JPH10205994A - 冷却貯蔵庫の断熱箱体 - Google Patents

冷却貯蔵庫の断熱箱体

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JPH10205994A
JPH10205994A JP1736597A JP1736597A JPH10205994A JP H10205994 A JPH10205994 A JP H10205994A JP 1736597 A JP1736597 A JP 1736597A JP 1736597 A JP1736597 A JP 1736597A JP H10205994 A JPH10205994 A JP H10205994A
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box
heat insulating
insulating material
heat insulation
vacuum heat
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Application number
JP1736597A
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English (en)
Inventor
Hideo Shiraishi
秀雄 白石
Mamoru Satomi
守 里見
Junichi Todo
淳一 藤堂
Hidefumi Mogi
秀文 茂木
Akira Tokui
明 徳井
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空断熱材を外箱の発泡断熱材側の面に取り
付けた冷却貯蔵庫の断熱箱体において、その隅角部にお
ける断熱性能の向上を図る。 【解決手段】 冷却貯蔵庫の断熱箱体は、外箱2と内箱
3間に発泡断熱材4を充填して構成されると共に、外箱
2の発泡断熱材4側の面に真空断熱材71、73を取り
付け、発泡断熱材4中に埋設して成るものであって、真
空断熱材4の端部を、断熱箱体6の隅角部において、当
該真空断熱材71、73に対向する内箱3の面よりも外
方に延在させたものである。

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】
【0001】本発明は、外箱と内箱間に発泡断熱材を充
填すると共に、外箱の発泡断熱材側の面に真空断熱材を
取り付け、発泡断熱材中に埋設して成る冷却貯蔵庫の断
熱箱体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりこの種家庭用冷蔵庫などは、鋼
板製の外箱と硬質樹脂製の内箱間に発泡ポリウレタンな
どの発泡断熱材を現場発泡方式にて充填した断熱箱体か
ら構成されており、この断熱箱体内(庫内)を区画し、
且つ、所定の冷却装置にて冷却することによって、−2
0℃などの凍結温度に冷却される冷凍室や、+5℃など
の冷蔵温度に維持される冷蔵室、そして、野菜などの乾
燥を嫌う食品を保存するための野菜室などを構成してい
る。
【0003】また、近年では冷蔵庫の設置スペースを縮
小し、或いは、その拡大を防止しつつ、庫内有効容積を
拡張するために、断熱箱体の壁厚を薄くする必要が生じ
ており、そのため、例えば特公昭61−17263号公
報(B32B5/18)や特公昭63−35911号公
報(F25D23/06)、或いは、特公平2−544
79号公報(F16L59/06)に示されるような真
空断熱材が用いられるようになって来た。
【0004】この真空断熱材は、ガス(空気など)の透
過を阻止する多層ラミネート構造のフィルム(ガスバリ
アフィルム)の周囲を溶着して成る袋内に、シリカ、パ
ーライトなどの微粉末、及び、グラスファイバ、或い
は、連続気泡の発泡ポリウレタンなどから成る断熱材
(コア材と称する。)を挿入した後、袋内のガスを排気
し、真空状態として密封したものである。
【0005】係る真空断熱材によれば、0.005〜
0.010Kcal/mh℃の熱伝導率が達成されるの
