WO2012172897A1

WO2012172897A1 - 冷蔵庫

Info

Publication number: WO2012172897A1
Application number: PCT/JP2012/062167
Authority: WO
Inventors: 佐伯　友康; 石橋　郁夫; 及川　誠; 候巳阿部; 昌則安部; 隆明吉田; 孝司駒場; 良河田
Original assignee: 株式会社東芝; 東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社; 東芝ホームアプライアンス株式会社
Priority date: 2011-06-13
Filing date: 2012-05-11
Publication date: 2012-12-20
Also published as: EP2719981A4; TW201312069A; TWI544194B; CN108278847A; JP2013002654A; CN108278847B; CN103733008A; EP2719981B1; EP2719981A1; JP5788232B2

Abstract

内箱は、型成形により一つの一体成形品で構成されているため、大きな型を必要とし、製作コストがかかる問題がある。そこで、コスト安となる冷蔵庫を提供する。冷蔵庫は、外箱（１４）と、外箱（１４）の内側に設けられた内箱（１５）と、外箱（１４）および内箱（１５）の間に設けられた真空断熱パネル（１６）と、を有する断熱箱体（２）を備え、内箱（１５）の少なくとも一部を平板状のシート部材（Ｓａ、Ｓｂ）で構成した。

Description

冷蔵庫

　本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。

　近年、冷蔵庫の断熱箱体は、内箱と外箱との間に真空断熱パネルを有して構成されたものがある。この場合、内箱は、その全体がインジェクション成形や、真空成形により形成された一体成形品で構成されている。

特開平４－２６０７８０号公報特開平６－１４７７４４号公報

　上述の冷蔵庫において、内箱は、型成形により一つの一体成形品で構成されているため、大きな型を必要とし、製作コストがかかる問題がある。

　そこで、コスト安となる冷蔵庫を提供する。

　実施形態の冷蔵庫は、外箱と、前記外箱の内側に設けられた内箱と、前記外箱および前記内箱の間に設けられた真空断熱パネルと、を有する断熱箱体を備え、前記内箱の少なくとも一部を平板状のシート部材で構成した。

第一実施形態による冷蔵庫の断熱箱体を下方から見た斜視図断熱箱体を上方から見た斜視図冷蔵庫を上方から見た斜視図断熱箱体の横断平面図左側断熱壁の分解斜視図上内板部を下方から見た斜視図下内板部を上方から見た斜視図図４に符合Ｋで示す部分の拡大図左側断熱壁と奥側断熱壁とのコーナー部分の横断平面図左側断熱壁と上側断熱壁とのコーナー部分の縦断正面図固定具と左内板部との分解斜視図左内板部に対する固定具の取付状態を示す斜視図固定具周辺を示す縦断側面図固定具に連結板を取り付けた状態を示す縦断側面図横梁部材と左側断熱壁との連結部分を示す横断平面図棚板支持具を裏から見た斜視図棚板支持具と左内板部とねじとの分解縦断側面図棚板支持具の取付状態を示す縦断側面図第二実施形態による図１相当図図２相当図図５相当図図９相当図棚板支持部部分を示す縦断側面図図２３と異なる位置の棚板支持部部分を示す縦断側面図棚板支持部および補強板を裏側から見た分解斜視図仕切り壁支持部部分の縦断側面図仕切り壁支持部部分の斜視図第三実施形態による図１相当図図５相当図第四実施形態を示す図１８相当図図１７相当図第五実施形態による冷蔵庫の断熱箱体の一部を示す縦断正面図断熱箱体の一部を展開した縦断正面図断熱箱体の一部の分解状態での縦断正面図

　以下、複数の実施形態による冷蔵庫を、図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。

　（第一実施形態）
　まず、第一実施形態による冷蔵庫１について、図１から図１８を参照して説明する。図３に示す冷蔵庫１は、断熱箱体２を主体として構成されている。断熱箱体２は、図１に示すように、一方の面に開口が形成されている。なお、本明細書中、断熱箱体２に対して前記開口側を断熱箱体２すなわち冷蔵庫１の前側とする。また、図１の紙面に対して左右方向を断熱箱体２すなわち冷蔵庫１の左右方向とする。

　断熱箱体２の前面側には、図３に示すように、回動式の左側の回転扉３および右側の回転扉４と、複数の引き出し式扉５～８とが設けられている。各扉３～８は、いずれも内部に図示しない断熱材を有している。図１および図２に示すように、断熱箱体２は、ヒンジ部３ａ、３ｂ、およびヒンジ部４ａ、４ｂを有している。左側の回転扉３は、上下一対のヒンジ部３ａ、３ｂにより、回転自在に支持されている。右側の回転扉４は、上下一対の４ａ、４ｂにより回転自在に支持されている。

　断熱箱体２は、複数に分割された単位断熱壁９～１３を連結して構成されている。すなわち、断熱箱体２は、左側断熱壁９、右側断熱壁１０、上側断熱壁１１、下側断熱壁１２、奥側断熱壁１３を連結して構成されている。

　断熱箱体２は、横梁部材５１、５２、５３、および縦梁部材５４を有している。横梁部材５１、５２、５３は、断熱箱体２の開口側に設けられている。横梁部材５１、５２、５３は、断熱箱体２の左右縁部、つまり左側断熱壁９と右側断熱壁１０との間を横方向に繋いでいる。縦梁部材５４は、横梁部材５２、５３の左右方向の途中部分にあって、横梁部材５２、５３の間を縦方向に繋いでいる。横梁部材５１の後側には、貯蔵室仕切り用の第一仕切り壁５５が設けられている。横梁部材５２の後側には、貯蔵室仕切り用の第二仕切り壁５６が設けられている。

　断熱箱体２は、その内部に、貯蔵室として、冷蔵室５７、野菜室５８、小冷凍室５９、製氷室６０、および冷凍室６１を有している。冷蔵室５７は、第一仕切り壁５５の上方に形成されている。野菜室５８は、第一仕切り壁５５と第二仕切り壁５６との間に形成されている。小冷凍室５９は、横梁部材５２と横梁部材５３との間であって縦梁部材５４の右側に形成されている。製氷室６０は、横梁部材５２と横梁部材５３との間であって縦梁部材５４の左側すなわち小冷凍室５９の左側に形成されている。冷凍室６１は、横梁部材５３の下方に形成されている。

　図３に示すように、冷蔵室５７の前面の開口は、回転扉３、４によって開閉される。野菜室５８の前面の開口は、前記引き出し式扉５によって開閉される。引き出し式扉５は、その裏面側に図示しない野菜容器を一体に有している。小冷凍室５９の前面の開口は、引き出し式扉６によって開閉される。引き出し式扉６は、その裏面側に図示しない被冷凍品収容容器を一体に有している。製氷室６０の前面の開口は、引き出し式扉７によって開閉される。引き出し式扉７は、その裏面側に図示しない氷受け容器を一体に有している。冷凍室６１の前面の開口は、引き出し式扉８によって開閉される。引き出し式扉８は、その裏面側に図示しない被冷凍品収容容器を一体に有している。

