JP2013032817A - ケーブルガイド - Google Patents

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憲治 伊藤
Chihiro Kato
千尋 加藤
Norihiro Nakayama
典宏 仲山
Toshiharu Hirai
敏治 平井
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Abstract

【課題】ケーブルを容易に配設することができ、屈曲移動時の追従性に優れ、発塵しにくく、かつ低コストで製造可能なケーブルガイドを提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂からなり、一方向に延びる底部1と、この底部1の幅方向両端縁に沿って設けられ、少なくとも先端部分が内側方向に90°未満の角度で傾斜した側壁2とで構成され、ゲーブル収容部となるガイド本体3を、押出成形により、一体でかつ長さ方向に連続して形成する。その際、対向する側壁2の先端を一定間隔で離隔させると共に、各側壁2に先端から底部1に向かって延びる複数の切り込み5を形成する。更に、底部1を熱可塑性エラストマーで形成すると共に、側壁2の一部又は全部を熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性樹脂で形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ケーブルを収容するケーブルガイドに関する。より詳しくは、ケーブルが接続されている装置の動作に追従して移動し、収容しているケーブルを案内するケーブルガイドに関する。
ロボットアーム、工作機械、ゲーム機のクレーン及び監視カメラなどでは、装置の動作に追従してケーブル(配線)も移動するが、その際、ケーブルの絡まりや、他の部材との接触による損傷・断線を防止するためのケーブルガイドが利用されている。このようにケーブルの保護及び案内を行うケーブルガイドは、一般に、金属材料で形成されており、追従性能を確保するため、継ぎ手やピン材などを使用して、複数のユニットを連結した構成となっている。
一方、従来、合成樹脂により底板と側板とを一体成形した複数のガイド部材を、合成樹脂製のヒンジ部材で連結した構成のケーブルチェーンも提案されている(特許文献1参照)。また、金型成形により複数のユニットを一体で形成し、それらを相互に連結して長尺化したハーネス保護具も提案されている(特許文献2参照)。更に、押出し成形などによって、長さ方向に連続形成された一体型のケーブルガイドも提案されている(特許文献3,4参照)。これら特許文献4,5に記載のケーブルガイドでは、屈曲移動を可能とするために、蓋部や側壁に切り込みが形成されている。
特開平9−324836号公報 特開2006−166492号公報 特開平9−154213号公報 特表2006−507788号公報
しかしながら、前述した従来の技術には、以下に示す問題点がある。即ち、金属材料により形成された複数のユニットを連結した構成の従来のケーブルガイドは、丈夫で、長さ調整が自在などの利点があるが、移動時に接触摩耗による摩擦粉塵や部品同士の接触による騒音が発生しやすいという問題点がある。このため、これらのケーブルガイドは、摩擦粉塵の発生の点からは、例えばクリーンルームなどの清浄な環境下での使用には適さず、騒音の点からは、例えば作業環境の悪化を招く。特にこのような構成のケーブルガイドは、部品数及び工程数が多いため、製造コストが高くなるという問題点もある。
これに対して、特許文献1〜4に記載された合成樹脂製のケーブルガイドは、騒音防止の効果はあるが、例えば、特許文献1,2に記載されているようなユニット同士を連結する構造のものは、合成樹脂製であっても連結構造であるため、依然として部品数や工程数による製造コストの問題、発塵及び騒音の問題が少なからずある。
一方、特許文献3,4に記載されているように、一部又は全部を合成樹脂で一体形成した場合、製造コストを低減することができ、接触摩耗も発生しにくくなるが、ケーブルの新規配設、追加配設及び取り替えがしにくいという問題点がある。更に、これら従来のケーブルガイドには、材料選定の自由度が低いという問題点もある。例えば、特許文献3に記載のケーブルガイドでは、材料に関してはポリプロプレンやスチールが例示されているだけで、材料についての具体的検討はなされていない。また、特許文献4に記載のケーブルガイドは、ケーブルの出し入れやメンテナンス作業が煩雑である。
そこで、本発明は、ケーブルを容易に配設することができ、屈曲移動時の追従性に優れ、発塵しにくく、かつ低コストで製造可能なケーブルガイドを提供することを主目的とする。
