WO2013061754A1 - 二次電池の検査方法 - Google Patents

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Abstract

 二次電池に充電を行ない、充電後の二次電池のエージングを所定の環境で所定期間に渡って行ない、エージング後の二次電池の電圧変化に基づき金属コンタミネーションの有無を判定する。エージングの実施期間中の所定タイミングにおいて、二次電池の補充電を行なうことで、負極活物質中の自由電子を増加させる。金属イオンは自由電子と結合して析出するので、自由電子を増加させることで金属イオンの析出速度を高め、エージング所要期間の短縮を図る。

Description

二次電池の検査方法
 この発明は、リチウムイオン電池など製造後の二次電池の金属コンタミネーションの検査方法に関する。
 リチウムイオン電池などの二次電池においては、セルの正極活物質に金属コンタミネーションが生じると、金属コンタミネーションに由来する金属イオンが水酸化物や金属結晶としてセパレータ中に析出する。これらの析出金属が正極と負極間を短絡させると、二次電池の動作不良の原因となる。そこで、金属コンタミネーションによる不良品を排除すべく、二次電池の製造後に金属コンタミネーションの有無を検査している。
 この検査は、充電したセルを一定の高温化または常温下に一定時間放置するエージングと呼ばれる処理を伴う。エージングの後、所定条件でセルの電圧降下を計測し、電圧効果が大きい場合に、セル内に金属コンタミネーションが存在すると判定する。
 セルの負極活物質中には充電による自由電子が存在している。正極活物質内の金属コンタミネーション物質に由来する金属イオンはこれらの自由電子に引き寄せられ、正極活物質から負極活物質に向けてセパレータ内を移動する。移動した金属イオンはセパレータ内の水酸基あるいは負極活物質中の自由電子と結びつき、前述のように水酸化物や金属結晶として析出する。析出物は黒点と称される。
 セパレータに堆積した黒点は正極と負極とを短絡させ、セル電圧を大幅に降下させる。そこで、エージング後のセルの電圧降下特性からセル内の短絡の有無を判定するのである。この検査により、製造されたセルが出荷される前に不良品を排除することができる。
 エージングを行なうには、セルを長時間放置しなければならない。エージングの所要時間を短縮するために、日本国特許庁が2004年に発行した特開2004-179009号はセルへの高温空気の送風またはセルの高周波加熱による昇温工程と、エージング処理工程と、を分離することを提案している。また、日本国特許庁が2008年に発行した特開2008-41526号はこれと関連する発明を開示している。
 エージングの所要時間は次の(a)から(d)の4つの条件に依存する。
(a)金属イオン溶出速度、
(b)金属イオン移動・拡散速度、
(c)金属イオン析出速度、
(d)析出量の検出速度。
 送風や高周波加熱によりセルの温度上昇を促進することは、金属イオンの溶出速度を高める効果をもたらす。
 しかし、エージング所要時間に関して支配的なのは、金属イオン溶出速度よりもむしろ金属イオン析出速度である。つまり、エージング所要時間の短縮に関して十分な効果を得るには金属イオン析出速度を高める必要がある。しかしながら、上記従来技術は金属イオン析出速度を高める作用をもたらさない。
 この発明の目的は、したがって、エージングにおける金属イオン析出速度を高めることである。
 以上の目的を達成するために、この発明は正極活物質と負極活物質とをセパレータで分離した二次電池の金属コンタミネーションの有無を検査する二次電池の検査方法に適用される。検査方法は、二次電池に充電を行ない、充電後の二次電池を所定の環境で所定期間に渡って放置するエージングを行なう。エージングの実施期間中の所定タイミングにおいて、二次電池の補充電を行ない、エージング終了後の前記二次電池の電圧変化に基づき金属コンタミネーションの有無を判定する。
 この発明の詳細並びに他の特徴や利点は、明細書の以下の記載の中で説明されるとともに、添付された図面に示される。