　図１および図２に示す第二仕切り壁５６は、内部に発泡スチロールや発泡ウレタンなどの断熱材を有している。これにより、第二仕切り壁５６は、貯蔵温度差の大きい小冷凍室５９および製氷室６０と、野菜室５８とを断熱的に仕切っている。第一仕切り壁５５は、例えば合成樹脂製の板材で構成されている。これにより、第一仕切り壁５５は、さほど貯蔵温度差の大きくない冷蔵室５７と野菜室５８とを仕切っている。

　次に、断熱箱体２および断熱壁９～１３について説明する。外箱１４は、図１および図２に示すように、断熱箱体２の全体的な外郭を構成する。外箱１４は、複数に分割された外板部を組み合わせて構成されている。すなわち、外箱１４は、左外板部１４Ａと、右外板部１４Ｂと、上外板部１４Ｃと、下外板部１４Ｄと、後外板部１４Ｅとを組み合わせて構成されている。左外板部１４Ａは、外箱１４の左外面を構成する。右外板部１４Ｂは、外箱１４の右外面を構成する。上外板部１４Ｃは、外箱１４の上外面を構成する。下外板部１４Ｄは、外箱１４の下外面を構成する。後外板部１４Ｅは、外箱１４の後外面を構成する。各外板部１４Ａ～１４Ｅは、いずれも鋼板から構成されている。左外板部１４Ａと右外板部１４Ｂとは、左右対称に構成されている。

　内箱１５は、断熱箱体２の内面を構成する。内箱１５は、複数に分割された内板部を組み合わせて構成されている。すなわち、内箱１５は、左内板部１５Ａと、右内板部１５Ｂと、上内板部１５Ｃと、下内板部１５Ｄと、奥内板部１５Ｅとを組み合わせて構成されている。左内板部１５Ａは、内箱１５の左内面を構成する。右内板部１５Ｂは、内箱１５の右内面を構成する。上内板部１５Ｃは、内箱１５の上内面を構成する。下内板部１５Ｄは、内箱１５の下内面を構成する。奥内板部１５Ｅは、内箱１５の奥内面を構成する。

　左内板部１５Ａと右内板部１５Ｂとは、左右対称形に構成されている。左内板部１５Ａおよび右内板部１５Ｂは、例えばＡＢＳ樹脂などの合成樹脂製であって、平板状のシート部材Ｓａで構成されている。なお、図５において、シート部材Ｓａは、後述する固定具２６、棚板支持具３０、ガイドレール取付具３３、３４、仕切り壁支持具３５、３６を予め取り付けた形態で示されている。

　上内板部１５Ｃは、図６にも示すように、Ｌ状部１７を一体に有している。Ｌ状部１７は、折れ曲がり部として機能し、庫内すなわち断熱箱体２の内側へ膨出している。上内板部１５Ｃは、例えばオレフィン樹脂のなどの合成樹脂製の一体成形品Ｉａで構成されている。

　下内板部１５Ｄは、図７にも示すように、排水受け部１８を一体に有している。排水受け部１８は、折れ曲がり部として機能する。下内板部１５Ｄは、合成樹脂製の一体成形品Ｉｂで構成されている。これら一体成形品Ｉａ、Ｉｂは、インジェクション成形や真空成形により形成されている。

　奥内板部１５Ｅは、図１および図２に示すように、合成樹脂製の平板状のシート部材Ｓｂから構成されている。なお、シート部材Ｓａおよびシート部材Ｓｂは、特別形状の成形型を用いないで、押出し成形や圧延成形などで製造できる。また、市販品の平板状のシート部材を使用しても良い。

　図４に示すように、外箱１４と内箱１５との間には、真空断熱パネル１６が設けられている。真空断熱パネル１６は、複数に分割された板状の単位パネルから構成されている。すなわち、真空断熱パネル１６は、左単位パネル１６Ａと、右単位パネル１６Ｂと、図１０に示す上単位パネル１６Ｃと、図示しない下単位パネルと、奥単位パネル１６Ｅとから構成されている。各単位パネルは、基本的な構成は同じであるので、例えば左単位パネル１６Ａについて説明する。

　左単位パネル１６Ａは、図８および図９に示すように、基材１９を包体２０に収容し、その内部を真空排気により減圧密封させて構成されている。基材１９は、例えばグラスウールなどの無機繊維の積層材を圧縮硬化させて板状に成形されたものである。包体２０は、気体を通し難くするガスバリア性能を得るために、例えばアルミ蒸着層やアルミ箔層などの金属層を含んで構成されている。各単位パネルは、一般的には真空断熱パネルとして呼ばれるものである。

　左側断熱壁９は、図５に示すように、左外板部１４Ａと左内板部１５Ａとの間に左単位パネル１６Ａを配置し、これら三者を接着剤により接着して単位断熱壁として構成されている。

　外箱１４と内箱１５とにおける前端部、つまり左側断熱壁９および右側断熱壁１０の前端部は、図８に示すように、前端用連結部材２１により連結されている。つまり、左側断熱壁９の前端部について見ると、左外板部１４Ａおよび左内板部１５Ａの前端部は、前端用連結部材２１によって相互に連結されている。前端用連結部材２１は、合成樹脂製であって断熱性能を有している。この場合、左側断熱壁９の前端部および右側断熱壁１０の前端部は、左右対称形であるので、左側断熱壁９の前端部の構成について説明する。

　左外板部１４Ａおよび左内板部１５Ａの前端部は、それぞれ左単位パネル１６Ａの前端部から前方に延び出ている。左外板部１４Ａは、前端部において左内板部１５Ａ側へ折れ曲がり、左単位パネル１６Ａの厚さ方向における中央部分まで延びている。この左外板部１４Ａ前端の折れ曲がった部分を、折曲部１４Ａａとする。この場合、折曲部１４Ａａは、断熱箱体２の内側つまり貯蔵室側には入り込んでいない。すなわち、折曲部１４Ａａは、左内板部１５Ａよりも右側へ延びていない。これにより、断熱箱体２の外部の熱は、外箱１４この場合左外板部１４Ａを伝って貯蔵室へ流入することが抑制される。

　左単位パネル１６Ａの前端部、左外板部１４Ａの前端部内面、および前端用連結部材２１の内面で形成された内部空間部には、例えばソフトテープ２２などで構成された断熱材が設けられている。なお、ソフトテープ２２に代えて、発泡スチロールで構成しても良い。

