WO2011132587A1 - 細胞観察装置および細胞観察方法 - Google Patents
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Abstract
反射干渉計測用光源106と、定量位相計測用光源105と、反射干渉計測用光源106から放射され細胞101から反射される光を撮像することにより、反射干渉画像を生成する反射干渉検出用カメラ110と、定量位相計測用光源105から放射され細胞101を透過する光を撮像することにより、定量位相画像を生成する定量位相検出用カメラ112と、反射干渉画像と定量位相画像との間で、空間的な位置を一致させることにより、両画像の位置合わせを行う画像位置合わせ部201と、定量位相画像との間で位置合わせが行われた反射干渉画像より、第1パラメータを抽出する第1抽出部204と、反射干渉画像との間で位置合わせが行われた定量位相画像より、第2パラメータを抽出する第2抽出部205と、を備える。
Description
本発明は、細胞観察装置および細胞観察方法に関するものである。
従来、細胞に例えば蛍光ラベルを付するなど、細胞の状態を侵襲的な方法により判別・評価することが行われていた。しかし、このような方法では、細胞に毒性のある色素を用いたり、細胞を固定液を用いて固定して処理したりするために、処理後に細胞を再利用することはできず、細胞を自然な状態で評価したり、評価後に培養を継続したり、移植に用いたりすることは難しい。したがって、非侵襲的な方法で細胞の状態を判別・評価することが好ましいといえる。特許文献1、および非特許文献1~3は、非侵襲的な方法で細胞を判別・評価することについて開示している。
Y.Usson,A.Guignandon,N. Laroche,M-H. Lafage-Proust,L.Vico,"Quantitation of Cell-Matrix Adhesion Using Confocal Image Analysis of FocalContact Associated Proteins and Interference Reflectionmicroscopy.", Cytometry,28,298-304,(1997)
C.K.Choi, C.H.Margraves,A.E.English, K.D.Kihm, "Multicontrast microscopy technique to dynamicallyfingerprint live-cell focal contacts during exposure and replacement ofcytotxic medium.", J. Biomedical Optics, 13(5), (2008)
I.Weber, R.Albrecht, "Imageprocessing for combined bright-field and reflection interference contrast videomicroscopy.", Computer Methods and Programs in Biomedicine, 53, 113-118, (1997)
特許文献1は、非侵襲的な方法で細胞の状態を判別・評価する方法の一つとして、定量位相顕微鏡を用いる方法について開示している。この方法では、細胞の存否による光路長の差を用いて、細胞の状態を非侵襲的に判別・評価できる。しかし、この方法によって得られる情報は、細胞の光学的厚さ、面積、体積、および細胞内の屈折率の変化に基づく情報のみに限られており、細胞の状態を適切に判別・評価する上で必要な情報量として決して十分とはいえない。
非特許文献1~3は、非侵襲的な方法の他の一例として、反射干渉顕微鏡を用いる方法について開示している。この方法では、個々の細胞の基板への接着状態に基づき、基板と培養液との間の界面からの反射光と、培養液と細胞膜との間の界面からの反射光との干渉により明暗のコントラストが現れる現象を利用して、細胞の状態を非侵襲的に判別・評価できる。しかし、この方法によって得られる情報は、細胞の基板への接着状態に基づく情報のみに限られており、細胞の状態を適切に判別・評価する上で必要な情報量として決して十分とはいえない。
このように、定量位相顕微鏡、反射干渉顕微鏡の何れか一方を単独で用いる方法では、細胞の光学的厚さ、面積、体積、および細胞内の屈折率の変化に基づく情報だけ、または細胞の基板への接着状態に基づく情報だけが得られる。それら単独の情報だけでは、細胞の状態を適切に判別・評価する上で必要な情報量として決して十分とはいえない。また、定量位相顕微鏡および反射干渉顕微鏡を一緒に用いることを開示または示唆するような文献は発見されておらず、両顕微鏡は機能が異なる別個の顕微鏡であることから、両顕微鏡を一緒に用いるには何らかの工夫が必要となる。
そこで、本発明は上記に鑑みてなされたもので、細胞の状態を適切に判別・評価するためのより多くの情報を得ることを可能とする細胞観察装置および細胞観察方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の細胞観察装置は、反射干渉計測用光源と、定量位相計測用光源と、前記反射干渉計測用光源から放射され細胞から反射される光を撮像することにより、反射干渉画像を生成する反射干渉撮像手段と、前記定量位相計測用光源から放射され前記細胞を透過する光を撮像することにより、定量位相画像を生成する定量位相撮像手段と、前記反射干渉画像と前記定量位相画像との間で、空間的な位置を一致させることにより、両画像の位置合わせを行う画像位置合わせ手段と、前記画像位置合わせ手段により前記定量位相画像との間で前記位置合わせが行われた前記反射干渉画像より、第1パラメータを抽出する第1抽出手段と、前記画像位置合わせ手段により前記反射干渉画像との間で前記位置合わせが行われた前記定量位相画像より、第2パラメータを抽出する第2抽出手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の細胞観察方法は、反射干渉撮像手段が、反射干渉計測用光源から放射され細胞から反射される光を撮像することにより、反射干渉画像を生成する反射干渉撮像ステップと、定量位相撮像手段が、定量位相計測用光源から放射され前記細胞を透過する光を撮像することにより、定量位相画像を生成する定量位相撮像ステップと、画像位置合わせ手段が、前記反射干渉画像と前記定量位相画像との間で、空間的な位置を一致させることにより、両画像の位置合わせを行う画像位置合わせステップと、第1抽出手段が、前記画像位置合わせ手段により前記定量位相画像との間で前記位置合わせが行われた前記反射干渉画像より、第1パラメータを抽出する第1抽出ステップと、第2抽出手段が、前記画像位置合わせ手段により前記反射干渉画像との間で前記位置合わせが行われた前記定量位相画像より、第2パラメータを抽出する第2抽出ステップと、を備えることを特徴とする。
このような本発明の細胞観察装置および細胞観察方法によれば、反射干渉計測用光源、反射干渉撮像手段、第1抽出手段(以下、「反射干渉計測ユニット」という。)を備えることにより、細胞からの反射光をもとに、第1パラメータを得る。また、定量位相計測用光源、定量位相撮像手段、第2抽出手段(以下、「定量位相計測ユニット」という。)を備えることにより、細胞からの透過光をもとに、第2パラメータを得る。このように、本発明の細胞観察装置および細胞観察方法では、反射干渉計測ユニットおよび定量位相計測ユニットの両方を備えることにより、第1パラメータおよび第2パラメータの両方を得ることができ、これにより使用者は細胞の状態を適切に判別・評価するためのより多くの情報を得ることとなる。更に、第1パラメータは定量位相画像との間で位置合わせが行われた反射干渉画像より抽出されるものであり、第2パラメータは反射干渉画像との間で位置合わせが行われた定量位相画像より抽出されるものであるため、両パラメータ間には細胞のどの部分に関するパラメータであるかについての整合性が取れているといえる。つまり、本発明の画像位置合わせ手段による両画像の位置合わせにより、両パラメータは細胞の同一部分の状態を判別・評価するためのパラメータとして活用可能となる。
また、本発明において、前記定量位相画像に基づき、前記細胞の輪郭を抽出する輪郭抽出手段と、前記輪郭抽出手段が抽出した前記輪郭を前記反射干渉画像に適用することにより、輪郭適用後の反射干渉画像を生成する輪郭適用手段と、前記輪郭適用後の反射干渉画像より、第3パラメータを抽出する第3抽出手段と、を更に備えても良い。
また、本発明において、輪郭抽出手段が、前記定量位相画像に基づき、前記細胞の輪郭を抽出する輪郭抽出ステップと、輪郭適用手段が、前記輪郭抽出手段が抽出した前記輪郭を前記反射干渉画像に適用することにより、輪郭適用後の反射干渉画像を生成する輪郭適用ステップと、第3抽出手段が、前記輪郭適用後の反射干渉画像より、第3パラメータを抽出する第3抽出ステップと、を更に備えても良い。
この発明によれば、第1パラメータおよび第2パラメータに加え、第3パラメータが更に得られる。この第3パラメータは、定量位相画像と反射干渉画像との間で細胞の輪郭を合わせた上で得られるパラメータであるため、第1パラメータおよび第2パラメータとは異なる性質のパラメータであり、使用者はこの第3パラメータを更に得ることにより、細胞の状態を適切に判別・評価するためのより多くの情報を得ることとなる。
また、定量位相画像から細胞の輪郭を抽出し、当該輪郭を反射干渉画像に適用することにより、輪郭適用後の反射干渉画像を生成する処理の中で使用者の介入はない。一方、従来の反射干渉顕微鏡を用いる方法(以下、「反射干渉法」という。)では、個々の細胞の輪郭を予め認識しておく必要があるため、反射干渉法は輪郭認識のための他の方法との組み合わせで用いられることが多い。上記の非特許文献1は、蛍光法と反射干渉法の組み合わせについて開示しているが、細胞の輪郭を自動的に抽出することが困難であったため、操作者が手描きにより細胞の輪郭を定めている。また、非特許文献2は、透過照明法と反射干渉法の組み合わせについて開示しているが、細胞の輪郭を人の手に寄らず自動的に定めることについての言及はない。更に、非特許文献3は、明視野法と反射干渉法の組み合わせについて開示しており、細胞輪郭抽出の自動化について一応の言及はしているものの、例えば、使用者が明視野画像を見ながら輪郭抽出のための最適な閾値を手動で設定する必要があることが記載されているなど、使用者のある程度の介入の必要性を認め、細胞の輪郭を人の手に寄らず自動的に定めるには至っていない。これに対して、本発明では、定量位相画像からの細胞輪郭抽出、当該輪郭の反射干渉画像への適用、輪郭適用後の反射干渉画像の生成までの処理が、輪郭抽出手段および輪郭適用手段により人の手に寄らず行われる。これらの処理が人の手に寄らず行われることにより作業効率は著しく向上し、それに伴う作業時間の顕著な短縮が達成される。
また、本発明において、前記第1パラメータは、前記細胞が置かれている基板と、前記細胞との間の接着状態に基づく情報であっても良い。
この発明によれば、細胞の基板への接着状態に基づく情報として、細胞の基板への接着面積、撮像範囲全体に対した接着面積の割合、細胞の基板への接着模様(パターン・2次元分布)等の情報が得られ、使用者はこれらの情報を用いて細胞の状態を適切に判別・評価することができる。
また、本発明において、前記第2パラメータは、前記細胞の光学的厚さ、面積、体積、または前記細胞内での屈折率の変化に基づく情報であっても良い。
この発明によれば、細胞の光学的厚さ、面積、体積、または細胞内での屈折率の変化に基づく情報が得られ、使用者はこれらの情報を用いて細胞の状態を適切に判別・評価することができる。
また、本発明において、前記第3パラメータは、前記細胞の前記輪郭の中での、前記基板への前記接着状態に基づく情報であっても良い。
この発明によれば、細胞の輪郭の中での、つまり細胞が占める空間の範囲内での基板への接着状態に基づく情報として、細胞の全体面積に対した接着面積の割合等の情報が得られ、使用者はこのような情報を用いて細胞の状態を適切に判別・評価することができる。
また、本発明において、予め既知の種類または状態の前記細胞に対して抽出したパラメータをリファレンスデータとして記憶するリファレンス記憶手段と、前記リファレンスデータに基づき、未知の細胞の種類または状態を判別する解析手段と、を更に備えても良い。
この発明によれば、リファレンスデータに基づき、未知の被検体の細胞の種類または状態を判別することができる。
また、本発明において、未知の細胞に対して抽出したパラメータの中から所定のパラメータを選択し、当該選択された所定のパラメータを用いて、前記未知の細胞の種類または状態を判別する解析手段を更に備えても良い。
この発明によれば、解析手段は、リファレンスデータによらずに、処理を行うことができる。この場合には、リファレンス記憶手段を設けなくて済むので、装置構成が簡潔になる。なお、解析手段は、特異な値を示すパラメータを所定のパラメータとして自動的に選択するように構成されていても良く、ユーザからの入力に基づき所定のパラメータを選択するように構成されていても良い。
また、本発明において、前記第1抽出手段または前記第2抽出手段が3つ以上のパラメータを抽出した場合に、前記3つ以上のパラメータに対して主成分分析を行うことにより、未知の細胞の種類または状態を判別する解析手段を更に備えても良い。
この発明によれば、抽出した多数のパラメータに対して主成分分析を行うことにより、当該多数のパラメータが細胞判別に適切に影響を及ぼうようにすることができる。主成分分析によれば、抽出した多数のパラメータのうち2つを選択する代わりに、当該多数のパラメータの全部または3つ以上の一部が適切に反映された2つの主成分により細胞判別を行うからである。
