JPH06349524A - 二次電池 - Google Patents

二次電池

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JPH06349524A
JPH06349524A JP5178453A JP17845393A JPH06349524A JP H06349524 A JPH06349524 A JP H06349524A JP 5178453 A JP5178453 A JP 5178453A JP 17845393 A JP17845393 A JP 17845393A JP H06349524 A JPH06349524 A JP H06349524A
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JP
Japan
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charging
battery
negative electrode
positive electrode
secondary battery
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Application number
JP5178453A
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English (en)
Inventor
Toru Nagaura
亨 永浦
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HAIBARU KK
Original Assignee
HAIBARU KK
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Publication date
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Publication of JPH06349524A publication Critical patent/JPH06349524A/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、非水電解液二次電池の不良率低
減に関するものであり、特に原因が内部ショートに起因
する不良を低減しようとするものである。 【構成】 負極の活物質として炭素材料を用い、正極の
活物質にはリチウム含有複合酸化物を用いる非水電解液
二次電池においては、有機電解液中で電気化学的に還元
可能で、且つその還元電位(EvsLi/Li)を
1.0V<E<2.5Vの範囲に持つ物質(A)を負極
中に混ぜることで、内部ショートによる不良品は極めて
少なくなり、更に電池組立後の最初の充電過程で、一旦
低い電圧(3V以下)で充電し、開路状態で放置した
後、引き続き充電して一回目充電を完了する初回充電方
法も内部ショートによる不良品を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、非水電解液二次電池
の不良率低減に関するものであり、特に原因が内部ショ
ートに起因する不良を低減しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化、軽量化が進められる
中、その電源として高エネルギー密度の二次電池の要望
がさらに強まっている。その要望に答える電池としては
非水電解液二次電池が最も注目され、その実用化が試み
られた。特に負極にリチウム金属を使用する、いわゆる
リチウム二次電池は最も期待されるとと思われたが、金
属リチウム負極が充放電の繰り返しによりパウダー化し
て著しくその性能が劣化したり、また金属リチウムがデ
ンドライトに析出し内部ショートを引起したりするた
め、実用的なサイクル寿命に問題があり、今だ実用化は
難しい。そこで最近、リチウム金属負極に代えて、カー
ボンへのリチウムイオンの出入りを利用するカーボン電
極を負極とする非水電解液二次電池が盛んに開発中であ
る。 この電池は本発明者等によって、リチウムイオン
二次電池と名付けて1990年に始めて世の中に紹介さ
れたもので(雑誌Progress InBatter
ies & Solar Cells,Vol,9,1
990,p209)、現在では電池業界、学会において
も次世代の二次電池“リチウムイオン二次電池”と呼ば
れるほどに認識され、その実用化に拍車がかかってい
る。リチウムイオン二次電池の代表的なシステムとして
