WO2019130796A1 - 計数装置および計数方法 - Google Patents
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Abstract
計数装置1は、干渉画像取得部2および演算部3を備える。干渉画像取得部2は、二光束干渉計を有し、1または複数の対象物の干渉画像を取得する。演算部3は、干渉画像取得部2により取得された干渉画像に基づいて光学的厚さ画像を求める。さらに、演算部3は、その光学的厚さ画像のうちの関心領域内の光学的厚さの積分値と、対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値とに基づいて、関心領域内の対象物の個数を求める。これにより、関心領域内の対象物の個数を正確に計数することができる計数装置および計数方法が実現される。
Description
本開示は、関心領域内の対象物の個数を計数する装置および方法に関するものである。
細胞の個数を計数する技術が非特許文献1~3に記載されている。これらの文献に記載された計数技術は、デジタルデータとして取得された画像において個々の細胞領域のセグメンテーションを行うことで、その画像または関心領域内にある細胞の個数を計数する。
K. Liimatainen et al., "Supervised method for cell counting from bright field focus stacks", 2016 IEEE 13th International Symposium on Biomedical Imaging (ISBI), 2016, pp.391-394
H. A. Khan et al., "Counting Clustered Cells using Distance Mapping", International Conference on Informatics, Electronics & Vision (ICIEV), 2013, pp.1-6
C. F. Koyuncu et al., "Smart Markers for Watershed-Based Cell Segmentation", PLOS ONE 7(11), e48664, 2012, pp.1-11
非特許文献1~3に記載された計数技術では、細胞領域のセグメンテーションに要する時間が長く、また、計数誤差が大きい。特に、細胞が上下に重なっている場合のように細胞が集合体となっている場合には、計数誤差が更に大きい。このような問題は、細胞の個数を計数する場合だけでなく、他の対象物の個数を計数する場合にも存在する。
実施形態は、関心領域内の対象物の個数を正確に計数することができる計数装置および計数方法を提供することを目的とする。
実施形態は、計数装置である。計数装置は、(1)1または複数の対象物を含む干渉画像を取得する干渉画像取得部と、(2)干渉画像取得部により取得された干渉画像に基づいて光学的厚さ画像を求め、光学的厚さ画像のうちの関心領域内の光学的厚さの積分値と、対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値とに基づいて、関心領域内の対象物の個数を求める演算部と、を備える。
実施形態は、計数方法である。計数方法は、(1)1または複数の対象物を含む干渉画像を干渉画像取得部により取得する画像取得ステップと、(2)干渉画像取得部により取得された干渉画像に基づいて光学的厚さ画像を求め、光学的厚さ画像のうちの関心領域内の光学的厚さの積分値と、対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値とに基づいて、関心領域内の対象物の個数を求める演算ステップと、を備える。
実施形態によれば、関心領域内の対象物の個数を正確に計数することができる。
以下、添付図面を参照して、計数装置および計数方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本発明は、これらの例示に限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の計数装置1の構成を示す図である。計数装置1は、干渉画像取得部2および演算部3を備える。干渉画像取得部2は、光源11、ビームスプリッタ12、対物レンズ13、対物レンズ14、参照ミラー15、チューブレンズ16、ビームスプリッタ17、撮像器18、ピエゾ素子21、光検出器22および位相制御回路23を含む。
干渉画像取得部2は、二光束干渉計としてマイケルソン干渉計を有し、1または複数の対象物の干渉画像を取得する。演算部3は、干渉画像取得部2により取得された干渉画像に基づいて光学的厚さ画像を求める。さらに、演算部3は、その光学的厚さ画像のうちの関心領域内の光学的厚さの積分値と、対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値とに基づいて、関心領域内の対象物の個数を求める。
対象物は、特定の細胞や生体サンプルに限定されるものではない。例えば、対象物として、培養細胞、不死化細胞、初代培養細胞、がん細胞、脂肪細胞、肝臓細胞、心筋細胞、神経細胞、グリア細胞、体性幹細胞、胚性幹細胞、多能性幹細胞、iPS細胞、および前記細胞をもとに作られた細胞塊(コロニーまたはスフェロイド)などが挙げられる。また、対象物として、生体に限らず、工業サンプル、たとえば金属表面、半導体表面、ガラス表面、半導体素子の内部、樹脂素材表面、液晶、高分子化合物なども挙げられる。
本実施形態の以下の説明では、図2にサンプルの構成例が示されるように、対象物は、容器70に入れられた培養液72中の細胞73であるとする。容器70の底部の内側には反射増強コーティング71が設けられている。
