WO2013089074A1

WO2013089074A1 - 収穫機用の収穫前処理装置

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Publication number: WO2013089074A1
Application number: PCT/JP2012/081969
Authority: WO
Inventors: 南照男; 寺坂賢一
Original assignee: 株式会社クボタ
Priority date: 2011-12-16
Filing date: 2012-12-10
Publication date: 2013-06-20
Also published as: CN107258218B; CN107258217B; CN103987248A; CN107258218A; CN103987248B; CN107258217A

Abstract

　隣り合う一対の収穫物係止搬送装置４５，４５の無端回動体５５を操作簡単に等しい張力状態に調整できるように構成した収穫機が開示される。この収穫機は、無端回動体５５の戻り経路５９が対向し合う状態で機体横方向に隣り合う一対の収穫物係止搬送装置４５，４５の一方における無端回動体５５の搬送始端側が巻回する始端側回転輪体５２、及び他方における無端回動体５５の搬送始端側が巻回する始端側回転輪体５２を支持する可動側支持部材８４と、この可動側支持部材８４を移動自在に支持する固定側支持部材８２と、これらの無端回動体５５に始端側回転輪体５２によって張力付与する方向に、可動側支持部材８４を固定側支持部材８２に対して移動操作する張力付与手段８５と、を備える。

Description

収穫機用の収穫前処理装置

　本発明は、収穫機用の収穫前処理装置に関する。本発明は、特にとうもろこし収穫機用の収穫前処理装置に関するが、これに限定するものではない。

［１］収穫機用の収穫前処理装置には、無端回動体によって収穫物を機体後方向きに係止搬送する収穫物係止搬送装置の複数を機体横方向に並べて設けたものがある。

　例えば特許文献１に示す収穫機のヘッドには、左右のアウタユニットとセンタユニットとの三列のユニットが設けられている。左右のアウタユニット及びセンタユニットは、収穫物を係止搬送する左右一対のギャザリングメンバ（無端回動体に相当）を備えて構成されている。ギャザリンングメンバの搬送始端側が巻回するアイドラプーリを支持する揺動自在なアイドラアーム、及びアイドラアームを揺動操作することによってギャザリングメンバを緊張操作する緊張手段を、各ギャザリングメンバに対応させて備えている。

［２］収穫機用の収穫前処理装置には、機体横方向に並ぶ複数の収穫物係止搬送装置、及び前記複数の収穫物係止搬送装置を支持する収穫部フレームを有して、機体横方向での複数箇所で収穫物を収穫する収穫部と、前記収穫部フレームの後部に連結された送出部フレームを有して、前記収穫部によって収穫された収穫物をフィーダに送出する送出部とを備え、前記収穫部フレームの横一側部が前記送出部フレームから横外側に突出する状態で前記収穫部フレームと前記送出部フレームとが連結しているものがある。

　例えば特許文献２に示すコンバインでは、穀物刈取ヘッダー、及び穀物刈取ヘッダーの後部略中央に連結させて刈取穀稈を脱穀部に送給するフィーダハウスが備えられ、フィーダハウスに内設する供給チェンコンベアのコンベア軸から穀物刈取ヘッダーに備えた刈刃及び穀稈掻込オーガに動力伝達する伝動系にトルクリミッタが設けられている。

［３］とうもろこし収穫機の収穫前処理装置には、走行機体の前部に揺動昇降操作自在に連結される前処理フレームと、前記前処理フレームに機体横方向に並べて支持されて、とうもろこしを収穫する複数の収穫装置と、前記複数の収穫装置の後方で前記前処理フレームに支持されて、前記複数の収穫装置からのとうもろこしを横送りデッキに沿わせて横送りする横送りオーガとを備えたものがある。

　例えば特許文献３に示す収穫機では、４列のコンベイングパス、各コンベイングパスの両横側に設けたギャザリングチェーン、４列のコンベイングパスの後方に横向きに設けたオーガ、オーガの下方に位置するフロアを有したベースフレームを有したベースフレームを備えて、収穫機のヘッダが構成されている。

［４］収穫機用の収穫前処理装置には、無端回動体によって収穫物を機体後方向きに係止搬送する収穫物係止搬送装置の複数を、機体横方向に並べて設けたものがある。

　例えば特許文献１に示す収穫機のヘッドには、左右のアウタユニットとセンタユニットとの三列のユニットが設けられている。左右のアウタユニット及びセンタユニットは、収穫物を係止搬送する左右一対のギャザリングメンバ（無端回動体に相当）を備えて構成されている。ギャザリングメンバの搬送始端側が巻回するアイドラプーリを支持する揺動自在なアイドラアーム、及びアイドラアームを揺動操作することによってギャザリングメンバを緊張操作する緊張手段を、各ギャザリングメンバに備えられている。

米国特許第４５６６２５６号公報日本国特開２００４－２６１０９３号公報米国特許第５１１７６１８号公報

［１］背景技術［１］に対応する課題は、以下の通りである。
　上記した収穫機用の収穫前処理装置において、従来の技術を適用することによって無端回動体に対する張力付与を可能にした場合、複数の収穫物係止搬送装置それぞれの無端回動体に個別に張力付与することになり、隣り合う一対の収穫物係止搬送装置における無端回動体の張力を等しくしようとしても、一方の無端回動体に付与する張力と他方の無端回動体に付与する張力とを個別に調節する必要があることから、実際には、張力が異なりがちであった。

　本発明の目的は、隣り合う一対の収穫物係止搬送装置の無端回動体を操作簡単に等しい張力状態に調整することができる収穫機用の収穫前処理装置を提供することにある。

［２］背景技術［２］に対応する課題は、以下の通りである。
　機体横方向に並ぶ複数の収穫物係止搬送装置、及び複数の収穫物係止搬送装置を支持する収穫部フレームを有して、機体横方向での複数箇所で収穫物を収穫する収穫部と、収穫部フレームの後部に連結された送出部フレームを有して、収穫部によって収穫された収穫物をフィーダに送出する送出部とを備えた収穫前処理装置において、収穫部に対する伝動トルクの規制を行なうトルクリミッタを設けるのに、収穫部フレームや送出部フレームの外部に位置するよう配備すれば、トルクリミッタの調整や点検などの作業が容易になる。
　ところが、トルクリミッタに対する作物の接触が発生しやすい場合、作物の絡み付きによる作動不良が発生しやすくなる。また、作物の絡み付きを防止するリミッタケースなどのカバー手段が必要になり、経済面で不利になる。

　本発明の目的は、収穫部用のトルクリミッタを調整や点検作業が容易な状態で装備できるのみならず、作物の絡み付きを構造簡単に回避しやすい状態で装備できる収穫機用の収穫前処理装置を提供することにある。

［３］背景技術［３］に対応する課題は、以下の通りである。
　上記した収穫前処理装置では、横送りオーガによる収穫物の搬送を可能にする横送りデッキを備え、横送りデッキは、横送りオーガの全長にわたる横方向長さ、及び横送りオーガの下方から収穫装置の後端部付近に至る前後方向長さを備えるよう構成されることにより、横送りデッキに前処理フレームの機能を備えさせて、前処理フレームを構成することが考えられる。
　ところが、この場合、横送りデッキが大型部材であることから、横送りデッキの重量のために前処理フレームの重量が大になり、収穫前処理装置全体の重量が極めて大になる問題があった。

　本発明の目的は、前処理フレームの面から軽量化できる収穫機の収穫前処理装置を提供することにある。

［４］背景技術［４］に対応する課題は、以下の通りである。
　上記した収穫機用の収穫前処理装置では、無端回動体に張力を付与する張力調整手段を設け、無端回動体の製作誤差や延びなどにかかわらず、無端回動体の張力調整を行なえるように構成される。
　張力調整手段として手動タイプを採用したものの場合、張力調整手段の操作による張力調整を行なっても、張力の微細な変化を認識しにくくて微調整を行い難いことにより、張力調整手段として自動タイプをしたものの場合、スプリングが強力な操作力によって無端回動体に張力を発生させることで微調整を行なわせ難いことにより、収穫物係止搬送装置間における無端回動体の張力差が発生しがちであった。

　本発明の目的は、隣り合う収穫物係止搬送装置どうしの間における無端回動体の張力差発生を回避や抑制し易い収穫機用の収穫前処理装置を提供することにある。

［１］課題［１］に対応する解決手段は、以下の通りである。
　無端回動体によって収穫物を機体後方向きに係止搬送する収穫物係止搬送装置の複数を機体横方向に並べて設けた収穫機用の収穫前処理装置において、
　前記複数の収穫物係止搬送装置のうちの前記無端回動体の戻り経路が対向し合う状態で機体横方向に隣り合う一対の収穫物係止搬送装置の一方における前記無端回動体の搬送始端側が巻回する始端側回転輪体、及び他方における前記無端回動体の搬送始端側が巻回する始端側回転輪体を支持する可動側支持部材と、
　前記可動側支持部材を移動自在に支持する固定側支持部材と、
　前記隣り合う一対の収穫物係止搬送装置における前記無端回動体に前記始端側回転輪体によって張力付与する方向に前記可動側支持部材を前記固定側支持部材に対して移動操作するよう前記可動側支持部材と前記固定側支持部材とにわたって設けた張力付与手段と、を備えてある。

　本構成によると、張力付与手段を調節すれば、可動側支持部材が張力付与手段による張力付与操作によって固定側支持部材に対して移動操作されて一対の始端側回転輪体を一体に移動量を移動操作し、一方の始端側回転輪体が一方の収穫物係止搬送装置の無端回動体を張り操作し、他方の始端側回転輪体が他方の収穫物係止搬送装置の無端回動体を張り操作する。一対の始端側回転輪体が一体に移動操作されることにより、一対の収穫物係止搬送装置の無端回動体に始端側回転輪体による張り操作によって発生する移動量を等しくすることができ、一対の収穫物係止搬送装置の無端回動体の張力を等しくできる。
　従って、張力付与手段を操作するだけで操作簡単に、一対の収穫物係止搬送装置の無端回動体を等しい張力状態に調節することができ、一対の収穫物係止搬送装置による搬送をスムーズに行わせられる。

　一好適実施形態では、前記複数の収穫物係止搬送装置の前記無端回動体の長手方向での複数箇所に収穫物係止搬送突部を設け、
　前記隣り合う一対の収穫物係止搬送装置の一方における前記始端側回転輪体と他方における前記始端側回転輪体との間において、前記隣り合う一対の収穫物係止搬送装置の一方における前記収穫物係止搬送突部の戻り経路と他方における前記収穫物係止搬送突部の戻り経路とが交差するように、前記隣り合う一対の収穫物係止搬送装置の前記始端側回転輪体を配備してある。

　本構成によると、隣り合う一対の収穫物係止搬送装置の一方における収穫物係止搬送突部の戻り経路と他方における収穫物係止搬送突部の戻り経路とが交差するものだから、隣り合う一対の収穫物係止搬送装置の一方の始端側回転輪体と他方の始端側回転輪体とが機体横方向に近づき合うように構成でき、無端回動体の搬送経路に沿う部位が対向し合う状態で機体横方向に隣り合う一対の収穫物係止搬送装置の搬送始端側どうしの間に収穫物を導入するよう形成する導入口の横幅を広くすることができる。
　一方の収穫物係止搬送装置の収穫物係止搬送突部の戻り経路と他方の収穫物物係止搬送装置における収穫物係止搬送突部の戻り経路とが交差するものにあっては、一対の収穫物係止搬送装置の無端回動体の間に、張り操作による移動量の相違が発生した場合、一方の収穫物係止搬送装置の収穫物係止搬送突部と他方の収穫物係止搬送装置の収穫物係止搬送突部とが、一対の始端側回転輪体の間に同じ又は同じに近いタイミングで移動して来て接触し合う事態が生じることがある。
　しかし、一対の収穫物係止搬送装置の無端回動体に始端側回転輪体よる張り操作によって発生する移動量を同じにできるものだから、一対の収穫物係止搬送装置の無端回動体の移動量の相違が発生して一対の収穫物係止搬送装置の収穫物係止搬送突部が一対の始端側回転輪体の間に同じや同じに近いタイミングで移動してくる事態の発生を回避しながら、一対の収穫物係止搬送装置の無端回動体の張力調節を行なうことができる。
　従って、収穫物導入口の横幅拡大を可能にするよう、一対の収穫物係止搬送装置の収穫物係止搬送突部の戻り経路が一対の始端側回転輪体の間において交差するよう構成するものでありながら、一対の収穫物係止搬送装置の無端回動体を張り調節しても、一対の収穫物係止搬送装置の収穫物係止搬送突部の接触が発生せず、収穫物の係止搬送をスムーズに行わせることができる。

　一好適実施形態では、前記無端回動体に前記始端側回転輪体によって張力付与する方向に前記可動側支持部材を移動付勢するスプリングを備えて、前記張力付与手段を構成してある。

　本構成によると、スプリングによる可動側支持部材の移動付勢により、一対の始端側回転輪体を無端回動体の張り側に移動付勢して、一対の収穫物係止搬送措置における無端回動体に対する張力付与を自動的に行なわせることができる。
　従って、無端回動体に対する張力付与が自動的に行なわれても、一対の収穫物係止搬送装置の無端回動体の張力付与による移動量が等しくなり、一対の収穫物係止搬送装置の無端回動体の張力を等しくすることができる。
　一対の収穫物係止搬送装置の収穫物係止搬送突部の戻り経路が一対の始端側回転輪体の間において交差するよう構成した場合、無端回動体に対する張力付与が自動的に行なわれても、一対の始動側回転輪体が一体に移動操作されて一対の収穫物係止搬送装置の無端回動体の張り調整のための移動量が等しくなることにより、一対の収穫物係止搬送装置の収穫物係止搬送突部の接触を回避できて有利である。

　一好適実施形態では、前記可動側支持部材を移動案内する一対のガイド手段を、機体横方向に並べて前記可動側支持部材と前記固定側支持部材とにわたって設けてある。

　本構成によると、張力付与手段によって移動操作される可動側支持部材を、機体横方向に並ぶ一対のガイド手段によるガイドを受けながら移動させることができ、可動側支持部材に左右側の移動量が異なる傾きが発生することを防止できる。
　従って、可動側支持部材によって一体に移動操作される一対の始端側回転輪体に、可動側支持部材の傾きによる移動量の相違が発生することを回避し、この面からも一対の収穫物係止搬送装置の無端回動体の張力を等しくできる。

　一好適実施形態では、前記一対のガイド手段の一方を、外周形状が円形のガイドレールと、このガイドレールに相対摺動自在に外嵌する内周形状が円形のガイド部材とを備えて構成し、
　前記一対のガイド手段の他方を、外周形状が円形のガイドレールと、このガイドレールに相対摺動自在に外嵌する内周形状が矩形のガイド部材とを備えて構成してある。

　本構成によると、一方のガイド手段におけるガイドレールとガイド部材とは、ガイドレールの外周面の周方向でのほぼ全体にわたって接触し合う摺接によって可動側支持部材の移動案内を行い、他方のガイド手段におけるガイドレールとガイド部材は、ガイドレールの外周面の周方向での一部で接触し合う摺接によって可動側支持部材の移動案内行なうことにより、一対のガイド手段におけるガイドレールとガイド部材とが全体として、ガタ付き及びこじれを発生しないように摺動し合って可動側支持部材をスムーズに移動案内するようにできる。
　従って、可動側支持部材に傾きが発生しにくいよう一対のガイド手段を設けるものでありながら、ガイド手段におけるガイドレールとガイド部材の相対移動をスムーズに行わせて、一対の収穫物係止搬送装置における無端回動体の張力調整を張力相違がより発生しにくい良好な精度で行なえる。

　一好適実施形態では、前記一対のガイド手段の間に前記張力付与手段を配置してある。

　本構成によると、可動側支持部材のうちの一方のガイド手段による移動案内を受ける部位と他方のガイド手段による移動案内を受ける部位との間に張力付与手段による移動操作力を作用させることができ、張力付与手段の移動操作による可動側支持部材の移動をスムーズに行わせることができる。
　従って、張力付与手段の移動操作による可動側支持部材の移動をスムーズに行わせて、一対の収穫物係止搬送装置における無端回動体の張力調整を張力相違がより発生しにくい良好な精度で行なえる。

　一好適実施形態では、前記隣り合う一対の収穫物係止搬送装置の一方における搬送装置フレームと他方における搬送装置フレームとの機体横方向間隔を設定するように一対の収穫物係止搬送装置の搬送装置フレームにわたって前記固定側支持部材を連結してある。

　本構成によると、一対の収穫物係止搬送装置の一方と他方の機体横方向での相対位置の位置決めを行なう位置決め機能を固定側支持部材に備えさせることができる。
　従って、固定側支持部材を位置決め手段に活用した簡単な構造で、一対の収穫物係止搬送装置の機体横方向間隔を所定間隔に設定することができる。

　一好適実施形態では、前記可動側支持部材の平面視での形状を、前記隣り合う一対の収穫物係止搬送装置の一方における前記始端側回転輪体を支持する側の横側縁が一方の収穫物係止搬送装置の無端回動体の搬送経路に沿い、前記隣り合う一対の収穫物係止搬送装置の他方における前記始端側回転輪体を支持する側の横側縁が他方の収穫物係止搬送装置の無端回動体の搬送経路に沿う形状にしてある。

　本構成によると、一対の収穫物係止搬送装置の搬送始端側における一方の収穫物係止搬送装置の無端回動体の搬送経路側部分と他方の収穫物係止搬送装置の無端回動体の搬送経路側部分との間を可動側支持部材によって覆うことができ、その間から塵埃や作物が収穫物係止搬送装置の内部に入り込むことを抑制する防塵機能を可動側支持部材に備えさせることできる。
　従って、可動側支持部材を防塵手段に活用した簡単な構造で、収穫物係止搬送装置への塵埃や作物の入り込みを抑制できる。

［２］課題［２］に対応する解決手段は、以下の通りである。
　機体横方向に並ぶ複数の収穫物係止搬送装置、及び前記複数の収穫物係止搬送装置を支持する収穫部フレームを有して、機体横方向での複数箇所で収穫物を収穫する収穫部と、前記収穫部フレームの後部に連結された送出部フレームを有して、前記収穫部によって収穫された収穫物をフィーダに送出する送出部とを備え、
　前記収穫部フレームの横一側部が前記送出部フレームから横外側に突出する状態で前記収穫部フレームと前記送出部フレームとが連結している収穫機用の収穫前処理装置において、
　前記収穫部の入力軸を前記収穫部フレームの背後に機体横向きに配置して前記送出部フレームに回転自在に支持し、
　前記送出部フレームから横外側に突出している前記収穫部フレームの横一側部の後方に、前記収穫部に動力伝達する伝動機構を前記入力軸のうちの前記送出部フレームの横外側に位置する端部に連動する状態で設け、
　前記伝動機構と前記入力軸とを連動させるように前記伝動機構に備えさせた連動部材と前記入力軸の端部とにわたってトルクリミッタを設けてある。

　本構成によると、収穫部フレーム及び送出部フレームの外部に位置する箇所であって、収穫部フレームの横一側部と送出部フレームとによって囲まれて、収穫部フレームや送出部フレームがトルクリミッタに対するガード部材となる箇所にトルクリミッタを配備することができる。
　従って、トルクリミッタによって収穫部の破損を回避や防止できるものでありながら、かつトルクリミッタの調整や点検作業を収穫部フレーム及び送出部フレームの外部で行い易いものでありながら、収穫部フレームや送出部フレームをガード部材に活用した簡単な構造によってトルクリミッタに対する作物の接触や絡み付きを回避しやすく、トルクリミッタの作物付着による作動不良の発生を安価に防止できる。
　また、トルクリミッタが入力軸の端部に位置することになり、トルクリミッタの調節を送出部フレームの横側方から容易に行なうことができる。

　一好適実施形態では、前記入力軸を前記送出部フレームに貫設し、前記伝動機構が連動する前記入力軸の端部が前記送出部フレームから横外側に突出している。

　本構成によると、入力軸を支持するよう送出部フレームに設ける特別なステーを必要としない簡単な支持構造で入力軸を送出部フレームに支持させることができる。
　従って、入力軸の支持を構造簡単にでき、この面からも安価に得ることができる。

　一好適実施形態では、前記入力軸の駆動力を前記収穫物係止搬送装置に伝達する搬送伝動機構を、前記送出部フレームに対して前記トルクリミッタが位置する側とは反対側に位置する前記入力軸の部位に連結してある。

　本構成によると、入力軸への伝動機構及びトルクリミッタの重量と、搬送伝動機構の重量とを送出部フレームの両横側に分散させて、収穫前処理装置の左右重量をバランスし易くできる。
　従って、収穫機を前部に収穫前処理装置の重力が掛かるものでありながら、左右重量のバランスが良くて操縦し易いものにできる。

　一好適実施形態では、前記伝動機構を、伝動チェーンを備えて構成して、前記伝動機構が備える前記連動部材としてチェーンスプロケットを設け、
　前記チェーンスプロケットと前記入力軸とにわたって設けたクラッチと、前記チェーンスプロケットに対して前記送出部フレームが位置する側とは反対側に配置して前記クラッチを入り状態に付勢するように前記入力軸に装着したトルク設定スプリングと、このトルク設定スプリングに対して前記チェーンスプロケットが位置する側とは反対側の箇所で前記トルク設定スプリングを受け止め支持するように、かつ前記トルク設定スプリングの付勢力を調節するように前記入力軸の端部に螺着したトルク調節ネジとを備えて、前記トルクリミッタを構成してある。

　本構成によると、入力軸の端部にトルク調節ネジを螺着するだけの構造簡単な調節構造でトルク設定スプリングの付勢力を調節できる。
　従って、設定トルクの調節を構造簡単にでき、この面からも安価に得ることできる。

　一好適実施形態では、前記クラッチを、前記チェーンスプロケットの輪体部に対して前記送出部フレームが位置する側に配置してある。

　本構成によると、クラッチに作物が入り込むことを防止するガード機能をチェーンスプロケットの輪体部に備えさせることができる。
　従って、チェーンスプロケットをガード手段に活用した簡単な構造で、クラッチの作物絡みによるトルクリミッタの作動不良を防止することができる。

　一好適実施形態では、前記収穫部を、とうもろこし植物体からとうもろこしをちぎり取る収穫ロールを備えて構成してある。

　本構成によると、収穫部は、とうもろこし植物体からとうもろこしをちぎり取るという収穫形態によって収穫作業するものだから、大きな駆動負荷を発生させる。大駆動負荷が発生する収穫部に作用するトルクリミッタを設けるものだから、伝動機構に過大な負荷が掛かることを効果的に防止できる。
　従って、伝動機構の負荷による損傷や破損が発生しにくく、優れた耐久性を備えさせることができる。

