WO2011092991A1 - ケーブルガイド - Google Patents
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Abstract
Description
本発明においては、対向する側壁の先端が一定間隔で離隔し、上面が開口しているため、ケーブルの出し入れが容易である。また、側壁は、少なくとも先端部分が内側方向に傾斜又は屈曲しているため、ケーブル保持性に優れ、移動時にケーブルが脱落することがない。更に、底部及び側壁が熱可塑性エラストマーで一体形成されているため、移動時の変形に追従可能で、発塵を抑制することもでき、更には押出成形により容易にかつ低コストで製造することが可能である。
このケーブルガイドは、前記底部に、バネ鋼若しくは繊維強化プラスチックからなる線材又は板材を内包させることもできる。その場合、前記線材又は板材は、接着性樹脂を介して、前記底部と一体化されていてもよい。
また、前記側壁に、その先端から前記底部に向かって延びる複数の切り込みを形成することもできる。
更に、前記底部の裏面にリブ部を一体で形成してもよく、その場合、該リブ部には複数の切り欠きを設けることが望ましい。
更にまた、前記側壁の切り込みと前記リブ部の切り欠きとが、前記底部の長手方向において整合する位置に設けられていてもよい。
更にまた、前記ケーブル収容部には、複数本のケーブルが一体化されたケーブル束を収納することもできる。
更にまた、このケーブルガイドは、例えば、屈曲動作時に、前記底部の裏面が内側に、前記ケーブル収容部の開口部が外側になるように配置される。
このように、側壁に垂直荷重を付加したときの側壁と底部のなす角度の変化量を45°以下とすると、水平方向における撓みが少なくなり、ケーブル保持性が向上する。
また、少なくとも前記側壁の傾斜部又は屈曲部よりも底部側の部分を、前記底部よりも肉厚に形成してもよい。
その場合、側壁全体が前記底部よりも肉厚に形成されていてもよい。
更に、前記底部の裏面に、前記底部よりも肉厚のリブ部が一体で形成することもできる。
更にまた、前記ケーブル収容部における前記底部と前記側壁との境界部分を曲面又はC面で構成し、その曲率半径R又はC面寸法を3~10mmとしてもよい。
又は、前記ケーブル収容部における前記底部と前記側壁との境界部分及び前記底部の裏面と前記リブ部の内面との境界部分の両方を曲面又はC面で構成し、その曲率半径R又はC面寸法を3~10mmとすることもできる。
ここで、C面とは、立体を構成する2面の角部に形成される面であり、角部と平行でかつ角部から一定距離に設けられた二辺をつないだ傾斜面をいう。
又は、少なくとも前記底部及び側壁の内側表面を、JIS K 7125に規定されている方法に従って測定した静摩擦係数が0.7以下かつ動摩擦係数が0.5以下としてもよい。
このように、内側表面の静摩擦係数及び動摩擦係数の両方を低くしてケーブルとの摩擦を低減すると、移動時の変形に追従可能となり、発塵や騒音の発生も防止される。
このケーブルガイドにおける底部及び側壁の内側表面は、例えば、算術平均粗さRaを0.10μm以下、十点平均粗さRzを1.0μm以下とすることができる。
また、前記底部及び側壁を、エラストマー100質量部に対して、黒鉛粉末:0.1~5質量部及び/又はシリコーンオイル:0.1~5質量部を配合した熱可塑性エラストマー組成物により形成することもできる。その際、黒鉛粉末及び/又はシリコーンオイルの量を、エラストマー100質量部に対して、0.5~5質量部としてもよい。
先ず、本発明の第1の実施形態に係るケーブルガイドについて説明する。図1は本実施形態のケーブルガイドの構成を示す断面図であり、図2はその使用時の状態を示す側面図である。本実施形態のケーブルガイド10は、ケーブルが一段又は多段で収容されるものであり、図1及び図2に示すように、一方向に延びる底部1の幅方向両端縁に沿って、側壁2が設けられている、そして、この底部1及び側壁2により、ケーブル収容部3が構成されている。
次に、本発明の第2の実施形態に係るケーブルガイドについて説明する。図4は本実施形態のケーブルガイドの構成を示す断面図であり、図5はその使用時の状態を示す側面図である。なお、図4及び図5においては、前述した第1の実施形態のケーブルガイド10の構成要素と同じものには、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
次に、本発明の第3の実施形態に係るケーブルガイドについて説明する。図7は本実施形態のケーブルガイドの構成を示す断面図である。なお、図7においては、前述した第2の実施形態のケーブルガイド20の構成要素と同じものには、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
次に、本発明の第4の実施形態に係るケーブルガイドについて説明する。図9は本実施形態のケーブルガイドの構成を示す断面図である。なお、図9においては、前述した第1の実施形態のケーブルガイド10の構成要素と同じものには、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