光源11は光を出力する。好適には光源11はインコヒーレント光を出力する。光源11は、例えばハロゲンランプなどのランプ系光源、LED(Light emitting diode)光源、SLD(Super luminescent diode)光源、ASE(Amplified spontaneous emission)光源等である。
ビームスプリッタ12は、光源11と光学的に結合され、二光束干渉計であるマイケルソン干渉計を構成する。ビームスプリッタ12は、例えば、透過率と反射率との比が1:1であるハーフミラーであってもよい。ビームスプリッタ12は、光源11から出力された光を二光束に分岐して第1分岐光および第2分岐光とする。ビームスプリッタ12は、第1分岐光を対物レンズ13へ出力し、第2分岐光を対物レンズ14へ出力する。
また、ビームスプリッタ12は、反射増強コーティング71で反射されて対物レンズ13を経た第1分岐光を入力するとともに、参照ミラー15で反射されて対物レンズ14を経た第2分岐光を入力する。そして、ビームスプリッタ12は、これら入力した第1分岐光と第2分岐光とを合波して、干渉光をチューブレンズ16へ出力する。
対物レンズ13は、ビームスプリッタ12と光学的に結合され、ビームスプリッタ12から出力された第1分岐光を容器70内の細胞73に集光する。また、対物レンズ13は、反射増強コーティング71で反射された第1分岐光を入力してビームスプリッタ12へ出力する。
対物レンズ14は、ビームスプリッタ12と光学的に結合され、ビームスプリッタ12から出力された第2分岐光を参照ミラー15の反射面に集光する。また、対物レンズ14は、参照ミラー15の反射面で反射された第2分岐光を入力してビームスプリッタ12へ出力する。
チューブレンズ16は、干渉光学系を構成するビームスプリッタ12と光学的に結合され、ビームスプリッタ12から出力された干渉光を、ビームスプリッタ17を経て撮像器18の撮像面に結像する。ビームスプリッタ17は、チューブレンズ16から到達した光を2分岐して、一方の分岐光を撮像器18へ出力し、他方の分岐光を光検出器22へ出力する。ビームスプリッタ17は、例えばハーフミラーであってもよい。
撮像器18は、ビームスプリッタ17と光学的に結合され、ビームスプリッタ17から到達した干渉光を受光して干渉画像を取得する。撮像器18は、例えば、CCDエリアイメージセンサおよびCMOSエリアイメージセンサなどのイメージセンサである。
ピエゾ素子21は、参照ミラー15の反射面に垂直な方向に該反射面を移動させる。ピエゾ素子21は、この反射面の移動により、二光束干渉計における二光束の間の光路長差(すなわち位相差)を調整することができる。ピエゾ素子21は、波長未満の分解能で、参照ミラー15の反射面の位置を決めることができる。二光束干渉計において二光束の間の光路長差は可変である。
なお、ビームスプリッタ12から反射増強コーティング71までの光学的距離をL1とし、ビームスプリッタ12から参照ミラー15の反射面までの光学的距離をL2とすると、二光束干渉計における二光束の間の光路長差は2(L1-L2)である。この光路長差が光源11の出力光のコヒーレント長以下であれば、撮像器18は明瞭な干渉画像を取得することができる。光源11の出力光の中心波長をλ0としたとき、二光束干渉計における二光束の間の位相差Δφは次式で表されるものとする。
光検出器22は、ビームスプリッタ17と光学的に結合され、ビームスプリッタ17から到達した干渉光を受光して検出信号を出力する。光検出器22は、例えば、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、光電子増倍管であり、また、ラインセンサ(リニアセンサ)、CCDエリアイメージセンサ、CMOSエリアイメージセンサなどであってもよい。
位相制御回路23は、光検出器22と電気的に接続され、光検出器22から出力される検出信号を入力する。また、位相制御回路23は、ピエゾ素子21と電気的に接続され、ピエゾ素子21による光路長差の調整動作を制御する。位相制御回路23は、入力した検出信号に基づいて、二光束干渉計における二光束の間の光路長差を検出する。そして、位相制御回路23は、この検出結果に基づくフィードバック制御により、ピエゾ素子21による光路長差の調整動作を制御する。これにより、二光束干渉計における二光束の間の光路長差を設定値で安定化した状態(ロック状態)とすることができる。
干渉画像取得部2は、ロック状態において対象物(細胞73)の干渉画像を撮像器18により撮像して取得することができる。演算部3は、干渉画像取得部2の撮像器18により取得された干渉画像に基づいて対象物の光学的厚さ画像を求める。演算部3は、パーソナルコンピュータおよびタブレット端末などのプロセッサ(例えばCPU)と記憶部(例えばRAMやストレージ)を備えるコンピュータであってもよい。また、演算部3は、マイコンやFPGAであってもよい。また、演算部3は、操作者からの入力を受け付ける入力部(キーボード、マウス、タブレット端末など)、ならびに、干渉画像および光学的厚さ画像等を表示する表示部(ディスプレイ、タブレット端末など)を備えていてもよい。また、演算部3は、画面に画像等を表示するとともに、その画面において操作者による領域の指定を受け付ける機能を有するのが好適である。
光源11から出力された光はビームスプリッタ12により二光束に分岐されて第1分岐光および第2分岐光とされ、ビームスプリッタ12から第1分岐光および第2分岐光が出力される。ビームスプリッタ12から出力された第1分岐光は、対物レンズ13により容器70内の細胞73に集光され、容器70の底部の内側に設けられた反射増強コーティング71で反射される。反射増強コーティング71で反射された第1分岐光は、対物レンズ13を経てビームスプリッタ12に入力される。ビームスプリッタ12から出力された第2分岐光は、対物レンズ14により参照ミラー15の反射面に集光され、その反射面で反射される。参照ミラー15の反射面で反射された第2分岐光は、対物レンズ14を経てビームスプリッタ12に入力される。
