JP2015146747A - 細胞判定方法 - Google Patents

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Norikazu Sugiyama
範和 杉山
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秀直 岩井
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謙太郎 後藤
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Abstract

【課題】細胞の分化度を判定することができる新規な細胞判定方法を提供すること。【解決手段】細胞厚さに基づいて、細胞の分化度を判定する判定ステップを備えることを特徴とする細胞判定方法。【選択図】なし

Description

本発明は、細胞判定方法に関するものである。
ヒト由来のES細胞、iPS細胞等の幹細胞は、多種類の細胞に分化する能力(多能性)を持ち、病気の解明や創薬スクリーニング、毒性試験、再生医療等、これまで困難であったヒト細胞を用いた大規模な薬効評価や医療への応用が可能であることで注目されている。これらの幹細胞から目的の細胞に分化誘導を行う際の分化効率は、出発材料である幹細胞の状態に大きく依存するとされている。つまり幹細胞が多能性を維持し、未分化な状態を保持していないと、分化誘導の効率が低下する。そのためこれらの幹細胞を産業応用するためには、幹細胞の品質を管理することが極めて重要であり、幹細胞をモニタリングし、状態を非侵襲で判定する必要がある。
そして、これらの幹細胞は、数千〜数万個程度の複数の幹細胞が接着(接触)して密集した細胞集団(コロニー)を形成するため、品質の管理もコロニー単位で行われるのが通常である。
例えば、特許文献1は、多数の細胞から構成される細胞コロニーの光路長画像を用いて、前記細胞コロニーの解析を行う細胞解析装置における細胞解析方法であって、前記細胞解析装置の取得手段が、前記細胞コロニーの光路長画像を取得する取得ステップと、前記細胞解析装置の抽出手段が、当該取得した光路長画像中において、前記細胞の細胞核に対応する円形形状を抽出する抽出ステップと、前記細胞解析装置の比較手段が、当該抽出した円形形状に対し、その内側の光路長および外側の光路長を比較する比較ステップと、前記細胞解析装置の解析手段が、当該比較結果に基づき、前記細胞コロニーの解析を行う解析ステップと、を備えることを特徴とする細胞解析方法を開示する。
また、非特許文献1には、分化細胞であるCHO細胞、HeLa細胞、破骨細胞様(OC)細胞における細胞質領域の平均光路長が核領域の平均光路長よりも低かったのに対し、コロニー中の各hiPS細胞における細胞質領域の平均光路長が核領域の平均光路長よりも大きかったこと、光路長の比(細胞質/核)がhiPS細胞と他のタイプの分化細胞を区別するための簡単な指標となり得ること、が記載されている。
特開2012−231709号公報
Biomedical Optics Express,Vol.3,Issue 9,pp.2175−2183(2012)
特許文献1及び非特許文献1に記載された方法は、いずれも、細胞核領域の内側の光路長と外側の光路長の比に基づいて、細胞が幹細胞であるか否かを判定する方法である。
そこで、本発明者らは、細胞核領域の内側の光路長と外側の光路長の比以外の、細胞が幹細胞であるか否かを判定する指標について検討したところ、細胞厚さに基づいて、細胞の分化度を判定できることを新たに見い出した。
本発明は、この知見に基づくものであり、細胞の分化度を判定することができる新規な細胞判定方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成する本発明は、細胞厚さに基づいて、細胞の分化度を判定する判定ステップを備えることを特徴とする細胞判定方法である。
本発明の細胞判定方法は、幹細胞の細胞厚さが分化細胞の細胞厚さよりも大きいという知見に基づく。
本発明の細胞判定方法において、「細胞」とは、「単一細胞又は細胞集団」を意味する。
また、「厚さ」は、「物理長又は光路長」を意味し、複数の厚さ(の値)の「平均値」であっても差支えない。なお、「光路長」は、「位相差」又は「光学厚さ」と同じ意味であり、「屈折率差」に「物理長(物理的厚さ)」を乗じたものである(光路長=屈折率差×物理長)。「屈折率差」とは細胞(細胞内)の屈折率と細胞外の屈折率の差をいう。
また、「分化度」は、「分化能を有する幹細胞から分化能の無い細胞(分化細胞)までの分化の度合い(程度)」である。
本発明の細胞厚さを式(1)で表される平均光路長とすると、判定の精度が向上する。
平均光路長=(C+N)/2 ・・・(1)
(式中、Nは細胞核領域の内側の光路長を表し、Cは細胞核領域の外側の光路長を表す。)
特に、判定ステップが、式(1)で表される平均光路長及び式(2)で表されるCN比に基づいて、細胞の分化度を判定するステップである本発明の細胞判定方法は、極めて判定の精度が優れている。
CN比=C/N ・・・(2)
(式中、Nは細胞核領域の内側の光路長を表し、Cは細胞核領域の外側の光路長を表す。)
ここで、平均光路長及び式(2)で表されるCN比に基づいて、細胞の分化度を判定するステップとしては、具体的には、式(3)で表される光路長パラメータによるものがある。
光路長パラメータ=(平均光路長−c1)α・(CN比−c2)β ・・・(3)