［３］課題［３］に対応する解決手段は、以下の通りである。
　走行機体の前部に揺動昇降操作自在に連結される前処理フレームと、前記前処理フレームに機体横方向に並べて支持されて、とうもろこしを収穫する複数の収穫装置と、前記複数の収穫装置の後方で前記前処理フレームに支持されて、前記複数の収穫装置からのとうもろこしを横送りデッキに沿わせて横送りする横送りオーガとを備えたとうもろこし収穫機の収穫前処理装置において、
　前記走行機体に後端部が回動自在に連結される左右一対の縦板状の連結フレームと、
　前記左右一対の連結フレームの前端側下部に連結されるとともに両横端が前記左右一対の連結フレームから横外側に突出する機体横向きの横向きフレームと、
　前記横向きフレームから機体前方向きに延出して延出端部が、前記複数の収穫装置を支持する機体横向きの支持フレームに連結する状態で、前記横送りデッキの下方に位置する連結部材とを備えて、前記前処理フレームを構成してある。

　本構成によると、左右一対の連結フレームを横向きフレームによって連結して、横向きフレームと支持フレームとを連結部材によって連結して、前処理フレームを構成するから、横送りデッキを横送りオーガによるとうもろこしの横送りを可能にするガイド機能を備えるだけのものにできて、これに加えて前処理フレームを枠組み構造にできて、前処理フレームを軽量化しながら、前処理フレームに所定に強度を備えさせることができる。
　従って、前処理フレームの面から収穫前処理装置が軽くなり、小出力の駆動手段によってスムーズに昇降操作できるなど有利な収穫前処理装置を得ることができる。

　一好適実施形態では、前記左右一対の連結フレームの前端側に連結されるとともに前記横送りオーガの後側に位置する後縦壁板と、
　前記後縦壁板の両横端部及び前記横向きフレームの両端部に後端側が連結された状態で、前記横送りオーガの両横外側に各別に位置するとともに前端側が前記支持フレームに連結する左右一対の横縦壁板とを前記前処理フレームに備えてある。

　本構成によると、左右一対の連結フレームと横向きフレームと後縦壁板との連結によって後縦壁板の保形が効果的に行なわれ、横向きフレームと左右一対の横縦壁板と支持フレームと連結部材との連結によって横縦壁板の保形が効果的に行なわれるから、後縦壁板及び横縦壁板を軽量化しながら、前処理フレームに所定に強度を備えさせることができる。
　従って、前処理フレームを一層軽量なものにして収穫前処理装置をより軽くできる。

　一好適実施形態では、前記複数の収穫装置それぞれに設けた連結部によって、前記複数の収穫装置を各別に前記支持フレームに取り付けるように構成し、
　前記連結部材を、前記支持フレームのうち、前記複数の収穫装置の連結部が取り付けられる箇所どうしの間の部位に連結するよう配備してある。

　本構成によると、連結部材を、収穫装置の連結部を迂回する構造が不要な簡素な構造で軽量なものにしながら支持フレームに連結できる。
　従って、連結部材の面からも前処理フレームを軽量化して収穫前処理装置を軽くすることができる。

　一好適実施形態では、前記複数の収穫装置それぞれが備える駆動ケースを連動させるよう前記駆動ケースの間に位置する連動軸を、前記支持フレームの後方に、前記連結部材の上方に配置して設けてある。

　本構成によると、連動軸を支持フレームの後方に位置させるから、収穫装置を刈取フレームの後端側に極力寄せて支持フレームに取り付けて、前処理フレームの揺動軸芯から収穫装置の重心までの距離を小にできる。連動軸を支持フレームの後方に位置させることにより、連動軸が支持フレームから後方に外れて連動軸の下方に地面が位置することになっても、連動軸の下方に連結部材が位置することにより、地面から跳ね上がった土や石が連動軸に当たることを防止するガード機能を連結部材に備えさせることができる。
　従って、前処理フレームの揺動軸芯から収穫装置の重心までの距離を小にして、収穫前処理装置の昇降操作を行ない易くできるものでありながら、連結部材をガード手段に活用した簡単構造で、連動軸に対する土や石の付着や衝突を抑制できる。

　一好適実施形態では、前記複数の収穫装置それぞれが備える駆動ケースを、前記支持フレームの後方に配備してある。

　本構成によると、駆動ケースの重量が支持フレームの後方で収穫装置に掛かるから、前処理フレームの揺動軸芯から収穫装置の重心までの距離をより小にできる。
　従って、収穫前処理装置の昇降操作がより行ない易くなり、昇降操作に採用するアクチュエータを小型化できる。

　一好適実施形態では、前記支持フレームの後方に複数のブラケットを機体横方向に並べて設け、前記複数の収穫装置それぞれの駆動ケースを、前記複数のブラケットに各別に載置して支持させてある。

　本構成によると、ブラケットが駆動ケースの下側に位置するから、駆動ケースが支持フレームから後方に外れて駆動ケースの下方に地面が位置することになっても、地面から跳ね上がった土や石が駆動ケースに当たることを防止するガード機能をブラケットに備えさせることができる。
　従って、ブラケットをガード手段に活用した簡単構造で、駆動ケースに対する土や石の付着や衝突を抑制できる。

　一好適実施形態では、前記連結部材を、前記連結フレームに対して機体前後方向に一直線状に並ぶよう配備してある。

　前処理フレームは、前処理装置の後部に位置する連結フレームの後端部で走行機体に支持されながら、前処理フレームの前部に位置する支持フレームに掛かる収穫装置の荷重を受けることになる。本構成によると、機体側の支持点と支持フレームとを連結して荷重を機体側の支持点に伝達することになる連結フレームと連結部材とは、一直線状に並んだ状態で強度的に有利に荷重を伝達するから、前処理フレームをより軽量化しても、前処理フレームに所要の強度を発揮させることができる。
　従って、前処理フレームを一層軽量なものにして収穫前処理装置をより軽くできる。

　一好適実施形態では、前記連結部材の複数を、機体横方向に間隔を隔てて並べて設けてある。

　本構成によると、支持フレームに掛かる収穫装置の荷重が複数の連結部材を介して横向きフレームに掛かるから、横向きフレームには、収穫装置の荷重を横向きフレームの複数箇所に分散させて支持させることができ、横向きフレームを軽量化しても、横向きフレームに所要の強度を発揮させることができる。
　従って、横向きフレームの軽量化によって前処理フレームを一層軽量化して、収穫前処理装置をより軽くできる。

　一好適実施形態では、前記連結部材どうしの機体横方向での間隔と、前記横縦壁板に隣り合う前記連結部材と前記横縦壁板との機体横方向での間隔が等しく又はほぼ等しくなるように、前記複数の連結部材を配置してある。

　本構成によると、支持フレームに掛かる収穫装置の荷重を横向きフレームの複数箇所に均等に分散させて支持させることができるから、横向きフレームをより軽量化しても、横向きフレームに所要の強度を発揮させることができる。
　従って、横向きフレームの一層の軽量化によって前処理フレームをより一層軽量化して、収穫前処理装置をより軽くできる。

　一好適実施形態では、前記左右一対の連結フレームの前端側上部に連結されるとともに前記左右一対の横縦壁板の後端側上部に連結された機体横向きの上横向きフレームを、前記前処理フレームに備えてある。

　本構成によると、左右一対の連結フレームと横向きフレームと後縦壁板と横縦壁板と連結部材との連結に加え、上横向きフレームの連結によっても後縦壁板及び横縦壁板の保形が効果的に行なわれ、後縦壁板及び横縦壁板を軽量化しながら、前処理フレームに所定に強度を備えさせることができる。
　従って、前処理フレームを一層軽量なものにして収穫前処理装置をより軽くできる。

　一好適実施形態では、前記複数の収穫装置のための駆動力を入力する入力軸を、前記上横向きフレームの後方に前記上横向きフレームに沿わせて配備してある。

　本構成によると、フレーム機能を発揮するべく優れた強度を備える上横向きフレームが入力軸に沿うから、入力軸が樹木や壁など当たることを回避するガード機構を上横向きフレームに備えさせることができる。
　従って、旋回や格納などの際、前処理フレームが畔や壁などに接触することがあっても、上横向きフレームをガード手段に活用した簡単な構造で入力軸を変形や破損しにくいように保護できる。

　一好適実施形態では、前記横向きフレームを、鋼管によって構成してある。

　本構成によると、横向きフレームを鋼管によって軽量化できる。
　従って、前処理フレームの枠組み構造による軽量化に加え、横向きフレームの軽量化により、前処理フレームを一層軽量化して収穫前処理装置を軽くできる。

　一好適実施形態では、前記鋼管が縦断面円形の鋼管である。

　本構成によると、連結フレームや連結部材、あるいは横縦壁板に横向きフレームの連結のために設ける連結部を、円形の連結孔や円弧形状の連結凹部となるように形成すればよくて作業容易に設けることができる。
　従って、連結フレームや連結部材などを作業容易に製作して安価に得ることができる。

　一好適実施形態では、前記支持フレームを、縦断面形状が矩形であるように形成してある。

　本構成によると、支持フレームに連結あるいは沿わせる部材を支持フレームの平坦な側面に当て付け易いとか沿わせ易く、支持フレームに連結や沿わせる部材の連結状態や配置状態を所定どおりにし易い。
　従って、支持フレームに連結や沿わせる部材を所定の連結状態や配置状態に作業容易にできて、能率よる組み立て作業できる。

　一好適実施形態では、前記支持フレームに取り付ける前記収穫装置の連結部を、縦断面形状がコ字状の溝形であるように形成して、前記支持フレームに対して前記支持フレームの軸芯に直交する方向に外嵌するように、かつ外嵌状態で前記支持フレームに対して回転不能に係合するように構成してある。

　本構成によると、収穫装置の連結部を縦断面形状がコ字状の溝形に形成した簡素な構造にしながら、支持フレームに対してその外周側から嵌め込むだけで回転不能に取り付けることができる。
　従って、収穫装置を支持フレームに対して簡素な構造の連結部で操作簡単に取り付けることができ、安価に得られるとともに能率よく組み立て作業できる。

　一好適実施形態では、前記前処理フレームを走行機体に対して昇降操作する油圧シリンダを支持するシリンダ支持部を、前記横向きフレームに備えてある。

　本構成によると、フレーム機能を発揮するべく優れた強度を備える横向きフレームによって油圧シリンダが支持されるから、前処理フレームの歪み発生を回避しながら、油圧シリンダの操作力を前処理フレームに作用させることができる。
　従って、前処理フレームを軽量化するものでありながら、油圧シリンダの操作力を効率よく作用させてスムーズに昇降操作できる。

　一好適実施形態では、前記シリンダ支持部を、前記油圧シリンダの軸芯が走行機体平面視で前記連結部材に対して沿う取り付け姿勢で前記油圧シリンダを支持するよう構成してある。

　本構成によると、油圧シリンダの操作力が走行機体平面視で連結部材に沿う方向で横向きフレームに対して作用するから、前処理フレームの歪み発生を効果的に回避しながら油圧シリンダの操作力を作用させることができる。
　従って、前処理フレームを軽量化するものでありながら、油圧シリンダの操作力を効率よく作用させてスムーズに昇降操作できる。

　一好適実施形態では、前記油圧シリンダの一対を前記横向きフレームの両横端側に振り分け配置してある。

　本構成によると、フレーム機能を発揮するべく優れた強度を備える横向きフレームの両横端側に油圧シリンダの操作力が作用するから、前処理フレームの歪みに起因する傾斜など姿勢変化の発生を回避しながら前処理フレームの両横端側に油圧シリンダの操作力を作用させることができる。
　従って、前処理フレームを軽量化するものでありながら、かつ一対の油圧シリンダによって昇降操作するものでありながら、前処理フレームの歪みによる傾斜などの姿勢変化を発生させずに昇降操作できる。

　一好適実施形態では、前記連結部材に、接地スタンドを支持するスタンド支持部を備えてある。

　本構成によると、フレーム機能を発揮するべく優れた強度を備える連結部材によって接地スタンドが支持されるから、前処理フレームの接地反力に起因する歪み発生を回避しながら、接地スタンドを使用することができる。
　従って、前処理フレームを軽量化するものでありながら、収穫前処理装置の接地支持を、接地反力による歪み発生に起因する姿勢変化がない安定的な状態で行わせることができる。

［４］課題［４］に対応する解決手段は、以下の通りである。
　無端回動体によって収穫物を機体後方向きに係止搬送する収穫物係止搬送装置の複数を機体横方向に並べて設けた収穫機用の収穫前処理装置において、
　前記複数の収穫物係止搬送装置のうちの前記無端回動体の戻り経路が対向し合う状態で機体横方向に隣り合う一対の収穫物係止搬送装置の前記無端回動体に張力を付与する張力調整手段を設け、
　前記一対の収穫物係止搬送装置の一方における前記無端回動体の搬送始端側を支持する一方の始端側回転輪体及び他方における前記無端回動体の搬送始端側を支持する他方の始端側回転輪体が回転自在に連結された天秤支持体と、前記天秤支持体が揺動自在に連結された状態で前記一対の収穫物係止搬送装置のフレーム側に支持されるフレーム側支持体とを備え、
　前記天秤支持体が前記フレーム側支持体に対して揺動して、前記一方の始端側回転輪体と前記他方の始端側回転輪体の一方が無端回動体緊張方向に揺動し、他方が無端回動体弛緩方向に揺動することにより、前記一対の収穫物係止搬送装置における無端回動体の張力調節を行なうように構成してある。

　本構成によると、一対の収穫物係止搬送装置の無端回動体の張力を張力調整手段によって調整しても、冒頭に記した張力調整手段の特性に起因する調整不良や無端回動体の延びなどにより、一対の収穫物係止搬送装置における無端回動体に張力差が発生しそうになっても、天秤支持体が無端回動体の張力差によって揺動操作されて、高張力側の無端回動体を支持する始端側回転輪体が無端回動体の弛緩側に移動し、低張力側の無端回動体を支持する始端側回転輪体が無端回動体の緊張側に移動し、一対の収穫物係止搬送装置に無端回動体の張力差が発生しないように、あるいはあまり発生しないようにできる。また一対の収穫物係止搬送装置に搬送反力の差が発生することによって一対の収穫物係止搬送装置の無端回動体に張力差が発生しそうになっても、天秤支持体が同様に揺動操作されて、一対の収穫物係止搬送装置に無端回動体の張力差が発生しないように、あるいはあまり発生しないようにできる。
　従って、収穫物係止搬送装置どうしの間に無端回動体の張力差が発生することを回避や抑制して、収穫物の係止搬送をスムーズにかつ確実に行わせることができる。

　一好適実施形態では、前記天秤支持体の前記フレーム側支持体に対する揺動角を規制するストッパ手段を設けてある。

　本構成によると、天秤支持体が揺動する際の慣性などにより発生する天秤支持体の過剰な揺動をストッパ手段によって防止することができる。
　従って、天秤支持体が過剰に揺動することによって発生し易い無端回動体の始端側回転輪体からの離脱を防止できる。

　一好適実施形態では、前記天秤支持体に前記一対の収穫物係止搬送装置の始端側回転輪体が回転自在に連結するように設けた一対のボス部と、前記フレーム側支持体に前記天秤支持体の前記一対のボス部を各別に受け止め支持するように設けた一対の受止め部とを備えて、前記ストッパ手段を構成してある。

　本構成によると、天秤支持体に始端側回転輪体が回転自在に連結するように設けた一対のボス部がフレーム側支持体の受止め部に当接することにより、天秤支持体の過剰な揺動を防止するようストップ手段を構成するから、受止め部に当接させるための特別な当接部を天秤支持体に設ける必要がない簡素な構造でストッパ手段を構成できる。
　従って、天秤支持体の過剰な揺動に起因する無端回動体の離脱を防止できるものを、簡素な構造のストッパ手段の採用によって安価に得ることができる。

　一好適実施形態では、前記フレーム側支持体の前記天秤支持体が位置する側の形状を、前記天秤支持体が揺動自在に連結する部位が、前記一対の受止め部を備える部位に対して前記天秤支持体が位置する側に突出した形状にしてある。

　本構成によると、天秤支持体が揺動自在に連結するフレーム側支持体の部位が天秤支持体と天秤支持体の揺動軸芯方向に重合しても、一対の受止め部を備えるフレーム側支持体の部位が天秤支持体と天秤支持体の揺動軸芯方向に重合しないとかあまり重合しない軽小なものにフレーム側支持体を構成することができる。
　従って、一対の収穫物係止搬送装置における無端回動体の張力差の発生を天秤支持体の揺動によって回避したり抑制したりできるものを極力軽く得ることができる。

　一好適実施形態では、前記天秤支持体に、前記一方の始端側回転輪体が回転自在に連結する連結点と、前記他方の始端側回転輪体が回転自在に連結する連結点と、前記フレーム側支持体に揺動自在に連結する連結点とを一直線状又はほぼ一直線状に並ぶ配置で備えてある。

　本構成によると、天秤支持体の形状を、一対の収穫物係止搬送装置における始端側回転輪体が各別に連結する一対の連結点及びフレーム側支持体に連結する連結点が一直線状又はほぼ一直線状に並ぶ簡素な形状にすることができて、天秤支持体をコンパクトに配備することができる。
　従って、一対の収穫物係止搬送装置における無端回動体の張力差発生を天秤支持体の揺動によって回避や抑制できるものをコンパクトに得ることができる。

　一好適実施形態では、前記一対の収穫物係止搬送装置のフレーム側に固定された固定側支持部材と、前記フレーム側支持体が前記一対の収穫物係止搬送装置の無端回動体に張力付与する方向に移動自在に支持されるように前記フレーム側支持体と前記固定側支持部材とにわたって設けた移動ガイド手段と、前記フレーム側支持体を前記一対の収穫物係止搬送装置の無端回動体に張力付与する方向に移動操作するように前記フレーム側支持体と前記固定側支持部材とにわたって設けた張力付与機構とを備えて、前記張力調整手段を構成してある。

　本構成によると、フレーム側支持体が張力付与機構によって移動操作されることにより、天秤支持体がフレーム側支持体と共に移動し、一方側の始端側回転輪体及び他方側の始端側回転輪体が移動して無端回動体に張力を付与する。一対の収穫物係止搬送装置における無端回動体に張力差が発生すると、天秤支持体が揺動して高張力側の無端回動体を支持する始端側回転輪体を張力低減側に移動させて、低張力側の無端回動体を支持する始端側回転輪体を張力増大側に移動させて、張力差を解消あるいは低減する。
　従って、一対の収穫物係止搬送装置における無端回動体の張力調整を行なわせるのに、一方の始端側回転輪体及び他方の始端側回転輪体を一挙に移動させて、迅速に行なわせることができる。このように張力調整を迅速に行なわせ得るものでありながら、天秤支持体の揺動によって一対の収穫物係止搬送装置における無端回動体の張力差を解消あるいは低減させて、一対の収穫物係止搬送装置に無端回動体の張力差が発生することを回避や抑制できる。

　一好適実施形態では、前記張力付与機構に、前記フレーム側支持体を前記一対の収穫物係止搬送装置の無端回動体に張力付与する方向に移動付勢するスプリングを備えてある。

　本構成によると、フレーム側支持体の移動操作をスプリングの付勢力によって行なわせることができ、一対の収穫物係止搬送装置のおける無端回動体の張力調整をスプリングによって自動的に行なわせることができる。
　従って、無端回動体の張力付与をスプリングによって自動的に行なえるものでありながら、一対の無端回動体の張力差発生を天秤支持体の揺動によって回避や抑制して、収穫物の係止搬送をスムーズにかつ確実に行わせることができる。

　一好適実施形態では、前記移動ガイド手段の一対を、機体横方向に並べて設けてある。

　本構成によると、フレーム側支持部材を、機体横方向に並ぶ一対の移動ガイド手段による移動ガイドを受けながら移動させることができ、フレーム側支持部材に左右側の移動量が異なる傾きが発生することを防止できる。
　従って、フレーム側支持体が移動操作される際、傾動しないようにスムーズに移動させ、フレーム側支持体の移動操作による張力付与をスムーズに行わせることができる。

　一好適実施形態では、前記一対の移動ガイド手段の一方を、外周形状が円形のガイドレールと、このガイドレールに相対摺動自在に外嵌する内周形状が円形のガイド部材とを備えて構成し、前記一対の移動ガイド手段の他方を、外周形状が円形のガイドレールと、このガイドレールに相対摺動自在に外嵌する内周形状が矩形のガイド部材とを備えて構成してある。

　本構成によると、一方の移動ガイド手段におけるガイドレールとガイド部材とは、ガイドレールの外周面の周方向でのほぼ全体にわたって接触し合う摺接によってフレーム側支持部材の移動案内を行い、他方の移動ガイド手段におけるガイドレールとガイド部材は、ガイドレールの外周面の周方向での一部で接触し合う摺接によってフレーム側支持部材の移動案内行なうことにより、一対の移動ガイド手段におけるガイドレールとガイド部材とが全体として、ガタ付き及びこじれを発生しないように摺動し合ってフレーム側支持部材をスムーズに移動案内するようにできる。
　従って、移動操作されるフレーム側支持部材に傾動が生じないように一対の移動ガイド手段を設けるものでありながら、移動ガイド手段におけるガイドレールとガイド部材の相対移動をスムームに行なわせて、無端回動体の張力調整を張力差がより発生しにくい良好な精度で行なえる。

　一好適実施形態では、前記フレーム側支持体の平面視での形状を、機体横方向での一端側の横側縁が前記一方の収穫物係止搬送装置の無端回動体の搬送経路に沿い、機体横方向での他端側の横側縁が前記他方の収穫物係止搬送装置の無端回動体の搬送経路に沿う形状にしてある。

　本構成によると、一対の収穫物係止搬送装置の搬送始端側における一方の収穫物係止搬送装置の無端回動体の搬送経路側部分と他方の収穫物係止搬送装置の無端回動体の搬送経路側部分との間をフレーム側支持部材によって覆うことができ、その間から塵埃や作物が収穫物係止搬送装置の内部に入り込むことを抑制する防塵機能をフレーム側支持部材に備えさせることできる。
　従って、フレーム側支持部材を防塵手段に活用した簡単な構造で、収穫物係止搬送装置への塵埃や作物に入り込みを抑制できる。

