JP6554796B2 - 消泡剤組成物 - Google Patents

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    • B01D19/00Degasification of liquids
    • B01D19/02Foam dispersion or prevention
    • B01D19/04Foam dispersion or prevention by addition of chemical substances

Description

本発明は、消泡剤組成物、特には消泡性、発泡液への分散性に優れた消泡剤組成物に関するものである。
シリコーン系消泡剤は、シリコーンの表面張力が非常に小さく、多くの溶剤に不溶であることから、他の消泡剤に比べて消泡性能に優れており、化学工業、食品工業、石油工業、繊維工業、製紙工業、紙パルプ工業又は医薬品工業等の発泡を伴う工程において広く使用されている。その製品形態としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルビニルポリシロキサン等のシリコーンオイルを微粉末シリカと混合したオイルコンパウンド型消泡剤、これらシリコーンオイルコンパウンドを界面活性剤と共に水中に分散してなるエマルジョン型消泡剤が汎用されている。
しかし、エマルジョン型消泡剤は、高温、高アルカリ性、高剪断力といった過酷な条件下では乳化粒子が破壊され、消泡能力が低下するという問題があるため、これに代わるものとしてポリオキシアルキレン基で変性されたオルガノポリシロキサンとシリコーンオイルコンパウンドとを併用した自己乳化型消泡剤〔特公昭51−71886号公報、特公昭54−43015号公報、特公昭52−19836号公報、特公昭52−22638号公報、特公昭55−23084号公報(特許文献1〜5)〕が提案されている。
ところが、これらシリコーン系消泡剤は消泡効果こそ優れているものの、分散性が悪く、エマルジョン型あるいは自己乳化型として水系に対する分散性を向上させたものでも、目標の分散性まで達することができず、消泡効果が十分に発揮されない、又はシリコーン成分のブリードが発生することが少なくないという問題がある。
このようにシリコーン成分がブリードすると、排水処理用途ではシリコーンのスカムが配管に付着することで閉塞させたり、フィルターを目詰まりさせたり、ポンプの動作不良を招くなどして、排水処理効率を低下させるおそれがある。また、各種塗料や染色剤、サイズ剤に内添する用途においては、このような現象によりハジキ、オイルスポットによる塗り・染色ムラ発生の原因となる。製紙工業においてもブリードしたオイル由来のハジキが発生する原因となる。
特公昭51−71886号公報 特公昭54−43015号公報 特公昭52−19836号公報 特公昭52−22638号公報 特公昭55−23084号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、特には消泡性、発泡液への分散安定性に優れた消泡剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、消泡剤組成物のシリコーンオイル中の低分子シロキサンを低減させること、特に3量体〜10量体の環状ジメチルポリシロキサンを低減させることで乳化性が向上することを見出し、消泡効果を確保しつつエマルジョンの分散安定性を獲得、更には最終製品での電気接点障害の防止が可能であることを見出した。
即ち、エマルジョン型あるいは自己乳化型シリコーン系消泡剤の不安定化要因として、低分子シロキサンの存在があることを知見した。低分子シロキサンは主に「−Me2SiO−」で示されるジメチルシロキシ単位の環状3量体〜10量体であり、これらは高分子のシリコーンオイル及び水より比重が小さいために、エマルジョン型あるいは自己乳化型とした際に、比重差による分離を引き起こしやすく、結果として水系に対する分散性を損なうことを知見したものである。
この場合、低分子シロキサンは、高温雰囲気下のみならず室温においても揮発する。また、低分子シロキサンが発泡液から生じるミストに取り込まれて揮散することもある。このようにして揮発あるいは揮散した低分子シロキサンが工程中で機器に付着し、電子電気機器に用いられているリレー、スイッチ、モーター等の部品の電気接点障害を引き起こすおそれがある。