FIG.1は金属コンタミネーションを含むリチウムイオンセルの縦断面図である。 FIG.2はこの発明の第1の実施形態による金属コンタミネーションの判定プロセスを説明するフローチャートである。 FIG.3は従来の金属コンタミネーションの判定プロセスを説明するフローチャートである。 FIG.4はこの発明の第1の実施形態による補充電がもたらす作用を説明する、リチウムイオンセルの縦断面図である。 FIG.5はこの発明の第2の実施形態による金属コンタミネーションの判定プロセスを説明するフローチャートである。 FIGS.6A-6Dはこの発明の第2の実施形態による金属コンタミネーションの判定プロセスがもたらす作用を説明する、リチウムイオンセルの縦断面図である。 FIG.7はこの発明の第2の実施形態による金属コンタミネーションの判定プロセスの効果を説明するダイアグラムである。
 図面のFIG.1を参照すると、リチウムイオンセル1は正極集電箔2と負極集電箔5の間に正極活物質3を含む電解液、セパレータ4、及び負極活物質6を含む電解液を備える。
 正極活物質3には例えばリチウムが使用される。負極活物質6には例えばカーボンやグラファイトが使用される。
 リチウムイオンセル1の製造過程において、正極活物質3の中に金属物質7が混入することがある。この現象を金属コンタミネーションと称する。金属コンタミネーションは性局活物質3を含む電解液中に金属イオンを生成する。リチウムイオンセル1を充電すると負極活物質6を含む電解液中に自由電子eが生成される。金属イオンは自由電子に引き寄せられ、セパレータ4内を負極側へ移動する。そして、自由電子eや電解液中の水酸基OHと結合することで、水酸化物や金属結晶などの析出物を生成する。この現象は次の反応式で表される。
 化学反応式:Fe2++2OH → Fe(OH)
 電気化学反応式:Fe2++2e → Fe
 このようにしてセパレータ4内に金属水酸化物9や金属結晶10などが析出する。これらの析出物を黒点と称する。セパレータ4内に黒点が蓄積すると、正極と負極が短絡し、リチウムイオンセル1は動作不良を起こす。
 そこで、従来は製造後のリチウムイオンセル1を充電状態で一定期間、所定の高温下あるいは常温下に放置するエージングと呼ばれる処理を行ない、エージング後のリチウムイオンセル1の電圧変化によってリチウムイオンセル1内に電極間の短絡をもたらすような金属コンタミネーションがあるかどうかを判定していた。電極間の短絡をもたらすような金属コンタミネーションがあると判定されたリチウムイオンセル1は不良品として廃棄し、電極間の短絡をもたらすような金属コンタミネーションのないリチウムイオンセル1のみを良品として出荷していた。
 FIG.3を参照して、従来行なわれていたリチウムイオンセル1の金属コンタミネーションの判定プロセスを説明する。
 まず、ステップS1で製造後のリチウムイオンセル1に初充電を行なう。充電は充電状態(SOC)が100%となるまで行なわれる。
 ステップS2では、リチウムイオンセル1のエージングを実行する。エージングとして、ここでは充電したリチウムイオンセル1を所定の高温状態、例えば40-50℃、で25日間に渡って放置する。なお、エージングを常温のもとで行うことも可能である。
 ステップS3で、エージングを経たリチウムイオンセル1の放電容量の計測と直流抵抗(DCR)検査を実行する。DCR検査はリチウムイオンセル1への直流電流の印加により内部抵抗を計測するものである。これらの処理は、本発明と直接関係ないので詳しい説明を省略する。
 ステップS4で、リチウムイオンセル1の充電または放電を行なってSOCを0.1-50%に調整する。
 ステップS5で、リチウムイオンセル1の初期電圧を測定する。
 ステップS6で、リチウムイオンセル1を周辺温度20-30℃の環境に所定時間放置する。
 ステップS7で、放置後のリチウムイオンセル1の電圧、すなわち放置後電圧、を測定する。測定される初期電圧と放置後電圧はともに開回路電圧(OCV)である。
 ステップS8で、リチウムイオンセル1の初期電圧と放置後電圧の差分電圧を計算する。
