JP2014200158A - ケーブルガイド - Google Patents

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真 松原
Makoto Matsubara
真 松原
貴之 若原
Takayuki Wakahara
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Abstract

【課題】耐久性が優れ、かつ屈曲性も優れたケーブルガイドを提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂からなり、一方向に延びる底部1と、底部1の幅方向両端縁上に設けられ、少なくとも先端部分2aが内側方向に傾斜又は屈曲した側壁2とが、押出成形により、一体でかつ長さ方向に連続して形成されたケーブル収容部3を有するケーブルガイドの側壁2に、先端から底部に向かって延びる複数の切り込み5を設けると共に、底部1の長手方向において各切り込み5と整合する位置に、幅方向に延びるスリット状貫通孔11を設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、ケーブルを収容するケーブルガイドに関する。より詳しくは、ケーブルが接続されている装置の動作に追従して移動し、収容しているケーブルを案内するケーブルガイドに関する。
ロボットアーム、工作機械、ゲーム機のクレーン及び監視カメラなどでは、装置の動作に追従してケーブル(配線)も移動するが、その際、ケーブルの絡まりや、他の部材との接触による損傷・断線を防止するため、ケーブルガイドが利用されている。このようにケーブルの保護及び案内を行うケーブルガイドは、従来、金属材料で形成されており、追従性能を確保するために、継ぎ手やピン材などを使用して、複数のユニット(リンクプレート)を連結した構成となっている。
また、近年、組み立てなどの作業負担の低減、或いは摺動部のこすれによる発塵や騒音の発生抑制などを目的として、合成樹脂により一体成形されたケーブルガイドも提案されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。そして、特許文献1〜3に記載のケーブルガイドでは、屈曲移動を可能とするために、蓋部や側壁に切り込みが形成されている。また、特許文献4に記載のケーブルガイドでは、側壁が間隔を空けて配置されている。
特開2008−025775号公報 特開2012−023877号公報 特開2013−032817号公報 特開2013−055737号公報
一方、ダイボンダなどの半導体製造装置やチップマウンターなどの半導体実装装置では、動作部の更なる高速化が求められており、これらに用いられるケーブルガイドには、高速での繰り返し移動に耐えうる耐久性と、ケーブルの高速移動に追従可能な屈曲性が要求される。しかしながら、特許文献1〜4に記載されているような樹脂により一体成形されたケーブルガイドは、耐摩耗性は優れているが、曲げモーメントが大きいため、最小曲げ半径も大きくなり、複数ユニットで構成されているものに比べて、高速移動時の追従性が劣るという問題点がある。
そこで、本発明は、耐久性が優れ、かつ屈曲性も優れたケーブルガイドを提供することを主目的とする。
本発明に係るケーブルガイドは、熱可塑性樹脂からなり、一方向に延びる底部と、該底部の幅方向両端縁上に設けられ、少なくとも先端部分が内側方向に傾斜又は屈曲した側壁とが、押出成形により、一体でかつ長さ方向に連続して形成されたケーブル収容部を有し、前記側壁には先端から前記底部に向かって延びる複数の切り込みが設けられており、少なくとも前記底部には、長手方向において各切り込みと整合する位置に、幅方向に延びるスリット状貫通孔が設けられているものである。
本発明のケーブルガイドの側壁には、前記切り込みの前記底部側端部に、平面視で略円形状又は略楕円形状の貫通孔が設けられていてもよい。
また、本発明のケーブルガイドは、前記側壁の底部側の部分が熱可塑性エラストマーで形成され、その他の部分が熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性樹脂で形成されていてもよい。
一方、前記底部の裏面に熱可塑性樹脂からなるリブ部を一体で形成し、該リブ部の前記切り込み及び前記スリット状貫通孔と整合する位置に、略V字状の切り欠きを設けることもできる。
その場合、前記切り欠きの先端から前記側壁の貫通孔又は切り込みの底部側端部までの距離は、例えば0.5〜3mmとすることができる。
また、前記底部のスリット状貫通孔の幅は、例えば0.1〜3mmとすることができる。
本発明によれば、熱可塑性樹脂により一体成形しているため優れた耐久性が得られ、更に、底部に幅方向に延びるスリット状貫通孔を設けているため、従来品よりも最小曲げ半径を小さくして、屈曲性を向上させることができる。
(A)及び(B)は本発明の第1の実施形態に係るケーブルガイドの構成を示す図であり、(A)は斜視図であり、(B)は断面図である。 図1に示すケーブルガイド10の使用時の状態を示す側面図である。 図1に示すケーブルガイド10の底部1を示す底面図である。 最小曲げ半径を示す模式図である。 ケーブルガイド10の製造工程を示すフローチャート図である。 成形工程で用いられる装置の構成例を模式的に示す図である。 (A)は共押出成形に用いるダイスヘッド31の内部構造を模式的に示す断面図であり、(B)〜(D)は各ノズルの形状を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態に係るケーブルガイドの構成を示す断面図である。 図8に示すケーブルガイド20の使用時の状態を示す側面図である。 本発明の第3の実施形態に係るケーブルガイドの構成を示す側面図である。 本発明の第3の実施形態の変形例に係るケーブルガイドの構成を示す側面図である。 剛軟度の測定方法を示す模式図である。 設置スペースの測定方法を示す模式図である。 繰り返し屈曲試験の方法を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付の図面を参照して、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態に係るケーブルガイドについて説明する。図1は本実施形態のケーブルガイドの構成を示す断面図である。また、図2はその使用時の状態を示す側面図であり、図3は底部1の構成を示す底面図である。更に、図4は最小曲げ半径を示す模式図である。