対物レンズ13からビームスプリッタ12に入力された第1分岐光、および、対物レンズ14からビームスプリッタ12に入力された第2分岐光は、ビームスプリッタ12により合波されて、ビームスプリッタ12から干渉光が出力される。この干渉光は、チューブレンズ16を経た後にビームスプリッタ17により2分岐されて、撮像器18および光検出器22それぞれにより受光される。干渉光を受光した光検出器22から検出信号が出力され、この検出信号に基づいて位相制御回路23により二光束干渉計における二光束の間の光路長差が検出される。そして、位相制御回路23によるピエゾ素子21に対するフィードバック制御により、二光束干渉計における二光束の間の光路長差が設定値で安定化した状態(ロック状態)とされる。ロック状態において干渉光を受光した撮像器18により干渉画像が取得され、その干渉画像は演算部3へ出力される。そして、演算部3により、干渉画像に基づいて対象物(細胞73)の光学的厚さ画像が求められる。
計数装置1は、位相シフト法により、複数の干渉画像から光学的厚さ画像を求める。すなわち、干渉画像取得部2は、二光束干渉計の光路長差を互いに異なる複数の設定値それぞれで安定化した状態とし各状態において干渉画像を取得する。演算部3は、干渉画像取得部2により取得された複数の干渉画像に基づいて位相画像を求めることができる(特許文献1参照)。更に、演算部3は、この位相画像から光学的厚さ画像を求めることができる。
例えば、干渉画像取得部2は、ピエゾ素子21、光検出器22および位相制御回路23を用いたフィードバック制御により干渉光の位相差を或る初期位相で安定化させて、位相差を安定化させた状態で干渉画像I1を撮像器18により取得する。次に、干渉画像取得部2は、ピエゾ素子21、光検出器22および位相制御回路23を用いて干渉光の位相差を“初期位相+π/2”で安定化させ、位相差を安定化させた状態で干渉画像I2を撮像器18により取得する。同様にして、干渉画像取得部2は、干渉光の位相差を“初期位相+π”で安定化させた状態で干渉画像I3を撮像器18により取得し、干渉光の位相差を“初期位相+3π/2”で安定化させた状態で干渉画像I4を撮像器18により取得し、干渉光の位相差を“初期位相+2π”で安定化させた状態で干渉画像I5を撮像器18により取得する。
演算部3は、これら5つの干渉画像I1~I5を用いて、下記(2)式の演算を行って位相画像Φを求める。argは複素数の偏角を取得する演算子である。iは虚数単位である。演算部3は、この位相画像Φに対して位相アンラップ処理および背景歪み補正処理をした後、光学的厚さOTを下記(3)式で求めて光学的厚さ画像を求める。なお、これらの式に現れる各パラメータは画素位置(x,y)の関数であり、これらの式の演算は画素毎に行われる。
背景補正については、x,yを変数とする多項式関数(たとえばゼルニケ多項式)を用いることで良好な(フラットな)バックグラウンドを得ることができる。また、背景における歪み成分の空間周波数が個々のサンプルの空間周波数よりも十分に低い場合には、ハイパスフィルタリング処理をすることもできる。光学的厚さ画像の背景における平坦性は、光学的厚さの標準偏差にして5nm未満であるのが好ましい。
この光学的厚さOTは、サンプルを透過した光に与えられた位相変化量を表したものである。細胞73の厚さをdとし、細胞73の平均的な屈折率をncとし、培養液72の屈折率をnmとすると、光学的厚さOTは次式で与えられる。
以下では、具体的な実施例の構成および画像例を示しつつ、より詳細に実施形態について説明する。光源11として中心波長730nmのLEDを用いた。対物レンズ13および対物レンズ14それぞれの焦点距離は18mmであった。チューブレンズ16の焦点距離は125mmであった。撮像器18の撮像素子サイズは4.8mm×3.6mmであった。撮像器18の画素数は1280ピクセル×960ピクセルであった。サンプル面での視野サイズは691.2μm×518.4μmであった。サンプルの細胞73としてメラノーマ由来培養細胞SK-MEL-28を用いた。
図3は、干渉画像取得部2により取得された5つの干渉画像I1~I5を示す図である。図4は、図3の干渉画像I1~I5に基づいて演算部3により求められた光学的厚さ画像を示す図である。図4の光学的厚さ画像から、光学的厚さの積分値を細胞数で除算することにより、細胞の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を求めることができる。
この光学的厚さ画像には53個の細胞が含まれている。ここで、視野の端にあって一部が視野外に出ている細胞については0.5個と数えた。この光学的厚さ画像における細胞数の真値は、図5の細胞核染色画像において目視で計数することで求めた。図5は、図3の干渉画像と同視野の細胞核染色画像を示す図である。
光学的厚さの積分値は、全画素の光学的厚さOTの総和に1画素当たりのサンプル面積(0.54μm×0.54μm)を乗算することで求めた。その結果、光学的厚さの積分値は1.12×107 (nm×μm2)であった。したがって、細胞1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値は2.12×105(nm×μm2/cell)と見積もられた。
図3の干渉画像とは異なる9つの視野の光学的厚さ画像を取得し、各視野の光学的厚さの積分値を、細胞1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値(2.12×105(nm×μm2/cell))で除算することで、各視野に存在する細胞の個数を推定した。図6は、9つの視野(FOV#1~9)それぞれについて光学的厚さの積分値、推定細胞数、真の細胞数および誤差を纏めた表である。図7は、9つの視野それぞれについて推定細胞数および真の細胞数を示すグラフである。なお、真の細胞数は、別途同視野の細胞核染色画像を取得して、該画像において目視で計数することで求めた。図6は、推定細胞数と真の細胞数との間の誤差をも示している。誤差の絶対値の平均は4.5%であった。本実施形態の計数手法により短時間に精度よく細胞数を計数できることが確認された。