 ステップS9で、差分電圧を所定電圧と比較する。差分電圧が所定電圧を上回る場合には、リチウムイオンセル1を金属コンタミネーションが存在する不良品と判定する。差分電圧が所定電圧を上回らない場合には、リチウムイオンセル1を金属コンタミネーションが存在しない良品と判定する。
 リチウムイオンセル1内に金属コンタミネーションが存在すると、金属コンタミネーションに由来する金属イオンが、充電完了状態で行なわれるリチウムイオンセル1のエージング中に自由電子eや電解液中の水酸基OHと結合して、金属性の析出物をセパレータ4内に析出させる。このようにしてセパレータ内に黒点が連続して多数形成されることで、金属コンタミネーションの存在するリチウムイオンセル1はエージング期間中に正極と負極の間に短絡を生じさせる。
 リチウムイオンセル1内に短絡が生じていると、短絡によってリチウムイオンセル1は放置期間中に電圧を大きく低下させる。その結果、差分電圧が大きな値を示す。一方、リチウムイオンセル1内に短絡が生じていなければ、放置期間中のリチウムイオンセル1の電圧降下はわずかである。この場合には、差分電圧は小さな値に留まる。したがって、差分電圧を所定電圧と比較することで、リチウムイオンセル1内に短絡が生じているかどうかを判定することができる。短絡が生じていることはすなわちリチウムイオンセル1内に金属コンタミネーションが存在することを意味する。
 以上のように、リチウムイオンセル1内に金属コンタミネーションが存在するかどうかは、エージング期間中にセパレータ4中に析出した金属によって正極と負極の間に短絡が生じたかどうかを判定することで行なわれる。
 この検査において、正確な判定結果を得ようとすると、金属コンタミネーションが、リチウムイオンセル1に明確な電圧降下を起こさせるだけの金属析出をセパレータ4内に生じさせるまで、十分な時間をかけてリチウムイオンセル1のエージングを行なう必要がある。しかしながら、長期間のエージングはリチウムイオンセル1の製造コストを押し上げる要因となる。
 この発明は、金属イオン析出速度を高めることで、エージングの所要期間を短縮する。
 FIG.2を参照して、この発明による金属コンタミネーションの判定プロセスを説明する。このプロセスは、FIG.3の金属コンタミネーションの判定プロセスのステップS2をステップS2A-S2Fに置き換えたプロセスに相当する。他のステップの処理はFIG.3のプロセスと同一であるので、同じステップ番号を付して詳しい説明を省略する。
 この発明による金属コンタミネーションの判定プロセスでは、ステップS1でリチウムイオンセル1に初充電を行なった後、ステップS2A-S2Fの処理を行なう。
 ステップS2Aでは、充電したリチウムイオンセル1を所定の高温状態、例えば40-50℃、で5日間に渡って第1期のエージングを行なう。なお、前述のようにエージングを常温状態で行うことも可能である。
 ステップS2Bでは、第1期のエージングを終えたリチウムイオンセル1について、FIG.3のステップS4からS9に至る判定プロセスにより差分電圧の判定を行なう。判定の結果、差分電圧が所定電圧を上回る場合には、直ちにステップS11で不良品と判定する。差分電圧が所定電圧を上回らない場合は、ステップS2Cで補充電を行なう。
 補充電は0.3Cの電流のもとで1時間に渡って行なう。なお、Cは時間率容量を表し、1時間の充電でSOC100%となる電流が1Cに相当する。
 補充電の後、ステップS2Dで再びステップS2Bと同じ差分電圧の判定を行なう。判定の結果、差分電圧が所定電圧を上回る場合には、ステップS11でリチウムイオンセル1は金属コンタミネーションが存在する不良品と判定する。差分電圧が所定電圧を上回らない場合は、ステップS2Eで第2期のエージングを行なう。
 第2期のエージングは第1期のエージングと同一条件で、11日間に渡って行なう。
 第2期のエージングが終了したら、FIG.3の判定プロセスと同様にステップS3以降の処理を行なう。
 以上の判定プロセスでは、エージングを第1期と第2期に分け、第1期と第2期のエージングの間にリチウムイオンセル1に補充電を行なっている。また、各期のエージングと補充電の完了後に差分電圧の判定をそれぞれ行なっている。これは次のような意味をもつ。
