JP5439566B1 - 容器詰緑茶飲料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷やして飲用する場合、とりわけ開栓後に時間が経過して液温が上昇してぬるくなった場合であっても、喉越しの良さと味の余韻を備えた容器詰緑茶飲料を提供する。
【解決手段】原料の乾燥(火入)加工や抽出液の濾過により、緑茶飲料における、茶抽出液中の90積算質量%の粒子径(D90)を3μm〜60μmに調整し、且つ糖酸味度比を0.12〜0.43に調整した容器詰緑茶飲料とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、冷やして飲用する場合、とりわけ開栓後に時間が経過して液温が上昇してぬるくなった場合であっても、喉越しの良さと味の余韻を備えた容器詰緑茶飲料及びその製造方法並びに緑茶飲料の香味保持方法に関する。
緑茶を急須で出して飲用するという従来の緑茶の飲用形態とは異なり、緑茶抽出液を容器詰めしてすぐに飲用できる形態のいわゆる容器詰緑茶飲料が広く普及するようになっている。
これに伴い、容器詰緑茶飲料に対する消費者ニーズが多様化するようになってきた。また、容器詰緑茶飲料の飲用シーンも多様化しており、緑茶を急須で出して飲用する場合に想定される熱いお茶ではなく、冷蔵保存したものをそのまま飲用する機会も増加しており、特に夏場の暑い時期には好評を得ている。
冷やして飲用する容器詰緑茶飲料は、従来の熱いままで飲用する緑茶抽出液とは異なり止渇性に優れているものの、緑茶が本来有する喉越しの良さと味の余韻が弱く感じられ、とりわけ茶飲料を口に含んだ際に感じる含み香、味の余韻、厚み、滋味そして喉越しに物足りなさを感じる場合もあった。
特に、緑茶飲料は味や香りがデリケートであるため、冷やして飲む容器詰緑茶飲料において緑茶が本来有する味や香りを感じられるように設計することについては、他の容器詰飲料と比較してとりわけ技術的にハードルが極めて高かった。
さらに、上記のような容器詰緑茶飲料に特有の技術的課題に加えて、仕事や勉強などの作業中に冷やした容器詰緑茶飲料を少量ずつ長時間かけて飲用するというこれまでにない飲用シーンが、若年層を中心に増えてきている(いわゆる「ちびだら飲み」)。このような飲用シーンにおいては、冷やした容器詰緑茶飲料は時間の経過に伴い徐々にぬるくなるが、かかる温度変化により緑茶飲料が本来有する含み香、味の余韻、厚み、滋味そして喉越しが低下することにより、全体としてのバランスが悪くなってくることがあるという新たな技術課題も新たに生じてくるようになった。
かかる飲用シーンの多様化や緑茶特有の技術的課題を解決するために、様々な試みがなされている。例えば、特許文献1には、単糖の濃度と二糖の濃度とを合わせた糖類濃度が100ppm〜300ppmであり、単糖の濃度に対する二糖の濃度の比率(二糖/単糖)が10〜28である容器詰緑茶飲料を提供することにより、火香(こうばしい香り)が強く、薄い味ではなく、しかもさっぱりとした後味を備えており、冷めた状態でもおいしく飲用できる緑茶飲料が開示されている。
また、特許文献2には、単糖と二糖とを合わせた糖類の濃度が150ppm〜500ppmであり、単糖の濃度に対する二糖の濃度の比率(二糖/単糖)が2.0〜8.0であり、前記糖類の濃度に対する電子局在カテキンの濃度の比率(電子局在カテキン/糖類)が1.8〜4.0であり、ゲラニオールに対するフルフラールの含有比(フルフラール/ゲラニオール)が0.5〜3.0である容器詰緑茶飲料を提供することにより、口の中に香りが広がるとともに余韻が残り、しかも味にコク・濃度感を備えており、冷めた状態でも香り立ちのある、新たな容器詰緑茶飲料が開示されている。
しかし、特許文献1、2は、冷やして飲用する場合、とりわけ開栓後に時間が経過して液温が上昇してぬるくなった場合であっても、喉越しの良さと味の余韻を備えた容器詰緑茶飲料を解決課題として研究されたものではなく、また、前記特許文献以外でもかかる特性を有する容器詰緑茶飲料を開発するという技術課題について認識されておらず、さらにはかかる技術課題を解決するための方法についての具体的な提案はこれまでに殆んどされていなかった。
特許第4843118号公報 特許第4843119号公報
本発明は、上記先行技術文献の知見を活かしながらも、これまでにない技術課題、すなわち、冷やして飲用する場合、とりわけ開栓後に時間が経過して液温が上昇してぬるくなった場合であっても、喉越しの良さと味の余韻を備えた容器詰緑茶飲料及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、茶抽出液中の90積算質量%の粒子径(D90)と、糖酸味度比との関係性に着目し、茶抽出液中の90積算質量%の粒子径(D90)を3μm〜60μmに調整し、且つ糖酸味度比を0.12〜0.43に調整することにより、上記の技術課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1) 茶抽出液中の90積算質量%の粒子径(D90)が3μm〜60μmであり、且つ糖酸味度比が0.12〜0.43であることを特徴とする容器詰緑茶飲料、