これら電子電気機器に関連する材料は多岐にわたっており、樹脂、繊維、ゴム、塗料・インキの製造、あるいは樹脂成型時にシリコーン系消泡剤が用いられることがある。更には、間接的に、これら材料の処理剤としてコーティング剤、離型剤、潤滑剤、ブロッキング防止剤、繊維処理剤が用いられるが、その際の作業性向上を目的としてシリコーン系消泡剤が頻繁に利用されている。
例えば、繊維処理剤にシリコーン系消泡剤を用いた場合について、繊維を絡み合わせてシート状にした不織布は、エアコンのフィルターや、携帯電話、パソコンなどの電池用セパレータをはじめとして、多くの電子機器に使用されている。また、同じく電気接点障害を嫌う自動車部材においても、エンジン部のトランスミッショントンネル、ターボコンプレッサーなどの防音部材、オイルフィルター、トランスミッションフィルター、ディーゼルフィルターなどのフィルター部材、その他各所の断熱材として不織布が使用されており、繊維処理工程時に繊維に付着した低分子シロキサン由来の問題が発生することがある。
こうした電気接点障害の問題は電子材料に限らず、例えば食品工業分野でもみられる。食品工業分野では近年、多くの食品加工機械が用いられており、この場合特に加熱工程、フライ工程など高温処理によってこれら低分子シロキサンの揮発が促され、食品加工機械の電気接点障害を起こすおそれがある。また、加熱がない工程においても、発酵工程など発泡が激しい場合においては、同様に低分子シロキサンが揮散することで電気接点障害等のトラブルを引き起こすおそれがある。
そのほか、近年の排水・下水処理場は、単純に排水・下水の浄化を行うだけではなく、活性汚泥を用いた浄化処理の際に嫌気性発酵により発生するメタンガス、二酸化炭素などの消化ガスを燃料としてガス発電を行うことで、排水・下水処理場の電力を一部まかなっている。そのとき低分子シロキサンが存在すると、ガス発電設備のエンジン摺動部材の摩耗劣化、点火プラグへのシリカ堆積による発電効率及びメンテナンス性の低下原因となる。更に生成したシリカが排ガス処理用触媒の閉塞を招き、触媒毒となるおそれもある。
このような低分子シロキサン由来のシリカが触媒毒となるケースは他にもある。石油工業、ガス工業においてもシリコーン系消泡剤を石油精製工程で使用しているが、その際に硫黄、窒素あるいはベンゼンなど芳香族の除去触媒、石油においては低オクタン価の留分を反応により高オクタン価とする改質触媒も多く使用されている。こうした触媒が低分子シロキサン由来のシリカにより閉塞されることで同様に操業効率、メンテナンス性が低下してしまう。
しかしながら、シリコーンオイルコンパウンド中の低分子シロキサン、特に4量体及び/又は5量体の含有量をそれぞれ1,000ppm以下に低減させることにより、上記の問題を解消し得ることを知見したものである。
従って、本発明は、下記消泡剤組成物を提供する。
〔1〕
(A)下記平均組成式(1)
aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、Rは、互いに独立に、非置換もしくは置換の1価炭化水素基であり、aは1.9〜2.2の数である。)
で表される25℃における粘度が10〜100,000mm2/sであり、環状3量体〜10量体の合計量が500ppm以下であるシリコーンオイル60〜99.9質量部と、BET法による比表面積が100m2/g以上の微粉末シリカ0.1〜40質量部よりなり、4量体及び/又は5量体の環状ジメチルポリシロキサンの含有量がそれぞれ500ppm以下、3量体〜10量体の環状ジメチルポリシロキサンの合計含有量が500ppm以下であるシリコーンオイルコンパウンド:100質量部、及び
(B)ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル及び平均組成がHO−(C36O)35−Hで表されるポリオキシアルキレン重合体を含む非イオン性界面活性剤:2〜500質量部
を含有する、エマルジョン型又は自己乳化型消泡剤組成物。
〔2〕
(A)のシリコーンオイルコンパウンドの微粉末シリカが、未処理、又はトリメチルシリル基、ジメチルシリル基、モノメチルシリル基又はポリジメチルシロキシ基により修飾されたものである〔1〕に記載の消泡剤組成物。
本発明によれば、特には消泡性、発泡液への分散安定性に優れ、かつ電気接点障害の防止が可能な消泡剤組成物を得ることを可能とする。
以下、本発明を詳しく説明する。
[(A)シリコーンオイルコンパウンド]