で、特に低温が要求される冷凍室周囲に位置する外箱の
左右側板内面(発泡断熱材側の面)及び背板内面に貼り
付ければ、断熱箱体の壁厚を薄くしても、外箱外から冷
凍室内に侵入する熱を有効に削減することが期待でき
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで、これら真空断
熱材の表面はコア材では無くガスバリアフィルムのみと
なっているが、このガスバリアフィルムは、通常内側の
ポリエチレン若しくはポリプロピレンなどから成る熱溶
着層とアルミニウムなどの金属層及び表面保護層をラミ
ネートすることにより構成されている。
【0007】このように、特にガスバリアフィルムには
金属層が存在し、その熱伝導率は大きくなるため、各真
空断熱材の端部が位置する断熱箱体の隅角部において
は、当該端部のガスバリアフィルムを伝って外箱外から
庫内に侵入する熱量(これをヒートブリッジと云う。)
が多くなり、断熱箱体の断熱性能を低下させる大きな要
因となっていた。
【0008】本発明は、係る従来の技術的課題を解決す
るために成されたものであり、真空断熱材を外箱の発泡
断熱材側の面に取り付けた冷却貯蔵庫の断熱箱体におい
て、その隅角部における断熱性能の向上を図ることを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の冷却貯
蔵庫の断熱箱体は、外箱と内箱間に発泡断熱材を充填し
て構成されると共に、外箱の発泡断熱材側の面に真空断
熱材を取り付け、発泡断熱材中に埋設して成るものであ
って、真空断熱材の端部を、断熱箱体の隅角部におい
て、当該真空断熱材に対向する内箱の面よりも外方に延
在させたものである。
【0010】請求項1の発明によれば、外箱と内箱間に
発泡断熱材を充填して構成されると共に、外箱の発泡断
熱材側の面に真空断熱材を取り付け、発泡断熱材中に埋
設して成る冷却貯蔵庫の断熱箱体において、真空断熱材
の端部を、断熱箱体の隅角部において、当該真空断熱材
に対向する内箱の面よりも外方に延在させたので、断熱
箱体の隅角部において真空断熱材が取り付けられた領域
が拡大され、且つ、その端部は内箱から離間するかたち
となる。
【0011】これにより、真空断熱材の拡大そのものに
よる断熱性能の向上に加えて、熱伝導率の高い真空断熱
材端部のガスバリアフィルムを伝わって内箱側に熱が移
動する所謂ヒートブリッジの影響を低く抑えることがで
きるようになり、総じて断熱箱体の隅角部における断熱
性能を効果的に向上させ、冷却貯蔵庫の冷却能力の向上
と消費電力の削減を図ることができるようになるもので
ある。
【0012】請求項2の発明の冷却貯蔵庫の断熱箱体
は、外箱と内箱間に発泡断熱材を充填して構成されると
共に、外箱の左右側板及び背板の発泡断熱材側の面にそ
れぞれ真空断熱材を取り付け、発泡断熱材中に埋設して
成るものであって、外箱の左右側板に取り付けられた真
空断熱材の端部を、断熱箱体の隅角部において内箱の左
右側面よりも後方に延在させると共に、外箱の背板に取
り付けられた真空断熱材の端部を、断熱箱体の隅角部に
おいて内箱の背面よりも外方に延在させたものである。
【0013】請求項2の発明によれば、外箱と内箱間に
発泡断熱材を充填して構成されると共に、外箱の左右側
板及び背板の発泡断熱材側の面にそれぞれ真空断熱材を
取り付け、発泡断熱材中に埋設して成る冷却貯蔵庫の断
熱箱体において、外箱の左右側板に取り付けられた真空
断熱材の端部を、断熱箱体の隅角部において内箱の左右
側面よりも後方に延在させると共に、外箱の背板に取り
付けられた真空断熱材の端部を、断熱箱体の隅角部にお
いて内箱の背面よりも外方に延在させたので、外箱の左
右側板及び背板に取り付けられた各真空断熱材の領域
は、断熱箱体の隅角部において拡大され、且つ、それら
の端部は内箱から離間すると共に、相互に接近するかた
ちとなる。
【0014】これにより、各真空断熱材の拡大及び相互
の端部が接近することによる断熱性能の向上に加えて、
熱伝導率の高い真空断熱材端部のガスバリアフィルムを