本発明に係るケーブルガイドは、熱可塑性樹脂からなり、一方向に延びる底部と、該底部の幅方向両端縁に沿って設けられ、少なくとも先端部分が内側方向に90°未満の角度で傾斜した側壁とが、押出成形により、一体でかつ長さ方向に連続して形成されたガイド本体を有し、該ガイド本体は、対向する側壁の先端が一定間隔で離隔し、各側壁には先端から前記底部に向かって延びる複数の切り込みが形成されており、かつ、底部が熱可塑性エラストマーにより形成されると共に、側壁の一部又は全部が熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性樹脂で形成されているものである。
このケーブルガイドでは、前記側壁の先端部分のみを内側方向に傾斜させ、該傾斜部は熱可塑性エラストマーで形成し、その他の部分を熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性樹脂で形成してもよい。
また、前記底部に、バネ鋼若しくは繊維強化プラスチックからなる線材又は板材を内包させ、前記線材又は板材を、接着性樹脂を介して、前記底部と一体化することもできる。
更に、前記ガイド本体における前記底部と前記側壁の内面との境界部分を曲面又はC面で構成し、その曲率半径R又はC面寸法を3〜10mmとしてもよい。
一方、前記底部の裏面には熱可塑性樹脂からなるリブ部を一体で形成し、該リブ部に複数の切り欠きを設けることもできる。その場合、前記リブ部も熱可塑性エラストマーで形成することができる。
また、前記底部の裏面と前記リブ部の内面との境界部分を曲面又はC面で構成し、その曲率半径R又はC面寸法を3〜10mmとしてもよい。
更に、前記底部及び側壁は、黒鉛粉末を0.5〜5質量%含有する熱可塑性樹脂組成物により形成することもできる。
そして、このケーブルガイドは、複数本のケーブルが一体化されたケーブル束が収納される。
また、屈曲動作時に、前記底部の裏面が内側に、前記ガイド本体の開口部が外側になるように配置される。
本発明によれば、上面が開口すると共に各側壁には複数の切り込みが形成されており、更に、底部が熱可塑性エラストマーで、側壁の一部又は全部が熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性樹脂で形成されているため、ケーブルの出し入れが容易であり、屈曲移動時の追従性に優れ、かつ発塵しにくいケーブルガイドを、低コストで製造することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係るケーブルガイドの構成を示す断面図である。 図1に示すケーブルガイド10の使用時の状態を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係るケーブルガイドの構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るケーブルガイドの構成を示す断面図である。 図4に示すケーブルガイド20の使用時の状態を示す側面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付の図面を参照して、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
[構成]
先ず、本発明の第1の実施形態に係るケーブルガイドについて説明する。図1は本実施形態のケーブルガイドの構成を示す断面図であり、図2はその使用時の状態を示す側面図である。本実施形態のケーブルガイド10は、ケーブルが一段又は多段で収容されるものであり、図1及び図2に示すように、一方向に延びる底部1の幅方向両端縁に沿って、側壁2が設けられている、そして、この底部1及び側壁2により、ケーブル収容部となるガイド本体3が構成されている。
また、本実施形態のケーブルガイド10の側壁2は、上部が内側に向かって90°未満の角度で傾斜しており、この傾斜部2aにより、ガイド本体3内に収容されたケーブルの脱落が防止される。更に、このケーブルガイド10では、対向する側壁2の先端が一定間隔で離隔しており、ガイド本体3は上面が開口した構成となっている。これにより、この開口部分から、ケーブルを容易に出し入れすることができる。
なお、傾斜部2aは、側壁2の先端部のみに形成されている必要はなく、例えば、側壁全体が内側に傾斜していてもよく、また、下部が緩やかに内側に傾斜し、上部がそれよりも角度をもって内側に傾斜した構成にすることもできる。ただし、ケーブル収容部の体積を確保し、より多くのケーブルを収納できるという観点から、傾斜部2aは側壁2の先端部のみに形成されていることが好ましい。
また、前述した特許文献3に記載のケーブルガイドのように、側壁を90°を超える角度で屈曲させて、ケーブル収容部の上方を覆う天井部を形成すると、ケーブルは飛び出しにくくなるが、その一方でメンテナンス作業が面倒になるという欠点もある。具体的には、このような構造にした場合、ケーブル収容部内にケーブルを入れることは容易であるが、例えば複数のケーブルが一体化されたケーブル束などの場合は、収容されているケーブル(ケーブル束)を取り出しにくいという問題がある。
これに対して、本実施形態のケーブルガイド10は、傾斜部2aの傾斜角θが90°未満であり、更に、ケーブルを収容する部分は上面が開口しているため、ケーブルの収納のしやすさと、ケーブルの飛び出し防止と、ケーブル束の取り出しやすさのバランスに優れた形状となっている。