シリコーンオイルコンパウンドは、この組成物に消泡性を付与するための主成分となるもので、シリコーンオイル(a)と微粉末シリカ(b)からなるものである。シリコーンオイルコンパウンドは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
(a)シリコーンオイル
シリコーンオイルは、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。該シリコーンオイルとしては、下記平均組成式(1):
aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、Rは、互いに独立に、非置換もしくは置換の1価炭化水素基であり、aは1.9〜2.2の数である。)
で表されるものが挙げられる。なお、上記式(1)で示されるシリコーンオイルは本質的に疎水性である。
上記式(1)において、Rは好ましくは、互いに独立に、非置換もしくは置換の、炭素数1〜18の1価炭化水素基である。該1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、スチリル基、α−メチルスチリル基等のアラルキル基など、又は、これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、水酸基等で置換したクロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノエチル基、3−アミノプロピル基、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピル基等が挙げられる。中でも、消泡性及び経済性の面から、Rで示される基の合計個数のうち80%以上、特に90%以上がメチル基であることが好ましい。aは1.9≦a≦2.2、好ましくは1.95≦a≦2.15を満たす数である。該オルガノポリシロキサンの末端は、R3Si−で示されるトリオルガノシリル基で封鎖されていても、HOR2Si−で示されるジオルガノヒドロキシシリル基で封鎖されていてもよい。
該シリコーンオイルは、消泡性及び作業性の面から、オストワルド粘度計により測定した25℃における粘度が10〜100,000mm2/s、好ましくは50〜10,000mm2/sを有するのがよい。上記下限値未満ではシリコーンオイルコンパウンドの消泡性能が劣り、上記上限値を超えるとシリコーンオイルコンパウンドの粘度が増大して作業性が悪くなる。
本発明において、上記シリコーンオイルとしては、「−Me2SiO−」で示されるジメチルシロキシ単位の環状4量体及び/又は5量体がそれぞれ1,000ppm以下、特に環状3量体〜10量体がそれぞれ1,000ppm以下、好ましくは環状3量体〜10量体の合計量が1,000ppm以下のものを使用する。通常、シロキサンポリマーは、酸やアルカリなどによるシロキサンオリゴマーの平衡反応により生成されるため、重合度の大小にかかわらず、常に相当量の低分子シロキサンが存在してしまう。シリコーンオイルに含まれる低分子シロキサン成分を低減する方法としては、減圧状態で100〜300℃程度の高温加熱下に低分子シロキサン成分を気化除去する方法や、該気化除去中あるいはこの気化除去の後に、更に不活性ガスを吹き込んで気化を促進する方法などが挙げられる。これらの方法により、(a)成分のシリコーンオイル中の「−Me2SiO−」で示されるジメチルシロキシ単位の環状3量体〜10量体はそれぞれ1,000ppm以下、好ましくは500ppm以下、より好ましくは200ppm以下に低減され、特には環状3量体〜10量体の合計量が1,000ppm以下、好ましくは500ppm以下、より好ましくは200ppm以下まで低減化される。
上記式(1)で表されるシリコーンオイルの好ましい例としては、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサンコポリマー、メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ポリシロキサン、及びα,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
シリコーンオイル(a)の量は、(A)シリコーンオイルコンパウンド100質量部中に60〜99.9質量部、特に80〜99質量部となる量が好ましい。
(b)微粉末シリカ
