WO2012124068A1 - エレベーターの制御装置 - Google Patents

Abstract

　据付及び調整の手間を大幅に簡素化でき、且つ、据付や調整を行う作業者の技能に関わらず、かご位置を高精度に検出できるエレベーターの制御装置を提供する。　本制御装置は、綱車の回転を検出するエンコーダと、エンコーダの検出結果に基づいてかご位置を検出する第１位置検出手段とを備える。また、本制御装置は、昇降路の終端部に設けられた画像表示部と、かごに設けられた画像検出部とを備える。画像検出部は、画像表示部に表示された画像を検出する。第２位置検出手段は、画像検出部の検出結果に基づいてかご位置を検出する。そして、画像書込み部は、上記第１位置検出手段及び第２位置検出手段によって検出されたかご位置に基づいて、画像表示部に表示された画像の位置を調整する。

Description

エレベーターの制御装置

　この発明は、トラクション駆動方式を採用したエレベーターの制御装置に関するものである。

　下記特許文献１及び２には、エレベーターのかご位置検出に関する技術が開示されている。
　特許文献１に記載のものでは、エレベーターのかごにカムスイッチを設置している。このカムスイッチは、昇降路の上端部或いは下端部にかごが進入すると動作し、かご位置に応じた信号を出力する。このため、例えば、主ロープと綱車との間に滑りが発生した場合でも、昇降路の終端部では、かご位置を確実に検出することができる。

　特許文献２に記載のものでは、エレベーターの昇降路の上下に渡って、位置コードを表示している。そして、エレベーターのかごに設置されたカメラによってこの位置コードを読み取り、かご位置を検出している。

日本特開平７－２２３７８３号公報 日本特開２００５－１２６１６４号公報

　特許文献１に記載のものでは、カムスイッチの据付及び位置調整に多大な手間と時間とを要するとともに、作業者の技能によって据付精度に差が生じるといった問題があった。また、カムスイッチが動作する際に騒音が発生するといった問題もあった。

　一方、特許文献２に記載のものでは、騒音の心配はないものの、他は特許文献１と同様の問題が発生してしまう。特に、位置コードを表示するための部材を昇降路の上下に渡って設置する必要があるため、昇降行程が長いエレベーターでは、コストが大幅に増加してしまう。

　この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、据付及び調整の手間を大幅に簡素化でき、且つ、据付や調整を行う作業者の技能に関わらず、かご位置を高精度に検出できるエレベーターの制御装置を提供することである。

　この発明に係るエレベーターの制御装置は、エレベーターの綱車の回転を検出するエンコーダと、エンコーダの検出結果に基づいて、エレベーターのかごの現在位置を検出する第１位置検出手段と、昇降路の終端部に設けられ、所定の位置情報を表す画像を表示する画像表示部と、かごに設けられ、画像表示部に表示された画像を検出する画像検出部と、画像検出部の検出結果に基づいて、かごの現在位置を検出する第２位置検出手段と、第１位置検出手段及び第２位置検出手段によって検出されたかご位置に基づいて、画像表示部に表示された画像の位置を調整する画像書込み部と、を備えたものである。

　また、この発明に係るエレベーターの制御装置は、エレベーターの綱車の回転を検出するエンコーダと、エンコーダの検出結果に基づいて、エレベーターのかごの現在位置を検出する第１位置検出手段と、昇降路の終端部に設けられ、所定の位置情報を表す画像を表示する画像表示部と、かごに設けられ、画像表示部に表示された画像を検出する画像検出部と、画像検出部の検出結果に基づいて、かごの現在位置を検出する第２位置検出手段と、第１位置検出手段及び第２位置検出手段によって検出されたかご位置に基づいて、かごの動作を制御する制御手段と、を備え、画像表示部は、所定の機器が接続されることによって機器から画像の表示位置を変更することが可能であり、且つ、電力が供給されなくても表示内容の保持が可能なものである。

　この発明によれば、据付及び調整の手間を大幅に簡素化でき、且つ、据付や調整を行う作業者の技能に関わらず、かご位置を高精度に検出できるようになる。

この発明の実施の形態１におけるエレベーターの制御装置を示す構成図である。 図１に示す制御装置の機能を説明するための図である。 この発明の実施の形態１におけるエレベーターの制御装置の動作を示すフローチャートである。

　この発明をより詳細に説明するため、添付の図面に従ってこれを説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。