なお、上記の実施例では、細胞の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を求めるに際して、細胞数を正確に計数するために細胞核染色画像を用いた。また、細胞数の推定結果を検証するために、計数対象の関心領域についても核染色画像を用いた。細胞核の染色は、検証を確実に行うためであり、必須ではない。
次に、図8を用いて、本実施形態の計数装置1の動作および本実施形態の計数方法の手順について説明する。図8は、第1実施形態の計数装置1の動作および第1実施形態の計数方法を説明するフローチャートである。
ステップS1(画像取得ステップ)において、干渉画像取得部2により干渉画像を取得することができるように二光束干渉計に対して光学調整を行い、複数の干渉画像を干渉画像取得部2により取得する。ステップS2~S6(演算ステップ)において、演算部3により、干渉画像取得部2により取得された複数の干渉画像に基づいて光学的厚さ画像を求め、この光学的厚さ画像のうちの関心領域内の光学的厚さの積分値と、細胞の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値とに基づいて、関心領域内の細胞の個数を求める。
より詳細には、ステップS2において、干渉画像取得部2により取得された複数の干渉画像に基づいて光学的厚さ画像を求め、この画像に対して背景補正を行う。ステップS3において、必要に応じて、複数の光学的厚さ画像を接合する。ステップS4において、複数の細胞を含む関心領域(Region of Interest、ROI)を設定する。関心領域は、1つであってもよいし、複数であってもよい。ステップS5において、光学的厚さ画像のうちの関心領域内の光学的厚さの積分値を求め、これを細胞1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値で除算することで、関心領域内の細胞の個数を推定する。
次に、細胞1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を取得する方法の好適例について説明する。
図9は、細胞1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を取得する方法の第1の好適例を説明するための視野を示す図である。この方法では、演算部3は、干渉画像取得部2により取得された干渉画像のうち、関心領域(図9(b))内の細胞の分布密度より低い密度で細胞が分布する領域(図9(a))に基づいて、光学的厚さ画像を求めて細胞の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を求める。図9(a)は、関心領域内の細胞の分布密度より低い密度の細胞の分布を示す。図9(b)は、関心領域内の細胞の分布を示す。細胞の分布密度が低い領域(図9(a))では、個々の細胞が互いに離間して分布しているのが好ましい。
このように、細胞の分布密度が低い領域(図9(a))の光学的厚さ画像を用いれば、その領域内の細胞の個数を正確に計数することができるので、細胞1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を正確に取得することができる。なお、細胞の分布密度が低い領域(図9(a))および関心領域(図9(b))は、同一視野内の互いに異なる領域であってもよいし、互いに異なる視野に含まれるものであってもよい。
図10は、細胞1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を取得する方法の第2の好適例を説明するための視野を示す図である。この図に示されるように、細胞1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を取得するための領域Aは、関心領域Bの一部であって、細胞の分布密度が低い領域であってもよい。領域Aでは、個々の細胞が互いに離間して分布しているのが好ましい。この場合にも、細胞の分布密度が低い領域Aの光学的厚さ画像を用いれば、その領域内の細胞の個数を正確に計数することができるので、細胞1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を正確に取得することができる。
また、細胞1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を求めるに際して、関心領域内の細胞の個数を求める度に求めてもよいし、或いは、それ以前に同種の細胞について求めた値を演算部3の記憶部に記憶しておき、その記憶していた値を用いてもよい。演算部3は、複数種類それぞれの細胞の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を記憶しておき、そのうちの何れかの種類の細胞の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を選択して用いるのも好適である。
また、株化された細胞(セルライン)を用いる場合は、演算部3は、予め測定した幾つかの細胞株についての1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を記憶部により記録しておくことが可能である。この場合、操作者は、細胞種を指定するだけの操作により、視野の光学的厚さの面内積分値を、指定された細胞種の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値で除算することにより、細胞数を求めることができる。細胞1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値は、演算部3の記憶部により記憶されていてもよいし、通信ネットワーク経由でダウンロードすることで短期的に演算部3の記憶部に記憶されたものを用いてもよい。なお、生物学分野で頻繁に使われる株化された細胞種としては、HeLa、CHO、MCF7などが挙げられる。