また、本発明において、前記定量位相計測用光源として、低コヒーレント光を使用しても良い。
この発明によれば、定量位相計測において、波長幅が広く干渉性の低い低コヒーレント光を使用する。これにより、光学系に由来する干渉ノイズを低減でき、より安定した計測をすることができる。
また、本発明において、前記反射干渉計測用光源として、低コヒーレント光を使用しても良い。
この発明によれば、反射干渉計測において、波長幅の広く干渉性の低い低コヒーレント光を使用している。広い波長幅の照明光を用いることにより、干渉が起きる距離を狭くすることができ、細胞の基板への接着面に限定した反射干渉画像を取り出すことが可能となる。
また、本発明において、前記反射干渉計測用光源から放射され前記細胞から反射される光が集光される対物レンズと、前記対物レンズの前記反射干渉計測用光源側の開口絞りと共役な位置に、リング状のスリットと、を更に備えても良い。
この発明によれば、リング状に開口したスリットを反射干渉計測用光源からの照明光が通り、照明光は対物レンズの中心は通らず周辺を通って照明され、角度のついた高いNAの光のみを使って細胞が照明されるため、細胞上部の溶液からの反射光の影響を低減することができる。また、リング状のスリットを用いることにより、対物レンズ内部の反射による背景光を低減することもできる。
また、本発明において、前記細胞を収容する容器を更に備え、前記容器の前記細胞の接着面の反対側に反射防止コートが施されていても良い。
この発明によれば、ドライ系の対物レンズを用いる場合であっても、高いコントラストで細胞接着面の反射干渉画像を得ることができる。
また、本発明において、前記容器の上部に、前記細胞を浸す培養液に接触するような高さに観察窓を備えても良い。
この発明によれば、観察窓を用いて培養液の高さを一定に保つことにより、定量位相計測を安定な条件下で行うことができる。
また、本発明において、前記観察窓において、前記培養液に接触する面の反対側に反射防止コートが施されていても良い。
この発明によれば、容器上面からの反射光の影響を抑えて、高いコントラストで細胞接着面の反射干渉画像を得ることができる。
また、本発明においては、前記反射干渉計測用光源と前記反射干渉撮像手段との間および前記定量位相計測用光源と前記反射干渉撮像手段との間に位置し、波長により反射対透過の比率を異ならせることが可能なミラーを更に備えても良い。
この発明によれば、波長により反射対透過の比率を異ならせることが可能なミラーを備えることにより、例えば定量位相計測用光源の波長と反射干渉計測用光源の波長とが異なる場合に、反射干渉計測用光源の波長に対してはハーフミラーとして機能するような反射対透過の比率と設定し、定量位相計測用光源の波長に合わせては透過率を高めるような構成をとることができる。このような構成により、反射干渉計測においてはハーフミラーとして機能しながらも、定量位相計測においては観察光のロスを低減させることができる。
本発明によれば、細胞の状態を適切に判別・評価するためのより多くの情報を得ることを可能な細胞観察装置および細胞観察方法を提供することができる。
以下、添付図面を参照して本発明にかかる細胞観察装置および細胞観察方法の好適な実施形態を詳細に説明する。まず、細胞観察装置および細胞観察方法の概要について全体的に説明し、続いて、第1実施例~第16実施例の欄を用いてより詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[細胞観察装置1の全体構成]
まず、本発明の実施形態に係る細胞観察装置1の全体構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、細胞観察装置1の全体構成を示す概要図である。図1に示すように、細胞観察装置1は、画像取得部10および処理部20から構成されている。
まず、本発明の実施形態に係る細胞観察装置1の全体構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、細胞観察装置1の全体構成を示す概要図である。図1に示すように、細胞観察装置1は、画像取得部10および処理部20から構成されている。
画像取得部10は、試料となる細胞101を収容する容器102、細胞101の培養環境が維持された培養空間103、対物レンズ104、定量位相計測用光源105、照明光絞り部105A、反射干渉計測用光源106、ハーフミラー107、ダイクロイックミラー108、全反射ミラー109、反射干渉検出用カメラ110(特許請求の範囲の「反射干渉撮像手段」に相当)、回折型干渉光学系111、および定量位相検出用カメラ112(特許請求の範囲の「定量位相撮像手段」に相当)を備える。ハーフミラー107は反射干渉計測用光源106からの光を細胞101へ導くための反射干渉入射用光学系であり、また、ダイクロイックミラー108は、反射干渉検出用カメラ110へ細胞101からの光を導くための反射干渉計測用光学系である。また、対物レンズ104およびハーフミラー107、ダイクロイックミラー108は、細胞101の同一範囲からの光を反射干渉検出用カメラ110および定量位相検出用カメラ112へ導くための共通光学系である。つまり、本実施形態では、反射干渉入射用光学系と反射干渉計測用光学系が共通光学系となっている。また、全反射ミラー109および回折型干渉光学系111は、定量位相検出用カメラ112へ光を導くための定量位相光学系である。反射干渉検出用カメラ110は、反射干渉計測用光源106から放射され、細胞101から反射される光を撮像することにより、反射干渉画像を生成するものである(特許請求の範囲の「反射干渉撮像ステップ」に相当)。定量位相検出用カメラ112は、定量位相計測用光源105から放射され照射光が、ピンホールやアパーチャーなどの照明光絞り部105Bを通過することで点光源に近い照射光となり、細胞101を透過する光を撮像することにより、定量位相画像を生成するものである(特許請求の範囲の「定量位相撮像ステップ」に相当)。なお、定量位相計測用光源105としては、ハロゲンランプやキセノンランプなどの広い波長範囲にわたって放射感度を有する光源を用いることができる。また、LED(発光ダイオード)や半導体レーザー(レーザーダイオード)、SLD(スーパールミネッセントダイオード)などの光源を用いてもよい。レーザーやSLDの場合には、光源サイズが十分小さいため、照明光絞り部105Aは不要になる。
処理部20は、画像位置合わせ部201(特許請求の範囲の「画像位置合わせ手段」に相当)、第1抽出部204(特許請求の範囲の「第1抽出手段」に相当)、第2抽出部205(特許請求の範囲の「第2抽出手段」に相当)からなる第1処理部、輪郭抽出部202(特許請求の範囲の「輪郭抽出手段」に相当)、輪郭適用部203(特許請求の範囲の「輪郭適用手段」に相当)、第3抽出部206(特許請求の範囲の「第3抽出手段」に相当)からなる第2処理部、解析部207(特許請求の範囲の「解析手段」に相当)、およびリファレンス記憶部208(特許請求の範囲の「リファレンス記憶手段」に相当)からなる第3処理部を備える。なお、第1処理部および第2処理部、第3処理部は、それぞれ別の演算装置であってもよいし、同一の演算装置であってもよい。
画像位置合わせ部201は、反射干渉画像と定量位相画像との間で、空間的な位置を一致させることにより、両画像の位置合わせを行うものである(特許請求の範囲の「画像位置合わせステップ」に相当)。輪郭抽出部202は、定量位相画像に基づき、細胞101の範囲である輪郭を抽出するものである(特許請求の範囲の「輪郭抽出ステップ」に相当)。輪郭適用部203は、輪郭抽出手段が抽出した輪郭を反射干渉画像に適用することにより、輪郭適用後の反射干渉画像を生成するものである(特許請求の範囲の「輪郭適用ステップ」に相当)。
第1抽出部204は、画像位置合わせ手段により定量位相画像との間で位置合わせが行われた反射干渉画像より、第1パラメータを抽出するものである(特許請求の範囲の「第1抽出ステップ」に相当)。第1パラメータは、細胞101が置かれている基板と、細胞101との間の接着状態に基づく情報である。細胞101の基板への接着状態に基づく情報としては、例えば、細胞101の基板への接着面積、撮像範囲全体に対した接着面積の割合、細胞の基板への接着模様(パターン・2次元分布)等の情報が挙げられる。
第2抽出部205は、画像位置合わせ手段により反射干渉画像との間で位置合わせが行われた定量位相画像より、第2パラメータを抽出するものである(特許請求の範囲の「第2抽出ステップ」に相当)。第2パラメータは、細胞101の光学的厚さ、面積、体積、または細胞101内での屈折率の変化に基づく(または表す)情報である。
第3抽出部206は、輪郭適用後の反射干渉画像より、第3パラメータを抽出するものである(特許請求の範囲の「第3抽出ステップ」に相当)。第3パラメータは、細胞101の輪郭の中での、基板への接着状態に基づく情報である。細胞101が占める空間の範囲内での基板への接着状態に基づく情報としては、例えば、細胞101の全体面積に対した接着面積の割合等の情報が挙げられる。
リファレンス記憶部208は、予め既知の種類または状態の細胞に対して抽出したパラメータ(上記の第1、第2、第3パラメータ)をリファレンスデータとして記憶するものである。解析部207は、第1抽出部204、第2抽出部205、第3抽出部206で抽出された第1、第2、第3パラメータを基にして、未知の被検体の細胞の種類または状態を判別するものである。具体的には、第1、第2、第3パラメータのうち、所定のパラメータを選択し、選択された所定のパラメータを用いて、未知の被検体の細胞の種類または状態を判別する。所定のパラメータは、解析部207により(または図示しない別途の処理手段により)自動的に選択された特異な値を示すパラメータであってもよいし、ユーザーが選択したパラメータであってもよい。解析部207は、このように選択された所定のパラメータを用いて、未知の被検体の細胞の種類または状態を判別する。また、解析部207が、リファレンス記憶部208に記憶されたリファレンスデータに基づき、所定のパラメータを選択し、未知の被検体の細胞の種類または状態を判別しても良い。更に、第1抽出部204、第2抽出部205、および第3抽出部206のそれぞれ、または組み合わせにより、3つ以上のパラメータが抽出された場合には、解析部207が当該3つ以上のパラメータに対して主成分分析を行うことにより、未知の細胞の種類または状態を判別しても良い。なお、以下の記載においては、解析部207がリファレンスデータに基づき所定のパラメータを選択し、未知の被検体の細胞の種類または状態を判別する態様を[第1実施例]の欄で記載する。一方で、解析部207が、リファレンスデータに基づかないで、特異な値またはユーザ指示により所定のパラメータを選択し、未知の被検体の細胞の種類または状態を判別する態様を[第15実施例]の欄で記載する。更に、解析部207が主成分分析により未知の細胞の種類または状態を判別する態様を[第16実施例]の欄で記載する。
図2は、以上のような機能的構成要素を備える処理部20のハードウェア構成図である。図2に示すように、処理部20は、物理的には、CPU21、ROM22及びRAM23等の主記憶装置、キーボード及びマウス等の入力デバイス24、ディスプレイ等の出力デバイス25、画像取得部10との間でデータの送受信を行うためのネットワークカード等の通信モジュール26、ハードディスク等の補助記憶装置27などを含む通常のコンピュータシステムとして構成される。処理部20の各機能は、CPU21、ROM22、RAM23等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU21の制御の元で入力デバイス24、出力デバイス25、通信モジュール26を動作させると共に、主記憶装置22,23や補助記憶装置27におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
[第1実施例]
引き続き、本発明の第1実施例について図1を再び参照しながら詳細に説明する。図1は、第1実施例にかかる細胞観察装置1の構成概要図である。
引き続き、本発明の第1実施例について図1を再び参照しながら詳細に説明する。図1は、第1実施例にかかる細胞観察装置1の構成概要図である。
(画像取得部10の説明)
図1に示されるように、測定対象となる細胞101の入った容器102を細胞101の培養環境が維持された培養空間103に静置する。培養環境は、細胞101の生育、状態維持に適した温度、湿度、炭酸ガス濃度などが整った環境である。
図1に示されるように、測定対象となる細胞101の入った容器102を細胞101の培養環境が維持された培養空間103に静置する。培養環境は、細胞101の生育、状態維持に適した温度、湿度、炭酸ガス濃度などが整った環境である。
定量位相計測について述べる。細胞101の入った容器102の上部に設置した定量位相計測用光源105から放射された照明光は、細胞101の入った容器102を透過し、対物レンズ104にて集光される。そして、ハーフミラー107を介し、定量位相像と反射干渉像を波長で分離するためのダイクロイックミラー108を透過して、更に全反射ミラー109を介して、位相計測のための回折型干渉光学系111にて物体光と参照光の干渉像を形成し、定量位相検出用カメラ112にて干渉縞画像が撮像される。