　右側断熱壁１０は、左側断熱壁９と同様の構成であって左右対称形に構成されている。
　上側断熱壁１１は、図１０に示すように、上外板部１４Ｃと上内板部１５Ｃとの間に上単位パネル１６Ｃを有している。上単位パネル１６Ｃは、上内板部１５Ｃに接着されている。上単位パネル１６Ｃと上外板部１４Ｃとの間には、発泡ウレタン２４が充填されている。上外板部１４Ｃは、図２に示すように、上内板部１５ＣのＬ状部１７に対応して、Ｌ状部１７ａを有している。これにより、上側断熱壁１１は、全体として後部が下側へ突出している。つまり、上側断熱壁１１は、後部に凹状部１１ａを有している。凹状部１１ａの後方の空間は、機械室１１ｂとして機能する。機械室１１ｂには、冷凍サイクルを構成する図示しないコンプレッサや凝縮器などが設けられる。機械室１１ｂは、図３に示すように、機械室カバー１１ｃによって閉塞されている。

　図１０に示すように、上単位パネル１６Ｃと上外板部１４Ｃとの間の寸法、つまり発泡ウレタン２４が充填されている部分の厚み寸法は、上単位パネル１６Ｃの厚みよりも小さく、かつ、冷凍サイクルの配管、例えばサクションパイプの外径よりも小さく設定されている。これにより、発泡ウレタン２４の使用量は低減される。図１０において、冷凍サイクルの配管を引き回す場合、該配管を、断熱箱体２の左上部のコーナー部において前後方向へ通すようにしても良い。この場合、コーナー部とは、上単位パネル１６Ｃの左端面と、左単位パネル１６Ａの上端面と、上外板部１４Ｃの左端縁部と、左外板部１４Ａの上端縁部とで囲まれた空間を示す。

　図１０に示すように、上外板部１４Ｃの左端部は、上単位パネル１６Ｃの上面から離間して左外板部１４Ａに連結されている。詳細は図示しないが、上外板部１４Ｃの右端部も同様に、上単位パネル１６Ｃの上面から離間して右外板部１４Ｂに連結されている。上内板部１５Ｃは、連結部１５Ｃ１を有している。連結部１５Ｃ１は、図６にも示すように、上内板部１５Ｃの左右両側の縁部に設けられている。連結部１５Ｃ１は、図１０に示すように、上内板部１５Ｃと左内板部１５Ａとを連結する。この場合、連結部１５Ｃ１の先端部は、左内板部１５Ａに対し、図示しない連結具によって連結されている。

　ここで、左側の連結部１５Ｃ１について説明する。なお、右側の連結部は、左右対称形であることを除いて左側の連結部１５Ｃ１と同様に構成されている。図１０に示すように、連結部１５Ｃ１は、リブ１５Ｃ２を有している。リブ１５Ｃ２は、連結部１５Ｃ１の先端部の内側すなわち発泡ウレタン２４側にあって、左内板部１５Ａとほぼ平行に上方へ突出している。リブ１５Ｃ２と左内板部１５Ａとの間には、断熱材漏れ防止部材として例えばソフトテープ２３が挿入されている。ソフトテープ２３は、発泡ウレタン２４の充填時における発泡ウレタン２４の漏れを抑制している。

　下側断熱壁１２は、下外板部１４Ｄと下内板部１５Ｄとの間に図示しない下単位パネルを有している。下単位パネルは、下外板部１４Ｄおよび下内板部１５Ｄにそれぞれ接着されている。これにより、単位断熱壁が構成されている。なお、下側断熱壁１２は、下内板部１５Ｄと下単位パネルとを接着し、下単位パネルと下外板部１４Ｄとの間に発泡ウレタンを充填して固化させることにより構成しても良い。この下側断熱壁１２において、排水受け部１８の最下部は、断熱箱体２外部に連通している。

　なお、奥側断熱壁１３も後外板部１４Ｅと奥内板部１５Ｅとの間に奥単位パネル１６Ｅを配置し、これら三者を接着剤により接着して構成されている。この場合も、適宜発泡ウレタンを充填し固化した構成を追加しても良い。

　また、上内板部１５Ｃおよび下内板部１５Ｄについて、オレフィン樹脂で構成された一体成形品Ｉａ、Ｉｂは、単位パネルとの接着面を粗い面となるように表面加工することで、単位パネルとの接着性を向上させている。また、左内板部１５Ａ、右内板部１５Ｂ、奥内板部１５Ｅについて、シート部材Ｓａ、Ｓｂは、ＡＢＳ樹脂製であるため、単位パネルとの接着性が良い。

　ここで、図９、図１１～図１４を参照して、左側断熱壁９と奥側断熱壁１３との連結について説明する。左側断熱壁９と奥側断熱壁１３とは、シート部材用連結板２５および固定具２６などで連結されている。この場合、シート部材用連結板２５は、シート部材用連結部材として機能し、固定具２６は第一突出部として機能する。以下、左側断熱壁９と奥側断熱壁１３との連結部分の構成について説明する。なお、右側断熱壁１０と奥側断熱壁１３との連結部分の構成は、左右対称形であることを除いて左側断熱壁９と奥側断熱壁１３との連結部分の構成と同様に構成されている。

　まず、固定具２６について説明する。固定具２６は、左側断熱壁９および奥側断熱壁１３にあって、それぞれ庫内側へ突出して設けられている。固定具２６の構造および固定具２６の取付部分の構造は、左側断熱壁９および奥側断熱壁１３で共通しているため、以下、左側断熱壁９の固定具２６について述べる。固定具２６は、例えばＡＢＳ樹脂などの合成樹脂製であって、上下方向へ長い矩形の直方体状に形成されている。固定具２６は、鍔状部２６ａおよびねじ孔部２６ｃを有している。鍔状部２６ａは、固定具２６の直方体状の一端部側にあって、上下方向へ突出して設けられている。ねじ孔部２６ｃは、固定具２６の直方体状の他端面から一端部側へ向かって形成された雌ねじである。

　左側断熱壁９を組み立てる際、まず、左単位パネル１６Ａに対して、固定具２６を接着する。ここで、左内板部１５Ａすなわちシール部材Ｓａは、予め形成されたやや縦長な矩形状の孔部１５ｕを有している。固定具２６は、左単位パネル１６Ａに接着された後、孔部１５ｕに対して、左内板部１５Ａの裏側すなわち左単位パネル１６Ａ側から表側すなわち貯蔵室側へ向かって挿入される。このとき、左単位パネル１６Ａと左内板部１５Ａとの間には接着剤が設けられている。そのため、左単位パネル１６Ａと左内板部１５Ａとは接着される。このとき、鍔状部２６ａが左内板部１５Ａと左単位パネル１６Ａとの間に挟まれることによって、固定具２６は固定される。このように、固定具２６は、左側断熱壁９に取り付けられて内箱１５内に突出している。そして、固定具２６は、左側断熱壁９および奥側断熱壁１３における隣接するそれぞれの端部において上下複数個所に設けられている。

