JP5800312B2 - 誘導多能性幹細胞の識別方法 - Google Patents
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Description
よって、本発明は、細胞核内における特定のタンパク質の存在量や局在等を指標として、iPS細胞と正常な分化細胞と癌化した細胞とを識別する方法を提供することを目的とする。
(1) 誘導多能性幹細胞を識別する方法であって、
被検細胞のSP1(Specificity Protein 1)、カハールボディに含まれているタンパク質、核ラミナに含まれているタンパク質、傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質、及びPMLボディに含まれているタンパク質から選択される1種以上のマーカータンパク質の細胞核内の存在量、前記マーカータンパク質を含む構造体の細胞核内における数量、又は前記マーカータンパク質を含む構造体の細胞核内における形状を識別用指標とし、
1種又は2種類以上の前記識別用指標に基づいて、誘導多能性幹細胞を識別することを特徴とする誘導多能性幹細胞の識別方法、
(2) 前記識別用指標として、被検細胞の細胞核内におけるSP1の存在量を用いることを特徴とする前記(1)に記載の誘導多能性幹細胞の識別方法、
(3) 2種類以上の前記識別用指標を組み合わせて用いることを特徴とする前記(1)に記載の誘導多能性幹細胞の識別方法、
(4) SP1の存在量、カハールボディに含まれているタンパク質の存在量、核ラミナに含まれているタンパク質の存在量、傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の存在量、PMLボディに含まれているタンパク質の存在量、カハールボディの数量、傍核小体コンパートメントの数量、PMLボディの数量、及びPMLボディの形状からなる群より選択される2種類以上の識別用指標を組み合わせて用いることを特徴とする前記(3)に記載の誘導多能性幹細胞の識別方法、
(5) (p1)SP1の細胞核内の存在量、及び核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、
(p2)SP1の細胞核内の存在量、及びカハールボディの細胞核内の数量、
(p3)SP1の細胞核内の存在量、及び傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、
(p5)SP1の細胞核内の存在量、及びPMLボディの細胞核内の数量、
(p6)SP1の細胞核内の存在量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量、
(p7)カハールボディの細胞核内の数量、及び核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、
(p8)カハールボディの細胞核内の数量、及び傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、
(p9)カハールボディの細胞核内の数量、及び傍核小体コンパートメントの細胞核内の数量、
(p10)カハールボディの細胞核内の数量、及びPMLボディの細胞核内の数量、
(p11)カハールボディの細胞核内の数量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量、
(p12)核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及び傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、
(p13)核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及び傍核小体コンパートメントの細胞核内の数量、
(p14)核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及びPMLボディの細胞核内の数量、
(p15)核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量、
(p17)傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及びPMLボディの細胞核内の数量、
(p18)傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量、又は
(p19)PMLボディの細胞核内の数量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量、
を識別用指標として用い、誘導多能性幹細胞を正常な分化細胞又は癌化した細胞から区別して検出することを特徴とする前記(3)に記載の誘導多能性幹細胞の識別方法、
(6) (p1)SP1の細胞核内の存在量、及び核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、
(p2)SP1の細胞核内の存在量、及びカハールボディの細胞核内の数量、
(p3)SP1の細胞核内の存在量、及び傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、
(p4)SP1の細胞核内の存在量、及び傍核小体コンパートメントの細胞核内の数量、
(p5)SP1の細胞核内の存在量、及びPMLボディの細胞核内の数量、