　その他の特徴、およびこれから奏する有利な効果については、図面を参照しながら以下の説明を読めば明らかになるだろう。

第１実施例（以下、図３８まで同じ。）による、とうもろこし収穫機の全体を示す左側面図である。とうもろこし収穫機の全体を示す右側面図である。とうもろこし収穫機の全体を示す平面図である。とうもろこし収穫機の全体を示す正面図である。機体フレームを示す平面図である。機体フレームの前部を示す側面図である。機体フレームの前部を示す正面図である。機体フレームの前車輪支持部を示す平面図である。運転キャビンの下部における横断面図である。収穫前処理装置の前部を示す平面図。収穫前処理装置の収穫ロール配設部を示す平面図である。収穫前処理装置の後部を示す平面図である。収穫前処理装置の後部を示す縦断正面図である。収穫前処理装置の後部を示す縦断側面図である。収穫装置を示す側面図である。収穫装置を示す縦断正面である。収穫装置の始端部を示す平面図である。張力付与装置を示す縦断側面図である。図１７のＸＩＸ―ＸＩＸ断面矢視図である。前処理フレームを示す斜視図である。前処理フレームを示す平面図である。油圧シリンダ及び接地スタンドの支持構造を示す側面図である。油圧シリンダ及び接地スタンドの支持構造を示す平面図である。収穫前処理装置の接地支持状態を示す側面図である。閉じ状態での搬送装置カバーを示す側面図である。開き状態での搬送装置カバーを示す側面図である。（ａ）は、搬送装置カバーの閉じ状態での後連結手段を示す側面図、（ｂ）は、搬送装置カバーの開き状態での後連結手段を示す側面図である。後連結手段を示す正面図である。前連結手段を示す正面図である。搬送装置カバーの閉じ状態での前連結手段を示す側面図である。フィーダを示す横断平面図である。フィーダの後部、排塵ファン装置及び処理装置を示す側面図である。フィーダの後部及び排塵ファン装置を示す縦断側面図である。処理装置を示す縦断側面図である。残稈処理装置を示す側面図である。伝動系統図である。伝動ギヤケースの断面図である。トルクリミッタを示す平面図である。第２実施例（以下、図５４まで同じ）による、収穫機の全体を示す側面図である。収穫機の全体を示す平面図である。収穫前処理装置を示す平面図である。収穫前処理装置及びフィーダを示す縦断側面図である。伝動機構を示す側面図である。張力調整手段を示す平面図である。図４４のＸＬＶ－ＸＬＶ断面矢視図である。図４４のＸＬＶＩ－ＸＬＶＩ断面矢視図である。図４４のＸＬＶＩＩ－ＸＬＶＩＩ断面矢視図である。フレーム側支持体を示す平面図である。ストッパ手段の作用を示す説明図である。前処理フレームを示す斜視図である。分離状態での前処理フレームを示す斜視図である。伝動部カバーを示す縦断後面図である。鉤体が係脱過程にある状態の係止機構を示す縦断面図である。鉤体が係合完了した状態の係止機構を示す縦断面図である。

［第１実施例］
　以下、図１～図３８を参照しながら、収穫機の第１実施例（以下、単に「実施例」とも称する。）を説明する。この実施例では、とうもろこし収穫機が収穫機の一例として示される。ただし、とうもろこしを収穫対象とする収穫前処理装置に替え、稲、麦など各種の作物部を収穫対象とする収穫前処理装置を備える収穫機にも利用可能である。

　図１は、とうもろこし収穫機の全体を示す左側面図である。図２は、とうもろこし収穫機の全体を示す右側面図である。図３は、とうもろこし収穫機の全体を示す平面図である。図４は、とうもろこし収穫機の全体を示す正面図である。

　これらの図に示すように、とうもろこし収穫機は、左右一対の前車輪１，１、左右一対の後車輪２，２、機体前部に位置する運転キャビン３、運転キャビン３の後方に位置する原動部Ａを有し、前車輪１を原動部Ａに設けたエンジン４によって駆動して自走するように構成し、かつ後車輪２をパワーステアリング装置によって操向操作するように構成した走行機体と、この走行機体の機体フレーム５の前部に連結した収穫前処理装置Ｂと、収穫前処理装置Ｂの後部から走行機体の上方にわたって設けたフィーダ６と、機体フレーム５の後部に配備した回収タンク７と、走行機体の前後輪間に配備した残稈処理装置Ｃとを備えて構成してある。

　収穫前処理装置Ｂは、左右一対の油圧シリンダ８によって昇降軸芯Ｐまわりに上下に揺動操作され、収穫前処理装置Ｂの前端部に位置する接地ソリ９が地面の上方近くに位置した下降作業姿勢と接地ソリ９が地面から高く上昇した上昇非作業姿勢とに昇降操作されるように構成してある。とうもろこし収穫機は、収穫前処理装置Ｂを下降作業姿勢にした状態で走行機体を走行させることにより、とうもろこしの収穫作業を行なう。具体的には、圃場に植立するとうもろこし植物体のうちの茎稈を圃場に植立状態で残しながら、とうもろこし植物体のうち、種子が棒状に連なって房になっている部位であるとうもろこしを収穫し、圃場に残った茎稈を残稈処理装置Ｃによって破砕処理する。

　走行機体について説明する。
　図５は、機体フレーム５を示す平面図である。図６は、機体フレーム５の前部を示す側面図である。図７は、機体フレーム５の前部を示す正面図である。これらの図及び図１，２に示すように、機体フレーム５は、左右一対の機体前後向きのメインフレーム１１，１１と、左右一対のメインフレーム１１，１１の前部に設けた左右一対の前側の支柱フレーム材１２ａ，１２ａを有した運転部フレーム１２と、左右一対のメインフレーム１１，１１の前後輪間に設けた前後一対のエンジン支持フレーム１３ａ，１３ａを有した原動部フレーム１３とを備えて構成してある。

　左右一対のメインフレーム１１，１１は、走行機体の前部に位置する前フレーム部１１ａと、走行機体の後部に前フレーム部１１ａより高い配置高さで位置する後フレーム部１１ｂと、前フレーム部１１ａの後端部と後フレーム部１１ｂの前端部とを連結する機体上下向きの連結フレーム部１１ｃとを備えて構成してある。連結フレーム部１１ｃは、前後一対のフレーム材を備えて構成してある。

　運転部フレーム１２は、左右一対のメインフレーム１１，１１における前フレーム部１１ａに各別に立設した左右一対の前側の支柱フレーム材１２ａ，１２ａ及び左右一対の後側の支柱フレーム材１２ｂ，１２ｂと、前後の支柱フレーム材１２ａ，１２ｂの上端部に連結された機体前後向きのキャビン支持フレーム１２ｃとを備えて構成してある。左右一対の前側の支柱フレーム材１２ａ，１２ａから支持杆１２ｄを機体前方上方向きに延出し、支持杆１２ｄの延出端をキャビン支持フレーム１２ｃの前端部に連結してある。

　原動部フレーム１３は、左右一対のメインフレーム１１，１１における後フレーム部１１ｂに機体前後方向に並べて架設した前後一対の機体横向きのエンジン支持フレーム１３ａ，１３ａと、前記一対のエンジン支持フレーム１３ａ，１３ａの端部を連結する機体前後向きの連結杆１３ｂとを備えて構成してある。各エンジン支持フレーム１３ａにエンジンマウント部を設けてある。

　図８は、機体フレーム５の前車輪支持部を示す平面図である。この図及び図５，６に示すように、左右一対の前車輪１，１は、左右一対のメインフレーム１１，１１における前フレーム部１１ａに連結された機体横向きの前輪支持フレーム１４に支持されている。前輪支持フレーム１４は、前輪駆動ケース１ａを介して前車輪１を支持している。前輪駆動ケース１ａは、内部に遊星減速機構を備え、走行ミッション１５から伝動筒１５ａを介して伝達される駆動力を遊星減速機構によって減速して前車輪１に伝達する。走行ミッション１５は、フィーダ６の下方に配備されている。走行ミッション１５は、左右一対の前フレーム部１１ａに連結フレーム１１ｄを介して連結された支持体１５ｂに支持されている。

　図５に示すように、左右一対の後車輪２，２は、機体横向きの後輪支軸１９の端部に回転自在及び揺動操向自在に支持されている。後輪支軸１９は、左右一対のメインフレーム１１，１１における後フレーム部１１ｂから機体下方向きに延出する後輪支持フレーム１８の延出端部に機体前後向きのローリング軸芯Ｒまわりに上下揺動自在に支持されており、左右一対の後車輪２，２は、機体フレーム５に対する後輪支軸１９のローリング軸芯Ｒまわりでの自由ローリングにより、機体フレーム５に対して背反的に揺動昇降する。後車輪２を操向操作するパワーステアリングシリンダ２０は、後輪支持フレーム１８に対して後輪支軸１９と一体に揺動するように後輪支軸１９に支持されている。

　図１～４に示すように、運転キャビン３は、フィーダ６の直上方に位置するよう配置されている。図１，２，４，６に示すように、運転キャビン３は、前車輪１の上方に位置する配置高さで運転部フレーム１２のキャビン支持フレーム１２ｃに支持されている。図９は、運転キャビン３の下部における横断面図である。この図に示すように、運転キャビン３の下部後端側に凹入部３ａを設けてある。凹入部３ａは、機体後方向き及び機体下方向きに開口する形状となるように後壁３ｂと床板部３ｃとにわたって設けてある。運転キャビン３は、凹入部３ａにフィーダ６が入り込む配置高さに配置してある。

　図１，３，４に示すように、運転キャビン３の出入り口の横外側に、乗降デッキ２１及び乗降階段２２を設けてある。乗降階段２２は、走行機体の支持部に基部が機体上下向きの揺動軸芯まわりに回動自在に連結した段上ステップ部２２ａと、段上ステップ部２２ａから下方向きに延出する階段部２２ｂとを備えて構成してある。乗降階段２２は、揺動軸芯まわりに揺動操作することにより、階段部２２ｂが前車輪１の横外側に位置した使用位置と、階段部２２ｂが前車輪１の後側に位置した格納姿勢とに切り換えできるようになっている。

　フィーダ６に対してエンジン４が位置する側とは反対側に位置する走行機体の横側部に補助作業者搭乗デッキ２３を設け、補助作業者がフィーダ６の搬送終端側部のエンジン４が位置する側とは反対側の横側方に搭乗してフィーダ６のとうもろこし搬出状況を監視するなどの補助作業を行なえるように構成してある。補助作業者搭乗デッキ２３は、前端が乗降デッキ２１の後端の近くに位置するよう配備してあり、補助作業者搭乗デッキ２３に対する乗り降りは、乗降デッキ２１及び乗降階段２２を利用して行うように構成してある。図１，３に示すように、補助作業者搭乗デッキ２３は、エンジン４用の燃料タンク２４の上方に配備してあり、燃料タンク２４の上方を覆うカバー機能を備えている。

　燃料タンク２４は、前車輪１と後車輪２の間に２個、機体前後方向に並べて設けてある。図３に示すように、燃料タンク２４は、フィーダ６の機体横方向中心６ａに対してエンジン４が位置する機体横外側とは反対の機体横外側に偏倚させて配備してある。

　原動部Ａについて説明する。
　図２，３，４に示すように、原動部Ａには、エンジン４を備える他、エンジン４の機体横外側に設けたラジエータ２５、ラジエータ２５とエンジン４の間に設けた冷却ファン２６、及びラジエータ２５の機体横外側に設けた吸気ケース２７を備えてある。

　エンジン４は、前車輪１と後車輪２の間に、機体側面視でフィーダ６の下方に位置する配置で設けてある。エンジン４が機体側面視でフィーダ６の下方に位置するよう構成するに当り、エンジン４の全体がフィーダ６の下方に位置するよう構成するのみならず、エンジン４の上端側の一部がフィーダ６に対して重合する状態で、エンジン４の下端側の大部分がフィーダ６の下方に位置するよう構成してもよい。フィーダ６を後方上方向きの傾斜姿勢で設けながら、エンジン４を設置するためのスペースがフィーダ６から機体前後側に突出することを回避や抑制するよう構成すればよい。

　さらに詳述すると、エンジン４は、後端がフィーダ６のフィーダケース７０における後端６ｂ（図２，３３参照）より走行機体前方側に位置する配置で設けてある。エンジン４は、フィーダ６の機体横方向中心６ａに対して機体横外側に偏倚して位置する配置で、かつ横一端側がフィーダ６から燃料タンク２４が位置する側と反対の機体横外側に突出する配置で設けてある。フィーダ６から燃料タンク２４が位置する側と反対の機体横外側に突出しているエンジン４の横一端側は、左右一対のメインフレーム１１，１１のうちの燃料タンク２４が位置する側と反対側のメインフレーム１１から機体横外側に突出している。エンジン４は、クランクシャフト４ｂが機体横向きになる搭載姿勢で、前後一対のエンジン支持フレーム１３ａ，１３ａを介してメインフレーム１１の後フレーム部１１ｂに支持させてある。エンジン４の出力軸４ａは、エンジンボディから機体横内側向きに突出してフィーダ６の下方に位置している。

　ラジエータ２５は、冷却ファン２６がエンジン４によって回転駆動されて吸気ケース２７に設けた除塵部の通気孔を通して吸引する冷却風によってエンジン冷却水を冷却することで、エンジン４を冷却する。吸気ケース２７の内部の徐塵部とラジエータ２５との間にオイルクーラ２８を配備してある。オイルクーラ２８は、油圧シリンダ８などの油圧アクチュエータを駆動する作動油の冷却を行なう。

　原動部Ａには、エンジン４の吸気マニホールドから機体上方向きに延出したエンジン側の吸気管の延出端部に排気口が接続されたエアクリーナ３０、及びエアクリーナ３０の吸気口から機体上方向きに延出したクリーナ側の吸気管３１の延出端部に排気口が接続されたプレエアクリーナ３２を備えてある。

　収穫前処理装置Ｂについて説明する。
　図２，３，４に示すように、収穫前処理装置Ｂは、機体フレーム５の前部から昇降軸芯Ｐまわりに上下揺動自在に延出する前処理フレーム３５と、前処理フレーム３５の前部に設けた収穫部３６と、前処理フレーム３５の後部に設けた送出部３７とを備えて構成してある。

　図５，１２，１４に示すように、前処理フレーム３５は、運転部フレーム１２における前側の支柱フレーム材１２ａに備えた左右一対の支持部４０，４０（図６，７参照）に後端部が回転自在に連結される左右一対の連結フレーム（送出部フレーム）３７ａ，３７ａと、左右一対の連結フレーム３７ａ，３７ａの前端部に後端部が連結された収穫部フレーム４２とを備えて構成してある。

　支点軸４１の軸芯が昇降軸芯Ｐになっている。左右一対の連結フレーム３７ａ，３７ａは、収穫部３６によって収穫されたとうもろこしをフィーダ６に送り出す送出部３７を構成する送出部フレームになっている。収穫部フレーム４２の横幅は左右一対の連結フレーム３７ａ，３７ａの横外側面どうしでの間隔の長さより大に設定され、収穫部フレーム４２と連結フレーム３７ａとは、収穫部フレーム４２の左側及び右側の横側部４２ａが連結フレーム３７ａから横外側に突出する状態で連結している。

　収穫部フレーム４２は、左右一対の連結フレーム３７ａ，３７ａの前端部に後面側が連結している後縦壁板４６ａを有した横送りフレーム部４６と、横送りフレーム部４６を構成する左右一対の横縦壁板４６ｂ，４６ｂの前端部に架設され機体横向きの支持フレーム４７とを備えて構成してある。

　横送りフレーム部４６は、後縦壁板４６ａの両端部に各別に連結している左右一対の横縦壁板４６ｂ，４６ｂを備え、左右一対の横縦壁板４６ｂ、４６ｂによって横送りオーガ４４を回転自在に支持している。横送りフレーム部４６は、横送りオーガ４４の下方に位置する横送りデッキ４６ｃを支持している。横送りフレーム部４６の後縦壁板４６ａに供給口４６ｄを設けてある。

　送出部３７は左右一対の、送出部フレームとしての連結フレーム３７ａ，３７ａを備えて構成してある。図１４に示すように、左右一対の連結フレーム３７ａ，３７ａは、左右一対の連結フレーム３７ａ，３７ａの間に供給口４６ｄが位置するように、かつ収穫前処理装置Ｂの下降作業姿勢の状態において、左右一対の連結フレーム３７ａ，３７ａの間にフィーダ６の投入口７１が入り込むように配備してある。これにより、送出部３７は、収穫部３６の供給口４６ｄから供給されたとうもろこしをフィーダ６の投入口７１に送出する。

　図１０，１１，１３に示すように、収穫部３６は、収穫部フレーム４２の前部に機体横方向に並べて設けた３つの収穫装置４３と、収穫部フレーム４２の後部に機体横向きに設けた横送りオーガ４４とを備えて構成してある。

　３つの収穫装置４３それぞれは、収穫部フレーム４２の前部に機体横方向に並べて設けた６つの収穫物係止搬送装置４５のうちの機体横方向に隣り合って位置する一対の収穫物係止搬送装置４５，４５、及び各収穫物係止搬送装置４５の下方に設けた収穫ロール６３を備えて構成してある。

　６つの収穫物係止搬送装置４５の搬送終端側は、支持フレーム４７に支持されている。６つの収穫物係止搬送装置４５のうちの両横端の収穫物係止搬送装置４５の横外側は、横送りフレーム部４６の横縦壁板４６ｂから機体前方向きに延出したアームフレーム４８に前後一対の連結杆４９，４９を介して支持されている。

　図１０，１１，１３に示すように、６つの収穫物係止搬送装置４５のうちの両横端の収穫物係止搬送装置４５Ａは、支持フレーム４７に後端部が支持された機体前後向きの搬送装置フレーム５１と、この搬送装置フレーム５１の前端部に機体上下向き軸芯まわりに回転自在に支持された始端側回転輪体５２と、搬送装置フレーム５１の後端部に機体上下向き軸芯まわりに回転自在に支持された終端側回転輪体５３と、終端側回転輪体５３と始端側回転輪体５２の間で搬送装置フレーム５１に機体上下向き軸芯まわりに回転自在に支持されたガイド輪体５４と、各輪体５２，５３，５４に巻回された無端回動体５５とを備えて構成してある。

　６つの収穫物係止搬送装置４５のうちの両横端の収穫物係止搬送装置４５Ａを除く４つの内側の収穫物係止搬送装置４５Ｂは、支持フレーム４７に後端部が支持された機体前後向きの搬送装置フレーム５１と、この搬送装置フレーム５１の前端部に設けた張力付与装置８８が備える機体上下向き軸芯まわりに回転自在な始端側回転輪体５２と、搬送装置フレーム５１の後端部に機体上下向き軸芯まわりに回転自在に支持された終端側回転輪体５３と、終端側回転輪体５３と始端側回転輪体５２の間で搬送装置フレーム５１に機体上下向き軸芯まわりに回転自在に支持されたガイド輪体５４と、各輪体５２，５３，５４に巻回された無端回動体５５とを備えて構成してある。

　各収穫物係止搬送装置４５Ａ，４５Ｂの搬送装置フレーム５１は、支持フレーム４７に連結部５１ａで脱着自在に連結されたフレーム本体５１ｂと、連結部５１ａに脱着自在に連結された駆動ケース５７とを備えて構成してある。

　各収穫物係止搬送装置４５Ａ，４５Ｂでは、終端側回転輪体５３を駆動ケース５７によって回転自在に支持するように、かつ駆動ケース５７に収容された駆動機構であって、ベベルギヤを利用して構成してある駆動機構５０によって終端側回転輪体５３を回転駆動するよう構成してある。両端の収穫物係止搬送装置４５Ａでは、始端側回転輪体５２及びガイド輪体５４をフレーム本体５１ｂによって回転自在に支持するよう構成してある。内側の収穫物係止搬送装置４５Ｂでは、ガイド輪体５４をフレーム本体５１ｂによって回転自在に支持するよう構成してある。

　一つの収穫装置４３を構成する一対の収穫物係止搬送装置４５Ａ，４５Ｂ及び一対の収穫物係止搬送装置４５Ｂ，４５Ｂにおける駆動ケース５７は、一対の収穫物係止搬送装置４５Ａ，４５Ｂ及び一対の収穫物係止搬送装置４５Ｂ，４５Ｂに共用の駆動ケース５７になっており、二つの終端側回転輪体５３，５３を駆動自在に支持している。

　各収穫物係止搬送装置４５における無端回動体５５の長手方向での複数箇所に収穫物係止搬送突部５６を設けてある。各収穫物係止搬送装置４５における無端回動体５５は、無端回動チェーンによって構成し、収穫物係止搬送突部５６は、無端回動チェーンのリンク部材に一体形成した板金部材によって構成してある。各収穫物係止搬送装置４５における始端側回転輪体５２、終端側回転輪体５３及びガイド輪体５４は、チェーンスプロケットによって構成してある。

　各収穫物係止搬送装置４５の無端回動体５５は、駆動ケース５７によって回転駆動される終端側回転輪体５３によって回転駆動され、搬送経路５８を機体後方向きに移動し、戻り経路５９を機体前方向きに移動するように回動し、収穫物係止搬送突部５６によってとうもろこしを機体後方向きに係止搬送する。各収穫物係止搬送装置４５は、収穫前処理装置Ｂの下降作業姿勢の状態において、搬送終端側ほど対地高さが高くなる後上がり傾斜の姿勢になる。

　図１１，１５に示すように、各収穫物係止搬送装置４５の下方に位置する収穫ロール６３は、駆動ケース５７から機体前方向きに延出している。収穫ロール６３は、収穫ロール６３の前部に位置する螺旋形状の掻込み羽根６４ａを有した掻き込みロール部６４と、掻き込みロール部６４より搬送方向下手側に位置する帯板状の収穫羽根６５ａを有した収穫ロール部６５とを備えて構成してある。つまり、一つの収穫装置４３を構成する一対の収穫ロール６３，６３は、駆動ケース５７に収容された駆動機構５０によって回転方向ａ（図１６参照）に回転駆動され、収穫装置４３の茎稈導入口４５ａに入り込んだとうもろこし植物体を掻き込みロール部６４の掻込み羽根６４ａによって搬送経路５８に掻き込み導入し、搬送経路５８に導入したとうもろこし植物体の茎稈を収穫ロール部６５の収穫羽根６５ａによって搬送装置フレーム５１のフレーム本体５１ｂに対して掻き下げ操作する。このとき、とうもろこしは、搬送装置フレーム５１のフレーム本体５１ｂにおける受け板部５１ｃ（図１６参照）によって下から受け止め支持されることにより、収穫ロール６３は、とうもろこしをとうもろこし植物体の茎稈からちぎり取って収穫する。