 まずFIG.4を参照して、補充電を行なう意味を説明する。補充電を行なうと、リチウムイオンセル1の負極活物質6側の電解質内に自由電子eが供給される。金属コンタミネーションによって生じた金属イオンは自由電子eに引き付けられてセパレータ4に侵入するので、負極活物質6の電解質内に自由電子eが増えると、より多くの金属イオンが負極側へ引き付けられる。また、自由電子eが増えると、金属イオンと自由電子eの結びつきが促進されるので、補充電の終了後も含めて、金属イオンが金属結晶や水酸化物として析出する析出速度が上昇する。
 その結果、補充電を行なわない場合と比べて、セパレータ内の析出金属が短期間のうちにセパレータ4の縦断方向に連続し、正極と負極の短絡を引き起こす。つまり、金属コンタミネーションに起因する短絡現象が短期間で出現するので、不良品判定のためのエージングに要する期間を短縮することできる。
 補充電は負極活物質6側の電解質内に存在する自由電子eの量を増やすことが目的なので、リチウムイオンセル1に高電圧を印加して大電流を供給する必要はなく、例えば0.3Cといった小電流を1時間程度供給するのみで。金属イオンの析出速度を十分に上昇させることができる。
 この金属コンタミネーションの判定プロセスでは、第1期と第2期を合わせたエージング期間は16日であり、FIG.3の従来行なわれていた金属コンタミネーションの判定プロセスのエージング期間の25日に対して、エージング期間が9日短縮されている。つまり、エージングの途中で補充電を行なって金属イオンの析出速度を上昇させることで、同レベルの金属コンタミネーションがもたらす短絡を、従来の金属コンタミネーションの判定プロセスより短い期間で露呈させることが可能となる。つまり、この実施形態によれば金属コンタミネーションの検出精度を落とすことなくエージング期間を短縮できる。これは、リチウムイオンセル1の製造コストを低減する上で極めて好ましい効果をもたらす。
 さらに、この実施形態では、FIG.3に示された従来の二次電池の検査方法と同様に、ステップS3-S9に示されるプロセスをたどって差分電圧を判定することで、金属コンタミネーションの有無を判定する。したがって、この発明は従来の金属コンタミネーションの検出方法に大きな変更を加えずに適用可能である。 
 発明者らの研究によれば、補充電を行なうタイミングが、エージングの所要期間の短縮に大きな影響を与える。この金属コンタミネーションの判定プロセスでは、第1期のエージングの5日が経過した後に補充電を行なっている。補充電による金属析出の促進効果を得るには、金属コンタミネーションに由来する金属イオンがセパレータ4を透過して負極に到達するタイミング以降の早い時期に行なうことが望ましい。
 金属イオンが負極に到達するタイミングはセパレータ4の厚さなど様々な要因に影響される。そのため、補充電の開始タイミングもリチウムイオンセル1の仕様によって異なる。実験やシミュレーションにより、リチウムイオンセル1の仕様に応じて、金属イオンの負極到達タイミングを確認し、補充電の開始タイミングをそれ以降に設定することで補充電による金属析出の促進について優れた効果を得ることができる。
 FIG.5,FIGS.6A-6D,及びFIG.7を参照して、この発明の第2の実施形態を説明する。この実施形態ではリチウムイオンセル1の補充電をリチウムイオンセル1のエージング中に複数回に渡って行なう。
 FIG.5を参照すると、この発明の第2の実施形態による金属コンタミネーションの判定プロセスは、第1の実施形態によるFIG.2の判定プロセスのステップS2A-S2Eに代えて、ステップS20A-S20Iを設けたものに相当する。
 ステップS20Aでは、充電したリチウムイオンセル1を所定の高温状態、例えば40-50℃、で第1期のエージングを行なう。第1期のエージング期間は例えば全エージング期間の1/3とする。後で実行される第2期のエージング及び第3期のエージングも第1期のエージングと同じく、それぞれ全エージング期間の1/3に設定する。ここで、第1期のエージング期間中に金属イオンが負極に到達させる必要がある。したがって、リチウムイオンセル1の仕様と全エージング期間の長さによっては、第1期のエージング期間を全エージング期間の1/3以外の値に設定する方が望ましい場合もある。各期間のエージングを常温下で行うことも可能である。