(式中、c1及びc2は任意の定数を表す。またα>0、β≧0、平均光路長=(C+N)/2、CN比=C/Nであり、Nは細胞核領域の内側の光路長を表し、Cは細胞核領域の外側の光路長を表す。)
また、本発明の細胞厚さは細胞の物理長であってもよい。
また、本発明の細胞判定方法において、細胞が単一細胞である場合、単一細胞の分化度を判定することができ、細胞が細胞集団である場合、細胞集団の分化度を判定することができる。
本発明の細胞判定方法は、顕微鏡を使用して細胞を観察し、細胞観察データを取得する取得ステップと、細胞観察データに基づいて、細胞厚さを決定する決定ステップと、をさらに備えるものであってよい。このようなステップをさらに備える本発明の細胞判定方法によって、観察した細胞の分化度を判定することができる。
特に、顕微鏡が位相差顕微鏡である場合、細胞観察データを細胞の光路長に簡便に変換でき、そして、顕微鏡が反射型定量位相顕微鏡、低コヒーレンス干渉顕微鏡、位相トモグラフィー顕微鏡、光コヒーレンストモグラフィー顕微鏡、共焦点顕微鏡又は微分干渉顕微鏡である場合、細胞観察データを細胞の物理長に簡便に変換できる。
細胞観察データが二以上の細胞観察画像を結合した画像であると、決定ステップで決定される細胞厚さの精度が高くなる。
本発明によれば、細胞の分化度を判定することができる新規な細胞判定方法を提供することができる。
多能性幹細胞コロニーの模式図である。 細胞判定装置Dのハードウエア的構成を示す概要図である。 細胞判定装置Dの機能的構成を示す概要図である。 定量位相画像を補正せずに結合した画像である。 定量位相画像を補正せずに結合した画像の模式図である。 定量位相画像を補正せずに結合した画像の第二の模式図である。 定量位相画像を結合して補正した画像である。 H9細胞コロニーの定量位相画像である。 図4の拡大図である。 細胞核を染色したH9細胞コロニーの拡大画像である。 H9細胞コロニーの拡大模式図(図中(A))、H9細胞核領域の内側のサンプリング範囲を示す拡大模式図(図中(B))及びH9細胞核領域の外側のサンプリング範囲を示す拡大模式図(図中(C))である。 良コロニーに含まれる細胞の散布図(図中(A))及び不良コロニーに含まれる細胞の散布図(図中(B))である。 CN比のヒストグラム(図中(A))及び平均光路長のヒストグラム(図中(B))である。 QPMスコアの等高線図である。 QPMスコアのヒストグラムである。 CN比、平均光路長及びQPMスコアのROC曲線である。 各コロニーのCN比の散布図(図中(A))、各コロニーの平均光路長の散布図(図中(B))、各コロニーのQPMスコアの散布図(図中(C))である。 反射型定量位相顕微鏡の三次元データから抽出した細胞の底面及び表面形状を示す図である。 反射型定量位相顕微鏡の細胞の三次元データを数値化して、プロットした図である。図中(A)はiPS細胞のプロット図であり、図中(B)はレチノイン酸を添加して培養したiPS細胞(分化細胞)のプロット図である。 平均光路長及び物理長のどちらに基づいても細胞がiPS細胞であるか否かの判別が可能であることを示す図である。同じiPS細胞コロニー及び分化細胞コロニーについて、図中(A)は物理長の違いを示し、図中(B)は平均光路長の違いを示す。
本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。本発明の細胞判定方法は、「細胞厚さに基づいて、細胞の分化度を判定する判定ステップ」を備えるものである。
ここで、「細胞」は「単一細胞又は細胞集団」を意味し、そうである限りにおいて、細胞は特に制限されず、染色されていなくてもよい。細胞はヒトだけでなく、マウス、サル、ウサギ、イヌ、ネコ等の細胞でもよい。また、細胞は、複数系統の細胞に分化する能力(多分化能)及び細胞分裂を経ても多分化能を維持できる能力(自己複製能)を有する細胞(幹細胞)でよく、分化細胞でもよい。幹細胞としては、例えばES細胞、iPS細胞等の多能性幹細胞が挙げられる。なお、nanog遺伝子は多能性幹細胞への変化の最終段階に近い時点で発現し、nanog遺伝子を発現する細胞は多能性幹細胞としての性質を強く維持しているので、多能性幹細胞は、nanog遺伝子を発現する細胞ということもできる。
細胞集団には、コロニー及びその小塊が含まれる。細胞集団を形成する細胞は、幹細胞のみであることもあるし、幹細胞及び分化細胞であることもあるし、分化細胞のみであることもある。多能性幹細胞コロニーの模式図を図1に示す。
細胞は培養細胞であってもなくてもよいが、通常は培養細胞である。
また、「厚さ」は、「物理長又は光路長」を意味し、複数の厚さ(の値)の「平均値」であっても差支えない。なお、「光路長」は、「位相差」又は「光学厚さ」と同じ意味であり、「屈折率差」に「物理長(物理的厚さ)」を乗じたものであり(光路長=屈折率差×物理長)、光路長と物理長は相関している。「屈折率差」とは細胞(細胞内)の屈折率と細胞外の屈折率の差をいう。例えば、細胞の屈折率を1.370とし、細胞外の培養液の屈折率を1.335とすると、屈折率差は0.035となる。
単一細胞の細胞厚さは、単一細胞における一個の細胞厚さで代表されていてもよいし、単一細胞における複数個の細胞厚さ(の値)の平均値であってもよい。また、細胞集団の細胞厚さは、細胞集団を形成する一細胞の細胞厚さで代表されていてもよいし、細胞集団を形成する複数個の各細胞の細胞厚さ(の値)の平均値であってもよい。なお、細胞集団を形成する一細胞の細胞厚さ又は複数個の各細胞の細胞厚さは、一個の細胞厚さで代表されていてもよいし、複数個の細胞厚さ(の値)の平均値であってよいのはもちろんである。
