JP2004116785A - 断熱箱体の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 外箱内面に真空断熱材を取り付けた場合にも、発泡断熱材の充填を円滑且つ良好に行うことができる断熱箱体の製造装置を提供する。
【解決手段】 断熱箱体6は、外箱2と、内箱3と、外箱2の内箱3側の面に取り付けられた真空断熱材73とを備え、両箱2、3間に発泡断熱材を現場発泡方式にて充填するための断熱箱体の製造装置であって、内箱3には発泡断熱材充填用の空気抜き孔77を形成し発泡断熱材の充填時に内箱に当接する発泡内治具の空気抜き孔77に対応する位置に、この空気抜き孔77に連通する空気抜き通路81を形成するものである。
【選択図】 図11
【解決手段】 断熱箱体6は、外箱2と、内箱3と、外箱2の内箱3側の面に取り付けられた真空断熱材73とを備え、両箱2、3間に発泡断熱材を現場発泡方式にて充填するための断熱箱体の製造装置であって、内箱3には発泡断熱材充填用の空気抜き孔77を形成し発泡断熱材の充填時に内箱に当接する発泡内治具の空気抜き孔77に対応する位置に、この空気抜き孔77に連通する空気抜き通路81を形成するものである。
【選択図】 図11
Description
本発明は、外箱の内箱側に真空断熱材を取り付け、外箱と内箱間には発泡断熱材を現場発泡方式にて充填して成る断熱箱体の製造装置に関するものである。
従来よりこの種家庭用冷蔵庫は、鋼板製の外箱と硬質樹脂製の内箱間に発泡ポリウレタンなどの発泡断熱材を現場発泡方式にて充填した断熱箱体から構成されており、この断熱箱体内(庫内)を仕切ることによって、−20℃などの凍結温度に冷却される冷凍室や、+5℃などの冷蔵温度に維持される冷蔵室、そして、野菜などの乾燥を嫌う食品を保存するための野菜室などを区画形成している。
特に、近年では頻繁に食品の納出が行われる冷蔵室や野菜室を上方に配置し、長期保存を目的とした冷凍室は庫内の最下部に配置した冷蔵庫が開発されている。
また、近年では冷蔵庫の設置スペースを縮小し、或いは、その拡大を防止しつつ、庫内有効容積を拡張するために、断熱箱体の壁厚を薄くする必要が生じており、そのため、例えば特許文献1や特許文献2、或いは、特許文献3に示されるような真空断熱材が用いられるようになって来た。
この真空断熱材は、ガス(空気など)の透過を阻止する多層ラミネート構造のフィルム(ガスバリアフィルム)の周囲を溶着して成る袋内に、シリカ、パーライトなどの微粉末、及び、グラスファイバ、或いは、連続気泡の発泡ポリウレタンなどから成る断熱材を挿入した後、袋内のガスを排気し、真空状態として密封したものである。
係る真空断熱材によれば、0.005〜0.010Kcal/mh℃の熱伝導率が達成されるので、特に低温が要求される冷凍室周囲の外箱内面(内箱側の面)に取り付ければ、断熱箱体の壁厚を薄くしても、外箱外から冷凍室内に侵入する熱を有効に削減することが可能となる。
特公昭61−17263号公報(B32B5/18)
特公昭63−35911号公報(F25D23/06)
特公平2−54479号公報(F16L59/06)
ところで、係る冷蔵庫の断熱箱体を製造する場合、先ず、真空断熱材が予め貼り付けられた外箱内に内箱を組み込んだ後、前面開口を下にして発泡内治具に被せると共に、外側からは発泡外治具を宛う。その状態で、外箱の背板の例えば上下方向の中央部左右に形成された注入口からポリウレタン原液を注入し、両箱間に反応成長(発泡)・固化させて充填するものであるが、この際の成長の過程で両箱間の空気を両箱外に逃がさなければならない。
