WO2011092977A1 - 容器詰緑茶飲料 - Google Patents

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Abstract

 甘香があり、甘香と旨味のコクが残り、冷えた状態でもおいしく飲用できる、カフェイン量を低減した容器詰緑茶飲料を提供する。 本発明の容器詰緑茶飲料は、カフェインの濃度が90ppm以下であり、還元糖と非還元糖とを合わせた糖類の濃度が150ppm~500ppmであり、還元糖の濃度に対する非還元糖の濃度の比率(非還元糖/還元糖)が2.0~13.0であり、前記糖類の濃度に対するエステル型カテキンの濃度の比率(エステル型カテキン/糖類)が0.9~2.2であり、カフェインの濃度に対するテアニンの濃度の百分率((テアニン/カフェイン)×100)が10.0以上であることを特徴とする。

Description

容器詰緑茶飲料
 本発明は、緑茶から抽出された緑茶抽出液を主成分とする緑茶飲料であって、これをプラスチックボトルや缶などに充填した容器詰緑茶飲料に関する。
 緑茶飲料は、喉の渇きを潤すだけでなく、近年では、緑茶に含まれるカテキン類などの生理作用が着目され、健康増進の観点から飲まれることがある。
 しかし、緑茶飲料はカフェインを含むものであり、カフェインには興奮作用などがあるといわれ、頭痛や不眠などの原因になるともいわれている。特に、乳幼児、高齢者や妊婦などが緑茶飲料を摂取した場合には、その人達に対するカフェインの影響が懸念される場合がある。
 そこで、近年では、カフェイン含有量を低減した緑茶飲料が注目されている。
 例えば、特許文献1には、タンニン及びカフェインを含有し、タンニン含有量/カフェイン含有量の比が30以上であることを特徴とする茶飲料が開示されている。
 特許文献2には、(A)エステル型カテキン、(B)遊離型カテキン及び(C)カフェインを含有する飲料であり、それらの含有量が、
(イ) (A)+(B)=500~6000mg
(ロ) (A)/[(A)+(B)]=0.7~1.0
(ハ) (A)/(C)=6~27
である飲料が開示されている。
 特許文献3には、カテキン類1重量部に対して、カフェインを0.1重量部以下の量で含有し、サイクロデキストリンを0.1~20.0重量部の量で含有していることを特徴とする飲食物が開示されている。
特開2008-113569号公報 特開2006-67828号公報 特開平10-4919号公報
 本発明者は、容器詰緑茶飲料が普及してきた状況の中で、特有の味と香りを備えた飲料を鋭意検討した結果、単糖と二糖を合わせた濃度と、単糖濃度に対する二糖の濃度の比率、糖類濃度に対する電子局在カテキンの比率、香気成分のゲラニオールに対するフルフラールの含有比を一定条件に調整することで、該緑茶飲料の口の中に香りが広がるとともに余韻が残り、味にコク・濃度感を備えた容器詰飲料を提供することを見出した(特願2009-47421)。一方、近年飲用シーンの多様化などにより低カフェインの茶飲料が求められるようになったが、カフェイン含有量を低減させると、にが渋味に関与する成分が低減し、濃度感を感じにくくなるという問題があった。
 本発明者は、さらに鋭意検討したところ、カフェインに対するテアニンの比率を主に調整することで、渋味と旨味、にが渋味と旨味のバランスを調整することができ、カフェインを低減した容器詰茶飲料であっても、甘香による濃度感があり、甘味と旨味の濃度感のある飲料を提供できることを見出した。
 そこで、本発明は、主に甘味を感じさせる糖類と旨味を感じさせるテアニンとのバランスを調整し、甘香があり、甘味と旨味のコクが残り、特に冷えた状態でもおいしく飲用できる、カフェイン量を低減した容器詰緑茶飲料を提供せんとするものである。
 本発明の容器詰緑茶飲料は、カフェインの濃度が90ppm以下であり、還元糖と非還元糖とを合わせた糖類の濃度が150ppm~500ppmであり、還元糖の濃度に対する非還元糖の濃度の比率(非還元糖/還元糖)が2.0~13.0であり、前記糖類の濃度に対するエステル型カテキンの濃度の比率(エステル型カテキン/糖類)が0.9~2.2であり、カフェインの濃度に対するテアニンの濃度の百分率((テアニン/カフェイン)×100)が10.0以上であることを特徴とする。
 このように、還元糖と非還元糖との糖類濃度、還元糖と非還元糖との濃度比、エステル型カテキンと糖類との濃度比、カフェインとテアニンの濃度比を調整することにより、甘香があり、甘味と旨味のコクが残り、特に冷えた状態でもおいしく飲用できる、新たな容器詰緑茶飲料になる。