光路長は、式(1)で表される平均光路長が好ましい。細胞集団の平均光路長は、細胞集団を形成する複数個の各細胞の平均光路長の平均値であってよい。細胞厚さを平均光路長とすると、判定の精度が向上する。
平均光路長=(C+N)/2 ・・・(1)
(式中、Nは細胞核領域の内側の光路長を表し、Cは細胞核領域の外側の光路長を表す。)
また、細胞厚さは細胞の物理長であってもよい。細胞厚さを光路長と物理長のどちらにするかは、適宜選択することができる。
判定ステップにおいては、細胞厚さに基づいて判定が行われていればよく、細胞厚さそのものにより判定を行わなければならないということではない。例えば、判定ステップにおいて、細胞厚さの増加関数(単調増加関数)値又は減少関数(単調減少関数)値、あるいは細胞厚さ及び他の指標、特に式(2)で表されるCN比、に基づき、細胞の分化度を判定するようにしてもよい。細胞集団のCN比は、細胞集団を形成する複数個の各細胞のCN比の平均値であってよい。
CN比=C/N ・・・(2)
(式中、Nは細胞核領域の内側の光路長を表し、Cは細胞核領域の外側の光路長を表す。)
特に、判定ステップが、平均光路長及びCN比により、細胞の分化度を判定するステップである細胞判定方法は、極めて判定の精度が優れている。
ここで、平均光路長及びCN比により、細胞の分化度を判定するステップとしては、具体的には、式(3)で表される光路長パラメータに基づくものがある。細胞集団の光路長パラメータは、細胞集団を形成する複数個の各細胞の光路長パラメータの平均値であってよい。
光路長パラメータ=(平均光路長−c1)α・(CN比−c2)β ・・・(3)
(式中、c1及びc2は任意の定数を表す。またα>0、β≧0、平均光路長=(C+N)/2、CN比=C/Nであり、Nは細胞核領域の内側の光路長を表し、Cは細胞核領域の外側の光路長を表す。)
式(3)におけるc1、c2、α及びβは、判定の精度が向上するように設定することができる。c1に制限はないが、−400〜400、好ましくは−200〜200の範囲で設定され、0であってもよい。c2は、分化細胞の割合が少なくなるCN比をもとに設定することが好ましい。c2は、例えば0.6〜0.9、好ましくは0.7〜0.85の範囲で設定され、0.8がより好ましい。αは0より大きければよいが、通常は整数であり、好ましくは1又は2、より好ましくはαは1である。また、βも0以上であればよいが、通常は整数であり、好ましくは0又は1である。
c1が0であり、αが1であり、そしてβが0であることが特に好ましいが、このとき、光路長パラメータは平均光路長となる。
また、c1が0であり、α及びβが1であることも特に好ましいが、このとき、光路長パラメータは、式(4)で表されるQPMスコアとなる。
QPMスコア=平均光路長・(CN比−c2)
=(C+N)/2・(C/N−c2) ・・・(4)
「分化度」は、「分化能を有する幹細胞から分化能の無い細胞(分化細胞)までの分化の度合い(程度)」である。
体細胞がiPS細胞に変化するのにともなって、遺伝子SSEA1、OCT−4、nanogが順番に発現していくことが従来知られており(Tobias Brambrink et al,“Sequential Expression of Pluripotency Markers during Direct Reprogramming of Mouse Somatic Cells”,Cell Stem Cell,Vol.2,pp.151−159,Februrary 2008)、分化細胞と幹細胞の間には段階的な細胞状態の変化がある。このことと、幹細胞の厚さが分化細胞の厚さよりも大きいという本発明者ら新たなの知見から、細胞厚さに基づいて、細胞の分化度を判定することが可能であるといえる。
細胞厚さに基づいて、細胞の分化度を判定する判定ステップとしては、細胞厚さに基づいて、細胞が幹細胞であるか否かを判定するステップが挙げられる。
細胞厚さに基づいて、細胞が幹細胞であるか否かを判定するには、通常は、まず細胞厚さに基づく指標の値と予め設定した当該指標の値(設定閾値)とを比較する。設定閾値は、具体的には、幹細胞の細胞厚さに基づく指標の値と、分化細胞の当該指標の値の間の値であって、予め設定したものである。なお、指標の値が平均値であってよいのはもちろんである。次に、比較の結果に基づき、細胞が幹細胞であるか否かを判定する。
例えば、細胞厚さにより判定するときは、細胞厚さと予め設定した細胞厚さの閾値(設定細胞厚さ)とを比較する。具体的には、細胞厚さと設定細胞厚さとの大小を比較し、設定細胞厚さより大きい細胞厚さと小さい細胞厚さを分別する。なお、設定細胞厚さは、予め幹細胞及び分化細胞の細胞厚さを調べて設定されるものであって、通常は、判定の精度が優れたものとなるように設定される。そして、設定細胞厚さより細胞厚さが大きい場合に、細胞が幹細胞であると判定し、設定細胞厚さより細胞厚さが小さい場合に、細胞が幹細胞でないと判定する。
細胞厚さ及び他の指標、特にCN比、に基づき細胞が幹細胞であるか否かを判定する場合も同様である。例えば、QPMスコア等の光路長パラメータにより判定するときは、光路長パラメータと予め設定した当該パラメータの閾値(設定パラメータ)とを比較し、細胞が幹細胞であるか否かを判定する。そして、設定パラメータより光路長パラメータが大きい場合に、細胞が幹細胞であると判定し、設定パラメータより光路長パラメータが小さい場合に、細胞が幹細胞でないと判定する。