このための空気抜き孔は、従来一般的には発泡の最終段階となる外箱の背板適所に穿設されるものであったが、冷凍室の背方に当たる外箱背板内面に真空断熱材を取り付けてしまうと、発泡断熱材の充填時に空気抜きができなくなり、この部分に未充填部分や低密度で強度不足となる箇所が発生してしまう問題が生じていた。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、外箱内面に真空断熱材を取り付けた場合にも、発泡断熱材の充填を円滑且つ良好に行うことができる断熱箱体の製造装置を提供するものである。
本発明の断熱箱体は、外箱と、内箱と、外箱の内箱側の面に取り付けられた真空断熱材とを備え、両箱間に発泡断熱材を現場発泡方式にて充填して成るものであって、内箱には発泡断熱材充填用の空気抜き孔を形成したものである。
本発明によれば、外箱と、内箱と、外箱の内箱側の面に取り付けられた真空断熱材とを備え、両箱間に発泡断熱材を現場発泡方式にて充填して成る断熱箱体において、前記内箱に発泡断熱材充填用の空気抜き孔を形成したので、外箱の内箱側の面に真空断熱材が取り付けられているにも拘わらず、内箱側の空気抜き孔から発泡断熱材の反応成長時の空気抜きを行うことができるようになり、発泡断熱材の未充填部や低密度箇所の発生を効果的に解消し、均一な密度の発泡充填を実現することができるようになるものである。
本発明の断熱箱体の製造装置は、上記発泡断熱材の充填時に内箱に当接する発泡内治具を備え、この発泡内治具には、内箱の空気抜き孔に対応する位置に、当該空気抜き孔に連通する空気抜き通路が形成されているものである。
本発明によれば、上記発泡断熱材の充填時に内箱に当接する発泡内治具を備え、この発泡内治具には、内箱の空気抜き孔に対応する位置に、当該空気抜き孔に連通する空気抜き通路を形成したので、内箱に形成した空気抜き孔からの排気を円滑に行い、発泡断熱材の充填をより一層均一且つ良好に行うことができるようになるものである。
以上詳述した如く本発明によれば、外箱と、内箱と、外箱の内箱側の面に取り付けられた真空断熱材とを備え、両箱間に発泡断熱材を現場発泡方式にて充填して成る断熱箱体において、前記内箱に発泡断熱材充填用の空気抜き孔を形成したので、外箱の内箱側の面に真空断熱材が取り付けられているにも拘わらず、内箱側の空気抜き孔から発泡断熱材の反応成長時の空気抜きを行うことができるようになり、発泡断熱材の未充填部や低密度箇所の発生を効果的に解消し、均一な密度の発泡充填を実現することができるようになるものである。
そして、上記発泡断熱材の充填時に内箱に当接する発泡内治具を備え、この発泡内治具には、内箱の空気抜き孔に対応する位置に、当該空気抜き孔に連通する空気抜き通路を形成したので、内箱に形成した空気抜き孔からの排気を円滑に行い、発泡断熱材の充填をより一層均一且つ良好に行うことができるようになるものである。
次に、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。
図1は本発明を適用した実施例としての冷蔵庫1の正面図、図2は扉を除く冷蔵庫1の正面図、図3は冷蔵庫1の縦断側面図、図4は冷蔵庫1の背面図、図5は冷蔵庫1のもう一つの縦断側面図、図6は図5のA−A線断面図、図7は図6のB−B線断面図、図8は図6のC−C線断面図、図9は冷蔵庫1の透視分解斜視図である。
冷蔵庫1は、前方に開口する鋼板製の外箱2と、硬質樹脂製の内箱3間に発泡ポリウレタン断熱材4を現場発泡方式により充填して成る断熱箱体6により構成されており、この断熱箱体6の庫内は、略中央部に設けられた仕切板7によって上下に区画され、仕切板7の上方を冷蔵温度(+5℃程)に維持される冷蔵室8としている。