[全体構成]
図1及び図2に示すように、本実施形態のケーブルガイド10は、熱可塑性樹脂からなり、一方向に延びる底部と、底部1の幅方向両端縁上に設けられた側壁2とが、押出成形により、一体でかつ長さ方向に連続して形成されている。このケーブルガイド10では、底部1及び側壁2により囲まれる空間がケーブル収容部3となり、ケーブルは、ケーブル収容部3内に一段又は多段で収容される。
また、本実施形態のケーブルガイド10の側壁2には、その先端から底部1に向かって延びる複数の切り込み5が設けられている。更に、図3に示すように、ケーブルガイド10の少なくとも底部1には、幅方向に延びるスリット状貫通孔11が、複数設けられている。この切り込み5とスリット状貫通孔11とは、長手方向において整合する位置に形成されている。
[底部1]
本実施形態のケーブルガイド10では、底部1にスリット状貫通孔11を設けることにより、長さ方向の曲げに対する断面二次モーメントを小さくし、屈曲時の反発力を小さくしている。これにより、最小曲げ半径を小さくして、ケーブルガイド10の屈曲性を向上させることができる。即ち、ケーブルガイド10が、曲がりやすく、かつ曲げ戻ししやすくなる。ここでいう「最小曲げ半径」は、ケーブルガイド10を折り曲げたときに、自重のみによって曲がる最小の半径をいう。
スリット状貫通孔11は、屈曲性向上の観点から、一方の側壁2から他方の側壁2まで、ケーブル収容部3の底面の幅全長に亘って形成されていることが好ましい。また、図1(A)に示すように、スリット状貫通孔11は、側壁2の一部に達していてもよい。
一方、スリット状貫通孔11の幅wは、特に限定されるものではないが、屈曲性向上の観点から0.1mm以上であることが好ましい。一方、スリット状貫通孔11の幅wの上限値は、側壁2に設けられた切り込み5の間隔に応じて適宜設定することができる。通常、ケーブルの収容性及び保護性能を考慮すると、切り込み5の間隔は10mm以上とすることが好ましく、その場合、高速移動時の耐久性確保の観点から、スリット状貫通孔11の幅wは3mm以下とすることが好ましい。
スリット状貫通孔11の形状は、例えば、平面視で略矩形状や略楕円形状とすることができるが、これらに限定されるものではなく、形成方法や加工治具などに応じて、種々の形状を採用することができる。
また、スリット状貫通孔11は、ケーブルガイド10の外側から内側(ケーブル収容部3側)に向かって幅w及び/又は長さが小さくなるテーパ形状となっていてもよい。この場合、スリット状貫通孔11の長さl及び幅wは、ケーブル収容部3側、即ち、最も小さい部分が前述した好適な範囲となっていることが好ましい。このように、スリット状貫通孔11をテーパ形状とすると、屈曲角度を規制するストッパーとして機能するため、屈曲半径が最小になる曲げが生じたときに、スリット状貫通孔11のテーパ面同士が面接触するため、屈曲に伴い接触する部分に摩耗損傷が生じにくくなる。このようなテーパ形状のスリット状貫通孔11は、例えば断面がV字状の切削刃を用いて外側から切削加工することにより、形成することができる。
なお、スリット状貫通孔11は、テーパ形状に限定されるものではなく、側面が垂直な形状や厚さ方向の中央部で幅wや長さlが変化するような形状であってもよい。そして、スリット状貫通孔11がどのような形状であっても、本実施形態のケーブルガイド10は問題なく使用することができ、屈曲性向上の効果が得られる。
[側壁2]
側壁2は、少なくとも先端部分が内側方向に傾斜又は屈曲しており、この傾斜部2aにより、ケーブル収容部3内に収容されたケーブルの脱落が防止される。また、本実施形態のケーブルガイド10では、対向する側壁2の先端が一定間隔で離隔しており、ケーブル収容部3は上面が開口した構成となっている。これにより、この開口部分から、ケーブルを容易に出し入れすることができる。
更に、側壁2には、先端から底部1に向かって、その高さ方向に延びる複数の切り込み5が、間隔を空けて形成されている。この切り込み5の間隔pは、収容するケーブルの太さや数、用途によって適宜設定することができるが、ケーブルの収容性及び保護性能の観点から、ケーブルガイドの高さhの30%以上であることが好ましく、より好ましくは35%以上である。また、屈曲性の観点からは、切り込み5の間隔pは、高さhの60%以下であることが好ましく、より好ましくは55%以下である。側壁2に、このような切り込み5を設けることにより、曲げ半径が小さい場合でも、側壁2を構成する熱可塑性エラストマーに過度のストレスを与えずに容易に曲げることが可能となる。
[熱可塑性樹脂]
本実施形態のケーブルガイド10は、熱可塑性樹脂により、底部1及び側壁2が一体で形成されている。ケーブルガイド10を形成する熱可塑性樹脂としては、耐屈曲性に優れていることから、熱可塑性エラストマーが好適である。
