくはベントナイトまたはモンモリロナイトである。ベントナイトは、モンモリロナイトを豊富に含む天然の粘土粒子の組み合わせである。ベントナイトは、モンモリロナイトを主成分として他のスメクタイト及び非粘土無機成分をさらに含有する膨潤性粘土であり、例えば、サポナイト、ノントロナイト、ラポナイト、バイデライト、ヘクトライト、ソーコナイト、ステベンサイト、バーミキュライト、ボルコンスコイト、マガダイト、メドモンタイト、又はケニヤアイト、又はこれらの混合物を含有する。
膨潤性物質の膨潤力は15mL/2g以上、さらには25mL/2g以上であるのが好ましい。膨潤力が上記下限値未満では十分に膨潤することができず、崩壊剤への吸水を促す効果が得られない。膨潤力の上限は特に制限されないが、通常、100mL/2g以下、好ましくは80mL/2g以下である。尚、本発明において、膨潤力は、日本ベントナイト工業会標準試験法JBAS−104−77により規定される値を意味する。具体的には、試料2gを採り、試料が親水性であるならば純粋または蒸留水、試料が疎水性であるならばトルエンのような有機溶剤100mLをメスシリンダーに入れ、試料を数回に分けて添加し24時間静置後、メスシリンダーの下部に堆積した試料の見かけ容積(mL)を読み取る。この方法によって、水又は有機溶剤中での膨潤性物質の膨潤性を評価することができる。
(III)透水性物質としては、例えば、珪藻土、ゼオライト等の多孔質鉱物が挙げられるが、透過率及びアルカリ性によるシリコーンの劣化という観点から、中性の珪藻土であることが好ましい。
透水性物質は透過率1Darcy以上を有することが好ましい。透過率が1Darcyより低い場合は崩壊剤の吸水を十分に促せず、粒状消泡剤が分散できないおそれがある。透過率の上限は特に制限されないが、通常、10Darcy以下、好ましくは5Darcy以下である。1Darcyとは、1平方cmの領域にあり厚さ1cmを有する透水性物質層の間を、1気圧差で、粘度1cpの流体を1立方cm/秒で通すときの値である(尚、JIS Z8803に規定される20℃における純水の粘度は1.002cpである)。また、1DarcyはSI単位を用いて9.87×10−13平方mで表すこともできる。
(E)成分の量は、崩壊剤の吸水を促し、速やかに膨潤させるために十分な量であればよいが、特には、消泡剤組成物の総質量に対して、3〜80質量%、より好ましくは5〜40質量%である。(E)成分の量が上記下限値より少ないと、崩壊剤へ十分に吸水を促すことができず、消泡剤を分散できないおそれがある。(E)成分の量が上記上限値より多いと、粒状消泡剤中に含まれる消泡成分の含有量が下がるため、消泡性が低下する場合があり好ましくない。
本発明の消泡剤組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で他の任意の成分を含んでもよい。例えば、消泡助剤、滑助剤、防腐剤等が挙げられる。
消泡助剤としては、ポリプロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル等の低HLB界面活性剤、鉱物油、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
滑助剤としては、ステアリン酸Mg、ステアリン酸Ca、ステアリン、タルク、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
防腐剤としては、次亜塩素酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラベン類、イソチアゾリン化合物等が挙げられる。
本発明の消泡剤組成物を用いた粒状消泡剤の製造方法は、公知の造粒方法、例えば、押出し造粒法、攪拌造粒法、転動造粒法、または流動層造粒法を使用すればよいが、好ましくは湿式押出し造流法である。