仕切板7の下方は更に真空断熱材を内蔵した断面略L字状の断熱仕切壁9にて上下に区画され、この断熱仕切壁9と仕切板7の間を野菜などの乾燥を嫌う食品を収納するための野菜室17とし、断熱仕切壁9の下方を凍結温度(−20℃程)に冷却される冷凍室18としている。
前記冷蔵室8内には上下複数段の棚21・・が架設されており、その下部には氷温(0℃〜−3℃)に維持される氷温室22が形成されている。また、冷蔵室8の前面開口は回動式の扉23にて開閉自在に閉塞されている。
更に、冷蔵室8の背部には冷蔵室ダクト24が上下に渡って形成されており、その左右には冷蔵室ダクト24の上端部と冷蔵室8内に連通した冷蔵室冷気吐出口26が上下に複数形成されている。また、前記氷温室22内にも氷温室冷気吐出口25が形成されると共に、その奥部及び底部(仕切板7)には冷蔵室冷気戻り口27が形成されている。
前記野菜室17の奥上部には前記冷蔵室冷気戻り口27に連通した野菜室冷気吐出口31が形成されており、更に右上奥には野菜室冷気戻り口32が形成されている。この野菜室17の前面開口は引き出し式の扉33により開閉自在に閉塞されると共に、この扉33の裏面には上面に開口した野菜容器34が取り付けられ、この野菜容器34が野菜室17内に配置され、野菜を収納するかたちとなる。
前記冷凍室18の背部には仕切板36により冷却室37が画成されており、この冷却室37は冷凍室18の背方から断熱仕切壁9の背方まで渡っている。そして、この冷却室37内には冷却装置を構成する冷却器38が縦設されると共に、この冷却器38の上方の冷却室37内には送風機39が設置されている。尚、41は冷却器38の除霜ヒータである。
この冷凍室18の前面開口は上下二段の引き出し式の扉42、43により開閉自在に閉塞されると共に、これら扉42、43の裏面にはそれぞれ上面に開口した容器44、46が取り付けられ、この容器44、46が冷凍室18内の上下に配置され、冷凍食品やアイスクリームなどを収納するかたちとなる。
前記仕切板36と冷却器38及び送風機39間には冷気分配用ダクト47が形成されており、仕切板36にはこのダクト47と冷凍室18とに連通した冷凍室冷気吐出口48、49が各容器44、46の上奥部に対応して開口している。また、容器46の背方には冷却室37の下部に連通した冷凍室冷気戻り口51が形成されている。
ダクト47の上部には送風機39の側方に位置して冷気分配口52が形成され、この冷気分配口52が冷蔵室ダクト24の下端に連通している。また、冷却器38の側方には冷蔵室・野菜室冷気戻りダクト53が形成されており、その上端は前記野菜室冷気戻り口32に連通し、その下端は冷却室37の下部に開口した冷蔵室・野菜室冷気戻り口54にて冷却室37内に連通している。尚、図2では断熱仕切壁9及び仕切板36を撤去している。
一方、断熱箱体6の底壁6Aは後部が階段状に立ち上がる形状とされており、この底壁6Aの後部外側には機械室56が形成されている。この機械室56内には冷却装置を構成する圧縮機57、蒸発皿コンデンサ58及び主コンデンサ59が設置される。また、底壁6Aが係る形状とされている関係上、冷凍室18の底部も後部が立ち上がる形状とされ、そのため、下方の容器46の後面は上方の容器44の後面よりも前方に位置するかたちとなる。そして、前記冷却器38は立ち上がった底壁6Aの上方に位置することになる。
他方外箱2の内面には高温冷媒配管61が交熱的に添設(貼付)され、断熱箱体6の開口周縁に位置する外箱2の内面にも高温冷媒配管62が設けられている。そして、圧縮機57の吐出側は前記蒸発皿コンデンサ58に接続され、蒸発皿コンデンサ58の出口は主コンデンサ59に接続される。主コンデンサ59の出口は前記高温冷媒配管61に接続され、高温冷媒配管61の出口は前記開口周縁の高温冷媒配管62に接続される。そして、この高温冷媒配管62は図示しないキャピラリチューブを経て前記冷却器38に接続され、冷却器38の出口は圧縮機57の吸込側に接続される。