は正極の活物質にリチウム含有複合酸化物(例えばLi
CoO、LiNiO、LiMn等)を用い、
負極活物質にはコークスやグラファイトなどの炭素質材
料が用いられる。カーボン負極は、充電においては電極
中のカーボンヘリチウムイオンがドープされ、放電では
そのカーボンからリチウムイオンが脱ドープされるだけ
で、カーボン自身は充放電に際して大きな結晶構造の変
化を伴わないので、極めて安定した充放電特性を示し、
充放電に伴う特性劣化が少なく、具体的には1000回
以上の充放電の繰り返しも可能である。実際、200W
h/l程のエネルギー密度を持つリチウムイオン二次電
池は既に少量実用され始めている。既存のニッケルカド
ミウム電池のエネルギー密度は100〜150Wh/l
であり、リチウムイオン二次電池のエネルギー密度は既
存の電池のそれをはるかに上回るものである。しかしこ
の電池は製造過程で非常に多くの内部ショートによる不
良品が生じることが大量実用化への大きな障害となって
いる。その最大の理由は正極と負極間に設置するセパレ
ーターがわずか0.025mmと極めて薄いため、極少
量の金属粉が正極に混入しても、これが溶け出し、負極
において再び析出し、その析出物は薄いセパレーターを
貫通して析出し内部ショートを引き起こす。リチウムイ
オン二次電池に使用される非水電解液はニッケルカドミ
ウム電池の電解液として使用されるアルカリ水溶液に比
べると40〜50倍も抵抗が高いため、出来るだけ正極
・負極間の距離を小さくしなければ、充分な電池特性を
得ることが出来ない。従って極薄のセパレーターの使用
は必須である。また正極材料であるLiCoO等は高
温で合成され、一般に合成物は塊として得られるため、
活物質として使用するためにはこれを粉末に粉砕しなけ
ればならない。この粉砕過程で、合成物が非常に固い塊
であるため、粉砕機の摩耗粉などの少量の金属粉が混入
することが避けがたい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は正極中に混入
した金属粉が溶け出し、負極において析出し、その析出
物のセパレーター貫通によって生じる内部ショートを無
くそうとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する一つ
の手段は、電池組立後の最初の充電過程で、充電電圧を
3V以下に維持して充電した後、開路状態で放置し、そ
の後引き続き充電完了に必要な充電電圧で充電し、初回
充電を完了させる。更にもう一つの手段は有機電解液中
で電気化学的に還元可能で、且つその還元電位(Evs
Li/Li)を1.0V<E<2.5Vの範囲に持つ
物質(A)を負極中に混ぜる。
【0005】
【作用】負極の活物質として炭素材料(例えばコークス
やグラファイト等)を用い、正極の活物質にリチウム含
有複合酸化物(例えばLiCoO、LiNiO、L
iMn等)を用いる非水電解液二次電池において
は、電池組立後は殆ど電池電圧はなく電池としては未完
成であり、電池組立後の一回目の充電完了によって始め
て充分な性能を備えた電池となる。電池組立後の一回目
の充電で次の充電反応が正極および負極でそれぞれ起こ
る。 1.正極充電反応 LixMO →Li(x−a)MO + aLi
+ ae (但しM=Co、Ni、Mn) 2.負極反応 C + aLi + ae →LiaC しかし、正極中に金属粉が少量でも混入していると、こ
れらの金属粉の電気化学的溶解に伴う次の副反応が起こ
る。 正極副反応 Me → Me + e (但しMeは正極中に混入した金属) 負極副反応 Me + e → Me これらの副反応が起こる電極電位は混入した金属紛の種
類によって異なるわけだが、一般的には正極活物質の粉
砕工程等で粉砕機の摩耗粉などが混入する場合が考えら
れ、混入の可能性のある金属粉としては鉄、銅、ニッケ
ル等であり、これらは何れにせよ、正極の副反応は少
なくとも正極電位が3.5V(vsLi/Li)以上
の電位においては充分起こりうる。一方、電池組立後の
一回目の充電は通常10時間率(0.1C)から4時間
率(0.25C)位の電流で行われるが、充電電流とし
ては比較的小さい10時間率の電流で充電する場合で
も、正極電位は充電開始後直ちに3.8V(vsLi
/Li)以上に達する。従って一回目の充電開始後直ち
に上記正極副反応も正極反応に平行して起こり、正極へ
混入してしまった金属Me粉は電解液中へMeイオン
として溶け出すことになる。また負極副反応は少なく
とも負極電位が1.2V(vsLi+/Li)以下の電