　つまり、図１０～１５に示すように、各収穫装置４３の搬送装置フレーム５１の後端部に、一つの連結部５１ａを一対の収穫物係止搬送装置４５，４５の搬送装置フレーム５１に連結する状態で設け、３つの収穫装置４３を、支持フレーム４７に連結部５１ａによって各別に取付けてある。

　各収穫装置４３の搬送装置フレーム５１の後側に、一対の収穫物係止搬送装置４５，４５及び一対の収穫ロール６３，６３に共通の一つの駆動ケース５７を設け、各収穫装置４３の駆動ケース５７を、支持フレーム４７の後方に設けた左右一対のブラケット４７ａ，４７ａの上面部に載置して支持させてある。３つの収穫装置４３の駆動ケース５７を支持するよう機体横方向に並ぶ複数のブラケット４７ａは、連結部５１ａから後方向きに延出してあり、連結部５１ａを介して支持フレーム４７に支持される。このようにブラケット４７ａを連結部５１ａから延出する構成を採用するに替え、連結部５１ａの後向き面に切り欠き孔を設け、ブラケット４７ａが支持フレーム４７から連結部５１ａの切り欠き孔を通って後方向きに延出する構成を採用してもよい。

　３つの収穫装置４３の駆動ケース５７は、隣り合う一対の駆動ケース５７，５７の間に配置し、かつ支持フレーム４７の後方に配置した連動軸５７ｂによって連動させてある。すなわち、各連動軸５７ｂは、隣り合う一対の駆動ケース５７，５７の入力軸５７ａにジョイントを介して一体回転自在に連結して、隣り合う一対の駆動ケース５７，５７の入力軸５７ａを一体回転するよう連動させている。

　従って、収穫前処理装置Ｂは、収穫部３６によって機体横方向での３箇所でとうもろこし植物体からとうもろこしを収穫し、収穫したとうもろこしを送出部３７によってフィーダ６の投入口７１に送出する。

　すなわち、収穫物係止搬送装置４５の上方を覆う搬送装置カバー６０，６１（図３，１３参照）の前端部６０ａ，６１ａの先細り形状による分草具機能によって各収穫装置４３の搬送経路５８に植立状態のとうもろこし植物体を導入する。各収穫装置４３の搬送経路５８において、搬送経路５８に導入されたとうもろこし植物体のとうもろこしを搬送装置フレーム５１のフレーム本体５１ｂの受け板部５１ｃによって受け止め支持させながら、とうもろこし植物体の茎稈を収穫ロール６３の収穫ロール部６５によって掻き下げて、とうもろこしを収穫する。３つの収穫装置４３において収穫したとうもろこしを、収穫物係止搬送装置４５の無端回動体５５によって後方に係止搬送して横送りフレーム部４６に送り込む。横送りフレーム部４６に送り込んだとうもろこしを、横送りオーガ４４によって横送りデッキ４６ｃに沿わせて送出部３７の前に横送りし、送出部３７の前に来たとうもろこしを、横送りオーガ４４に一体回転自在に設けてある板状の掻送り体６６（図１２参照）によって供給口４６ｄから送出部３７の左右一対の連結フレーム（送出部フレーム）３７ａ，３７ａの間に送り込み、送出部３７においてフィーダ６の投入口７１に供給する。

　図１０，１７に示すように、６つの収穫物係止搬送装置４５のうち、無端回動体５５の戻り経路５９が対向し合う状態で機体横方向に隣り合う一対の収穫物係止搬送装置４５，４５の一方の収穫物係止搬送装置４５における無端回動体５５の戻り経路５９のうちの収穫物係止搬送突部５６が通る部位と、他方の収穫物係止搬送装置４５における無端回動体５５の戻り経路５９のうちの収穫物係止搬送突部５６が通る部位とが、一対の収穫物係止搬送装置４５，４５の始端側回転輪体５２どうしの間で交差するように、一対の収穫物係止搬送装置４５，４５の始端側回転輪体５２どうしの間を小間隔に設定してある。一方の収穫物係止搬送装置４５における戻り経路５９の収穫物係止搬送突部５６が通る部位と他方の収穫物係止搬送装置４５における戻り経路５９の収穫物係止搬送突部５６が通る部位とが交差しても、一方の収穫物係止搬送装置４５の収穫物係止搬送突部５６と他方の収穫物係止搬送装置４５の収穫物係止搬送突部５６とが始端側回転輪体５２どうしの間を交互に移動するのであり、収穫物係止搬送突部５６どうしの接触が発生せず、一対の収穫物係止搬送装置４５，４５の無端回動体５５の駆動を支障なく行なうことができる。

　つまり、無端回動体５５の戻り経路５９が対向し合う一対の収穫物係止搬送装置４５，４５の始端側回転輪体５２どうしの間隔を狭くすることにより、収穫装置４３において一対の収穫物係止搬送装置４５，４５の無端回動体５５の搬送経路５８の始端部どうしによって収穫装置４３の前部に形成される茎稈導入口４３ａの間口を広くできる。

　前処理フレーム３５についてさらに説明する。
　図２０は、前処理フレーム３５を示す斜視図である。図２１は、前処理フレーム３５を示す平面図である。これらの図及び図１２，１４に示すように、前処理フレーム３５は、前処理フレーム３５の後部に左右に所定間隔を隔てて並んで位置する左右一対の縦板状の連結フレーム３７ａ，３７ａと、前処理フレーム３５の前部の両横側に分かれて位置する左右一対の横縦壁板４６ｂ，４６ｂと、左右一対の横縦壁板４６ｂ，４６ｂの後端側間に位置する後縦壁板４６ａと、後縦壁板４６ａの前側に上下に並んで位置する上下一対の機体横向きの横向きフレーム３８，３９と、左右一対の横縦壁板４６ｂ、４６ｂの前端側間に位置する機体横向きの支持フレーム４７と、上下一対の横向きフレーム３８，３９のうちの下側の横向きフレーム３８の機体横方向での２箇所から機体前方向きに延出して延出端が支持フレーム４７に連結する一対の連結部材３４，３４とを備えて構成してある。

　左右一対の連結フレーム３７ａ，３７ａは、後端部に支点軸４１を有した連結部を備え、支点軸４１を介して前記支持部４０に昇降軸芯Ｐまわりに回動自在に連結するよう構成してある。支点軸４１は、左右一対の連結フレーム３７ａ，３７ａを連結する連結軸によって構成してある。各連結フレーム３７ａは、軽量化用の切り欠き孔３７ｂを設けた縦板形のフレーム本体と、フレーム本体を構成する板金の端部を内向きに折り曲げてフレーム本体の上下に設けた補強フランジ３７ｃとを備えて構成してある。

　上下一対の横向きフレーム３８，３９は、鋼管によって構成してある。鋼管としては、縦断面形状が円形の鋼管を採用してある。鋼管としては、縦断面形状が矩形の鋼管を採用してもよい。上下一対の横向きフレーム３８，３９のうちの下側の横向きフレーム３８（以下、横向きフレーム３８と称する。）は、横送りデッキ４６ｃの下方に位置するよう配置してある。横向きフレーム３８は、両横端が左右一の連結フレーム３７ａ，３７ａから横外側に突出する状態で左右一対の連結フレーム３７ａ，３７ａの前端側下部と、左右一対の横縦壁板４６ｂ，４６ｂの下端側後部に連結されている。上下一対の横向きフレーム３８，３９のうちの上側の横向きフレーム３９（以下、上横向きフレーム３９と称する。）は、両横端が左右一の連結フレーム３７ａ，３７ａから横外側に突出する状態で左右一対の連結フレーム３７ａ，３７ａの前端側上部と、左右一対の横縦壁板４６ｂ，４６ｂの後端側上部に連結されている。

　後縦壁板４６ａは、横送りオーガ４４の後側に位置するよう配置され、上横向きフレーム３９、連結フレーム３７ａ及び横縦壁板４６ｂに連結されている。後縦壁板４６ａは、供給口４６ｄの両横側に分かれて位置する一対の板金部材４６ｔ、４６ｔによって構成してある。

　左右一対の横縦壁板４６ｂ，４６ｂは、横送りオーガ４４の両横外側に各別に位置するよう配置されている。左右一対の横縦壁板４６ｂ，４６ｂの後端側は、横向きフレーム３８、上横向きフレーム３９及び後縦壁板４６ａの横端部に連結され、左右一対の横縦壁板４６ｂ，４６ｂの前端側は、支持フレーム４７の端部に連結されている。左右一対の横縦壁板４６ｂ，４６ｂは、横向きフレーム３８、上横向きフレーム３９、後縦壁板４６ａ及び支持フレーム４７が連結する縦板形のフレーム本体と、フレーム本体を構成する板金の端部を内向きに折り曲げてフレーム本体の全周囲に設けた補強フランジとを備えて構成してある。一方の横縦壁板４６ｂの後端側に、後縦壁板４６ａから後方に突出する突出部を設け、この突出部に、後に説明する入力軸１６４（図１２参照）が挿通する貫通孔４６ｅを設けてある。一方の横縦壁板４６ｂの前端側に、後に説明する伝動軸１６７（図１２参照）が挿通する貫通孔４６ｆを設けてある。

　支持フレーム４７は、縦断面形状が矩形であるように形成してある。図１２，１４に示すように、各収穫装置４３の連結部５１ａを、縦断面形状がコ字状の溝形であるように形成して、連結部５１ａの支持フレーム４７に対する取り付けを操作簡単にできるように構成してある。

　すなわち、連結部５１ａを開口から支持フレーム４７に対して支持フレーム４７の軸芯に直交する方向に嵌め込み操作することにより、連結部５１ａが支持フレーム４７に外嵌し、支持フレーム４７に外嵌した連結部５１ａは、支持フレーム４７の矩形と連結部５１ａのコの字状とによって支持フレーム４７に対して回転不能に係合した状態になる。支持フレーム４７に外嵌した連結部５１ａと支持フレーム４７とに挿通する外れ止めボルト４７ｂを装着することにより、連結部５１ａの外れ止めができる。

　一対の連結部材３４，３４は、横送りガイドとしての横送りデッキ４６ｃの下方を前後方向に通るように配備してある。一対の連結部材３４，３４は、連結部材３４どうしの間隔Ｄ１、左側の連結部材３４と左側の横縦壁板４６ｂの間隔Ｄ２、及び右側の連結部材３４と右側の横縦壁板４６ｂの間隔Ｄ２が等しい又はほぼ等しい間隔になる状態で並ぶよう配置してある。一対の連結部材３４，３４は、左側の連結部材３４が左側の連結フレーム３７ａに対して機体前後方向に一直線状に並び、右側の連結部材３４が右側に連結フレーム３７ａに対して機体前後方向に一直線状に並ぶように配置してある。一対の連結部材３４，３４の延出端側は、連動軸５７ｂの下方に位置するよう配置してある。一対の連結部材３４，３４は、縦板形の本体と、本体を構成する板金の下端部を折り曲げて本体の下部に設けた補強フランジとを備えて構成してある。

　一対の連結部材３４，３４の後端側は、横向きフレーム３８に連結する他、連結フレーム３７ａに連結している。一対の連結部材３４，３４の延出端側は、支持フレーム４７のうちの収穫装置４３の連結部５１ａが取り付けられる箇所どうしの間の部位に連結されている。一対の連結部材３４，３４の延出端側は、支持フレーム４７の後向き側面及び下向き側面に連結している。一対の連結部材３４，３４の後端側は、横送りガイドとしての横送りデッキ４６ｃの裏面に当接して横送りデッキ４６ｃを下方から受け止め支持する支持部材の機能を備えている。

　図２０，２１に示すように、横向きフレーム３８に、両横端側に分散配置した左右一対のシリンダ支持部２００，２００を備えてある。左右一対のシリンダ支持部２００，２００は、連結フレーム３７ａの前端部及び連結部材３４の後端部の横側に配置して横向きフレーム３８に連結した板状体によって構成してある。

　図２１，２２，２３に示すように、左右一対のシリンダ支持部２００，２００は、前処理フレーム３５を昇降操作する左右一対の油圧シリンダ８，８の収穫前処理装置側の端部を各別に連結ピン２０１を介して回動自在に支持するように構成してある。左右一対のシリンダ支持部２００，２００は、油圧シリンダ８に対してシリンダ支持部２００とは反対側に位置する連結ピン２０１の端部を連結フレーム３７ａの前端部及び連結部材３４の後端部によって支持させる両持ち支持で連結ピン２０１を支持するように構成してある。これにより、左右一対のシリンダ支持部２００，２００は、油圧シリンダ８の軸芯が走行機体平面視で連結部材３４に沿う取り付け姿勢で油圧シリンダ８を支持する。連結ピン２０１は、シリンダ支持部２００の外面側に装着された回り止め体２０２によって回り止めされている。左右一対の油圧シリンダ８，８の走行機体側の端部は、図７に示す如く前輪支持フレーム１４に設けたシリンダ支持部１４ａに支持されるよう構成してある。
　また、左右一対の油圧シリンダ８，８は、横向きフレーム３８の両横端側に振り分け配置してある。

　図２０，２１に示すように、左右一対の連結部材３４，３４の後端部にピン孔２０３を有したスタンド支持部２０４を設けてある。図２１，２２，２３に示すように、左右一対の連結部材３４，３４のスタンド支持部２０４は、接地スタンド１０５の基端側を連結ピン２０５を介して枢支することにより、接地スタンド１０５を上昇格納姿勢と下降使用姿勢とに昇降切り換え自在に支持するよう構成してある。各スタンド支持部２０４は、接地スタンド１０５に対してスタンド支持部２０４とは反対側に位置する連結ピン２０５の端部をシリンダ支持部２００を構成する板状体によって支持させる両持ち支持で連結ピン２０５を支持するように構成してある。

　図２４に示すように、左右一対の接地スタンド１０５，１０５を下降使用姿勢に切り換えると、収穫前処理装置Ｂは、左右一対の接地スタンド１０５，１０５及び接地ソリ９によって脱着姿勢で接地支持される。すなわち、走行機体から取り外した収穫前処理装置Ｂを、連結フレーム３７ａの後部に設けてある支点軸４１が走行機体の支持部４０と同じ配置高さに位置する接地姿勢にできる。

　接地スタンド１０５は、スタンド支持部２０４に枢支された基部側スタンド部１０５ａと、基部側スタンド部１０５ａに伸縮自在に支持され、脱着自在なロックピン１０７によって調節位置に固定されるように構成した接地側スタンド部１０５ｂとを備えて構成してある。

　接地スタンド１０５は、下降使用姿勢に切り換えた場合、伸長状態に調節するとともにロックピン１０７によって固定するように構成し、上昇格納姿勢に切り換え場合、短縮状態に調節して連結部材３４の横側にコンパクトに格納するように構成してある。

　図１８に示すように、接地ソリ９の支持脚１１０は、収穫物係止搬送装置４５の搬送装置フレーム５１に支持されたフレーム側脚体１１０ａと、フレーム側脚体１１０ａに調節長孔１１１の作用によって摺動調節自在に支持され、ロックねじ１１２によって調節位置に固定されるように構成したソリ側脚体１１０ｂとを備えて構成してある。つまり、ソリ側脚体１１０ｂのフレーム側脚体１１０ａに対する摺動調節によって支持脚１１０の長さ調節を行なうことにより、接地ソリ９の取付け高さが変化し、接地ソリ９による収穫前処理装置Ｂの前端側の支持高さを変更できるように構成してある。フレーム側脚体１１０ａは、固定側支持部材８２を介して搬送装置フレーム５１に支持されている。

　図１０，１７に示すように、無端回動体５５の戻り経路５９が対向し合う状態で隣り合う一対の収穫物係止搬送装置４５，４５の搬送始端側に張力付与装置８８を設けてある。この張力付与装置８８は、一対の収穫物係止搬送装置４５，４５の無端回動体５５を駆動が適切となる張力を備える張り状態に張り操作するものである。

　図１７，１８に示すように、張力付与装置８８は、一対の収穫物係止搬送装置４５，４５の一方における無端回動体５５の搬送始端側が巻回する始端側回転輪体５２と、他方における無端回動体５５の搬送始端側が巻回する始端側回転輪体５２と、一対の始端側回転輪体５２，５２を共に支持する可動側支持部材８４と、可動側支持部材８４をこれの後方で支持する固定側支持部材８２と、固定側支持部材８２と可動側支持部材８４とにわたって設けた張力付与手段８５とを備えて構成してある。

　固定側支持部材８２は、一対の収穫物係止搬送装置４５，４５における搬送装置フレーム５１のフレーム本体５１ｂにわたって連結してある。固定側支持部材８２は、一対の収穫物係止搬送装置４５，４５のフレーム本体５１ｂに連結ボルトによって固定されている。

　可動側支持部材８４は、固定側支持部材８２に一対のガイド手段８３Ａ，８３Ｂを介して支持されており、一対のガイド手段８３Ａ，８３Ｂによる案内を受けて固定側支持部材８２に対して機体前後方向に移動する。

　従って、張力付与装置８８は、可動側支持部材８４を一対のガイド手段８３Ａ，８３Ｂによる案内を受けさせて、張力付与手段８５によって機体前方側に移動操作し、これにより、一対の始端側回転輪体５２，５２を一体に張力付与方向に移動操作して、一方の収穫物係止搬送装置４５における無端回動体５５に始端側回転輪体５２によって張力付与し、他方の収穫物係止搬送装置４５における無端回動体５５に始端側回転輪体５２によって張力付与する。

　一対のガイド手段８３Ａ，８３Ｂは、一対の始端側回転輪体５２，５２が並ぶ方向と同じ機体横方向に並べてあり、一対の始端側回転輪体５２，５２の移動量が相違するガタツキを可動側支持部材８４に発生させないように可動側支持部材８４を移動案内する。

　一対のガイド手段８３Ａ，８３Ｂにおけるガイドレール８３ａは、固定側支持部材８２に固定し、ガイド部材８３ｂ，８３ｃは、可動側支持部材８４に固定してある。ガイド部材８３ｂ，８３ｃは、可動側支持部材８４の下面側に設けた前後一対の縦板部８４ａ，８４ａにわたって連結してある。
　図１９に示すように、一対のガイド手段８３Ａ，８３Ｂのうちの一方のガイド手段８３Ａは、外周形状が円形のガイドレール８３ａと、このガイドレール８３ａに円形の内周形状によって摺動自在に外嵌するガイド部材８３ｂとを備えて構成してある。一対のガイド手段８３Ａ，８３Ｂのうちの他方のガイド手段８３Ｂは、外周形状が円形のガイドレール８３ａと、このガイドレール８３ａに矩形の内周形状によって摺動自在に外嵌するガイド部材８３ｃとを備えて構成してある。内周形状が矩形のガイド部材８３ｃは、可動側支持部材８４の下面側に固設した平板と、可動側支持部材８４の下面側に固設した横断面形状がコ字形の板金部材とによって構成してある。ガイド手段８３Ｂにおけるガイドレール８３ａとガイド部材８３ｃの円形外周と矩形内周とによる係合により、一対のガイド手段８３Ａ，８３Ｂにおけるガイドレール８３ａとガイド部材８３ｂ，８３ｃとの間のこじれが発生せず、一対のガイド手段８３Ａ，８３Ｂは、可動側支持部材８４の移動案内をスムーズに行う。

　張力付与手段８５は、一対のガイド手段８３Ａ，８３Ｂの間で可動側支持部材８４に操作力を付与して、ガイド手段８３Ａ，８３Ｂのこじれ発生を防止しながら可動側支持部材８４を移動操作するように、一対のガイド手段８３Ａ，８３Ｂの間に配置してある。

　張力付与手段８５は、可動側支持部材８４の下面側に前端部が固定された機体前後向きの操作ロッド８６と、操作ロッド８６の後端側に外嵌されたスプリング８７とを備えて構成してある。

　操作ロッド８６の前端部は、可動側支持部材８４の後側の縦板部８４ａに一対のロックナット８６ａ，８６ａによって固定され、操作ロッド８６の後端側は、固定側支持部材８２に設けた前後一対の縦板部８２ａ，８２ａに摺動自在に支持されている。スプリング８７は、操作ロッド８６に設けた筒形のバネ受け体８６ｂと固定側支持部材８２の後側の縦板部８２ａとの間に位置し、縦板部８２ａを反力部材にしてバネ受け体８６ｂに押圧作用して、操作ロッド８６を機体前方側に摺動付勢する。

　従って、張力付与手段８５は、スプリング８７によって操作ロッド８６を介して可動側支持部材８４を移動付勢することにより、一対の始端側回転輪体５２，５２を一体に張力付与側に移動付勢する。すなわち、張力付与手段８５は、スプリング８７によって一対の始端側回転輪体５２，５２を張力付与側に移動付勢することにより、一対の無端回動体５５，５５を延び発生にかかわらず適切な張り状態になるよう自動的に張り調節する。

　図１７に示すように、可動側支持部材８４の平面視での形状を、隣り合う一対の収穫物係止搬送装置４５，４５の一方における始端側回転輪体５２を支持する側の横側縁８４ｂが一方の収穫物係止搬送装置４５の無端回動体５５の搬送経路５８に沿い、隣り合う一対の収穫物係止搬送装置４５，４５の他方における始端側回転輪体５２を支持する側の横側縁８４ｃが他方の収穫物係止搬送装置４５の無端回動体５５の搬送経路５８に沿う形状に形成してある。

　すなわち、可動側支持部材８４は、隣り合う一対の収穫物係止搬送装置４５，４５の一方の無端回動体５５の搬送経路５８と他方の無端回動体５５の搬送経路５８との間を始端側回転輪体５２の下側で覆い、始端側回転輪体５２に下方からとうもろこし植物体の葉などが入り込むことを防止するカバー機能を備えている。

　収穫装置４３を構成する一対の収穫物係止搬送装置４５，４５及び一対の収穫ロール６３，６３は、駆動ケース５７及び連結部５１ａによって連結されたユニット構造になっている。張力付与装置８８を構成する固定側支持部材８２は、隣り合う一対の収穫装置４３，４３の搬送装置フレーム５１，５１にわたって連結されて、隣り合う一対の収穫装置４３，４３の一方の搬送装置フレーム５１と他方の搬送装置フレーム５１との機体横方向間隔を設定するスペーサ機能を備えている。

　すなわち、隣り合う一対の収穫装置４３，４３の機体横方向間隔が異なる状態で複数の収穫装置４３を備える別仕様の収穫前処理装置Ｂを構成する場合、固定側支持部材８２として長さ異なるものを採用し、かつ隣り合う一対の駆動ケース５７，５７を連動させる連動軸５７ｂとして長さが異なるものを採用することにより、ユニット構造の収穫装置４３を所定の機体横方向間隔で並べて連結して、収穫装置４３の機体横方向間隔が異なる別仕様の収穫前処理装置Ｂを構成することができる。