設定閾値は一つだけでなく、二以上設定することもできる。細胞は、(設定閾値の数+1)のグループのいずれかに分別されることになる。設定閾値が一つである場合、上述のように、細胞は二つのグループ、すなわち幹細胞及び分化細胞、のいずれかに分別され、設定閾値が二つである場合、細胞は三つのグループ(例えば、高分化細胞、中分化細胞及び低分化細胞)の何れかに分別される。
また、幹細胞の細胞厚さに基づく指標の値を分化度0%に対応させ、そして分化細胞の当該指標の値を分化度100%に対応させて、細胞厚さに基づく指標の値をもとに分化度(%)を求めるようにしてもよい。
細胞が単一細胞である場合、単一細胞が単一幹細胞であるか否かを判定することができるし、細胞が細胞集団である場合、細胞集団が幹細胞集団であるか否かを判定することもできる。
判定した結果は最後に画面に表示されるようにしてもよい。判定の目的が細胞の分別にある場合は、観察した細胞が幹細胞又は分化細胞であることがわかるように画面に表示するのが好ましい。
本発明の細胞判定方法は、「細胞厚さに基づいて、細胞の分化度を判定する判定ステップ」を備えていればよく、細胞厚さを決定するまでのステップに制限はないが、細胞厚さを決定するまでのステップの一例について説明する。
細胞厚さを決定するまでのステップとしては、例えば、顕微鏡を使用して細胞を観察し、細胞観察データを取得する取得ステップと、細胞観察データに基づいて、細胞厚さを決定する決定ステップが挙げられる。このようなステップをさらに備える細胞判定方法によって、観察した細胞が幹細胞であるか否かを判定することができる。
まず、取得ステップについて説明する。顕微鏡としては、まず、位相差顕微鏡、例えば透過型定量位相顕微鏡、反射型定量位相顕微鏡等の定量位相顕微鏡、位相差コントラスト顕微鏡、がある。
また、顕微鏡としては、反射型定量位相顕微鏡、低コヒーレンス干渉顕微鏡、位相トモグラフィー顕微鏡、光コヒーレンストモグラフィー顕微鏡、共焦点顕微鏡、微分干渉顕微鏡等の三次元イメージングが可能な顕微鏡が挙げられる。なお、微分干渉顕微鏡は、焦点を連続的に変化させながら二以上の細胞観察画像を撮像する機構を備えたものが好ましい。
さらに、顕微鏡は、走査型プローブ顕微鏡等でもよい。
特に、顕微鏡が位相差顕微鏡である場合、細胞観察データを細胞の光路長に簡便に変換することができる。中でも、透過型定量位相顕微鏡が好ましい。また、顕微鏡が三次元イメージングが可能な顕微鏡である場合、細胞観察データを細胞の物理長に簡便に変換できる。中でも、反射型定量位相顕微鏡、共焦点顕微鏡が好ましい。
顕微鏡を使用して細胞を観察する際の細胞の状態に特に制限はないが、細胞の状態は、顕微鏡を使用して観察するのに適した単層状態であることが好ましい。また、細胞をガラス製培養ディッシュ、カバーガラス等で培養し、そのまま顕微鏡を使用して観察することもできるが、ガラス表面は、反射防止コーティングされていることが好ましい。これにより、顕微鏡を使用して細胞を観察する際、ガラスからの光の反射の影響を抑制することができる。
細胞観察データは、顕微鏡を使用して細胞を観察して取得されたデータ(細胞の顕微鏡データ)であり、細胞厚さそのもの又は細胞厚さに変換できるデータであればよい。データには画像(画像データ)も含まれる。
細胞観察データとしては、まず、細胞の位相差顕微鏡画像、例えば、細胞の定量位相顕微鏡画像(定量位相画像)、細胞の位相差コントラスト顕微鏡画像(位相差コントラスト画像)等がある。
また、他の細胞観察データとしては、三次元イメージングが可能な顕微鏡、例えば、反射型定量位相顕微鏡、低コヒーレンス干渉顕微鏡、位相トモグラフィー顕微鏡、光コヒーレンストモグラフィー顕微鏡、共焦点顕微鏡、微分干渉顕微鏡等の細胞の三次元データや断層画像が挙げられる。
さらに、走査型プローブ顕微鏡データ、例えば、細胞の底面と表面の間の物理長、も細胞観察データである。
中でも、細胞観察データとしては、細胞の定量位相画像が好ましい。
次に、決定ステップについて説明する。
細胞厚さは、細胞観察データに基づいて決定される。細胞観察データが細胞厚さそのものである場合、それを細胞厚さと決定することができる。例えば、走査型プローブ顕微鏡データである細胞の底面と表面の間の物理長をそのまま細胞厚さと決定することができる。
細胞観察データが細胞厚さでない場合、細胞観察データを細胞厚さに変換する。なお、細胞厚さへの変換に先立ち、必要に応じて、細胞観察データのデータ処理、例えば、細胞観察画像の拡大、縮小、輝度調整、画像の減算又は加算といった補正、を行ってもよい。また、細胞観察画像は、二以上の細胞観察画像を結合(連結)した(繋ぎ合わせた)ものであってもよい。結合する前又は後に、必要に応じ各細胞観察画像の補正を行ってよいのはもちろんである。例えば、二以上の細胞の定量位相画像における位相値を適宜補正して結合したものを細胞観察画像とすることができる。
例えば、細胞観察データが、細胞の位相差顕微鏡画像、特に、細胞の定量位相画像、細胞の位相差コントラスト画像である場合、その画像を細胞の光路長に変換する。
また、例えば、細胞観察データが、三次元イメージングが可能な顕微鏡、特に、反射型定量位相顕微鏡、低コヒーレンス干渉顕微鏡、位相トモグラフィー顕微鏡、光コヒーレンストモグラフィー顕微鏡、共焦点顕微鏡、微分干渉顕微鏡による細胞の三次元データや断層画像である場合、これらを変換して細胞の物理長とする。
さらに、必要に応じ、複数個の細胞厚さから一個の細胞厚さを選択したり、複数個の細胞厚さを平均して一個の細胞厚さの平均値としたりすることもできる。例えば、一個の細胞における複数個の細胞厚さを平均して、その細胞を代表する一個の細胞厚さとすることができる。