位においては充分起こりうる。一方、10時間率の電流
で一回目の充電を行う場合では負極電位は充電開始後1
〜2分で1.2V(vsLi/Li)以下の電位に達
するので、一回目の充電開始後1〜2分後には負極副反
応も平行して起こり、正極より溶け出したMeイオン
は溶け出した位置より遠くへは拡散することなく、最も
近距離にある負極表面に達し、その負極表面上に局部的
に、密度濃く金属として析出し、正極に向かって析出物
が伸びセパレーターを貫通して正極とつながり、内部シ
ョートに至る電池が高い頻度で出現する。以上が従来の
電池製造における内部ショート不良の生じるメカニズム
と考えられる。そこで本発明では電池組立後の一回目の
充電において、まず3V以下の充電電圧で一度充電し、
開路状態で10分間以上(出来れば充分長い時間)放置
する。3V以下の充電電圧で充電した電池は、充分な充
電が成されたわけではないので、特に負極炭素の充電効
率が悪いため、負極電位は貴な方向へかなリ変化し、開
路状態での電圧はすぐに下がって2.5V以下となる。
ここで開路電圧は当然、 正極電位 − 負極電位 = 開路電圧 であり、開路電圧2.5V以下においては正極電位は約
3.7Vを示し、負極電位は1.2V以上である。従っ
て、3V以下の充電電圧で充電し、開路状態に放置した
間は、正極電位は上記正極副反応が進行するのに充分
な電位(3.5VvsLi/Li以上)であるが、負
極電位は上記負極副反応が進行し得ない電位状態であ
る。つまり開路状態で放置した間は、正極中に混入して
しまった金属粉は電解液中へMeイオンとして溶け出
すが、負極ではその金属の析出は起こらない。そして電
解液中へ溶け出したMeイオンは開路状態での放置期
間が長ければ長いほど溶け出した位置からより遠くへ拡
散する。そこで、引き続き正規の充電電圧で一回目充電
を再開したとき、電解液中へ溶け出したMeイオンは
より広い範囲で負極表面に金属として析出し、析出密度
は高くないのでセパレーターを貫通する迄には析出物は
成長せず、内部ショートには至らない。本発明では更
に、有機電解液中で電気化学的に還元可能で、且つその
還元電位(E vsLi/Li)を1.0V<E<
2.5Vの範囲に持つ物質(A)を負極中に混ぜること
により、更なる内部ショート不良低減への改善を図るこ
とを可能とする。還元電位(E vsLi/Li)を
1.0V<E<2.5Vの範囲に持つ物質(A)を適切
に選んで負極中に混ぜると、前記負極副反応に先んじ
て、物質(A)の還元反応が負極では起こり、混合した
物質(A)の還元が終わってから負極副反応が始ま
る。正極中に混入してしまった金属粉は一回目充電の開
始とほぼ同時に、電解液中へMeイオンとして溶け出
すが、負極ではその金属の析出は起こらない。そこで電
解液中へ溶け出したMeイオンは物質(A)の還元反
応が進行している間は、単に溶け出した位置からより遠
くへ拡散するだけである。一回目充電が続行され、物質
(A)の遠元反応はやがて終り、負極電位が前記負極副
反応が起こりうる電位となった時点で負極表面への金
属Me析出が始まる。しかし、電解液中へ溶け出したM
イオンはより広い範囲に拡散しているので、金属M
eは薄い密度で負極表面には析出し、セパレーターを貫
通することはなく、内部ショートには至らない。
【0006】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。
【0007】実施例1 本発明の一つは従来の方法により組み立てられた電池に
ついても適用できるものであって、電池組立後の一回目
の充電のやり方に関するものであり、本実施例では、ま
ず従来の方法により電池を組み立てる。具体的には図1
に示す構造で電池を組み立てる。、まず粉末状のピッチ
コークス90重量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリ
デン(PVDF)10重量部を溶剤であるN−メチル−
2−ピロリドンと湿式混合してスラリー(ペースト状)
にする。次に、このスラリーを負極集電体となる厚さ
0.01mmの銅箔の両面に均一に塗布し、乾燥後ロー
ラープレス機で加圧成型して帯状の負極(1)を作成す
る。更に正極は次のようにして用意される。市販の炭酸
リチウム(LiCO)と炭酸コバルト(CoC
)をLiとCoの原子比が1.03:1の組成比に
なるように混合し、空気中で900℃約5時間焼成して
LiCoOを得る。焼成後のLiCoOは非常に固
い塊として得られるので、これを粉砕機にかけて平均粒
径0.02mmの粉末状とする。この粉末状LiCoO
を91重量部、導電剤としてグラファイトを6重量