 以下、本発明の容器詰緑茶飲料の一実施形態を説明する。但し、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。
 本容器詰緑茶飲料は、緑茶を抽出して得られた抽出液乃至抽出物を主成分とする液体を容器に充填してなる飲料であり、例えば緑茶を抽出して得られた抽出液のみからなる液体、或いは当該抽出液を希釈した液体、或いは抽出液どうしを混合した液体、或いはこれら前記何れかの液体に添加物を加えた液体、或いはこれら前記何れかの液体を乾燥したものを分散させてなる液体などを挙げることができる。
 「主成分」とは、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含する。この際、当該主成分の含有割合を特定するものではないが、緑茶を抽出して得られた抽出液乃至抽出物が、固形分濃度として、飲料中の50質量%以上、特に70質量%以上、中でも特に80質量%以上(100%含む)を占めるのが好ましい。
 また、緑茶の種類を特に制限するものではない。例えば蒸し茶、煎茶、玉露、抹茶、番茶、玉緑茶、釜炒り茶、中国緑茶など、不発酵茶に分類される茶を広く包含し、これら2種類以上をブレンドしたものも包含する。また、玄米などの穀物、ジャスミンなどのフレーバー等を添加してもよい。
 本発明の容器詰緑茶飲料の一実施形態(「本容器詰緑茶飲料」という)は、カフェインの濃度が90ppm以下であり、還元糖と非還元糖とを合わせた糖類の濃度が150ppm~500ppmであり、還元糖の濃度に対する非還元糖の濃度の比率(非還元糖/還元糖)が2.0~13.0であり、前記糖類の濃度に対するエステル型カテキンの濃度の比率(エステル型カテキン/糖類)が0.9~2.2であり、カフェインの濃度に対するテアニンの濃度の百分率((テアニン/カフェイン)×100)が10.0以上であることを特徴とするものである。
 還元糖は、還元性を示し、塩基性溶液中でアルデヒド基とケトン基とを形成する糖であり、本発明でいう還元糖は、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、セロビオース、マルトース(麦芽糖)を示すものである。
 非還元糖は、還元性を示さない糖であり、本発明でいう非還元糖は、スクロース(蔗糖)、スタキオース、ラフィノースを示すものである。
 還元糖と非還元糖とを合わせた糖類の濃度(以下、糖類濃度という。)が150ppm~500ppmであることにより、常温で長期間保存した状態や冷えた状態で飲用しても、味と香りのバランスが保たれ、甘味やコクを有し、後味に苦渋味や雑味等の少ないものになる。
 かかる観点から、糖類濃度は、好ましくは170ppm~400ppmであり、特に好ましくは180ppm~300ppmである。
 糖類の濃度を上記範囲に調整するには、茶葉の乾燥(火入)加工や抽出を適宜条件にして調整することができる。例えば、茶葉の乾燥(火入)加工を強くすると糖類は分解されて減少し、また、高温で長時間抽出すると糖類は分解されて減少する。しかるに、茶葉の乾燥(火入)条件と、抽出条件により糖類濃度を調整できる。
 糖類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、糖類を添加することなく、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
 また、還元糖の濃度に対する非還元糖の濃度の比率(非還元糖/還元糖)が2.0~13.0であれば、口に含んだときの火香の甘味があり、口の中に広がり喉越しに残って適度な濃度感になり、味わいが出て、飲み応えのある飲料になる。
 かかる観点から、還元糖の濃度に対する非還元糖の濃度の比率(非還元糖/還元糖)は、好ましくは2.5~12.0、特に好ましくは4.0~12.0である。
 還元糖に対する非還元糖の濃度の比率を上記範囲に調整するには、茶葉の乾燥(火入)加工や抽出を適宜条件にして調整することができる。例えば、茶葉に乾燥(火入)加工を施すと、先ず還元糖が減少し、次に非還元糖が減少していくため、茶葉に乾燥(火入)加工を施し、低温長時間で抽出することで、非還元糖/還元糖の比率を低くすることができる。
 糖類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、糖類を添加することなく茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