実施の形態１．
　図１はこの発明の実施の形態１におけるエレベーターの制御装置を示す構成図である。
　図１において、１はエレベーターの昇降路、２はエレベーターのかご、３はつり合いおもりである。かご２及びつり合いおもり３は、主ロープ４により、昇降路１内で釣瓶式に懸架されている。

　５はエレベーターの駆動装置からなる巻上機の綱車、６は巻上機のモータである。主ロープ４は、その一部が綱車５に巻き掛けられている。かご２は、綱車５の回転に連動して主ロープ４がその長手に移動することにより、主ロープ４の移動方向に応じた方向に、昇降路１内を昇降する。即ち、図１は、トラクション駆動方式を採用したエレベーターを示している。なお、つり合いおもり３は、かご２とは逆方向に昇降路１内を昇降する。

　７はかご２の昇降を案内するためのガイドレールである。ガイドレール７は、昇降路１内に鉛直に設置されている。８は制動装置、９はエンコーダである。制動装置８及びエンコーダ９は、巻上機の一部として構成しても良い。

　制動装置８は、かご２を静止保持するためのものである。制動装置８は、かご２の停止時に動作し、綱車５が回転することを阻止する。
　エンコーダ９は、綱車５の回転を検出するためのものである。エンコーダ９は、例えば、綱車５の軸に設置され、綱車５の回転方向及び回転角度に応じた信号を出力する

　エンコーダ９から出力された信号は、エレベーターの制御盤１０に入力される。制御盤１０には、位置検出回路１１及び１２、制御回路１３が備えられている。位置検出回路１１は、エンコーダ９からの信号（検出結果）に基づいて、かご２の現在位置（かご位置）を検出する。なお、位置検出回路１１の機能は、エンコーダ９自体に備えさせても良い。かかる場合、制御盤１０には、かご位置を表す位置情報がエンコーダ９から入力される。

　上述したように、エンコーダ９は、綱車５の回転に応じた信号を出力する。このため、主ロープ４と綱車５との間に滑りが発生すると、位置検出回路１１によって検出されるかご位置が、実際のかご位置からずれてしまう。一方、エレベーターのかご２が昇降路１の終端部（上端部・下端部）に接近した場合は、かご２の衝突を回避するため、減速・停止といった制御を適切なタイミングで行わなければならない。このような理由から、本エレベーターには、エンコーダ９及び位置検出回路１１からなる手段とは別に、かご位置検知手段が備えられている。

　上記かご位置検知手段は、昇降路１の終端部（上端部・下端部）においてかご２の存在を正確に検知するためのものである。かご位置検知手段は、画像表示部１４及び１５、画像検出部１６、位置検出回路１２、制御回路１３により、その要部が構成される。

　画像表示部１４及び１５は、所定の位置情報を表す画像を表示するためのものである。画像表示部１４及び１５としては、例えば、電子ペーパーが用いられる。上記画像を表示する部分を電子ペーパーで構成することにより、その表示内容（画像）や表示位置を任意に変更することができる。また、電子ペーパーであれば、電力が供給されなくても、表示内容を長期に渡って保持することができる。

　画像表示部１４は、昇降路１の上端部に設けられている。画像表示部１４は、例えば、支持腕１７を介してガイドレール７の上端部に固定される。画像表示部１５は、昇降路１の下端部に設けられている。画像表示部１５は、例えば、支持腕１８を介してガイドレール７の下端部に固定される。画像表示部１４及び１５は、上記画像を表示するための表示面が、かご２の昇降方向に沿って、かご２側を向くように配置されている。

　画像検出部１６は、画像表示部１４及び１５に表示された画像を検出するためのものである。画像検出部１６は、かご２に設けられている。画像検出部１６は、かご２が所定の上方位置に達した際に画像表示部１４に対向するように配置されている。即ち、かご２が上記上方位置に達すると、画像検出部１６により、画像表示部１４に表示された画像が検出される。画像検出部１６は、画像表示部１４の画像を検出すると、その検出結果（画像情報）を制御盤１０に対して出力する。同様に、画像検出部１６は、かご２が所定の下方位置に達した際に画像表示部１５に対向するように配置されている。かご２が上記下方位置に達すると、画像検出部１６により、画像表示部１５に表示された画像が検出される。画像検出部１６は、画像表示部１５の画像を検出すると、その検出結果（画像情報）を制御盤１０に対して出力する。