　図１および図２に示すように、シート部材用連結板２５は、左内板部１５Ａと上下方向においてほぼ同じ長さに形成されている。図９に示すように、シート部材用連結板２５は、水平方向の両端縁部おいて、Ｌ形に凹んだ凹み部２５ａを有している。凹み部２５ａは、それぞれ固定具２６に対応している。凹み部２５ａには、ねじ挿通孔部２５ｂが形成されている。ねじ挿通孔部２５ｂには、ねじ２７が通されている。ねじ２７は、固定具２６のねじ孔部２６ｃにねじ込まれている。これにより、左内板部１５Ａと奥内板部１５Ｅとがシート部材用連結板２５によって連結されている。シート部材用連結板２５は、冷蔵室５７、野菜室５８、小冷凍室５９、製氷室６０、冷凍室６１の両側のコーナーに設けられている。

　シート部材用連結板２５の裏側の空間部、すなわち、シート部材用連結板２５と左内板部１５Ａと奥内板部１５Ｅとで囲まれた空間には、発泡スチロール２８およびソフトテープ２９が設けられている。この発泡スチロール２８およびソフトテープ２９は、断熱部材として機能する。

　なお、冷凍サイクルの配管は、図９の発泡スチロール２８部分において上下方向へ延びるように通しても良い。
　左側断熱壁９および右側断熱壁１０には、図１および図５に示すように、棚板支持具３０が設けられている。以下、図１６～図１８も参照して、棚板支持具３０の構成について説明する。なお、右側断熱壁１０に設けられた棚板支持具３０は、左側断熱壁９に設けられた棚板支持具３０と同様に構成されている。

　棚板支持具３０は、シート部材Ｓａで構成された内板部１５Ａ、１５Ｂとは別部品であって、例えばＡＢＳ樹脂などの合成樹脂で構成されている。棚板支持具３０は、本体部３０ａ、棚板支持部３０ｂ、およびねじ孔部３０ｃを一体に有している。本体部３０ａは、上下方向に長い矩形の板状に形成されている。棚板支持部３０ｂは、本体部３０ａの一方の面に設けられ、庫内側へ突出している。この場合、棚板支持部３０ｂは、第二突出部として機能する。棚板支持部３０ｂは、本体部３０ａに対して上下方向へ三つ並んで設けられている。ねじ孔部３０ｃは、本体部３０ａの棚板支持部３０ｂに対応する位置に設けられている。各ねじ孔部３０ｃは、それぞれ本体部３０ａにおいて棚板支持部３０ｂと反対側の面から棚板支持部３０ｂ側へ向かって本体部３０ａを貫き、さらに棚板支持部３０ｂを途中まで貫いて形成されている。ねじ孔部３０ｃは、内側に雌ねじが形成されている。ねじ孔部３０ｃは、締結部材係合部として機能する。ねじ孔部３０ｃの開口周縁部には、円錐形に開口したいわゆる皿モミ形状の座ぐり３０ｄが形成されている。

　左内板部１５Ａは、図１７に示すように、ねじ挿通孔部３１を有している。ねじ挿通孔部３１は、締結部材挿通孔部として機能する。ねじ挿通孔部３１は、図１に示す冷蔵室５７に相当する部分において、上下方向へ三つ並んで設けられている。なお、図１７では、三つのねじ挿通孔部３１のうち一つについて示している。棚板支持具３０は、左側断熱壁９を組み立てる前に、左内板部１５Ａに取り付けられる。この場合、棚板支持具３０のねじ孔部３０ｃには、左内板部１５Ａのねじ挿通孔部３１に通された皿ねじ３２がねじ込まれる。これにより、棚板支持具３０は、左内板部１５Ａ内面すなわち冷蔵室５７側の面において、冷蔵室５７側へ突出した形態で固定される。この場合、皿ねじ３２は、締結部材として機能する。

　この場合、左内板部１５Ａは、シート部材であるため若干の変形が可能である。そのため、皿ねじ３２をねじ孔部３０ｃにねじ込む過程で、皿ねじ３２の皿状のねじ頭部３２ａは、座ぐり３０ｄに当たるまで、左内板部１５Ａのねじ挿通孔部３１周縁部を庫内側すなわち冷蔵室５７側へ膨出するように皿状に変形させる。この結果、図１８に示すように、ねじ挿通孔部３１の周縁部３１ａは、左単位パネル１６Ａに対して離間する。また、皿ねじ３２の端部であるねじ頭部３２ａは、左内板部１５Ａの裏面から左単位パネル１６Ａ側へ突出しない。

　左側断熱壁９および右側断熱壁１０には、図１、図２、および図５に示すように、ガイドレール取付具３３、３４が設けられている。ガイドレール取付具３３は、野菜室５８に対応し、ガイドレール取付具３４は、冷凍室６１に対応している。ガイドレール取付具３３、３４は、いずれも合成樹脂製であってシート部材とは別部品で構成されている。ガイドレール取付具３３、３４は、左右の内板部１５Ａ、１５Ｂから庫内側へ突出する第二突出部として機能する。

　ガイドレール取付具３３、３４は、棚板支持具３０と同様に、左内板部１５Ａおよび右内板部１５Ｂに取り付けられている。なお、ガイドレール取付具３３、３４には、図示しないガイドレールが設けられる。このガイドレールは、詳細は図示しないが、引き出し式扉５、８と一体化された容器を引き出し可能に支持する。

　左側断熱壁９および右側断熱壁１０には、図１、図２、および図５に示すように、仕切り壁支持具３５、３６が設けられている。仕切り壁支持具３５は、第一仕切り壁５５を支持し、仕切り壁支持具３６は、第二仕切り壁５６を支持する。仕切り壁支持具３５、３６は、いずれも合成樹脂製であってシート部材とは別部品で構成されている。仕切り壁支持具３５、３６は、固定具２６と同様の構成によって、内板部１５Ａ、１５Ｂに取り付けられている。この場合、仕切り壁支持具３５、３６は、左右の内板部１５Ａ、１５Ｂから庫内側へ突出する第一突出部として機能する。

　奥側断熱壁１３における内箱１５内面、つまりシート部材Ｓｂで構成された奥内板部１５Ｅには、適宜の箇所に、背面カバー取付具３７が設けられている。背面カバー取付具３７は、合成樹脂製であって、シート部材Ｓｂで構成された奥内板部１５Ｅとは別部品である。背面カバー取付具３７は、奥内板部１５Ｅから庫内側へ突出する突出部として機能する。背面カバー取付具３７は、奥側断熱壁１３の前方部分に配置されるダクトなどを隠すための背面カバーを取り付けるためのものである。背面カバー取付具３７は、固定具２６と同様の構成によって、奥内板部１５Ｅに取り付けられている。この場合、背面カバー取付具３７は、奥内板部１５Ｅから庫内側へ突出する第一突出部として機能する。

　各断熱壁９～１３は、各内板部と各単位パネルとの間には発泡ウレタンを充填していない。
　また、図２に示すように、冷凍室６１の奥部には、冷凍サイクルの蒸発器６４が配設されている。蒸発器６４の下方には、排水受け部１８が設けられている。排水受け部１８は、蒸発器６４に付着した霜を除霜した際に発生する除霜水を受け、その除霜水を奥側断熱壁１３外部下部へ導出する。