具体的には、底部1及び側壁2は、例えば熱可塑性ポリエステル系エラストマー(Thermoplastic-Polyester-Elastomer:TPEE)、熱可塑性ポリアミド系エラストマー(Thermoplastic-Polyamide-Elastomer:TPAE)、熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(Thermoplastic-Polyurethane-Elastomer:TPU)、熱可塑性ポリスチレン系エラストマー(Thermoplastic-Polystyrene-Elastomer:TPS)、熱可塑性ポリ塩化ビニル系エラストマー(Thermoplastic-Poly(vinyl chloride)-Elastomer:TPVC)、熱可塑性オレフィン系エラストマー(Thermoplastic-Polyolefin-Elastomer:TPO)などの各種熱可塑性エラストマーで形成することができる。
これらの熱可塑性エラストマーの中でも、熱溶融加工性の観点から、熱可塑性ポリエステル系エラストマー(TPEE)、熱可塑性ポリアミド系エラストマー(TPAE)及び熱可塑性オレフィン系エラストマー(TPO)が好適である。また、曲げ変形応力の低減及び曲げ強さの観点から、曲げ弾性率が20〜600MPaである熱可塑性エラストマー樹脂を使用することが好ましい。曲げ弾性率がこの範囲の樹脂を使用することで、最小曲げ半径が小さく、かつ繰り返し屈曲動作に対する耐久性が高いケーブルガイドを実現することができる。
また、本実施形態のケーブルガイド10は、底部1及び側壁2の全体を前述した熱可塑性エラストマーで形成してもよいが、少なくとも側壁2における底部1側の屈曲する部分(屈曲部2b)を熱可塑性エラストマー樹脂で形成し、その他の部分は熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性樹脂で形成することもできる。これにより、屈曲性及び耐久性を低下させずに、製造コストを低減することができる。なお、耐久性及び屈曲性の観点からは、側壁2の屈曲部2b以外にも、例えば底部1などのように使用中に屈曲する可能性がある部分は、熱可塑性エラストマー樹脂で形成することが好ましい。
熱可塑性エラストマーとその他の熱可塑性樹脂を併用する場合は、これらの接着性の観点から、共押出成形を行い、溶融状態で一体成形する必要がある。そこで、成形性の観点から、熱可塑性エラストマーと併用される熱可塑性樹脂は、熱可塑性エラストマー樹脂よりも軟化点又は融点が高いものを使用することが望ましい。具体的には、熱可塑性樹脂には、ポリオレフィン(PO)系樹脂、ポリスチレン(PS)系樹脂、ポリウレタン(PU)系樹脂、ポリカーボネート(PC)系樹脂、ポリエステル(PES)系樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)系樹脂、ポリアミド(PA)系樹脂及びポリイミド(PI)系樹脂の他、各種エンジニアリングプラスチックなどの汎用熱可塑性樹脂を使用することができる。
これらの熱可塑性樹脂の中でも、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネート(PC)樹脂、及びポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)などのポリオレフィン(PO)樹脂を使用することが好ましい。一方、熱可塑性エラストマー樹脂との接着性の観点からは、化学的な極性基を有するABS樹脂などが好適である。また、材料コストの観点からは、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)が好適である。更に、透明性に優れるポリカーボネート(PC)樹脂を使用すると、ケーブル収容部3内を目視で確認することが可能となる。
熱可塑性エラストマーとその他の熱可塑性樹脂を併用する場合は、MFR(melt flow rate)が大きく相違しない樹脂を選択して使用することが望ましく、MFRが同等の樹脂を組み合わせて使用することがより望ましい。これにより、溶融時の流動性を均一にすることができるため、複数の樹脂を用いて共押出成形しても、目的とする形状の成形体(ケーブルガイド10)を、安定してかつ精度よく成形することが可能となる。
また、熱可塑性エラストマーとその他の熱可塑性樹脂を併用する場合は、その一方又は両方を、顔料などで着色された樹脂(カラーマスターバッチ)などを適量配合することにより着色することもできる。このように、ケーブルガイド10の一部を異なる色の樹脂で成形すると、ケーブルの種類毎にケーブルガイド10の色を変えることで、収容されているケーブルの識別することが可能となる。また、使用時には、ケーブルが稼働状態にあることを、作業者に知らせるなどの注意喚起効果も期待できる。
[製造方法]
図5はケーブルガイド10の製造工程を示すフローチャート図である。図5に示すように、本実施形態のケーブルガイド10を製造する際は、例えば、押出成形により長尺成形体を形成する成形工程(ステップS1)と、長尺成形体に対して、切開、切削及び切断などの加工を施す加工工程(ステップS2)とを行う。
[ステップS1:成形工程]
図6は成形工程で用いられる装置の構成例を模式的に示す図である。また、図7(A)は共押出成形に用いるダイスヘッド31の内部構造を模式的に示す断面図であり、図7(B)〜(D)は各ノズルの孔形状を示す模式図である。ステップS1の成形工程では、熱可塑性エラストマーを単独で押出成形するか、又は、熱可塑性エラストマーとその他の熱可塑性樹脂とを共押出成形して、長尺成形体9を得る。その際用いる装置は、特に限定されるものではないが、例えば図6に示すように、ダイスヘッド31の後に、水冷式サイジング装置33、水切り用ブロワー34、引き取り機35を、この順に配置した構成とすることができる。
図6に示す装置を用いて長尺成形体9を製造する場合は、先ず、熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性樹脂を、所定温度に調節した押出機で溶融し、ダイスヘッド31に導入し、底部1及び側壁2を一体で吐出成形する。その際、熱可塑性エラストマー単独で成形する場合は、例えば、押出温度を210〜230℃、ダイス温度を230℃程度に設定し、溶融成形することができる。