　制御盤１０の位置検出回路１２は、画像検出部１６からの情報（検出結果）に基づいて、かご２の現在位置を検出する。例えば、位置検出回路１２は、画像検出部１６から送信されてきた画像情報を解析して既登録情報と比較し、かご２が上記上方位置或いは下方位置にいるのかを判定する。なお、位置検出回路１２の機能は、画像検出部１６自体に備えさせても良い。かかる場合、制御盤１０には、かご位置を示す位置情報が画像検出部１６から入力される。

　制御回路１３は、通常運転時、位置検出回路１１によって検出されたかご位置や着床スイッチ（図示せず）からの信号に基づいて、かご２の動作を制御する。また、制御回路１３は、位置検出回路１２によって検出されたかご位置に基づいて、かご２の動作を変更する。例えば、制御回路１３は、位置検出回路１２によって、かご２が所定の上方位置或いは下方位置にいることが検出されると、減速・停止といった制御を適切なタイミングで実施する。

　次に、図２及び図３も参照し、位置情報を表す画像を画像表示部１４及び１５に適切に表示させる方法について説明する。図２は図１に示す制御装置の機能を説明するための図、図３はこの発明の実施の形態１におけるエレベーターの制御装置の動作を示すフローチャートである。

　図１に示す１９は、画像表示部１４及び１５に画像を表示させたり、画像の表示位置を調整したりするための画像書込み部である。画像書込み部１９は、画像表示部１４及び１５に画像の書込みを行う必要がある時、例えば、エレベーターの据付時や保守時に、制御盤１０と画像表示部１４及び１５とに接続される。

　所定の位置情報を表す画像は、エレベーターの安全な運行を確保するため、かご２の動作変更を行うために必要な位置（高さ）に表示させなければならない。例えば、画像検出部１６が画像表示部１４（或いは１５）に表示された画像を検出してから制御回路１３によってかご２の動作変更（例えば、減速・停止）が開始されるまでには、位置検出回路１２及び制御回路１３が演算に要する時間が経過してしまう。このため、昇降路１の終端部においてかご位置を正確に検出するためには、位置検出回路１２及び制御回路１３による演算遅れも考慮して、画像表示部１４及び１５に上記画像を表示させなければならない。また、画像検出部１６によって上記画像を確実に検出するためには、画像の長さ（かご２の昇降方向の幅）も、ある程度必要になる。

　具体的には、終端階の高さから上記画像の中間階側の端までの距離をＢとすると、距離Ｂは次式によって表すことができる（図２参照）。

　ここで、
　Ａ：終端階の高さからかご２を検知したい高さまでの距離
　Δｔ_１：位置検出回路１２の演算遅れ
　Δｔ_２：制御回路１３の演算遅れ
　ｖ：かご２の走行速度
である。画像書込み部１９は、上記演算遅れΔｔ_１及びΔｔ_２も考慮して、例えば、上記式１で算出されたＢの高さからＡの高さまでの間に、位置情報を表す画像を表示させる。画像表示部１４及び１５に表示させる上記画像は、例えば、図２に示すバーコードのような簡単なもので良い。

　上記画像の具体的な表示設定方法は、図３に示す通りである。
　エレベーターの据付時、巻上機や画像表示部１４及び１５といった必要な機器を取り付けた後、画像書込み部１９を制御盤１０と画像表示部１４及び１５とに接続する。画像書込み部１９は、画像表示部１４及び１５に、所定の位置情報を表す画像を表示させる。

　次に、かご２を最上階及び最下階の間で往復走行させる。具体的には、先ず、かご２を下方に走行させて最下階に停止させる（Ｓ１０１）。次に、かご２を上方に走行させて最上階に停止させる（Ｓ１０２）。更に、かご２を下方に走行させて最下階に停止させる（Ｓ１０３）。

　Ｓ１０１乃至Ｓ１０３でかご２を往復走行させている間、制御盤１０では、位置検出回路１１及び１２が、入力情報に基づいてかご位置の検出を行う。制御回路１３は、位置検出回路１１によって検出されたかご位置と位置検出回路１２によって検出されたかご位置とを比較し、画像表示部１４及び１５に表示されている画像の表示位置誤差を算出する。制御回路１３は、表示位置の誤差を算出すると、その算出結果（誤差）を画像書込み部１９に伝送する（Ｓ１０４）。画像書込み部１９は、制御回路１３によって算出された誤差に基づいて、画像の表示位置が上記式１を満足するように、画像表示部１４及び１５に表示された画像の位置を調整（変更）する（Ｓ１０５）。