　次に、図１５を参照し、横梁部材５２と、左側断熱壁９および右側断熱壁１０との連結部分の構成について説明する。なお、図１５では、横梁部材５２と、左側断熱壁９との連結部分を示しているが、右側断熱壁１０での連結部分の構成も左右対称形であることを除いて同様に構成されている。横梁部材５２は、前面部を構成する前面仕切り板５２ａと、補強板５２ｂと、裏仕切りカバー５２ｃと、断熱材５２ｄとを有している。左側断熱壁９の左外板部１４Ａは、前面部１４Ａ１を有している。前面部１４Ａ１は、先端部を折り返して形成された折り返し部１４Ａ２を有している。

　前面仕切り板５２ａは、補強板５２ｂと折り返し部１４Ａ２とで挟まれている。横梁部材５２を組み立てる際、まず、前面仕切り板５２ａと補強板５２ｂとを、ねじ６３により一体化する。そして、前面仕切り板５２ａおよび補強板５２ｂの左端部を、左外板部１４Ａの前面部１４Ａ１裏側に挿入する。その後、ねじ６２を、左外板部１４Ａの折り返し部１４Ａ２および前面仕切り板５２ａの端部の穴に通し、補強板５２ｂのねじ孔にねじ込む。これにより、前面仕切り板５２ａは、補強板５２ｂと折り返し部１４Ａ２との間に挟まれて固定される。

　前面仕切り板５２ａの後側には、断熱材５２ｄを収容した裏仕切りカバー５２ｃが取り付けられている。前面仕切り板５２ａにより、断熱箱体２における前面開口の左右縁部を連結することで、左側断熱壁９と右側断熱壁１０とが固定される。これにより、断熱箱体２における前面開口が開いたり縮んだりすることを防止でき、貯蔵室を直方体に保つことができる。

　なお、前面仕切り板５２ａの強度が十分である場合には、補強板５２ｂを設けなくても良い。
　また、裏仕切りカバー５２ｃは、図示しないが、下方に突出する取付部を有し、この取付部が、前記固定具２６と同様の固定具によりねじ止めされている。

　上記第一実施形態によれば、内箱１５の左内板部１５Ａおよび右内板部１５Ｂは、平板状のシート部材Ｓａで構成されている。また、奥内板部１５Ｅは、平板状のシート部材Ｓｂで構成されている。これによれば、左内板部１５Ａ、右内板部１５Ｂ、および奥内板部１５Ｅは、製造の際に成形型を必要とせず、したがって製作が極めて簡単となり、その結果、製作コストの低減にも寄与できる。

　なお、内箱１５における他の部分である上内板部１５Ｃおよび下内板部１５Ｄは、型による一体成形品とした。しかし、内箱１５全体を大きな型によって一体成形する従来構成に比べて、製作が容易であり、また製作コストも低減できる。総じて冷蔵庫１のコストの低廉化に寄与できる。
　この場合、左内板部１５Ａ、右内板部１５Ｂ、上内板部１５Ｃ、下内板部１５Ｄ、奥内板部１５Ｅの少なくとも一つをシート部材で構成すれば良い。

　また、この実施形態において、内箱１５は、左内板部１５Ａ、右内板部１５Ｂ、上内板部１５Ｃ、下内板部１５Ｄ、奥内板部１５Ｅを組み合わせて構成されている。この場合、隣接する二つの内板部である左内板部１５Ａ、奥内板部１５Ｅ、右内板部１５Ｂは、それぞれ別々のシート部材で分割して構成されている。そして、この隣接する内板部間である左内板部１５Ａと奥内板部１５Ｅとの間、および右内板部１５Ｂと奥内板部１５Ｅとの間には、それぞれ隣接する内板部を連結するシート部材用連結部材としてのシート部材用連結板２５、２５が設けられている。

　これによれば、シート部材で構成された左内板部１５Ａと奥内板部１５Ｅ、および右内板部１５Ｂと奥内板部１５Ｅを、別部品のシート部材用連結板２５、２５を用いることで簡単に連結することができ、組み立ての簡単化を図り得る。

　また、第一実施形態において、断熱箱体２は、複数に分割された単位断熱壁、すなわち、左側断熱壁９、右側断熱壁１０、上側断熱壁１１、下側断熱壁１２、奥側断熱壁１３を連結して構成されている。従来構成において、断熱箱体は、分割されていない外箱と内箱との組み立てにより構成していたため、大型で組み立て作業も大がかりであった。しかし、本実施形態では、断熱箱体２は、真空断熱パネルを有する断熱壁９～１３を組み立てることにより構成できるため、組み立てが簡単であり、組み立て作業が大がかりなものとならず、作業も容易となる。

　また、第一実施形態によれば、内箱１５においてシート部材で構成された部分の前端部と外箱１４の前端部とを前端用連結部材２１によって連結している。そのため、内箱１５においてシート部材で構成された部分であっても、外箱１４と別部品である前端用連結部材２１により簡単に組み立てる、つまり接合することができる。

　また、第一実施形態において、内箱１５は、上側断熱壁１１においてＬ状部１７を有し、下側断熱壁１２において排水受け部１８を有している。Ｌ状部１７は、上内板部１５Ｃに一体に形成され、排水受け部１８は、下内板部１５Ｄに一体に形成されている。これによれば、Ｌ状部１７や排水受け部１８は、複雑な形状であっても、内板部１５Ｃ、１５Ｄに対して一体成形することにより容易に形成することができる。

　また、第一実施形態において、内箱１５は、シート部材Ｓａ、Ｓｂとは別部品で構成されて庫内側へ突出する第一突出部である固定具２６を有している。固定具２６は、左側断熱壁９が組み立てられる前の段階において、左単位パネル１６Ａに例えば直接接着される。そして、シート部材Ｓａで構成された左右の内板部１５Ａ、１５Ｂ、およびシート部材Ｓｂで構成された奥内板部１５Ｅには、孔部１５ｕが形成されている。固定具２６は、孔部１５ｕに通されて設けられる。

　これによれば、固定具２６を孔部１５ｕに挿入することで、内箱１５すなわちシート部材Ｓａ、Ｓｂに対して固定具２６の位置を決定することができる。なお、仕切り壁支持具３５、３６、および背面カバー取付具３７も、固定具２６と同様の取付構造としている。したがって、仕切り壁支持具３５、３６、および背面カバー取付具３７も、固定具２６と同様に位置が決定される。

　なお、固定具２６は、左側断熱壁９が組み立てられる前の段階において、孔部１５ｕに対し、シート部材Ｓａ、Ｓｂの裏側から挿入し接着するようにしても良い。これによれば、固定具２６とシート部材とを一体の状態で取り扱うことができる。そのため、単位断熱壁を組み立てる際に、単位パネルと、固定具２６およびシート部材Ｓａ、Ｓｂの一体品とを接着でき、組み立て作業性が良くなる。