 ステップS20Bでは、第1期のエージングを終えたリチウムイオンセル1について、FIG.3のステップS3からS9に至るプロセスにより差分電圧の判定を行なう。判定の結果、差分電圧が所定電圧を上回る場合には、ステップS11で不良品と判定する。差分電圧が所定電圧を上回らない場合は、ステップS20Cで、リチウムイオンセル1に0.3Cの電流のもとで1時間に渡って第1回目の補充電を行なう。
 ステップS20Dでは、第1回目の補充電を終えたリチウムイオンセル1について、ステップS20Bと同じく差分電圧の判定を行なう。判定の結果、差分電圧が所定電圧を上回る場合には、ステップS11で不良品と判定する。差分電圧が所定電圧を上回らない場合は、ステップS20Eで、第1期のエージングと同じ条件と期間のもとで、第2期のエージングを行なう。
 第2期のエージングの完了後、ステップS20FでステップS20Bと同じく差分電圧の判定を行なう。判定の結果、差分電圧が所定電圧を上回る場合には、ステップS11で不良品と判定する。差分電圧が所定電圧を上回らない場合は、ステップS20Gで、リチウムイオンセル1に0.3Cの電流のもとで1時間に渡って第2回目の補充電を行なう。
 ステップS20Hでは、第2回目の補充電を終えたリチウムイオンセル1について、ステップS20Bと同じく差分電圧の判定を行なう。判定の結果、差分電圧が所定電圧を上回る場合には、ステップS11で不良品と判定する。差分電圧が所定電圧を上回らない場合は、ステップS20Iで、第1期のエージングと同じ条件と期間のもとで、第3期のエージングを行なう。
 第3期のエージングの後、FIG.3のステップS3からS9に至るプロセスにより差分電圧の判定を行なう。判定の結果、差分電圧が所定電圧を上回る場合には、ステップS11で不良品と判定する。差分電圧が所定電圧を上回らない場合は、ステップS10で良品と判定する。
 金属イオンは時間、温度勾配、濃度勾配に従って電解液中に拡散する。この実施形態のようにエージング期間中に補充電を短いインターバルで複数回に渡って繰り返すと、金属イオンの拡散を抑制し、1度のみ補充電を行なう第1の実施形態と比べて、金属イオンを局部に集中させて析出させることができる。結果として、正極活物質に金属コンタミネーションが存在する場合には、金属コンタミネーションに由来する金属イオンを局部的に析出させて短時間で短絡状態に至らせることができる。
 FIG.6Aは第1回目の補充電時の金属イオンの拡散状態を示す。FIG.6Bは第2回目の補充電時の金属イオンの拡散状態を示す。FIG.6Cは第3回目の補充電時の金属イオンの拡散状態を示す。これらの図から分かるように、エージング時間の経過とともに、金属イオンは広角度に拡散する。したがって、金属イオンが負極に到達するタイミング以降は、できるだけ早期に補充電を行なうことで、金属イオンが広く拡散する前に金属イオンを金属の結晶あるいは水酸化物として析出させることができる。
 FIG.6Dは補充電を行なわない場合のエージング終了時の金属イオンの拡散状況と析出物を示す。FIG.6CとFIG.6Dを比べると、セパレータ4内の析出物の量がFIG.6Cの方が多い。これはエージング中に複数回に渡って補充電を行なうことで、金属イオンが早期に金属結晶や水酸化物へと析出するからである。結果として合計のエージング時間は同じであっても、FIG.6Cに示すように複数回の補充電を行なった場合には、FIG.6Dに示す補充電を行なわない場合と比べてより多くの金属結晶や水酸化物がセパレータ4内に析出する。
 この実施形態によれば、析出物のセパレータ4内における集中度が、第1の実施形態よりもさらに高くなるので、不良品の検出精度をより高めることが可能になる。あるいは同一の検出精度のもとで、エージングの所要時間を第1の実施形態よりさらに短縮することができる。
 さらに、この実施形態では、各期のエージングと各回の補充電が終了するごとに、差分電圧の検出を行なって、金属コンタミネーションの有無を判定している。そのため、金属コンタミネーションの存在が早期に発見された個体をその段階で廃棄することで、検査全体の所要時間を短縮することができる。