反射干渉計測について述べる。反射干渉計測用光源106から放射された照明光は、ハーフミラー107にて反射して、対物レンズ104を通って、測定対象となる細胞101を入れた容器102の底面側から入射する。ハーフミラー107に限らず、照明光強度が十分ある場合には5:95(反射:透過)や20:80(反射:透過)にするなど、反射比率を低減させたビームスプリッタを用いてもよい。また、波長によって反射率・透過率が異なるダイクロイックミラーを用いてもよい。容器102の底面の細胞101の接着面から得られる反射光は細胞101の接着距離に応じて干渉を生じ、得られた反射干渉光は再び対物レンズ104にて集光され、ハーフミラー107を介し、定量位相像と反射干渉像を波長で分離するためのダイクロイックミラー108にて反射干渉像のみを反射して、反射干渉検出用カメラ110にて撮像される。なお、ダイクロイックミラー108の代わりにハーフミラーなどのビームスプリッタを用いる場合は、ビームスプリッタと反射干渉検出用カメラ110との間に反射干渉検出に用いる波長を選択するためのフィルターを配置すればよい。容器102の底面の細胞101の接着面から反射した光は、細胞101の接着距離に応じて干渉した光の振幅が異なり、明暗のコントラストとして撮影される。なお、定量位相像および反射干渉像は、共通の対物レンズ104を介して取得されるので、細胞101の撮像範囲は、定量位相計測および反射干渉計測においてほぼ同一範囲となる。
定量位相画像を取得するカメラ112と反射干渉画像を取得するカメラ110は同じ性能、同じ画素分解能のカメラに限定する必要はない。それぞれのカメラに入射する光量や入射波長は互いに異なるので、それぞれに適した性能、空間分解能のカメラを用いてもよい。例えば定量位相検出用カメラ112には830nmに感度が高く、画素サイズが大きめの感度優先のカメラを用い、反射干渉検出用カメラ110には可視域に感度が高く、画素サイズが小さめの空間分解能優先のカメラを利用するなどしてよい。このような場合に二つのカメラの空間座標を一致させる処理が必要となるが、これについては後述する。
定量位相計測と反射干渉計測を波長で区別できるように、反射干渉計測用光源106と定量位相計測用光源105のそれぞれの照明波長には、異なる波長域の光を用いても良い。ダイクロイックミラー108にて特定の波長で定量位相像と反射干渉像を分離選択することができる。したがって、定量位相計測と反射干渉計測で、クロストークなく同時刻の像を得ることができる。
できるだけ多くの細胞101を見るために、観察する位置を移動させる機構を有しても良い。細胞101への影響を少なくするため、および定量位相計測において液面の揺れを抑えるために、細胞101を入れた容器は静止したままで、照明光学系と観察光学系を一体とした画像取得部10の本体をXY平面上で移動させることによって観察位置を変える方法が望ましい。これとあわせて、観察しているXYの空間平面座標を画像に記録することが望ましい。
(処理部20の説明)
図3のフローチャートを更に参照しながら、処理部20の機能および動作について説明する。
図3のフローチャートを更に参照しながら、処理部20の機能および動作について説明する。
最初に、定量位相検出用カメラ112にて参照光と細胞101を透過した物体光の干渉縞画像が得られる(ステップS101、特許請求の範囲の「定量位相撮像ステップ」に相当)。干渉縞画像から公知の演算方法を用いて定量的な位相画像を形成する。定量位相画像を得るためには、細胞101のない背景領域のオフセット補正および背景領域の視野におけるシェーディング補正を施し、背景部分は空間的に均一で、背景部の位相の値を0に補正し、細胞101の位相(光路長)の2次元マップを得る。
一方で、ステップS101とともに、反射干渉検出用カメラ110にて細胞101の接着面の反射干渉画像が得られる(ステップS102、特許請求の範囲の「反射干渉撮像ステップ」に相当)。容器102の底面に接着している細胞101の容器102の底面からの距離に応じて干渉光の振幅が異なり、反射干渉画像は明暗のコントラストとして撮影される。反射干渉画像の視野内の反射光のシェーディングを補正する。あわせて細胞101のない背景の値が時間的に変動しないように、時間ごとに背景部のオフセット補正を行う。これらの画像演算補正によって、空間的、時間的に変動の少ない定量位相画像および反射干渉画像を得ることができる。
次に、定量位相画像および反射干渉画像の空間的位置補正が行われる(ステップS103、特許請求の範囲の「画像位置合わせステップ」に相当)。図4は、画像位置合わせに用いる標本30を示す。位置合わせの標本30として、ガラス基板に格子31が刻まれたマイクロスケールやドットパターンなどを用いる。マイクロスケールやドットパターンには2つのカメラで撮影したときに同じ位置が分かるように、少なくとも1か所以上に目印が付いていると操作が簡便である。図4の例では、三角と丸の二つの目印が付いている。
ここで、反射干渉側のカメラ110の像を定量位相の像に合わせて位置をずらす手順について詳細に説明する。まず、細胞101の標本の代わりにマイクロスケールまたはドットパターンを置き、反射干渉および定量位相のそれぞれの撮影用カメラで撮影する。次に、マイクロスケールまたはドットパターンを撮影して得られた反射干渉画像と定量位相画像をそれぞれ異なる疑似カラー(例えば反射干渉画像は緑、定量位相画像は赤など)で重ね合わせる。場合によっては画像の輝度を反転すると見やすくなる。続いて、反射干渉画像の格子像またはドット像を定量位相側の格子像またはドット像に合致させるために、重ね合わせた画像を見ながら、反射干渉画像に対して(1)拡大縮小倍率、(2)水平方向の移動量(画素数)、(3)垂直方向の移動量(画素数)、(4)回転角度、(5)回転方向、(6)左右反転などを微調整し、調整量を決定する。調整量は、重ね合わせて表示した格子像またはドット像が重なり、エッジが出なくなるような位置に決定されればよく、例えば、それぞれの格子像またはドット像が重なり合って緑色と赤色が黄色になるような位置で決定される。
撮影した2つのカメラの像に空間歪があり、両者の空間歪のパターンが大きく異なる場合は、上述の(1)から(6)のデータだけで一律にすべての画素の位置を合致させることは難しい場合がある。その場合は視野内のすべての画素における移動量が異なるため、各々の画素に対して移動量を定める必要がある。具体的には、格子像の各交点またはドット像の各ドットの中心座標が2つのカメラで一致するように、各点のずらし量を決定する。格子またはドットの存在する座標以外の空間座標は補間することによってずらし量を決定する。このようにして空間的に全画素(全座標)について1画素単位でずらし量を記憶したテーブルを作成して、位置合わせデータとする。得られた位置合わせデータをファイルで保存する。新規に測定を行い画像を取得したときに、ファイルで保存した位置合わせデータを用いて、画像間の位置合わせを行い、位置を補正した画像を出力する。また、新規に測定を行い取得した画像データをファイルに保存するときには、位置合わせデータを画像データと一緒にファイルに保存することが好ましい。こうすることによって、画像ファイルを呼び出した時にも、画像を新規に取得した時の最も適切であった位置合わせデータを援用して、当該呼び出した画像を補正することができる。
なお、以上のような位置合わせは定量位相や反射干渉の計測のたびに行う必要はなく、同じ光学系を利用するのであれば、使用環境や振動の影響による位置ずれを考慮して、例えば1カ月に1回程度の頻度で行えば良い。また、観察側の光学系に観察用のフィルタを選択する部品(例えば電動フィルタホイールなど)が装着されている場合は、位置合わせは使用するフィルタごとに行うことが望ましい。なぜなら、使用するフィルタの傾きや平行度によって像の位置ずれ量や位置ずれの方向が異なるからである。
なお、繰り返しとなるため説明は省略するが、以上とは逆に、定量位相側のカメラ112の像を反射干渉の像に合わせて位置をずらす場合にも、上述の手順を適宜適用することができる。また、以上の手順は、自動化された画像処理によって、人の手に寄らずに、行うことができる。
図3に戻り、ステップS103の位置合わせの後に、細胞101の輪郭領域を抽出する処理(以下、「セグメンテーション」ともいう。)が行われる(ステップS104およびS105、特許請求の範囲の「輪郭抽出ステップ」および「輪郭適用手段」に相当)。
まず、図5に示すように、同時刻に撮像され、位置合わせが行われた後の定量位相画像および反射干渉画像のうち、定量位相画像から個々の細胞101の輪郭となる領域を画像処理により検出する(ステップS104、図5の画像A、特許請求の範囲の「輪郭抽出ステップ」に相当)。つまり、定量位相画像では、細胞101のない背景となる溶液を通る光に対して細胞101を通る光は、細胞101の屈折率が溶液の屈折率よりも大きいために、光路長が長くなる。そのため、細胞101の存在する領域の画素の位相の値は背景よりも大きな値となる。そこで、適正な閾値または空間フィルタ処理を用いることにより、人の手に寄らず自動的に、背景と細胞101を分離することができる。そして、一つ一つの細胞101に対応した輪郭を決定し、それぞれの細胞101の占める領域に対応する画素座標の領域を決定することができる。
次に、ステップS104で得られた個々の細胞101の輪郭領域の画素座標を空間座標の一致した反射干渉画像に適応させ、つまりステップS104で得られたセグメンテーション領域を反射干渉画像にコピーすることにより、定量位相画像で決定された個々の細胞101の輪郭領域を反射干渉画像に当てはめる(ステップS105、図5の画像B、特許請求の範囲の「輪郭適用ステップ」に相当)。このようにすることで、図5に示すように、定量位相画像と反射干渉画像の両方の画像A,Bに対して同じ輪郭領域を決定することができる。
次に、ステップS104およびS105のセグメンテーションの後に、パラメータを抽出する処理が行われる(ステップS106、特許請求の範囲の「第1抽出ステップ」、「第2抽出ステップ」および「第3抽出ステップ」に相当)。
すなわち、ステップS104で得られた一つ一つの細胞101の領域において、第2抽出部205が、定量位相画像から(1)細胞101の光学的厚さ(光路長)の平均値、(2)光学的厚さの標準偏差、(3)細胞101の面積、(4)細胞101の光学的体積(光学的厚さの合計値)を求める(ステップS106、特許請求の範囲の「第2抽出ステップ」に相当)。更に、ステップS103で位置合わせした反射干渉画像、およびステップS105でセグメンテーション領域をコピーした反射干渉画像から、第1抽出部204および第3抽出部206が、それぞれ、(5)明暗の平均輝度、(6)強い接着を示す暗領域の面積、(7)弱い接着を示す明領域の面積、(8)撮像範囲全体および細胞101の面積に占める暗領域の割合、(9)撮像範囲全体および細胞101の面積に占める明領域の割合を求める(ステップS106、特許請求の範囲の「第1抽出ステップ」および「第3抽出ステップ」に相当)。
また、接着部位の2次元分布パターンを求める方法として、反射干渉画像の明暗の2次元濃淡分布パターンから求めたテクスチャ解析の定量解析を行う。テクスチャ解析には、画像における濃度iの画素がθ方向に距離d画素離れた画素の濃度がjである確率P(i,j)(i,j=0,1,2,3,...n-1)を要素とする同時生起行列から求めたテクスチャの特徴を得る同時生起行列法、画像における濃度ヒストグラムP(i)からテクスチャの特徴を求める濃度ヒストグラム法等を適用する。この解析処理は解析部207により行われても良い。
同時生起行列法から得られるテクスチャの特徴パラメータとしては、(10)エネルギー、(11)エントロピー、(12)相関、(13)局所一様性、(14)慣性等が挙げられる。この中で、エネルギーは同時生起行列の確率分布が特定の値に集中しているかを示す指標となり、エントロピーは同時生起行列の確率分布が広い範囲の値に分布しているかを示す指標となる。一方、濃度ヒストグラム法から得られるテクスチャの特徴パラメータとしては、(15)平均、(16)分散、(17)歪度、(18)尖度等が挙げられる。この中で、歪度は濃度ヒストグラムの形状が対称な形からどれだけずれているかを示す指標となり、尖度は濃度ヒストグラムの分布がどれだけ平均値の周りに集中しているのかを示す指標となる。
このうち、同時生起行列法の(12)相関や濃度ヒストグラム法の(15)平均、(16)分散のパラメータは画像取得時の輝度の明るさの影響を受けやすいので、評価する場合には同じ露光時間や同じ照明輝度で取得したものに限るなどの条件を把握していた方が良い。この場合、分散のかわりに(19)「√(分散)/平均輝度」を用いることにより、画像取得時の明るさの条件に影響を受けないパラメータとして利用することができる。また、同時生起行列法では、θ方向、距離dについて複数の値を得ることができるが、あらかじめどの方向、どの距離のパラメータが細胞間で差が出るかを予備実験で検討および決定しておくと、膨大なパラメータの数を最適化することができる。今回はθ方向=0度、距離d=8画素に固定して結果を得ることにする。このようにして一つ一つの細胞101について(1)から(19)を計測結果として数値として記憶する。
図6に個々の細胞から得られたパラメータの一例を示す。またこれらのパラメータのうちの2つの成分を用いて散布図を描くことができる。図7は骨髄幹細胞(stem cells)と分化誘導した破骨細胞(osteoclasts)の2種類の細胞について、識別を行うために特徴的なパラメータを用いてプロットしたものである。図7(A)は、横軸に反射干渉の明暗の平均輝度(5)をとり、縦軸に定量位相の細胞の光学的厚さの平均値(1)をとって、それぞれの細胞をプロットした2成分散布図である。一方、図7(B)は横軸に反射干渉のテクスチャ解析の濃度ヒストグラム法の尖度(16)をとり、縦軸に反射干渉のテクスチャ解析の同時生生起行列法の慣性(13)をとってプロットしたものである。何れの2成分散布図においても、骨髄幹細胞と破骨細胞はそれぞれ集団を形成しており、種類の異なる細胞を識別する有効なパラメータとなっている。