一方、熱可塑性エラストマーとその他の熱可塑性樹脂とを共押出しする場合は、熱可塑性エラストマーと、その他の熱可塑性樹脂とを、それぞれ個別に押出機から溶融押出し、例えば図7(A)〜(D)に示すような3種類の孔形状又は導管形状を有するノズル311,312,313を備えるダイスヘッド31に導入し、一体で吐出成形すればよい。その際、その他の熱可塑性樹脂としてポリカーボネート(PC)樹脂とを併用する場合は、例えば、押出温度を280〜310℃、ダイス温度を310℃程度に設定し、溶融成形することができる。
また、その他の熱可塑性樹脂として、ABS樹脂を使用する場合は、例えば、押出温度を220〜240℃、ダイス温度を240℃程度に設定し、溶融成形することができる。更に、その他の熱可塑性樹脂として、ポリプロピレン(PP)樹脂を使用する場合は、例えば、押出温度を220〜240℃、ダイス温度を240℃程度に設定し、溶融成形することができる。なお、前述した熱可塑性エラストマーとその他の熱可塑性樹脂を併用する場合において、エラストマー樹脂の押出温度は、単一樹脂で成形する場合と同じにすることができる。
熱可塑性エラストマーとその他の熱可塑性樹脂を併用する場合は、前述した理由から、少なくとも、側壁2の屈曲部2bに相当する部分は、熱可塑性エラストマーで形成することが好ましい。また、例えば底部1及び側壁2を、熱可塑性エラストマーなど単一の樹脂で形成する場合は、1台の押出機と単層押出ダイスヘッドを用いて成形することができるが、図7Aに示すダイスヘッド31のような複合ダイスヘッドを使用する必要はなく、またノズルの孔形状はノズル311に示す孔形状を有するノズルのみを用いて成形することもできる。
次に、ダイスヘッド31から押し出された中間体8を、冷却水槽32に配置された水冷式サイジング装置33に導入し、冷却しつつ目的の形状に成形する。その後、樹脂の固化点以下の温度に十分に冷却できる長さを備えた冷却水槽33中を通過させて、概ね室温程度になるまで冷却し、形状を固定化する。
その後、冷却水槽32を通過した長尺成形体9に、水切り用ブロワー34で発生させた風を吹き付け、付着している水滴を飛散させる。この長尺成形体9は、例えばベルト式引き取り機35にて一定速度で引き取られ、必要に応じてカット装置(図示せず)を用いて、任意の長さに切断される。
[ステップS2:加工工程]
ステップS2の加工工程では、切開刃や切削刃を用いて、ステップS1の成形工程で製造した長尺成形体9を加工し、両側壁2に切り込み5を形成すると共に、少なくとも底部1の切り込み5と整合する位置に、スリット状貫通孔11を形成する。その際、切り込み5は、例えばカッター刃のような平板状の平刃により、押し切り又は引き切りすることで形成することができる。
また、スリット状貫通孔11は、例えば断面先端角が30〜60°程度のV字状の刃先を装着した多数の切削刃からなる丸刃を用いて、これを回転させながら底部1の幅方向に移動させて、外側から一方の側壁2から他方の側壁2まで切削加工することにより形成することができる。そして、この操作を、所定の間隔で繰り返し行い、所定間隔で切り込み5及びスリット状貫通孔11を形成する。
なお、前述した切り込み5及びスリット状貫通孔11の加工は、順次行ってもよいが、上下方向から同時に行うこともできる。更に、加工工程では、切り込み5及びスリット状貫通孔11を形成した長尺成形体を、所定の長さに切断加工し、ケーブルガイド10を得る。このように、押出成形により製造する方法は、長尺のケーブルガイドを連続して成形することができるため、従来品に比べて、製造コストを低減することができる。
[使用形態]
本実施形態のケーブルガイド10は、通常、底部1の外側の面同士を対向させ、ケーブル収容部3の開口部が外を向くようにして配置される。そして、ケーブルが接続されている装置の動作に追従して、その長手方向(移動方向7)に直線移動又は屈曲移動し、内部に収容されているケーブルを案内する。
以上、詳述したように、本実施形態のケーブルガイド10は、少なくとも底部1の長手方向において各切り込み5と整合する位置に、幅方向に延びるスリット状貫通孔11を設けているため、底部1の断面二次モーメントを小さくすることができる。また、このスリット状貫通孔11と共に、両側壁2には切り込み5が設けられているため、従来品よりも最小曲げ半径Rを小さくし、屈曲性を向上させることが可能となる。これにより、設置スペースを小さくすることも可能である。
本実施形態のケーブルガイド10においてスリット状貫通孔11は、耐屈曲性が低下しない程度の間隔を空け、繰り返し屈曲動作に対して、優れた耐久性が得られる。特に、少なくとも側壁2の屈曲部2bを、熱可塑性エラストマーで形成することにより、耐屈曲性を高めることができる。
また、本実施形態のケーブルガイド10は、対向する側壁2の先端が一定間隔で離隔し、上面が開口しているため、筒状や蓋が設けられている従来品に比べて、ケーブルの出し入れが容易である。このケーブルガイド10は、側壁2の上部が内側に傾斜しているため、上面が開口していても、ケーブルが脱落することはない。更に、本実施形態のケーブルガイド10は、押出成形及び切削などの加工により容易に製造することが可能であるため、低コストで製造することが可能である。
なお、本発明のケーブルガイドは、図1〜3に示す構成に限定されるものではなく、両側壁間にケーブル収容部3を区画する区画壁が設けられていてもよい。この場合、屈曲性向上の観点から、区画壁にも切り込みを形成することが望ましい。また、側壁の先端部がケーブル収容部3を覆うように屈曲し、蓋として機能するような構成、即ち、ケーブル収容部3の上面が外部に向けて直に開口しない構成にすることもできる。これらの場合でも、側壁及び区画壁に切り込みを形成すると共に、底部にスリット状貫通孔を形成することにより、耐久性が優れ、かつ屈曲性も優れたケーブルガイドを実現することができる。
(第2の実施形態)