(2) 単糖の濃度と二糖の濃度とを合わせた糖類濃度が87ppm〜380ppmであることを特徴とする(1)記載の容器詰緑茶飲料、
(3) 単糖の濃度と二糖の濃度とを合わせた糖類濃度における二糖の濃度の重量比率(二糖/単糖+二糖)が、0.69〜0.92であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の容器詰緑茶飲料、
(4) 酸味度の合計値が、600ppm〜840ppmであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の容器詰緑茶飲料、
(5) 電子局在カテキン濃度が250ppm〜550ppmであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の容器詰緑茶飲料、
(6) カフェイン濃度が200ppm未満であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の容器詰緑茶飲料、
(7) 平均粒子径が1μm以上の粒子を含有することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の容器詰緑茶飲料、
(8) 透視度が4度〜12度であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の容器詰緑茶飲料、
(9) 茶抽出液中の90積算質量%の粒子径(D90)を3μm〜60μmに調整する工程と、糖酸味度比を0.12〜0.43に調整する工程とを含むことを特徴とする容器詰緑茶飲料の製造方法、
(10)茶抽出液中の90積算質量%の粒子径(D90)を3μm〜60μmに調整し、且つ糖酸味度比を0.12〜0.43に調整することを特徴とする緑茶飲料の呈味改善方法、
に関する。
本発明により、冷やして飲用する場合、とりわけ開栓後に時間が経過して液温が上昇してぬるくなった場合であっても、喉越しの良さと味の余韻を備えた容器詰緑茶飲料が得られる。
本発明の容器詰緑茶飲料は、茶抽出液中の90積算質量%の粒子径(D90)が3μm〜60μmであり、且つ糖酸味度比が0.12〜0.43であることを特徴とする容器詰緑茶飲料であることを特徴とする。
本発明の容器詰緑茶飲料は、緑茶を抽出して得られた抽出液を主成分とする液体を容器に充填してなる飲料であり、例えば緑茶を抽出して得られた抽出液のみからなる液体、或いは当該抽出液を希釈した液体、或いは抽出液どうしを混合した液体、或いはこれら前記何れかの液体に添加物を加えた液体、或いはこれら前記何れかの液体を乾燥したものを分散させてなる液体などを挙げることができる。
「主成分」とは、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含する。この際、当該主成分の含有割合を特定するものではないが、緑茶を抽出して得られた抽出液乃至抽出物が、固形分濃度として、飲料中の50質量%以上、特に70質量%以上、中でも特に80質量%以上(100%含む)を占めるのが好ましい。
茶葉原料
本発明における緑茶飲料の原料茶葉は、緑茶の種類を特に制限するものではない。例えば蒸し茶、煎茶、玉露、抹茶、番茶、玉緑茶、釜炒り茶、中国緑茶など、不発酵茶に分類される茶を広く包含し、これら2種類以上をブレンドしたものも包含する。また、玄米などの穀物、ジャスミンなどのフレーバー等を添加してもよい。
90積算質量%の粒子径(D90)
本発明における緑茶飲料の90積算質量%の粒子径(D90)は、3μm〜60μmであるのが好ましく、3μm〜50μmであるのがより好ましく、3μm〜40μmであるのがさらに好ましく、3μm〜30μmであるのが最も好ましい。緑茶飲料の90積算質量%の粒子径(D90)を上記範囲に調整すれば、糖酸味度比等の他の調整要素と相俟って、冷やして飲用する場合でも舌触りによる食感により濃厚な厚みと甘味を兼ね備えることができる。
緑茶飲料における90積算質量%の粒子径(D90)を上記範囲に調整するには、原料に乾燥(火入)加工を施すことや抽出液を濾過することなどにより調整することができる。濾過としては、限外濾過、微細濾過、精密濾過、逆浸透膜濾過、電気透析、生物機能性膜などの膜濾過、多孔質媒体を用いた濾滓濾過などを挙げることができる。中でも生産性と粒子径調整の観点から、シリカ分を多く含んだ濾剤又は珪藻土などの多孔質媒体のどちらか一方又は両方を用いた濾滓濾過によって調整することが好ましい。