伝わって内箱側に熱が移動する所謂ヒートブリッジの影
響を低く抑えることができるようになり、総じて断熱箱
体の隅角部における断熱性能を効果的に向上させ、冷却
貯蔵庫の冷却能力の向上と消費電力の削減を図ることが
できるようになるものである。
【0015】請求項3の発明の冷却貯蔵庫の断熱箱体
は、上記において各真空断熱材の端面を、端部から内側
に向けて徐々に内方となるよう傾斜させたものである。
【0016】請求項3の発明によれば、上記に加えて各
真空断熱材の端面を、端部から内側に向けて徐々に内方
となるよう傾斜させたので、断熱箱体の隅角部に位置す
る各真空断熱材の端面を相互に対向させ、且つ、近接さ
せることができるようになる。これにより、断熱箱体の
隅角部における断熱性能の向上を図ることができるよう
になるものである。
【0017】請求項4の発明の冷却貯蔵庫の断熱箱体
は、請求項2において各真空断熱材の端面を、端部から
内側に向けて徐々に外方となるよう傾斜させたものであ
る。
【0018】請求項4の発明によれば、請求項2の発明
に加えて各真空断熱材の端面を、端部から内側に向けて
徐々に外方となるよう傾斜させたので、断熱箱体の隅角
部に位置する各真空断熱材の端部を接近させても、それ
らの端面と外箱間には空間を形成することができるよう
になる。
【0019】これにより、断熱箱体の隅角部に位置する
外箱角部に通常形成されるフランジなどを容易に回避す
ることができるようになり、組立作業性が向上すると共
に、真空断熱材自体の拡大に比して外箱に接触するガス
バリアフィルムの面積の拡大は抑制されるようになるの
で、熱伝導率が高いガスバリアフィルムを伝って外箱外
から内箱に移動する熱量を効果的に抑制することができ
るようになるものである。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、図面に基づき本発明の実施
形態を詳述する。図1は本発明を適用した冷却貯蔵庫の
実施例としての家庭用冷蔵庫1の正面図、図2は扉を除
く冷蔵庫1の正面図、図3は冷蔵庫1の縦断側面図、図
4は冷蔵庫1の背面図、図5は冷蔵庫1のもう一つの縦
断側面図、図6は図5のA−A線断面図、図7は図6の
B−B線断面図、図8は冷蔵庫1の透視分解斜視図であ
る。
【0021】実施例の冷蔵庫1は、前方に開口する鋼板
製の外箱2と、硬質樹脂製の内箱3間に発泡ポリウレタ
ンなどの発泡断熱材4を現場発泡方式により充填して成
る断熱箱体6により構成されており、この断熱箱体6の
庫内は、略中央部に設けられた仕切板7によって上下に
区画され、仕切板7の上方を冷蔵温度(+5℃程)に維
持される冷蔵室8としている。
【0022】仕切板7の下方は更に真空断熱材を内蔵し
た断面略L字状の断熱仕切壁9にて上下に区画され、こ
の断熱仕切壁9と仕切板7の間を野菜などの乾燥を嫌う
食品を収納するための野菜室17とし、断熱仕切壁9の
下方を凍結温度(−20℃程)に冷却される冷凍室18
としている。
【0023】前記冷蔵室8内には上下複数段の棚21・
・が架設されており、その下部には氷温(0℃〜−3
℃)に維持される氷温室22が形成されている。また、
冷蔵室8の前面開口は回動式の扉23にて開閉自在に閉
塞されている。
【0024】更に、冷蔵室8の背部には冷蔵室ダクト2
4が上下に渡って形成されており、その左右には冷蔵室
ダクト24の上端部と冷蔵室8内に連通した冷蔵室冷気
吐出口26が上下に複数形成されている。また、前記氷
温室22内にも氷温室冷気吐出口25が形成されると共
に、その奥部及び底部(仕切板7)には冷蔵室冷気戻り
口27が形成されている。
【0025】前記野菜室17の奥上部には前記冷蔵室冷
気戻り口27に連通した野菜室冷気吐出口31が形成さ
れており、更に右上奥には野菜室冷気戻り口32が形成
されている。この野菜室17の前面開口は引き出し式の
扉33により開閉自在に閉塞されると共に、この扉33
の裏面には上面に開口した野菜容器34が取り付けら
れ、この野菜容器34が野菜室17内に配置され、野菜
を収納するかたちとなる。
【0026】前記冷凍室18の背部には仕切板36によ