次に、本実施形態の第2の実施形態に係るケーブルガイドについて説明する。図8は本実施形態のケーブルガイドの構成を示す断面図である。また、図9はその使用時の状態を示す側面図である。なお、図8及び図9においては、図1及び図2に示すケーブルガイド10の構成要素と同じものには同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
[全体構成]
図8及び図9に示すように、本実施形態のケーブルガイド20は、底部1の外側の面に、ケーブルガイドの横ぶれや直線部のたるみを防止するリブ部6が、熱可塑性樹脂により、底部1及び側壁2と一体で形成されている。また、ケーブルガイド20のリブ6には、切り込み5及びスリット状貫通孔11と整合する位置に、略V字状の切り欠き6aが設けられている。
[リブ部6]
リブ部6の切り欠き6aの形状は、略V字状の他、矩形、半円形、矩形と円形とを組み合わせた鍵穴形状、など種々の形状を適用することができるが、ケーブルガイド20の最小曲げ半径や屈曲角度を規制するストッパー効果を考慮すると、略V字状であることが好ましい。
なお、切り欠き6aの底部1側先端は、鋭利に切り込まれている必要はなく、先端が丸みを帯びていてもよく、先端が平坦になっていてもよい。即ち、ここでいう略V字状には、平面視で、三角形状のものの他に、先端にRが設けられている形状、台形状となっているものも含まれる。このように、切り欠き6aの形状を略V字状とすると、隣り合うリブ部6の長辺同士が辺で接触することとなり、更にリブ6の厚さも勘案すると面で接触することとなるため、屈曲角度を規制するストッパーとして好適である。
ここで、ストッパー効果とは、ケーブルを収容した状態で最小曲げ半径を超えて更に大きな曲げが生じる場合に、屈曲角度を規制することによって、ケーブルに電力損失が生じたり、屈曲疲労によりケーブルが断線する現象が生じることを防止する効果であり、隣り合うリブ部6同士の接触や衝突により、その応力を緩和する効果でもある。また、切り欠き6aが略V字状である場合は、リブ部6が辺(面)で接触することとなるため、屈曲が繰り返されてもリブ部6における接触部の磨耗損失が最小限に抑制される効果もある。
特に、切り欠き6aは、スリット状貫通孔11の加工性の観点から、先端が半径2.5mm以下のR形状を有する略V字状又は長さ3mm以下の辺形状を有する略V字状であることが好ましく、より好ましくは、先端が半径1.5mm以下のR形状を有する略V字状又は長さ1.5mm以下の辺形状を有する略V字状である。なお、リブ部6を形成する熱可塑性樹脂は、特に限定されるものではないが、耐屈曲性の観点から、熱可塑性エラストマーが好適である。
なお、切り欠き6aの先端がR形状又は辺形状を有する場合は、ケーブルガイド20が屈曲したときに、切り欠き6aの先端部への応力集中を回避し、切り欠き6a先端部がリブ6の厚さ方向に幾分膨らむ現象を、先端部の周辺に分散する効果がある。これにより、繰り返し屈曲に伴う先端部の膨張とその復元により生じるクラックなどの発生を防止することができる。
また、切り欠き6aの開口角度θは、特に限定されるものではないが、屈曲性と耐久性の観点から、30°〜60°とすることが好ましく、より好ましくは40°〜50°である。開口角度θをこの範囲にすることにより、耐久性を低下させずに、ケーブルガイド20の最小半径を小さくすることができる。
[製造方法]
本実施形態のケーブルガイド20は、前述した第1の実施形態と同様に、押出成形により形成した長尺成形体に、切開、切削及び切断などの加工を施すことにより製造することができる。具体的には、先ず、熱可塑性樹脂を押出成形し、図8に示す断面形状の長尺成形体を形成する。その後、カッター刃により側壁2を切開して切り込み5を形成する。また、多数の切削刃を備える丸刃を用いた切削加工により、底部1にスリット状貫通孔11を形成すると共に、リブ部6に切り欠き6aを形成する。
以上詳述したように、本実施形態のケーブルガイド20では、切り欠き6aを備えるリブ部6を設けているため、横ぶれや直線部のたるみを防止することができると共に、ストッパー効果により屈曲半径を規制することも可能となる。なお、本実施形態のケーブルガイド20における上記以外の構成及び効果は、前述した第1の実施形態と同様である。
また、図8に示すケーブルガイド20では、底部1の両縁部に沿ってリブ部6を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、底部1の幅方向中心部や、底部1の縁部よりも幅方向中心部よりにリブ部6を形成してもよい。そして、底部1の縁部に加えてこれらの場所にもリブ部6を設けることにより、ケーブルガイドの横ぶれを防止することができる。
(第3の実施形態)
次に、本実施形態の第3の実施形態に係るケーブルガイドについて説明する。図10は本実施形態のケーブルガイドの構成を示す側面図である。なお、図10においては、図8及び図9に示すケーブルガイド20の構成要素と同じものには同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
[全体構成]
図10に示すように、本実施形態のケーブルガイド30は、側壁2に設けられた切り込み5の底部1側端部に、平面視で略円形状又は略楕円形状の貫通孔4を設けたものである。なお、本実施形態のケーブルガイド30における貫通孔4以外の構成は、前述した第2の実施形態と同様である。
[貫通孔4]
貫通孔4は、繰り返し屈曲動作に対する耐久性を向上させる効果がある。この貫通孔4とリブ部6に設けられた切り欠き6aの先端との距離は、耐久性及び屈曲性向上の観点から、0.5〜3mmとすることが好ましく、より好ましくは1〜2mmである。この範囲にすることにより、稼働耐久性を低下させることなく、曲げに対するしなやかさ及び高速移動時の変形追従性を高めることができる。
[製造方法]