なお、緑茶飲料の90積算質量%の粒子径(D90)は、例えば市販のレーザー回析式粒度分布測定装置等により測定することができる。
糖酸味度比
本発明において「糖酸味度比」とは、酸味度に対する、糖類濃度(単糖濃度+二糖濃度(ppm))であらわされる。
糖酸味度比=糖類濃度(ppm)/酸味度(ppm)
なお、「酸味度」とは、ビタミンC濃度(ppm)をクエン酸換算した酸度(ppm)と渋味成分であるタンニンの割合を加算した値であり、次の式により求められる。
酸味度(ppm)=ビタミンC量(ppm)×0.365+タンニン量(ppm)
本発明における緑茶飲料の糖酸味度比は0.12〜0.43であるのが好ましく、0.13〜0.39であるのがより好ましく、0.14〜0.37であるのがさらに好ましく、0.15〜0.35であるのが最も好ましい。緑茶飲料の糖酸味度比を上記範囲に調整すれば、90積算質量%の粒子径(D90)等の他の調整要素と相俟って、冷やして飲用する場合でも舌触りによる食感により濃厚な厚みと甘味を兼ね備えることができる。
緑茶飲料における糖酸味度比を上記範囲に調整するには、上述のような原料茶の加工方法や抽出液の濾過方法等に加えて、原料茶の種類、茶期、産地の選択や抽出条件、ビタミンCの添加量の調整等により実施することができる。
また、本発明における緑茶飲料の酸味度は、特に限定されないが、600ppm〜840ppmであるのが好ましい。
糖類濃度を上記範囲に調整するには、茶葉の乾燥(火入)加工や抽出を適宜条件にして調整することができる。例えば、茶葉の乾燥(火入)加工を強くすると糖類は分解されて減少し、また、高温で長時間抽出すると糖類は分解されて減少する。しかるに、茶葉の乾燥(火入)条件と、抽出条件により、糖類濃度を調整することができる。
この際、糖類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料本来の香味バランスが崩れるおそれがあるため、糖を添加することなく、茶抽出液を得るための条件を調整する他、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
また、タンニン量については、例えば茶期が遅い原料茶葉の配合割合を高めればタンニン量が増加することができ(例えば「茶葉化学成分の環境による変異について(第2報)」、『農化』、第27巻)、また、茶抽出液を得るときの抽出条件や、得られた複数種類の抽出液の混合割合を調整することによりタンニン量を調整することができる。
この際、タンニンを別途に添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料本来の香味バランスが崩れるおそれがあるため、タンニンを添加することなく、茶抽出液を得るための条件を調整する他、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
なお、ビタミンCについては、原料茶葉中のビタミンC量を勘案して調整する他、緑茶飲料に添加するビタミンC量を勘案して調整することもできる。
単糖
単糖は、一般式C(HO)で表される炭水化物であり、加水分解によりそれ以上簡単な糖にならないものであり、本発明でいう単糖は、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)を示すものである。
本発明の緑茶飲料の単糖の濃度は、7〜120ppmであるのが好ましく、11〜100ppmがより好ましく、15〜80ppmがさらに好ましく、18〜70ppmが最も好ましい。容器詰緑茶飲料の単糖の濃度が7ppmを下回ると緑茶飲料における厚みが不足してしまう点で好ましくなく、120ppmを上回るとふくみ香が弱くなってしまう点で好ましくない。
二糖
二糖は、一般式C12(HO)11で表される炭水化物であり、加水分解により単糖を生じるものであり、本発明でいう二糖は、スクロース(蔗糖)、セロビオース、マルトース(麦芽糖)を示すものである。
本発明の緑茶飲料の二糖の濃度は、80ppm〜260ppmであるのが好ましく、80ppm〜230ppmがより好ましく、90ppm〜200ppmがさらに好ましく、90ppm〜180ppmが最も好ましい。
糖類濃度
本発明における「単糖の濃度と二糖の濃度とを合わせた糖類濃度」とは、前記単糖の濃度と前記二糖の濃度とを合計したものである。
本発明の緑茶飲料の「単糖の濃度と二糖の濃度とを合わせた糖類濃度」は、87ppm〜380ppmであるのが好ましく、91ppm〜320ppmがより好ましく、105ppm〜280ppmがさらに好ましく、108ppm〜250ppmが最も好ましい。