り冷却室37が画成されており、この冷却室37は冷凍
室18の背方から断熱仕切壁9の背方まで渡っている。
そして、この冷却室37内には冷却装置を構成する冷却
器38が縦設されると共に、この冷却器38の上方の冷
却室37内には送風機39が設置されている。尚、41
は冷却器38の除霜ヒータである。
【0027】この冷凍室18の前面開口は上下二段の引
き出し式の扉42、43により開閉自在に閉塞されると
共に、これら扉42、43の裏面にはそれぞれ上面に開
口した容器44、46が取り付けられ、この容器44、
46が冷凍室18内の上下に配置され、冷凍食品やアイ
スクリームなどを収納するかたちとなる。
【0028】前記仕切板36と冷却器38及び送風機3
9間には冷気分配用ダクト47が形成されており、仕切
板36にはこのダクト47と冷凍室18とに連通した冷
凍室冷気吐出口48、49が各容器44、46の上奥部
に対応して開口している。また、容器46の背方には冷
却室37の下部に連通した冷凍室冷気戻り口51が形成
されている。
【0029】ダクト47の上部には送風機39の側方に
位置して冷気分配口52が形成され、この冷気分配口5
2が冷蔵室ダクト24の下端に連通している。また、冷
却器38の側方には冷蔵室・野菜室冷気戻りダクト53
が形成されており、その上端は前記野菜室冷気戻り口3
2に連通し、その下端は冷却室37の下部に開口した冷
蔵室・野菜室冷気戻り口54にて冷却室37内に連通し
ている。尚、図2では断熱仕切壁9及び仕切板36を撤
去している。
【0030】一方、断熱箱体6の底壁6Aは後部が階段
状に立ち上がる形状とされており、この底壁6Aの後部
外側には機械室56が形成されている。この機械室56
内には冷却装置を構成する圧縮機57、蒸発皿コンデン
サ58及び主コンデンサ59が設置される。また、底壁
6Aが係る形状とされている関係上、冷凍室18の底部
も後部が立ち上がる形状とされ、そのため、下方の容器
46の後面は上方の容器44の後面よりも前方に位置す
るかたちとなる。そして、前記冷却器38は立ち上がっ
た底壁6Aの上方に位置することになる。
【0031】他方外箱2の内面には高温冷媒配管61が
交熱的に添設(貼付)され、断熱箱体6の開口周縁に位
置する外箱2の内面にも高温冷媒配管62が設けられて
いる。そして、圧縮機57の吐出側は前記蒸発皿コンデ
ンサ58に接続され、蒸発皿コンデンサ58の出口は主
コンデンサ59に接続される。主コンデンサ59の出口
は前記高温冷媒配管61に接続され、高温冷媒配管61
の出口は前記開口周縁の高温冷媒配管62に接続され
る。そして、この高温冷媒配管62は図示しないキャピ
ラリチューブを経て前記冷却器38に接続され、冷却器
38の出口は圧縮機57の吸込側に接続される。
【0032】係る構成で、圧縮機57が運転されると、
圧縮機57からは高温高圧のガス冷媒が吐出され、蒸発
皿コンデンサ58、主コンデンサ59に順次流入して放
熱し、凝縮されて行く。主コンデンサ59を出た冷媒は
高温冷媒配管61に流入して更に放熱し、次に、高温冷
媒配管62に流入して開口周縁を加熱する。これによっ
て、開口周縁への結露を解消する。
【0033】高温冷媒配管62を出た冷媒は前記キャピ
ラリチューブにて減圧された後、冷却器38に入って蒸
発する。このときに周囲から熱を奪い、冷却室37内の
空気を冷却する。冷却器38を出た冷媒は再び圧縮機5
7に吸い込まれる。
【0034】前述の如く冷却器38にて冷却された冷気
は上方の送風機39の運転により吸引され、前方の分配
ダクト47に吹き出される。分配ダクト47に吹き出さ
れた冷気は冷凍室冷気吐出口48、49から冷凍室18
内の各容器44、46内に吐出され、−20℃程の凍結
温度に冷却する。尚、冷凍室18内の冷気は冷凍室冷気
戻り口51から冷却器38の吸い込み側の冷却室37内
に帰還する。
【0035】分配ダクト47に吹き出された冷気はま
た、冷気分配口52から冷蔵室ダクト24に流入し、そ
こを上昇した後、各冷蔵室冷気吐出口26・・及び氷温
室冷気吐出口25より冷蔵室8及び氷温室22内に吐出