決定する細胞厚さは一個以上であればよく、制限はないが、通常は、判定しようとする細胞につき一個の細胞厚さを決定する。
(細胞判定装置)
本発明の細胞判定方法で使用する細胞判定装置についても説明する。図2は一実施形態に係る細胞判定装置のハードウエア的構成を示す概要図であり、図3は一実施形態に係る細胞判定装置の機能的構成を示す概要図である。
図2に示すように、細胞判定装置Dは、物理的には、CPU D11、ROM D12及びRAM D13等の主記憶装置、キーボード及びマウス等の入力デバイスD14、ディスプレイ等の出力デバイスD15、他の装置との間でデータの送受信を行うためのネットワークカード等の通信モジュールD16、ハードディスク等の補助記憶装置D17等を含む通常のコンピュータとして構成される。後述する細胞判定装置の各機能は、CPU D11、ROM D12、RAM D13等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU D11の制御の下で入力デバイスD14、出力デバイスD15、通信モジュールD16を動作させるとともに、主記憶装置D12、D13や補助記憶装置D17におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
図3に示すように、細胞判定装置Dは、機能的構成要素として、決定手段D1、判定手段D2及び表示手段D3を備える。細胞判定装置は、通信モジュールD16による受信、入力デバイスD14による入力、等により、細胞観察データを受領する。
決定手段D1は、細胞観察データに基づいて、細胞厚さを決定するものである。判定手段D2は、細胞厚さに基づいて、細胞の分化度を判定するものである。表示手段D3は、判定した結果を表示するものである。
(細胞判定プログラム)
細胞判定プログラムは、コンピュータを、決定手段D1、判定手段D2及び表示手段D3として機能させるものである。コンピュータに細胞判定プログラムを読み込ませることにより、コンピュータは細胞判定装置として動作する。細胞判定プログラムは、例えば、記録媒体に格納されて提供される。なお、記録媒体としては、フレキシブルディスク、CD、DVD等の記録媒体、ROM等の記録媒体、又は半導体メモリ等が例示される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明が上記の実施形態に限定されないことはいうまでもない。
(実施例1)
[多能性幹細胞サンプルの取得]
ヒト多能性幹細胞の細胞株として、H9(ヒトES細胞)、khES−3(ヒトES細胞)、IMR−90−1(ヒトiPS細胞)を準備し、培養した。未分化の正常な多能性幹細胞と、分化した異常な細胞の両方を人為的に作るために、意図的に不適切な培養条件で培養を行った。具体的には、適切な継代日数(3日/継代)を超えて培養を継続し、細胞コロニーが大きくなりすぎた状態(オーバーグロース状態)のサンプルを作成した。このオーバーグロース状態の細胞集団には、未分化の正常な多能性幹細胞と、分化した異常な細胞が混在していると考えられる。さらにこのオーバーグロース状態のサンプルを別の培養ディッシュに継代することで、顕微鏡観察に適した単層培養状態の細胞サンプルが得られた。
[定量位相画像の取得]
この細胞サンプルを、継代後2日ないし3日目に観察した。観察には透過型定量位相顕微鏡(特許文献1及び非特許文献1参照)を用いた。透過型定量位相顕微鏡は、蛍光色素等を用いず、光の干渉を利用して生きたままの細胞の光路長(物理長×屈折率差)をイメージングできる顕微鏡である。顕微鏡の一視野には培養ディッシュ全体が入らないため、視野をずらしながら複数枚の画像を撮像し、撮像後に結合する(繋ぎ合わせる)ことで、培養ディッシュ全体の透過型定量位相顕微鏡画像(定量位相画像)を得た。また、定量位相画像から細胞核の位置を精度よく切り出すために、定量位相画像の撮像に先立って、生染色(Hoechst33342)で細胞核を染色しておき、同時に撮像した。
ヒト多能性幹細胞の光路長(光学厚さ)を絶対値として算出するにあたっては、画像の適切な結合が必要となる。例として、定量位相顕微鏡で測定されたヒトES細胞コロニーの定量位相画像を、視野を変えながら複数撮像し、補正せずに結合した画像を図4に示す。図4では縦12枚、横13枚の視野の画像が並べられている。定量位相画像では、細胞の光路長を示す画像の輝度値に傾きとオフセットが生じやすいため、真の位相値の分布をφ(x,y)とした場合、測定された位相値はφ(x,y)=φ(x,y)+Offs+Sx*x+Sy*yとなる。Sxはx座標方向の傾き、Syはy座標方向の傾きを表し、Offsは画像のオフセット値である。
この画像を補正するにあたって、まずは各視野について補正を行う。定量位相画像を補正せずに結合した画像の模式図を図5に示す。図5には斜線で示した細胞コロニーの領域と、そうでない背景領域があり、視野は3×3の9視野である。背景領域が含まれる視野Aについては、背景画像の補正により真の位相値を求めることができる。すなわち、背景画像をBg=Offs_B+Sx_B*x+Sy_B*yとしたときに、背景となるピクセルを3ピクセル以上取り、それら(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)…(xN,yN)についての二乗平均誤差ε(式(5))を、