　図３に示すように、収穫物係止搬送装置４５の上方を覆う４つの搬送装置カバー６０，６１のうちの両外端の搬送装置カバー６０は、６つの収穫物係止搬送装置４５のうちの両外端の一つの収穫物係止搬送装置４５だけに対応する小横幅を備えて構成してある。４つの搬送装置カバー６０，６１のうちの内側の２つの搬送装置カバー６１は、収穫装置４３を構成する一対の収穫物係止搬送装置４５，４５に対応する大横幅を備えて構成してあり、一対の収穫物係止搬送装置４５，４５に共通のカバーになっている。

　図２５に示すように、内側の搬送装置カバー６１は、搬送装置カバー６１の後端部内と搬送装置フレーム５１側とにわたって設けた後連結手段９０、及び搬送装置カバー６１の前部内と搬送装置フレーム５１側とにわたって設けた左右一対の前連結手段９５，９５によって搬送装置フレーム５１に脱着及び揺動開閉自在に支持されている。

　図２７，２８に示すように、後連結手段９０は、搬送装置カバー６１の内面側に連結板部９１ａで固定されたカバー側係合体９１と、隣り合う一対の駆動ケース５７，５７に取付け板９２ａで固定された門形のフレーム側支持体９２とを備えて構成してある。

　カバー側係合体９１は、連結板部９１ａの両端部から各別に延出する左右一対の係合体本体９１ｂ，９１ｂを備えて構成してある。各係合体本体９１ｂには、前後側にフック部９３ａ，９３ｂが形成された凹入部９３を設け、凹入部９３でフレーム側支持体９２の横向き杆部９２ｂに対して摺動及び回動自在に係合するよう構成してある。

　図２９，３０に示すように、左右一対の前連結手段９５，９５は、搬送装置カバー６１の内部に設けた横桟部材９９に固定された係止ピン９６と、搬送装置フレーム５１のフレーム本体５１ｂに設けた機体上下向きの支持筒部９７とを備えて構成してある。支持筒部９７は、搬送装置カバー６１の昇降操作によって係止ピン９６の先端部９６ａが係脱するピン孔９７ａを備えている。係止ピン９６は、先端部９６ａの先細り形状によるガイド機能によってピン孔９７ａにスムーズに係入する。係止ピン９６の先端部９６ａがピン孔９７ａに係入した場合、支持筒部９７から下方に突出した先端部９６ａの突出部位に脱着自在な抜け止めピン９８を装着して、係止ピン９６の支持筒部９７からの抜け止めを行なうよう構成してある。

　図２６は、搬送装置カバー６１の開き状態を示す側面図である。図２７（ｂ）は、搬送装置カバー６１の開き状態での後連結手段９０を示す側面図である。これらの図に示すように、搬送装置カバー６１の前端側を上昇操作すると、左右一対の係合体本体９１ｂ，９１ｂが凹入部９３で横向き杆部９２ｂに対して回動しながら摺動し、搬送装置カバー６１は、横向き杆部９２ｂによって支持されるカバー側係合体９１の部位を揺動支点にして上昇揺動して開く。搬送装置カバー６１が開き状態になると、左右一対の係合体本体９１ｂが前側のフック部９３ａで横向き杆部９２ｂに係合して、搬送装置カバー６１の外れ止めが行われる。

　図２５は、搬送装置カバー６１の閉じ状態を示す側面図である。図２７（ａ）は、搬送装置カバー６１の閉じ状態での後連結手段９０を示す側面図である。これらの図に示すように、搬送装置カバー６１の前端側を下降操作すると、左右一対の係合体本体９１ｂ，９１ｂが凹入部９３で横向き杆部９２ｂに対して回動しながら摺動し、搬送装置カバー６１は、横向き杆部９２ｂによって支持されるカバー側係合体９１の部位を揺動支点にして下降揺動して閉じる。搬送装置カバー６１が閉じ状態になると、左右一対のカバー側係合体９１，９１が後側のフック部９３ｂで横向き杆部９２ｂに係合して、搬送装置カバー６１の外れ止めが行われる。

　閉じ状態の搬送装置カバー６１の前端側を上昇操作して左右一対の前連結手段９５における係止ピン９６が支持筒部９７から抜け外れると、搬送装置カバー６１を機体後方向きに移動操作することにより、フレーム側支持体９２の横向き杆部９２ｂが左右一対の係合体本体９１ｂ，９１ｂから外れ、後連結手段９０による搬送装置カバー６１の前処理フレーム側に対する連結が解除される。

　搬送装置カバー６１を開いた場合、搬送装置カバー６１の内部に装備してある左右一対のスタンドロッド１００，１００を使用することにより、搬送装置カバー６１を開き状態に保持できるように構成してある。

　左右一対のスタンドロッド１００，１００は、横桟部材９９に上昇格納姿勢と下降使用姿勢とに揺動切り換え自在に枢支されている。図２６に示すように、左右一対のスタンドロッド１００，１００を下降使用姿勢に切り換えた場合、搬送装置フレーム５１のフレーム本体５１ｂの折り曲げ部によってフレーム本体５１ｂの上面に形成された段部にスタンドロッド１００の先端部を係止させることにより、左右一対のスタンドロッド１００，１００は、搬送装置カバー６１を開き状態に突っ張り支持する。

　左右一対のスタンドロッド１００，１００は、左右一対のスタンドロッド１００，１００の基部にわたって連結された連動杆１０１によって一体に昇降するように連動されている。左右一対のスタンドロッド１００，１００は、一方のスタンドロッド１００の基部に装着された格納スプリング１０２によって上昇格納姿勢に揺動付勢されている。

　外側の搬送装置カバー６０にあっては、内側の搬送装置カバー６１に備えた前連結手段９５、後連結手段９０及びスタンドロッド１００と同じ構成を有した前連結手段、後連結手段及びスタンドロッドを備えており、内側の搬送装置カバー６１と同様に揺動開閉できるとともに上昇開き姿勢に保持でき、さらに脱着できるようになっている。外側の搬送装置カバー６０の前連結手段、後連結手段及びスタンドロッドの説明は省略する。

　フィーダ６について説明する。
　図１，２，３，４に示すように、フィーダ６は、機体後方側（搬送方向下手側）ほど機体上方側に位置する後上がり傾斜の姿勢で配備してある。フィーダ６は、走行機体の横方向での中央部に配備してある。フィーダ６は、運転キャビン３の下方の左右一対の前側の支柱フレーム材１２ａ，１２ａの間であって、走行ミッション１５の上方の左右一対の前車輪１，１の間を機体前後方向に通るよう配備してある。フィーダ６の前端部は、前輪支持フレーム１４から延出するステー７３に支持され、フィーダ６の中間部は、後側の支柱フレーム材１２ｂから延出するステー７４に支持されている。フィーダ６の後端部は、エンジン４の後方に配置して機体フレーム５に立設された左右一対の支柱７５，７５に支持されている。

　図３は、フィーダ６を示す横断平面図である。この図及び図３２，３３に示すように、機体前後方向に長いフィーダケース７０と、このフィーダケース７０の内部に駆動回動自在に設けたフィーダコンベヤ７２とを備えて構成してある。

　フィーダケース７０は、底板７０ａと左右一対の横側板７０ｂ，７０ｂと天板７０ｃとを備えて、縦断面形状が矩形の筒状に構成してある。フィーダケース７０の前端部（搬送始端部）の上面側に投入口７１（図１４参照）を設けてある。投入口７１は、フィーダケース７０から上方向きに突設した縦板７１ａにより、前処理フレーム３５における供給口４６ｄに向かって開口するよう形成してある。フィーダケース７０の内部に、搬送案内板７０ｄを底板７０ａ及び天板７０ｃと平行またはほぼ平行に設けてある。

　フィーダコンベヤ７２は、フィーダケース７０の搬送始端部内に回転支軸７６を介して回転自在に支持される左右一対の始端側輪体７６ａ，７６ａ及びフィーダケース７０の搬送終端部内に入力軸７７を介して回転自在に支持される左右一対の終端側輪体７７ａ，７７ａに巻回された左右一対の無端回動体７８と、無端回動体７８の長手方向での複数箇所で左右一対の無端回動体７８，７８に装着された搬送板７８ａとを備えて構成してある。

　入力軸７７は、フィーダケース７０の両横外側に振り分け配置した左右一対の張力調整体７９，７９を介してフィーダケース７０の横側板７０ｂに支持されている。すなわち、左右一対の張力調整体７９は、張力調整体７９とフィーダケース７０に固定の支持体７０ｅとにわたって装着した調節ネジ７９ａが回転操作されることにより、張力調整体７９に設けた取付けボルト孔の長孔形状の作用によって摺動調節されて入力軸７７を無端回動体７８の長手方向に移動調節し、無端回動体７８の張力調節を行なう。

　フィーダコンベヤ７２は、入力軸７７によって回転駆動される左右一対の終端側輪体７７ａ，７７ａによって回転駆動され、収穫前処理装置Ｂから投入口７１に供給されてフィーダケース７０の搬送始端部内に入ったとうもろこしを、フィーダコンベヤ７２によってフィーダケース７０の内部を搬送案内板７０ｄの上面側に沿わせて搬送し、フィーダケース７０の後端部（搬送終端部）に設けてある収穫物放出口７０ｆから後方向きに放出する。

　図３３に示すように、フィーダ６の搬送終端部の下方に排塵ファン装置１２０を配備してある。排塵ファン装置１２０は、ファンケース１２１と、ファンケース１２１の内部に回転支軸１２２を介して回転自在に設けた回転ファン１２３とを備えて構成してある。

　排塵ファン装置１２０は、ファンケース１２１の両横外側に位置する取付け板１２４を介して左右一対の支柱７５，７５及びフィーダケース７０に支持されている。回転支軸１２２は、走行機体横向きの姿勢で回転自在に支持されている。

　排塵ファン装置１２０は、回転支軸１２２によって回転ファン１２３が回転駆動されることにより、ファンケース外の空気をファンケース１２１の横側壁に設けてある吸気口からファンケース内に吸引して排塵風を発生させ、発生した排塵風をファンケース１２１の送風口１２１ａからフィーダ６の収穫物放出口７０ｆに後方上方向きに供給し、収穫物放出口７０ｆから放出されたとうもろこしに混在する葉屑などの塵埃を排塵風によって後方向きに飛ばして除去する。

　図３２，３３に示すように、フィーダ６の後部に処理装置１３０を連結してある。
　図３４は、処理装置１３０を示す縦断側面図である。この図及び図３２，３３に示すように、処理装置１３０は、フィーダケース７０の後端部位であって、収穫物放出口７０ｆを形成している部位７０ｒに前端部が連結した処理ケース１３１と、処理ケース１３１の内部のフィーダ６の収穫物放出口７０ｆより後方に位置する箇所に設けた一対の掻込み回転体１３２，１３２と、一対の掻込み回転体１３２，１３２の後方に配備した細断処理部１３５とを備えて構成してある。処理ケース１３１は、フィーダ６の後端６ｂ（フィーダケース７０の後端）が処理ケース１３１の内部に入り込む状態でフィーダケース７０に連結している。

　従って、処理装置１３０は、フィーダ６によってとうもろこしに混入して搬送された稈身を主として細断処理して後方に放出する。
　すなわち、フィーダコンベヤ７２によって搬送されたとうもろこしは、収穫物放出口７０ｆから放出されるのに対し、収穫前処理装置Ｂのとうもろこし収穫の際の稈切れなどによってとうもろこしに混入して搬送された稈身は、搬送板７８ａによる押し出しを受けて収穫物放出口７０ｆから後方に突出する。一対の掻込み回転体１３２，１３２は、処理ケース１３１の横外側に配置して一対の掻込み回転体１３２，１３２の回転支軸１３３の端部に装着してあるギヤ連動機構１４０（図３１参照）による作用によって逆回転方向に回転駆動される。従って、収穫物放出口７０ｆから後方に突き出た稈身を、一対の掻込み回転体１３２，１３２によって受け取って後方に送り出して細断処理部１３５に供給する。

　細断処理部１３５は、掻込み回転体１３２によって供給された稈身を、処理ケース１３１の内部で回転駆動される回転刃１３６と、回転刃１３６の回転域の外側近くに配置して処理ケース１３１の内部に固定された固定刃１３７とによって細断し、細断稈身を、回転刃１３６の回転による放出作用により、回転刃１３６の回転域の外周囲に配備してある放出ガイド体１３８に沿わせて排出口１３１ａに移送して排出口１３１ａから後方上方向きに放出する。排出口１３１ａから飛散した細断稈身は、排出口１３１ａの上方に位置する傾斜ガイド板１３９による案内を受けて後方下方向きに出る。

　図３４に示すように、一対の掻込み回転体１３２，１３２は、回転支軸１３３の両端部に振り分けて一体回転自在に設けた一対の回転板１３２ａと、回転板１３２ａの周方向に所定間隔を隔てて並ぶ状態で一対の回転板１３２ａ，１３２ａにわたって取り付けた複数本の掻込みバー１３２ｂとを備えて構成してある。一対の掻込み回転体１３２，１３２は、一方の掻込み回転体１３２の掻込みバー１３２ｂと他方の掻込み回転体１３２の掻込みバー間とが掻込み回転体１３２どうしの間で対向し合う位相関係を保ちながら回転する。

　図３，３１に示すように、ギヤ連動機構１４０は、一対の掻込み回転体１３２，１３２の回転支軸１３３の補助作業者搭乗デッキ２３が位置する側とは反対側の端部に装着してある。ギヤ連動機構１４０は、一方の掻込み回転体１３２の回転支軸１３３に一体回転自在に設けたギヤ１４１と、このギヤ１４１に咬み合う状態で他方の掻込み回転体１３２の回転支軸１３３に一体回転自在に設けたギヤ１４２とを備えて構成してある。

　図３４に示すように、放出ガイド体１３８は、放出ガイド体１３８の回転刃回転方向上手側に位置する部分を構成する上手側ガイド部１３８ａと、放出ガイド体１３８の回転刃回転方向下手側に位置する部分を構成する下手側ガイド部１３８ｂとを備えて構成してある。

　上手側ガイド部１３８ａは、処理ケース１３１に固定してある。下手側ガイド部１３８ｂを処理ケース１３１に位置決めするための締め付けねじ１３８ｃを、処理ケース１３１に設けた複数のねじ孔１３８ｄから選択したねじ孔１３８ｄに付け替えることにより、下手側ガイド部１３８ｂの取付け位置を回転刃回転方向に変更できるように構成してある。すなわち、下手側ガイド部１３８ｂの位置変更により、排出口１３１ａの大きさ及び細断稈身の排出方向を変更できるよう構成してある。

　処理ケース１３１の天板部に、内部の点検や清掃のための作業開口を蓋体１３１ｂによって開閉自在に設けてある。蓋体１３１ｂは、処理ケース１３１に対する脱着によって開閉するよう構成してある。

　図３，３１に示すように、処理装置１３０における処理ケース１３１の横幅Ｗ１をフィーダケース７０のフィーダコンベヤ７２を収容するコンベヤ収容部７０ｇでの横幅Ｗ２より小に設定してある。つまり、ギヤ連動機構１４０がフィーダケース７０のコンベヤ収容部７０ｇでの横端７０Ｔ１に対して処理装置１３０の横幅方向での内側に引退して位置するように、かつ処理ケース１３１の補助作業者搭乗デッキ２３が位置する側での横端１３１Ｔがフィーダケース７０のコンベヤ収容部７０ｇでの補助作業者搭乗デッキ２３が位置する側での横端７０Ｔ２に対して処理装置１３０の横幅方向での内側に引退して位置するように構成してある。
　ギヤ連動機構１４０が全幅にわたってコンベヤ収容部７０ｇの横端７０Ｔ１に対して処理装置１３０の内側に引退するよう構成してある。これに替え、ギヤ連動機構１４０の横幅方向での一部だけがコンベヤ収容部７０ｇの横端７０Ｔ１に対して処理装置１３０の内側に引退するよう構成してもよい。

　残稈処理装置Ｃについて説明する。
　図１，２に示すように、残稈処理装置Ｃは、走行機体の前車輪１と後車輪２の間の部位であって、後フレーム部１１ｂの下方の部位に配備してある。

　図３５は、残稈処理装置Ｃを示す側面図である。この図に示すように、残稈処理装置Ｃは、機体フレーム５に左右一対の揺動支持体１４４，１４４を介して支持される処理ケース１４５と、処理ケース１４５の内部に回転駆動自在に設けた回転チョッパー１４６と、回転チョッパー１４６の後方に回転自在に設けた鎮圧ローラ１４７とを備えて構成してある。処理ケース１４５は、処理装置機体の機能を備えている。

　左右一対の揺動支持体１４４は、機体フレーム側から後述する機体横向きのカウンタ軸１６２の軸芯まわりに上下揺動自在に延出され、延出端部で残稈処理装置Ｃの全体を支持するよう処理ケース１４５に連結されている。左右一対の揺動支持体１４４，１４４は、上下一対の揺動支持アーム１４４ａ，１４４ｂを備えて構成してある。

　残稈処理装置Ｃは、左右一対の揺動支持体１４４，１４４がリフトシリンダ１４８ａを備えた操作機構１４８によって揺動昇降操作されることにより、鎮圧ローラ１４７が接地し、回転チョッパー１４６が地面に接近した下降作業位置と、鎮圧ローラ１４７及び回転チョッパー１４６が地面から高く上昇した上昇作業位置とに昇降操作される。

　図３５に示すように、操作機構１４８は、リフトシリンダ１４８ａを備える他、後フレーム部１１ｂに設けた支持部１１ｅに機体横向きの回転支軸１４８ｂを介して上下揺動自在に支持される左右一対のリフトアーム１４８ｃ，１４８ｃと、左右一対のリフトアーム１４８ｃ，１４８ｃを処理ケース１４５の両横端側に各別に連結する一対の吊下げチェーン１４８ｄ，１４８ｄとを備えて構成してある。リフトシリンダ１４８ａは、油圧シリンダによって構成してある。リフトシリンダ１４８ａの一端側は、回転支軸１４８ｂから一体回転自在に延出している操作アーム１４８ｅに連結されている。

　従って、操作機構１４８は、リフトシリンダ１４８ａによって操作アーム１４８ｅを揺動操作して回転支軸１４８ｂを回転操作することにより、左右一対のリフトアーム１４８ｃ，１４８ｃを揺動操作して処理ケース１４５を吊り上げ及び吊り下げ操作することにより、左右一対の揺動支持体１４４，１４４を揺動昇降操作する。

　伝動ギヤケース１８０は、原動部フレーム１３から延出するステー１８４に固定されている。残稈処理装置Ｃが昇降操作される際、入力軸１７８が残稈処理装置Ｃの昇降軸芯であるカウンタ軸１６２の軸芯に対して偏倚している出力軸１８０ｂの軸芯まわりに揺動昇降するが、出力軸１８０ｂの揺動昇降によって伝動ベルト１８３がテンションアーム１８５を枢支軸１８５ａのまわりにテンションばね１８６に抗して揺動させて伝動ベルト１８３の張力が変化する。従って、残稈伝動機構１７７は、残稈処理装置Ｃのカウンタ軸１６２の軸芯周りの揺動昇降を可能にする。

　回収タンク７について説明する。
　図１，２に示すように、回収タンク７は、前端側がフィーダ６の後端部の下側に位置する状態でフィーダ６の後方に配備してある。

　回収タンク７は、機体フレーム５の後端部に立設された支柱１５０にダンプ軸芯Ｚまわりに揺動自在に支持され、回収タンク７の横側部に設けたシリンダブラケット１５１と機体フレーム５に設けたブラケット１５２とにわたって取り付けてあるダンプシリンダ１５３により、回収姿勢と排出姿勢とに揺動操作される。回収タンク７は、回収姿勢にされると、収穫物受入れシュート７ａを備えた開口７ｂがフィーダ６の収穫物放出口７０ｆの下方に機体上方向きに位置した姿勢になる。回収タンク７は、排出姿勢にされると、開口７ｂが支柱１５０の後方に機体下方向きに位置した姿勢になる。

　支柱１５０及びダンプシリンダ１５３は、回収タンク７の両横側に配備してある。支柱１５０は、支柱１５０の上端部とブラケット１５２とにわたって取り付けた傾斜姿勢の補助支柱１５４によって補強されている。

　伝動系について説明する。
　図３６は、伝動系統図である。この図に示すように、エンジン４の出力軸４ａの駆動力を走行伝動機構１６０によって走行ミッション１５の入力軸１６に伝達するように構成してある。走行伝動機構１６０は、エンジン４の出力軸４ａと走行ミッション１５の入力軸１６とにわたって巻回された複数本の伝動ベルト１６０ａを備えて構成してある。走行ミッション１５の入力軸１６は、ミッションケースから横向きに突出している。

　エンジン４の出力軸４ａの駆動力をカウンタ伝動機構１６１によってカウンタ軸１６２に伝達し、カウンタ軸１６２の駆動力を、カウンタ軸１６２の一端部に連結された収穫伝動機構１６３によって収穫前処理装置Ｂの入力軸１６４の一端部に伝達するように構成し、カウンタ軸１６２に駆動力を、カウンタ軸１６２の一端部に連結されたフィーダ伝動機構１７３によってフィーダ６の入力軸７７に伝達し、カウンタ軸１６２の駆動力を、カウンタ軸１６２の他端部に連結された残稈伝動機構１７７によって残稈処理装置Ｃの回転チョッパー１４６の回転支軸で成る入力軸１７８に伝達するように構成してある。

　図１，２に示すように、カウンタ軸１６２は、エンジン４の下方に機体横向きに配備してある。図３５に示すように、カウンタ軸１６２は、後フレーム部１１ｂの下方における連結フレーム部１１ｃの後側に配備してある。カウンタ伝動機構１６１は、カウンタ軸１６２の機体横方向中央部に連結してある。カウンタ伝動機構１６１は、エンジン４の出力軸４ａとカウンタ軸１６２とに巻回した複数本の伝動ベルト１６１ａを備えて構成してある。

　図２に示すように、カウンタ軸１６２を、収穫前処理装置Ｂの入力軸１６４に対して機体後方側に位置し、かつフィーダ６の入力軸７７に対して機体前方側に位置するように配備し、カウンタ軸１６２と入力軸１６４と入力軸７７との位置関係が、機体上下方向視でカウンタ軸１６２が入力軸１６４と入力軸７７との間に入る位置関係になるよう構成してある。従って、カウンタ軸１６２をフィーダ６の入力軸７７より後方に配備した場合に比べ、フィーダ伝動機構１７３の伝動距離を同じにしながら、収穫伝動機構１６３の伝動距離を短くできる。

