WO2011092977A1 - 容器詰緑茶飲料 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、緑茶飲料はカフェインを含むものであり、カフェインには興奮作用などがあるといわれ、頭痛や不眠などの原因になるともいわれている。特に、乳幼児、高齢者や妊婦などが緑茶飲料を摂取した場合には、その人達に対するカフェインの影響が懸念される場合がある。
そこで、近年では、カフェイン含有量を低減した緑茶飲料が注目されている。
(イ) (A)+(B)=500~6000mg
(ロ) (A)/[(A)+(B)]=0.7~1.0
(ハ) (A)/(C)=6~27
である飲料が開示されている。
「主成分」とは、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含する。この際、当該主成分の含有割合を特定するものではないが、緑茶を抽出して得られた抽出液乃至抽出物が、固形分濃度として、飲料中の50質量%以上、特に70質量%以上、中でも特に80質量%以上(100%含む)を占めるのが好ましい。
かかる観点から、糖類濃度は、好ましくは170ppm~400ppmであり、特に好ましくは180ppm~300ppmである。
糖類の濃度を上記範囲に調整するには、茶葉の乾燥(火入)加工や抽出を適宜条件にして調整することができる。例えば、茶葉の乾燥(火入)加工を強くすると糖類は分解されて減少し、また、高温で長時間抽出すると糖類は分解されて減少する。しかるに、茶葉の乾燥(火入)条件と、抽出条件により糖類濃度を調整できる。
糖類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、糖類を添加することなく、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
かかる観点から、還元糖の濃度に対する非還元糖の濃度の比率(非還元糖/還元糖)は、好ましくは2.5~12.0、特に好ましくは4.0~12.0である。
還元糖に対する非還元糖の濃度の比率を上記範囲に調整するには、茶葉の乾燥(火入)加工や抽出を適宜条件にして調整することができる。例えば、茶葉に乾燥(火入)加工を施すと、先ず還元糖が減少し、次に非還元糖が減少していくため、茶葉に乾燥(火入)加工を施し、低温長時間で抽出することで、非還元糖/還元糖の比率を低くすることができる。
糖類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、糖類を添加することなく茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
総カテキン類濃度は、より好ましくは300ppm~850ppmであり、特に好ましくは350ppm~850ppmである。
なお、総カテキン類とは、カテキン(C)、ガロカテキン(GC)、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)及びエピガロカテキンガレート(EGCg)の合計8種の意味であり、総カテキン類濃度とは8種類のカテキン濃度の合計値の意味である。
総カテキン類濃度を上記範囲に調整するには、抽出条件などを調整すればよい。カテキン類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
エステル型カテキン濃度は、より好ましくは175ppm~525ppmであり、特に好ましくは200ppm~475ppmである。
なお、「エステル型カテキン」とは、エピガロカテキンガレート(EGCg)、ガロカテキンガレート(GCg)、エピカテキンガレート(ECg)、カテキンガレート(Cg)の合計4種の意味である。
エステル型カテキン濃度を上記範囲に調整するには、抽出条件などを調整すればよい。しかし、飲料の香気バランス保持の面から、温度が高すぎたり、抽出時間が長すぎたりするのは好ましくない。エステル型カテキンを添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
かかる観点から、糖類濃度に対するエステル型カテキン濃度の比率(エステル型カテキン/糖類)は、好ましくは1.2~2.0であり、特に好ましくは1.4~1.8である。
糖類濃度に対するエステル型カテキン濃度の比率を上記範囲に調整するには、抽出条件などを調整すればよい。しかし、カテキンは高温での抽出率が高まるが、糖類は分解しやすい為、抽出時間は短いほうが好ましい。エステル型カテキン及び糖類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
かかる観点から、カフェインの濃度に対するテアニンの濃度の百分率((テアニン/カフェイン)×100)は、好ましくは12.0~1000であり、特に好ましくは15.0~800である。