される。冷蔵室ダクト24内には冷蔵室8内の温度にて
開閉する図示しないダンパーが設けられており、これに
よって、冷蔵室8内は+5℃程の冷蔵温度に維持される
と共に、氷温室22内は0℃〜−3℃程の氷温に維持さ
れる。
【0036】各室8、22内を循環した冷気は冷蔵室冷
気戻り口27に流入して野菜室冷気吐出口31などから
野菜室17内に入り、野菜室容器34内を周囲から保冷
する。そして、野菜室17内を循環した冷気は野菜室冷
気戻り口32より冷蔵室・野菜室冷気戻りダクト53に
流入し、そこを流下して冷蔵室・野菜室冷気戻り口54
より冷却器38の吸い込み側の冷却室37内に帰還す
る。
【0037】一方、冷凍室18の両側方に対応する外箱
2の側板2A、2A内面(発泡断熱材4側の面)には真
空断熱材71、71が貼り付けられると共に、冷凍室1
8の下方に対応する外箱2の底板2B内面(発泡断熱材
4側の面)にも真空断熱材72が貼り付けられ、発泡断
熱材4中に埋設されている。また、冷凍室18の背方の
冷却室37背方に対応する外箱2の背板2C内面(発泡
断熱材4側の面)にも真空断熱材73が貼り付けられ、
発泡断熱材4中に埋設されている。
【0038】各真空断熱材71、72、73は、例えば
内側からポリエチレン若しくはポリプロピレンなどから
成る熱溶着層とアルミニウム層(金属層)及び表面保護
層をラミネートしたガスバリアフィルムを折り返し、二
辺を密着させて熱溶着層を相互に溶着することにより袋
状とし、その状態でシリカ、パーライトなどの微粉末、
及び、グラスファイバ、或いは、連続気泡の発泡ポリウ
レタン断熱材から成るコア材を挿入し、所定の真空排気
装置内において袋内部のガスを排気して真空状態とした
後、残りの一辺の前記熱溶着層を相互に溶着させて密封
することにより、製造されている。
【0039】このうち、冷凍室18の両側方に位置する
真空断熱材71、71の上部は図5に示す如く野菜室1
7を経て冷蔵室8の下部まで延在すると共に、真空断熱
材71、71の下端縁71Aはその後部が前部よりも所
定の角度で徐々に立ち上がる傾斜形状とされている。こ
れにより、真空断熱材71の下端縁71Aは底壁6Aの
形状に近似した形状となり、真空断熱材71、71は機
械室56を避けて冷凍室18底部の前部から後部に渡る
略全域をカバーするようになる。
【0040】これによって、機械室56による断熱箱体
6の底壁6Aの形状に係わらず、真空断熱材71、71
を断熱箱体6の底部に広い面積で貼り付け、その断熱効
果を向上させることができるようになる。特に、最も断
熱したい冷凍室18の側方略全域に真空断熱材71、7
1を設けることができるようになるので、断熱箱体6の
壁厚を薄くして冷蔵庫1の設置スペースをより一層縮小
し、若しくは、有効容積を拡大し、或いは、冷却装置の
消費電力の一層の削減を図ることができるようになる。
【0041】また、真空断熱材71自体が係る形状とな
ることにより、真空断熱材71を構成するコア材が先細
り形状となるので、ガスバリアフィルム内に挿入する作
業も容易となり、真空断熱材71自体の組立作業性も向
上する。
【0042】更に、冷凍室18の下方に位置する真空断
熱材72は底壁6Aの形状に沿って階段状に成形されて
いる。
【0043】一方、冷凍室18の背方に位置する真空断
熱材73は全体としては矩形状を呈している。また、そ
のコア材は図6に示す如く冷却器38と送風機39を含
む領域の背方投影面積よりも大成る寸法とされている。
【0044】ここで、これら真空断熱材の周縁部にはコ
ア材は存在しておらず、ガスバリアフィルムのみとなっ
ているため、真空断熱材の周縁部を含む表面における熱
移動は大きくなり断熱性能は悪化する(これをヒートブ
リッジと云う)。
【0045】これに対して、前述の如く真空断熱材73
のコア材を冷却器38と送風機39を含む領域の背方投
影面積よりも大成る寸法とすれば、係るヒートブリッジ
による悪影響を受けること無く、−30℃〜−35℃な
どの最も低温となる冷却器38の背方を効果的に断熱す
ることができるようになる。
【0046】特に、送風機39の背方もモータなどを設