　図１，２に示すように、カウンタ軸１６２を、残稈処理装置Ｃと同様に前車輪１と後車輪２の間に配置し、カウンタ軸１６２と残稈処理装置Ｃとの間隔が小になって、残稈伝動機構１７７の伝動距離が短くなるよう構成してある。

　収穫伝動機構１６３は、カウンタ軸１６２のエンジン４が位置する側とは反対の機体横端側に位置する端部に連結され、フィーダ６に対してエンジン４が位置する側とは反対側に配備されている。

　図１２，３６に示すように、収穫伝動機構１６３は、カウンタ軸１６２と支点軸４１の端部に回転自在に支持される中間伝動体１６８とに巻回された伝動チェーン１６９を備えた伝動上手側の伝動機構１６３ａと、入力軸１６４に相対回転自在に設けた連動部材としてのチェーンスプロケット１７１及びこのチェーンスプロケット１７１と中間伝動体１６８に巻回された伝動チェーン１７０を備えた伝動下手側の伝動機構１６３ｂと、チェーンスプロケット１７１と入力軸１６４とにわたって設けたトルクリミッタ１７２とを備えて構成してある。図２に示すように、中間伝動体１６８は、カウンタ軸１６２に対して機体前方側に位置するように、かつ収穫前処理装置Ｂの入力軸１６４に対して機体後方側に位置するように、さらにカウンタ軸１６２より高い配置高さに位置するよう配備してある。

　収穫前処理装置Ｂの入力軸１６４は、収穫部３６の入力軸と成っている。図１２に示すように、この入力軸１６４は、トルクリミッタ１７２が位置する側とは反対側の端部に連結された横送り伝動機構１６５によって横送りオーガ４４の回転支軸４４ａに連動されている。入力軸１６４は、トルクリミッタ１７２が位置する側とは反対側の端部に連結された搬送伝動機構１６６によって、各収穫物係止搬送装置４５及び各収穫ロール６３の駆動機構５０に連動されている。

　図１２，２４，３６に示すように、横送り伝動機構１６５は、入力軸１６４と横送りオーガ４４の回転支軸４４ａとに巻回された伝動チェーン１６５ａを備えて構成してある。

　搬送伝動機構１６６は、入力軸１６４と駆動ケース５７に対する伝動軸１６７とに巻回された伝動チェーン１６６ａを備えて構成してある。図１２に示すように、伝動軸１６７は、３つの駆動ケース５７のうちの横端の駆動ケース５７の入力軸５７ａに一体回転自在に連結されている。隣り合う一対の駆動ケース５７の入力軸５７ａどうしが連動軸５７ｂによって連結されている。従って、入力軸１６４の駆動力が搬送伝動機構１６６によって各収穫物係止搬送装置４５及び各収穫ロール６３の駆動機構５０に伝達される。

　図３１，３２，３６に示すように、フィーダ伝動機構１７３は、カウンタ軸１６２と排塵ファン装置１２０における回転ファン１２３の回転支軸１２２とに巻回された伝動チェーン１７４を備えた上手側伝動機構部１７３ａ、及び回転ファン１２３の回転支軸１２２とフィーダ６の入力軸７７とに巻回された伝動チェーン１７５を備えた下手側伝動機構部１７３ｂを備えて構成してある。

　従って、排塵ファン装置１２０の回転ファン１２３には、フィーダ伝動機構１７３の上手側伝動機構部１７３ａによってカウンタ軸１６２の駆動力が伝達される。

　図２に示すように、機体側面視において、カウンタ軸１６２の軸芯とフィーダ６の入力軸７７の軸芯とを結ぶ直線Ｌに近接する箇所に回転ファン１２３の回転支軸１２２が位置するように、カウンタ軸１６２、入力軸７７及び回転支軸１２２を配備してある。入力軸７７と回転支軸１２２とカウンタ軸１６２との位置関係が一直線状に近い状態で並ぶ位置関係になるよう構成してある。従って、上手側伝動機構部１７３ａ及び下手側伝動機構部１７３ｂの伝動距離を短くして、フィーダ伝動機構１７３を伝動距離が短いコンパクトなものにできる。直線Ｌに近接する箇所に回転ファン１２３の回転支軸１２２が位置するように構成するに替え、直線Ｌの上に回転ファン１２３の回転支軸１２２が位置するよう構成してもよい。

　上手側伝動機構部１７３ａは、収穫伝動機構１６３と同様に、カウンタ軸１６２のエンジン４が位置する側とは反対の機体横端側に位置する端部に連結され、フィーダ６に対してエンジン４が位置する側とは反対側に配備されている。下手側伝動機構部１７３ｂは、フィーダ６の入力軸７７の補助作業者搭乗デッキ２３が位置する側とは反対側の端部に連結され、フィーダ６に対して補助作業者搭乗デッキ２３が位置する側とは反対側に配備されている。

　図３２，３６に示すように、下手側伝動機構部１７３ｂを構成する伝動チェーン１７５は、掻込み回転体１３２の回転支軸１３３で成る処理装置１３０の入力軸に巻回されている。処理装置１３０の入力軸（回転支軸１３３）と回転刃１３６の回転支軸１３６ａに伝動チェーン１７６が巻回されている。

　従って、処理装置１３０の掻込み回転体１３２には、下手側伝動機構部１７３ｂによって回転ファン１２３の回転支軸１２２の駆動力が伝達される。回転刃１３６には、入力軸（回転支軸１３３）の駆動力が伝動チェーン１７６によって伝達される。

　残稈伝動機構１７７は、カウンタ伝動機構１６１に対して収穫伝動機構１６３及びフィーダ伝動機構１７３が位置する側とは反対側に位置するカウンタ軸１６２の部位に連結されている。さらに詳述すると、残稈伝動機構１７７は、収穫伝動機構１６３及びフィーダ伝動機構１７３が位置する側とは反対側のカウンタ軸１６２の端部に連結されている。

　図３５，３６に示すように、残稈伝動機構１７７は、カウンタ軸１６２の駆動力を、残稈伝動機構１７７の入力軸１８０ａとしての伝動ギヤケース１８０の入力軸１８０ａに入力し、この入力軸１８０ａの駆動力を伝動ベルト１８３を介して残稈処理装置Ｃの入力軸１７８に伝達するよう構成してある。

　図３７に示すように、伝動ギヤケース１８０の入力軸１８０ａは、連結手段１８１を介してカウンタ軸１６２に連結するよう構成してある。連結手段１８１は、カウンタ軸１６２及び入力軸１８０ａに対してスプライン構造によって係合及び離脱する筒体によって構成してある。従って、連結手段１８１は、入力軸１８０ａ側にスライド操作してカウンタ軸１６２と入力軸１８０ａとにわたって外嵌した状態にすることにより、入力軸１８０ａをカウンタ軸１６２に対する一体回転自在な連結状態に切り換える。連結手段１８１は、カウンタ軸１６２側にスライド操作して入力軸１８０ａから外れた状態にすることにより、入力軸１８０ａをカウンタ軸１６２に対する分離状態に切り換える。入力軸１８０ａをカウンタ軸１６２に対する連結状態に切り換えた連結手段１８１は、連結手段１８１に脱着自在な位置決めピン１８２を装着することにより、伝動ギヤケース１８０の端面に対する連結手段１８１の端面の当たり、及びカウンタ軸１６２の端面に対する位置決めピン１８２の当りによって所定の取付け位置に位置決めされ、入力軸１８０ａのカウンタ軸１６２に対する連結状態を維持する。

　つまり、残稈処理装置Ｃを走行機体から取り外す場合、残稈伝動機構１７７の入力軸１８０ａをカウンタ軸１６２から切り離すことにより、残稈伝動機構１７７を全体にわたって走行機体から取り外すことができる。

　伝動ギヤケース１８０は、入力軸１８０ａに一体回転自在に設けた入力側ギヤ１８０ｃ、及び入力側ギヤ１８０ｃに咬み合う状態で出力軸１８０ｂに一体回転自在に設けた出力側ギヤ１８０ｄを備えている。従って、伝動ギヤケース１８０は、入力軸１８０ａによってカウンタ軸１６２から入力した駆動力を回転方向が逆回転方向の駆動力に変換して出力軸１８０ｂから残稈処理装置Ｃに伝達する。

　エンジン４の出力軸４ａをエンジン４から機体横内側向きに突設し、走行伝動機構１６０及びカウンタ伝動機構１６１を、フィーダ６の下方に位置するよう配備してある。

　収穫伝動機構１６３、及びフィーダ伝動機構１７３のうちの上手側伝動機構部１７３ａは、フィーダ６に対してエンジン４が位置する側とは反対側の走行機体横側方に位置するよう配備してある。フィーダ伝動機構１７３のうちの下手側伝動機構部１７３ｂは、フィーダ６に対して補助作業者搭乗デッキ２３が位置する側とは反対側に位置するよう配備してある。

　図１２に示すように、収穫前処理装置Ｂの入力軸１６４としての収穫部３６の入力軸１６４は、収穫部フレーム４２の背後に機体横向きに配置してある。さらに詳述すると、入力軸１６４は、上横向きフレーム３９の後方に上横向きフレーム３９に沿わせて配備してある。入力軸１６４は、連結フレーム３７ａに回転自在に支持させてある。さらに詳述すると、入力軸１６４は、連結フレーム３７ａを機体横方向に貫通する状態で連結フレーム３７ａに支持させてある。収穫伝動機構１６３を構成する伝動下手側の伝動機構１６３ｂを、連結フレーム３７ａから横外側に突出している収穫部フレーム４２の横側部４２ａの後方に配置し、入力軸１６４のうちの連結フレーム３７ａの横外側に突出している端部１６４ａに伝動下手側の伝動機構１６３ｂを連動させて、トルクリミッタ１７２を収穫部フレーム４２の横側部４２ａの背後に位置する箇所であって、収穫部フレーム４２の横側部４２ａと、送出部フレームとしての連結フレーム３７ａとによって囲まれる箇所に位置させてある。

　図１２，３８に示すように、トルクリミッタ１７２は、チェーンスプロケット１７１の輪体部１７１ｂに対して連結フレーム３７ａが位置する側に配置してある。トルクリミッタ１７２は、チェーンスプロケット１７１のボス部１７１ａと入力軸１６４の端部１６４ａにわたって設けたクラッチ１９０と、チェーンスプロケット１７１に対して連結フレーム３７ａが位置する側とは反対側の箇所で入力軸１６４に外嵌するトルク設定スプリング１９１と、入力軸１６４の端部に螺着したトルク調節ネジ１９２とを備えて構成してある。

　クラッチ１９０は、チェーンスプロケット１７１のボス部１７１ａに一体回転自在に設けた伝動側クラッチ体１９０ａと、入力軸１６４に一体回転自在に設けた受動側クラッチ体１９０ｂとを備えて構成してある。クラッチ１９０は、チェーンスプロケット１７１の入力軸１６４に対する摺動によって、伝動側クラッチ体１９０ａに設けてあるクラッチ爪と受動側クラッチ体１９０ｂに設けてあるクラッチ爪とが係脱するように咬み合いクラッチに構成してある。

　つまり、トルクリミッタ１７２は、収穫部３６の駆動に必要な伝動トルクがトルク設定スプリング１９１による設定トルク以下である場合、クラッチ１９０がトルク設定スプリング１９１による入り付勢によって入り状態に維持され、伝動機構１６３ｂによる入力軸１６４への伝動を許容する。トルクリミッタ１７２は、収穫部３６の駆動に必要な伝動トルクがトルク設定スプリング１９１による設定トルクを超えた場合、クラッチ１９０が駆動負荷のためにトルク設定スプリング１９１による入り付勢に抗して切り状態に自ずと切り換わり、伝動機構１６３ｂから入力軸１６４への伝動を絶つ。

　トルクリミッタ１７２は、トルク調節ネジ１９２の回転操作によってバネ受け体１９３の取り付け位置を変更調節されることにより、クラッチ１９０が切り状態に切り換わるときの駆動負荷が増減するように、トルク設定スプリング１９１によって設定される設定トルクを変更する。

　トルクリミッタ１７２を構成するクラッチ１９０は、チェーンスプロケット１７１を構成する輪体部１７１ｂに対して連結フレーム３７ａが位置する側に配備し、輪体部１７１ｂがクラッチ１９０に対する茎稈の入り込みを防止するガード機能を備えるよう構成してある。

〔第１実施例の別実施例〕
（１）上記した実施例では、６つの収穫物係止搬送装置４５を備えて３つの収穫装置４３を構成した例を示したが、これに限定されるものではない。これに代え、６つより数少ないまたは数多い収穫物係止搬送装置４５を備えて実施してもよい。また、３つより数少ない又は数多い収穫装置４３を設けて実施してもよい。

（２）上記した実施例では、隣り合う一対の収穫物係止搬送装置４５，４５の無端回動体５５の収穫物係止搬送突部５６が始端側回転輪体５２どうしの間で交差するよう構成した例を示したが、隣り合う一対の収穫物係止搬送装置４５，４５の始端側回転輪体５２どうしの間隔を広く設定し、一対の収穫物係止搬送装置４５，４５の無端回動体５５の収穫物係止搬送突部５６が始端側回転輪体５２どうしの間で交差しないよう構成して実施してもよい。

（３）上記した実施例では、始端側回転輪体５２をスプリング８７によって張り側に自動的に移動操作するよう張力付与装置８８を自動式に構成した例を示したが、可動側支持部材８４を人為操作自在なねじ機構によって移動操作することよって始端側回転輪体５２を張り側に移動操作するよう張力付与装置を手動式に構成して実施してもよい。

（４）上記した実施例では、ガイド手段８３Ａに、内周形状が円形のガイド部材８３ｂを備え、ガイド手段８３Ｂに、内周形状が矩形のガイド部材８３ｃを備えた例を示したが、ガイド手段８３Ｂにも、内周形状が円形のガイド部材を備えて実施してもよい。

（５）上記した実施例では、残稈処理装置Ｃを備えた例を示したが、植立状態の茎稈を株元で切断する切断装置を収穫前処理装置Ｂ（収穫部３６）に設けて実施してもよい。

（６）上記した実施例では、回収タンク７を備えた例を示したが、フィーダ６からのとうもろこしを処理する脱穀装置又は皮むき装置を備えて実施してもよい。

（７）上記した実施例では、前車輪１及び後車輪２を走行装置として備えた例を示したが、クローラ走行装置を走行装置として備えて実施してもよい。

（８）上記した実施例では、収穫部３６の入力軸１６４を送出部フレーム（連結フレーム３７ａ）に貫設した例を示したが、送出部フレームの上方に配置し、送出部フレームから延出する支持部に支持される構成を採用して実施してもよい。

（９）上記した実施例では、一対の連結部材３４を備えた例を示したが、連結部材３４を一つだけ、あるいは３つ以上備えて実施してもよい。

（１０）上記した実施例では、連結部材３４どうしの間隔Ｄ１と、連結部材３４と横縦壁板４６ｂの間隔Ｄ２とを等しく設定した例を示したが、連結部材３４どうしの間隔Ｄ１と、連結部材３４と横縦壁板４６ｂの間隔Ｄ２とが異なる配置構成を採用して実施してもよい。

（１１）上記した実施例では、連結部材３４が連結フレーム３７ａに対して一直線状に並ぶ例を示したが、連結部材３４と連結フレーム３７ａとが機体横方向に位置ずれする配置構成を採用して実施してもよい。

（１２）上記した実施例では、上横向きフレーム３９を備えた実施例を示したが、上横向きフレーム３９を省略し、後縦壁板４６ａによって左右一対の連結フレーム３７ａ，３７ａの前端側上部を連結する強度を発揮させるよう構成して実施してもよい。

（１３）上記した実施例では、ブラケット４７ａが連結部５１ａから延出する構成を示したが、連結部５１ａに切欠き開口を設け、ブラケット４７ａが支持フレーム４７から、連結部５１ａの切欠き開口を通って後方向きに延出するよう構成して実施してもよい。

（１４）上記した実施例では、とうもろこし植物体の茎稈を圃場に植立状態で残してとうもろこしを収穫するよう構成した例を示したが、茎稈を刈り取り、刈り取った茎稈からとうもろこしを収穫するよう構成して実施してもよい。

［第２実施例］
　以下、図３９～図５４を参照しながら、第２実施例（以下、単に「実施例」と称する。）による収穫機を説明する。この実施例においても、とうもろこし収穫機が収穫機の一例として示される。ただし、とうもろこしを収穫対象とする収穫前処理装置に替え、稲、麦など各種の作物部を収穫対象とする収穫前処理装置を備える収穫機にも利用可能である。

　図３９は、収穫機の全体を示す側面図である。図４０は、収穫機の全体を示す平面図である。図３９，図４０に示すように、この収穫機は、左右一対の前車輪３０１，３０１、左右一対の後車輪３０２，３０２、機体前部に位置する運転キャビン３０３、運転キャビン３０３の後方に位置する原動部Ａを有し、前車輪３０１を原動部Ａに設けたエンジン３０４によって駆動して自走するように構成し、かつ後車輪３０２をパワーステアリング装置によって操向操作するように構成した走行機体と、この走行機体の機体フレーム３０５の前部に連結した収穫前処理装置Ｂと、収穫前処理装置Ｂの後部から走行機体の上方にわたって設けたフィーダ３０６と、機体フレーム３０５の後部に配備した回収タンク３０７と、走行機体の前後輪間に配備した残稈処理装置Ｄとを備えて構成してある。

　この収穫機は、収穫前処理装置Ｂを左右一対の油圧シリンダ３０８による昇降軸芯Ｐまわりの上下揺動操作によって前端部が地面の上方近くに位置した下降作業姿勢にして走行機体を走行させることにより、とうもろこしの収穫作業を行なう。すなわち、圃場に植立するとうもろこし植物体のうちのうち、種子が棒状に連なって房になっている部位であるとうもろこしを収穫前処理装置Ｂによって収穫し、収穫したとうもろこしをフィーダ３０６によって走行機体側に搬送し、フィーダ３０６が搬送終端部から吐出するとうもろこしを回収タンク３０７に回収して貯留していき、収穫前処理装置Ｂよるとうもろこしの収穫が行なわれて圃場に残った茎稈を残稈処理装置Ｄによって破砕処理する。

　走行機体について説明する。
　走行機体の機体フレーム３０５は、左右一対の機体前後向きのメインフレーム３０５ａ，３０５ａと、左右一対のメインフレーム３０５ａ，３０５ａの前部に連結する運転部フレーム３０５ｂと、左右一対のメインフレーム３０５ａ，３０５ａの中間部に連結する原動部フレーム３０５ｃと、左右一対のメインフレーム３０５ａ，３０５ａの後部に連結するタンクフレーム３０５ｄとを備えている。

　運転キャビン３０３は、前面にフロントガラス３２１を備え、側部に開閉自在なドア３２２を備えている。図４０に示すように、運転キャビン３０３のドア３２２の外方に主ステップ３２６を設けてある。この主ステップ３２６の外端位置に、前後向き姿勢の揺動支軸を中心にして揺動自在に補助ステップ３２７を備えている。運転キャビン３０３の左横側に乗降用のラダー３２４を設けてある。

　ラダー３２４は、機体上下向きの姿勢変更軸３２３を中心に姿勢変更自在に運転部フレーム３０５ｂに支持されている。ラダー３２４は、両側のサイドプレートに挟まれる位置に複数のステップを階段状に備えた一般的な構造を有している。ラダー３２４は、運転キャビン３０３の横外側に突出した使用姿勢と、走行機体の前後方向に沿った格納姿勢と、これらの中間となる中間姿勢とに姿勢変更自在に構成されている。

　収穫前処理装置Ｂについて説明する。
　図３９，図４０，図４１に示すように、収穫前処理装置Ｂは、機体フレーム３０５に設けた支持フレーム部３０５ｅから前方に昇降軸芯Ｐまわりに上下揺動自在に延出する前処理フレームＦと、前処理フレームＦの前部に機体横方向に並べて形成した３列の収穫搬送経路（搬送経路に相当）３５８と、各収穫搬送経路３５８の両横側に一つずつ位置するように機体横方向に並べて設けた６つの収穫物係止搬送装置３４５と、各収穫搬送経路３５８の両横側に一つずつ位置するように機体横方向に並べて設けた６つの収穫ロール３３２とを備えて構成してあり、３条の植付け条のとうもろこし植物体からとうもろこしを収穫してフィーダ３０６に供給する。

　すなわち、収穫前処理装置Ｂは、圃場に植立するとうもろこし植物体を３つの収穫搬送経路３５８に導入し、各収穫搬送経路３５８導入したとうもろこし植物体から収穫搬送経路３５８を挟んで位置する一対の収穫物係止搬送装置３４５，３４５及び一対の収穫ロール３３２，３３２によってとうもろこしを収穫し、３つの収穫搬送経路３５８からのとうもろこしを横送りオーガ３３５の左右の螺旋羽根３３５Ａ，３３５Ａによって横送り板壁３４６（図４２参照）に沿わせて横送りし、この横送りによってフィーダ３０６の前方に到達したとうもろこしを、横送りオーガ３３５の中間部に一体回転自在に設けた板状の掻き送り体３３５Ｂによって横送り板壁３４６に設けてある送出口３４６ａ（図５０参照）から後方に送り出してフィーダ３０６の投入口３０６ａ（図４２参照）に送り込む。図４２及び図５０に示すように、横送り板壁３４６は、横送りオーガ３３５の後側に位置すると共に送出口３４６ａを備える後板壁部（後縦壁板）３４６ｂと、横送りオーガ３３５の下方に位置する底板壁部（横送りデッキ）３４６ｃとを備えて構成してある。

　６つの収穫物係止搬送装置３４５のそれぞれは、収穫搬送経路３５８の始端部に位置する始端側回転輪体３５２と、収穫搬送経路３５８の終端部に位置する終端側回転輪体３５３と、収穫搬送経路３５８の途中に位置するガイド輪体３５４と、これらの輪体３５２，３５３，３５４に巻回された無端係止搬送チェーンで成る無端回動体３５５とを備えて構成してある。

　各収穫物係止搬送装置３４５の無端回動体３５５は、終端側回転輪体３５３を支持する駆動ケース３５７にエンジン３０４からの駆動力が伝達されて終端側回転輪体３５３が駆動されることによって回転駆動される。すなわち、無端回動体３５５は、収穫搬送経路３５８に位置する部位が機体後方側に移動し、戻り経路３５９に位置する部位が機体前方側に移動するように終端側回転輪体３５３によって回動駆動される。