 本容器詰緑茶飲料における総カテキン類濃度は、270ppm~920ppmであるのが好ましい。
 総カテキン類濃度は、より好ましくは300ppm~850ppmであり、特に好ましくは350ppm~850ppmである。
 なお、総カテキン類とは、カテキン(C)、ガロカテキン(GC)、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)及びエピガロカテキンガレート(EGCg)の合計8種の意味であり、総カテキン類濃度とは8種類のカテキン濃度の合計値の意味である。
 総カテキン類濃度を上記範囲に調整するには、抽出条件などを調整すればよい。カテキン類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
 本容器詰緑茶飲料におけるエステル型カテキン濃度は、135ppm~560ppmであるのが好ましい。
 エステル型カテキン濃度は、より好ましくは175ppm~525ppmであり、特に好ましくは200ppm~475ppmである。
 なお、「エステル型カテキン」とは、エピガロカテキンガレート(EGCg)、ガロカテキンガレート(GCg)、エピカテキンガレート(ECg)、カテキンガレート(Cg)の合計4種の意味である。
 エステル型カテキン濃度を上記範囲に調整するには、抽出条件などを調整すればよい。しかし、飲料の香気バランス保持の面から、温度が高すぎたり、抽出時間が長すぎたりするのは好ましくない。エステル型カテキンを添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
 本容器詰緑茶飲料において、糖類濃度に対するエステル型カテキン濃度の比率(エステル型カテキン/糖類)は0.9~2.2であり、この範囲であれば、渋味と甘味のバランスが保たれ、火香の甘味も感じることができ、味にコクと濃度感があり、呈味のある味わい深い飲料になる。
 かかる観点から、糖類濃度に対するエステル型カテキン濃度の比率(エステル型カテキン/糖類)は、好ましくは1.2~2.0であり、特に好ましくは1.4~1.8である。
 糖類濃度に対するエステル型カテキン濃度の比率を上記範囲に調整するには、抽出条件などを調整すればよい。しかし、カテキンは高温での抽出率が高まるが、糖類は分解しやすい為、抽出時間は短いほうが好ましい。エステル型カテキン及び糖類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
 本容器詰緑茶飲料において、カフェイン濃度に対するテアニンの濃度の百分率((テアニン/カフェイン)×100)は、10.0以上であり、この範囲であることにより、旨味とにが渋味のバランスを保ち、旨味により濃度感があり、飲み応えのある飲料になる。
 かかる観点から、カフェインの濃度に対するテアニンの濃度の百分率((テアニン/カフェイン)×100)は、好ましくは12.0~1000であり、特に好ましくは15.0~800である。
 なお、テアニンは、緑茶等に含まれるグルタミン酸の誘導体であり、例えば、L-グルタミン酸-γ-エチルアミド(L-テアニン)、L-グルタミン酸-γ-メチルアミド、D-グルタミン酸-γ-エチルアミド(D-テアニン)、D-グルタミン酸-γ-メチルアミド等のL-またはD-グルタミン酸-γ-アルキルアミド、L-またはD-グルタミン酸-γ-アルキルアミドを基本構造に含む誘導体(例えばL-またはD-グルタミン酸-γ-アルキルアミドの配糖体など)などがある。
 カフェインの濃度に対するテアニン濃度の百分率を上記範囲に調整するには、原料の乾燥条件を強めるようにすればよい。テアニンを添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
 本容器詰緑茶飲料において、テアニンの濃度は8.0ppm以上であるのが好ましく、この範囲であることにより、低温でも口に広がる香り、喉越しに残る香りもありながら、旨味があって、飲み応えのある味と香りのバランスのとれた飲料になる。
 かかる観点から、テアニンの濃度は、より好ましくは10.0ppm~250ppmであり、特に好ましくは12.0ppm~250ppmである。
 テアニン濃度を上記範囲に調整するには、原料選定、高温で分解しやすい点を考慮した茶葉の乾燥(火入れ)などの加工条件等により調整できる。テアニンを添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
 本容器詰緑茶飲料において、カフェインの濃度は90ppm以下であるのが好ましい。