本実施形態のケーブルガイド30は、前述した第1の実施形態及び第2の実施形態のケーブルガイドと同様に、押出成形により形成した長尺成形体に、切開、切削及び切断などの加工を施すことにより製造することができる。具体的には、先ず、熱可塑性樹脂を押出成形し、図8に示す断面形状の長尺成形体を形成する。
次に、所定の外径のドリルを用いて、長尺成形体の両側壁2を切削し、略円形状又は略楕円形状の貫通孔4を形成する。その後、カッター刃などの平板状の平刃により側壁2を貫通孔4まで切開して切り込み5を形成する。また、多数の切削刃を備える丸刃を用いた切削加工により、底部1にスリット状貫通孔11を形成すると共に、リブ部6に切り欠き6aを形成する。このとき、切り欠き6aの先端と貫通孔4との距離が、前述した範囲になるように、丸刃の切削深さを調整することが好ましい。
なお、両側壁2間にケーブル収容部3を区画する区画壁が設けられている場合は、区画壁にも貫通孔4が形成されるように、ドリル挿入長さを調整することが好ましい。これにより、区画壁の耐久性及び耐屈曲性を向上させることもできる。
以上詳述したように、本実施形態のケーブルガイド30では、側壁2に、平面視で略円形状又は略楕円形状の貫通孔4を設けているため、屈曲時の切り込み先端部のストレスによるクラック発生と、その進行に対する防止効果がある。なお、本実施形態のケーブルガイド30における上記以外の効果は、前述した第2の実施形態と同様である。
なお、本実施形態においては、第2の実施形態のケーブルガイドの側壁に貫通孔を設けた場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1の実施形態のケーブルガイドにも適用することができる。図11は本実施形態の変形例に係るケーブルガイドの構成を示す側面図である。図11に示すように、リブ部が設けられていないケーブルガイドにおいても、側壁2に貫通孔4を設けることにより、耐久性及び屈曲性を更に向上させる効果が得られる。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて、本発明の効果について具体的に説明する。本実施例においては、以下に示す方法及び条件で、ケーブルガイドを製造し、以下に示す方法で耐久性及び屈曲性を評価した。図12〜14は各評価方法を示す模式図である。
[剛軟度]
実施例及び比較例の各ケーブルガイドを、JIS L1096に規定されるカンチレバー法に準じて、剛軟度(こわさ)を測定した。具体的には、図12に示すように、一端が45°の傾斜を持つ水平台の上にケーブルガイド40を置き、傾斜の方向に滑らせて、ケーブルガイド40の一端が傾斜面に接したときの上部水平面の端から、ケーブルガイド10を直線状にしたときの距離d(mm)を読み取った。
[断面二次モーメント]
長手方向につながっている部分の断面形状と寸法から断面二次モーメント(mm)を算出した。その際、実施例1〜7のケーブルガイドは角形として算出し、両側壁部のそれを和算した。比較例1は凹形状として算出した。コーナーR部は算出に加味しないものとした。
[曲げ半径]
実施例及び比較例のケーブルガイドを屈曲させ、図4に示すaとbが同じ値になったときに、その高さの半分を測定し、これを最小曲げ半径R(mm)とした。なお、a、bを測定する位置は、a−b間に十分な距離をおいた位置であって、屈曲部を除く屈曲部近傍である。
[設置スペース]
設置スペースは、ケーブルガイド40を設置したときに必要なスペース(高さ)であり、図13に示すように、ケーブルガイドの高さ×2+曲げ半径×2を、設置スペース高さs(mm)とした。
[耐久性]
耐久性は、図14に示す繰り返し屈曲試験により評価した。その際、最大加速度を1.7G、最大速度を2100mm/s、ストローク長を500mm、1分間の往復回数を80回/分とし、収容ケーブルなしの状態で試験した。
<実施例1>
曲げ弾性率が94MPaのポリエステル系熱可塑性エラストマー樹脂(MRF:1.5/220℃・21.18N)を使用して、高さ28mm、幅31mm、底部厚さ3mmで、図8に示す断面樋形状の長尺成形体を作製した。次に、この長尺成形体の両側壁に、直径3mmのドリルで、下端から14.5mmの位置を中心として切削し、円形状の貫通孔4を形成した。また、カッター刃による押し切りによって、両側壁の上部に、貫通孔4に到達する切り込み5を形成した。
引き続き、断面先端角45°のV字状刃先を装着した多数の切削刃からなる丸刃を用いて、これを回転させながら幅方向に移動させて、リブ部6及び底部1を切削加工し、長尺成形体の底部に幅2mmのスリット状貫通孔11を形成すると共に、リブ部6にV字状の切り欠き6aを形成した。その際、切り欠き6aは、側壁2の貫通孔4の下端から切り欠き6aの先端との距離が1mmになるように、丸刃の切削深さを調整した。この両側壁2の貫通孔4の加工と、切り込み5、スリット状貫通孔11及び切り欠き6aの加工は、長尺成形体の長さ方向において、同一位置に行い、以降、この操作を10mm間隔で繰り返し行うことにより、実施例1のケーブルガイドを作製した。
この実施例1のケーブルガイドは、切り込み5の深さが上端から12mm、側壁の貫通孔4の直径が3mm、切り欠き6aの切り欠き角度θが45°、側壁2の貫通孔4の下端と切り欠き6aの先端との距離が1mm、スリット状貫通孔11の幅wが1.7mmであった。
そして、実施例1のケーブルガイドについて、各種評価を行った結果、曲げ断面二次モーメントは、2mmであった。また、剛軟度は100mmと、小さい値であった。その結果、抵抗なく、しなやかに屈曲し、最小曲げ半径Rは12mm、設置スペースは80mmと、いずれも小さい値であった。また、屈曲耐性試験の結果、3000万回の繰り返し屈曲試験においても、屈曲部及びその他の部分においても、ひびわれは発生せず、白化失明も認められず良好な耐久性を示した。
<実施例2>