次に、本発明の第5の実施形態に係るケーブルガイドについて説明する。図11は本実施形態のケーブルガイドの構成を示す断面図である。なお、図11においては、前述した第2の実施形態のケーブルガイド20の構成要素と同じものには、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
次に、本発明の第6の実施形態に係るケーブルガイドについて説明する。本実施形態のケーブルガイドは、前述した第1の実施形態のケーブルガイド10について、底部1及び側壁2の内側表面、即ち、収容部3の内側表面の静摩擦係数及び動摩擦係数を低くしたものである。具体的には、少なくとも底部1及び側壁2の内側表面は、JIS K 7125に規定される方法に従って測定した静摩擦係数が0.7以下でかつ動摩擦係数が0.5以下か、又は、底面が一辺6.3cmの正方形状で底面全体がフェルトで覆われている重さ200gの滑り片を載せ、この滑り片を50mm/分の速度で引っ張ったときの最大静止摩擦力及び動摩擦力から求めた静摩擦係数が0.4以下でかつ動摩擦係数が0.3以下となっている。
図12は側壁と底部のなす角度の変化量を測定する方法を示す図である。図12に示すように、側壁62と底部61のなす角度αの変化量は、実施例及び比較例の各ケーブルガイドを長手方向に100mmの長さに切断し、更に、その一方の側壁62を幅が10mmになるように加工した試料60を用いて行った。
騒音の評価は、実施例及び比較例の各ケーブルガイドに直径10mmのウレタン被覆5連ケーブルを収容し、その状態で屈伸動作及び幅方向への移動動作を行い、その際発生する騒音の状態を確認した。その結果、ほとんど音が聞き取れなかったものを◎、非連続的な発生であり、小音量であったため、あまり気にならなかったものを○、非連続な発生であるが、やや耳障りであったものを△、連続的に音が発生し、耳障りであったものを×とした。
ケーブル飛び出しの評価では、先ず、実施例及び比較例の各ケーブルガイドを長さ1mに切断したものに、直径10mmのウレタン被覆5連ケーブル(1kg/m)を収容した。そして、その状態で、ケーブルガイドの両端を固定し、横方向に2Gの加速度で100往復させ、ケーブルの飛び出しの有無を確認した。
摩擦係数の測定は、JIS K 7125に規定される方法を参考にして行った。具体的には、実施例11~13及び比較例11のケーブルガイドと同じ組成の熱可塑性エラストマーを使用して作製した試験片(シート)の上に、底面がフェルトで覆われている重さ200gの滑り片を載せ、それを50mm/分の速度で引っ張り、最大静止摩擦力と動摩擦力とを測定した。その際、フェルト(滑り片の底面)と試験片との接触面積は、6.3cm(引張方向と垂直辺)×6.3cm(引張方向と平行辺)とした。そして、これらの値から、下記数式(2),(3)に示す静摩擦係数及び動摩擦係数を求めた。
表面粗度の測定は、前述した試験片を使用して、ミツトヨ社製サーフテストSJ-400を使用して行った。その際、カットオフは0.8mm、測定長は2.4mm、スイープ速度は0.5mm/秒とした。
実施例及び比較例のケーブルガイドに、直径10mmのウレタン被覆5連ケーブルを配設し、その時間及び労力を相対評価した。そして、全くストレスなく配設できたものを◎、◎のものよりも2倍前後の時間・労力を要したものを○、◎のものよりも5倍以上の時間・労力を要したものを×とした。
粉塵発生は、摺動試験を行い、その際の粉塵の発生状況を観察し、その結果に基づいて評価した。具体的には、前述した摩擦係数及び表面粗度で使用したものと同様の試験片を用意し、その試験片上でケーブル外被(ポリウレタン)を約200gの負荷をかけて摺動させた。その際、摺動長さは200mm、摺動サイクルは67回/分、摺動回数は10万回とした。その結果、粉塵が全く発生しなかったものを◎、殆ど発生しなかった(目視できない程度)ものを○、目視で粉塵が確認できたものを△とした。
騒音の評価は、直径10mmのウレタン被覆5連ケーブルを収容した状態で、屈伸動作及び幅方向への移動動作を行い、その際の騒音発生状態を確認した。その結果、殆ど音が聞き取れなかったものを◎、非連続的な発生であり、小音量であるため、あまり気にならなかったものを○、連続的な発生であるが、小音量であるため、やや耳障りであったものを△、音が発生し、連続的な発生で、耳障りであったものを×とした。
図13は静摩擦係数及び動摩擦係数の測定方法を示す模式図である。本実施例においては、JIS K 7125に規定される方法に従って、摩擦係数を測定した。具体的には、図13に示すように、実施例11~14及び比較例11のケーブルガイドと同じ組成の熱可塑性エラストマーを使用して作製した2枚の試験片(シート)70を積層し、その上に底面がフェルト71で覆われた重さ200gの重り72を載せた。
2、12、62 側壁
2a 傾斜部
3、13 ケーブル収容部
4 ケーブル
5 切り込み
6 リブ部
6a 切り欠き
7 板材
8 線材
10、11、20、21、22、23、30、31、32、40、41、50 ケーブルガイド
12a 屈曲部
12b 垂直部
14 ケーブル束
60 試料
62a 先端部分
70 試験片
71 フェルト
72 重り
Claims (21)