なお、テアニンは、緑茶等に含まれるグルタミン酸の誘導体であり、例えば、L-グルタミン酸-γ-エチルアミド(L-テアニン)、L-グルタミン酸-γ-メチルアミド、D-グルタミン酸-γ-エチルアミド(D-テアニン)、D-グルタミン酸-γ-メチルアミド等のL-またはD-グルタミン酸-γ-アルキルアミド、L-またはD-グルタミン酸-γ-アルキルアミドを基本構造に含む誘導体(例えばL-またはD-グルタミン酸-γ-アルキルアミドの配糖体など)などがある。
カフェインの濃度に対するテアニン濃度の百分率を上記範囲に調整するには、原料の乾燥条件を強めるようにすればよい。テアニンを添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
かかる観点から、テアニンの濃度は、より好ましくは10.0ppm~250ppmであり、特に好ましくは12.0ppm~250ppmである。
テアニン濃度を上記範囲に調整するには、原料選定、高温で分解しやすい点を考慮した茶葉の乾燥(火入れ)などの加工条件等により調整できる。テアニンを添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
従来の容器詰緑茶飲料は、概ね110ppm~250ppmのカフェインを含むものであるが、90ppm以下にすることにより人に対する生理的影響が軽減される。
かかる観点から、カフェイン濃度は、好ましくは5ppm~85ppmであり、特に好ましくは10ppm~70ppmである。
カフェイン濃度を上記範囲に調整するには、茶葉に熱湯を吹き付けたり、茶葉を熱湯に浸漬させたりして茶葉中のカフェインを溶出させ、その茶葉を用いて茶抽出液を作製し、これら茶抽出液どうしを混合して調整すればよい。また、抽出液に活性炭や白土等の吸着剤を作用させてカフェインを吸着除去してもよい。
カフェイン濃度に対する総カテキン類濃度の比率は、より好ましくは3.2~800であり、特に好ましくは3.5~800である。
カフェイン濃度対する総カテキン類濃度の比率を上記範囲に調整するには、上記したカフェイン低減処理、茶葉量、抽出温度などにより調整できる。総カテキン類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
本容器詰緑茶飲料の茶葉由来の可溶性固形分は、より好ましくは0.19~0.38%であり、特に好ましくは0.20~0.35%である。
茶葉由来の可溶性固形分を上記範囲に調整するには、茶葉量と抽出条件で適宜調整できる。
かかる観点から、茶葉由来の可溶性固形分濃度に対する糖類濃度の比率は、より好ましくは3.8~23.0であり、特に好ましくは4.0~20.0である。
茶葉由来の可溶性固形分濃度に対する糖類濃度の比率を上記範囲に調整するには、茶葉量を増やすことにより固形分濃度を高めることができ、茶葉量と原料茶の焙煎条件との組み合わせにより比率を調整することができる。糖類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
かかる観点から、茶葉由来の可溶性固形分濃度に対するエステル型カテキン濃度の比率は、より好ましくは3.6~28.0であり、特に好ましくは3.8~25.0である。
茶葉由来の可溶性固形分濃度に対するエステル型カテキン濃度の比率を上記範囲に調整するには、抽出温度でカテキンの溶出性が異なるので抽出条件等で調整するようにすればよい。糖類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
茶葉由来の可溶性固形分濃度に対する総カテキン類濃度の比率は、より好ましくは7.0~48.0であり、特に好ましくは8.0~45.0である。
茶葉由来の可溶性固形分濃度に対する総カテキン類濃度の比率を上記範囲に調整するには、茶葉の乾燥条件や抽出条件で調整すればよい。カテキン類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
pHを上記範囲に調整するには、例えばアスコルビン酸や重曹等のpH調整剤の量を調整すればよい。
本容器詰緑茶飲料を充填する容器は、特に限定するものではなく、例えばプラスチック製ボトル(所謂ペットボトル)、スチール、アルミなどの金属缶、ビン、紙容器などを用いることができ、特に、ペットボトルなどの透明容器等を好ましく用いることができる。
本容器詰緑茶飲料は、例えば、茶葉原料の選定と共に、茶葉の乾燥(火入)加工や抽出の条件を適宜調整して、飲料中のカフェインの濃度を90ppm以下に調整し、還元糖と非還元糖とを合わせた糖類の濃度を150ppm~500ppmに調整し、還元糖の濃度に対する非還元糖の濃度の比率(非還元糖/還元糖)を2.0~13.0に調整し、前記糖類の濃度に対するエステル型カテキンの濃度の比率(エステル型カテキン/糖類)を0.9~2.2に調整し、且つ、カフェインの濃度に対するテアニンの濃度の百分率(テアニン/カフェイン×100)を10.0以上に調整することにより製造することができる。