また、本実施形態のケーブルガイド10の側壁2には、先端から底部1に向かって、その高さ方向に延びる切り込み5が、間隔を空けて複数本形成されている。このように、側壁2に切り込み5を設けることにより、熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性樹脂で形成されていても、曲げ半径が小さい場合でも、側壁2を構成する熱可塑性樹脂に過度のストレスを与えずに容易に曲げることができる。更に、切り込み5の底部1側の端部に円形状の切り欠きを形成すると、切り込み5の底部1側の端部にかかるストレスを低減することができる。
一方、ガイド本体3を構成する底部1及び側壁2は、押出成形により、一体でかつ長さ方向に連続して形成されている。押出成形では、長尺のケーブルガイドを形成することができるため、使用者が任意の長さに切断して使用することが可能となる。
このガイド本体3を形成する熱可塑性樹脂は、特に限定されるものではないが、本実施形態のケーブルガイド10においては、少なくとも底部1は熱可塑性エラストマーで形成されている。これにより、屈曲移動時の追従性を向上させることができるため、装置の動作に追従して移動する際の撓みや横ぶれを防止することができる。なお、底部1を熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性樹脂で形成した場合、屈曲移動への追従性が劣り、ケーブルの飛び出しが生じることがある。
ここで、熱可塑性エラストマーとしては、例えば、熱可塑性ポリエステル系エラストマー(Thermoplastic-Polyester-Elastomer:TPEE)、熱可塑性ポリアミド系エラストマー(Thermoplastic-Polyamid-Elastomer:TPAE)、熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(Thermoplastic-Polyurethane-Elastomer:TPU)、熱可塑性ポリスチレン系エラストマー(Thermoplastic-Polystyrene-Elastomer:TPS)、熱可塑性ポリ塩化ビニル系エラストマー(Thermoplastic-Poly(vinyl chloride)-Elastomer:TPVC)、熱可塑性オレフィン系エラストマー(Thermoplastic-Polyolefine-Elastomer:TPO)などが挙げられる。
この熱可塑性エラストマーは、MFR(melt flow rate)が、170〜250℃の範囲のいずれかで、0.5〜5g/10分の範囲にあること好ましい。MFRが0.5g/10分以下の熱可塑性エラストマーを使用すると、流動性が低いため生産しにくい場合がある。一方、MFRが5g/10分以上の熱可塑性エラストマーを使用すると、流動性が高すぎて成形しにくい場合がある。また、その使用環境にもよるが、軟化温度は80℃以上、ガラス転移温度は0℃以下が好ましい。
更に、熱可塑性エラストマーの曲げ弾性率は、20〜300MPaの範囲であることが好ましい。熱可塑性エラストマーの曲げ弾性率が20MPa以下であると、撓みや横ぶれなどの変形が起こりやすくなるため、ケーブルの収容性が低下することがある。また、移動時の変形量が大きくなりすぎて、ケーブルガイド同士やケーブルガイドを使用した装置の各部位と接触するなどの問題が起きる場合がある。一方、熱可塑性エラストマーの曲げ弾性率が300MPa以上であると、変形しにくくなりすぎて、屈曲移動や装置の動作に追従しにくくなることがある。
そして、本実施形態のケーブルガイド10では、側壁2の一部又は全部が、熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性樹脂で形成されている。熱可塑性エラストマーは、他の熱可塑性樹脂に比べて高価であるため、側壁2の一部又は全部を熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性樹脂で形成することにより、ケーブルガイドとしての各種物性及び機能を低下させることなく、材料コストを低減することができる。
特に、図1に示すケーブルガイド10のように、側壁2の先端部分のみが内側方向に傾斜している構造の場合、傾斜部2aを熱可塑性エラストマーで形成し、その他の部分を熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性樹脂で形成することが望ましい。これにより、各傾斜部2aの変形性が向上し、屈曲移動時に内側に更に傾き、傾斜角θが大きくなるため、曲げ部でのケーブルの脱落を抑制する効果が高まる。また、変形性が向上すると、ケーブルの出し入れが容易となるため、メンテナンス性も向上する。