　図１３に示すように、単位パネル１６Ａにおける固定具２６取付面を窪ませても良い。これによれば、シート部材Ｓａを湾曲させることなく、固定具２６を取り付けることができる。

　また、仮に単位パネル１６Ａが膨らんだ場合でも、内板部１５Ａがシート部材Ｓａから構成されているから、内板部１５Ａが割れることなく若干変形する程度で済む。
　また、固定具２６、棚板支持具３０、ガイドレール取付具３３、３４、仕切り壁支持具３５、３６は、異なる機種の冷蔵庫の断熱箱体にも、共通して使用することができる。

　また、第一実施形態によれば、固定具２６は、左単位パネル１６Ａ、右単位パネル１６Ｂおよび奥単位パネル１６Ｅに直接接着される。このため、各単位パネル１６Ａ、１６Ｂ、１６Ｅは、それぞれ固定具２６を対応する各内板部１５Ａ、１５Ｂ、１５Ｅの孔部１５ｕに挿入することで、各内板部１５Ａ、１５Ｂ、１５Ｅに対して容易に位置を決定することができる。この場合、固定具２６は、接着性の良いＡＢＳ樹脂製で構成されているため、固定具２６と各単位パネル１６Ａ、１６Ｂ、１６Ｅとの接着強度の向上が図られる。

　また、仕切り壁支持具３５、３６、および背面カバー取付具３７も、固定具２６と同様の取付構造としている。したがって、これら仕切り壁支持具３５、３６、および背面カバー取付具３７も、各内板部と各単位パネルとの位置合わせに寄与できる。
　なお、固定具２６は、別部材を介して各単位パネル１６Ａ、１６Ｂ、１６Ｅに接着しても良い。

　また、上記第一実施形態において、固定具２６は、孔部１５ｕよりも大きい鍔状部２６ａを有している。そして、鍔状部２６ａは、シート部材Ｓａ、Ｓｂと、これらに対応する単位パネルとの間に挟まれている。これによれば、固定具２６は、鍔状部２６ａによって孔部１５ｕから抜けることを抑制できる。また、鍔状部２６ａを対応する内板部に接着することができ、当該対応する内板部の強度向上にも寄与できる。また、鍔状部２６ａは薄肉に構成されている。そのため、固定具２６は、鍔状部２６ａをたわませることで、庫内側から孔部１５ｕを通し、当該内板部と単位パネルとの間に挿入することもできる。

　また、第一実施形態において、内箱１５は、第二突出部として棚板支持部３０ｂを有している。棚板支持部３０ｂを有する棚板支持具３０は、左右の内板部１５Ａ、１５Ｂを構成するシート部材Ｓａとは別部品で構成されて、庫内側へ突出している。シート部材Ｓａには、ねじ挿通孔部３１が形成されている。棚板支持具３０は、ねじ挿通孔部３１に対してシート部材Ｓａの裏側つまり庫内と反対側から、庫内側へ向かって通された皿ねじ３２によって、シート部材Ｓａの表面側すなわち庫内側の面に固定されている。

　これによれば、棚板支持具３０は、シート部材Ｓａに対して締結部材である皿ねじ３２によって取り付けることができる。なお、この場合、締結部材としてリベットを用いても良い。リベットは、例えばシート部材Ｓａおよび棚板支持具３０を貫通し、その両端部がかしめられることで、棚板支持具３０をシート部材Ｓａに固定する。

　また、第一実施形態において、ねじ挿通孔部３１の周縁部３１ａは、真空断熱パネルである左右の単位パネル１６Ａ、１６Ｂから離間している。すなわち、皿ねじ３２のねじ頭部３２ａは、ねじ挿通孔部３１の周縁部３１ａから左右の単位パネル１６Ａ、１６Ｂ側へそれぞれ突出していない。

　これによれば、ねじ頭部３２ａは、各内板部１５Ａ、１５Ｂの裏面すなわち単位パネル１６Ａ、１６Ｂ側へ突出していない。そのため、ねじ頭部３２ａが各単位パネル１６Ａ、１６Ｂに接触することが回避される。したがって、ねじ頭部３２ａの接触により各単位パネル１６Ａ、１６Ｂの包体２０が損傷することを回避できる。また、左単位パネル１６Ａと左内板部１５Ａとの接着、および右単位パネル１６Ｂと右内板部１５Ｂとの接着は、ねじ頭部３２ａによって阻害されることがない。

　さらに、棚板支持具３０は、ねじ孔部３０ｃの開口周縁部を、皿状の座ぐり３０ｄとしている。これにより、皿ねじ３２をねじ孔部３０ｃにねじ込む際、シート部材Ｓａにおけるねじ挿通孔部３１の周縁部３１ａは、座ぐり３０ｄ側へ変形し、自ずと左右の単位パネル１６Ａ、１６Ｂから離間する。これによれば、シート部材Ｓａに、ねじ頭部３２ａを納めるための窪みをわざわざ形成する必要がない。

　なお、ガイドレール取付具３３、３４も、棚板支持具３０と同様の取付構造としている。したがって、ガイドレール取付具３３、３４部分についても、棚板支持具３０と同様の効果を奏する。また、右側断熱壁１０に設けられた図示しない棚板支持具３０、ガイドレール取付具３３、３４部分についても、棚板支持具３０と同様の効果を奏する。

　（第二実施形態）
　図１９～図２７は、第二実施形態を示している。第二実施形態では、左側断熱壁９‐２および右側断熱壁１０‐２の構成が第一実施形態と異なる。以下、異なる点について、左側断熱壁９‐２を例に説明する。なお、右側断熱壁１０‐２は、左側断熱壁９‐２と左右対称であることを除いて同様に構成されている。

　左側断熱壁９‐２において、内箱１５の一部である左内板部１５Ａ‐２は、第三突出部として、棚板支持部４０ａ、４０ｂ、４０ｃ、ガイドレール取付部４１ａ、４１ｂ、および仕切り壁支持部４２ａ、４２ｂを有している。左内板部１５Ａ‐２は、これら棚板支持部４０ａ、４０ｂ、４０ｃ、ガイドレール取付部４１ａ、４１ｂ、および仕切り壁支持部４２ａ、４２ｂを一体に形成した一体成形品Ｉｃで構成されている。一体成形品Ｉｃは、型による成形、例えばインジェクション成形や真空成形により形成される。棚板支持部４０ａ、４０ｂ、４０ｃ、ガイドレール取付部４１ａ、４１ｂ、および仕切り壁支持部４２ａ、４２ｂは、それぞれ庫内側へ突出している。

　図２１に示すように、左内板部１５Ａ‐２は、奥側端部にシート部材用連結部２５‐２を有している。シート部材用連結部２５‐２は、左内板部１５Ａ‐２と一体に形成されている。シート部材用連結部２５‐２は、左内板部１５Ａ‐２と奥内板部１５Ｅとを連結するためのシート部材用連結部材として機能する。シート部材用連結部２５‐２は、図２２に示すように、奥内板部１５Ｅに取り付けられた固定具２６によって、奥側断熱壁１３に連結される。