 FIG.7を参照すると、発明者らの実験によれば、補充電を行なわずにエージング後の電圧に基づき不良品を検出する場合のエージング所要期間を100%とすると、第2の実施形態による補充電を行なった場合には、同一精度のもとでエージング所要期間を64%に短縮することができた。
 一方、金属イオンの負極到達タイミング以前に補充電を行なった場合には、エージング所要期間は93%にしかならない。このように、補充電はエージング開始から、金属イオンの負極到達タイミングに相当する期間が経過した後に行なう必要がある。さらに、金属イオンの負極到達タイミングからできるだけ早い時期に行なうことが望ましい。
 以上のように、この発明はエージング中のセルに所定タイミングで補充電を行なうことで、負極活物質中の自由電子を増量させている。その結果、自由電子に多くの金属イオンが引き寄せられ、金属イオンはセパレータ内で拡散する前に負極に到達する。結果として黒点がセパレータ内の狭い範囲に集中的に蓄積し、少量の析出物によって正極と負極が短絡する。このようにして金属イオンの析出速度が実質的に高められることで、エージングの所要期間を短縮することができる。
 以上の説明に関して2011年10月24日を出願日とする日本国における特願2011-232677号、の内容をここに引用により合体する。
 以上、この発明をいくつかの特定の実施例を通じて説明してきたが、この発明は上記の各実施例に限定されるものではない。当業者にとっては、クレームの技術範囲でこれらの実施例にさまざまな修正あるいは変更を加えることが可能である。
 例えば、上記の各実施形態ではエージングを高温状態で行なっているが、エージングの実施環境はこの発明の必須の要件ではない。エージングを常温下で行う検査方法にもこの発明は適用可能である。
 上記の各実施形態はリチウムイオンセルを対象としているが、この発明はリチウムイオンセルに限らず様々な二次電池の検査に適用可能である。
 この発明は、エージングにおける金属イオン析出速度を高めることで、二次電池の検査に必要なエージングの所要期間を短縮する。したがって、車両搭載用の二次電池の金属コンタミネーションの検査期間を短縮するうえで特に好ましい効果をもたらす。
 この発明の実施例が包含する排他的性質あるいは特長は以下のようにクレームされる。

Claims (6)

  1.  正極活物質と負極活物質とをセパレータで分離した二次電池の金属コンタミネーションの有無を検査する二次電池の検査方法において:
     前記二次電池に充電を行ない;
     前記充電後の前記二次電池を所定の環境で所定期間に渡って放置するエージングを行ない;
     前記エージングの実施期間中の所定タイミングにおいて、二次電池の補充電を行ない;
     前記エージング終了後の前記二次電池の電圧変化に基づき金属コンタミネーションの有無を判定する、ことを含む二次電池の検査方法。
  2.  前記所定のタイミングは金属コンタミネーションに由来する金属イオンが前記セパレータを縦断して前記負極活物質に達する時点以降のタイミングである、請求項1の二次電池の検査方法。
  3.  前記エージング後の前記二次電池の電圧を初期電圧として計測し、所定時間に渡って前記二次電池を放置した後の電圧を放置後電圧として計測し、前記初期電圧と前記放置後電圧の差分電圧が所定電圧を上回る場合に、前記二次電池に金属コンタミネーションが存在すると判定する、請求項1または2の二次電池の検査方法。
  4.  前記補充電は前記充電よりも小さな電流で行なわれる、請求項1から3のいずれかの二次電池の検査方法。
  5.  前記エージングの実施期間中の前記所定タイミング以降に前記二次電池の補充電を複数回に渡って繰り返し行なう、請求項1から4のいずれかの二次電池の検査方法。
  6.  前記補充電を所定の間隔で一定時間ずつ行なう、請求項5の二次電池の検査方法。
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