実施例1と同様の方法で長尺成形体を作製し、この長尺成形体の両側壁に、直径3mmのドリルで、下端から13.6mmの位置を切削し、円形状の貫通孔4を形成した。また、カッター刃による押し切りによって、両側壁の上部に、貫通孔4に到達する切り込み5を形成した。その際、側壁2の貫通孔4の下端から切り欠き6aの先端との距離が2mmになるように、丸刃の切削深さを調整した。そして、これらの条件以外は、実施例1と同様にして、実施例2のケーブルガイドを作製した。
この実施例2のケーブルガイドは、切り込み5の深さが上端から12.9mm、側壁の貫通孔4の直径が3mm、切り欠き6aの切り欠き角度θが45°、側壁2の貫通孔4の下端と切り欠き6aの先端との距離が2mm、スリット状貫通孔11の幅wが0.1mmであった。
そして、実施例2のケーブルガイドについて、各種評価を行った結果、曲げ断面二次モーメントは、16mmであった。また、剛軟度は160mmと、小さい値であった。その結果、抵抗なく、しなやかに屈曲し、最小曲げ半径Rは25mm、設置スペースは106mmと、実施例1よりも僅かに大きいが、いずれも小さい値であった。また、屈曲耐性試験の結果、3000万回の繰り返し屈曲試験においても、屈曲部及びその他の部分においても、ひびわれは発生せず、白化失明も認められず良好な耐久性を示した。
<実施例3>
曲げ弾性率が201MPaのポリエステル系熱可塑性エラストマー樹脂(MRF:1.8/230℃・21.18N)を使用した以外は、実施例1と同様の方法及び条件で、長尺成形体を作製した。次に、実施例1と同様の条件で、貫通孔4、切り込み5、スリット状貫通孔11及び切り欠き6aを形成する加工を行い、実施例3のケーブルガイドを作製した。
この実施例3のケーブルガイドは、切り込み5の深さが上端から12mm、側壁の貫通孔4の直径が3mm、切り欠き6aの切り欠き角度θが45°、側壁2の貫通孔4の下端と切り欠き6aの先端との距離が1mm、スリット状貫通孔11の幅wが1.7mmであった。
そして、実施例3のケーブルガイドについて、各種評価を行った結果、曲げ断面二次モーメントは、2mmであった。また、剛軟度は140mmと、小さい値であった。その結果、抵抗なく、しなやかに屈曲し、最小曲げ半径Rは25mm、設置スペースは106mmと、実施例1よりも僅かに大きいが、いずれも小さい値であった。また、屈曲耐性試験の結果、3000万回の繰り返し屈曲試験においても、屈曲部及びその他の部分においても、ひびわれは発生せず、白化失明も認められず良好な耐久性を示した。
<実施例4>
実施例3と同様の方法及び条件で、長尺成形体を作製した。次に、実施例2と同様の条件で、貫通孔4、切り込み5、スリット状貫通孔11及び切り欠き6aを形成する加工を行い、実施例4のケーブルガイドを作製した。
この実施例4のケーブルガイドは、切り込み5の深さが上端から12.9mm、側壁の貫通孔4の直径が3mm、切り欠き6aの切り欠き角度θが45°、側壁2の貫通孔4の下端と切り欠き6aの先端との距離が2mm、スリット状貫通孔11の幅wが0.1mmであった。
そして、実施例4のケーブルガイドについて、各種評価を行った結果、曲げ断面二次モーメントは、16mmであった。また、剛軟度は200mmと、実施例1〜4よりも僅かに大きいが、抵抗なく、しなやかに屈曲し、最小曲げ半径Rは50mm、設置スペースは156mmと、実施例1〜3よりも僅かに大きいが、ケーブルガイドとしては良好な結果であった。また、屈曲耐性試験の結果、3000万回の繰り返し屈曲試験においても、屈曲部及びその他の部分においても、ひびわれは発生せず、白化失明も認められず良好な耐久性を示した。
<実施例5>
屈曲部には曲げ弾性率が94MPaのポリエステル系熱可塑性エラストマー樹脂(MRF:1.5/220℃・21.18N)を使用し、それ以外の部分は、ポリカーボネート樹脂(MRF:5.3/300℃・11.77N)を用いて、高さ28mm、幅31mm、底部厚さ3mmで、図8に示す断面樋形状の長尺成形体を作製した。次に、実施例1と同様の方法及び条件で、貫通孔4、切り込み5、スリット状貫通孔11及び切り欠き6aを形成する加工を行い、実施例5のケーブルガイドを作製した。
この実施例5のケーブルガイドは、切り込み5の深さが上端から12mm、側壁の貫通孔4の直径が3mm、切り欠き6aの切り欠き角度θが45°、側壁2の貫通孔4の下端と切り欠き6aの先端との距離が1mm、スリット状貫通孔11の幅wが1.7mmであった。
そして、実施例5のケーブルガイドについて、各種評価を行った結果、曲げ断面二次モーメントは、2mmであった。また、剛軟度は110mmと、小さい値であった。その結果、抵抗なく、しなやかに屈曲し、最小曲げ半径Rは15mm、設置スペースは86mmと、良好な結果であった。また、屈曲耐性試験の結果、3000万回の繰り返し屈曲試験においても、屈曲部及びその他の部分においても、ひびわれは発生せず、白化失明も認められず良好な耐久性を示した。
<実施例6>
非屈曲部を形成する熱可塑性樹脂に、ABS樹脂(MRF:5.0/220℃・98.07N)を使用した以外は、実施例5と同様の方法及び条件で、長尺成形体を作製した。次に、実施例1と同様の条件で、貫通孔4、切り込み5、スリット状貫通孔11及び切り欠き6aを形成する加工を行い、実施例6のケーブルガイドを作製した。
この実施例6のケーブルガイドは、切り込み5の深さが上端から12mm、側壁の貫通孔4の直径が3mm、切り欠き6aの切り欠き角度θが45°、側壁2の貫通孔4の下端と切り欠き6aの先端との距離が1mm、スリット状貫通孔11の幅wが1.7mmであった。
そして、実施例6のケーブルガイドについて、各種評価を行った結果、曲げ断面二次モーメントは、2mmであった。また、剛軟度は100mmと、小さい値であった。その結果、抵抗なく、しなやかに屈曲し、最小曲げ半径Rは12mm、設置スペースは80mmと、実施例1よりも僅かに大きいが、いずれも小さい値であった。また、屈曲耐性試験の結果、3000万回の繰り返し屈曲試験においても、屈曲部及びその他の部分においても、ひびわれは発生せず、白化失明も認められず良好な耐久性を示した。