微粉末シリカは公知のものであればよく、例えば、沈降シリカ等の湿式シリカ、シリカキセロゲル、ヒュームドシリカ等の乾式シリカが使用できる。上記シリカはいずれも親水性シリカである。本発明は、該親水性シリカをそのまま用いてもよいし、有機シリル基を有する化合物で表面処理して疎水性シリカとしたものを用いてもよい。微粉末シリカは1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
該微粉末シリカは市販品を用いることができる。例えば、商品名で、アエロジル(登録商標)(日本アエロジル(株)製)、ニプシル(登録商標)、ニプジェル(登録商標)(共に東ソー・シリカ(株)製)、サイリシア(登録商標)(富士シリシア化学(株)製)等が挙げられる。微粉末シリカは、BET法による比表面積100m2/g以上を有するものが好ましく、より好ましくは100〜500m2/g、更に好ましくは150〜500m2/gを有するものである。
微粉末シリカ(b)の量は、上記(A)シリコーンオイルコンパウンド100質量部中に0.1〜40質量部、特に1〜20質量部となる量が好ましい。微粉末シリカの量が少なすぎると消泡性能が劣り、多すぎるとシリコーンオイルコンパウンドの粘度が増加して作業性が悪くなる。
<シリコーンオイルコンパウンドの調製>
シリコーンオイルコンパウンドの調製は公知の方法に従えばよいが、例えば、上記(a)シリコーンオイルと(b)微粉末シリカを混合し、80℃以上、特に80〜200℃の温度で加熱処理した後、必要に応じて中和及び/又は低沸点留分を除くことによって製造することができる。このシリコーンオイルコンパウンドには、特公平4−42043号公報、特開平5−261206号公報、及び特開2005−324140号公報等に記載される無機質アンモニウム塩、有機ケイ素化合物、シロキサン樹脂、及びアルカリ触媒などを、消泡剤の消泡持続性、高温特性、希釈安定性、及び耐アルカリ性などの向上のために更に添加してもよい。
このシリコーンオイルコンパウンド中の低分子シロキサンの含有量は、上記シリコーンオイル中の低分子シロキサン含有量に依存し、4量体及び/又は5量体の環状ジメチルポリシロキサンの含有量がそれぞれ1,000ppm以下、好ましくは500ppm以下、より好ましくは200ppm以下であり、この場合より好適には、3量体〜10量体の環状ジメチルポリシロキサンの含有量がそれぞれ1,000ppm以下、好ましくは500ppm以下、より好ましくは200ppm以下である。更に好適には、3量体〜10量体の環状ジメチルポリシロキサンの合計含有量が1,000ppm以下、好ましくは500ppm以下、より好ましくは200ppm以下である。
[(B)非イオン性界面活性剤]
非イオン性界面活性剤は、上記シリコーンオイルコンパウンドを水に分散させるためのものであるが、一般に公知のものでよく、例えばソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
本発明の消泡剤組成物中における(B)非イオン性界面活性剤は、1種単独で用いても、2種以上の混合物で用いてもよいが、その配合量は、(A)シリコーンオイルコンパウンド100質量部に対し2〜500質量部であり、好ましくは5〜300質量部である。2質量部未満では水分散性が悪くなり、500質量部より多くすると消泡性が劣るものとなる。
[その他の成分]
本発明の消泡剤組成物には、上記成分以外に、本発明の目的を損なわない限り必要に応じ、その他の成分を配合してもよい。例えば、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、乳糖、デキストリン、親水性微粉末シリカ、澱粉などの微粉末担体に吸着させた粉末型消泡剤組成物として、又は室温で固体の界面活性剤、水溶性ワックスなどを配合し成形した固形型消泡剤組成物として、更には水、増粘剤、防腐剤により乳濁液としたエマルジョン型消泡剤組成物として使用することも可能である。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中の粘度はキャノンフェンスケ(SO)粘度計(型名:No.500、柴田科学(株)製)により測定した25℃における値である。
〔成分明細〕
(A)シリコーンオイルコンパウンド
(A−1)
粘度1,000mm2/sを有するジメチルポリシロキサン[信越化学工業(株)製、KF96(1,000cs)]90質量部、微粉末シリカとしてニプシル(Nipsil)HD−2[東ソー・シリカ(株)製、比表面積300m2/g]10質量部を、窒素ガス雰囲気下で150℃、3時間混合してシリコーンオイルコンパウンド(A−1)を得た。