- 一方向に延びる底部と、該底部の幅方向両端縁に沿って設けられ、少なくとも先端部分が内側方向に傾斜又は屈曲した側壁とで構成されるケーブル収容部を有し、
該ケーブル収容部は、対向する側壁の先端が一定間隔で離隔し、かつ前記底部及び側壁が熱可塑性エラストマーにより一体で形成されているケーブルガイド。 - 前記底部は、バネ鋼若しくは繊維強化プラスチックからなる線材又は板材を内包していることを特徴とする請求項1に記載のケーブルガイド。
- 前記線材又は板材は、接着性樹脂を介して、前記底部と一体化されていることを特徴とする請求項2に記載のケーブルガイド。
- 前記側壁には、その先端から前記底部に向かって延びる複数の切り込みが形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のケーブルガイド。
- 前記底部の裏面にはリブ部が一体で形成されており、該リブ部には複数の切り欠きが設けられている請求項1乃至4のいずれか1項に記載のケーブルガイド。
- 前記側壁の切り込みと前記リブ部の切り欠きとが、前記底部の長手方向において整合する位置に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のケーブルガイド。
- 前記ケーブル収容部に複数本のケーブルが一体化されたケーブル束が収納されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のケーブルガイド。
- 屈曲動作時に、前記底部の裏面が内側に、前記ケーブル収容部の開口部が外側になるように配置されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のケーブルガイド。
- 前記ケーブル収容部内から前記側壁の先端部分に対して0.044N/mm2の垂直荷重をかけたとき、前記側壁と底部のなす角度の変化量が45°以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のケーブルガイド。
- 少なくとも前記側壁の傾斜部又は屈曲部よりも底部側の部分は、前記底部よりも肉厚に形成されていることを特徴とする請求項9に記載のケーブルガイド。
- 側壁全体が前記底部よりも肉厚に形成されていることを特徴とする請求項10に記載のケーブルガイド。
- 前記底部の裏面には、前記底部よりも肉厚のリブ部が一体で形成されていることを特徴とする請求項10又は11に記載のケーブルガイド。
- 前記ケーブル収容部における前記底部と前記側壁との境界部分は曲面又はC面で構成されており、その曲率半径R又はC面寸法が3~10mmであることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載のケーブルガイド。
- 前記ケーブル収容部における前記底部と前記側壁との境界部分及び前記底部の裏面と前記リブ部の内面との境界部分はいずれも曲面又はC面で構成されており、その曲率半径R又はC面寸法が3~10mmであることを特徴とする請求項12に記載のケーブルガイド。
- 少なくとも前記底部及び側壁の内側表面は、底面が一辺6.3cmの正方形状で底面全体がフェルトで覆われている重さ200gの滑り片を載せ、該滑り片を50mm/分の速度で引っ張ったときの最大静止摩擦力及び動摩擦力から求めた静摩擦係数が0.4以下であり、動摩擦係数が0.3以下であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載のケーブルガイド。
- 少なくとも前記底部及び側壁の内側表面は、JIS K 7125に規定されている方法に従って測定した静摩擦係数が0.7以下であり、動摩擦係数が0.5以下であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載のケーブルガイド。
- 前記底部及び側壁の内側表面の表面粗度は、算術平均粗さRaが0.10μm以下、十点平均粗さRzが1.0μm以下であることを特徴とする請求項15又は16に記載のケーブルガイド。
- 前記底部及び側壁は、エラストマー100質量部に対して、黒鉛粉末を0.1~5質量部を配合した熱可塑性エラストマー組成物で形成されていることを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1項に記載のケーブルガイド。
- 前記底部及び側壁は、エラストマー100質量部に対して、黒鉛粉末を0.5~5質量部を配合した熱可塑性エラストマー組成物で形成されていることを特徴とする請求項18に記載のケーブルガイド。
- 前記底部及び側壁は、エラストマー100質量部に対して、シリコーンオイルを0.1~5質量部を配合した熱可塑性エラストマー組成物で形成されていることを特徴とする請求項15乃至19のいずれか1項に記載のケーブルガイド。
- 前記底部及び側壁は、エラストマー100質量部に対して、シリコーンオイルを0.5~5質量部を配合した熱可塑性エラストマー組成物で形成されていることを特徴とする請求項20に記載のケーブルガイド。
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