(p6)SP1の細胞核内の存在量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量、
(p7)カハールボディの細胞核内の数量、及び核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、
(p8)カハールボディの細胞核内の数量、及び傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、
(p9)カハールボディの細胞核内の数量、及び傍核小体コンパートメントの細胞核内の数量、
(p10)カハールボディの細胞核内の数量、及びPMLボディの細胞核内の数量、
(p11)カハールボディの細胞核内の数量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量、
(p12)核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及び傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、
(p13)核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及び傍核小体コンパートメントの細胞核内の数量、
(p14)核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及びPMLボディの細胞核内の数量、
(p15)核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量、
(p16)傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及び傍核小体コンパートメントの細胞核内の数量、
(p17)傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及びPMLボディの細胞核内の数量、
(p18)傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量、又は
(p19)PMLボディの細胞核内の数量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量、
の内の少なくとも2以上を識別用指標として用い、誘導多能性幹細胞を正常な分化細胞や癌化した細胞から区別して検出することを特徴とする前記(3)に記載の誘導多能性幹細胞の識別方法、
(7) 前記識別用指標として、カハールボディの細胞核内の数量を用い、誘導多能性幹細胞を正常な分化細胞や癌化した細胞から区別して検出することを特徴とする前記(1)に記載の誘導多能性幹細胞の識別方法、
(8) 前記カハールボディに含まれているタンパク質がcoilinであり、前記核ラミナに含まれているタンパク質がラミンA及び/又はラミンCであり、前記傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質がhnRNPIであり、前記PMLボディに含まれているタンパク質がPMLであることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の誘導多能性幹細胞の識別方法、
(9) 前記被検細胞が、誘導多能性幹細胞へ誘導するための初期化処理が行われた細胞であることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれか一つに記載の誘導多能性幹細胞の識別方法、
(10) 前記被検細胞が、誘導多能性幹細胞へ誘導するための初期化処理が行われた細胞群が形成するコロニーのうち、辺縁部以外に存在する細胞であることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれか一つに記載の誘導多能性幹細胞の識別方法、
(11) 被検細胞中の前記マーカータンパク質の細胞核内の存在量、又は当該マーカータンパク質を含む構造体の細胞核内における数量若しくは形状は、
(a)被検細胞の細胞核内の前記マーカータンパク質及び核酸をそれぞれ標識する工程と、
(b)前記工程(a)の後、前記被検細胞から、核酸の標識画像を取得する工程と、
(c)前記工程(a)の後、前記被検細胞から、前記マーカータンパク質の標識画像を、標識されたマーカータンパク質の種類ごとに別個に取得する工程と、
(d)前記工程(b)において取得された核酸の標識画像に基づいて、細胞核領域を決定する工程と、
(e)前記工程(c)において取得された前記マーカータンパク質の標識画像中の、前記工程(d)において決定された細胞核領域に含まれる各画素の輝度値を測定し、1画素当たりの輝度値が閾値以上である1又は複数の陽性領域を決定し、全陽性領域に含まれる各画素の輝度値の統計値、並びに、各陽性領域の数、MAxフェレット直径、及びエロンゲーションファクターからなる群より選択される1以上を測定する工程と、
により得られた値に基づいて決定されることを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれか一つに記載の誘導多能性幹細胞の識別方法、
を、提供するものである。