(第2実施形態)
第2実施形態は、対象物の集合体としての細胞集団に含まれる細胞の個数を計数するものである。第2実施形態の計数装置は、図1に示された構成と同様の構成を有する。
本実施形態では、解析対象の関心領域は、細胞同士が重なり合った細胞集団を含む。従来の細胞数カウンティング法では、細胞集団に含まれる細胞の個数を計数することは困難であった。細胞集団は、コロニー様またはスフェロイド様に複数の細胞の集合したものである。コロニーとは、典型的には複数個の細胞が空間的にひとまとまりの集団を形成したものである。スフェロイドとは、典型的には厚さ100μm以上に細胞が積み重なり、球体状になった細胞集団である。1個のスフェロイドには典型的には1000個~数万個の細胞が含まれる。
図11は、解析対象領域の光学的厚さ画像の模式図である。この図では、3つの関心領域ROI1,ROI2およびROI3が設定され、各関心領域内に1つの細胞集団83が含まれている。干渉画像取得部2は、これら3つの関心領域を視野に含む干渉画像を取得する。演算部3は、干渉画像取得部2により取得された干渉画像から光学的厚さ画像を求め、この光学的厚さ画像のうちの各関心領域内の細胞集団の光学的厚さの積分値を求める。そして、演算部3は、各細胞集団の光学的厚さの積分値を、細胞の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値で除算することで、各細胞集団に含まれる対象物の個数を求めることができる。ここで用いる細胞の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値は、別途測定してもよいし、予め求めたおいた典型的な値を用いてもよい。
図12は、マルチウェルプレートの各ウェルを解析対象の関心領域とした場合の光学的厚さ画像の模式図である。この図では、6つのウェルのうち、5つのウェルに関心領域ROI-1~ROI-5が設定され、各ウェルに1つの細胞集団83が含まれている。残りの1つのウェルには、個々に分離された複数の細胞73を含む領域ROIconが設定されている。この場合、領域ROIconの光学的厚さ画像から、細胞の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を求めることができる。そして、これを用いて、関心領域ROI-1~ROI-5それぞれの細胞集団83に含まれる対象物の個数を求めることができる。
また、細胞集団を対象とした解析に際して、細胞1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値が未知である場合には、以下に述べる手法を用いることができる。図13~図15を用いて説明する。図13は、容器80に入れられた培養液82中の複数の細胞集団83を示す図である。図14は、容器90のウェル91に個々に分散されて入れられた細胞73、および、容器90のウェル92に入れられた細胞集団83を示す図である。図15は、細胞集団に含まれる細胞の個数を計数する手順を説明するフローチャートである。
まず、複数の細胞集団からなる母集団を用意する(ステップS10)。その母集団のうちの1または複数の細胞集団83を無作為に取り出し(ステップS11)、ピペッティング等の操作により一個一個の細胞73に分散させて、図14に示される容器90のウェル91に入れる(ステップS12)。分散させる細胞集団の個数は、総個数の半数を超えないのが好ましい。一個一個の細胞73に分散させたサンプルは、十分均一になるまでピペッティングして細胞懸濁液とし、個々の弁別が容易な低密度でウェル91に播種する。これをコントロール群とする。一方、分散化を行わず細胞集団としての形態を保っている残りの細胞集団83を、そのまま、図14に示される容器90のウェル92に入れる(ステップS13)。これを細胞数計測群とする。
ウェル91とウェル92とは物理的に領域が隔離されている。ウェル91の底部の内側には反射増強コーティング93が設けられている。ウェル92の底部の内側には反射増強コーティング94が設けられている。ウェル91およびウェル92はカバーガラス95で封止される。なお、細胞懸濁液用の観察容器と、スフェロイド観察用の観察容器は、サンプルを注入するためのウェル部分が隔離されていれば良く、容器の外装部が物理的に一体になっていても構わない。図14に示される容器90は、外装部分が一体となっているものの、サンプル注入部が隔離された2つのウェル91,92をもつ。一方のウェル91に、低密度に播種した細胞73を播種し、他方のウェル92に細胞集団83を播種する。
このような前処理の後、干渉画像取得部2は、ウェル91内の低密度播種された細胞73の干渉画像を取得する。演算部3は、この干渉画像から光学的厚さ画像を求めて背景補正を行い(ステップS14)、必要に応じて複数の光学的厚さ画像を接合し(ステップS15)、この光学的厚さ画像において領域ROIconを設定して(ステップS16)、領域ROIcon内の細胞の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を求める(ステップS17)。
また、干渉画像取得部2は、ウェル92内の細胞集団83の干渉画像を取得する。演算部3は、この干渉画像から光学的厚さ画像を求めて背景補正を行い(ステップS18)、必要に応じて複数の光学的厚さ画像を接合し(ステップS19)、この光学的厚さ画像において関心領域ROIを設定して(ステップS20)、関心領域ROI内の細胞集団83の光学的厚さの積分値を求める(ステップS21)。