図3に戻り、ステップS106にて個々の細胞101から求めた計測情報(パラメータ)をもとに、未知の被検体の細胞がどの種類の細胞集団に類似しているのか、またはどんな状態の細胞集団に類似しているのかを判別する(ステップS107)。そのためには、あらかじめ既知の状態の細胞集団の計測情報をリファレンスデータとして格納しておき、被検体細胞とリファレンスデータとを比較することにより被検体細胞の種類や状態を判別する。細胞観察装置1には、図1に示すように、リファレンスデータを格納するためのリファレンス記憶部208が設けられている。リファレンス記憶部208には、複数種類の細胞または複数種類の状態の細胞について記憶することができ、初期値として代表的な細胞群についてリファレンスを持つこともできるし、作業者にとって必要な細胞群について新たに計測を行い追加することもできる。
リファレンスデータを取得する手順としては、最初に、あらかじめ既知の種類の細胞集団または既知の状態の細胞集団について複数個の細胞を用意する。これらは細胞間のばらつきが少なく、できるだけ均質なものを用意する。次に、これらの細胞に対して上述したステップS101~S106の処理を画像取得部10および処理部20の協同により行い、求めた計測結果をリファレンスデータとしてリファレンス記憶部208に記憶する。
リファレンスデータを用いた細胞判別の一例として、被検体となる未知の細胞が二つの細胞集団のうちどちらに属するかを判別する場合を考える。なお、以下の判別処理は、解析部207によって行われる。最初に、リファレンスとして格納した2種類の細胞集団について、個々の細胞の(1)から(19)の計測結果のうち、任意の2成分を選んでそれぞれを縦軸、横軸にとった2成分散布図を作成する。作成した2成分散布図の中で二つの細胞集団を単純な区画線で簡便に識別できるような2成分散布図を、被検体の細胞を識別する際の判断基準として利用する。例えば図8(A)に示す一例のリファレンスデータでは、細胞Aと細胞Bを識別する手段として、横軸に反射干渉のテクスチャ解析の濃度ヒストグラム法の尖度(16)をとり、縦軸に反射干渉のテクスチャ解析の同時生生起行列法の慣性(13)をとってプロットした。この2成分の散布図を用いると、細胞Aと細胞Bを単純な区画線Lにて識別することができる。この区画線Lを用いた細胞Aの識別の性能としては、感度100%、特異度100%で識別が可能である。
次に、被検体となる未知の細胞について計測を行い、未知の細胞一つ一つについて上述の(1)から(19)の計測結果のパラメータを得る。被検体の細胞が細胞Aか細胞Bであるかを識別したい場合、細胞Aと細胞Bを識別するためのリファレンスデータの2成分散布図を呼び出し、これを参照する。図8(B)および(C)のように、リファレンスデータの2成分散布図に被検体の細胞をプロットし、区画線Lを用いて細胞Aおよび細胞Bに相当する領域を明示する。すると、被検体の細胞は区画線Lにて区切られた細胞Aの領域または細胞Bの領域に存在し、どちらの細胞集団に属しているかを判別することができる。図8(C)においては、13個の被検体の細胞のうち、7個の細胞は細胞Aに分類され、残る6個の細胞は細胞Bに分類されるという結果が得られる。もちろん、図8(D)および(E)に示すように、2成分散布図にプロットされた一つ一つのデータが、定量位相画像および反射干渉画像においてどの細胞であるかを関連付けて明示することもできる。
なお、区画線は2成分散布図において目視により縦軸横軸に水平な矩形領域を設けてもよいし、統計解析の判別分析の手法を用いて2集団を弁別する線形判別式を用いてもよい。線形判別式にて細胞を識別する場合には、個々の細胞について、得られた線形判別式をもとに判別得点を求めると、2群における判別得点の一方は正の値、他方は負の値をとるので、簡単に細胞を識別することができる。
(第1実施例の作用及び効果)
続いて、以上まで説明した第1実施例にかかる細胞観察装置1の作用及び効果について説明する。本実施例の細胞観察装置1によれば、反射干渉計測用光源106、反射干渉検出用カメラ110、および第1抽出部204の反射干渉計測ユニットを備えることにより、細胞からの反射光をもとに、第1パラメータを得る。また、定量位相計測用光源105、定量位相検出用カメラ112、および第2抽出部205の定量位相計測ユニットを備えることにより、細胞からの透過光をもとに、第2パラメータを得る。このように、本実施例の細胞観察装置1では、反射干渉計測ユニットおよび定量位相計測ユニットの両方を備えることにより、第1パラメータおよび第2パラメータの両方を得ることができ、これにより使用者は細胞の状態を適切に判別・評価するためのより多くの情報を得ることとなる。更に、第1パラメータは定量位相画像との間で位置合わせが行われた反射干渉画像より抽出されるものであり、第2パラメータは反射干渉画像との間で位置合わせが行われた定量位相画像より抽出されるものであるため、両パラメータ間には細胞のどの部分に関するパラメータであるかについての整合性が取れているといえる。つまり、本実施例の画像位置合わせ部201による両画像の位置合わせにより、両パラメータは細胞の同一部分の状態を判別・評価するためのパラメータとして活用可能となる。
続いて、以上まで説明した第1実施例にかかる細胞観察装置1の作用及び効果について説明する。本実施例の細胞観察装置1によれば、反射干渉計測用光源106、反射干渉検出用カメラ110、および第1抽出部204の反射干渉計測ユニットを備えることにより、細胞からの反射光をもとに、第1パラメータを得る。また、定量位相計測用光源105、定量位相検出用カメラ112、および第2抽出部205の定量位相計測ユニットを備えることにより、細胞からの透過光をもとに、第2パラメータを得る。このように、本実施例の細胞観察装置1では、反射干渉計測ユニットおよび定量位相計測ユニットの両方を備えることにより、第1パラメータおよび第2パラメータの両方を得ることができ、これにより使用者は細胞の状態を適切に判別・評価するためのより多くの情報を得ることとなる。更に、第1パラメータは定量位相画像との間で位置合わせが行われた反射干渉画像より抽出されるものであり、第2パラメータは反射干渉画像との間で位置合わせが行われた定量位相画像より抽出されるものであるため、両パラメータ間には細胞のどの部分に関するパラメータであるかについての整合性が取れているといえる。つまり、本実施例の画像位置合わせ部201による両画像の位置合わせにより、両パラメータは細胞の同一部分の状態を判別・評価するためのパラメータとして活用可能となる。
また、本実施例によれば、第1パラメータおよび第2パラメータに加え、第3パラメータが更に得られる。この第3パラメータは、定量位相画像と反射干渉画像との間で細胞の輪郭を合わせた上で得られるパラメータであるため、第1パラメータおよび第2パラメータとは異なる性質のパラメータであり、使用者はこの第3パラメータを更に得ることにより、細胞の状態を適切に判別・評価するためのより多くの情報を得ることとなる。
また、定量位相画像から細胞の輪郭を抽出し、当該輪郭を反射干渉画像に適用することにより、輪郭適用後の反射干渉画像を生成する処理の中で使用者の介入はない。一方、従来の反射干渉顕微鏡を用いる方法(反射干渉法)では、個々の細胞の輪郭を予め認識しておく必要があるため、反射干渉法は輪郭認識のための他の方法との組み合わせで用いられることが多い。上述したように、上記の非特許文献1は、蛍光法と反射干渉法の組み合わせについて開示しているが、細胞の輪郭を自動的に抽出することが困難であったため、操作者が手描きにより細胞の輪郭を定めている。また、非特許文献2は、透過照明法と反射干渉法の組み合わせについて開示しているが、細胞の輪郭を人の手に寄らず自動的に定めることについての言及はない。更に、非特許文献3は、明視野法と反射干渉法の組み合わせについて開示しており、細胞輪郭抽出の自動化について一応の言及はしているものの、例えば、使用者が明視野画像を見ながら輪郭抽出のための最適な閾値を手動で設定する必要があることが記載されているなど、使用者のある程度の介入の必要性を認め、細胞の輪郭を人の手に寄らず自動的に定めるには至っていない。これに対して、本実施例では、定量位相画像からの細胞輪郭抽出、当該輪郭の反射干渉画像への適用、輪郭適用後の反射干渉画像の生成までの処理が、輪郭抽出部202および輪郭適用部203により人の手に寄らず行われる。これらの処理が人の手に寄らず行われることにより作業効率は著しく向上し、それに伴う作業時間の顕著な短縮が達成される。
輪郭抽出部202および輪郭適用部203によるセグメンテーションの自動化により、どれぐらい作業時間が短縮できるかについて、非特許文献3の場合と比べる実験を実施した。視野中に100個ほど存在する細胞を明視野(非特許文献3の場合)と定量位相(本実施例の場合)にてそれぞれ撮影し、セグメンテーションの処理にかかる時間を計測した。明視野の場合、明るさの閾値を用いたセグメンテーションが困難であったため、マウスにて細胞一つ一つの輪郭を通常の作業能力を有する作業者の手によりトレースしてセグメンテーションを行った。この場合、100個の細胞をセグメンテーションするのに150秒を要した。一方、定量位相にて得られた細胞の位相画像においては、輪郭抽出部202および輪郭適用部203における自動閾値と画像処理によってセグメンテーションを行った。この場合には、3秒の演算処理時間で108個の細胞をセグメンテーションすることができ、150秒から3秒へと大幅な時間短縮が可能であった。以上の実験結果から分かるように、本実施例の輪郭抽出部202および輪郭適用部203を備え、人の手に寄らずセグメンテーションを行うことにより、作業効率は著しく向上し、それに伴う作業時間の顕著な短縮が達成される。
また、本実施例によれば、細胞の基板への接着状態に基づく情報として、細胞の基板への接着面積、撮像範囲全体に対した接着面積の割合、細胞の基板への接着模様(パターン・2次元分布)等の情報が得られ、使用者はこれらの情報を用いて細胞の状態を適切に判別・評価することができる。
また、本実施例によれば、細胞の光学的厚さ、面積、体積、または細胞内での屈折率の変化に基づく情報が得られ、使用者はこれらの情報を用いて細胞の状態を適切に判別・評価することができる。
また、本実施例によれば、細胞の輪郭の中での、つまり細胞が占める空間の範囲内での基板への接着状態に基づく情報として、細胞の全体面積に対した接着面積の割合等の情報が得られ、使用者はこのような情報を用いて細胞の状態を適切に判別・評価することができる。
また、本実施例によれば、リファレンスデータに基づき、未知の被検体の細胞の種類または状態を判別することができる。
[第2実施例]
引き続き、本発明の第2実施例について説明する。第2実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素を全て含み、定量位相計測用光源105に更なる特徴がある。
引き続き、本発明の第2実施例について説明する。第2実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素を全て含み、定量位相計測用光源105に更なる特徴がある。
従来、位相変化を求めるために干渉性の高いレーザ光が光源としてよく使用されていた。しかしながら、レーザ光を使用する場合には、対物レンズなどの光学系に由来する過干渉による背景ノイズや、細胞内の高屈折率の顆粒などからの散乱光ノイズが、計測に影響を与えることがしばしばある。本実施例の細胞観察装置1の定量位相計測においては、照明用光源として、波長幅が広く干渉性の低い低コヒーレント光を使用することに特徴がある。この特徴により、過干渉によるノイズを低減でき、より安定した計測をすることができる。一例では、中心波長830nm、波長幅20nm程度のSLD(スーパールミネセンスダイオード)を使用することにより、過干渉によるノイズを低減でき、より安定した計測に成功した。
[第3実施例]
引き続き、本発明の第3実施例について説明する。第3実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素を全て含み、反射干渉計測用光源106に更なる特徴がある。
引き続き、本発明の第3実施例について説明する。第3実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素を全て含み、反射干渉計測用光源106に更なる特徴がある。
従来、コントラストを得るためにある程度波長幅を制限したバンドパスフィルタを用いた照明光が利用されていた。しかしながら、バンドパスされた照明光では、干渉性が高く、細胞の接着面とは関係のない細胞の上部の細胞膜と培養液との界面からの反射による干渉縞が映り込むことがしばしばある。本実施例の細胞観察装置1の反射干渉計測においては、波長幅の広く干渉性の低い低コヒーレント光を使用している。広い波長幅の照明光を用いることにより、干渉が起きる距離を狭くすることができ、細胞の基板への接着面に限定した反射干渉画像を取り出すことが可能となる。
図9に420nm~750nmの波長幅の広い照明光を用いた場合と480nm、530nmを中心波長として波長幅30nm程度に狭い波長範囲でバンドパスされた照明光を用いた場合の反射干渉画像の違いを示す。図9(A)と図9(B)のように狭い波長範囲でバンドパスされた照明光では、細胞の接着面ではない細胞の上部の細胞膜と培養液との界面からの反射が干渉縞のように重なって観察されるが、図9(C)のように波長幅の広い照明光を用いることにより、細胞の上部からの反射光による干渉は観察されず、細胞の接着面により限定した情報のみを取り出すことが可能である。