本発明のiPS細胞の識別方法は、誘導多能性幹細胞を識別する方法であって、SP1、カハールボディに含まれているタンパク質、核ラミナに含まれているタンパク質、傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質、及びPMLボディに含まれているタンパク質から選択される1種以上のマーカータンパク質の細胞核内の存在量、前記マーカータンパク質を含む構造体の細胞核内における数量、又は前記マーカータンパク質を含む構造体の細胞核内における形状を識別用指標とし、1種又は2種類以上の前記識別用指標に基づいて、被検細胞が、iPS細胞、正常な分化細胞、又は癌化した細胞のいずれであるかを識別することを特徴とする。SP1、カハールボディに含まれているタンパク質、核ラミナに含まれているタンパク質、傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質、及びPMLボディに含まれているタンパク質(以降、「本発明のマーカータンパク質」ということがある。)は、細胞核内における存在量、当該タンパク質が含まれる構造体の細胞核内における数量、及び当該タンパク質が含まれる構造体の細胞核内における形状のうちの少なくとも1つにおいて、iPS細胞は、正常な分化細胞や癌化した細胞と明らかに異なる傾向を有する。このため、これらを指標とすることにより、iPS細胞を、正常な分化細胞や癌細胞から区別して検出することができる。
SP1は、iPS細胞における細胞核内の存在量が、正常な分化細胞よりも多く、癌化した細胞よりも少ない傾向がある。このため、iPS細胞と正常な分化細胞とを識別するための閾値(iPS細胞/正常分化細胞用閾値)やiPS細胞と癌化した細胞とを識別するための閾値(iPS細胞/癌細胞用閾値)を適切に設定することにより、SP1の細胞核内の存在量を指標として、被検細胞がiPS細胞か、正常な分化細胞か、癌化した細胞かを、識別することができる。例えば、被検細胞の細胞核内におけるSP1の存在量が、予め設定されたiPS細胞/正常分化細胞用閾値よりも少なければ、当該被検細胞は正常な分化細胞であり、予め設定されたiPS細胞/正常分化細胞用閾値よりも多く、かつ予め設定されたiPS細胞/癌細胞用閾値よりも少なければ、当該被検細胞はiPS細胞であり、予め設定されたiPS細胞/癌細胞用閾値よりも多ければ、当該被検細胞は癌化した細胞である、と識別することができる。
(a)被検細胞の細胞核内の前記マーカータンパク質及び核酸をそれぞれ標識する工程と、
(b)前記工程(a)の後、前記被検細胞から、核酸の標識画像を取得する工程と、
(c)前記工程(a)の後、前記被検細胞から、前記マーカータンパク質の標識画像を、標識されたマーカータンパク質の種類ごとに別個に取得する工程と、
(d)前記工程(b)において取得された核酸の標識画像に基づいて、細胞核領域を決定する工程と、
(e)前記工程(c)において取得された前記マーカータンパク質の標識画像中の、前記工程(d)において決定された細胞核領域に含まれる各画素の輝度値を測定し、1画素当たりの輝度値が閾値以上である1又は複数の陽性領域を決定し、全陽性領域に含まれる各画素の輝度値の統計値、並びに、各陽性領域の数、MAxフェレット直径、及びエロンゲーションファクターからなる群より選択される1以上を測定する工程。
まず、工程(a)として、被検細胞の細胞核内の前記マーカータンパク質及び核酸をそれぞれ標識する。なお、標識方法は、細胞内成分(細胞核を構成する構造体や核酸)を、適当な波長の光を照射して撮像された画像上で、他の細胞内成分と視覚的に区別し得るように標識し得る方法であれば特に限定されるものではなく、当該技術分野で公知のいずれの手法を用いてもよい。例えば、マーカータンパク質や核酸と特異的に結合するような抗体やリガンド等を用いた免疫染色法を行ってもよく、構造体や核酸に集積し得る色素を用いた色素染色法を行ってもよい。また、免疫染色法では、蛍光物質を結合させた一次抗体や二次抗体を用いた蛍光免疫染色法であってもよく、DAB法、ニッケルDAB法、NBT/BCIP法等の酵素抗体法であってもよい。なお、これらの染色法は、当該技術分野において汎用されている染色法であり、常法により行うことができる。また、本発明においては、検出感度が良好であるため、各マーカータンパク質や核酸は、蛍光物質により標識することが好ましい。
スライドガラス又はマルチウェルプレートを用いて、イメージングサイトメータ等を用いることにより、多数の検体も迅速かつ簡便に処理することが可能となる。
前記工程(b)〜(e)の工程は、これらの工程を実現可能な一の画像解析装置を用いて解析することができる。例えば、画像解析の分野において一般的に用いられている公知の画像解析装置又はこれを適宜改変した装置を用いることにより、解析することができる。細胞画像解析装置は、パーソナルコンピュータやワークステーション等の情報処理装置を用いて構成されても良いし、顕微鏡などに組み込まれた専用装置として構成されても良い。例えば、顕微鏡やCCDカメラ等の細胞画像の撮像手段をさらに備える画像解析装置を用いることにより、工程(a)以外の全工程を、一の装置を用いて行うこともできる。
(p1)SP1の細胞核内の存在量、及び核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量。
(p2)SP1の細胞核内の存在量、及びカハールボディの細胞核内の数量。
(p3)SP1の細胞核内の存在量、及び傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量。
(p4)SP1の細胞核内の存在量、及び傍核小体コンパートメントの細胞核内の数量。
(p5)SP1の細胞核内の存在量、及びPMLボディの細胞核内の数量。
(p6)SP1の細胞核内の存在量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量。