湿式押出し造粒法を用いた粒状消泡剤の製造方法として、以下の方法を挙げることができる。先ず、(A)シリコーン消泡剤を(B)固形担体と混合して固形担体にシリコーン消泡剤を担持させ、シリコーン消泡剤担持粉末を調製する。次いで、該シリコーン消泡剤担持粉末、(C)結合剤、(D)崩壊剤、及び(E)25℃で固体状の充填剤を混練して消泡剤組成物を調製する。得られた組成物に対し、5〜50質量%程度の水を加えて混練し、混練物を作製する。混練は、乳鉢、ゲートミキサー、ニーダー、万能混合機等を用いて行えばよい。該混練物を、例えばバスケット型押出し機、横型押し出し機、ツインドームグラン(登録商標)(不二パウダル社製)等の押出し造粒機を用いて造粒し、顆粒状物を作製する。造粒時に用いられるスクリーンの開口径は通常約0.3〜5mm程度であり、工業的生産の点からは1.0〜4.0mm程度が好ましい。上記方法で得られる顆粒状物は円柱状となり、直径は、通常1.0〜3mm程度、長さは1.0mm〜5.0mm程度である。次いで、該顆粒状物を、例えば流動層乾燥機などの乾燥機を用いて室温〜150℃で乾燥することによって粒状消泡剤を製造することができる。また、乾燥前にマルメライザー(登録商標)(不二パウダル社製)等を用いて球形化処理を行なってもよく、乾燥後にパワーミル(ダルトン社製)等を用いて整粒処理を行ってもよい。得られる粒状消泡剤の形状は特に制限されないが、顆粒状であれば直径が0.5〜5.0mm、好ましくは1.0〜4.0mm、より好ましくは1.0〜3.0mm、長さが1.0〜10mm、好ましくは1.5〜6.0mm、より好ましくは2.0〜5.0mmを有するのがよい。また、球状であれば直径が1.0〜6.0mm、より好ましくは1.5〜5.0mm、より好ましくは2.0〜4.0mmを有するのが良い。直径が上記下限値を下回る場合は製造が困難となり、上記上限値を上回る場合は他の粒状製品への内添が困難となり好ましくない。
本発明の消泡剤組成物より得られる粒状消泡剤は、水分を含まない固体状態であるため、エマルション型の消泡剤が有する分離や腐敗といった問題を有さず、保存安定性に著しく優れている。また、粉末型の消泡剤が有する帯電による粒子凝集や発塵といった問題を有さず作業性に優れている。更に、造粒法によって様々な形態の粒状消泡剤とすることができ、他の粉状または粒状組成物にも内添可能である。
以下、実施例と比較例をあげて本発明を更に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。尚、実施例中の粘度は回転粘度計により測定した25℃における絶対粘度の値である。
実施例及び比較例で使用した成分を以下に示す。
(A)シリコーン消泡剤
[調製例1]
(a−1)シリコーン混合物A
粘度1,000mm/sを有するジメチルポリシロキサン(信越化学工業株式会社製、KF96(1,000cs))90質量部、及び親水性湿式シリカ(東ソーシリカ社製、Nipsil HD−2、BET比表面積:300m/g)10質量部を、窒素ガス雰囲気下で150℃、3時間混合してシリコーンオイルコンパウンドを得た。該シリコーンオイルコンパウンドにポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン(信越化学工業株式会社製、KF352A)を200質量部加え、ホモミキサーを用いて均一になるまで混合してシリコーン混合物Aを得た。
[調製例2]
(a−2)シリコーン混合物B
粘度10,000mm2/sを有するジメチルポリシロキサン(信越化学工業株式会社製、KF96(10,000cs))90質量部、疎水性ヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、Aerosil R974、BET比表面積:170m/g)10質量部、及び水酸化カリウムを3%含有するカリウムシリコネート(信越化学工業株式会社製)5質量部を、窒素ガス雰囲気下で150℃、3時間混合した後、2−クロロエタノールで中和し、次いで低沸点留分を除去してシリコーンオイルコンパウンドを得た。該シリコーンオイルコンパウンドにポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン(信越化学工業株式会社製、KF352A)200質量部を加え、ホモミキサーを用いて均一になるまで混合してシリコーン混合物Bを得た。
(B)固形担体:湿式シリカ[沈殿法、BET比表面積180〜230m2/g](東ソー・シリカ社製)
(C)結合剤:カルボキシメチルセルロースナトリウム(1質量%水溶液としたときの粘度:1000〜1400mPa・s)(第一工業製薬社製)
(D)崩壊剤:非水溶性架橋ポリビニルピロリドン(BASF社製)
(E)25℃で固体状の充填剤
(e−1)ベントナイト(膨潤力:35mL/2g)(ホージュン社製)
(e−2)珪藻土(透過率:1.25Darcy)(昭和化学工業社製)
(e−3)乳糖(東京化成工業社製)