係る構成で、圧縮機57が運転されると、圧縮機57からは高温高圧のガス冷媒が吐出され、蒸発皿コンデンサ58、主コンデンサ59に順次流入して放熱し、凝縮されて行く。主コンデンサ59を出た冷媒は高温冷媒配管61に流入して更に放熱し、次に、高温冷媒配管62に流入して開口周縁を加熱する。これによって、開口周縁への結露を解消する。
高温冷媒配管62を出た冷媒は前記キャピラリチューブにて減圧された後、冷却器38に入って蒸発する。このときに周囲から熱を奪い、冷却室37内の空気を冷却する。冷却器38を出た冷媒は再び圧縮機57に吸い込まれる。
前述の如く冷却器38にて冷却された冷気は上方の送風機39の運転により吸引され、前方の分配ダクト47に吹き出される。分配ダクト47に吹き出された冷気は冷凍室冷気吐出口48、49から冷凍室18内の各容器44、46内に吐出され、−20℃程の凍結温度に冷却する。尚、冷凍室18内の冷気は冷凍室冷気戻り口51から冷却器38の吸い込み側の冷却室37内に帰還する。
分配ダクト47に吹き出された冷気はまた、冷気分配口52から冷蔵室ダクト24に流入し、そこを上昇した後、各冷蔵室冷気吐出口26・・及び氷温室冷気吐出口25より冷蔵室8及び氷温室22内に吐出される。冷蔵室ダクト24内には冷蔵室8内の温度にて開閉する図示しないダンパーが設けられており、これによって、冷蔵室8内は+5℃程の冷蔵温度に維持されると共に、氷温室22内は0℃〜−3℃程の氷温に維持される。
各室8、22内を循環した冷気は冷蔵室冷気戻り口27に流入して野菜室冷気吐出口31などから野菜室17内に入り、野菜室容器34内を周囲から保冷する。そして、野菜室17内を循環した冷気は野菜室冷気戻り口32より冷蔵室・野菜室冷気戻りダクト53に流入し、そこを流下して冷蔵室・野菜室冷気戻り口54より冷却器38の吸い込み側の冷却室37内に帰還する。
一方、冷凍室18の両側方に対応する外箱2の側板2A、2A内面には真空断熱材71、71が貼り付けられると共に、冷凍室18の下方に対応する外箱2の底板2B内面にも真空断熱材72が貼り付けられ、断熱材4内に埋設されている。また、冷凍室18の背方の冷却室37背方に対応する外箱2の背板2C内面にも真空断熱材73が貼り付けられ、断熱材4内に埋設されている。
各真空断熱材71、72、73は、例えば内側からポリエチレン若しくはポリプロピレンなどから成る熱溶着層とアルミニウム層及び表面保護層をラミネートしたガスバリアフィルムを折り返し、二辺を密着させて熱溶着層を相互に溶着することにより袋状とし、その状態でシリカ、パーライトなどの微粉末、及び、グラスファイバ、或いは、連続気泡の発泡ポリウレタン断熱材から成るコア材を挿入し、所定の真空排気装置内において袋内部のガスを排気して真空状態とした後、残りの一辺の前記熱溶着層を相互に溶着させて密封することにより、製造されている。
このうち、冷凍室18の両側方に位置する真空断熱材71、71の上部は図5に示す如く野菜室17を経て冷蔵室8の下部まで延在すると共に、真空断熱材71、71の下端縁71Aはその後部が前部よりも所定の角度で徐々に立ち上がる傾斜形状とされている。これにより、真空断熱材71の下端縁71Aは底壁6Aの形状に近似した形状となり、真空断熱材71、71は機械室56を避けて冷凍室18底部の前部から後部に渡る略全域をカバーするようになる。
これによって、機械室56による断熱箱体6の底壁6Aの形状に係わらず、真空断熱材71、71を断熱箱体6の底部に広い面積で貼り付け、その断熱効果を向上させることができるようになる。特に、最も断熱したい冷凍室18の側方略全域に真空断熱材71、71を設けることができるようになるので、断熱箱体6の壁厚を薄くして冷蔵庫1の設置スペースをより一層縮小し、若しくは、有効容積を拡大し、或いは、冷却装置の消費電力の一層の削減を図ることができるようになる。