 従来の容器詰緑茶飲料は、概ね110ppm~250ppmのカフェインを含むものであるが、90ppm以下にすることにより人に対する生理的影響が軽減される。
 かかる観点から、カフェイン濃度は、好ましくは5ppm~85ppmであり、特に好ましくは10ppm~70ppmである。
 カフェイン濃度を上記範囲に調整するには、茶葉に熱湯を吹き付けたり、茶葉を熱湯に浸漬させたりして茶葉中のカフェインを溶出させ、その茶葉を用いて茶抽出液を作製し、これら茶抽出液どうしを混合して調整すればよい。また、抽出液に活性炭や白土等の吸着剤を作用させてカフェインを吸着除去してもよい。
 また、本容器詰緑茶飲料において、カフェイン濃度に対する総カテキン類濃度の比率(総カテキン/カフェイン)は3.0~900であるのが好ましい。
 カフェイン濃度に対する総カテキン類濃度の比率は、より好ましくは3.2~800であり、特に好ましくは3.5~800である。
 カフェイン濃度対する総カテキン類濃度の比率を上記範囲に調整するには、上記したカフェイン低減処理、茶葉量、抽出温度などにより調整できる。総カテキン類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
 本容器詰緑茶飲料において、茶葉由来の可溶性固形分の濃度は0.18~0.40%であるのが好ましい。なお、茶葉由来の可溶性固形分とは、緑茶から抽出して得られた可溶性固形分をショ糖換算したときの値をいう。
 本容器詰緑茶飲料の茶葉由来の可溶性固形分は、より好ましくは0.19~0.38%であり、特に好ましくは0.20~0.35%である。
 茶葉由来の可溶性固形分を上記範囲に調整するには、茶葉量と抽出条件で適宜調整できる。
 本容器詰緑茶飲料において、茶葉由来の可溶性固形分濃度に対する糖類濃度の比率(糖類/(茶葉由来可溶性固形分×100))は、3.5~25.0であるのが好ましい。かかる比率がこの範囲であれば渋味等に対する、味のコクや濃度感を適度に保つことが可能となり、香りとバランスもとれ、味わい深い飲料になる。
 かかる観点から、茶葉由来の可溶性固形分濃度に対する糖類濃度の比率は、より好ましくは3.8~23.0であり、特に好ましくは4.0~20.0である。
 茶葉由来の可溶性固形分濃度に対する糖類濃度の比率を上記範囲に調整するには、茶葉量を増やすことにより固形分濃度を高めることができ、茶葉量と原料茶の焙煎条件との組み合わせにより比率を調整することができる。糖類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
 本容器詰緑茶飲料において、茶葉由来の可溶性固形分濃度に対するエステル型カテキン濃度の比率(エステル型カテキン/(茶葉由来可溶性固形分×100))は、3.4~30.0であるのが好ましい。かかる比率がこの範囲であれば、甘味等に対する渋味による濃度感を適度に保つことができ、香りの余韻と味わいの濃度感とのバランスを保ち、さらに、経時的な性状も安定する飲料になる。
 かかる観点から、茶葉由来の可溶性固形分濃度に対するエステル型カテキン濃度の比率は、より好ましくは3.6~28.0であり、特に好ましくは3.8~25.0である。
 茶葉由来の可溶性固形分濃度に対するエステル型カテキン濃度の比率を上記範囲に調整するには、抽出温度でカテキンの溶出性が異なるので抽出条件等で調整するようにすればよい。糖類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
 本容器詰緑茶飲料において、茶葉由来の可溶性固形分濃度に対する総カテキン類濃度の比率(総カテキン/(茶葉由来可溶性固形分×100))は、6.8~50.0であるのが好ましい。
 茶葉由来の可溶性固形分濃度に対する総カテキン類濃度の比率は、より好ましくは7.0~48.0であり、特に好ましくは8.0~45.0である。
 茶葉由来の可溶性固形分濃度に対する総カテキン類濃度の比率を上記範囲に調整するには、茶葉の乾燥条件や抽出条件で調整すればよい。カテキン類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
 本容器詰緑茶飲料のpHは、20℃で5.5~6.5であることが好ましい。本容器詰緑茶飲料のpHは、より好ましくは5.8~6.4であり、特に好ましくは5.9~6.3である。
 pHを上記範囲に調整するには、例えばアスコルビン酸や重曹等のpH調整剤の量を調整すればよい。