カテキン類濃度
本発明の緑茶飲料におけるカテキン類濃度は、280ppm〜600ppmであるのが好ましく、290ppm〜580ppmがより好ましく、310ppm〜550ppmがさらに好ましく、330ppm〜500ppmが最も好ましい。容器詰緑茶飲料のカテキン類濃度が280ppmを下回ると甘い火香は強調されるものの新鮮香が弱く過ぎたり、濃度感が十分に得られないなどバランスに影響を与える点で好ましくなく、600ppmを上回ると新鮮香は強調されるものの甘い火香が逆に弱く過ぎたり、苦渋味やエグ味が強調され過ぎてバランスに影響を与える点で好ましくない。
この際、総カテキン類とは、カテキン(C)、ガロカテキン(GC)、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)及びエピガロカテキンガレート(EGCg)の合計8種の意味であり、総カテキン類とは8種類のカテキン濃度の合計値の意味である。
総カテキン類濃度を上記範囲に調整するには、抽出条件で調整するようにすればよい。
この際、カテキン類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
エピ体カテキン類・非エピ体カテキン類
本発明の緑茶飲料におけるカテキン類は、「エピ体カテキン類」すなわち(−)EC、(−)EGC、(−)ECg、(−)EGCgを含んでいてよく、「非エピ体カテキン類」すなわち(−)C、(−)GC、(−)Cg、(−)GCgを含んでいてよい。「非エピ体カテキン類」は、約80℃以上で加熱処理して熱異性化(エピマ−化)を促すことにより得ることができる。本発明の緑茶飲料における「エピ体カテキン類に対する非エピ体カテキン類の比率(非エピ体カテキン類/エピ体カテキン類)」は、0.4〜10.0が好ましく、0.5〜3.0がさらに好ましく、0.6〜1.5が最も好ましい。
電子局在カテキン濃度
本発明の緑茶飲料における電子局在カテキン濃度は、250ppm〜550ppmであるのが好ましく、260ppm〜530ppmがより好ましく、280ppm〜500ppmがさらに好ましく、300ppm〜450ppmが最も好ましい。
本発明でいう「電子局在カテキン」とは、トリオール構造(ベンゼン環にOH基が3基隣り合う構造)を有し、イオン化したときに電荷の局在が起こりやすいと考えられるカテキンであり、具体的には、エピガロカテキンガレート(EGCg)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)、ガロカテキンガレート(GCg)、ガロカテキン(GC)、カテキンガレート(Cg)などがある。
電子局在カテキン濃度を上記範囲に調整するには、抽出条件で調整すればよいが、抽出時間や温度で変化しやすいため、温度が高すぎたり、抽出時間が長すぎたりするのは、飲料の香気保持の面からも好ましくない。この際、電子局在カテキンを添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
糖類濃度に対する電子局在カテキン濃度の比率(電子局在カテキン/糖類)
本発明の緑茶飲料における「糖類濃度に対する電子局在カテキン濃度の比率(電子局在カテキン/糖類)」は1.6〜3.4であるのが好ましく、1.8〜3.2がより好ましく、2.0〜3.0がさらに好ましい。
糖類濃度に対する電子局在カテキン濃度の比率を上記範囲に調整するには、抽出条件で可能であるが、カテキンは高温での抽出率が高まるが、高温状態により糖類は分解しやすい為、抽出時間は短いほうが好ましい。この際、電子局在カテキン及び糖類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
カフェイン濃度
本発明の緑茶飲料におけるカフェイン濃度は、200ppm未満であるのが好ましく、0ppm〜150ppmがより好ましく、0ppm〜120ppmがさらに好ましく、0ppm〜100ppmがさらにまた好ましく、0ppm〜40ppmがよりさらに好ましく、0〜30ppmが最も好ましい。容器詰緑茶飲料のカフェイン濃度が200ppmを上回ると、カフェイン由来の苦味が香りの感じ方と苦味とのバランスに影響を与える点で好ましくない。
カフェイン濃度を上記範囲に調整するには、茶葉に熱湯を吹き付けたり、茶葉を熱湯に浸漬させたりして茶葉中のカフェインを溶出させ、その茶葉を用いて茶抽出液を作製し、これら茶抽出液どうしを混合して調整すればよい。また、抽出液に活性炭や白土等の吸着剤を作用させてカフェインを吸着除去してもよい。
カフェイン濃度に対する総カテキン類濃度の比率(総カテキン/カフェイン)