としたときに、εが最小となるOffs_B、Sx_B及びSy_Bを求めることで、背景画像を推定することができる。このようにして背景画像を推定し、定量位相画像から差し引くことで、背景領域が含まれる視野については、補正を行うことができる。
次に、背景領域が含まれていない視野について補正を行う。例えば図5の視野Bがこの背景領域が含まれていない視野にあたる。この視野Bについては、視野Aの真の位相分布が既に確定しているとすると、上下左右の4辺について、満たすべき位相分布が定まる。そこで、視野Bのような視野については、真の位相分布が確定している辺について、辺のピクセルを(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)…(xN,yN)とし、すでに確定している辺における該当するピクセルの位相値を、φ1、φ2、φ3…φNとすると、式(6)で表される二乗平均誤差εすなわち

が最小となるOffs_B、Sx_B及びSy_Bを求めることで、背景画像を推定することができる。このようにして背景画像を推定し、定量位相画像から差し引くことで、背景領域が含まれない視野についても補正を行うことができる。
図6は定量位相画像を補正せずに結合した画像の第二の模式図である。図6のような画像の場合、視野Dについては、背景画像が含まれる視野について補正を行った後でも、どの辺も真の位相値が確定した視野と接していないので、すぐには補正ができない。このような場合は、背景画像補正により既に真の位相値が確定した画像に対して、より多くの辺を接している視野、具体的に図6においては視野Bから上述した手法により補正を開始する。その後、補正が追加された視野も含め既に真の位相値が確定した画像に対して、より多くの辺を接している視野、具体的に図6においては視野Cの補正を行い、最後に視野Dの補正を行う、というようにして、全視野の補正を行うことが可能となる。
このようにして、定量位相画像を補正せずに結合した画像(図4)を補正した画像を図7に示す。位相の絶対値が正しくイメージング出来ていることがわかる。位相の絶対値は光路長に比例するので、このような補正により光路長の絶対的定量が可能となる。
[コロニーの分別]
定量位相画像を取得後、サンプルを4%固定し免疫染色を行った。染色には抗nanog−Alexa488抗体(nanog)を用いた。nanogは未分化のマーカーとなるホメオドメインタンパク質である。nanog染色の輝度に閾値を設けて、多能性幹細胞と分化細胞を分別した。多能性幹細胞の割合が60%以上のコロニーを良コロニー、40%以下のコロニーを不良コロニーとし、その中間を良・不良混在コロニーとした。この良コロニー・不良コロニーの分別を正解として、定量位相画像の情報のみから多能性幹細胞を判定する画像処理手法を比較検討した。
例として、H9細胞について詳細に述べる。H9細胞については、11ディッシュ、103コロニーを解析した。nanog染色結果から、この103コロニー中に、良コロニーが52個、不良コロニーが49個、良・不良混在コロニーが3個あることが分かった。解析できた細胞数は良コロニーが合計32893個、不良コロニーが合計5094個、良・不良混在コロニーが合計130個であった。
[光路長の定量]
これらのコロニーを形成する細胞一個一個について、定量位相画像の解析を行った。図8はH9細胞コロニーの定量位相画像であり、図9はその拡大図である。定量位相画像の輝度が細胞の光路長を示す。このコロニーは、免疫染色により99.8%以上が多能性幹細胞と判断された良コロニーの一例である。定量位相画像は20倍対物レンズを用いて撮像されており、拡大すると細胞一個一個が見える。なお、細胞核の位置の同定のために細胞核を染色したH9細胞コロニーの拡大画像を図10に示す。
図9から、細胞核領域の内側の光路長が細胞核の外側の光路長より小さい傾向が見て取れる。この傾向を定量計測するため、細胞核領域の抽出ができた全ての細胞一個一個について、細胞核領域の内側と外側の光路長をサンプリングし、統計処理した。サンプリング範囲について説明するため、図11(A)に定量位相画像の拡大模式図を示す。細胞核領域の内側のサンプリング範囲は、図11(B)の斜線部のように核小体を除く細胞核内全領域とし、細胞一個一個の光路長の平均値を算出した。細胞核領域の外側のサンプリング範囲は、図11(C)の斜線部のように、細胞核領域の周囲のドーナッツ型形状の領域とし、細胞一個一個の物理長の平均値を算出した。
この結果、前述の通り、良コロニーに含まれる細胞32893個、不良コロニーに含まれる細胞5094個、良・不良混在コロニーに含まれる細胞130個について、細胞核領域の内側及び外側の光路長の定量値を得ることができた。なお、細胞核の位置の同定は、上記Hoechst33342細胞核染色画像をもとにして行った。細胞核染色は実験の精度を高めるために行っており、細胞核染色を行わなくても定量位相画像のみから細胞核の位置を大まかに同定することも可能である。
[平均光路長の計算]
測定された細胞の光路長の定量値から、平均光路長及びCN比を計算した。平均光路長とは、平均光路長=(C+N)/2で計算される値(単位:ナノメートル)であり、CN比とは、CN比=C/Nで計算される値である。ここで、Nは細胞核領域の内側の光路長であり、Cは細胞核領域の外側の光路長である。
[判定基準としての平均光路長]
良コロニーに含まれる細胞の散布図(スキャッタグラム)が図12(A)であり、不良コロニーに含まれる細胞の散布図が図12(B)である。ここで、横軸が平均光路長であり、縦軸がCN比である。これらの散布図から、「良コロニーにおいてCN比>1、不良コロニーにおいてCN比<1」という傾向とともに、不良コロニーに含まれる細胞の平均光路長が、良コロニーのそれに比べて小さいという傾向も見て取れる。このことはすなわち、不良コロニーに含まれる細胞が、概して良コロニーに含まれる細胞よりも薄いことを示している。