なお、側壁2の全体が傾斜している構造のケーブルガイドの場合、側壁2の先端部分のみ熱可塑性エラストマーで形成し、その他の部分を熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性樹脂で形成することにより、同様の効果が得られる。ここで、側壁2の先端部とは、側壁2全体が傾斜している傾斜角度よりも更に内側に傾斜している部分、又は傾斜角が一定の場合はケーブルを出し入れする際に、ケーブルに接触する可能性がある部分をいう。
前述した構成のガイド本体3は、熱可塑性エラストマーとそれ以外の熱可塑性樹脂とを共押出成形することにより、一体成形することが可能である。その際、樹脂境界部分の状態は特に限定されるものではないが、繰り返し屈曲性向上の観点から、底部1や側壁2の一部を構成する熱可塑性エラストマーが、側壁2を構成するその他の熱可塑性樹脂内に突出していることが望ましい。
ここで、側壁2の一部又は全部を形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びポリイミド系樹脂の他、公知の各種エンジアリングプラスチックなどの汎用熱可塑性樹脂を使用することができる。これらの熱可塑性樹脂の中でも、特に、コスト、熱可塑性エラストマーとの共押出成形性及びケーブル収容性などの観点から、ポリオレフィン系樹脂が好適である。
また、底部1を形成する熱可塑性エラストマー及び/又は側壁2を形成する熱可塑性樹脂には、動摩擦係数及び静摩擦係数を低減させるために、流動パラフィン、パラフィンワックス、合成ポリエチレンワックスなどの炭化水素系潤滑剤、シリコーンオイル系潤滑剤、ステアリン酸などの脂肪酸系潤滑剤、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類、ステアリン酸アマイド、オレイン酸アマイド、エルカ酸アマイドなどの脂肪酸アマイド類、メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイドなどのアルキレン脂肪酸アマイド類、ステアリン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどのステアリン酸金属塩類、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリルステアレートなどのアルコールの脂肪酸エステル類、黒鉛(グラファイト)、二硫化モリブテン、二硫化タングステン、フッ化黒鉛、窒化ホウ素、銅、ニッケル、鉛、錫、銀、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、高密度ポリエチレンの粉末などの固体潤滑剤を添加することもできる。
なお、これらの添加成分は、単独で配合してもよいが、複数種を混合して配合することも可能である。特に、黒鉛粉末などの固体潤滑剤やシリコーンオイルなどの液体潤滑剤を使用することが好ましく、両者を組み合わせて使用することもできる。これにより長期間に亘って安定して摩擦係数を低く保つことができる。また、底部1を形成する熱可塑性エラストマー及び/又は側壁2を形成する熱可塑性樹脂に、予め、これらの添加成分が配合されているマスターバッチを使用することもできる。
例えば、底部1や側壁2を、黒鉛粉末を含有する熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマー又はその他の熱可塑性樹脂)組成物で形成する場合、黒鉛粉末の含有量は0.5〜5質量%であることが望ましい。これにより、底部1とケーブルとの間の動摩擦係数及び静摩擦係数を、長期間に亘って安定して低く保つことができる。
本実施形態のケーブルガイド10では、ガイド本体3における底部1と側壁2の内面との境界部分を、曲面又はC面で構成し、その曲率半径R又はC面寸法が3〜10mmとなっていることが望ましい。このように、底部1及び側壁2の内面における境界部分をR面又はC面とすることにより、底部1と側壁2の接触面積が大きくなり、側壁2がより大きな面積で支えられることになるため、側壁2が外側に開きくことによるケーブル保持性の低下を抑制することができる。
また、押出成形により長尺のケーブルガイドを製造すると、側壁部分が外側に開いたり、垂直部分が傾いたりする可能性があるが、この部分を曲面又はC面で構成することにより、成形時の形状安定性が向上する。ただし、この境界部分をC面で構成した場合、R面よりも内部の収容量が小さくなる。このため、収容するケーブルの本数を多くしたい場合などは、C面よりもR面で形成することが望ましい。
ただし、これら境界部分の曲率半径R又はC面寸法が3mm未満の場合、前述した効果が十分得られないことがある。また、境界部分の曲率半径R又はC面寸法が10mmを超えると、ケーブルガイド本体3の容積が小さくなり、収容できるケーブルの本数が少なくなったり、ケーブルとの接触面積が大きくなって、騒音や発塵が発生しやすくなったりする。
更に、本実施形態のケーブルガイド10は、底部1にバネ鋼又はバネ鋼と同等の特性(剛性や強度)などを有する繊維強化プラスチックからなる板材や線材を、その長手方向に内包させてもよい。これにより、板材及び線材がテンションメンバーとして作用するため、繰り返し曲げ性を更に向上させることができると共に、直線部の撓みも防止することができる。