本実施例では、広い放射波長を有するハロゲンランプを光源として用い、出力光に420nmから800nm程度の可視から近赤外の波長域において任意の広い波長幅のバンドパスフィルタを用いている。中心波長が500nmから1000nmで、半値全幅が100nm以上のバンドパスされた光を用いると、細胞の接着面に限定した反射干渉画像を取り出すことができる。このような照明法の工夫は細胞からの定量的なパラメータを取得する上で非常に有効である。
[第4実施例]
引き続き、本発明の第4実施例について説明する。第4実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素を全て含み、反射干渉画像取得のための照明方法に更なる特徴がある。図10は、第4実施例にかかる細胞観察装置1Aの構成概要図である。図10に示すように、細胞観察装置1Aには、リングスリット113が更に備えられている。
引き続き、本発明の第4実施例について説明する。第4実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素を全て含み、反射干渉画像取得のための照明方法に更なる特徴がある。図10は、第4実施例にかかる細胞観察装置1Aの構成概要図である。図10に示すように、細胞観察装置1Aには、リングスリット113が更に備えられている。
一般に、統計的に有意なデータを取得したり、多くの細胞の中にまれに混在する異種細胞を発見するためには、できるだけ多くの細胞について計測を行う必要がある。そのため、できるだけ低倍率の対物レンズを用いて一度に広い視野を計測することが望まれる。しかしながら、低倍率の対物レンズはNAが低く、NAの低い照明光は標本に垂直に照射される成分が多く、細胞上部に存在する溶液と空気の界面で反射し、反射光によって細胞が照明されるという現象を引き起こす。これによって接着面とは無関係な細胞の形態像が観察側に含まれるようになる。また、対物レンズの中心部分を通過した照明光は、対物レンズ内部で反射され、反射光が観察側に多く含まれて高い背景光となり、接着面の反射干渉画像のコントラストを低下させる原因となる。
本実施例にかかる細胞観察装置1Aの反射干渉計測において、図10に示すように、低いNAの対物レンズ104Aを使う場合は、対物レンズ104Aの反射干渉計測用光源106側の開口絞りと共役な位置にリング状のスリット113を設ける。リング状に開口したスリット113を反射干渉計測用光源106からの照明光が通り、照明光は対物レンズ104Aの中心は通らず周辺を通って照明され、角度のついた高いNAの光のみを使って細胞101が照明されるため、細胞101上部の溶液からの反射光の影響を低減することができる。また、リング状のスリット113を用いた照明は、低NAの対物レンズ104Aのみならず、広く対物レンズ104A内部の反射による背景光を低減することができる。リング状に開口したスリット113は使用する対物レンズ104Aの瞳径に適合して対物レンズ104Aごとに変えられるように、使用する対物レンズ104Aに適合したリングスリット113が円盤上に複数個取り付けられて、必要に応じて、円盤を回転させることによって、使用者がリングスリット113を選択できるように構成されている。
図11にリングスリット113を用いてない場合と、用いた場合の反射干渉画像を示す。図11(A)はリングスリット113を用いてない場合の反射干渉画像を示す。細胞の上部の溶液と空気との界面からの反射光によって細胞が照明され、矢印で示すように、細胞の輪郭像が細胞の接着画像に重なって観察されてしまう。一方、図11(B)のように照明光学系にリングスリット113を設けた場合には、細胞の上部の溶液と空気との界面に直進する照明成分がカットされるために、細胞が上部からの反射光によって照明されることがなくなり、細胞の接着面の情報をコントラスト良く観察することができる。このような照明法の工夫は細胞からの定量的なパラメータを取得する上で非常に有効である。
[第5実施例]
引き続き、本発明の第5実施例について説明する。第5実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素を全て含み、細胞101の入った容器に更なる特徴がある。
引き続き、本発明の第5実施例について説明する。第5実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素を全て含み、細胞101の入った容器に更なる特徴がある。
図12は、第5実施例における容器102Aを示す図である。容器102Aの有する特徴の一つは、細胞101が入れられた容器102Aの細胞101の接着面の反対側(容器102Aの観察領域の対物レンズ側)に反射防止コート114が施されたことである(以下、「特徴1」ともいう。)。容器102Aの有する他の特徴の一つは、容器102Aの上部に、培養液115の高さを一定にできるように、培養液115に接触するような高さに平行にガラスなどの観察窓116を備えたことである(以下、「特徴2」ともいう。)。容器102Aの有する更に他の特徴の一つは、観察窓116において、容器102Aの外側(培養液115に接する面の反対側の空気側)に反射防止コート117が施されたことである(以下、「特徴3」ともいう。)。
特徴1は、反射干渉画像を取得する上で著しい効果を発揮する。できるだけ多くの細胞101を計測する目的では、低倍率対物レンズを利用することが良い。しかし、低倍率の対物レンズはNAが低く、通常油浸や水浸ではなく、ドライ系の対物レンズが一般的である。しかしながら、反射干渉画像において、ドライ系の対物レンズを用いると、対物レンズから出射した照明光は細胞101の入っている容器の底面で大きく反射する。これは空気と容器の底面のガラスなどの屈折率差が大きいためである。そのため、大幅に背景光が増加して細胞101の接着面の反射干渉画像を見ることはほとんど困難となる。従来、反射干渉観察に、油浸や水浸の対物レンズが用いられてきた理由はここにある。
そこで、第5実施例では、細胞101が入れられた容器102Aの細胞101の接着面の反対側(容器102Aの観察領域の対物レンズ側)に反射防止コート114を施すことによって、ドライ系の対物レンズでの反射干渉画像の取得を可能にした。図13に示すように、反射防止コート114をしていない状態で対物レンズから照射された照明光は空気とガラスとの界面で4%程度の反射があるが、ガラス底面に照明光の波長範囲(420nm~720nm)において反射率Rを0.5%程度に抑えた反射防止コート処理を行うことによって、背景光を1/8以下に低減することができる。このため、第5実施例によれば、ドライ系の対物レンズを用いる場合であっても、高いコントラストで細胞接着面の反射干渉画像を得ることができる。
図14に容器102Aの底面に反射防止コート114を施した場合のドライ対物レンズを用いた反射干渉画像を示す。図14(A)のように反射防止コート114を施さないと、容器102Aの底面からの反射が大きいために、反射干渉画像のコントラストは極めて低下してしまう。これに対して、図14(B)のように底面に反射防止コート114を施した容器102Aを用いることによって、ドライ系の対物レンズでも良好なコントラストを得ることができる。
特徴2は、定量位相画像を取得する上で極めて有効である。定量位相画像を取得する上で、溶液の揺れによって生じる液面の高さの変化は光路長の変化となり、計測上のノイズを生じる。そのため、液面の高さが変わらないようにして計測を行うことが望まれる。しかしながら、継続的に観察を行う場合、途中で薬液を投与してその後の変化を計測する場合があり、薬液投与によって液面の揺れが生じることは避けられない。そこで、第5実施例では、細胞101の入った容器102Aの上部(または蓋)に特徴がある。
すなわち、容器102Aの上部(または蓋)には、培養液115の高さを一定にできるように、培養液115に接触するような高さに平行にガラスなどの観察窓116が設けられている。観察窓116の存在により、細胞101の入った容器102Aの観察領域における溶液の高さは、細胞101の接着した観察面である容器102Aの底面と容器102Aの上部の観察窓116との間で一定となる。観察窓116は容器102Aの底面の観察領域に対応した範囲に設けられ、周囲は開口部を設けて薬液の投与を可能にしている。なお、定量位相画像を取得するにあたり、観察窓116は標本の底面に対して並行であることが望ましい。容器102Aの上部に培養液115と接して培養液115の高さを一定に保つ観察窓116を設けた場合には、定量位相画像は時間的に安定であり、細胞101の光路長の測定結果を常に安定な条件下で得ることが可能となる。なお、容器102A上部の観察窓116は容器102Aの蓋を兼ねており、蓋を閉じた状態で無菌状態を維持することが可能である。また、薬液を投与する場合を考慮して蓋部分には薬液投与用の開口部を設けてもよい。
特徴3は、反射干渉画像を取得するにあたり、観察窓116の容器102Aの外側(培養液115に接する面の反対側の空気側)に、反射防止コート117が施されたことである。反射防止コート117を施さなかった場合には、細胞101上部の溶液に接する観察窓116のガラスと外側の空気との屈折率の差が大きいために、反射干渉画像を得る目的で対物レンズから照射された照明光が観察窓116において4%程度反射される。その反射光により細胞101が照明されて反射干渉画像に細胞101の輪郭像が重ねて投影される。このことは反射干渉画像から接着面に限定した情報を取り出す上で邪魔な情報となり、クリアな反射干渉画像を得ることの妨げとなる。そこで、第5実施例では、観察窓116の容器102Aの外側に照明光の波長範囲において反射率を0.5%程度に抑えるような反射防止コート処理を施すことによって、反射率を1/8程度に低減することができる。このため、上面からの反射光の影響を抑えて、高いコントラストで細胞接着面の反射干渉画像を得ることができる。
図15に容器102A上部の観察窓116に反射防止コート117を施した場合の反射干渉画像の改善を示す。図15(A)のように無処理の場合では、容器102A上部の観察窓116と空気との界面からの反射光によって細胞101が上部から照明されて細胞101の輪郭像が映り込んでしまう。一方で、図15(B)のように上部の観察窓116の空気側に反射防止コート117を施すことによって、上部からの反射は低減され、細胞101の接着面の反射干渉画像をコントラスト良く観察することができる。
なお、細胞101の入った容器102Aに培養液115の乱れが起きないように、例えば測定中に試薬などを投与しない状態で静置観察を行うのであれば、上述の観察窓116を設けることは必須ではなく、図16に示すように、容器の底面に反射防止コート114を施した特徴1のみを有する容器102Bとしても良い。
[第6実施例]
引き続き、本発明の第6実施例について説明する。第6実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素のうち、画像取得部10に相違点がある。つまり、定量位相計測および反射干渉計測を同時に行うための光学系の構成に特徴がある。
引き続き、本発明の第6実施例について説明する。第6実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素のうち、画像取得部10に相違点がある。つまり、定量位相計測および反射干渉計測を同時に行うための光学系の構成に特徴がある。
図17は、第6実施例における画像取得部10Aを示す。第1実施例の画像取得部10と比べると、全反射ミラー109を用いずに構成されている。つまり、定量位相光学系は回折型干渉光学系111のみとなる。このような構成により、簡素な構成が実現でき、装置化しやすいというメリットがある。
定量位相計測において、細胞101の入った容器102の上部に設置した定量位相計測用光源105から放射された照明光は、細胞101の入った容器102を透過し、対物レンズ104にて集光される。そして、ハーフミラー107を介し、定量位相像と反射干渉像を波長で分離するためのダイクロイックミラー108を透過して、位相計測のための回折型干渉光学系111にて物体光と参照光の干渉像を形成し、定量位相検出用カメラ112にて干渉縞画像が撮像される。
反射干渉計測において、反射干渉計測用光源106から放射された照明光は、ハーフミラー107にて反射して、対物レンズ104を通って、測定対象となる細胞101を入れた容器102の底面側から入射する。容器102の底面の細胞101の接着面から得られる反射光は細胞101の接着距離に応じて干渉を生じ、得られた反射干渉光は再び対物レンズ104にて集光され、ハーフミラー107を介し、定量位相像と反射干渉像を波長で分離するためのダイクロイックミラー108にて反射干渉像のみを反射して、反射干渉検出用カメラ110にて撮像される。
[第7実施例]
引き続き、本発明の第7実施例について説明する。第7実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素のうち、画像取得部10に相違点がある。つまり、定量位相計測および反射干渉計測を同時に行うための光学系の構成に特徴がある。
引き続き、本発明の第7実施例について説明する。第7実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素のうち、画像取得部10に相違点がある。つまり、定量位相計測および反射干渉計測を同時に行うための光学系の構成に特徴がある。
図18は、第7実施例における画像取得部10Bを示す。第1実施例の画像取得部10と比べると、全反射ミラー109を用いずに構成されている。従って、簡素な構成が実現でき、装置化しやすいというメリットがある。また、反射干渉入射用光学系であるハーフミラー107が共通光学系となっていないため、定量位相像はハーフミラー107を通過せずに撮像され、定量位相側の光量ロスを低減できるというメリットがある。