部、結合剤としてポリフッ化ビニリデン3重量部を溶剤
であるN−メチル−2−ピロリドンと湿式混合してスラ
リー(ペースト状)にする。次に、このスラリーを正極
集電体となる厚さ0.02mmのアルミニウム箔の両面
に均一に塗布し、乾燥後ローラープレス機で加圧成型し
て帯状の正極(2)を作成する。続いて帯状の負極
(1)と正極(2)はその間に多孔質ポリプロピレン製
セパレータ(3)を挟んでロール状に巻き上げて、平均
外径15.7mmの電池素子を作成する。次にニッケル
メッキを施した鉄製の電池缶(4)の底部に絶縁板
(5)を設置し、上記電池素子を収納する。電池素子よ
り取り出した負極リード(6)を上記電池缶の底に溶接
し、電池缶の中に電解液として1モル/リットルのLi
PFを溶解したプロピレンカーボネイト(PC)とジ
エチルカーボネート(DEC)の混合溶液を注入する。
その後、電池素子の上部にも絶縁板(5)を設置し、ガ
スケット(7)を嵌め、防爆弁(8)を図1に示すよう
に電池内部に設置する。電池素子より取り出した正極リ
ード(9)はこの防爆弁に電解液を注入する前に溶接し
ておく。防爆弁の上には正極外部端子となる閉塞蓋体
(10)を重ね、電池缶の縁をかしめて、図1に示す電
池構造で外径16.5mm、高さ65mmの電池(A)
を組み立て完了する。組立完了後の電池は次の3通りの
方法で一回目の充電を行う。 1.従来方法による一回目充電。 電池(A)の50個は従来の方法で一回目の充電を行
う。つまり充電電圧は4.0V、充電電流は200mA
にそれぞれ設定して定電流定電圧充電にて8時間充電を
行って、充電完了の50個の電池(A1)を用意する。 2.本発明による一回目充電。 電池(A)50個を本発明の方法で一回目の充電を行
う。まず充電電圧は3.0V、充電電流は200mAに
それぞれ設定して定電流定電圧充電にて1時間充電を行
った後、開路状態で10分間置く。その後更に充電電圧
を4.0V、充電電流は200mAにそれぞれ設定して
定電流定電圧充電にて7時間の充電を行い、充電完了の
50個の電池(A2)を用意する。 3.本発明による一回目充電。 電池(A)50個を本発明の方法で一回目の充電を行
う。まず充電電圧は3.0V、充電電流は200mAに
それぞれ設定して定電流定電圧充電にて1時間充電を行
った後、開路状態で24時間置く。その後更に充電電圧
を4.0V、充電電流は200mAにそれぞれ設定して
定電流定電圧充電にて7時間の充電を行い、充電完了の
50個の電池(A3)を用意する。こうして用意された
何れの充電完了電池も21℃で28日間保存し、保存後
の開路電圧を調べ、内部ショートの有無を判断する。
【0008】実施例2 図1を参照しながらもう一つの本発明の具体的な電池に
ついて説明する。本発明を実施するための発電要素であ
る電池素子は次のようにして用意される。市販の粉末状
のグラファイト84重量部と粉末状のイオウ(S)1重
量部をよく混合し、さらにこれに結着剤としてポリフッ
化ビニリデン(PVDF)15重量部を加え、溶剤であ
るN−メチル−2−ピロリドンと湿式混合してスラリー
(ペースト状)にする。次にこのスラリーを負極集電体
となる厚さ0.01mmの銅箔の両面に均一に塗布し、
乾燥後ローラープレス機で加圧成型して帯状の負極(1
b)を作成する。後は、この負極(1b)と実施例1で
作成したと同じ正極(2)とをその間に多孔質ポリプロ
ピレン製セパレータ(3)を挟んでロール状に巻き上げ
て、平均外径15.7mmの電池素子を作成し、その後
は電解液としては1モル/リットルのLiPFを溶解
したエチレンカーボネイト(EC)とジエチルカーボネ
ート(DEC)の混合溶液を注入する以外は全く実施例
1と同じにして電池(B)を組み立て完了する。組立完
了後の電池は次の2通りの方法で一回目の充電を行う。 1.従来方法による一回目充電。 電池(B)の50個は従来の方法で一回目の充電を行
う。つまり充電電圧は4.0V、充電電流は200mA
にそれぞれ設定して定電流定電圧充電にて8時間充電を
行って、充電完了の50個の電池(B1)を用意する。 2.本発明による一回目充電。 電池(B)50個を本発明の方法で一回目の充電を行
う。まず充電電圧は3.0V、充電電流は200mAに
それぞれ設定して定電流定電圧充電にて1時間充電を行
った後、開路状態で24時間置く。その後更に充電電圧
を4.0V、充電電流は200mAにそれぞれ設定して
定電流定電圧充電にて7時間の充電を行い、充電完了の
50個の電池(B3)を用意する。こうして用意された
何れの充電完了電池も21℃で28日間保存し、保存後