置する関係から断熱箱体6の壁厚が薄くなるが、真空断
熱材73を設置することによって、断熱性能の低下を防
止することができようになる。
【0047】また、外箱2の左右側板2A、2A内面に
取り付けられた真空断熱材71、71の後端は、図5或
いは図7に示される如く、それに対向する内箱3の左右
側面3A、3Aよりも後方に延在されており(左右側面
3A、3Aの終端の位置を破線L1で示す)、背板2C
内面に取り付けられた真空断熱材73の左右両端も図7
に示される如く、それに対向する内箱3の背面3Cより
も左右外方に延在されている(背面3Cの終端の位置を
破線L2で示す)。尚、図7はこれら真空断熱材71、
73の関係を分かりやすくするために冷凍室18部分の
断熱箱体6の平断面を簡略化して示している。
【0048】更に、底板2B内面に取り付けられた真空
断熱材72の左右端も図6に示す如く内箱3の底面3B
よりも左右外方に延在されている。
【0049】これらにより、外箱2の左右側板2A、2
A、底板2B及び背板2C内面に取り付けられた各真空
断熱材71、71、72、73の領域は、断熱箱体6の
隅角部(図6、図7に6Bで示す)において拡大され、
且つ、それらの端部(図7に各端面を71B、73Bで
示す)は内箱3から離間すると共に、相互に接近する。
【0050】従って、各真空断熱材71、71、72、
73の拡大及び相互の端部(端面71B、73B)が接
近することによる断熱性能の向上に加えて、熱伝導率の
高い真空断熱材(71、72、73)端部のガスバリア
フィルムを伝わって内箱3側に熱が移動する所謂ヒート
ブリッジの影響を低く抑えることができるようになり、
総じて断熱箱体6の隅角部6Bにおける断熱性能を効果
的に向上させ、冷蔵庫1の冷却能力の向上と消費電力の
削減を図ることができるようになる。
【0051】次ぎに、図9は他の実施例の冷蔵庫1の図
7に対応する冷凍室18部分の平断面図を示している。
この場合は図7の構造に加えて、外箱2の左右側板2
A、2A内面の真空断熱材71、71の後縁の端面71
Bと、外箱2の背板2C内面の真空断熱材73の左右縁
の端面73Bは、端部から内側に向けて徐々に内方とな
るよう傾斜せられている。
【0052】これにより、断熱箱体6の隅角部6Bに位
置する各真空断熱材71、71、73の端面71B、7
1B、73Bを相互に対向させ、且つ、近接させること
ができるようになる(図9)。従って、断熱箱体6の隅
角部6Bにおける断熱性能を一層向上させることができ
るようになる。
【0053】次ぎに、図10は更に他の実施例の冷蔵庫
1の図7に対応する冷凍室18部分の平断面図を示して
いる。この場合は図7の構造に加えて、外箱2の左右側
板2A、2A内面の真空断熱材71、71の後縁の端面
71Bと、外箱2の背板2C内面の真空断熱材73の左
右縁の端面73Bは、端部から内側に向けて徐々に外方
となるよう傾斜せられている。
【0054】これにより、断熱箱体6の隅角部6Bに位
置する各真空断熱材71、71、73の端部を接近させ
ても、それらの端面71B、71B、73Bと外箱2間
にはそれらに囲繞された略三角形状の空間P(図10)
が形成されるようになる。
【0055】従って、断熱箱体6の隅角部6Bに位置す
る外箱2の角部にフランジ2Fなどが形成されていて
も、各真空断熱材71、71、73はそれらを容易に回
避することができるようになり、組立作業性が向上する
と共に、真空断熱材71、71、73自体の拡大に比し
て外箱2に接触するガスバリアフィルムの面積の拡大は
抑制されるようになるので、熱伝導率が高いガスバリア
フィルムを伝って外箱2外から内箱3に移動する熱量を
効果的に抑制することができるようになる。
【0056】他方、前記高温冷媒配管61は図8に示す
如く、向かって左側の真空断熱材71の後方の側板2A
内面を下方から上方に立ち上がり、前方にクランク状に
折れ曲がった後、上方に回って天板2D内面を右方に延
在する。そして、下方に回った後、後方にクランク状に
折れ曲がり、右側の真空断熱材71の後方の側板2A内
面を降下する。