<実施例7>
非屈曲部を形成する熱可塑性樹脂に、ポリプロピレン樹脂(MRF:2.5/230℃・21.18N)を使用した以外は、実施例5と同様の方法及び条件で、長尺成形体を作製した。次に、実施例1と同様の条件で、貫通孔4、切り込み5、スリット状貫通孔11及び切り欠き6aを形成する加工を行い、実施例6のケーブルガイドを作製した。
この実施例7のケーブルガイドは、切り込み5の深さが上端から12mm、側壁の貫通孔4の直径が3mm、切り欠き6aの切り欠き角度θが45°、側壁2の貫通孔4の下端と切り欠き6aの先端との距離が1mm、スリット状貫通孔11の幅wが1.7mmであった。
そして、実施例7のケーブルガイドについて、各種評価を行った結果、曲げ断面二次モーメントは、2mmであった。また、剛軟度は、110mmと小さい値であった。その結果、実施例7のケーブルガイドは、抵抗なく、しなやかに屈曲し、最小曲げ半径Rは14mm、設置スペースは84mmと、実施例1よりも僅かに大きいが、いずれも小さい値であった。また、屈曲耐性試験の結果、3000万回の繰り返し屈曲試験においても、屈曲部及びその他の部分においても、ひびわれは発生せず、白化失明も認められず良好な耐久性を示した。
<比較例1>
実施例1と同様の方法で長尺成形体を作製し、この長尺成形体の両側壁に、直径3mmのドリルで、下端から12.5mmの位置を中心として切削し、円形状の貫通孔4を形成した。また、カッター刃による押し切りによって、両側壁の上部に、貫通孔4に到達する切り込み5を形成した。その際、側壁2の貫通孔4の下端から切り欠き6aの先端との距離が4mmになるように、丸刃の切削深さを調整した。そして、これらの条件以外は、実施例1と同様にして、比較例1のケーブルガイドを作製した。
この比較例1のケーブルガイドは、切り込み5の深さが上端から14mm、側壁の貫通孔4の直径が3mm、切り欠き6aの切り欠き角度θが45°、側壁2の貫通孔4の下端と切り欠き6aの先端との距離が4mmであった。また、切り欠き6aは形成されたが、ケーブル収容部3まで刃先が達せず、スリット状貫通孔11は形成されなかった。
そして、比較例1のケーブルガイドについて、各種評価を行った結果、曲げ断面二次モーメントは、353mmであった。また、剛軟度は310mmと、非常に大きな値であった。その結果、実施例1〜7のケーブルガイドに比べて屈曲しにくく、最小曲げ半径Rは80mm、設置スペースは216mmと、曲がりにくいものであった。
また、屈曲耐性試験の結果、3000万回の繰り返し屈曲試験において、屈曲部及びその他の部分においてひび割れは認められなかったが、底部1に変形が見られ、底部1の幅方向中央部がケーブル収容部3の方向に緩やかに湾曲していた。その結果、側壁2が外側に向かって幾分開いた状態になっていた。これは、底部1のケーブル収容部3側の樹脂が繰り返しの引張緊張と緩和収縮により劣化が生じ始めた影響であると考えられる。
以上の結果を、下記表1にまとめて示す。
Figure 2014200158
上記表1に示すように、実施例1〜7のケーブルガイドは、比較例1のケーブルガイドに比べて、屈曲性が優れていることが確認された。この結果は、断面二次モーメントの算出値と傾向が一致している。また、実施例1〜7のケーブルガイドは、実使用に求められる3000万回以上の稼働耐久性も有しており、低発塵、低騒音の樹脂一体ケーブルガイドとして、優れた特徴を有していた。以上の結果から、本発明によれば、耐久性が優れ、かつ屈曲性も優れたケーブルガイドが得られることが確認された。
1 底部
2 側壁
2a 傾斜部
3、13 ケーブル収容部
4 貫通孔
5 切り込み
6 リブ部
6a 切り欠き
7 移動方向
8 中間体
9 長尺成形体
10、20、30、40 ケーブルガイド
11 スリット状貫通孔
31 ダイスヘッド
32 冷却水槽
33 水冷式サイジング装置
34 ブロアー
35 引き取り機
311、312、313 ノズル

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂からなり、一方向に延びる底部と、該底部の幅方向両端縁上に設けられ、少なくとも先端部分が内側方向に傾斜又は屈曲した側壁とが、押出成形により、一体でかつ長さ方向に連続して形成されたケーブル収容部を有し、
    前記側壁には先端から前記底部に向かって延びる複数の切り込みが設けられており、
    少なくとも前記底部には、長手方向において各切り込みと整合する位置に、幅方向に延びるスリット状貫通孔が設けられているケーブルガイド。
  2. 前記側壁には、前記切り込みの前記底部側端部に、平面視で略円形状又は略楕円形状の貫通孔が設けられている請求項1に記載のケーブルガイド。
  3. 前記側壁の底部側の部分は熱可塑性エラストマーで形成され、その他の部分が熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性樹脂で形成されている請求項1又は2に記載のケーブルガイド。
  4. 前記底部の裏面には熱可塑性樹脂からなるリブ部が一体で形成されており、
    該リブ部には、前記切り込み及び前記スリット状貫通孔と整合する位置に、略V字状の切り欠きが設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のケーブルガイド。
  5. 前記切り欠きの先端から、前記側壁の貫通孔又は切り込みの底部側端部までの距離が0.5〜3mmであることを特徴とする請求項4に記載のケーブルガイド。
  6. 前記底部のスリット状貫通孔の幅が0.1〜3mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のケーブルガイド。
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