 上記した還元糖、非還元糖、総カテキン、エステル型カテキン、カフェイン、テアニンの濃度は、高速液体クロマトグラム(HPLC)などを用い、検量線法などによって測定することができ、上記した茶葉由来の可溶性固形分濃度は、示差濃度計によって測定することができる。
(容器)
 本容器詰緑茶飲料を充填する容器は、特に限定するものではなく、例えばプラスチック製ボトル(所謂ペットボトル)、スチール、アルミなどの金属缶、ビン、紙容器などを用いることができ、特に、ペットボトルなどの透明容器等を好ましく用いることができる。
(製造方法)
 本容器詰緑茶飲料は、例えば、茶葉原料の選定と共に、茶葉の乾燥(火入)加工や抽出の条件を適宜調整して、飲料中のカフェインの濃度を90ppm以下に調整し、還元糖と非還元糖とを合わせた糖類の濃度を150ppm~500ppmに調整し、還元糖の濃度に対する非還元糖の濃度の比率(非還元糖/還元糖)を2.0~13.0に調整し、前記糖類の濃度に対するエステル型カテキンの濃度の比率(エステル型カテキン/糖類)を0.9~2.2に調整し、且つ、カフェインの濃度に対するテアニンの濃度の百分率(テアニン/カフェイン×100)を10.0以上に調整することにより製造することができる。
 例えば、茶葉に70℃~100℃の熱水シャワーを60~180秒吹き付けてカフェインを溶出させ、その茶葉を220℃~270℃で乾燥(火入)加工し、その茶葉を高温短時間で抽出した抽出液と、従来一般的な緑茶抽出液、すなわち茶葉を80℃~150℃で乾燥(火入)加工し、その茶葉を低温長時間で抽出した抽出液とを用意し、これらを適宜割合で配合することにより、本容器詰緑茶飲料を製造することができる。但し、このような製造方法に限定されるものではない。
 なお、上述したように、茶葉に乾燥加工を施すことにより、先ず還元糖が減少し、次に非還元糖が減少していく。よって、乾燥加工の条件を調整することにより、糖類濃度や還元糖/非還元糖の値を調整することができる。
(用語の説明)
 本発明において「緑茶飲料」とは、茶を抽出して得られた茶抽出液乃至茶抽出物を主成分とする飲料の意である。
 また、「容器詰緑茶飲料」とは、容器に詰めた緑茶飲料の意であるが、同時に希釈せずに飲用できる緑茶飲料の意味でもある。
 本明細書において、「X~Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含するものとする。
 以下、本発明の実施例を説明する。但し、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
 なお、実施例において「還元糖の濃度」とは、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、セロビオース、マルトース(麦芽糖)の濃度合計の意味であり、「非還元糖の濃度」とは、スクロース(蔗糖)、スタキオース、ラフィノースの濃度合計の意味である。
《評価試験1》
 以下の抽出液A~Hを作製し、これらを用いて実施例1~6及び比較例1~4の茶飲料を作製して、官能評価を行なった。
(抽出液A)
 摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産1番茶)を、荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度90℃、乾燥時間30分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉10g、55℃の温水1L、抽出時間8分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、その濾液を、SA1連続遠心分離機(ウエストファリアー社製)を用いて流速300L/h、回転数10000rpm、遠心沈降液面積(Σ)1000mの条件にて遠心分離し、抽出液Aを得た。
(抽出液B)
 摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産1番茶)を、荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度270℃、乾燥時間15分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉8g、90℃の熱水1L、抽出時間6分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、その濾液を、SA1連続遠心分離機(ウエストファリアー社製)を用いて流速300L/h、回転数10000rpm、遠心沈降液面積(Σ)1000mの条件にて遠心分離し、抽出液Bを得た。