【0057】高温冷媒配管61はそこから更に真空断熱
材73の側方の背板2C内面を立ち上がり、真空断熱材
73の上方に位置する背板2Cの内面において蛇行状に
屈曲した後、再び真空断熱材73の側方を降下する形状
とされている。
【0058】このように、下方の冷却器38背方に取り
付けた真空断熱材73の上方の背板2C内面に図4、図
8の如く高温冷媒配管61を貼り付けているので、真空
断熱材71や73の存在に係わらず、高温冷媒配管61
の放熱能力(配管長)を確保して、冷却能力を維持する
ことができるようになる。
【0059】次に、上述の如き冷蔵庫1の断熱箱体6の
組立手順を説明する。先ず、外箱2の内面の上記各位置
に各真空断熱材71、71、72、73をそれぞれ貼り
付けると共に、各高温冷媒配管61、62もこの時点で
外箱2の内面に取り付ける。このとき、外箱2の背板2
C中央部左右にはウレタン注入口75、75が形成され
ており、高温冷媒配管61はこれを避けて取り付けられ
る。
【0060】そして、内箱3を外箱2内に組み込んだ
後、開口を下方として所定の発泡治具内にセットする。
次に、前記ウレタン注入口75、75からポリウレタン
原液を注入し、両箱2、3間に充填するものであるが、
このとき、真空断熱材71、71の厚さ寸法は15m
m、真空断熱材73の厚さ寸法は20mmとされ、断熱
箱体6の冷凍室18部分(図7)の断熱厚さ寸法は側壁
で45mm、背壁で40mm〜50mmとされている。
【0061】他方、断熱箱体6の冷蔵室8部分の断熱厚
さ寸法は側壁で33mm、背壁で30mm〜40mmと
されているので、各真空断熱材71、73の厚さ分を差
し引いた発泡断熱材4の厚さ寸法は、冷凍室18部分と
冷蔵室8部分とで略同等若しくは近似した値となる。従
って、反応成長するポリウレタン原液も両箱2、3間に
略均等に回り、発泡断熱材4は断熱箱体6の各部に略均
一に充填されるようになる。
【0062】尚、実施例では前方に開口する縦型の家庭
用冷蔵庫を採り上げて本発明を説明したが、それに限ら
ず、業務用冷蔵庫や冷凍庫、低温ショーケースなどにも
本発明は有効であり、特に、請求項1の発明では上方に
開口する冷蔵庫や冷凍庫なども含まれることは云うまで
もない。
【0063】
【発明の効果】以上詳述した如く請求項1の発明によれ
ば、外箱と内箱間に発泡断熱材を充填して構成されると
共に、外箱の発泡断熱材側の面に真空断熱材を取り付
け、発泡断熱材中に埋設して成る冷却貯蔵庫の断熱箱体
において、真空断熱材の端部を、断熱箱体の隅角部にお
いて、当該真空断熱材に対向する内箱の面よりも外方に
延在させたので、断熱箱体の隅角部において真空断熱材
が取り付けられた領域が拡大され、且つ、その端部は内
箱から離間するかたちとなる。
【0064】これにより、真空断熱材の拡大そのものに
よる断熱性能の向上に加えて、熱伝導率の高い真空断熱
材端部のガスバリアフィルムを伝わって内箱側に熱が移
動する所謂ヒートブリッジの影響を低く抑えることがで
きるようになり、総じて断熱箱体の隅角部における断熱
性能を効果的に向上させ、冷却貯蔵庫の冷却能力の向上
と消費電力の削減を図ることができるようになるもので
ある。
【0065】請求項2の発明によれば、外箱と内箱間に
発泡断熱材を充填して構成されると共に、外箱の左右側
板及び背板の発泡断熱材側の面にそれぞれ真空断熱材を
取り付け、発泡断熱材中に埋設して成る冷却貯蔵庫の断
熱箱体において、外箱の左右側板に取り付けられた真空
断熱材の端部を、断熱箱体の隅角部において内箱の左右
側面よりも後方に延在させると共に、外箱の背板に取り
付けられた真空断熱材の端部を、断熱箱体の隅角部にお
いて内箱の背面よりも外方に延在させたので、外箱の左
右側板及び背板に取り付けられた各真空断熱材の領域
は、断熱箱体の隅角部において拡大され、且つ、それら
の端部は内箱から離間すると共に、相互に接近するかた
ちとなる。
【0066】これにより、各真空断熱材の拡大及び相互
の端部が接近することによる断熱性能の向上に加えて、
熱伝導率の高い真空断熱材端部のガスバリアフィルムを