　図２１に示すように、棚板支持部４０ａ、４０ｂ、４０ｃと、ガイドレール取付部４１ａ、４１ｂとは、前後方向の長さが異なる。この場合、ガイドレール取付部４１ａ、４１ｂは、棚板支持部４０ａ、４０ｂ、４０ｃに比べて前後方向に長い。一方、棚板支持部４０ａ、４０ｂ、４０ｃ、およびガイドレール取付部４１ａ、４１ｂは、上下方向の断面形状が同様に構成されている。このように、ガイドレール取付部４１ａ、４１ｂは、具体的な形状を除いて、棚板支持部４０ａ、４０ｂ、４０ｃとほぼ同様に構成されている。したがって、以下では、棚板支持部４０ａについて説明し、棚板支持部４０ｂ、４０ｃ、およびガイドレール取付部４１ａ、４１ｂの説明については省略する。

　棚板支持部４０ａは、図２２～図２５に示すように、一体成形品Ｉｃとして左内板部１５Ａ‐２と一体に形成されている。棚板支持部４０ａは、左内板部１５Ａ‐２の庫内側の面から庫内方向へ突出している。棚板支持部４０ａは、図２３に示すように、庫内と反対側の面の一部にねじボス部４３が形成されている。ねじボス部４３には、ねじ孔部４３ａが形成されている。

　棚板支持部４０ａの庫内と反対側の内面部分には、補強部材として例えば金属板製の補強板４４が取り付けられる。補強板４４は、棚板支持部４０ａの庫内と反対側の内面に沿う形状に形成されている。補強板４４は、ボス部嵌合部４４ａを有している。ボス部嵌合部４４ａには、ねじ挿通孔部４４ｂが形成されている。補強板４４は、ボス部嵌合部４４ａを棚板支持部４０ａの内面部分に当てた形態で、ねじ挿通孔部４４ｂにねじ４５を通す。そして、そのねじ４５をねじ孔部４３ａにねじ込むことによって、補強板４４は、棚板支持部４０ａすなわち左内板部１５Ａ‐２に取り付けられる。これにより、補強板４４は、棚板支持部４０ａを補強している。

　仕切り壁支持部４２ａ、４２ｂは、第一実施形態の仕切り壁支持具３５、３６に相当する。図２６および図２７に示すように、仕切り壁支持部４２ａ、４２ｂの内面には、補強部材として例えば金属板製の補強板４６が設けられている。補強板４６は、ねじ４７によって取り付けられている。このように、仕切り壁支持部４２ａ、４２ｂは、補強板４６によって補強されている。

　なお、補強板４４、４６のねじ止めは必要に応じて行えば良い。例えば、補強板４４、４６は、ねじに換えて接着する構成でも良い。この場合、補強板４４、４６は、左単位パネル１６Ａと左内板部１５Ａ‐２との間にあって、突出部である棚板支持部４０ａ、４０ｂ、４０ｃ、ガイドレール取付部４１ａ、４１ｂ、仕切り壁支持部４２ａ、４２ｂを補強する構成であれば良い。

　第二実施形態によれば、第三突出部である棚板支持部４０ａ、４０ｂ、４０ｃ、ガイドレール取付部４１ａ、４１ｂ、および仕切り壁支持部４２ａ、４２ｂは、一体成形品Ｉｃとして一体に構成されている。そのため、これら第三突出部を別部品で構成する必要がない。そして、第三突出部である棚板支持部４０ａ、４０ｂ、４０ｃ、ガイドレール取付部４１ａ、４１ｂ、および仕切り壁支持部４２ａ、４２ｂは、補強板４４、４６によって補強されている。そのため、本実施形態による第三突出部は、突出部を別部品とする構成に比べて強度の低い材料を用いた場合であっても、十分な強度を得ることができる。したがって、本実施形態によれば、一体成形品Ｉｃの材料として、ＡＢＳ樹脂に比べて強度は低いが低コストである例えばポリプロピレン材料などのオレフィン樹脂を用いることができる。

　（第三実施形態）
　図２８および図２９は第三実施形態を示している。第三実施形態においては、左側断熱壁９‐３および右側断熱壁１０‐３の構成が第一実施形態および第二実施形態と異なる。以下、異なる点について説明する。この場合、左側断熱壁９‐３および右側断熱壁１０‐３は左右対称形であることを除いて同様の構成である。したがって、左側断熱壁９‐３について説明する。

　左側断熱壁９‐３は、図２９に示すように、単位パネル１６Ａおよび左内板部１５Ａを有している。左内板部１５Ａは、上側板部１５Ａａと下側板部１５Ａｂとに分割されている。これら上側板部１５Ａａと下側板部１５Ａｂとは、上下に隣接している。上側板部１５Ａａは、例えばインジェクション成形または真空成形などにより一体成形品Ｉｄとして構成されている。上側板部１５Ａａは、第二実施形態と同様に第三突出部として棚板支持部４０ａ、４０ｂ、４０ｃ、およびシート部材用連結部２５‐２を一体に有している。シート部材用連結部２５‐２は、冷蔵室５７側に位置している。また、図２８に示すように、下側板部１５Ａｂ側と奥内板部１５Ｅとはシート部材用連結板２５‐３によって連結されている。シート部材用連結板２５‐３は、上側板部１５Ａａおよび下側板部１５Ａｂとは別部品として構成されている。そして、シート部材用連結板２５‐３は、野菜室５８、小冷凍室５９、製氷室６０および冷凍室６１側に位置している。

　下側板部１５Ａｂは、平板状のシート部材Ｓｃから構成されている。下側板部１５Ａｂは、第一実施形態と同様に、シート部材Ｓｃとは別部品の第一突出部として固定具２６および仕切り壁支持具３５、３６を有し、第二突出部としてガイドレール取付具３３、３４を有している。突出部は、それぞれ第一実施形態と同様に取り付けられている。このように、上側板部１５Ａａは、冷蔵室５７に位置して冷蔵室５７の内面を構成している。

　この第三実施形態によれば、回転扉３、４を有する冷蔵室５７の内面は、一体成形品Ｉｄである上側板部１５Ａａによって構成されている。そのため、冷蔵室５７内面の見栄えが良い。すなわち、冷蔵室５７の内面は、回転扉３、４を開放した際に、使用者に視認され易い。本実施形態によれば、冷蔵室５７の内面は、棚板支持部４０ａ、４０ｂ、４０ｃを一体に有した一体成形品Ｉｄによって構成されている。そのため、棚板支持部４０ａ、４０ｂ、４０ｃは、上側板部１５Ａａから滑らかに突出する形態となり、したがって、見栄えが良い。また、この構成によれば、棚板支持部４０ａ、４０ｂ、４０ｃと、上側板部１５Ａａとの隙間が形成されないため、隙間に異物などが入り込むこともない。そのため、上側板部１５Ａａの清掃性が向上し、よって衛生面での印象も良くなる。