(e−4)マルトデキストリン(50℃下で50質量%水溶液としたときの粘度:10〜30mP)(日澱化學社製)
[実施例1]
シリコーン混合物A30質量部、及び湿式シリカ30質量部を室温でハイビスミックス(登録商標)(プライミクス株式会社製)により均一に混合し、湿式シリカにシリコーン混合物Aを吸着させた。その後、カルボキシメチルセルロースナトリウム4質量部、非水溶性架橋ポリビニルピロリドン6質量部、及びベントナイト30質量部を添加し、再度均一に混合して消泡剤組成物を調製した。次いで水40質量部を添加し、再びハイビスミックス(登録商標)により均一に混合した。得られた混練物を湿式押出造粒機(不二パウダル株式会社製、マルチグランMG−55、スクリーン径:0.5mmφ)を用い、ヌードル状の造粒物とした。次に、この造粒物を105℃の乾燥機にて8時間乾燥させ、得られた造粒物を破砕式造粒機(株式会社ダルトン、パワーミルP−02S、18メッシュスクリーン)を用いて整粒し、次いで、得られた粒状物をJIS Z 8801−1に規定の100メッシュふるい(目開き150μm)にかけることにより微粉末を除去し、粒状消泡剤を得た。
[実施例2]
シリコーン混合物Aに代えてシリコーン混合物Bを30質量部使用した以外は実施例1と同じ組成及び方法で粒状消泡剤を製造した。
[実施例3]
ベントナイトに代えて珪藻土を30質量部使用した以外は実施例1と同じ組成及び方法で粒状消泡剤を製造した。
[実施例4]
ベントナイトに代えて乳糖30質量部を使用した以外は実施例1と同じ組成及び方法で粒状消泡剤を製造した。
[実施例5]
ベントナイトに代えてマルトデキストリン30質量部を使用した以外は実施例1と同じ組成及び方法で粒状消泡剤を製造した。
[実施例6]
シリコーン混合物Aの添加量を35質量部とし、湿式シリカの添加量を35質量部とし、ベントナイトに代えてマルトデキストリンを20質量部使用した以外は実施例1と同じ組成及び方法で粒状消泡剤を製造した。
[実施例7]
シリコーン混合物Aの添加量を40質量部とし、湿式シリカの添加量を40質量部とし、ベントナイトに代えてマルトデキストリンを10質量部使用した以外は実施例1と同じ組成及び方法で粒状消泡剤を製造した。
[比較例1]
(D)崩壊剤を添加しなかった以外は実施例5と同じ組成及び方法で粒状消泡剤を製造した。
[参考例1]
シリコーン混合物Aの添加量を24質量部、湿式シリカの添加量を24質量部とし、崩壊剤の添加量を18質量部とし、ベントナイトに代えてマルトデキストリンを30質量部使用した以外は実施例1と同じ組成及び方法で粒状消泡剤を製造した。
[比較例2]
シリコーン混合物Aの添加量を45質量部とし、湿式シリカの添加量を45質量部とし、25℃で固体状の充填剤を添加しなかった以外は実施例1と同じ組成及び方法で粒状消泡剤を製造した。
[比較例3]
シリコーン混合物Aの添加量を5質量部、湿式シリカの添加量を5質量部、結合剤の添加量を2質量部、崩壊剤の添加量を3質量部とし、ベントナイトに代えてマルトデキストリンを85質量部使用した以外は実施例1と同じ組成及び方法で粒状消泡剤を製造した。
[比較例4]
シリコーン混合物Aの添加量を48質量部、湿式シリカの添加量を48質量部とし、崩壊剤及び25℃で固体状の充填剤を添加しなかった以外は実施例1と同じ組成及び方法で粒状消泡剤を製造した。
[比較例5]
シリコーン混合物A50質量部、湿式シリカ50質量部を室温でハイビスミックス(プライミクス株式会社製)により均一に混合、吸着させることにより粉末消泡剤を製造した。
〔評価方法〕
実施例、比較例で調製した各消泡剤について、崩壊率、消泡性(初期、徐放)、内添安定性、及び長期保存安定性の評価を以下に示す方法にて行った。
(1)崩壊率
150mLの透明ガラス瓶(広口規格ガラスびんPS−No.12)に純水80gを充填し、消泡剤を1g添加し、振とう器で250rpm×1分間攪拌した。消泡剤の残渣をステンレス金網100メッシュで捕捉し、105℃/3時間乾燥させた後の重量から減量分をパーセントで表したものを「崩壊率」とした。結果を表1に示す。
(2)消泡性(初期)
0.2質量%オレイン酸Na水溶液に消泡剤を(A)シリコーン消泡剤の量が350mgとなる量で添加したものを、150mLの透明ガラス瓶(広口規格ガラスびんPS−No.12)に70g充填し、振とう器で250rpm×5分間撹拌した。撹拌停止直後と撹拌停止3分後の泡を含めた液面の高さ(mm)を測定して「消泡性(初期)」とした。なお、初期の液面の高さは40mmであり、消泡剤を添加せず振とう器で250rpm×1分間撹拌したときの撹拌停止直後と撹拌停止3分後での泡を含めた液面の高さはいずれも90mmであった。結果を表1に示す。