得られたシリコーンオイルコンパウンド1g及びアセトン10mLをガラス瓶に量り取り、封をして16時間振とうし、ガスクロマトグラフィーを用いて、アセトン中の「−Me2SiO−」で示されるジメチルシロキシ単位の環状3量体〜10量体を定量した。オイルコンパウンド中のジメチルシロキシ単位において環状4量体(D4)と環状5量体(D5)はそれぞれ100ppm未満であり、環状3量体〜10量体の合計量は100ppm未満であった。
(A−2)
粘度1,000mm2/sを有するジメチルポリシロキサン[信越化学工業(株)製、KF96(1,000cs)]90質量部、微粉末シリカとしてヘキサメチルジシラザンで表面処理した表面疎水化シリカAerosil R812[日本アエロジル(株)製、比表面積250m2/g]5質量部、及び水酸化カリウムを3質量%含有するカリウムシリコネート(信越化学工業(株)製)5質量部を、窒素ガス雰囲気下で150℃、3時間混合した後、2−クロロエタノールで中和し、次いで低沸点留分を除去してシリコーンオイルコンパウンド(A−2)を得た。
得られたシリコーンオイルコンパウンド1g及びアセトン10mLをガラス瓶に量り取り、封をして16時間振とうし、ガスクロマトグラフィーを用いて、アセトン中の「−Me2SiO−」で示されるジメチルシロキシ単位において環状4量体(D4)と環状5量体(D5)はそれぞれ100ppm未満であり、環状3量体〜10量体の合計量は100ppm未満であった。
(A−3)
粘度1,000mm2/s、「−Me2SiO−」で示されるジメチルシロキシ単位の環状3量体〜10量体の含有量が2,000ppmを有するジメチルポリシロキサン[信越化学工業(株)製、KF96(1,000cs)]90質量部、微粉末シリカとしてニプシル(Nipsil)HD−2[東ソー・シリカ(株)製、比表面積300m2/g]10質量部を、窒素ガス雰囲気下で150℃、3時間混合してシリコーンオイルコンパウンド(A−3)を得た。
得られたシリコーンオイルコンパウンド1g及びアセトン10mLをガラス瓶に量り取り、封をして16時間振とうし、ガスクロマトグラフィーを用いて、アセトン中の「−Me2SiO−」で示されるジメチルシロキシ単位の環状3量体〜10量体を定量した。オイルコンパウンド中のジメチルシロキシ単位において環状4量体(D4)の量は1,220ppm、環状5量体(D5)の量は310ppmであり、環状3量体〜10量体の合計量は1,700ppmであった。
(B)非イオン性界面活性剤
(B−1)
平均組成が下記式(2)で表され、かつ粘度が1,640mm2/sのポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン。
2 23SiO−(R2 2SiO)m−(R24SiO)n−SiR2 23 (2)
(式中、R2及びR3は−CH3、R4は−C36O(CH2CH2O)23(CH2CH(CH3)O)2349、mは27、nは3である。)
(B−2)
平均組成が下記式(3)で表され、かつ粘度が1,100mm2/sのポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン。
5 26SiO−(R5 2SiO)x−(R57SiO)y−SiR5 26 (3)
(式中、R5は−CH3、R6は−C1327、R7は−C36O(C24O)6(C36O)24CH3、xは80、yは2である。)
(B−3)
平均組成が下記式(4)で表されるポリオキシアルキレン重合体。
HO−(C36O)35−H (4)
(B−4)
ソルビタンモノステアレート
(B−5)
モノステアリン酸ポリエチレングリコール(EO付加モル数50)
[実施例1〜2、参考例1、比較例1,2]
上記(A)、(B)成分を表1に示した量で用い、80℃でホモミキサーにて加熱混合した。エマルジョン型の場合は水を徐々に添加して再度ホモミキサーで乳化分散させることで消泡剤組成物を調製した。これらの組成物の消泡性、水分散性、希釈安定性、電気接点障害防止性、染色性、及びオイルスポットを評価した。
[消泡性試験]