定量位相計測において、細胞101の入った容器102の上部に設置した定量位相計測用光源105から放射された照明光は、細胞101の入った容器102を透過し、対物レンズ104にて集光される。そして、ハーフミラー107を介することなく、定量位相像と反射干渉像を波長で分離するためのダイクロイックミラー108を透過して、位相計測のための回折型干渉光学系111にて物体光と参照光の干渉像を形成し、定量位相検出用カメラ112にて干渉縞画像が撮像される。
反射干渉計測において、反射干渉計測用光源106から放射された照明光は、ハーフミラー107およびダイクロイックミラー108にて反射して、対物レンズ104を通って、測定対象となる細胞101を入れた容器102の底面側から入射する。容器102の底面の細胞101の接着面から得られる反射光は細胞101の接着距離に応じて干渉を生じ、得られた反射干渉光は対物レンズ104にて集光され、ダイクロイックミラー108およびハーフミラー107を再び介し、反射干渉検出用カメラ110にて撮像される。
[第8実施例]
引き続き、本発明の第8実施例について説明する。第8実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素のうち、画像取得部10に相違点がある。つまり、定量位相計測および反射干渉計測を同時に行うための光学系の構成に特徴がある。
引き続き、本発明の第8実施例について説明する。第8実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素のうち、画像取得部10に相違点がある。つまり、定量位相計測および反射干渉計測を同時に行うための光学系の構成に特徴がある。
図19は、第8実施例における画像取得部10Cを示す。第1実施例の画像取得部10と比べると、全反射ミラー109を用いずに構成されている。つまり、定量位相光学系は回折型干渉光学系111のみとなり、簡素な構成が実現でき、装置化しやすいというメリットがある。また、反射干渉入射用光学系であるハーフミラー107が共通光学系となっていないため、定量位相像はハーフミラー107を通過せずに撮像されるので、定量位相側の光量ロスを低減できるというメリットがある。
定量位相計測において、細胞101の入った容器102の上部に設置した定量位相計測用光源105から放射された照明光は、細胞101の入った容器102を透過し、対物レンズ104にて集光される。そして、ハーフミラー107を介することなく、定量位相像と反射干渉像を波長で分離するためのダイクロイックミラー108から反射して、位相計測のための回折型干渉光学系111にて物体光と参照光の干渉像を形成し、定量位相検出用カメラ112にて干渉縞画像が撮像される。
反射干渉計測において、反射干渉計測用光源106から放射された照明光は、ハーフミラー107およびダイクロイックミラー108にて反射して、対物レンズ104を通って、測定対象となる細胞101を入れた容器102の底面側から入射する。容器102の底面の細胞101の接着面から得られる反射光は細胞101の接着距離に応じて干渉を生じ、得られた反射干渉光は対物レンズ104にて集光され、ダイクロイックミラー108およびハーフミラー107を再び介し、反射干渉検出用カメラ110にて撮像される。
[第9実施例]
引き続き、本発明の第9実施例について説明する。第9実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素のうち、画像取得部10に相違点がある。つまり、定量位相計測および反射干渉計測を同時に行うための光学系の構成に特徴がある。
[第9実施例]
引き続き、本発明の第9実施例について説明する。第9実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素のうち、画像取得部10に相違点がある。つまり、定量位相計測および反射干渉計測を同時に行うための光学系の構成に特徴がある。
図20は、第9実施例における画像取得部10Dを示す。第1実施例の画像取得部10と比べると、全反射ミラー109およびダイクロイックミラー108を用いずに構成されており、定量位相計測用光源105および反射干渉計測用光源106を一つの光源105Dに共通化している。従って、簡素な構成が実現でき、装置化しやすいというメリットがある。ただし、二つ目の対物レンズ104Dが必要である。
定量位相計測において、共通の光源105Dから放射された照明光は、ハーフミラー107にて反射して、対物レンズ104を通って、細胞101の入った容器102を透過し、第2対物レンズ104Dにて集光される。そして、回折型干渉光学系111にて物体光と参照光の干渉像を形成し、定量位相検出用カメラ112にて干渉縞画像が撮像される。
反射干渉計測において、共通の光源105Dから放射された照明光は、ハーフミラー107にて反射して、対物レンズ104を通って、測定対象となる細胞101を入れた容器102の底面側から入射する。容器102の底面の細胞101の接着面から得られる反射光は細胞101の接着距離に応じて干渉を生じ、得られた反射干渉光は対物レンズ104にて集光され、ハーフミラー107を再び介し、反射干渉検出用カメラ110にて撮像される。
[第10実施例]
引き続き、本発明の第10実施例について説明する。第10実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素のうち、画像取得部10に相違点がある。つまり、定量位相計測および反射干渉計測を同時に行うための光学系の構成に特徴がある。
引き続き、本発明の第10実施例について説明する。第10実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素のうち、画像取得部10に相違点がある。つまり、定量位相計測および反射干渉計測を同時に行うための光学系の構成に特徴がある。
図21は、第10実施例における画像取得部10Eを示す。第1実施例の画像取得部10と比べると、全反射ミラー109、ハーフミラー107、およびダイクロイックミラー108を用いずに構成され、定量位相計測用の光と反射干渉計測用の光とを波長ではなく角度で分けている。また、二つ目の対物レンズ104Eが必要である。
定量位相計測において、細胞101の入った容器102の上部に設置した定量位相計測用光源105から放射された照明光は、細胞101の入った容器102を透過し、対物レンズ104にて集光される。そして、ハーフミラー107やダイクロイックミラー108を介することなく、回折型干渉光学系111にて物体光と参照光の干渉像を形成し、定量位相検出用カメラ112にて干渉縞画像が撮像される。
反射干渉計測において、反射干渉計測用光源106から放射された照明光は、測定対象となる細胞101を入れた容器102の底面側から斜めに入射する。容器102の底面の細胞101の接着面から得られる反射光は細胞101の接着距離に応じて干渉を生じ、得られた反射干渉光は再び斜めで第2対物レンズ104Eにて集光され、ハーフミラー107やダイクロイックミラー108を介することなく、反射干渉検出用カメラ110にて撮像される。反射干渉計測用光源106と、第2対物レンズ104Eおよび反射干渉検出用カメラ110との間の角度調整が必要であるが、全反射ミラー109、ハーフミラー107、およびダイクロイックミラー108を用いずに構成できるため、簡素な構成が実現できるというメリットがある。
[第11実施例]
引き続き、本発明の第11実施例について説明する。第11実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素のうち、画像取得部10に相違点がある。つまり、定量位相計測および反射干渉計測を同時に行うための光学系の構成に特徴がある。
引き続き、本発明の第11実施例について説明する。第11実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素のうち、画像取得部10に相違点がある。つまり、定量位相計測および反射干渉計測を同時に行うための光学系の構成に特徴がある。
図22は、第11実施例における画像取得部10Fを示す。第1実施例の画像取得部10と比べると、全反射ミラー109、ハーフミラー107、およびダイクロイックミラー108を用いずに構成され、定量位相計測用の光と反射干渉計測用の光とを波長ではなく角度で分けている。また、二つ目の対物レンズ104Fが必要である。
定量位相計測において、定量位相計測用光源105から放射された照明光は、測定対象となる細胞101を入れた容器102の底面側から入射する。照明光は細胞101の入った容器102を透過し、対物レンズ104にて集光される。そして、全反射ミラー109、ハーフミラー107、またはダイクロイックミラー108を介することなく、回折型干渉光学系111にて物体光と参照光の干渉像を形成し、定量位相検出用カメラ112にて干渉縞画像が撮像される。
反射干渉計測において、反射干渉計測用光源106から放射された照明光は、測定対象となる細胞101を入れた容器102の底面側から斜めに入射する。容器102の底面の細胞101の接着面から得られる反射光は細胞101の接着距離に応じて干渉を生じ、得られた反射干渉光は再び斜めで第2対物レンズ104Fにて集光され、全反射ミラー109、ハーフミラー107、またはダイクロイックミラー108を介することなく、反射干渉検出用カメラ110にて撮像される。反射干渉計測用光源106と、第2対物レンズ104Fおよび反射干渉検出用カメラ110との間の角度調整が必要であるが、全反射ミラー109、ハーフミラー107、およびダイクロイックミラー108を用いずに構成できるため、簡素な構成が実現できるというメリットがある。
[第12実施例]
引き続き、本発明の第12実施例について説明する。第12実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素のうち、画像取得部10に相違点がある。つまり、定量位相計測および反射干渉計測を同時に行うための光学系の構成に特徴があり、具体的には、定量位相の計測方法を2光束方式に変えたものである。
引き続き、本発明の第12実施例について説明する。第12実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素のうち、画像取得部10に相違点がある。つまり、定量位相計測および反射干渉計測を同時に行うための光学系の構成に特徴があり、具体的には、定量位相の計測方法を2光束方式に変えたものである。
図23は、第12実施例における画像取得部10Gを示す。第6実施例の画像取得部10Aと比べると、回折型干渉光学系111を用いずに、定量位相計測用光源105からの照明光および参照光を光路118Gおよび光路119Gを用いて定量位相検出用カメラ112に到達させている点が相違する。回折型干渉光学系111を備えなくても装置構成ができるというメリットがある。定量位相の計測方法を回折型干渉光学系111を用いる代わりに、2光束方式を採用し、参照光を別の光路で作成し、最終的に物体光と参照光を干渉させる構成である。
定量位相計測において、定量位相計測用光源105からの照明光は、照明光のための光路118Gを通って、容器102の上部に設置したレンズ120Gを介して、容器102内の細胞101を透過し、対物レンズ104にて集光される。そして、ハーフミラー107を介し、ダイクロイックミラー108を透過して、ハーフミラー121Gおよびレンズ122Gを更に介し、定量位相検出用カメラ112に到達する。一方、定量位相計測用光源105からの参照光は、参照光のための光路119Gを通って、レンズ123G、ハーフミラー121G、およびレンズ122Gを順に介し、定量位相検出用カメラ112に到達する。
反射干渉計測において、反射干渉計測用光源106から放射された照明光は、ハーフミラー107にて反射して、対物レンズ104を通って、測定対象となる細胞101を入れた容器102の底面側から入射する。容器102の底面の細胞101の接着面から得られる反射光は細胞101の接着距離に応じて干渉を生じ、得られた反射干渉光は再び対物レンズ104にて集光され、ハーフミラー107を介し、定量位相像と反射干渉像を波長で分離するためのダイクロイックミラー108にて反射干渉画像のみを反射して、反射干渉検出用カメラ110にて撮像される。
[第13実施例]
引き続き、本発明の第13実施例について説明する。第13実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素のうち、画像取得部10に相違点がある。つまり、定量位相計測および反射干渉計測を同時に行うための光学系の構成に特徴がある。
引き続き、本発明の第13実施例について説明する。第13実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素のうち、画像取得部10に相違点がある。つまり、定量位相計測および反射干渉計測を同時に行うための光学系の構成に特徴がある。
図24は、第13実施例における画像取得部10Hを示す。第6実施例の画像取得部10Aと比べると、照明波長切替装置124Hおよび観察波長切替装置125Hが更に備えられている点が相違する。照明波長切替装置124Hは、反射干渉計測用光源106からの照明光の波長を切り替える装置である。観察波長切替装置125Hは、ダイクロイックミラー108からの観察光の波長を切り替える装置である。これらの装置を備えることにより、反射干渉検出用カメラ110にて所望の蛍光画像等を取得することができる。なお、図24においては、回転により波長の切り替えを行う照明波長切替装置124Hおよび観察波長切替装置125Hを一例として示している。