さらに、CN比のヒストグラムを図13(A)に示し、平均光路長のヒストグラムを図13(B)に示す。これらのヒストグラムにおいて実線は多能性幹細胞のものであり、破線は分化細胞のものである。図13(A)及び図13(B)から、CN比だけでなく平均光路長も、細胞が多能性幹細胞であるか否かを判定する指標となり得ることがわかる。
[判定基準としてのQPMスコア]
上記のとおりQPMスコア=平均光路長・(CN比−c2)であるが、分化細胞の割合がほとんどゼロになるCN比=0.8をオフセットとすると(すなわち、c2=0.8とすると)、
QPMスコア=平均光路長・(CN比−0.8)
となる(このQPMスコアの等高線図が図14である)。
このQPMスコアにおけるヒストグラムを図15に示す。図15において実線は多能性幹細胞のものであり、破線は分化細胞のものである。図13(A)及び図13(B)と図15の対比から、QPMスコアも細胞が多能性幹細胞であるか否かを判定する基準となり得ること、さらに、QPMスコアは、CN比及び平均光路長よりも細胞が多能性幹細胞であるか否かを判定する指標として優れていること、がわかる。
さらに、CN比、平均光路長及びQPMスコアについて、ROC曲線を描いたところ、図16が得られた。一番左上にあるROC曲線がQPMスコアのものであり、その次のROC曲線が平均光路長のものであり、一番右下にあるROC曲線がCN比のものである。ROC曲線ではカーブが左上に来るほど、指標として優れていることを示すが、図16から、QPMスコアは、CN比及び平均光路長と比較して、優れた指標であることがわかる。QPMスコアを用いて、敏感度(真陽性率、Sensitivity)=0.90、特異度(偽陽性率、Specificity)=0.86を実現することができる(図16)。
[コロニーの判定精度]
各コロニーに含まれる全ての細胞一個一個についてCN比、平均光路長及びQPMスコアを算出し、次に、コロニー毎にCN比、平均光路長及びQPMスコアの平均値を算出して、各コロニーのCN比、平均光路長及びQPMスコアとした。図17(A)は各コロニーのCN比の散布図、図17(B)は各コロニーの平均光路長の散布図、図17(C)は各コロニーのQPMスコアの散布図である。図17(A)、(B)及び(C)において、縦軸は、それぞれCN比、平均光路長、QPMスコアであり、横軸は、抗nanog免疫染色蛍光輝度(平均値)であり、そして、○は未分化コロニー(多能性幹細胞コロニー)、×は分化コロニー(分化細胞コロニー)である。また、図17(A)、(B)及び(C)中の横線は、設定したCN比、平均光路長及びQPMスコア(閾値)である。
各コロニーのCN比、平均光路長及びQPMスコアと閾値を比較して、各コロニーの判定を行った結果を表1に示す。表1において、正審率とは、分化細胞コロニーを「陽性」としたときの、分化細胞コロニーを分化細胞コロニーと判定した割合であり、偽陽性率とは、分化細胞コロニーを「陽性」としたときの、多能性幹細胞コロニーを分化細胞コロニーと誤って判定した割合である。
表1から、各コロニーの平均光路長と閾値を比較し、各コロニーが多能性幹細胞コロニーであるか否かを判定する方法は、判定の精度がよいこと、特に、各コロニーのQPMスコアと閾値を比較し、各コロニーが多能性幹細胞コロニーであるか否かを判定する方法が判定の精度に優れること、が分かる。
(実施例2)
反射防止コーティングされた直径35mmのガラスボトムディッシュにヒト生体繊維芽細胞由来の253G1 iPS細胞株を10〜20コロニー/ディッシュとなるよう播種し、最終濃度が4ng/mLのヒト塩基性繊維芽細胞増殖因子を含有する培地(Primate ES Medium。リプロセル社製、商品名:RCHEMD001)を用いてオンフィーダ培養した。1つのコロニーの大きさは200μm程度であった。フィーダ細胞としてはマウス肺繊維芽細胞を用いた。細胞は播種後3日目まで培養した。培地は1日1回交換した。
iPS細胞の分化用のサンプルは、播種後2日目に最終濃度が4ng/mLのヒト塩基性繊維芽細胞増殖因子及び12.5μMのレチノイン酸を含有する培地(Primate ES Medium)に交換し、さらに4日間培養した。レチノイン酸は、一般的に分化を誘導する試薬として使用されている。また、分化細胞の対照として、ヒト乳がん由来の上皮細胞であるMCF7細胞を用いた。MCF7細胞は、細胞密度20%となるよう播種し、10%FBS含有DMEM培地を用いて、ほぼコンフルエントになるまで3日間培養した。MCF7細胞を除く各培養系において、培地は1日1回交換した。
反射型定量位相顕微鏡を用いて60μm×80μm視野内の細胞について、水平方向に0.125μm間隔、及び垂直方向に0.32μm間隔で3次元データを取得し、得られたデータから断層画像を作成した。作成した断層画像から、図18及び図19に示したように、底面及び表面形状を抽出し、数値化した。この処理を視野全体において行うことで、視野全体の底面及び表面形状を得た。得られた底面及び表面形状から、細胞厚さ(物理長)を測定し、平均値を算出した。算出した各サンプルの細胞の物理長の平均値を表2に示した。
表2からわかるように、iPS細胞の物理長の平均値は、分化細胞であるレチノイン酸を添加して培養したiPS細胞及びMCF7細胞の物理長の平均値よりも大きかった。