例えば、茶葉に70℃~100℃の熱水シャワーを60~180秒吹き付けてカフェインを溶出させ、その茶葉を220℃~270℃で乾燥(火入)加工し、その茶葉を高温短時間で抽出した抽出液と、従来一般的な緑茶抽出液、すなわち茶葉を80℃~150℃で乾燥(火入)加工し、その茶葉を低温長時間で抽出した抽出液とを用意し、これらを適宜割合で配合することにより、本容器詰緑茶飲料を製造することができる。但し、このような製造方法に限定されるものではない。
本発明において「緑茶飲料」とは、茶を抽出して得られた茶抽出液乃至茶抽出物を主成分とする飲料の意である。
また、「容器詰緑茶飲料」とは、容器に詰めた緑茶飲料の意であるが、同時に希釈せずに飲用できる緑茶飲料の意味でもある。
なお、実施例において「還元糖の濃度」とは、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、セロビオース、マルトース(麦芽糖)の濃度合計の意味であり、「非還元糖の濃度」とは、スクロース(蔗糖)、スタキオース、ラフィノースの濃度合計の意味である。
以下の抽出液A~Hを作製し、これらを用いて実施例1~6及び比較例1~4の茶飲料を作製して、官能評価を行なった。
摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産1番茶)を、荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度90℃、乾燥時間30分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉10g、55℃の温水1L、抽出時間8分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、その濾液を、SA1連続遠心分離機(ウエストファリアー社製)を用いて流速300L/h、回転数10000rpm、遠心沈降液面積(Σ)1000m2の条件にて遠心分離し、抽出液Aを得た。
摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産1番茶)を、荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度270℃、乾燥時間15分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉8g、90℃の熱水1L、抽出時間6分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、その濾液を、SA1連続遠心分離機(ウエストファリアー社製)を用いて流速300L/h、回転数10000rpm、遠心沈降液面積(Σ)1000m2の条件にて遠心分離し、抽出液Bを得た。
摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産1番茶)を、荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度220℃、乾燥時間15分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉11g、90℃の熱水1L、抽出時間3.5分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、その濾液を、SA1連続遠心分離機(ウエストファリアー社製)を用いて流速300L/h、回転数10000rpm、遠心沈降液面積(Σ)1000m2の条件にて遠心分離し、抽出液Cを得た。
寺田製作所製熱水シャワーカフェイン低減装置を用い、摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産1番茶)に、約95℃の熱水シャワーを約2分あて、低カフェイン処理を施した。その茶葉を、荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度90℃、乾燥時間30分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉10g、55℃の温水1L、抽出時間8分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、その濾液を、SA1連続遠心分離機(ウエストファリアー社製)を用いて流速300L/h、回転数10000rpm、遠心沈降液面積(Σ)1000m2の条件にて遠心分離し、抽出液Dを得た。