定量位相計測において、細胞101の入った容器102の上部に設置した定量位相計測用光源105から放射された照明光は、細胞101の入った容器102を透過し、対物レンズ104にて集光される。そして、ハーフミラー107を介し、定量位相像と反射干渉像を波長で分離するためのダイクロイックミラー108を透過して、位相計測のための回折型干渉光学系111にて物体光と参照光の干渉像を形成し、定量位相検出用カメラ112にて干渉縞画像が撮像される。
反射干渉計測において、反射干渉計測用光源106から放射された照明光は、照明波長切替装置124Hにて所望の波長に切り替えられ、ハーフミラー107にて反射して、対物レンズ104を通って、測定対象となる細胞101を入れた容器102の底面側から入射する。容器102の底面の細胞101の接着面から得られる反射光は細胞101の接着距離に応じて干渉を生じ、得られた反射干渉光は対物レンズ104にて集光され、ハーフミラー107を再び介し、ダイクロイックミラー108にて反射干渉画像のみを反射して、当該反射光は観察波長切替装置125Hにて所望の波長に切り替えられ、反射干渉検出用カメラ110にて撮像される。
[第14実施例]
引き続き、本発明の第14実施例について説明する。第14実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素のうち、ハーフミラー107に相違点がある。つまり、第14実施例は、第1実施例の構成要素を全て含み、ハーフミラー107の特性をより向上させたものである。
引き続き、本発明の第14実施例について説明する。第14実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素のうち、ハーフミラー107に相違点がある。つまり、第14実施例は、第1実施例の構成要素を全て含み、ハーフミラー107の特性をより向上させたものである。
通常のハーフミラーは全波長域において同等の分離比率を有するものが一般的である。このようなハーフミラーを本実施形態におけるハーフミラー107として用いた場合では、反射干渉の目的で光路中に設置したハーフミラー107を定量位相の像が通過する際に、定量位相画像の透過率はハーフミラー107によって制限されてしまう。そこで、第14実施例では、図25の画像取得部10Iに示すように、反射干渉計測用光源106とカメラ110との間および定量位相計測用光源105とカメラ110との間に位置し、波長により反射対透過の比率を異ならせることが可能なハーフミラー107Aを用いる。ここで、第14実施例においては、反射干渉と定量位相の照明光の波長が重ならないように、定量位相計測用光源105および反射干渉計測用光源106はそれぞれ別の波長の照明光を用いることが前提である。ハーフミラー107Aの波長特性とは、つまり、反射干渉の観察波長域においてはハーフミラー(図25では透過:反射=80:20)として働き、一方、定量位相の観察波長域においては最大限光を透過する波長特性である。こうすることにより、定量位相の観察光の光量のロスが少なくて済む。
例えば、反射干渉では可視光(420nmから750nm)を用い、定量位相では中心波長830nmで半値全幅20nmの光を用いる場合には、ハーフミラー107Aの波長特性を可視光(420nmから750nm)では反射:透過の比率を20:80に設定する一方で、800nm以上では反射:透過の比率を5:95に設定する。こうすることで、反射干渉では観察光の80%を得ることができるとともに、定量位相については、ハーフミラー107Aの反射干渉時の透過率に左右されず、95%の透過率で信号を得ることが可能となる。
[第15実施例]
引き続き、本発明の第15実施例について説明する。第15実施例では、図1に示した第1実施例の構成と同様の構成を有するが、解析部207がリファレンス記憶部208によらずに処理を行うため、図示まではしないが、図1におけるリファレンス記憶部208を除いた構成としても良い。
引き続き、本発明の第15実施例について説明する。第15実施例では、図1に示した第1実施例の構成と同様の構成を有するが、解析部207がリファレンス記憶部208によらずに処理を行うため、図示まではしないが、図1におけるリファレンス記憶部208を除いた構成としても良い。
第15実施例において、解析部207は、リファレンスデータに基づかないで、未知の被検体の細胞の種類または状態を判別する。つまり、解析部207は、未知の細胞に対して抽出したパラメータの中から所定のパラメータを選択し、当該選択された所定のパラメータを用いて、未知の細胞の種類または状態を判別する。ここで、解析部207は、特異な値を示すパラメータを所定のパラメータとして自動的に選択するように構成されていても良い。また、当該パラメータ選択処理を行うために、別途の処理手段が設けられていても良い。一方で、解析部207が、ユーザからの入力に基づき、所定のパラメータを選択するように構成されていても良い。
図26は、第15実施例において、解析部207がユーザからの入力に基づき所定のパラメータを選択するように構成された場合に、ユーザに表示される画面40を示す。画面40Aは、ユーザにパラメータの種類を示し、ユーザの選択を受けるための画面である。画面40Aの例において、ユーザは、慣性と尖度を所定のパラメータとして選択している。なお、選択ツール40A1等を用いて、ユーザが画面40Aに表示されていない他のパラメータを選択できるようにしても良い。画面40Bは、ユーザが選択したパラメータを反映してグラフに表示された例を示す。ユーザは画面40Bを確認してから、画面40Aに戻りパラメータを選択し直しても良く、そのまま画面40Cに進んでも良い。画面40Cは、細胞の画像を表示する画面である。
このような第15実施例によれば、解析部207は、リファレンスデータによらずに、処理を行うことができる。したがって、リファレンス記憶部207を設けなくて済むので、装置構成が簡潔になる。このような実施態様は、例えば、試料中の細胞が骨髄幹細胞と破骨細胞とに分かれていることが事前に分かっているときに、細胞それぞれを分別する場合に好適である。
[第16実施例]
引き続き、本発明の第16実施例について説明する。第16実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素のうち、主に、解析部207の動作に相違点がある。第16実施例では、第1抽出部204、第2抽出部205、および第3抽出部206のそれぞれ、または組み合わせにより、3つ以上のパラメータが抽出された場合を前提としており、この場合に解析部207は、当該3つ以上のパラメータに対して主成分分析を行って、未知の細胞の種類または状態を判別する。
引き続き、本発明の第16実施例について説明する。第16実施例では、図1に示した第1実施例の構成要素のうち、主に、解析部207の動作に相違点がある。第16実施例では、第1抽出部204、第2抽出部205、および第3抽出部206のそれぞれ、または組み合わせにより、3つ以上のパラメータが抽出された場合を前提としており、この場合に解析部207は、当該3つ以上のパラメータに対して主成分分析を行って、未知の細胞の種類または状態を判別する。
第16実施例における動作を簡単にまとめると、次のようである。最初に、第1抽出部204、第2抽出部205、および第3抽出部206のそれぞれ、または組み合わせが、3つ以上のパラメータを抽出して、解析部207に出力する(以下「手順1」)。次に、解析部207が、当該3つ以上のパラメータに対して、標準化を行う(以下「手順2」)。次に、解析部207が、当該標準化データに基づき、第1主成分および第2主成分を求める(以下「手順3」)。次に、解析部207が、第1主成分および第2主成分の2成分散布図に細胞をプロットし、細胞判別を行う(以下「手順4」)。以下、実際の実験例に基づき、各手順の詳細について説明する。
(手順1:パラメータ抽出)
本実験においては、それぞれ10個ずつの4種類の細胞をリファレンスとして用い、3つの未知の細胞に対して識別を実施した。なお、3つの未知の細胞は4種の細胞の何れかに含まれるものとして実験を行い、実験の目的は3つの未知の細胞が4種の細胞の何れに含まれるものかを識別することである。以下、リファレンスとして用いた各細胞の名称と、表記名と、個数(n)とを順に示す。
ラット膵β細胞株 INS-1 (n=10)
マウス膵β細胞株 MIN-6 (n=10)
ヒト膵癌細胞株 MIA PaCa-2 (n=10)
ヒト子宮頸癌細胞株 HeLa (n=10)
本実験においては、それぞれ10個ずつの4種類の細胞をリファレンスとして用い、3つの未知の細胞に対して識別を実施した。なお、3つの未知の細胞は4種の細胞の何れかに含まれるものとして実験を行い、実験の目的は3つの未知の細胞が4種の細胞の何れに含まれるものかを識別することである。以下、リファレンスとして用いた各細胞の名称と、表記名と、個数(n)とを順に示す。
ラット膵β細胞株 INS-1 (n=10)
マウス膵β細胞株 MIN-6 (n=10)
ヒト膵癌細胞株 MIA PaCa-2 (n=10)
ヒト子宮頸癌細胞株 HeLa (n=10)
図27は、リファレンスとして用いた各細胞の反射干渉画像および定量位相画像を示す。図27(A)および(B)はラット膵β細胞株(INS-1)の反射干渉画像および定量位相画像を順に示す。図27(C)および(D)はマウス膵β細胞株(MIN-6)の反射干渉画像および定量位相画像を順に示す。図27(E)および(F)はヒト膵癌細胞株(MIAPaCa-2)の反射干渉画像および定量位相画像を順に示す。図27(G)および(H)はヒト子宮頸癌細胞株(HeLa)の反射干渉画像および定量位相画像を順に示す。
本実験では、第1抽出部204、第2抽出部205、および第3抽出部206のそれぞれ、または組み合わせが、図27に示した反射干渉画像および定量位相画像から以下に示す7つのパラメータを抽出した。下記の(1)と(2)が定量位相画像より得られたパラメータであり、(3)~(7)が反射干渉画像より得られたパラメータである。図28は、7つのパラメータの実際の計測値を示す。
(1)細胞の面積
(2)細胞の厚さ
(3)接着面のテクスチャ:同時生起行列/局所一様性
(4)接着面のテクスチャ:同時生起行列/慣性
(5)接着面のコントラスト:濃度ヒストグラム/歪度
(6)接着面のコントラスト:濃度ヒストグラム/尖度
(7)接着面のコントラスト:濃度ヒストグラム/√(分散)/平均
(1)細胞の面積
(2)細胞の厚さ
(3)接着面のテクスチャ:同時生起行列/局所一様性
(4)接着面のテクスチャ:同時生起行列/慣性
(5)接着面のコントラスト:濃度ヒストグラム/歪度
(6)接着面のコントラスト:濃度ヒストグラム/尖度
(7)接着面のコントラスト:濃度ヒストグラム/√(分散)/平均
(手順2:標準化)
上記手順1で抽出した複数のパラメータから、要約した特徴を示す成分(主成分)を求めるには、各パラメータを含む1次元の式を作成する必要がある。しかし、図28に示す計測値では、パラメータによって単位が異なるために、取りうる値の大きさがまちまちである。これらの値をそのまま取り扱うと、値の大きいパラメータに情報が偏り、各パラメータから均等に情報を取り出すことが難しい。そこで、各パラメータから均等に情報を取り出すために、各パラメータの情報量を求めた。情報量として、母集団に対した偏差平方和を図28に示す計測値から求めてみたところ、図29に示すような計算結果が出た。しかし、図29に示されるように、各パラメータ間の情報量に大きな差があった。各パラメータの情報量を等しくすることが望ましいので、本実験では、各パラメータにつき、以下の数式(1)に基づき、データの標準化を行った。
X’=(Xi―X)/Xsd…(1)
なお、数式(1)において、X’は標準化後のデータであり、Xiは図28で示した各計測値であり、XはXiにおける平均値であり、XsdはXiにおける標準偏差である。
上記手順1で抽出した複数のパラメータから、要約した特徴を示す成分(主成分)を求めるには、各パラメータを含む1次元の式を作成する必要がある。しかし、図28に示す計測値では、パラメータによって単位が異なるために、取りうる値の大きさがまちまちである。これらの値をそのまま取り扱うと、値の大きいパラメータに情報が偏り、各パラメータから均等に情報を取り出すことが難しい。そこで、各パラメータから均等に情報を取り出すために、各パラメータの情報量を求めた。情報量として、母集団に対した偏差平方和を図28に示す計測値から求めてみたところ、図29に示すような計算結果が出た。しかし、図29に示されるように、各パラメータ間の情報量に大きな差があった。各パラメータの情報量を等しくすることが望ましいので、本実験では、各パラメータにつき、以下の数式(1)に基づき、データの標準化を行った。
X’=(Xi―X)/Xsd…(1)
なお、数式(1)において、X’は標準化後のデータであり、Xiは図28で示した各計測値であり、XはXiにおける平均値であり、XsdはXiにおける標準偏差である。
図30は標準化後の各パラメータの値を示す。図30に示されるように、標準化の結果、各パラメータの情報量はパラメータの種類によらず等しくなっている。このような標準化後のデータを用いることにより、平等にデータを扱うことができるようになる。
(手順3:主成分の計算)
次に、解析部207が、図30の標準化後のデータに基づき、第1主成分fおよび第2主成分gを求める。まず、標準化したデータをそれぞれ、面積=X1、光学厚さ=X2、…、√(分散)/平均=X7とし、それらから統合した特徴を表す2つの主成分であるfとgを以下の数式(2)および(3)に基づき計算する。なお、数式(2)および(3)において、a1からa7、b1からb7は係数である。
f=a1*X1+a2*X2+ … +a7*X7…(2)
g=b1*X1+b2*X2+ … +b7*X7…(3)