　（第四実施形態）
　図３０および図３１は第四実施形態を示している。第四実施形態では、棚板支持具３０が、ひれ部３０ｅを有している点で第一実施形態と異なる。この場合、ひれ部３０ｅは、覆い部として機能する。ひれ部３０ｅは、棚板支持具３０における本体部３０ａの周縁部にあって、本体部３０ａと一体に設けられている。図３１に示すように、ひれ部３０ｅは、内箱１５内面側である左内板部１５Ａ側へ傾斜し、弾性変形可能に構成されている。

　ひれ部３０ｅは、棚板支持具３０の取付状態において、内箱１５内面のうち左内板部１５Ａに密接する。このひれ部３０ｅにより、内箱１５内面と棚板支持具３０との間の隙間が隠される。すなわち、皿ねじ３２を棚板支持具３０のねじ孔部３０ｃにねじ込む際、左内板部１５Ａのねじ挿通孔部３１の周縁部３１ａが変形して、ねじ挿通孔部３１部分にシワが発生することがある。そして、このシワによって、左内板部１５Ａと棚板支持具３０との間に隙間が発生することがある。この第四実施形態によれば、この隙間は、ひれ部３０ｅにより隠すことができる。

　（第五実施形態）
　図３２～図３４は第五実施形態を示している。第五実施形態では、次の点が第一実施形態と異なる。すなわち、第一実施形態では、内箱１５の一部を構成する左外板部１４Ａと下外板部１４Ｄと右外板部１４Ｂとは、分割されていた。これに対し、本実施形態では、左外板部１４Ａと下外板部１４Ｄと右外板部１４Ｂとは、連続した外板部１４Ｚによって構成されている。なお、符号１６Ｄは、下外板部１４Ｄと下内板部１５Ｄとの間に設けられた単位パネルを示している。

　この第五実施形態で示すように、外箱１４は、各板部の全部が分割されていなくても良い。
　また、図３０および図３１に示す第四実施形態では、棚板支持具３０にひれ部３０ｅを設けて、内箱１５内面と棚板支持具３０との間の隙間を当該ひれ部３０ｅで隠すようにしたが、棚板支持具３０自体を透明とすることで上記隙間を目立たなくするようにしても良い。

　なお、単位断熱壁としての各断熱壁９～１３の内板部は、全てシート部材で構成されていても良いし、一つの内板部がシート部材で構成されていても良い。また、単位断熱壁は少なくとも２つであれば良い。例えば左側断熱壁９が単独であり、他の断熱壁１０～１３を一体とするように構成してもよい。つまり、断熱壁１０～１３は、外板部を連続して一体としたり、内板部を連続して一体としたり、単位パネルを連続して一体とするように構成しても良い。

　また、単位断熱壁は、内板部と外板部との間に単位パネルを設け、内板部と単位パネルの一面とを接着し、単位パネルの他面と外板部とを接着する構成としても良い。また、単位断熱壁は、内板部と単位パネルの一面とを接着し、単位パネルの他面と外板部との間に発泡ウレタンなどの断熱材を介在させた構成でも良い。
　また、外箱および真空断熱パネルは分割せずに内箱のみを複数の内板部に分割し連結した形態としても良い。

　以上のように本実施形態の冷蔵庫は、外箱と、内箱と、これら外箱および内箱の間に配置される真空断熱パネルとから構成された断熱箱体を備えた冷蔵庫であって、前記内箱の少なくとも一部を平板状のシート部材で構成した。これによれば、大きな型を必要とせず、製作が容易でコスト安となる。

　本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

Claims

　外箱と、前記外箱の内側に設けられた内箱と、前記外箱および前記内箱の間に設けられた真空断熱パネルと、を有する断熱箱体を備え、
　前記内箱の少なくとも一部を平板状のシート部材で構成した冷蔵庫。
　前記内箱は、複数の内板部を有し、
　前記複数の内板部において、隣接する少なくとも二つの内板部は別々の前記シート部材で分割して構成され、
　この隣接する二つの前記内板部の間には、当該二つの内板部を連結するシート部材用連結部材が設けられている請求項１記載の冷蔵庫。
　前記断熱箱体は、複数に分割された単位断熱壁を連結して構成され、
　前記単位断熱壁は、前記外箱を複数に分割した外板部と前記内箱を複数に分割した内板部との間に、前記真空断熱パネルを複数に分割した単位パネルを有し、
　前記複数の内板部のうち少なくとも一つは前記シート部材で構成されている請求項１または２記載の冷蔵庫。
　前記内箱において前記シート部材で構成された部分の前端部と、前記外箱の前端部とは、前端用連結部材によって連結されている請求項１から３いずれか一項記載の冷蔵庫。
　前記内箱は折れ曲がり部を有し、
　前記内箱において前記折れ曲がり部を有する部分は、前記シート部材と異なる部材であって前記折れ曲がり部と一体に形成された一体成型品である請求項１から４いずれか一項記載の冷蔵庫。
　前記内箱は、庫内側へ突出する第一突出部を有し、
　前記第一突出部は、前記シート部材とは別部品で構成され、前記シート部材に形成された孔部に通されている請求項１から５いずれか一項記載の冷蔵庫。
　前記第一突出部は、前記真空断熱パネルに固定されている請求項６に記載の冷蔵庫。
　前記第一突出部は、前記孔部よりも大きい鍔状部を有し、
　該鍔状部は、前記シート部材と前記真空断熱パネルとの間に挟まれている請求項６または７記載の冷蔵庫。
　前記シート部材に形成された締結部材挿通孔部に対して庫内と反対側から通された締結部材をさらに備え、
　前記内箱は、庫内側へ突出する第二突出部を有し、
　前記第二突出部は、前記シート部材とは別部品で構成され、前記締結部材によって前記シート部材の庫内側の面に固定されている請求項１から８いずれか一項記載の冷蔵庫。
　前記締結部材挿通孔部の周縁部は、前記真空断熱パネルから離間し、前記締結部材の端部は、前記締結部材挿通孔部の周縁部から前記真空断熱パネル側へ突出していない請求項９記載の冷蔵庫。
　前記第二突出部は、該第二突出部と前記内板部との隙間を覆う覆い部を有している請求項９または１０記載の冷蔵庫。
　前記第二突出部は透明である請求項９または１０に記載の冷蔵庫。
　前記内箱は、庫内側へ突出する第三突出部を有し、
　前記内箱において前記第三突出部を有する部分は、前記シート部材と異なる部材であって前記第三突出部と一体に形成された一体成形品で構成され、
　前記第三突出部の内部には、該第三突出部を補強する補強部材が設けられている請求項１から１２いずれか一項記載の冷蔵庫。