発泡液として家庭用台所用合成洗剤「ママレモン」(ライオン(株)製)の0.2質量%水溶液150mLを、自動循環式消泡試験装置(Teclis社製、MiniJet)へ充填、発泡液温度25℃、発泡液循環流量500mL/minにて循環を開始し、泡体積が100mLに達した瞬間に、表1に従って調製した消泡剤組成物を、水を除いた固形分換算で50ppm添加した。該希釈消泡剤組成物を添加してから1分後、2分後、3分後、5分後の泡体積を測定し、消泡性を評価した。結果を表2に示す。
[水分散性試験]
表1に従って調製した消泡剤組成物5gを、150mLの透明ガラス瓶(広口規格ガラス瓶PS−No.12)にイオン交換水95gと共に充填した。これを振とう器で250rpm×1分間撹拌し、撹拌停止直後の消泡剤組成物の状態を目視で観察し、水分散性を下記の基準で評価した。結果を表3に示す。
○:消泡剤組成物が完全に分散し、未分散物が確認されない
△:消泡剤組成物の大部分の分散が認められるものの、未分散物が確認された
×:分散が認められず、消泡剤組成物の大部分が溶け残り、スカムが確認された
[希釈安定性試験]
表1に従って調製した消泡剤組成物10gとイオン交換水10gを、スパチュラを用いて撹拌し乳化物とし、続いて80gのイオン交換水で希釈し、10倍希釈液とした。希釈後の該消泡剤組成物を25℃で1日間保存した後の状態を目視で観察し、希釈安定性を下記の基準で評価した。結果を表3に示す。
○:油層と水層の分離/スカムの発生は認められなかった
△:油層と水層の濃淡分離が認められた/スカムの発生は認められなかった
×:油層と水層の分離、あるいはスカムの発生が認められた
[電気接点障害防止性試験]
表1に従って調製した消泡剤組成物100gを体積5Lの容器に入れ、密閉後、熱風循環型乾燥機中80℃の条件でマイクロモーター加速耐久寿命試験を実施した。測定はモーター電流波形をオシロスコープにより追跡し、波形の乱れが確認された時点で電気接点障害が発生したものとして下記の基準で電気接点障害防止性を評価した。結果を表3に示す。
○:240時間を超えても波形に乱れがない(接点障害なし)
×:240時間以内に波形に乱れが発生した(接点障害あり)
[染色性試験]
染料(S−BGU、HOECHST社製)0.1g、染色助剤(エマ−ルNC−35、花王(株)製)4g、酢酸4g、表1に従って調製した消泡剤組成物10gを添加した水溶液2Lを用いて、マチス社製高温染色機(JF型)にてポリエステル布10gを135℃×10分で染色し、染色ムラを目視により下記の基準で評価した。結果を表3に示す。
◎:全く染色ムラがない
○:若干染色ムラがあるが、ブランク(消泡剤組成物を添加しない場合)と同等
△:少し濃色又は白ぬけがある
×:濃色又は白ぬけが目立つ
[オイルスポット試験]
ポリエステル布10gに表1に従って調製した消泡剤組成物を2滴滴下し、150℃×10分加熱後、上記染色試験の消泡剤組成物を添加せずに同様に染色し、染色ムラを目視により上記と同様に評価した。結果を表3に示す。
Figure 0006554796
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Claims (2)

  1. (A)下記平均組成式(1)
    aSiO(4-a)/2 (1)
    (式中、Rは、互いに独立に、非置換もしくは置換の1価炭化水素基であり、aは1.9〜2.2の数である。)
    で表される25℃における粘度が10〜100,000mm2/sであり、環状3量体〜10量体の合計含有量が500ppm以下であるシリコーンオイル60〜99.9質量部と、BET法による比表面積が100m2/g以上の微粉末シリカ0.1〜40質量部よりなり、4量体及び/又は5量体の環状ジメチルポリシロキサンの含有量がそれぞれ500ppm以下、3量体〜10量体の環状ジメチルポリシロキサンの合計含有量が500ppm以下であるシリコーンオイルコンパウンド:100質量部、及び
    (B)ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル及び平均組成がHO−(C36O)35−Hで表されるポリオキシアルキレン重合体を含む非イオン性界面活性剤:2〜500質量部
    を含有する、エマルジョン型又は自己乳化型消泡剤組成物。
  2. (A)のシリコーンオイルコンパウンドの微粉末シリカが、未処理、又はトリメチルシリル基、ジメチルシリル基、モノメチルシリル基もしくはポリジメチルシロキシ基により修飾されたものである請求項1に記載の消泡剤組成物。
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