の開路電圧を調べ、内部ショートの有無を判断する。
【0009】保存結果 上記実施例によって一回目充電の完了後28日間保存し
た後で、各電池の開路電圧を測定すると、代表的な値は
約3.92V〜3.96Vの間にあるが、中には3.5
V以下の値を示すもの、更に甚だしいものは3.0V以
下の値を示すものがあり、これらは明らかに不良品であ
って、内部ショートによって保存中に少しづつ放電し、
充電電気量が減少しているため開路電圧が大きく低下し
ているものである。これらの電池は分解してみると、セ
パレーターに貫通した小さな黒点が幾つかあり、その黒
点は鉄、ニッケル、銅等の金属である。このことから内
部ショートの原因は正極中に混入した微細な金属粉が溶
け出し、負極に析出し、その析出物はセパレーターを貫
通して正極に達し内部ショートを引き起こすものと考え
られる。上記実施例の各電池群について、28日間の保
存後の開路電圧測定結果に基ずき3.5V以下の電池
(内部ショー卜による不良電池)の個数を表1にまとめ
た。従来の仕様で電池を作成し、従来の方法で一回目充
電を完了した電池(A1)は50個中11個が内部ショ
ートしているのに対し、従来仕様で作成した同様の電池
でも本発明の充電方法つまり、まず充電電圧は3.0
V、充電電流は200mAの定電流定電圧充電にて充電
を行った後、開路状態で10分間置き、引き続 き充電電圧は4.0V、充電電流は200mAの定電流
定電圧充電にて充電して一回目充電を完了した電池(A
2)は50個中5個と内部ショートの電池は少なくな
り、更に3Vでの充電後開路状態で24時間置いた電池
(A3)では内部ショート電池は更に減少して、50個
中2個であった。このように負極の主たる活物質として
コークスを用い、正極の主たる活物質にはLiCoO
を用いた非水電解液二次電池においては、電池組立後の
最初の充電過程で、一旦低い電圧(3V以下)で充電
し、10分間以上開路状態で放置した後、引き続き充電
完了に必要な充電電圧で充電することによって内部ショ
ートによる不良は激減する。この開路状態での放置効果
は電解液中へ溶け出した金属Meイオンは、開路状態
での放置期間が長ければ長いほど、溶け出した位置から
より遠くへ拡散し、正規の充電電圧で一回目充電を再開
したとき、より広い範囲で負極表面に金属として析出す
るので、析出密度は薄く、セパレーターを貫通すること
がないと考えられる。溶け出した金属Meイオンの広
い範囲への拡散を可能とすることが内部ショートの低減
に有効と考えられ、更に次の発明に至った。つまり、有
機電解液中で電気化学的に還元可能で、且つその還元電
位(E vsLi/Li)を1.0V<E<2.5V
の範囲に持つ物質(A)を負極中に混ぜることにより、
物質(A)の還元反応が進行している間は、溶け出した
金属Meイオンは広い範囲への拡散が可能となる。実
施例2では物質(A)としてイオウを使用した。イオウ
は実施例2で使用した電解液中においては、実際の主た
る電気化学的還元反応は約1.6V(vsLi/L
i)の電極電位で起こる。実施例2における電池につい
ても、28日間の保存後の開路電圧測定から3.5V以
下の電池(内部ショートによる不良電池)の個数を表1
にまとめた。負極にイオウを混じて作成した電池を、従
来の方法で一回目充電を完了した電池(B1)では、5
0個中3個が内部ショートしていたが、従来仕様で作成
した電池(A1)との比較においてはその数は激減であ
る。さらに負極にイオウを混じて作成した電池について
も、一回目充電として、まず充電電圧を3.0V、充電
電流は200mAの定電流定電圧充電にて充電を行った
後、開路状態で24時間置いた電池(B3)では、内部
ショート電池は50個中0であった。なお本発明実施例
2ではカーボン電極中への添加物として、イオウ(S)
について示したが、有機電解液中で電気化学的に還元可
能な物質であり、且つその還元電位(E vsLi
Li)を1.0V<E<2.5Vの範囲に持つ物質
(A)であれば、初回充電開始と共に負極においてはま
ず、物質(A)の還元反応が進行し、物質(A)の還元
反応が進行している間は、一般に正極活物質に混入可能
な金属は初回充電開始と共に、正極より溶け出すが、負
極で析出することはなく、溶け出した金属Meイオン
はより広い範囲へ拡散するだけであり、よってイオウの
場合と同じ効果が得られる。つまりイオウの他、Fe
S、FeS、CuS、TiS、MoS、 VSe
、NbSe、CuO、TiO、RuO、W
、MoO等より選択される材料は、何れもその還
元電位(E vsLi/Li)を1.0V<E<2.