(抽出液C)
 摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産1番茶)を、荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度220℃、乾燥時間15分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉11g、90℃の熱水1L、抽出時間3.5分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、その濾液を、SA1連続遠心分離機(ウエストファリアー社製)を用いて流速300L/h、回転数10000rpm、遠心沈降液面積(Σ)1000mの条件にて遠心分離し、抽出液Cを得た。
(抽出液D)
 寺田製作所製熱水シャワーカフェイン低減装置を用い、摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産1番茶)に、約95℃の熱水シャワーを約2分あて、低カフェイン処理を施した。その茶葉を、荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度90℃、乾燥時間30分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉10g、55℃の温水1L、抽出時間8分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、その濾液を、SA1連続遠心分離機(ウエストファリアー社製)を用いて流速300L/h、回転数10000rpm、遠心沈降液面積(Σ)1000mの条件にて遠心分離し、抽出液Dを得た。
(抽出液E)
 寺田製作所製熱水シャワーカフェイン低減装置を用い、摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産1番茶)に、約95℃の熱水シャワーを約2分あて、低カフェイン処理を施した。その茶葉を、荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度240℃、乾燥時間20分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉10g、90℃の熱水1L、抽出時間12分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、その濾液を、SA1連続遠心分離機(ウエストファリアー社製)を用いて流速300L/h、回転数10000rpm、遠心沈降液面積(Σ)1000mの条件にて遠心分離し、抽出液Eを得た。
(抽出液F)
 寺田製作所製熱水シャワーカフェイン低減装置を用い、摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産1番茶)に、約95℃の熱水シャワーを約2分あて、低カフェイン処理を施した。その茶葉を、荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度270℃、乾燥時間15分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉10g、90℃の熱水1L、抽出時間12分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、その濾液を、SA1連続遠心分離機(ウエストファリアー社製)を用いて流速300L/h、回転数10000rpm、遠心沈降液面積(Σ)1000mの条件にて遠心分離し、抽出液Fを得た。
(抽出液G)
 寺田製作所製熱水シャワーカフェイン低減装置を用い、摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産1番茶)に、約95℃の熱水シャワーを約2分あて、低カフェイン処理を施した。その茶葉を、荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度220℃、乾燥時間15分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉11g、90℃の熱水1L、抽出時間7分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、その濾液を、SA1連続遠心分離機(ウエストファリアー社製)を用いて流速300L/h、回転数10000rpm、遠心沈降液面積(Σ)1000mの条件にて遠心分離し、抽出液Gを得た。