ここで使用するバネ鋼としては、例えば炭素鋼及びステンレス鋼などが挙げられる。また、繊維強化プラスチックとしては、例えば、炭素繊維強化プラスチック、アラミド繊維強化プラスチック、炭化珪素繊維強化プラスチック、ガラス繊維強化プラスチック及びポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維強化プラスチックなどが挙げられ、特に補強繊維により長手方向に強化したものが好ましい。更に、これらの補強繊維を織物としたもので強化したプラスチックを使用することもできる。
なお、板材又は線材を内包させる位置及び本数は、特に限定されるものではなく、底部1の幅方向中心部分に1本の板材又は線材を配置してもよいが、例えば、2本の板材又は線材を底部の幅方向両端部に配置したり、3本以上の線材又は線材を配置したりすることもできる。
このように底部1に板材又は線材を内包させる場合、板材又は線材と熱可塑性エラストマーとを同時に押出成形して、複合化することが可能である。その際、板材又は線材と底部1を構成する熱可塑性エラストマーとの間に接着性樹脂層を設け、底部1と板材又は線材との密着性を高めてもよいが、逆に、熱可塑性エラストマーと板材又は線材との間に、空間を設けることもできる。
[動作]
本実施形態のケーブルガイド10は、ガイド本体3の開口からケーブルを入れ、図2に示すように、底部1の裏面側が内側に、ケーブル収容部3の開口部が外側に、即ち、ケーブルが収容されている側を外側にして配置される。そして、ケーブルが接続されている装置の動作に追従して、その長手方向に直線移動又は屈曲移動し、内部に収容されているケーブルを案内する。
以上、詳述したように、本実施形態のケーブルガイド10は、底部1及び側壁2が熱可塑性樹脂で一体形成されているため、部品間の接触摩耗が発生しない。これにより、移動時の発塵が抑制されるため、クリーンルームにおいても好適に使用することができる。また、移動時に擦れが発生しないため、騒音レベルの接触音などは事実上発生せず、騒音による作業環境の悪化などを防止することができる。
更に、このケーブルガイド10は、共押出成形により容易に製造することが可能である。そして、側壁2を汎用性熱可塑性樹脂で形成することにより、テーブルガイドとしての各種物性や機能を低下させることなく、製造コストを低減することができる。更にまた、本実施形態のケーブルガイド10は、少なくとも底部1が熱可塑性エラストマーで形成されているため、屈曲移動時の追従性に優れている。これにより、移動時に、ケーブルの飛び出しを防止することができる。
(第1の実施形態の変形例)
なお、本実施形態においては、側壁2に傾斜部2aが設けられたケーブルガイド10を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、側壁の先端部が内側に向かって屈曲していてもよい。図3は本発明の第1の実施形態の変形例に係るケーブルガイドの構成を示す断面図である。
図3に示すように、本変形例のケーブルガイドは、側壁12の上部に内側に向かって屈曲する屈曲部12aが設けられており、これにより、例えば曲げ半径が小さい場合でも、ガイド本体13からのケーブルの脱落を防止することができる。ただし、前述したように、屈曲部12aが90°を超えて屈曲している場合は、特に複数のケーブル4が一体化されたケーブル束14を収容する場合などにおいて、その取り出しがしにくくなり、メンテナンス作業が面倒となる。
本変形例のケーブルガイドにおいても、側壁12は熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性樹脂で形成されるが、この場合、屈曲部12aについては熱可塑性エラストマーで形成することが望ましい。これにより、各屈曲部12aの変形性が向上するため、曲げた際に引っ張られて更に屈曲し、曲げ部でのケーブルの脱落を抑制する効果が高まる。更に、各屈曲部12aが変形しやすくなることで、ケーブルが出し入れしやすくなるため、特に、複数のケーブル4が一体化されたケーブル束14を収容する場合に好適である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係るケーブルガイドについて説明する。図4は本実施形態のケーブルガイドの構成を示す断面図であり、図5はその使用時の状態を示す側面図である。なお、図4及び図5においては、前述した第1の実施形態のケーブルガイド10の構成要素と同じものには、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図4及び図5に示すように、本実施形態のケーブルガイド20のガイド本体23には、底部1の裏面側に熱可塑性樹脂からなるリブ部6が、一体で形成されている。このリブ部6は、ケーブルガイド20の横ぶれや直線部のたるみを防止するものであり、ケーブルガイド20の長手方向に一定の間隔をあけて、V字状の切り欠き6aが形成されている。