伝わって内箱側に熱が移動する所謂ヒートブリッジの影
響を低く抑えることができるようになり、総じて断熱箱
体の隅角部における断熱性能を効果的に向上させ、冷却
貯蔵庫の冷却能力の向上と消費電力の削減を図ることが
できるようになるものである。
【0067】請求項3の発明によれば、上記に加えて各
真空断熱材の端面を、端部から内側に向けて徐々に内方
となるよう傾斜させたので、断熱箱体の隅角部に位置す
る各真空断熱材の端面を相互に対向させ、且つ、近接さ
せることができるようになる。これにより、断熱箱体の
隅角部における断熱性能の向上を図ることができるよう
になるものである。
【0068】請求項4の発明によれば、請求項2の発明
に加えて各真空断熱材の端面を、端部から内側に向けて
徐々に外方となるよう傾斜させたので、断熱箱体の隅角
部に位置する各真空断熱材の端部を接近させても、それ
らの端面と外箱間には空間を形成することができるよう
になる。
【0069】これにより、断熱箱体の隅角部に位置する
外箱角部に通常形成されるフランジなどを容易に回避す
ることができるようになり、組立作業性が向上すると共
に、真空断熱材自体の拡大に比して外箱に接触するガス
バリアフィルムの面積の拡大は抑制されるようになるの
で、熱伝導率が高いガスバリアフィルムを伝って外箱外
から内箱に移動する熱量を効果的に抑制することができ
るようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した冷蔵庫の正面図である。
【図2】扉を除く冷蔵庫の正面図である。
【図3】冷蔵庫の縦断側面図である。
【図4】冷蔵庫の背面図である。
【図5】冷蔵庫のもう一つの縦断側面図である。
【図6】図5のA−A線断面図である。
【図7】図6のB−B線断面図である。
【図8】冷蔵庫の透視分解斜視図である。
【図9】他の実施例の冷蔵庫の図7に対応する平断面図
である。
【図10】もう一つの他の実施例の冷蔵庫の図7に対応
する平断面図である。
【符号の説明】
1 冷蔵庫 2 外箱 3 内箱 4 発泡断熱材 6 断熱箱体 18 冷凍室 71、72、73 真空断熱材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 茂木 秀文 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 徳井 明 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外箱と内箱間に発泡断熱材を充填して構
    成されると共に、前記外箱の前記発泡断熱材側の面に真
    空断熱材を取り付け、発泡断熱材中に埋設して成る冷却
    貯蔵庫の断熱箱体において、 前記真空断熱材の端部を、前記断熱箱体の隅角部におい
    て、当該真空断熱材に対向する前記内箱の面よりも外方
    に延在させたことを特徴とする冷却貯蔵庫の断熱箱体。
  2. 【請求項2】 外箱と内箱間に発泡断熱材を充填して構
    成されると共に、前記外箱の左右側板及び背板の前記発
    泡断熱材側の面にそれぞれ真空断熱材を取り付け、発泡
    断熱材中に埋設して成る冷却貯蔵庫の断熱箱体におい
    て、 前記外箱の左右側板に取り付けられた真空断熱材の端部
    を、前記断熱箱体の隅角部において前記内箱の左右側面
    よりも後方に延在させると共に、前記外箱の背板に取り
    付けられた真空断熱材の端部を、前記断熱箱体の隅角部
    において前記内箱の背面よりも外方に延在させたことを
    特徴とする冷却貯蔵庫の断熱箱体。
  3. 【請求項3】 各真空断熱材の端面は、端部から内側に
    向けて徐々に内方となるよう傾斜していることを特徴と
    する請求項2の冷却貯蔵庫の断熱箱体。
  4. 【請求項4】 各真空断熱材の端面は、端部から内側に
    向けて徐々に外方となるよう傾斜していることを特徴と
    する請求項2の冷却貯蔵庫の断熱箱体。
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