そして、演算部3は、細胞集団83の光学的厚さの積分値と細胞の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値とに基づいて、細胞集団83に含まれる細胞の個数を求める(ステップS22)。
ここで用いる容器90は、観察の前に滅菌されたものであることが望ましい。この容器90が滅菌されたものであれば、ウェル92に播種された細胞集団83は、細胞一個一個に分散されたものでなく、染色されたものでもないので、細胞数計数後も培養を続けることが可能となる。また、本手法による計測の過程で、もともとの母集団に含まれる細胞集団のうち何個かの細胞集団は、分散状態で低密度に播種されることで細胞集団としての機能を失ってしまうものの、母集団の他の殆どの細胞集団は、細胞数を全数検査した後も細胞集団としての機能を維持したままで残すことができる。
なお、容器90がマルチウェルプレートであるとして説明したが、低密度に播種した細胞73が播種される容器と、細胞集団が播種される容器とは、物理的に分離されていてもよい。その場合、一方の容器として図13に示された容器80をそのまま用いてもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態は、干渉画像取得部2が干渉画像を取得する際の光学倍率が可変であることを利用して、関心領域を含む干渉画像を干渉画像取得部2により取得する際と比べて、細胞の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を求めるための領域を含む干渉画像を干渉画像取得部2により取得する際の光学倍率を高くするものである。
細胞の集合体である細胞集団を関心領域とする場合、細胞数を計数したい関心領域ROImainの観察に際しては低倍率の光学系で広い面積を撮像することが望ましい。一方、細胞1個あたりの平均的な光学的厚さの積分値を求めるに際しては、低倍率の光学系で撮像した画像では細胞一個一個の弁別が困難になるので、高倍率の光学系で撮像することが望ましい。したがって、好ましくは、干渉画像取得部2の光学倍率を切り替えて、細胞1個あたりの平均的な光学的厚さの積分値を求めるための領域ROIconについては高倍率で観察し、その一方で、細胞数を計数したい関心領域ROImainについては低倍率で観察を行うのがよい。
図16は、互いに異なる光学倍率で干渉画像取得部2により取得した干渉画像から得られる光学的厚さ画像を示す図である。図16(a)は、細胞数を計数したい関心領域ROImain、および、細胞の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を求めるための領域ROIconの双方を含む光学的厚さ画像を示す。図16(b)は、関心領域ROImainを含まず領域ROIconのみを含む光学的厚さ画像を示す。図16(a)の光学的厚さ画像を取得する際と比べて、図16(b)の光学的厚さ画像を取得する際の方が、光学倍率が高い。
図17は、干渉画像取得部2の光学倍率を切り替えて細胞の個数を計数する手順を説明するフローチャートである。
まず、低密度領域および高密度領域の双方を含む細胞サンプルを用意する(ステップS30)。高密度領域と比べて低密度領域では、低い密度で細胞が分散して存在している。干渉画像取得部2は、低密度領域について高倍率で干渉画像を取得する。演算部3は、この干渉画像から光学的厚さ画像を求めて背景補正を行い(ステップS31)、必要に応じて複数の光学的厚さ画像を接合し(ステップS32)、この光学的厚さ画像において領域ROIconを設定して(ステップS33)、領域ROIcon内の細胞の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を求める(ステップS34)。
また、干渉画像取得部2は、高密度領域について低倍率で干渉画像を取得する。演算部3は、この干渉画像から光学的厚さ画像を求めて背景補正を行い(ステップS35)、必要に応じて複数の光学的厚さ画像を接合し(ステップS36)、この光学的厚さ画像において関心領域ROIを設定して(ステップS37)、関心領域ROI内の細胞の光学的厚さの積分値を求める(ステップS38)。そして、演算部3は、高密度領域における光学的厚さの積分値と細胞の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値とに基づいて、高密度領域における細胞の個数を求める(ステップS39)。
干渉画像取得部2の光学倍率を切り替えることにより、高密度領域の光学的厚み画像と低密度領域の光学的厚み画像との間で、1つの細胞領域に対応する画素数が互いに異なることから、1つの細胞領域における光学的厚さの総和は互いに異なる。しかし、光学的厚さの積分値として、光学的厚さの総和に1画素当たりのサンプル面積を乗じた値を用いれば、1画素当たりのサンプル面積が光学倍率に反比例するので、光学倍率に拘わらず同じ領域における光学的厚さの積分値は同じである。なお、光学的厚さの積分値として光学的厚さの総和を用いる場合には、光学倍率の二乗の値を用いて校正すればよい。
また、干渉画像取得部2の特徴として、光学的厚さはサンプルの屈折率および厚さにより決まる物理量であり、撮像系の倍率および照明光の強度に依らないという性質がある。したがって、高倍率で細胞1個あたりの平均的な光学的厚さの積分値を求めたうえで、低倍率領域の画像に対する計算を行っても問題は生じない。
計数装置および計数方法は、上記実施形態及び構成例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
上記実施形態による計数装置は、(1)1または複数の対象物を含む干渉画像を取得する干渉画像取得部と、(2)干渉画像取得部により取得された干渉画像に基づいて光学的厚さ画像を求め、光学的厚さ画像のうちの関心領域内の光学的厚さの積分値と、対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値とに基づいて、関心領域内の対象物の個数を求める演算部と、を備える構成としている。