次に、解析部207が、図30の標準化後のデータに基づき、第1主成分fおよび第2主成分gを求める。まず、標準化したデータをそれぞれ、面積=X1、光学厚さ=X2、…、√(分散)/平均=X7とし、それらから統合した特徴を表す2つの主成分であるfとgを以下の数式(2)および(3)に基づき計算する。なお、数式(2)および(3)において、a1からa7、b1からb7は係数である。
f=a1*X1+a2*X2+ … +a7*X7…(2)
g=b1*X1+b2*X2+ … +b7*X7…(3)
このとき、係数には以下の条件を設定する。
a12+a22+ … +a72=1…(4)
b12+b22+ … +b72=1…(5)
数式(4)および(5)で示す条件を設定する理由は、後の手順で主成分f、gの分散を最大にするような係数a1からa7、b1からb7を求めるので、数式(4)および(5)の条件にて係数を制限しておかないと、係数が制限なく大きくなってしまうからである。「a12+a22+・・・ +a72」および「b12+b22+… +b72」は係数のベクトルの大きさに相当するものであり、ベクトルの大きさを1とすることで、元データの情報量を変えずに、新しい判断軸としての第1主成分fおよび第2主成分gを得ることができる。
a12+a22+ … +a72=1…(4)
b12+b22+ … +b72=1…(5)
数式(4)および(5)で示す条件を設定する理由は、後の手順で主成分f、gの分散を最大にするような係数a1からa7、b1からb7を求めるので、数式(4)および(5)の条件にて係数を制限しておかないと、係数が制限なく大きくなってしまうからである。「a12+a22+・・・ +a72」および「b12+b22+… +b72」は係数のベクトルの大きさに相当するものであり、ベクトルの大きさを1とすることで、元データの情報量を変えずに、新しい判断軸としての第1主成分fおよび第2主成分gを得ることができる。
また、fとgを相関のない互いに直交する直線とするために、以下の条件を更に設定する。
a1*b1+a2*b2+ … +a7*b7=0…(6)
a1*b1+a2*b2+ … +a7*b7=0…(6)
ここで、fについて元になるデータの情報量をできるだけ多く反映した1次式となるようにするには、fで与えられる成分の値のばらつきが最も大きくなるようにすることが考えられる。ばらつきは分散と考えることができるので、fの分散が最大になるようにする。標本数43の細胞それぞれのfの値をf1、f2、f3、…、f43とすると、fの分散Vfは以下の数式(7)で与えられ、分散Vfが最大になる条件を満たすfを計算する。
なお、上記の数式(7)において、
はfの平均値である。
以上の方法により、第1主成分fについて、上記数式(4)の条件を満たし、且つ上記数式(7)の条件を満たす係数a1、a2、…、a7を計算する。図31は、以上で説明した計算方法に基づき計算された主成分fの係数を示す。
次に、第2主成分gについて、上記数式(5)の条件を満たし、且つ上記数式(7)と同趣旨の条件(つまり分散が最大になる条件)を満たし、更に、上記数式(6)の条件を満たすような係数b1、b2、…、b7を計算する。図32は、以上で説明した計算方法に基づき計算された第2主成分gの係数を示す。
次に、各細胞についてfおよびgの値を求め、それぞれ第1主成分および第2主成分とする。図33は、各細胞について第1主成分fおよび第2主成分gを求めた結果を示す。図33(A)はラット膵β細胞株(INS-1)およびマウス膵β細胞株(MIN-6)の第1主成分fおよび第2主成分gを示しており、図33(B)はヒト膵癌細胞株(MIAPaCa-2)およびヒト子宮頸癌細胞株(HeLa)の第1主成分fおよび第2主成分gを示している。
(手順4:プロットおよび細胞判別)
解析部207が、図33に示した第1主成分fおよび第2主成分gの値を用いて、2成分散布図に各細胞をプロットし、細胞判別を行う。図34はプロットした結果を示しており、第1主成分fを横軸に、第2主成分gを縦軸にして、各細胞をプロットした例である。図34のプロット結果で示されるように、第1主成分fと第2主成分gの散布図(主成分散布図)により、4種類の細胞集団はその特徴量に応じて容易に識別することのできる集団を形成した。これは主成分の分散が最も大きくなるように求めることにより(上記数式(7))、各細胞の特徴が明示できたことを示すものである。その結果、主成分散布図において未知の細胞(○で表示したunknown)が△で表示したMIA-PaCa細胞の集団に属すると判別することができた。実際に未知の細胞はMIA-PaCaであったため、本実験による細胞判別は正しかったことが確認できた。
解析部207が、図33に示した第1主成分fおよび第2主成分gの値を用いて、2成分散布図に各細胞をプロットし、細胞判別を行う。図34はプロットした結果を示しており、第1主成分fを横軸に、第2主成分gを縦軸にして、各細胞をプロットした例である。図34のプロット結果で示されるように、第1主成分fと第2主成分gの散布図(主成分散布図)により、4種類の細胞集団はその特徴量に応じて容易に識別することのできる集団を形成した。これは主成分の分散が最も大きくなるように求めることにより(上記数式(7))、各細胞の特徴が明示できたことを示すものである。その結果、主成分散布図において未知の細胞(○で表示したunknown)が△で表示したMIA-PaCa細胞の集団に属すると判別することができた。実際に未知の細胞はMIA-PaCaであったため、本実験による細胞判別は正しかったことが確認できた。
以上で説明した実施例16は、抽出した多数のパラメータの全部また3つ以上であって抽出パラメータの一部を細胞判別に有効活用したい場合に特に好適である。例えば、判別したい細胞の種類が多くて多数のパラメータを用いて高い精度で判別すべき場合や、抽出した多数のパラメータから2つのパラメータを選択することが容易ではない場合等に、特に好適である。実施例16では、抽出した多数のパラメータに対して主成分分析を行うことにより、当該多数のパラメータが細胞判別に適切に影響を及ぼうようにすることができる。主成分分析によれば、抽出した多数のパラメータのうち2つを選択する代わりに、当該多数のパラメータの全部または3つ以上の一部が適切に反映された2つの主成分により細胞判別を行うからである。
なお、以上の説明では、パラメータの数が7つである場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、3つ以上のパラメータであれば本実施例を適用することができる。重複するため説明を省略するが、実際10個のパラメータを用いて上記実験と同様の実験を行った結果、7つのパラメータを用いた場合と同様の結果が得られた。
1,1A…細胞観察装置、10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H…画像取得部、20…処理部、30…標本、31…格子、40,40A,40B,40C…画面、101…細胞、102,102A,102B…容器、103…培養空間、104,104A,104D,104E,104F…対物レンズ、105…定量位相計測用光源、105A…照明光絞り部、105D…共通の光源、106…反射干渉計測用光源、107,107A…ハーフミラー、108…ダイクロイックミラー、109…全反射ミラー、110…反射干渉検出用カメラ、111…回折型干渉光学系、112…定量位相検出用カメラ、113…リングスリット、114…反射防止コート、115…培養液、116…観察窓、117…反射防止コート、118G…定量位相計測における照明光のための光路、119G…定量位相計測における参照光のための光路、120G,122G,123G…レンズ、121G…ハーフミラー、124H…照明波長切替装置、125H…観察波長切替装置、201…画像位置合わせ部、202…輪郭抽出部、203…輪郭適用部、204…第1抽出部、205…第2抽出部、206…第3抽出部、207…解析部、208…リファレンス記憶部。
本発明は、細胞の状態を適切に判別・評価するためのより多くの情報を得ることができる細胞観察装置および細胞観察方法を提供する。
Claims (15)
- 反射干渉計測用光源と、
定量位相計測用光源と、
前記反射干渉計測用光源から放射され細胞から反射される光を撮像することにより、反射干渉画像を生成する反射干渉撮像手段と、
前記定量位相計測用光源から放射され前記細胞を透過する光を撮像することにより、定量位相画像を生成する定量位相撮像手段と、
前記反射干渉画像と前記定量位相画像との間で、空間的な位置を一致させることにより、両画像の位置合わせを行う画像位置合わせ手段と、
前記画像位置合わせ手段により前記定量位相画像との間で前記位置合わせが行われた前記反射干渉画像より、第1パラメータを抽出する第1抽出手段と、
前記画像位置合わせ手段により前記反射干渉画像との間で前記位置合わせが行われた前記定量位相画像より、第2パラメータを抽出する第2抽出手段と、
を備えることを特徴とする細胞観察装置。 - 前記定量位相画像に基づき、前記細胞の輪郭を抽出する輪郭抽出手段と、
前記輪郭抽出手段が抽出した前記輪郭を前記反射干渉画像に適用することにより、輪郭適用後の反射干渉画像を生成する輪郭適用手段と、
前記輪郭適用後の反射干渉画像より、第3パラメータを抽出する第3抽出手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の細胞観察装置。 - 前記第1パラメータは、前記細胞が置かれている基板と、前記細胞との間の接着状態に基づく情報である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の細胞観察装置。 - 前記第2パラメータは、前記細胞の光学的厚さ、面積、体積、または前記細胞内での屈折率の変化に基づく情報である、
ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の細胞観察装置。 - 前記第3パラメータは、前記細胞の前記輪郭の中での、前記基板への前記接着状態に基づく情報である、
ことを特徴とする請求項2~4の何れか1項に記載の細胞観察装置。 - 予め既知の種類または状態の前記細胞に対して抽出したパラメータをリファレンスデータとして記憶するリファレンス記憶手段と、
前記リファレンスデータに基づき、未知の細胞の種類または状態を判別する解析手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の細胞観察装置。 - 未知の細胞に対して抽出したパラメータの中から所定のパラメータを選択し、当該選択された所定のパラメータを用いて、前記未知の細胞の種類または状態を判別する解析手段を更に備える、
ことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の細胞観察装置。 - 前記第1抽出手段または前記第2抽出手段が3つ以上のパラメータを抽出した場合に、前記3つ以上のパラメータに対して主成分分析を行うことにより、未知の細胞の種類または状態を判別する解析手段を更に備える、
ことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の細胞観察装置。 - 前記定量位相計測用光源として、低コヒーレント光を使用する、
ことを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の細胞観察装置。 - 前記反射干渉計測用光源として、低コヒーレント光を使用する、
ことを特徴とする請求項1~9の何れか1項に記載の細胞観察装置。 - 前記反射干渉計測用光源から放射され前記細胞から反射される光が集光される対物レンズと、
前記対物レンズの前記反射干渉計測用光源側の開口絞りと共役な位置に、リング状のスリットと、
を更に備えることを特徴とする請求項1~10の何れか1項に記載の細胞観察装置。 - 前記細胞を収容する容器を更に備え、
前記容器の前記細胞の接着面の反対側に反射防止コートが施されている、
ことを特徴とする請求項1~11の何れか1項に記載の細胞観察装置。 - 前記反射干渉計測用光源と前記反射干渉撮像手段との間および前記定量位相計測用光源と前記反射干渉撮像手段との間に位置し、波長により反射対透過の比率を異ならせることが可能なミラーを更に備える、
ことを特徴とする請求項1~12の何れか1項に記載の細胞観察装置。 - 反射干渉撮像手段が、反射干渉計測用光源から放射され細胞から反射される光を撮像することにより、反射干渉画像を生成する反射干渉撮像ステップと、
定量位相撮像手段が、定量位相計測用光源から放射され前記細胞を透過する光を撮像することにより、定量位相画像を生成する定量位相撮像ステップと、
画像位置合わせ手段が、前記反射干渉画像と前記定量位相画像との間で、空間的な位置を一致させることにより、両画像の位置合わせを行う画像位置合わせステップと、
第1抽出手段が、前記画像位置合わせ手段により前記定量位相画像との間で前記位置合わせが行われた前記反射干渉画像より、第1パラメータを抽出する第1抽出ステップと、
第2抽出手段が、前記画像位置合わせ手段により前記反射干渉画像との間で前記位置合わせが行われた前記定量位相画像より、第2パラメータを抽出する第2抽出ステップと、
を備えることを特徴とする細胞観察方法。 - 輪郭抽出手段が、前記定量位相画像に基づき、前記細胞の輪郭を抽出する輪郭抽出ステップと、
輪郭適用手段が、前記輪郭抽出手段が抽出した前記輪郭を前記反射干渉画像に適用することにより、輪郭適用後の反射干渉画像を生成する輪郭適用ステップと、
第3抽出手段が、前記輪郭適用後の反射干渉画像より、第3パラメータを抽出する第3抽出ステップと、
を更に備えることを特徴とする請求項14に記載の細胞観察方法。
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