(抽出液H)
 寺田製作所製熱水シャワーカフェイン低減装置を用い、摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産1番茶)に、約95℃の熱水シャワーを約2分あて、低カフェイン処理を施した。その茶葉を、荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度110℃、乾燥時間20分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉10g、90℃の熱水1L、抽出時間6分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、その濾液を、SA1連続遠心分離機(ウエストファリアー社製)を用いて流速300L/h、回転数10000rpm、遠心沈降液面積(Σ)1000mの条件にて遠心分離し、抽出液Hを得た。
(抽出液の分析)
 上記各抽出液の1/10量を量り取り、アスコルビン酸を400ppm添加した後、重曹を添加してpH6.2に調整し、イオン交換水を加えて全量を100mlに調整し、この液を耐熱性の透明容器(ビン)に充填して蓋をし、30秒間転倒殺菌し、レトルト殺菌F値9以上(121℃、9分)を行い、直ちに20℃まで冷却した溶液を測定し、各抽出液の成分を分析した。
 その分析結果を下記表1に示す。なお測定方法は下記に示すのと同様である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
(配合)
 抽出液A~Hを、以下の表2に示す割合で配合し、アスコルビン酸を400ppm添加した後、重曹を添加してpHを適宜調整し、イオン交換水を加えて全量を1000mlに調整し、この液を耐熱性の透明容器(ビン)に充填して蓋をし、30秒間転倒殺菌し、レトルト殺菌F値9以上(121℃、9分)を行い、直ちに20℃まで冷却して実施例1~6及び比較例1~4の緑茶飲料を作製した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
(実施例及び比較例の分析)
 実施例1~6及び比較例1~4の緑茶飲料の成分及びpHを以下に示したとおり測定した。その結果を下記表3に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 還元糖濃度及び非還元糖濃度は、HPLC糖分析装置(Dionex社製)を以下の条件で操作し、検量線法により定量して測定した。
 カラム:Dionex社製Carbopack PA1 φ4.6×250mm
 カラム温度:30℃
 移動相:A相 200mM NaOH
    :B相 1000mM Sodium Acetate
    :C相 超純水
 流速:1.0mL/min
 注入量:50μL
 検出:Dionex社製ED50 金電極
 エステル型カテキン濃度、総カテキン濃度、カフェイン濃度、テアニン濃度は、高速液体クロマトグラム(HPLC)を以下の条件で操作し、検量線法により定量して測定した。
 カラム:waters社製 Xbridge shield RP18 φ3.5×150mm
 カラム温度:40℃
 移動相:A相 水
    :B相 アセトニトリル
    :C相 1%リン酸
 流速:0.5mL/min
 注入量:5μL
 検出:waters社製UV検出器 UV230nm
 pHは、堀場社製 pHメーター F-24で測定した。
 茶葉由来可溶性固形分濃度は、茶葉のみ抽出した抽出液を液量が1Lになる割合に希釈し、アタゴ社製 示差濃度計 DD-7で測定した。
(評価項目)
 実施例1~6及び比較例1~4の緑茶飲料を用い、香り(口に広がる香り、喉越しに残る香り)、味(飲み応え(コク)、旨味)、嗜好性(香りと味のバランス)について評価した。
(評価試験)
 実施例1~6及び比較例1~4の緑茶飲料(温度25℃)を、5人の熟練した審査官に試飲してもらい、以下の評価で点数を付け、5人の平均点が3.5以上を「◎」、3以上3.5未満を「○」、2以上3未満を「△」、1以上2未満を「×」として評価した。これらの結果を、上記表3に示す。
<口に広がる香り>
 特に強い=4
 強い=3
 普通=2
 弱い=1
<喉越しに残る香り>
 特に強い=4
 強い=3
 普通=2
 弱い=1
<飲み応え(コク)>
 濃度が強い=4
 濃度がある=3
 濃度がわずかにある=2
 淡白=1
<旨味>
 特に強い=4
 強い=3