(3)消泡性(徐放)
発泡液として家庭用台所用合成洗剤「ママレモン」(ライオン株式会社製)の0.1質量%水溶液2Lを円筒形の容器に入れ、そこに消泡剤3gを金網で作成した容器に入れて添加した。液面より12cmの高さから滝落とし状に2L/分の流量で発泡液を循環させ、5分後の泡の高さを計測した。計測後、試験液1Lを抜き取り新たな発泡液を追加し、同様に5分後の泡の高さを計測し、これを5回繰り返した。尚、泡の高さはmmで計測し、100mm以上はオーバーフローとした。各循環回数における泡高さの結果を表1に示す。
Figure 0005804565
表1に示す通り、(D)崩壊剤を含有しない比較例1の消泡剤組成物から得られた消泡剤は、粒子の崩壊が認められず、膨潤するだけであった。(E)成分を含有しない比較例2の消泡剤組成物から得られた消泡剤は(D)崩壊剤の吸水が滞り、粒子の崩壊が認められなかった。(E)成分の含有量が多すぎる比較例3の消泡剤組成物から得られた消泡剤は消泡性に劣っていた。(D)成分及び(E)成分を含有しない比較例4の消泡剤組成物から得られた消泡剤は、一切吸水が認められず、崩壊しなかった。比較例5の粉末消泡剤は速やかに消泡成分を放出するため初期の消泡性は良好であるが、徐放性は認められなかった。これに対し、本発明の消泡剤組成物より得られた消泡剤は、徐放性を有し、かつ(E)成分の種類及び配合比率を換えることによって粒状消泡剤の崩壊率を調整できる。これにより、初期の消泡性が良好である消泡剤と、持続性が良好である消泡剤とを作り分けることが可能である。尚、(D)の崩壊剤量を3倍とした参考例1の消泡剤組成物から得られた消泡剤は、近似組成を有する実施例5と崩壊率及び消泡性に有意差は認められなかった。
(4)内添安定性及び長期保存安定性
粒状洗剤組成物の製造
下記表2に示す各成分をハイビスミックス(プライミクス株式会社製)に加え、60〜80℃の温度で撹拌混合し、押し出し造粒機(不二パウダル株式会社製、マルチグランMG−55、スクリーン径:0.5mmφ)にて粒状とした。更に、パワーミル(株式会社ダルトン、パワーミルP−02S、18メッシュスクリーン)にて整粒し、次いで、得られた粒状物をJIS Z 8801−1に規定の100メッシュふるい(目開き150μm)にかけることにより微粉末を除去し、かさ密度0.7g/cmを有する粒状洗剤組成物を得た。
Figure 0005804565
[実施例8〜10]
上記粒状洗剤組成物99質量部に対し実施例1、2、又は5で得られた粒状消泡剤を1質量部配合して洗剤組成物とした。調製直後(初期)と40℃で3週間貯蔵した後の夫々の洗剤組成物について、下記に示す方法により、洗濯時の泡立ちとすすぎ性の評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例6]
上記粒状洗剤組成物に消泡剤を添加せず、調製直後(初期)と40℃で3週間貯蔵した後の夫々の組成物について、下記に示す方法により、洗濯時の泡立ちとすすぎ性の評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例7]
上記表2に記載の成分に加えエマルション型シリコーン消泡剤(a−3)(KM−7750、信越化学工業株式会社製)を1質量部配合した以外は実施例と同じ方法でかさ密度0.7g/cmを有する粒状洗剤組成物を製造した。調製直後(初期)と40℃で3週間貯蔵した後の夫々の組成物について、下記に示す方法により、洗濯時の泡立ちとすすぎ性の評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例8]
上記表2に記載の成分に加え自己乳化型シリコーン消泡剤(a−4)(KS−530、信越化学工業株式会社製)を1質量部配合した以外は実施例と同じ方法でかさ密度0.7g/cmを有する粒状洗剤組成物を製造した。調製直後(初期)と40℃で3週間貯蔵した後の夫々の組成物について、下記に示す方法により、洗濯時の泡立ちとすすぎ性の評価を行った。結果を表3に示す。
(I)泡立ちの評価
下記の条件にて洗濯を行い、洗濯7分後の泡高さ(mm)を測定した。下記条件において「洗剤量」が上記実施例8〜10及び比較例6〜8の洗剤組成物の量を意味する。