リブ部6を形成する熱可塑性樹脂は、特に限定されるものではないが、屈曲移動時の追従性の観点から、底部1と同様に熱可塑性エラストマーを使用することが望ましい。また、切り欠き6aの幅dは、曲げ半径に応じて設定することが好ましい。例えば、ガイド本体23の底部1の幅方向中心部における半円周がL、リブ部6の先端部における半円周がL、切り欠き数xの場合は、下記数式(1)により求められる値とすることができる。
Figure 2013032817
このように、リブ部6に、曲げ半径に応じた切り欠き6aを設けることにより、所望の曲げ半径に屈曲することができる。
本実施形態のケーブルガイド20においても、側壁2の先端から底部1に向かって、複数の切り込み5が一定間隔で形成されている。そして、側壁2の切り込み5と、リブ部6の切り欠き6aとは、底部1の長手方向、即ち、ケーブルガイド20の長手方向において、整合する位置に設けられていることが望ましい。これにより、屈曲部において側壁2にかかるストレスを小さくすることができる。
なお、本実施形態のケーブルガイド20では、底部1の裏面とリブ部6の内面との境界部分を、曲面又はC面で構成し、その曲率半径R又はC面寸法を3〜10mmとすることもできる。これにより、底面の両端部の厚さが厚くなるため、側壁2に切り込み5を形成したり、リブ部6に切り欠き6aを形成したりした場合でも、長期間繰り返し屈曲させても破損が生じない優れた耐久性を得ることができる。
以上詳述したように、本実施形態のケーブルガイド20では、底部1の裏面側に、切り欠き6aを備えたリブ部6を設け、更に、側壁2に切り込み4を形成しているため、曲げ半径が小さい場合でも、側壁2を構成する熱可塑性エラストマーに過度のストレスを与えずに容易に曲げることができる。なお、本実施形態のケーブルガイド20における上記以外の構成及び効果は、前述した第1の実施形態と同様である。
1 底部
2、12 側壁
2a 傾斜部
3、13、23 ガイド本体
4 ケーブル
5 切り込み
6 リブ部
6a 切り欠き
10、20 ケーブルガイド
12a 屈曲部
14 ケーブル束

Claims (10)

  1. 熱可塑性樹脂からなり、一方向に延びる底部と、該底部の幅方向両端縁に沿って設けられ、少なくとも先端部分が内側方向に90°未満の角度で傾斜した側壁とが、押出成形により、一体でかつ長さ方向に連続して形成されたガイド本体を有し、
    該ガイド本体は、
    対向する側壁の先端が一定間隔で離隔し、
    各側壁には先端から前記底部に向かって延びる複数の切り込みが形成されており、
    かつ、底部が熱可塑性エラストマーにより形成されると共に、側壁の一部又は全部が熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性樹脂で形成されているケーブルガイド。
  2. 前記側壁は、先端部分のみが内側方向に傾斜しており、該傾斜部分は熱可塑性エラストマーで形成され、その他の部分が熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のケーブルガイド。
  3. 前記底部は、バネ鋼若しくは繊維強化プラスチックからなる線材又は板材を内包しており、前記線材又は板材は、接着性樹脂を介して、前記底部と一体化されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のケーブルガイド。
  4. 前記ガイド本体における前記底部と前記側壁の内面との境界部分は曲面又はC面で構成されており、その曲率半径R又はC面寸法が3〜10mmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のケーブルガイド。
  5. 前記底部の裏面には熱可塑性樹脂からなるリブ部が一体で形成されており、該リブ部には複数の切り欠きが設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のケーブルガイド。
  6. 前記リブ部が熱可塑性エラストマーで形成されていることを特徴とする請求項5に記載のケーブルガイド。
  7. 前記底部の裏面と前記リブ部の内面との境界部分は曲面又はC面で構成されており、その曲率半径R又はC面寸法が3〜10mmであることを特徴とする請求項5又は6に記載のケーブルガイド。
  8. 前記底部及び側壁は、黒鉛粉末を0.5〜5質量%含有する熱可塑性樹脂組成物により形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のケーブルガイド。
  9. 複数本のケーブルが一体化されたケーブル束が収納されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のケーブルガイド。
  10. 屈曲動作時に、前記底部の裏面が内側に、前記ガイド本体の開口部が外側になるように配置されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のケーブルガイド。
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