　例えば、エレベーターの据付時であれば、かご２の往復走行時に主ロープ４と綱車５との間に滑りが発生していないことを確認することができる。このため、画像書込み部１９は、位置検出回路１１によって検出されたかご位置を基準にして、画像表示部１４及び１５に表示された画像の位置調整を行う。

　なお、Ｓ１０４における処理は、画像書込み部１９において実施しても良い。かかる場合、画像書込み部１９には、位置検出回路１１によって検出されたかご位置と位置検出回路１２によって検出されたかご位置とが入力される。

　そして、上記画像の表示位置が適切に設定されると、画像書込み部１９が制御盤１０と画像表示部１４及び１５とから取り外される。

　上記構成を有する制御装置であれば、昇降路１の終端部において、かご位置を高精度に検出できるようになる。その検出精度も、据付や調整を行う作業者の技能によって左右されることはない。また、画像の位置調整が画像表示部１４及び１５の設置後に可能であるため、据付及び調整の手間を大幅に簡素化させることができる。

　画像表示部１４及び１５として電子ペーパーを用いれば、無給電でも表示内容を保持することができるため、画像設定後の維持費も低減できる。また、画像書込み部１９を接続しなければ画像表示部１４及び１５の表示内容及び表示位置を変更することができないため、いたずらや誤動作も防止できる。更に、画像書込み部１９を着脱自在に構成すれば、画像書込み部１９を個々のエレベーターに設置しておく必要が無い。このため、低コストで上記機能を実現できる。

　なお、画像表示部１４に複数の画像を表示させる場合は、一つの画像の表示位置が適切に設定できれば、他の画像の表示位置は、上記一画像との相対的な関係で容易に設定することができる。画像表示部１５についても同様である。

　この発明に係る制御装置は、昇降路の終端部でかご位置を検出する機能を備えたエレベーターに適用することができる。

　１　昇降路
　２　かご
　３　つり合いおもり
　４　主ロープ
　５　綱車
　６　モータ
　７　ガイドレール
　８　制動装置
　９　エンコーダ
　１０　制御盤
　１１、１２　位置検出回路
　１３　制御回路
　１４、１５　画像表示部
　１６　画像検出部
　１７、１８　支持腕
　１９　画像書込み部

Claims (5)

1. 　エレベーターの綱車の回転を検出するエンコーダと、
   　前記エンコーダの検出結果に基づいて、エレベーターのかごの現在位置を検出する第１位置検出手段と、
   　昇降路の終端部に設けられ、所定の位置情報を表す画像を表示する画像表示部と、
   　前記かごに設けられ、前記画像表示部に表示された画像を検出する画像検出部と、
   　前記画像検出部の検出結果に基づいて、前記かごの現在位置を検出する第２位置検出手段と、
   　前記第１位置検出手段及び前記第２位置検出手段によって検出されたかご位置に基づいて、前記画像表示部に表示された画像の位置を調整する画像書込み部と、
   を備えたエレベーターの制御装置。
2. 　前記画像表示部は、画像を表示する部分が電子ペーパーからなり、電力が供給されなくても表示内容の保持が可能なことを特徴とする請求項１に記載のエレベーターの制御装置。
3. 　前記第２位置検出手段によって検出されたかご位置に基づいて、前記かごの動作を変更する制御手段と、
   を更に備え、
   　前記画像書込み部は、前記画像検出部が前記画像表示部に表示された画像を検出してから前記制御手段が前記かごの動作変更を開始するまでの時間の経過も考慮して、画像の位置調整を行うことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のエレベーターの制御装置。
4. 　エレベーターの綱車の回転を検出するエンコーダと、
   　前記エンコーダの検出結果に基づいて、エレベーターのかごの現在位置を検出する第１位置検出手段と、
   　昇降路の終端部に設けられ、所定の位置情報を表す画像を表示する画像表示部と、
   　前記かごに設けられ、前記画像表示部に表示された画像を検出する画像検出部と、
   　前記画像検出部の検出結果に基づいて、前記かごの現在位置を検出する第２位置検出手段と、
   　前記第１位置検出手段及び前記第２位置検出手段によって検出されたかご位置に基づいて、前記かごの動作を制御する制御手段と、
   を備え、
   　前記画像表示部は、所定の機器が接続されることによって前記機器から画像の表示位置を変更することが可能であり、且つ、電力が供給されなくても表示内容の保持が可能なことを特徴とするエレベーターの制御装置。
5. 　前記画像表示部は、画像を表示する部分が電子ペーパーからなることを特徴とする請求項４に記載のエレベーターの制御装置。

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