この結果から、物理長に基づいて、細胞が幹細胞であるか否かを判定できることが分かる。
(実施例3)
さらに、物理長の大小と平均光路長の大小とが相関していて、どちらの指標を用いても幹細胞の判別が可能であることを検証するため、同一コロニー内の同一の細胞について、物理長と平均光路長を両方計測した。
マトリゲルコーティングした直径35mmのガラスボトムディッシュにヒト生体繊維芽細胞由来の253G1 iPS細胞株を10〜20コロニー/ディッシュとなるよう播種し、培地(mTeSR1。STEMCELL Technologies社製)を用いてフィーダレス培養した。1つのコロニーの大きさは200μm程度であった。細胞は播種後4日目まで培養した。培地は1日1回交換した。
iPS細胞の分化用のサンプルは、播種後2日目に最終濃度が12.5μMのレチノイン酸を含有する培地(mTeSR1)に交換し、さらに播種後4日目まで培養した。レチノイン酸は、一般的に分化を誘導する試薬として使用されている。培地は1日1回交換した。
反射型定量位相顕微鏡を用いて60μm×80μm視野内の細胞について、水平方向に0.125μm間隔、及び垂直方向に0.32μm間隔で3次元データを取得し、得られたデータから断層画像を作成した。作成した断層画像から、底面及び表面形状を抽出し、数値化した。この処理を視野全体において行うことで、視野全体の底面及び表面形状を得た。得られた底面及び表面形状から、物理長(細胞厚さ)を測定した。
同じく反射型定量位相顕微鏡を用いて細胞の光路長も測定した。反射型定量位相顕微鏡は細胞の接着基板からの反射光の位相をイメージングすることで、細胞の光学厚さ(光路長)についても測定することが可能である(Optics Express,Vol.16,Issue 16,pp.12227−12238、2008)。本実施例においては、同一の細胞に対して細胞の光路長及び物理長を測定した。
細胞の物理長及び平均光路長の算出にあたっては、個々の細胞について細胞質と細胞核をともに含むようにROIを取り、ROI内の平均値を個々の細胞の物理長及び平均光路長とした。
iPS細胞コロニーに対しては、コロニー4個から合計25細胞をサンプリングし、レチノイン酸を添加した細胞コロニー(分化細胞コロニー)に対しては、コロニー4個から合計27細胞をサンプリングした。結果のグラフを図20に示す。図20(A)からiPS細胞コロニーと分化細胞コロニーの物理長の違いがわかり、図20(B)から同じ両者の平均光路長の違いもわかる。物理長の大小と平均光路長の大小が相関しており、どちらに基づいても幹細胞の判別が可能であることが示された。図20(A)及び(B)の**はスチューデントのt検定によるp値が0.001未満であることを示し、この2つの母集団が高い有意度で区別できることを示唆している。
D…細胞判定装置、D1…決定手段、D2…判定手段、D3…表示手段。

Claims (11)

  1. 細胞厚さに基づいて、細胞の分化度を判定する判定ステップを備えることを特徴とする細胞判定方法。
  2. 前記細胞厚さは、式(1)で表される平均光路長である、請求項1に記載の細胞判定方法。
    平均光路長=(C+N)/2 ・・・(1)
    (式中、Nは細胞核領域の内側の光路長を表し、Cは細胞核領域の外側の光路長を表す。)
  3. 前記判定ステップは、式(1)で表される平均光路長及び式(2)で表されるCN比に基づき、細胞の分化度を判定するステップである、請求項1又は2に記載の細胞判定方法。
    平均光路長=(C+N)/2 ・・・(1)
    CN比=C/N ・・・(2)
    (式中、Nは細胞核領域の内側の光路長を表し、Cは細胞核領域の外側の光路長を表す。)
  4. 前記判定ステップは、式(3)で表される光路長パラメータにより、細胞の分化度を判定するステップである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の細胞判定方法。
    光路長パラメータ=(平均光路長−c1)α・(CN比−c2)β ・・・(3)
    (式中、c1及びc2は任意の定数を表す。またα>0、β≧0、平均光路長=(C+N)/2、CN比=C/Nであり、Nは細胞核領域の内側の光路長を表し、Cは細胞核領域の外側の光路長を表す。)
  5. 前記細胞厚さは、細胞の物理長である、請求項1に記載の細胞判定方法。
  6. 前記細胞は、単一細胞である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の細胞判定方法。
  7. 前記細胞は、細胞集団である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の細胞判定方法。
  8. 顕微鏡を使用して細胞を観察し、細胞観察データを取得する取得ステップと、
    前記細胞観察データに基づいて、細胞厚さを決定する決定ステップと、
    をさらに備える請求項1〜7のいずれか一項に記載の細胞判定方法。
  9. 前記顕微鏡は、位相差顕微鏡である、請求項8に記載の細胞判定方法。
  10. 前記顕微鏡は、反射型定量位相顕微鏡、低コヒーレンス干渉顕微鏡、位相トモグラフィー顕微鏡、光コヒーレンストモグラフィー顕微鏡、共焦点顕微鏡又は微分干渉顕微鏡である、請求項8に記載の細胞判定方法。
  11. 前記細胞観察データは、二以上の細胞観察画像を結合した画像である、請求項8〜10のいずれか一項に記載の細胞判定方法。
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