寺田製作所製熱水シャワーカフェイン低減装置を用い、摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産1番茶)に、約95℃の熱水シャワーを約2分あて、低カフェイン処理を施した。その茶葉を、荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度240℃、乾燥時間20分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉10g、90℃の熱水1L、抽出時間12分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、その濾液を、SA1連続遠心分離機(ウエストファリアー社製)を用いて流速300L/h、回転数10000rpm、遠心沈降液面積(Σ)1000m2の条件にて遠心分離し、抽出液Eを得た。
寺田製作所製熱水シャワーカフェイン低減装置を用い、摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産1番茶)に、約95℃の熱水シャワーを約2分あて、低カフェイン処理を施した。その茶葉を、荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度270℃、乾燥時間15分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉10g、90℃の熱水1L、抽出時間12分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、その濾液を、SA1連続遠心分離機(ウエストファリアー社製)を用いて流速300L/h、回転数10000rpm、遠心沈降液面積(Σ)1000m2の条件にて遠心分離し、抽出液Fを得た。
寺田製作所製熱水シャワーカフェイン低減装置を用い、摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産1番茶)に、約95℃の熱水シャワーを約2分あて、低カフェイン処理を施した。その茶葉を、荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度220℃、乾燥時間15分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉11g、90℃の熱水1L、抽出時間7分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、その濾液を、SA1連続遠心分離機(ウエストファリアー社製)を用いて流速300L/h、回転数10000rpm、遠心沈降液面積(Σ)1000m2の条件にて遠心分離し、抽出液Gを得た。
寺田製作所製熱水シャワーカフェイン低減装置を用い、摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産1番茶)に、約95℃の熱水シャワーを約2分あて、低カフェイン処理を施した。その茶葉を、荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度110℃、乾燥時間20分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉10g、90℃の熱水1L、抽出時間6分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、その濾液を、SA1連続遠心分離機(ウエストファリアー社製)を用いて流速300L/h、回転数10000rpm、遠心沈降液面積(Σ)1000m2の条件にて遠心分離し、抽出液Hを得た。
上記各抽出液の1/10量を量り取り、アスコルビン酸を400ppm添加した後、重曹を添加してpH6.2に調整し、イオン交換水を加えて全量を100mlに調整し、この液を耐熱性の透明容器(ビン)に充填して蓋をし、30秒間転倒殺菌し、レトルト殺菌F0値9以上(121℃、9分)を行い、直ちに20℃まで冷却した溶液を測定し、各抽出液の成分を分析した。
その分析結果を下記表1に示す。なお測定方法は下記に示すのと同様である。
抽出液A~Hを、以下の表2に示す割合で配合し、アスコルビン酸を400ppm添加した後、重曹を添加してpHを適宜調整し、イオン交換水を加えて全量を1000mlに調整し、この液を耐熱性の透明容器(ビン)に充填して蓋をし、30秒間転倒殺菌し、レトルト殺菌F0値9以上(121℃、9分)を行い、直ちに20℃まで冷却して実施例1~6及び比較例1~4の緑茶飲料を作製した。
実施例1~6及び比較例1~4の緑茶飲料の成分及びpHを以下に示したとおり測定した。その結果を下記表3に示す。
カラム:Dionex社製Carbopack PA1 φ4.6×250mm
カラム温度:30℃
移動相:A相 200mM NaOH
:B相 1000mM Sodium Acetate
:C相 超純水
流速:1.0mL/min
注入量:50μL
検出:Dionex社製ED50 金電極
カラム:waters社製 Xbridge shield RP18 φ3.5×150mm
カラム温度:40℃
移動相:A相 水
:B相 アセトニトリル
:C相 1%リン酸
流速:0.5mL/min
注入量:5μL