　各収穫ロール３３２は、無端回動体３５５の収穫搬送経路３５８に位置する部位の下方に配備されている。各収穫ロール３３２は、駆動ケース３５７から機体前方側に駆動回転自在に延出され、駆動ケース３５７に伝達されるエンジン３０４からの駆動力によって回転駆動される。

　図４２，図４３に示すように、駆動ケース３５７及び横送りオーガ３３５にエンジン３０４からの駆動力を伝達する伝動機構Ｇは、前処理フレームＦの基部を支持フレーム部３０５ｅに回動自在に連結する連結軸３４１に回転自在に支持され、エンジン３０４からの駆動力が伝達される中継スプロケット４００を備え、この中継スプロケット４００の駆動力を伝動チェーン４０１によって機体横向きの前処理入力軸４０２に伝達し、前処理入力軸４０２の駆動力を、伝動チェーン４０１が連結している側と反対側の端部に巻回している伝動チェーン４０３によって横送りオーガ３３５の駆動スプロケット４０４及び駆動ケース３５７の入力スプロケット４０５に伝達するように構成してある。図４１に示すように、駆動ケース３５７の入力スプロケット４０５が３つの駆動ケース３５７のうちの一つの駆動ケース３５７の入力軸３５７ａに連結され、隣り合う一対の駆動ケース３５７，３５７の入力軸３５７ａどうしが連結軸３５７ｂによって一体回転自在に連結されており、６つの収穫物係止搬送装置３４５に対するエンジン駆動力の伝達が可能になっている。

　つまり、収穫搬送経路３５８にとうもろこし植物体が導入されると、収穫搬送経路３５８の両横側で回動する一対の収穫ロール３３２が周面に一体回転自在に備えている収穫羽根体によって茎稈を下方に引く力を継続的に作用させ、茎稈から延び出ている房状のとうもろこしを収穫搬送経路３５８に位置する分離プレート３５１（図４１参照）の上面に接触させ、このとうもろこしを分離プレート３５１の後上がり傾斜によって上方に引き千切る形態で茎稈から分離させる。収穫搬送経路３５８の両横側で回動する一対の無端回動体３５５，３５５が茎稈から分離したとうもろこしを収穫物係止搬送突部３５６によって後方に係止搬送して横送りオーガ３３５に送り込む。

　図４１に示すように、６つの収穫物係止搬送装置３４５のうち、無端回動体３５５の戻り経路３５９が対向し合う状態で機体横方向に隣り合う一対の収穫物係止搬送装置３４５，３４５の搬送始端側どうしにわたって単一の張力調整手段３８０を設け、この張力調整手段３８０によって一対の収穫物係止搬送装置３４５，３４５の無端回動体３５５の張力調整を行なうよう構成してある。

　図４４は、張力調整手段３８０を示す平面図である。図４５は、図４４のＸＬＶ－ＸＬＶ断面矢視図である。図４６は、図４４のＸＬＶＩ－ＸＬＶＩ断面矢視図である。図４４，図４５，図４６に示すように、張力調整手段３８０は、一対の収穫物係止搬送装置３４５，３４５の始端側回転輪体３５２を、支軸３５２ａを介して回転自在に支持する帯板形状の天秤支持体３８１と、天秤支持体３８１を、支軸３８１ａを介して揺動自在に支持する可動側支持部材としてのフレーム側支持体３８４と、フレーム側支持体３８４を左右一対の移動ガイド手段（ガイド手段）３８３Ａ，３８３Ｂを介して支持する固定側支持部材３８２と、固定側支持部材３８２とフレーム側支持体３８４とにわたって設けた張力付与手段としての張力付与機構３８５とを備えて構成してある。固定側支持部材３８２から機体下方向きに延出する接地体３０９は、収穫前処理装置Ｂを走行機体から取り外した際、接地板３０９ａで地面に接地して収穫前処理装置Ｂを接地支持するものである。

　天秤支持体３８１は、支軸３８１ａに対して両端側に別れて位置する一対の箇所に機体上下向き筒体を取付けて設けた一対のボス部３８１ｂを備え、一方のボス部３８１ｂで一方の収穫物係止搬送装置３４５の始端側回転輪体３５２を支軸３５２ａを介して回転自在に支持し、他方のボス部３８１ｂで他方の収穫物係止搬送装置３４５の始端側回転輪体３５２を、支軸３５２ａを介して回転自在に支持するよう構成してある。天秤支持体３８１は、一方の収穫物係止搬送装置３４５の始端側回転輪体３５２が連結する連結点としての支軸３５２ａの軸芯３５２ｂと、他方の収穫物係止搬送装置３４５の始端側回転輪体３５２が連結する連結点としての支軸３５２ａの軸芯３５２ｂと、フレーム側支持体３８４の連結する連結点としての支軸３８１ａの軸芯３８１ｃとが一直線状又はほぼ一直線状に並ぶ状態で配備してある。

　図４８は、フレーム側支持体３８４を示す平面図である。図４４，図４５，図４６，図４８に示すように、フレーム側支持体３８４は、機体前方側の機体横方向中間部箇所に機体上下向き筒体を取付けて設けたボス部３８４ｂを備え、このボス部３８４ｂで支軸３８１ａを介して天秤支持体３８１を揺動自在に支持するよう構成してある。フレーム側支持体３８４の天秤支持体３８１が連結する部位の下面側に、左右一対の補強リブ３８４ｃ，３８４ｃを設けてある。各補強リブ３８４ｃの一端側は、ボス部３８４ｂに連結している。

　フレーム側支持体３８４に機体前方向き端面の部位で成る左右一対の受止め部３８４ｄ，３８４ｄを設け、この左右一対の受止め部３８４ｄ，３８４ｄと天秤支持体３８１の前記左右一対のボス部３８１ｂ，３８１ｂとを備えてストッパ手段ＳＴを構成し、このストッパ手段ＳＴによって天秤支持体３８１のフレーム側支持体３８４に対する揺動角を規制するように構成してある。

　図４９は、ストッパ手段ＳＴの作用を示す説明図である。この図に示すように、ストッパ手段ＳＴは、天秤支持体３８１がフレーム側支持体３８４に対して一方に揺動して行くに伴い、一方の受止め部３８４ｄが一方のボス部３８１ｂの天秤支持体３８１から下方に突出する箇所に受け止め作用し、天秤支持体３８１の揺動角を一方の無端回動体３５５の始端側回転輪体３５２に対する離脱が生じないものに規制する。図示しないが、ストッパ手段ＳＴは、天秤支持体３８１がフレーム側支持体３８４に対して他方に揺動して行くに伴い、他方の受止め部３８４ｄが他方のボス部３８１ｂの天秤支持体３８１から下方に突出する箇所に受け止め作用し、天秤支持体３８１の揺動角を他方の無端回動体３５５の始端側回転輪体３５２に対する離脱が生じないものに規制する。

　図４４，図４８に示すように、フレーム側支持体３８４の天秤支持体３８１が位置する側の形状を、天秤支持体３８１が揺動自在に連結する部位（ボス部３８４ｂを備える部位）３８４ｅが前記一対の受止め部３８４ｄ，３８４ｄを備える部位３８４ｆに対して天秤支持体３８１が位置する側に突出した形状にし、フレーム側支持体３８４の受止め部３８４ｄを備える部位３８４ｆと天秤支持体３８１とが機体上下方向にあまり重合しない状態でフレーム側支持体３８４と天秤支持体３８１とを連結できるように構成してある。

　図４４，図４８に示すように、フレーム側支持体３８４の平面視での形状を、機体横方向での一端側の横側縁３８４ｇが一方の収穫物係止搬送装置３４５の無端回動体３５５の搬送経路としての収穫搬送経路３５８に沿い、機体横方向での他端側の横側縁３８４ｇが他方の収穫物係止搬送装置３４５の無端回動体３５５の搬送経路としての収穫搬送経路３５８に沿う形状にしてある。
　つまり、一方の収穫物係止搬送装置３４５の無端回動体３５５の収穫搬送経路側部分と他方の収穫物係止搬送装置３４５の無端回動体３５５の収穫搬送経路側部分との間をフレーム側支持体３８４によって覆うように構成してある。

　固定側支持部材３８２は、一方の収穫物係止搬送装置３４５を構成する搬送装置フレーム３５０と他方の収穫物係止搬送装置３４５を構成する搬送装置フレーム３５０とにわたって固設され、搬送装置フレーム３５０を介して前処理フレームＦに固定されている。

　図４４，図４７に示すように、一対の移動ガイド手段３８３Ａ，３８３Ｂは、一対の始端側回転輪体３５２，３５２が並ぶ方向と同じ機体横方向に並べて配備してあり、機体前後方向に移動するフレーム側支持体３８４の機体横方向での一端側と他端側との移動量が大きく相違するガタ付きをフレーム側支持体３８４に発生させないようにフレーム側支持体３８４を移動案内する。

　一対の移動ガイド手段３８３Ａ，３８３Ｂそれぞれは、固定側支持部材３８２に後端側が固定されたガイドレール３８３ａと、ガイドレール３８３ａが摺動自在に内嵌するように構成してフレーム側支持体３８４に固定されたガイド部材３８３ｂ，３８３ｃとを備えて構成してある。各移動ガイド手段３８３Ａ，３８３Ｂのガイドレール３８３ａは、固定側支持部材３８２の下面側に設けた前後一対の縦片部３８２ａ，３８２ｂに連結してある。各移動ガイド手段３８３Ａ，３８３Ｂのガイド部材３８３ｂ，３８３ｃは、フレーム側支持体３８４の下面側に設けた前後一対の縦板部３８４ａ，３８４ａに連結してある。

　図４７に示すように、一対の移動ガイド手段３８３Ａ，３８３Ｂのガイドレール３８３ａは、外周形状が円形となるように形成した棒状部材によって構成してある。一方の移動ガイド手段３８３Ａのガイド部材３８３ｂは、内周形状が円形となるように形成した筒体によって構成し、他方の移動ガイド手段３８３Ｂのガイド部材３８３ｃは、内周形状が矩形となるように形成した筒体によって構成してある。内周形状が矩形のガイド部材３８３ｃは、フレーム側支持体３８４の下面側に固設した平板と、フレーム側支持体３８４の下面側に固設した横断面形状がコ字形の板金部材とによって構成してある。

　従って、一対の移動ガイド手段３８３Ａ，３８３Ｂは、一方の移動ガイド手段３８３Ｂにおけるガイドレール３８３ａとガイド部材３８３ｃの円形外周と矩形内周とによる係合により、一対の移動ガイド手段３８３Ａ，３８３Ｂのいずれにもガイドレール３８３ａとガイド部材３８３ｂ，３８３ｃとのこじれを発生させないでスムーズにフレーム側支持体３８４を移動案内する。

　張力付与機構３８５は、一対の移動ガイド手段３８３Ａ，３８３Ｂの間でフレーム側支持体３８４に操作力を付与して、移動ガイド手段３８３Ａ，３８３Ｂのこじれ発生を防止しながらフレーム側支持体３８４を移動操作するように、一対の移動ガイド手段３８３Ａ，３８３Ｂの間に配置してある。

　張力付与機構３８５は、フレーム側支持体３８４の下面側に前端部が固定された機体前後向きの操作ロッド３８６と、操作ロッド３８６の後端側に外嵌されたスプリング３８７とを備えて構成してある。

　操作ロッド３８６の前端部は、フレーム側支持体３８４の後側の縦板部３８４ａに一対のロックナット３８６ａ，３８６ａによって固定され、操作ロッド３８６の後端側は、固定側支持部材３８２の前側の縦片部３８２ａに設けた支持孔に筒形のバネ受け体３８６ｂを介して摺動自在に支持され、固定側支持部材３８２の後側の縦片部３８２ｂに設けた支持孔に摺動自在に支持されている。スプリング３８７は、固定側支持部材３８２の後側の縦片部３８２ｂと操作ロッド３８６に外嵌するバネ受け体３８６ｂとの間に配置して操作ロッド３８６に外嵌されており、縦片部３８２ｂを反力部材にしてバネ受け体３８６ｂに押圧作用することによって操作ロッド３８６を機体前方側に摺動付勢する。

　従って、張力付与機構３８５は、スプリング３８７によって操作ロッド３８６を介してフレーム側支持体３８４を移動付勢することにより、一対の始端側回転輪体３５２，３５２を一体に張力付与側に移動付勢する。

　従って、張力調整手段３８０は、張力付与機構３８５のスプリング３８７によるフレーム側支持体３８４の移動付勢によって天秤支持体３８１を機体前方側に移動付勢して一対の始端側回転輪体３５２，３５２を無端回動体３５５の張り側に移動付勢することにより、一対の収穫物係止搬送装置３４５，３４５の無端回動体３５５に張力を自動的に付与する。
　また、張力調整手段３８０は、一方の収穫物係止搬送装置３４５の無端回動体３５５と他方の収穫物係止搬送装置３４５の無端回動体３５５とに張力差が発生した場合、張力差によって天秤支持体３８１を揺動させて高張力側の無端回動体３５５が巻回する始端側回転輪体３５２を緩み側（後方側）に移動させ、低張力側の無端回動体３５５が巻回する始端側回転輪体３５２を張り側（前方側）に移動させて張力差を解消あるいは少なくする。

　一対の収穫物係止搬送装置３４５，３４５の始端側回転輪体３５２どうしの間を、一方の収穫物係止搬送装置３４５における戻り経路３５９の収穫物係止搬送突部３５６が通る部位と他方の収穫物係止搬送装置３４５における戻り経路３５９の収穫物係止搬送突部３５６が通る部位とが交差するように小間隔に設定してある。一方の収穫物係止搬送装置３４５における戻り経路３５９の収穫物係止搬送突部３５６が通る部位と他方の収穫物係止搬送装置３４５における戻り経路３５９の収穫物係止搬送突部３５６が通る部位とが交差しても、一方の収穫物係止搬送装置３４５の収穫物係止搬送突部３５６と他方の収穫物係止搬送装置３４５の収穫物係止搬送突部３５６とが始端側回転輪体３５２どうしの間を交互に移動するように収穫物係止搬送突部３５６を配備してあるから、収穫物係止搬送突部３５６どうしの接触が発生せず、一対の収穫物係止搬送装置３４５，３４５の無端回動体３５５の駆動を支障なく行なうことができる。
　これにより、無端回動体３５５の戻り経路３５９が対向し合う一対の収穫物係止搬送装置３４５，３４５の始端側回転輪体３５２どうしの間隔を小間隔にし、収穫前処理装置Ｂにおいて一対の収穫物係止搬送装置３４５，３４５の無端回動体３５５の収穫搬送経路３５８の始端部どうしによって形成される茎稈導入口３４５ａ（図４１参照）の間口を広くできる。

　前処理フレームＦについて説明する。
　図５０は、前処理フレームＦを示す斜視図である。この図に示すように、前処理フレームＦは、機体フレーム３０５の支持フレーム部３０５ｅに回動自在に連結する連結軸３４１を後端部に備える左右一対の縦板状の連結フレーム３１２，３１２と、左右一対の連結フレーム３１２，３１２の前端部に連結する上下一対の機体横向きの横向きフレーム３１３，３１４と、上下一対の横向きフレーム３１３，３１４の両横端部に後端側が各別に連結する左右一対の縦板状の横壁フレーム（横縦壁板）３１５，３１５と、左右一対の横壁フレーム３１５，３１５の前端部にわたって連結され、６つの収穫物係止搬送装置３４５の搬送装置フレーム３５０を支持する機体横向きの支持フレーム３１６と、下側の横向きフレーム３１４と支持フレーム３１６の中間部どうしを連結する連結部材として、支持フレーム３１６を補強する左右一対の縦板状の補強フレーム３１７，３１７とを備えて構成してある。左右一対の連結フレーム３１２，３１２に、軽量化用の貫通孔３１２ａを設けてある。左右一対の連結フレーム３１２，３１２及び一方の横壁フレーム３１５に、前処理入力軸４０２が挿通する軸孔３２０を設けてある。左右一対の横壁フレーム３１５，３１５に横送りオーガ３３５を回転自在に支持するオーガ支持孔３１８を設けてある。一方の横壁フレーム３１５に、駆動ケース３５７に伝動する伝動孔３１９を設けてある。左右一対の横壁フレーム３１５，３１５及び上下一対の横向きフレーム３１３，３１４にわたって横送り板壁３４６を連結してある。

　左右一対の横壁フレーム３１５，３１５を、横向きフレーム３１３，３１４に連結し、かつオーガ支持孔３１８を備える後側横壁フレーム部を構成する分割横壁フレーム３１５ａと、支持フレーム３１６が連結する前側横壁フレーム部を構成する分割横壁フレーム３１５ｂとに分割自在に構成し、支持フレーム３１６を支持フレーム３１６に設けた連結ブラケット３１６ａ（図５１参照）によって左右一対の補強フレーム３１７，３１７に脱着自在に連結するように構成し、前処理フレームＦを、機体フレーム３０５に連結するよう構成するとともに横送りオーガ３３５を支持するよう構成した後側フレーム部と、６つの収穫物係止搬送装置３４５を支持するよう構成した前側フレーム部とに分離できるように構成してある。

　図５１は、分離状態での前処理フレームＦを示す斜視図である。この図に示すように、前処理フレームＦは、左右一対の横壁フレーム３１５，３１５における２つの分割横壁フレーム３１５ａ，３１５ｂの連結ボルトによる連結を解除し、支持フレーム３１６における連結ブラケット３１６ａと補強フレーム３１７の連結ボルトによる連結を解除することにより、連結軸３４１及び横送りオーガ３３５を備える後側フレーム部と、６つの収穫物係止搬送装置３４５を備える前側フレーム部とに分離する。

　横送りオーガ３３５の駆動スプロケット４０４及び駆動ケース３５７の入力スプロケット４０５を備える伝動部の横外側を覆う開閉自在な伝動部カバー３９０（図３９参照）について説明する。
　図５２は、伝動部カバー３９０を示す縦断後面図である。この図に示すように、伝動部カバー３９０は、伝動部カバー３９０の上部に設けたロック機構３９１と、伝動部カバー３９０の下部に設けた係止機構３９５とによって横壁フレーム３１５における後側の分割横壁フレーム３１５ａに脱着自在に取り付けるように構成してある。

　係止機構３９５は、伝動部カバー３９０の内面側に設けた支持部３９０ａに固定された鉤体３９６と、鉤体３９６の先端部に位置するフック部３９７が係脱するよう構成して分割横壁フレーム３１５ａに設けた係止部３９８とを備えて構成してある。

　分割横壁フレーム３１５ａの係止部３９８に係脱するようフック部３９７が備える凹入部３９７ａの形状を入口と奥の間が細くなる中細り形状にし、フック部３９７における凹入部３９７ａ背後の形状を係脱段部３９７ｂとロック段部３９７ｃとが段違いで並ぶ階段形状にしてある。

　図５３は、鉤体３９６が係脱過程にある状態の係止機構３９５を示す縦断面図である。この図に示すように、鉤体３９６を基端側ほど低位置に位置するように分割横壁フレーム３１５ａに対して傾斜する姿勢にすることにより、フック部３９７が係脱段部３９７ｂの部位で係止部３９８の貫通孔３９８ａを通り、鉤体３９６を係止部３９８に対して係脱させることができる。

　図５４は、鉤体３９６が係合した状態の係止機構３９５を示す縦断面図である。この図に示すように、鉤体３９６が係止部３９８に係合した状態において、フック部３９７が凹入部３９７ａの入口と奥の間の細い箇所で分割横壁フレーム３１５ａを機体内外方向に挟み、伝動部カバー３９０の機体横方向でのガタ付きを抑制でき、フック部３９７のロック段部３９７ｃが係止部３９８の貫通孔３９８ａに入り込み、ロック段部３９７ｃと凹入部３９７ａ奥底との間隔の大きさと、貫通孔３９８ａの大きさとの差があまりないことにより、伝動部カバー３９０の機体上下方向でのガタ付きを抑制できる。

　ロック機構３９１は、分割横壁フレーム３１５ａから横外向きに突設したロッドで成るホルダー３９２と、伝動部カバー３９０に設けたロック機構本体３９３とを備えて構成してある。ロック機構本体３９３は、伝動部カバー３９０に固定されたベース部３９３ａと、ホルダー３９２の延出端部に係脱するフック形状に形成してベース部３９３ａに揺動自在に支持させた係止体３９３ｂと、伝動部カバー３９０の外面側から揺動操作するようにベース部３９３ａに配備したハンドル３９３ｃとを備えて構成してある。ハンドル３９３ｃは、揺動操作されることによって係止体３９３ｂを揺動操作してホルダー３９２に対して係脱させるように係止体３９３ｂに連動している。ハンドル３９３ｃは、伝動部カバー３９０を分割横壁フレーム３１５ａに対して脱着操作するための取っ手として使用できるようになっている。

　フィーダ３０６について説明する。
　図４２に示すように、フィーダ３０６は、前端側の駆動スプロケット３７６と後端側の従動スプロケット（図示せず）とに亘ってフィードチェーン３７２を巻回し、このフィードチェーン３７２に設定間隔で複数の搬送プレート３７３を備え、これらをフィーダケース３７０に内装して構成されている。

　図３９に示すように、フィーダ３０６は、フィーダケース３７０の搬送終端部の下側に設けた送風装置Ｅを備えている。送風装置Ｅは、ファンケース３７８の内部に回転駆動自在に設けた複数の送風翼体（図示せず）を備え、送風翼体の回転により、ファンケース３７８の外部の空気をファンケース３７８の側面から吸引して選別風を発生させ、発生した選別風を、ファンケース３７８の送風口から送出する。送風装置Ｅから送出された選別風は、フィーダ３０６の吐出口３０６ｂを内側から外側に抜け出し、フィーダ３０６の吐出口３０６ｂからとうもろこしに混在して吐出された葉の一部や稈身の一部等の塵埃を風圧により吹き飛ばしてとうもろこしと選別する。

　フィーダ３０６の搬送終端部から案内ダクト３６０が回収タンク３０７の上方に延出している。案内ダクト３６０は、縦断面形状が下向きに開口する溝形となる管状に構成されており、フィーダ３０６の吐出口３０６ｂから吐出された塵埃を送風装置Ｅからの選別風とともに延出端部に流動案内し、延出端部に位置する機体横外向きの開口３６１から機体横外側に排出する。