(p7)カハールボディの細胞核内の数量、及び核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量。
(p8)カハールボディの細胞核内の数量、及び傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量。
(p9)カハールボディの細胞核内の数量、及び傍核小体コンパートメントの細胞核内の数量。
(p10)カハールボディの細胞核内の数量、及びPMLボディの細胞核内の数量。
(p11)カハールボディの細胞核内の数量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量。
(p12)核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及び傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量。
(p13)核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及び傍核小体コンパートメントの細胞核内の数量。
(p14)核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及びPMLボディの細胞核内の数量。
(p15)核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量。
(p16)傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及び傍核小体コンパートメントの細胞核内の数量。
(p17)傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及びPMLボディの細胞核内の数量。
(p18)傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量。
(p19)PMLボディの細胞核内の数量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量。
iPS細胞、正常な分化細胞、及び癌化した細胞に対して、抗SP1抗体を用いた免疫染色を行い、取得された染色画像に基づいて、各細胞の細胞核中のSP1の存在量を測定し、比較した。
正常な分化細胞として、ヒト繊維芽細胞であるIMR90細胞を、癌化した細胞としてHeLa細胞を、それぞれ用いた。これらの細胞は、常法により培養した。
実施例1において用いたiPS細胞201B7株、IMR90細胞、及びHeLa細胞に対して、抗coilin抗体を用いた免疫染色を行い、取得された染色画像に基づいて、各細胞の細胞核中のカハールボディの数量を測定し、比較した。
具体的には、一次抗体として、抗coilin抗体(mouse、BD Transduction Laboratories社製、カタログ番号:612074)を0.5%のBSA溶液で希釈した溶液を用い、二次抗体としてcy3標識抗mouse抗体(Jackson ImmunoResearch Laboratories社製、カタログ番号:115−165−164)を0.5%のBSA溶液で希釈した溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして各細胞を染色した後、DAPI染色画像及びcoilin標識画像(以下、「Cy3(coilin)染色画像」)を撮像し、解析を行った。
実施例1において用いたiPS細胞201B7株、IMR90細胞、及びHeLa細胞に対して、抗ラミンA/C抗体を用いた免疫染色を行い、取得された染色画像に基づいて、各細胞の細胞核中のラミンA/Cの存在量を測定し、比較した。
具体的には、一次抗体として、抗ラミンA/C抗体636(mouse、Santa cruz biotechnology社製、カタログ番号:SC−7292)を0.5%のBSA溶液で希釈した溶液を用い、二次抗体としてAlexa488標識抗mouse抗体(Molecular Probes社製、カタログ番号:11029)を0.5%のBSA溶液で希釈した溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして各細胞を染色した後、DAPI染色画像及びラミンA/C標識画像(以下、「Alexa488(ラミンA/C)染色画像」)を撮像し、解析を行った。
実施例1において用いたiPS細胞201B7株、IMR90細胞、及びHeLa細胞に対して、抗hnRNPI抗体を用いた免疫染色を行い、取得された染色画像に基づいて、各細胞の細胞核中のhnRNPIの存在量及び傍核小体コンパートメントの数量を測定し、比較した。
具体的には、一次抗体として、抗hnRNPI抗体N−20(goat、Santa cruz biotechnology社製、カタログ番号:SC−16547)を0.5%のBSA溶液で希釈した溶液を用い、二次抗体としてAlexa488標識抗goat抗体(Molecular Probes社製、カタログ番号:11055)0.5%のBSA溶液で希釈した溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして各細胞を染色した後、DAPI染色画像及びhnRNPI標識画像(以下、「Alexa488(hnRNPI)染色画像」)を撮像し、解析を行った。
実施例1において用いたiPS細胞201B7株、IMR90細胞、及びHeLa細胞に対して、抗PML抗体を用いた免疫染色を行い、取得された染色画像に基づいて、各細胞の細胞核中のPMLボディの数量及び形状を測定し、比較した。