また、真空断熱材71を係る形状とするために、真空断熱材71を構成するコア材も先細り形状となるので、ガスバリアフィルム内に挿入する作業も容易となり、真空断熱材71自体の組立作業性も向上する。尚、この場合コア材が細くなる先端側となるガスバリアフィルムの熱溶着部分は略三角形状に余る状態となるが、この余り部分はコア材の形状に沿って切除するものとする。
更に、冷凍室18の下方に位置する真空断熱材72は底壁6Aの形状に沿って階段状に成形されている。
一方、冷凍室18の背方に位置する真空断熱材73は全体としては矩形状を呈している。また、そのコア材は図6に示す如く冷却器38と送風機39を含む領域の背方投影面積よりも大成る寸法とされている。
ここで、これら真空断熱材の周縁部にはコア材は存在しておらず、ガスバリアフィルムのみとなっているため、真空断熱材の周縁部における熱移動は大きくなり断熱性能は悪化する(これをヒートブリッジと云う)。
これに対して、前述の如く真空断熱材73のコア材を冷却器38と送風機39を含む領域の背方投影面積よりも大成る寸法とすれば、係るヒートブリッジによる悪影響を受けること無く、−30℃〜−35℃などの最も低温となる冷却器38の背方を効果的に断熱することができるようになる。
特に、送風機39の背方もモータなどを設置する関係から断熱箱体6の壁厚が薄くなるが、真空断熱材73を設置することによって、断熱性能の低下を防止することができようになる。
他方、前記高温冷媒配管61は図9に示す如く、向かって左側の真空断熱材71の後方の側板2A内面を下方から上方に立ち上がり、前方にクランク状に折れ曲がった後、上方に回って天板2D内面を右方に延在する。そして、下方に回った後、後方にクランク状に折れ曲がり、右側の真空断熱材71の後方の側板2A内面を降下する。
高温冷媒配管61はそこから更に真空断熱材73の側方の背板2C内面を立ち上がり、真空断熱材73の上方に位置する背板2Cの内面において蛇行状に屈曲した後、再び真空断熱材73の側方を降下する形状とされている。
このように、下方の冷却器38背方に取り付けた真空断熱材73の上方の背板2C内面に図4、図9の如く高温冷媒配管61を貼り付けているので、真空断熱材71や73の存在に係わらず、高温冷媒配管61の放熱能力(配管長)を確保して、冷却能力を維持することができるようになる。
次に、上述の如き冷蔵庫1の断熱箱体6の組立手順を説明する。先ず、外箱2の内面の上記各位置に各真空断熱材71、71、72、73をそれぞれ貼り付けると共に、各高温冷媒配管61、62もこの時点で外箱2の内面に取り付ける。
このとき、外箱2の背板2Cの上下方向の略中央部左右(真空断熱材71の側方に位置する箇所)には、図4、図10に示す如くウレタン注入口75、75が形成されており、更に、真空断熱材73を避けた位置には複数の空気抜き孔76・・・が穿設されている。尚、これら空気抜き孔76・・・は内側から空気が流通可能な不織布テープなどで塞がれる。そして、前記高温冷媒配管61はこれら注入口75、75、空気抜き孔76・・を避けて取り付けられる。
また、内箱3の冷却器38後側に対応する位置、即ち、真空断熱材73の前方に対応することになる位置には、図10に示す如く複数の空気抜き孔77・・が穿設されており、この空気抜き孔77・・の外面(外箱2側の面)も前述同様に空気が流通可能な不織布テープなどで塞がれる。