 普通=2
 弱い=1
<嗜好性(香りと味のバランス)>
 すごく好き=4
 好き=3
 普通=2
 嫌い=1
(総合評価)
 上記評価試験の平均点を算出し、平均点が3.5以上を「◎」、3以上3.5未満を「○」、2以上3未満を「△」、1以上2未満を「×」として総合評価した。
 実施例1~6は、いずれも総合評価「○」以上の評価であり好適な結果が得られた。
 一方、比較例1~4は「△」の評価であり、好ましくない結果であった。
 比較例1,2の結果から、非還元糖/還元糖の値が低くなると、香りや嗜好性が悪くなり、非還元糖/還元糖の値が高くなると、味や嗜好性が悪くなることが確認された。
 比較例1,4の結果から、エステル型カテキン/糖類の値が低く又は高くなると、コクが乏しくなり香りと味のバランスも崩れ全体的に官能評価が悪くなることが確認された。
 比較例3の結果から、テアニン/カフェイン×100の値が低くなると、旨味が弱く、コクや喉越しに残る香りが弱く全体的に官能評価が悪くなることが確認された。
 これら結果から、カフェインの濃度が90ppm以下であり、還元糖と非還元糖とを合わせた糖類の濃度が150ppm~500ppmであり、還元糖の濃度に対する非還元糖の濃度の比率(非還元糖/還元糖)が2.0~13.0であり、前記糖類の濃度に対するエステル型カテキンの濃度の比率(エステル型カテキン/糖類)が0.9~2.2であり、カフェインの濃度に対するテアニンの濃度の百分率((テアニン/カフェイン)×100)が10.0以上であると、香り(口に広がる香り、喉越しに残る香り)、味(飲み応え(コク)、旨味)、嗜好性(香りと味のバランス)が良好になる範囲であると想定され、これらがこの範囲にある緑茶飲料は、甘香があり、甘味と旨味のコクが残るものになることが見出せた。
《評価試験2》
 上記実施例1,3,5,6の緑茶飲料を用いて下記評価試験を行った。
(評価試験)
 実施例1,3,5,6の緑茶飲料を冷蔵庫で5℃に冷やした。この緑茶飲料を5人の熟練した審査官に、試飲してもらい、上記と同様の評価をした。これらの結果を、下記表4に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
(総合評価)
 実施例3は、「◎」の評価であり好適な結果が得られた。
 一方、実施例6は「△」の評価であり、やや劣る結果であった。
(考察)
 テアニンの濃度が一番高い実施例3の総合評価がよく、テアニンの濃度が一番低い実施例6の総合評価がやや劣ることが確認された。
 この結果から、テアニンの濃度が8ppm以上であると、冷えた状態でもおいしく飲用できる、カフェイン量を低減した緑茶飲料になることが見出せた。

Claims (4)

  1.  カフェインの濃度が90ppm以下であり、還元糖と非還元糖とを合わせた糖類の濃度が150ppm~500ppmであり、還元糖の濃度に対する非還元糖の濃度の比率(非還元糖/還元糖)が2.0~13.0であり、前記糖類の濃度に対するエステル型カテキンの濃度の比率(エステル型カテキン/糖類)が0.9~2.2であり、カフェインの濃度に対するテアニンの濃度の百分率((テアニン/カフェイン)×100)が10.0以上である容器詰緑茶飲料。
  2.  テアニンの濃度が8ppm以上である請求項1に記載の容器詰緑茶飲料。
  3.  緑茶飲料中のカフェインの濃度を90ppm以下に調整し、還元糖と非還元糖とを合わせた糖類の濃度を150ppm~500ppmに調整し、還元糖の濃度に対する非還元糖の濃度の比率(非還元糖/還元糖)を2.0~13.0に調整し、前記糖類の濃度に対するエステル型カテキンの濃度の比率(エステル型カテキン/糖類)を0.9~2.2に調整し、且つ、カフェインの濃度に対するテアニンの濃度の百分率((テアニン/カフェイン)×100)を10.0以上に調整することを特徴とする、容器詰緑茶飲料の製造方法。
  4.  緑茶飲料中のカフェインの濃度を90ppm以下に調整し、還元糖と非還元糖とを合わせた糖類の濃度を150ppm~500ppmに調整し、還元糖の濃度に対する非還元糖の濃度の比率(非還元糖/還元糖)を2.0~13.0に調整し、前記糖類の濃度に対するエステル型カテキンの濃度の比率(エステル型カテキン/糖類)を0.9~2.2に調整し、且つ、カフェインの濃度に対するテアニンの濃度の百分率((テアニン/カフェイン)×100)を10.0以上に調整することを特徴とする、容器詰緑茶飲料の香味改善方法。
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