上記の計数装置では、演算部は、干渉画像取得部により取得された干渉画像のうち、関心領域内の対象物の分布密度より低い密度で対象物が分布する領域に基づいて、光学的厚さ画像を求めて対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を求める構成としても良い。
上記の計数装置では、演算部は、対象物が複数種類ある場合に、複数種類それぞれの対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を記憶しておき、そのうちの何れかの種類の対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を選択して用いる構成としても良い。
上記の計数装置では、干渉画像取得部は、関心領域を含む干渉画像を取得する際と比べて、対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を求めるための領域を含む干渉画像を取得する際の光学倍率が高い構成としても良い。
上記の計数装置では、干渉画像取得部は、対象物の集合体を含む干渉画像を取得し、演算部は、干渉画像取得部により取得された干渉画像から求められた光学的厚さ画像のうちの集合体の光学的厚さの積分値と、対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値とに基づいて、集合体に含まれる対象物の個数を求める構成としても良い。
上記実施形態による計数方法は、(1)1または複数の対象物を含む干渉画像を干渉画像取得部により取得する画像取得ステップと、(2)干渉画像取得部により取得された干渉画像に基づいて光学的厚さ画像を求め、光学的厚さ画像のうちの関心領域内の光学的厚さの積分値と、対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値とに基づいて、関心領域内の対象物の個数を求める演算ステップと、を備える構成としている。
上記の計数方法では、演算ステップにおいて、干渉画像取得部により取得された干渉画像のうち、関心領域内の対象物の分布密度より低い密度で対象物が分布する領域に基づいて、光学的厚さ画像を求めて対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を求める構成としても良い。
上記の計数方法では、演算ステップにおいて、対象物が複数種類ある場合に、複数種類それぞれの対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を記憶しておき、そのうちの何れかの種類の対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を選択して用いる構成としても良い。
上記の計数方法では、画像取得ステップにおいて、関心領域を含む干渉画像を干渉画像取得部により取得する際と比べて、対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を求めるための領域を含む干渉画像を干渉画像取得部により取得する際の光学倍率が高い構成としても良い。
上記の計数方法では、画像取得ステップにおいて、対象物の集合体を含む干渉画像を干渉画像取得部により取得し、演算ステップにおいて、干渉画像取得部により取得された干渉画像から求められた光学的厚さ画像のうちの集合体の光学的厚さの積分値と、対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値とに基づいて、集合体に含まれる対象物の個数を求める構成としても良い。
上記の計数方法では、光学的厚さ画像の背景における平坦性が、光学的厚さの標準偏差にして5nm未満である構成としても良い。
上記の計数方法では、対象物が細胞である構成としても良い。
上記の計数方法では、画像取得ステップにおいて、対象物としての細胞の集合体を複数含む母集団のうちの1または複数の集合体を個々の細胞に分離したものについて第1干渉画像を干渉画像取得部により取得するとともに、母集団のうちの残りの1または複数の集合体について第2干渉画像を干渉画像取得部により取得し、演算ステップにおいて、第1干渉画像から求められた光学的厚さ画像に基づいて細胞の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を求め、第2干渉画像から求められた光学的厚さ画像に基づいて集合体の光学的厚さの積分値を求めて、集合体の光学的厚さの積分値と細胞の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値とに基づいて、集合体に含まれる細胞の個数を求める構成としても良い。
上記の計数方法では、画像取得ステップにおいて、対象物としての細胞の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を求めるための領域を含む干渉画像を干渉画像取得部により取得する際に、細胞の核を染色して該干渉画像を取得する構成としても良い。
実施形態は、関心領域内の対象物の個数を正確に計数することができる計数装置および計数方法として利用可能である。
1…計数装置、2…干渉画像取得部、3…演算部、11…光源、12…ビームスプリッタ、13,14…対物レンズ、15…参照ミラー、16…チューブレンズ、17…ビームスプリッタ、18…撮像器、21…ピエゾ素子、22…光検出器、23…位相制御回路、70…容器、71…反射増強コーティング、72…培養液、73…細胞、80…容器、82…培養液、83…細胞集団、90…容器、91,92…ウェル、93,94…反射増強コーティング、95…カバーガラス。
Claims (14)