一方、発泡断熱材を充填する際に用いられる発泡内治具78と発泡外治具(図示せず)の内、発泡内治具78の前記内箱3の空気抜き孔77・・に対応することになる位置には、図11、図12に示す如く碁盤目状の空気抜き溝79が上記空気抜き孔77・・をカバーできる範囲で形成されており、更に、この空気抜き溝79内には発泡内治具78外に連通する空気抜き孔81・・が複数穿設されている。これら空気抜き溝79と空気抜き孔81・・とで空気抜き通路を構成する。
次ぎに、発泡断熱材4の充填を行う際には、内箱3を外箱2内に組み込む。
このとき、真空断熱材71、71の厚さ寸法は15mm、真空断熱材73の厚さ寸法は20mmとされ、断熱箱体6の冷凍室18部分(図8)の断熱厚さ寸法は側壁で45mm、背壁で40mm〜50mmとされている。
他方、断熱箱体6の冷蔵室8部分(図7)の断熱厚さ寸法は側壁で33mm、背壁で30mm〜40mmとされているので、各真空断熱材71、73の厚さ分を差し引いた断熱材4の厚さ寸法は、冷凍室18部分と冷蔵室8部分とで略同等若しくは近似した値となっている。
係る状態のものを図11に矢印で示す如く開口を下側として発泡内治具78に被せ、外箱2の外側から図示しない発泡外治具を宛う。この状態で、前記ウレタン注入口75、75からポリウレタン原液を注入し、両箱2、3間に充填すると、原液は両箱2、3間の下端部に一旦流下した後、或いは、流下しながら反応を開始し、両箱2、3間を上方に向けて成長して行く。
この成長により追い立てられた両箱2、3間の空気は外箱2の空気抜き孔76・・から図示しない発泡外治具を経て排気されると共に、真空断熱材73の下方(治具にセットされた状態で下方)に位置する部分においては、内箱3に形成された空気抜き孔77・・から発泡内治具78側に出て、前記空気抜き溝79−空気抜き孔81の経路で外部に排気される。
このように本発明では、内箱3に空気抜き孔77・・を形成しているので、外箱2の内面に真空断熱材73が取り付けられているにも拘わらず、内箱3側の空気抜き孔77・・から発泡断熱材4の反応成長時の空気抜きを行うことができるようになり、発泡断熱材4の未充填部や低密度箇所の発生を効果的に解消し、均一な密度の発泡充填を実現することができるようになる。
各真空断熱材71、73の厚さ分を差し引いた断熱材4の厚さ寸法は、前述の如く冷凍室18部分と冷蔵室8部分とで略同等若しくは近似した値とされているので、これによっても反応成長するポリウレタン原液が両箱2、3間に略均等に回ることができるようになり、断熱材4を断熱箱体6の各部に略均一に充填することができるようになるものである。
尚、内箱3の空気抜き孔77・・の前方には断熱箱体6の完成後に冷却器38の図示しない後板(鋼板製)が取り付けられ、隠蔽されると共に、その前方には冷却器38が取り付けられることになる。
1 冷蔵庫
2 外箱
3 内箱
4 ポリウレタン断熱材
18 冷凍室
38 冷却器
73 真空断熱材
75 ウレタン注入口
77 空気抜き孔
78 発泡内治具
79 空気抜き溝
81 空気抜き孔
2 外箱
3 内箱
4 ポリウレタン断熱材
18 冷凍室
38 冷却器
73 真空断熱材
75 ウレタン注入口
77 空気抜き孔
78 発泡内治具
79 空気抜き溝
81 空気抜き孔
Claims (1)
- 外箱(2)と、内箱(3)と、前記外箱(2)の前記内箱側の面に取り付けられた真空断熱材(73)とを備え、前記両箱間に発泡断熱材を現場発泡方式にて充填して成る断熱箱体の製造装置において、
前記発泡断熱材充填用の空気抜き孔(77)を形成した前記内箱(3)に当接する発泡内治具(78)の前記空気抜き孔(77)に対応する位置に、前記空気抜き孔(77)に連通する空気抜き通路(81)を形成したことを特徴とする断熱箱体の製造装置。
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