　回収タンク３０７について説明する。
　図３９に示すように、回収タンク３０７は、フィーダ３０６の吐出口３０６ｂの後方に位置する機体上方向き開口３０７ａを備え、フィーダ３０６から吐出されて機体上方向き開口３０７ａに落下するとうもろこしを回収して貯留する。回収タンク３０７は、機体フレーム３０５から上方向きに突設された支持構造体３１０に機体横向きのダンプ軸芯Ｑまわりに回動自在に支持されている。回収タンク３０７は、両横側に位置するダンプシリンダ３１０ａによってダンプ軸芯Ｑまわりに回動操作され、機体上方向き開口３０７ａが案内ダクト３６０の下方に位置する貯留姿勢と、機体上方向き開口３０７ａが機体後方側に下向きになる排出姿勢とに切換えられる。案内ダクト３６０は、回収タンク３０７が貯留姿勢と排出姿勢とに切換え操作される際、回収タンク３０７の回動に連動してフィーダ３０６に対して上昇揺動操作されて回動する回収タンク３０７に対して上昇退避するように構成してある。

〔実施例２の別実施例〕
（１）上記した実施例では、天秤支持体３８１を張力調整手段３８０に備えた例を示したが、天秤支持体３８１を張力調整手段３８０に備えず、天秤支持体３８１と張力調整手段３８０とが各別に無端回動体３５５に作用するよう構成して実施してもよい。

（２）上記した実施例では、張力調整手段３８０として、スプリング３８７によって張力付与を自動的に行なうよう構成したものを採用した例を示したが、人為操作自在なネジ機構などによって張力付与を人為的に行なうように構成したものを採用して実施してもよい。

（３）上記した実施例では、隣り合う一対の収穫物係止搬送装置３４５，３４５の無端回動体３５５の収穫物係止搬送突部３５６が始端側回転輪体３５２どうしの間で交差するよう構成した例を示したが、隣り合う一対の収穫物係止搬送装置３４５，３４５の始端側回転輪体３５２どうしの間隔を広く設定し、一対の収穫物係止搬送装置３４５，３４５の無端回動体３５５の収穫物係止搬送突部３５６が始端側回転輪体３５２どうしの間で交差しないよう構成して実施してもよい。

（４）上記した実施例では、一方の移動ガイド手段３８３Ａに、内周形状が円形のガイド部材３８３ｂを備え、他方の移動ガイド手段３８３Ｂに、内周形状が矩形のガイド部材３８３ｃを備えた例を示したが、一対の移動ガイド手段３８３Ａ，３８３Ｂのいずれにも、内周形状が円形のガイド部材を備えて実施してもよい。

（５）上記した実施例では、残稈処理装置Ｃを備えた例を示したが、植立状態の茎稈を株元で切断する切断装置を収穫前処理装置Ｂに設けて実施してもよい。

（６）上記した実施例では、回収タンク３０７を備えた例を示したが、フィーダ３０６からのとうもろこしを処理する脱穀装置又は皮むき装置を備えて実施してもよい。

（７）上記した実施例では、６つの収穫物係止搬送装置３４５を備えて３条刈りの収穫前処理装置Ｂを構成した例を示したが、６つより数少ない又は数多い収穫物係止搬送装置３４５を備えて収穫前処理装置Ｂを構成して実施してもよい。

（８）上記した実施例では、前車輪３０１及び後車輪３０２を走行装置として備えた例を示したが、クローラ走行装置を走行装置として備えて実施してもよい。

　本発明は、とうもろこしを収穫対象とする収穫前処理装置に替え、稲、麦など各種の作物部を収穫対象とする収穫前処理装置を備える収穫機にも利用可能である。

　６　　　　　　フィーダ
　８　　　　　　油圧シリンダ
　３５　　　　　前処理フレーム
　３６　　　　　収穫部
　３７　　　　　送出部
　３７ａ　　　　送出部フレーム（連結フレーム）
　３８　　　　　横向きフレーム
　３９　　　　　上横向きフレーム
　４２　　　　　収穫部フレーム
　４２ａ　　　　横一側部
　４３　　　　　収穫装置
　４４　　　　　横送りオーガ
　４５　　　　　収穫物係止搬送装置
　４６ａ　　　　後縦壁板
　４６ｂ　　　　横縦壁板
　４６ｃ　　　　横送りデッキ
　４７　　　　　支持フレーム
　４７ａ　　　　ブラケット
　５１　　　　　搬送装置フレーム
　５１ａ　　　　連結部
　５２　　　　　始端側回転輪体
　５５　　　　　無端回動体
　５６　　　　　収穫物係止搬送突部
　５７　　　　　駆動ケース
　５７ｂ　　　　連動軸
　５８　　　　　搬送経路
　５９　　　　　戻り経路
　６３　　　　　収穫ロール
　８２　　　　　固定側支持部材
　８３Ａ　　　　ガイド手段
　８３Ｂ　　　　ガイド手段
　８３ａ　　　　ガイドレール
　８３ｂ　　　　ガイド部材
　８３ｃ　　　　ガイド部材
　８４　　　　　可動側支持部材
　８４ｂ　　　　横側縁
　８４ｃ　　　　横側縁
　８５　　　　　張力付与手段
　８７　　　　　スプリング
　１０５　　　　接地スタンド
　１６３ｂ　　　伝動機構
　１６４　　　　入力軸
　１６４ａ　　　入力軸の端部
　１６６　　　　搬送伝動機構
　１７０　　　　伝動チェーン
　１７１　　　　連動部材（チェーンスプロケット）
　１７２　　　　トルクリミッタ
　１９０　　　　クラッチ
　１９１　　　　トルク設定スプリング
　１９２　　　　トルク調節ネジ
　２００　　　　シリンダ支持部
　２０４　　　　スタンド支持部
　３０６　　　　フィーダ
　３０８　　　　油圧シリンダ
　３１２　　　　連結フレーム
　３１４　　　　横向きフレーム
　３１５　　　　横縦壁板
　３１６　　　　支持フレーム
　３１７　　　　連結部材
　３３５　　　　横送りオーガ
　３４５　　　　収穫物係止搬送装置
　３４６ｂ　　　後縦壁板
　３４６ｃ　　　横送りデッキ
　３５０　　　　搬送装置フレーム
　３５２　　　　始端側回転輪体
　３５２ｂ　　　連結点
　３５５　　　　無端回動体
　３５６　　　　収穫物係止搬送突部
　３５８　　　　搬送経路
　３５９　　　　戻り経路
　３８０　　　　張力調整手段
　３８１　　　　天秤支持体
　３８１ｂ　　　ボス部
　３８１ｃ　　　連結点
　３８２　　　　固定側支持部材
　３８３Ａ　　　移動ガイド手段
　３８３Ｂ　　　移動ガイド手段
　３８３ａ　　　ガイドレール
　３８３ｂ　　　ガイド部材
　３８３ｃ　　　ガイド部材
　３８４　　　　フレーム側支持体（可動側支持部材）
　３８４ｄ　　　受止め部
　３８４ｅ　　　部位
　３８４ｆ　　　部位
　３８４ｇ　　　横側縁
　３８５　　　　張力付与機構（張力付与手段）
　３８７　　　　スプリング
　Ｂ　　　　　　収穫前処理装置
　Ｄ１　　　　　連結部材どうしの間隔
　Ｄ２　　　　　連結部材と横縦壁板の間隔
　Ｆ　　　　　　前処理フレーム
　ＳＴ　　　　　ストッパ手段

Claims

　無端回動体によって収穫物を機体後方向きに係止搬送する収穫物係止搬送装置の複数を機体横方向に並べて設けた収穫機用の収穫前処理装置であって、
　前記複数の収穫物係止搬送装置のうちの前記無端回動体の戻り経路が対向し合う状態で機体横方向に隣り合う一対の収穫物係止搬送装置の一方における前記無端回動体の搬送始端側が巻回する始端側回転輪体、及び他方における前記無端回動体の搬送始端側が巻回する始端側回転輪体を支持する可動側支持部材と、
　前記可動側支持部材を移動自在に支持する固定側支持部材と、
　前記隣り合う一対の収穫物係止搬送装置における前記無端回動体に前記始端側回転輪体によって張力付与する方向に前記可動側支持部材を前記固定側支持部材に対して移動操作するよう前記可動側支持部材と前記固定側支持部材とにわたって設けた張力付与手段と、を備えてある収穫機用の収穫前処理装置。
　前記複数の収穫物係止搬送装置の前記無端回動体の長手方向での複数箇所に収穫物係止搬送突部を設け、
　前記隣り合う一対の収穫物係止搬送装置の一方における前記始端側回転輪体と他方における前記始端側回転輪体との間において、前記隣り合う一対の収穫物係止搬送装置の一方における前記収穫物係止搬送突部の戻り経路と他方における前記収穫物係止搬送突部の戻り経路とが交差するように、前記隣り合う一対の収穫物係止搬送装置の前記始端側回転輪体を配備してある請求項１記載の収穫機用の収穫前処理装置。
　前記無端回動体に前記始端側回転輪体によって張力付与する方向に前記可動側支持部材を移動付勢するスプリングを備えて、前記張力付与手段を構成してある請求項１又は２記載の収穫機用の収穫前処理装置。
　前記可動側支持部材を移動案内する一対のガイド手段を、機体横方向に並べて前記可動側支持部材と前記固定側支持部材とにわたって設けてある請求項１～３のいずれか一項に記載の収穫機用の収穫前処理装置。
　前記一対のガイド手段の一方を、外周形状が円形のガイドレールと、このガイドレールに相対摺動自在に外嵌する内周形状が円形のガイド部材とを備えて構成し、
　前記一対のガイド手段の他方を、外周形状が円形のガイドレールと、このガイドレールに相対摺動自在に外嵌する内周形状が矩形のガイド部材とを備えて構成してある請求項４記載の収穫機用の収穫前処理装置。
　前記一対のガイド手段の間に前記張力付与手段を配置してある請求項４又は５記載の収穫機用の収穫前処理装置。
　前記隣り合う一対の収穫物係止搬送装置の一方における搬送装置フレームと他方における搬送装置フレームとの機体横方向間隔を設定するように一対の収穫物係止搬送装置の搬送装置フレームにわたって前記固定側支持部材を連結してある請求項１～６のいずれか一項に記載の収穫機用の収穫前処理装置。
　前記可動側支持部材の平面視での形状を、前記隣り合う一対の収穫物係止搬送装置の一方における前記始端側回転輪体を支持する側の横側縁が一方の収穫物係止搬送装置の無端回動体の搬送経路に沿い、前記隣り合う一対の収穫物係止搬送装置の他方における前記始端側回転輪体を支持する側の横側縁が他方の収穫物係止搬送装置の無端回動体の搬送経路に沿う形状にしてある請求項１～７のいずれか一項に記載の収穫機用の収穫前処理装置。
　機体横方向に並ぶ複数の収穫物係止搬送装置、及び前記複数の収穫物係止搬送装置を支持する収穫部フレームを有して、機体横方向での複数箇所で収穫物を収穫する収穫部と、前記収穫部フレームの後部に連結された送出部フレームを有して、前記収穫部によって収穫された収穫物をフィーダに送出する送出部とを備え、
　前記収穫部フレームの横一側部が前記送出部フレームから横外側に突出する状態で前記収穫部フレームと前記送出部フレームとが連結している収穫機用の収穫前処理装置であって、
　前記収穫部の入力軸を前記収穫部フレームの背後に機体横向きに配置して前記送出部フレームに回転自在に支持し、
　前記送出部フレームから横外側に突出している前記収穫部フレームの横一側部の後方に、前記収穫部に動力伝達する伝動機構を前記入力軸のうちの前記送出部フレームの横外側に位置する端部に連動する状態で設け、
　前記伝動機構と前記入力軸とを連動させるように前記伝動機構に備えさせた連動部材と前記入力軸の端部とにわたってトルクリミッタを設けてある収穫機用の収穫前処理装置。
　前記入力軸を前記送出部フレームに貫設し、前記伝動機構が連動する前記入力軸の端部が前記送出部フレームから横外側に突出している請求項９記載の収穫機用の収穫前処理装置。
　前記入力軸の駆動力を前記収穫物係止搬送装置に伝達する搬送伝動機構を、前記送出部フレームに対して前記トルクリミッタが位置する側とは反対側に位置する前記入力軸の部位に連結してある請求項９又は１０記載の収穫機用の収穫前処理装置。
　前記伝動機構を、伝動チェーンを備えて構成して、前記伝動機構が備える前記連動部材としてチェーンスプロケットを設け、
　前記チェーンスプロケットと前記入力軸とにわたって設けたクラッチと、前記チェーンスプロケットに対して前記送出部フレームが位置する側とは反対側に配置して前記クラッチを入り状態に付勢するように前記入力軸に装着したトルク設定スプリングと、このトルク設定スプリングに対して前記チェーンスプロケットが位置する側とは反対側の箇所で前記トルク設定スプリングを受け止め支持するように、かつ前記トルク設定スプリングの付勢力を調節するように前記入力軸の端部に螺着したトルク調節ネジとを備えて、前記トルクリミッタを構成してある請求項９～１１のいずれか一項に記載の収穫機用の収穫前処理装置。
　前記クラッチを、前記チェーンスプロケットの輪体部に対して前記送出部フレームが位置する側に配置してある請求項１２記載の収穫機用の収穫前処理装置。
　前記収穫部を、とうもろこし植物体からとうもろこしをちぎり取る収穫ロールを備えて構成してある請求項９～１３のいずれか一項に記載の収穫機用の収穫前処理装置。
　走行機体の前部に揺動昇降操作自在に連結される前処理フレームと、前記前処理フレームに機体横方向に並べて支持されて、とうもろこしを収穫する複数の収穫装置と、前記複数の収穫装置の後方で前記前処理フレームに支持されて、前記複数の収穫装置からのとうもろこしを横送りデッキに沿わせて横送りする横送りオーガとを備えたとうもろこし収穫機の収穫前処理装置であって、
　前記走行機体に後端部が回動自在に連結される左右一対の縦板状の連結フレームと、
　前記左右一対の連結フレームの前端側下部に連結されるとともに両横端が前記左右一対の連結フレームから横外側に突出する機体横向きの横向きフレームと、
　前記横向きフレームから機体前方向きに延出して延出端部が、前記複数の収穫装置を支持する機体横向きの支持フレームに連結する状態で、前記横送りデッキの下方に位置する連結部材とを備えて、前記前処理フレームを構成してあるとうもろこし収穫機の収穫前処理装置。
　前記左右一対の連結フレームの前端側に連結されるとともに前記横送りオーガの後側に位置する後縦壁板と、
　前記後縦壁板の両横端部及び前記横向きフレームの両端部に後端側が連結された状態で、前記横送りオーガの両横外側に各別に位置するとともに前端側が前記支持フレームに連結する左右一対の横縦壁板とを前記前処理フレームに備えてある請求項１５記載のとうもろこし収穫機の収穫前処理装置。
　前記複数の収穫装置それぞれに設けた連結部によって、前記複数の収穫装置を各別に前記支持フレームに取り付けるように構成し、
　前記連結部材を、前記支持フレームのうち、前記複数の収穫装置の連結部が取り付けられる箇所どうしの間の部位に連結するよう配備してある請求項１５又は１６記載のとうもろこし収穫機の収穫前処理装置。
　前記複数の収穫装置それぞれが備える駆動ケースを連動させるよう前記駆動ケースの間に位置する連動軸を、前記支持フレームの後方に、前記連結部材の上方に配置して設けてある請求項１５～１７のいずれか一項に記載のとうもろこし収穫機の収穫前処理装置。
　前記複数の収穫装置それぞれが備える駆動ケースを、前記支持フレームの後方に配備してある請求項１８記載のとうもろこし収穫機の収穫前処理装置。
　前記支持フレームの後方に複数のブラケットを機体横方向に並べて設け、
　前記複数の収穫装置それぞれの駆動ケースを、前記複数のブラケットに各別に載置して支持させてある請求項１８又は１９記載のとうもろこし収穫機の収穫前処理装置。
　前記連結部材を、前記連結フレームに対して機体前後方向に一直線状に並ぶよう配備してある請求項１５～２０のいずれか一項に記載のとうもろこし収穫機の収穫前処理装置。
　前記連結部材の複数を、機体横方向に間隔を隔てて並べて設けてある請求項１５～２１のいずれか一項に記載のとうもろこし収穫機の収穫前処理装置。
　前記連結部材どうしの機体横方向での間隔と、前記横縦壁板に隣り合う前記連結部材と前記横縦壁板との機体横方向での間隔が等しく又はほぼ等しくなるように、前記複数の連結部材を配置してある請求項１６記載のとうもろこし収穫機の収穫前処理装置。
　前記左右一対の連結フレームの前端側上部に連結されるとともに前記左右一対の横縦壁板の後端側上部に連結された機体横向きの上横向きフレームを、前記前処理フレームに備えてある請求項１６又は２３記載のとうもろこし収穫機の収穫前処理装置。
　前記複数の収穫装置のための駆動力を入力する入力軸を、前記上横向きフレームの後方に前記上横向きフレームに沿わせて配備してある請求項２４記載のとうもろこし収穫機の収穫前処理装置。
　前記横向きフレームを、鋼管によって構成してある請求項１５～２５のいずれか一項に記載のとうもろこし収穫機の収穫前処理装置。
　前記鋼管が縦断面円形の鋼管である請求項２６記載のとうもろこし収穫機の収穫前処理装置。
　前記支持フレームを、縦断面形状が矩形であるように形成してある請求項１５～２７いずれか一項に記載のとうもろこし収穫機の収穫前処理装置。
　前記支持フレームに取り付ける前記収穫装置の連結部を、縦断面形状がコ字状の溝形であるように形成して、前記支持フレームに対して前記支持フレームの軸芯に直交する方向に外嵌するように、かつ外嵌状態で前記支持フレームに対して回転不能に係合するように構成してある請求項２８記載のとうもろこし収穫機の収穫前処理装置。
　前記前処理フレームを走行機体に対して昇降操作する油圧シリンダを支持するシリンダ支持部を、前記横向きフレームに備えてある請求項１５～２９のいずれか一項に記載のとうもろこし収穫機の収穫前処理装置。
　前記シリンダ支持部を、前記油圧シリンダの軸芯が走行機体平面視で前記連結部材に対して沿う取り付け姿勢で前記油圧シリンダを支持するよう構成してある請求項３０記載のとうもろこし収穫機の収穫前処理装置。
　前記油圧シリンダの一対を前記横向きフレームの両横端側に振り分け配置してある請求項３０又は３１記載のとうもろこし収穫機の収穫前処理装置。
　前記連結部材に、接地スタンドを支持するスタンド支持部を備えてある請求項１５～３２のいずれか一項に記載のとうもろこし収穫機の収穫前処理装置。
　無端回動体によって収穫物を機体後方向きに係止搬送する収穫物係止搬送装置の複数を機体横方向に並べて設けた収穫機用の収穫前処理装置であって、
　前記複数の収穫物係止搬送装置のうちの前記無端回動体の戻り経路が対向し合う状態で機体横方向に隣り合う一対の収穫物係止搬送装置の前記無端回動体に張力を付与する張力調整手段を設け、
　前記一対の収穫物係止搬送装置の一方における前記無端回動体の搬送始端側を支持する一方の始端側回転輪体及び他方における前記無端回動体の搬送始端側を支持する他方の始端側回転輪体が回転自在に連結された天秤支持体と、前記天秤支持体が揺動自在に連結された状態で前記一対の収穫物係止搬送装置のフレーム側に支持されるフレーム側支持体とを備え、
　前記天秤支持体が前記フレーム側支持体に対して揺動して、前記一方の始端側回転輪体と前記他方の始端側回転輪体の一方が無端回動体緊張方向に揺動し、他方が無端回動体弛緩方向に揺動することにより、前記一対の収穫物係止搬送装置における無端回動体の張力調節を行なうように構成してある収穫機用の収穫前処理装置。
　前記天秤支持体の前記フレーム側支持体に対する揺動角を規制するストッパ手段を設けてある請求項３４記載の収穫機用の収穫前処理装置。
　前記天秤支持体に前記一対の収穫物係止搬送装置の始端側回転輪体が回転自在に連結するように設けた一対のボス部と、前記フレーム側支持体に前記天秤支持体の前記一対のボス部を各別に受け止め支持するように設けた一対の受止め部とを備えて、前記ストッパ手段を構成してある請求項３５記載の収穫機用の収穫前処理装置。
　前記フレーム側支持体の前記天秤支持体が位置する側の形状を、前記天秤支持体が揺動自在に連結する部位が、前記一対の受止め部を備える部位に対して前記天秤支持体が位置する側に突出した形状にしてある請求項３６記載の収穫機用の収穫前処理装置。
　前記天秤支持体に、前記一方の始端側回転輪体が回転自在に連結する連結点と、前記他方の始端側回転輪体が回転自在に連結する連結点と、前記フレーム側支持体に揺動自在に連結する連結点とを一直線状又はほぼ一直線状に並ぶ配置で備えてある請求項３４～３７のいずれか一項に記載の収穫機用の収穫前処理装置。
　前記一対の収穫物係止搬送装置のフレーム側に固定された固定側支持部材と、
　前記フレーム側支持体が前記一対の収穫物係止搬送装置の無端回動体に張力付与する方向に移動自在に支持されるように前記フレーム側支持体と前記固定側支持部材とにわたって設けた移動ガイド手段と、
　前記フレーム側支持体を前記一対の収穫物係止搬送装置の無端回動体に張力付与する方向に移動操作するように前記フレーム側支持体と前記固定側支持部材とにわたって設けた張力付与機構とを備えて、
　前記張力調整手段を構成してある請求項３４～３８のいずれか一項に記載の収穫機用の収穫前処理装置。
　前記張力付与機構に、前記フレーム側支持体を前記一対の収穫物係止搬送装置の無端回動体に張力付与する方向に移動付勢するスプリングを備えてある請求項３９記載の収穫機用の収穫前処理装置。
　前記移動ガイド手段の一対を、機体横方向に並べて設けてある請求項３９又は４０記載の収穫機用の収穫前処理装置。
　前記一対の移動ガイド手段の一方を、外周形状が円形のガイドレールと、このガイドレールに相対摺動自在に外嵌する内周形状が円形のガイド部材とを備えて構成し、
　前記一対の移動ガイド手段の他方を、外周形状が円形のガイドレールと、このガイドレールに相対摺動自在に外嵌する内周形状が矩形のガイド部材とを備えて構成してある請求項４１記載の収穫機用の収穫前処理装置。
　前記フレーム側支持体の平面視での形状を、機体横方向での一端側の横側縁が前記一方の収穫物係止搬送装置の無端回動体の搬送経路に沿い、機体横方向での他端側の横側縁が前記他方の収穫物係止搬送装置の無端回動体の搬送経路に沿う形状にしてある請求項３４～４２のいずれか一項に記載の収穫機用の収穫前処理装置。