[洗濯条件]
・洗濯機: 東芝 AW−42ML(W) 洗濯容量4.2kg
・水量 : 30リットル
・洗剤量: 25g
・衣料 : 人工汚染布 1kg(日本資材株式会社製、EMPA101:250g、EMPA104:250g、EMPA107:250g、EMPA118:250g)
(II)すすぎ性評価
上記方法で洗濯後、下記の条件ですすぎを2回行った。すすぎ2回後のすすぎ性を下記の基準に従い評価した。
[すすぎ条件]
・注水量: 20L/min
・すすぎ時間: 3分/1回
[すすぎ性の評価基準]
A: 液面に泡が残っていない、もしくは僅かに泡が残っている
B: 液面に1/2程度泡が残っている
C: 液面の1/2〜ほぼ全体に泡が残っている
D: 液面全体に泡が残っている
Figure 0005804565
表3に示すように、本発明の粒状消泡剤は粉末洗剤組成物に対し良好に内添することが可能であり、かつ得られる洗剤組成物は洗浄時の泡立ちが抑制され、すすぎ時の泡切れも良好である。また、本発明の粒状消泡剤を内添した洗剤組成物は、長期間貯蔵しても洗剤成分による劣化が起こりにくく、消泡効果の低下がほとんどないため、内添安定性及び長期保存安定性に優れる。
本発明の消泡剤組成物から得られる粒状消泡剤は、粉末または粒状組成物に内添可能であり、かつ長期保存安定性及び内添安定性を有する。また、本発明の消泡剤組成物から得られる粒状消泡剤は、消泡剤成分の放出度合を調整することができ、かつ良好な徐放性を有するため、消泡剤として良好である。

Claims (8)

  1. 下記(A)成分〜(E)成分を含有する消泡剤組成物
    (A)シリコーン消泡剤 組成物総質量の5〜60質量%、
    (B)固形担体 組成物総質量の5〜60質量%、
    (C)結合剤 組成物総質量の0.1〜10質量%、
    (D)デンプングリコール酸ナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、カルメロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、コメデンプン、トウモロコシデンプン、非水溶性架橋ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウムから選ばれる少なくとも1種である、崩壊剤 組成物総質量の0.1〜12質量%、及び
    (E)下記(I)〜(III)から選ばれる少なくとも1種である、25℃で固体状の充填剤 組成物総質量の3〜80質量%
    (I)水溶性物質
    (II)膨潤性物質
    (III)透水性物質。
  2. (B)成分が、BET比表面積150〜400m2/gを有するシリカである、請求項1記載の消泡剤組成物。
  3. (C)成分が、糖、糖蜜、デキストリン、加水分解デンプン、予備ゼラチン化されたデンプン、リグニン、ゼラチン、グアーガム、アラビアガム、トラガカントガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、微結晶セルロース、ポリエチレンオキシド、水溶性ポリビニルピロリドン、及びそれらの組合せからなる群から選択される1種または2種以上である、請求項1または2記載の消泡剤組成物。
  4. (D)成分が、非水溶性架橋ポリビニルピロリドン、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選択される1種または2種以上である、請求項1〜3のいずれか1項記載の消泡剤組成物。
  5. (E)成分が、無機塩類、有機酸塩類及び前記塩の複塩、アミノ酸及びその塩、ペプチド、タンパク質、糖類、セルロース類、水溶性高分子より成る群から選ばれる1種又は2種以上である、請求項1〜4のいずれか1項記載の消泡剤組成物。
  6. (E)成分が、15mL/2g以上の膨潤力を有するベントナイトまたはモンモリロナイトである、請求項1〜4のいずれか1項記載の消泡剤組成物。
  7. (E)成分が、1Darcy以上の透過率を有する透水性物質である、請求項1〜4のいずれか1項記載の消泡剤組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の消泡剤組成物から製造される、粒状消泡剤。
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