具体的には、一次抗体として、抗PML抗体PG−M3(mouse、Santa cruz biotechnology社製、カタログ番号:SC−966)を0.5%のBSA溶液で希釈した溶液を用い、二次抗体としてcy3標識抗mouse抗体(Jackson ImmunoResearch Laboratories社製、カタログ番号:115−165−164)を0.5%のBSA溶液で希釈した溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして各細胞を染色した後、DAPI染色画像及びPML標識画像(以下、「Alexa488(PML)染色画像」)を撮像し、解析を行った。
Claims (11)
- 誘導多能性幹細胞を識別する方法であって、
被検細胞のSP1(Specificity Protein 1)、カハールボディに含まれているタンパク質、核ラミナに含まれているタンパク質、傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質、及びPMLボディに含まれているタンパク質から選択される1種以上のマーカータンパク質の細胞核内の存在量、前記マーカータンパク質を含む構造体の細胞核内における数量、又は前記マーカータンパク質を含む構造体の細胞核内における形状を識別用指標とし、
1種又は2種類以上の前記識別用指標に基づいて、誘導多能性幹細胞を識別することを特徴とする誘導多能性幹細胞の識別方法。 - 前記識別用指標として、被検細胞の細胞核内におけるSP1の存在量を用いることを特徴とする請求項1に記載の誘導多能性幹細胞の識別方法。
- 2種類以上の前記識別用指標を組み合わせて用いることを特徴とする請求項1に記載の誘導多能性幹細胞の識別方法。
- SP1の存在量、カハールボディに含まれているタンパク質の存在量、核ラミナに含まれているタンパク質の存在量、傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の存在量、PMLボディに含まれているタンパク質の存在量、カハールボディの数量、傍核小体コンパートメントの数量、PMLボディの数量、及びPMLボディの形状からなる群より選択される2種類以上の識別用指標を組み合わせて用いることを特徴とする請求項3に記載の誘導多能性幹細胞の識別方法。
- (p1)SP1の細胞核内の存在量、及び核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、
(p2)SP1の細胞核内の存在量、及びカハールボディの細胞核内の数量、
(p3)SP1の細胞核内の存在量、及び傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、
(p5)SP1の細胞核内の存在量、及びPMLボディの細胞核内の数量、
(p6)SP1の細胞核内の存在量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量、
(p7)カハールボディの細胞核内の数量、及び核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、
(p8)カハールボディの細胞核内の数量、及び傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、
(p9)カハールボディの細胞核内の数量、及び傍核小体コンパートメントの細胞核内の数量、
(p10)カハールボディの細胞核内の数量、及びPMLボディの細胞核内の数量、
(p11)カハールボディの細胞核内の数量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量、
(p12)核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及び傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、
(p13)核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及び傍核小体コンパートメントの細胞核内の数量、
(p14)核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及びPMLボディの細胞核内の数量、
(p15)核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量、
(p17)傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及びPMLボディの細胞核内の数量、
(p18)傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量、又は
(p19)PMLボディの細胞核内の数量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量、
を識別用指標として用い、誘導多能性幹細胞を正常な分化細胞又は癌化した細胞から区別して検出することを特徴とする請求項3に記載の誘導多能性幹細胞の識別方法。 - (p1)SP1の細胞核内の存在量、及び核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、
(p2)SP1の細胞核内の存在量、及びカハールボディの細胞核内の数量、