- 1または複数の対象物を含む干渉画像を取得する干渉画像取得部と、
前記干渉画像取得部により取得された干渉画像に基づいて光学的厚さ画像を求め、前記光学的厚さ画像のうちの関心領域内の光学的厚さの積分値と、前記対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値とに基づいて、前記関心領域内の前記対象物の個数を求める演算部と、
を備える、計数装置。 - 前記演算部は、前記干渉画像取得部により取得された干渉画像のうち、前記関心領域内の前記対象物の分布密度より低い密度で前記対象物が分布する領域に基づいて、前記光学的厚さ画像を求めて前記対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を求める、請求項1に記載の計数装置。
- 前記演算部は、前記対象物が複数種類ある場合に、前記複数種類それぞれの対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を記憶しておき、そのうちの何れかの種類の対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を選択して用いる、請求項1または2に記載の計数装置。
- 前記干渉画像取得部は、前記関心領域を含む干渉画像を取得する際と比べて、前記対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を求めるための領域を含む干渉画像を取得する際の光学倍率が高い、請求項1~3の何れか1項に記載の計数装置。
- 前記干渉画像取得部は、対象物の集合体を含む干渉画像を取得し、
前記演算部は、前記干渉画像取得部により取得された干渉画像から求められた光学的厚さ画像のうちの前記集合体の光学的厚さの積分値と、前記対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値とに基づいて、前記集合体に含まれる対象物の個数を求める、請求項1~4の何れか1項に記載の計数装置。 - 1または複数の対象物を含む干渉画像を干渉画像取得部により取得する画像取得ステップと、
前記干渉画像取得部により取得された干渉画像に基づいて光学的厚さ画像を求め、前記光学的厚さ画像のうちの関心領域内の光学的厚さの積分値と、前記対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値とに基づいて、前記関心領域内の前記対象物の個数を求める演算ステップと、
を備える、計数方法。 - 前記演算ステップにおいて、前記干渉画像取得部により取得された干渉画像のうち、前記関心領域内の前記対象物の分布密度より低い密度で前記対象物が分布する領域に基づいて、前記光学的厚さ画像を求めて前記対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を求める、請求項6に記載の計数方法。
- 前記演算ステップにおいて、前記対象物が複数種類ある場合に、前記複数種類それぞれの対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を記憶しておき、そのうちの何れかの種類の対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を選択して用いる、請求項6または7に記載の計数方法。
- 前記画像取得ステップにおいて、前記関心領域を含む干渉画像を前記干渉画像取得部により取得する際と比べて、前記対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を求めるための領域を含む干渉画像を前記干渉画像取得部により取得する際の光学倍率が高い、請求項6~8の何れか1項に記載の計数方法。
- 前記画像取得ステップにおいて、対象物の集合体を含む干渉画像を前記干渉画像取得部により取得し、
前記演算ステップにおいて、前記干渉画像取得部により取得された干渉画像から求められた光学的厚さ画像のうちの前記集合体の光学的厚さの積分値と、前記対象物の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値とに基づいて、前記集合体に含まれる対象物の個数を求める、請求項6~9の何れか1項に記載の計数方法。 - 前記光学的厚さ画像の背景における平坦性が、光学的厚さの標準偏差にして5nm未満である、請求項6~10の何れか1項に記載の計数方法。
- 前記対象物が細胞である、請求項6~11の何れか1項に記載の計数方法。
- 前記画像取得ステップにおいて、前記対象物としての細胞の集合体を複数含む母集団のうちの1または複数の集合体を個々の細胞に分離したものについて第1干渉画像を前記干渉画像取得部により取得するとともに、前記母集団のうちの残りの1または複数の集合体について第2干渉画像を前記干渉画像取得部により取得し、
前記演算ステップにおいて、前記第1干渉画像から求められた光学的厚さ画像に基づいて前記細胞の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を求め、前記第2干渉画像から求められた光学的厚さ画像に基づいて前記集合体の光学的厚さの積分値を求めて、前記集合体の光学的厚さの積分値と前記細胞の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値とに基づいて、前記集合体に含まれる細胞の個数を求める、請求項12に記載の計数方法。 - 前記画像取得ステップにおいて、前記対象物としての細胞の1個当たりの平均的な光学的厚さの積分値を求めるための領域を含む干渉画像を前記干渉画像取得部により取得する際に、前記細胞の核を染色して該干渉画像を取得する、請求項12または13に記載の計数方法。
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