検出:waters社製UV検出器 UV230nm
実施例1~6及び比較例1~4の緑茶飲料を用い、香り(口に広がる香り、喉越しに残る香り)、味(飲み応え(コク)、旨味)、嗜好性(香りと味のバランス)について評価した。
実施例1~6及び比較例1~4の緑茶飲料(温度25℃)を、5人の熟練した審査官に試飲してもらい、以下の評価で点数を付け、5人の平均点が3.5以上を「◎」、3以上3.5未満を「○」、2以上3未満を「△」、1以上2未満を「×」として評価した。これらの結果を、上記表3に示す。
<口に広がる香り>
特に強い=4
強い=3
普通=2
弱い=1
<喉越しに残る香り>
特に強い=4
強い=3
普通=2
弱い=1
<飲み応え(コク)>
濃度が強い=4
濃度がある=3
濃度がわずかにある=2
淡白=1
<旨味>
特に強い=4
強い=3
普通=2
弱い=1
<嗜好性(香りと味のバランス)>
すごく好き=4
好き=3
普通=2
嫌い=1
上記評価試験の平均点を算出し、平均点が3.5以上を「◎」、3以上3.5未満を「○」、2以上3未満を「△」、1以上2未満を「×」として総合評価した。
実施例1~6は、いずれも総合評価「○」以上の評価であり好適な結果が得られた。
一方、比較例1~4は「△」の評価であり、好ましくない結果であった。
比較例1,4の結果から、エステル型カテキン/糖類の値が低く又は高くなると、コクが乏しくなり香りと味のバランスも崩れ全体的に官能評価が悪くなることが確認された。
比較例3の結果から、テアニン/カフェイン×100の値が低くなると、旨味が弱く、コクや喉越しに残る香りが弱く全体的に官能評価が悪くなることが確認された。
これら結果から、カフェインの濃度が90ppm以下であり、還元糖と非還元糖とを合わせた糖類の濃度が150ppm~500ppmであり、還元糖の濃度に対する非還元糖の濃度の比率(非還元糖/還元糖)が2.0~13.0であり、前記糖類の濃度に対するエステル型カテキンの濃度の比率(エステル型カテキン/糖類)が0.9~2.2であり、カフェインの濃度に対するテアニンの濃度の百分率((テアニン/カフェイン)×100)が10.0以上であると、香り(口に広がる香り、喉越しに残る香り)、味(飲み応え(コク)、旨味)、嗜好性(香りと味のバランス)が良好になる範囲であると想定され、これらがこの範囲にある緑茶飲料は、甘香があり、甘味と旨味のコクが残るものになることが見出せた。
上記実施例1,3,5,6の緑茶飲料を用いて下記評価試験を行った。
実施例1,3,5,6の緑茶飲料を冷蔵庫で5℃に冷やした。この緑茶飲料を5人の熟練した審査官に、試飲してもらい、上記と同様の評価をした。これらの結果を、下記表4に示す。
実施例3は、「◎」の評価であり好適な結果が得られた。
一方、実施例6は「△」の評価であり、やや劣る結果であった。
テアニンの濃度が一番高い実施例3の総合評価がよく、テアニンの濃度が一番低い実施例6の総合評価がやや劣ることが確認された。
この結果から、テアニンの濃度が8ppm以上であると、冷えた状態でもおいしく飲用できる、カフェイン量を低減した緑茶飲料になることが見出せた。
Claims (4)
- カフェインの濃度が90ppm以下であり、還元糖と非還元糖とを合わせた糖類の濃度が150ppm~500ppmであり、還元糖の濃度に対する非還元糖の濃度の比率(非還元糖/還元糖)が2.0~13.0であり、前記糖類の濃度に対するエステル型カテキンの濃度の比率(エステル型カテキン/糖類)が0.9~2.2であり、カフェインの濃度に対するテアニンの濃度の百分率((テアニン/カフェイン)×100)が10.0以上である容器詰緑茶飲料。
- テアニンの濃度が8ppm以上である請求項1に記載の容器詰緑茶飲料。
- 緑茶飲料中のカフェインの濃度を90ppm以下に調整し、還元糖と非還元糖とを合わせた糖類の濃度を150ppm~500ppmに調整し、還元糖の濃度に対する非還元糖の濃度の比率(非還元糖/還元糖)を2.0~13.0に調整し、前記糖類の濃度に対するエステル型カテキンの濃度の比率(エステル型カテキン/糖類)を0.9~2.2に調整し、且つ、カフェインの濃度に対するテアニンの濃度の百分率((テアニン/カフェイン)×100)を10.0以上に調整することを特徴とする、容器詰緑茶飲料の製造方法。
- 緑茶飲料中のカフェインの濃度を90ppm以下に調整し、還元糖と非還元糖とを合わせた糖類の濃度を150ppm~500ppmに調整し、還元糖の濃度に対する非還元糖の濃度の比率(非還元糖/還元糖)を2.0~13.0に調整し、前記糖類の濃度に対するエステル型カテキンの濃度の比率(エステル型カテキン/糖類)を0.9~2.2に調整し、且つ、カフェインの濃度に対するテアニンの濃度の百分率((テアニン/カフェイン)×100)を10.0以上に調整することを特徴とする、容器詰緑茶飲料の香味改善方法。
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