(p3)SP1の細胞核内の存在量、及び傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、
(p4)SP1の細胞核内の存在量、及び傍核小体コンパートメントの細胞核内の数量、
(p5)SP1の細胞核内の存在量、及びPMLボディの細胞核内の数量、
(p6)SP1の細胞核内の存在量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量、
(p7)カハールボディの細胞核内の数量、及び核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、
(p8)カハールボディの細胞核内の数量、及び傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、
(p9)カハールボディの細胞核内の数量、及び傍核小体コンパートメントの細胞核内の数量、
(p10)カハールボディの細胞核内の数量、及びPMLボディの細胞核内の数量、
(p11)カハールボディの細胞核内の数量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量、
(p12)核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及び傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、
(p13)核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及び傍核小体コンパートメントの細胞核内の数量、
(p14)核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及びPMLボディの細胞核内の数量、
(p15)核ラミナに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量、
(p16)傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及び傍核小体コンパートメントの細胞核内の数量、
(p17)傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及びPMLボディの細胞核内の数量、
(p18)傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質の細胞核内の存在量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量、又は
(p19)PMLボディの細胞核内の数量、及び線状形のPMLボディの細胞核内の数量、
の内の少なくとも2以上を識別用指標として用い、誘導多能性幹細胞を正常な分化細胞又は癌化した細胞から区別して検出することを特徴とする請求項3に記載の誘導多能性幹細胞の識別方法。 - 前記識別用指標として、カハールボディの細胞核内の数量を用い、誘導多能性幹細胞を正常な分化細胞又は癌化した細胞から区別して検出することを特徴とする請求項1に記載の誘導多能性幹細胞の識別方法。
- 前記カハールボディに含まれているタンパク質がcoilinであり、前記核ラミナに含まれているタンパク質がラミンA及び/又はラミンCであり、前記傍核小体コンパートメントに含まれているタンパク質がhnRNPIであり、前記PMLボディに含まれているタンパク質がPMLであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の誘導多能性幹細胞の識別方法。
- 前記被検細胞が、誘導多能性幹細胞へ誘導するための初期化処理が行われた細胞であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の誘導多能性幹細胞の識別方法。
- 前記被検細胞が、誘導多能性幹細胞へ誘導するための初期化処理が行われた細胞群が形成するコロニーのうち、辺縁部以外に存在する細胞であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の誘導多能性幹細胞の識別方法。
- 被検細胞中の前記マーカータンパク質の細胞核内の存在量、又は当該マーカータンパク質を含む構造体の細胞核内における数量若しくは形状は、
(a)被検細胞の細胞核内の前記マーカータンパク質及び核酸をそれぞれ標識する工程と、
(b)前記工程(a)の後、前記被検細胞から、核酸の標識画像を取得する工程と、
(c)前記工程(a)の後、前記被検細胞から、前記マーカータンパク質の標識画像を、標識されたマーカータンパク質の種類ごとに別個に取得する工程と、
(d)前記工程(b)において取得された核酸の標識画像に基づいて、細胞核領域を決定する工程と、
(e)前記工程(c)において取得された前記マーカータンパク質の標識画像中の、前記工程(d)において決定された細胞核領域に含まれる各画素の輝度値を測定し、1画素当たりの輝度値が閾値以上である1又は複数の陽性領域を決定し、全陽性領域に含まれる各画素の輝度値の統計値、並びに、各陽性領域の数、MAxフェレット直径、及びエロンゲーションファクターからなる群より選択される1以上を測定する工程と、
により得られた値に基づいて決定されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の誘導多能性幹細胞の識別方法。
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