5Vの範囲に持つので、同様に本発明が実施可能であ
る。さらに本実施例では渦巻状の巻回電極体を用いた円
筒型非水電解液二次電池であったが、本発明はこれに限
定されるものではなく、例えば、角筒型などであっても
よく、又ボタン型あるいはコイン型の非水電解液二次電
池にも適用し得る。
【0010】
【発明の効果】負極の主たる活物質として炭素材料を用
い、正極の主たる活物質にはリチウム含有複合酸化物を
用いる非水電解液二次電池(いわゆるリチウムイオン二
次電池)においては、電池組立後の最初の充電過程で、
一旦低い電圧(3V以下)で充電し、開路状態で放置し
た後、引き続き充電して一回目充電を完了する本発明の
初回充電方法は内部ショートによる不良品の出現を激減
する。更に有機電解液中で電気化学的に還元可能で、且
つその還元電位(E vsLi/Li) を1.0V
<E<2.5Vの範囲に持つ物質(A)を負極中に混ぜ
ることは、物質(A)の還元反応か進行している間は、
正極から溶け出した金属Meイオンの広い範囲への拡
散を可能とするため、内部ショート低減にすこぶる有効
な手段であり、更に物質(A)の負極中への添加と途中
開路状態で放置する初回充電方法の併用は更に有効であ
る。この結果、大量生産での最大の障害であった内部シ
ョート問題が解決され、広範囲な用途で使用できる安価
な、高容量のリチウムイオン二次電池を提供できるよう
になり、その工業的価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例における電池の構造を示し
た模式的断面図
【符号の説明】
1は負極、2は正極、3はセパレータ、4は電池缶、5
は絶縁板、6は負極リード、7はガスケット、8は防爆
弁、9は負極リード、10は閉塞蓋体である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正極、負極、セパレータおよび非水電解液
    を有する二次電池であって、前記負極の主たる活物質と
    して炭素材料(例えばグラファイト)を用い、前記正極
    の主たる活物質にはリチウム含有複合酸化物(例えばL
    iCoO、 LiNiO、LiMn等)を用
    いる非水電解液二次電池において、電池組立後の最初の
    充電過程で、3V以下の充電電圧で一度充電して開路状
    態で放置した後、引き続き充電完了に必要な充電電圧で
    充電し、初回充電を完了させたことを特長とする非水電
    解液二次電池。
  2. 【請求項2】正極、負極、セパレータおよび非水電解液
    を有する二次電池であって、前記負極の主たる活物質と
    して炭素材料(例えばグラファイト)を用い、前記正極
    の主たる活物質にはリチウム含有複合酸化物(例えばL
    iCoO、 LiNiO、LiMn等)を用
    いる非水電解液二次電池において、前記負極は活物質炭
    素にバインダーおよび添加物を混じて作成され、前記添
    加物の少なくとも一つは有機電解液中で電気化学的に還
    元可能な物質であり、且つその還元電位(EvsLi
    /Li)を1.0V<E<2.5Vの範囲に持つ物質あ
    ることを特徴とする非水電解液二次電池。
  3. 【請求項3】前記添加物が、イオウ(S)、FeS、F
    eS、 CuS、 TiS、MoS、 VS
    、NbSe、CuO、TiO、RuO、 W
    、MoOより選択される少なくとも一つであるこ
    とを特長とする請求項2記載の非水電解液二次電池。
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