本発明における「カフェイン濃度に対する総カテキン類濃度の比率(総カテキン/カフェイン)」は、1.4〜660であるのが好ましく、2.0〜350がより好ましく、4.0〜200が最も好ましい。容器詰緑茶飲料のカフェイン濃度に対する総カテキン類濃度の比率(総カテキン/カフェイン)が1.4を下回ると厚み・濃度感に対して苦味が際立ち過ぎてバランスを崩す点で好ましくなく、660を上回ると厚み・濃度感に対して渋味が際立ち過ぎてバランスを崩す点で好ましくない。
カフェイン濃度に対する総カテキン類濃度の比率を上記範囲に調整するには、上記したカフェイン低減処理、茶葉量、抽出温度により調整できる。総カテキン類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
透視度
本発明において透視度とは緑茶飲料の水色の濁り度合を示す指標であり、本発明における緑茶飲料の透視度は4度〜12度が好ましい。本発明において透視度とは、JIS(日本工業規格)K0102の9の方法に準拠して測定するものであり、具体的には、10mmごとに目盛を施した下口付きのガラス製のシリンダーであって底部に二重十字を記した標識板を備えた透視度計に試料液を満たし、上部から底部を透視し、標識板の二重十字が初めて明らかに識別できるまで、下口から試料を速やかに流出させたときの水面の目盛を読むものである。本発明においては、これを2回繰り返し、平均値を求め、透視度として度(10mmを1度)で表すものとする。
pH
本発明の緑茶飲料のpHは、20℃で6.0〜6.5であることが好ましい。本容器詰緑茶飲料のpHは6.0〜6.4であるのがより好ましく、中でも特に6.1〜6.3であるのがさらに好ましい。
各成分の測定方法
上記したカテキン類、電子局在カテキン類、カフェインの濃度は、高速液体クロマトグラム(HPLC)などを用い、検量線法などによって測定することができる。
容器
本発明の緑茶飲料を充填する容器は、特に限定するものではなく、例えばプラスチック製ボトル(所謂ペットボトル)、スチール、アルミなどの金属缶、ビン、紙容器などを用いることができ、特に、ペットボトルなどの透明容器等を好ましく用いることができる。
製造方法
本発明の緑茶飲料は、例えば、茶葉原料の選定と共に、茶葉の乾燥(火入)加工や抽出の条件を適宜調整して、茶抽出液中の90積算質量%の粒子径(D90)を3μm〜60μmに調整し、且つ糖酸味度比を0.12〜0.43に調整することにより製造することができる。例えば、茶葉を250℃〜260℃で乾燥(火入)加工し、その茶葉を高温短時間で抽出した抽出液と、従来一般的な緑茶抽出液、すなわち茶葉を90℃〜100℃で乾燥(火入)加工し、その茶葉を低温長時間で抽出した抽出液とを用意し、これらを適宜割合で配合することにより、本容器詰緑茶飲料を製造することができる。また、抽出液を適宜条件調整した遠心分離処理することにより、本容器詰緑茶飲料を製造することができる。また、粉砕茶葉混濁液を適宜条件調整した遠心分離処理し、抽出液と適宜割合で混合することにより本容器詰緑茶飲料を製造することができる。但し、このような製造方法に限定されるものではない。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、以下に記載の実施例に限定されるものではない。
(緑茶葉抽出液A)
抽出液用緑茶葉(やぶきた種、静岡県産秋冬番茶、荒茶)20gを700mLの熱水(80℃)で6分間抽出後、遠心分離機(ウエストファリア社製SA1連続遠心分離機)を用いて流速300L/hr、回転数10000rpm、遠心沈降面積(Σ)1000mで処理し、水で700mlにメスアップすることにより緑茶葉抽出液Aを得た。
(緑茶葉抽出液B)
回転ドラム型火入機にて285℃で8分間火入加工した抽出液用緑茶葉(やぶきた種、静岡県産二番茶深蒸し、荒茶)14gを700mLの熱水(60℃)で6分間抽出後、遠心分離機(ウエストファリア社製SA1連続遠心分離機)を用いて流速300L/hr、回転数10000rpm、遠心沈降面積(Σ)1000mで処理し、水で700mlにメスアップすることにより緑茶葉抽出液Bを得た。
(混濁液用粉砕茶C)
緑茶葉(さみどり種、愛知県産一番茶、碾茶)200kgを、ボールミル粉砕(マキノ社製BM−400)に投入して粉砕処理することにより混濁液用粉砕茶Cを得た。
(混濁液用粉砕茶D)
緑茶葉(さみどり種、愛知県産一番茶、碾茶)を、処理量10kg/時間、吐出圧力0.9MPaの条件によりジェットミル粉砕(日本乾溜工業社製437型)することにより、混濁液用粉砕茶を得た。
(粉砕茶葉混濁液A)
0.20gの混濁液用粉砕茶Cを300mLの水に高速ホモジナイザーで分散し、目開80μ試験用ふるい(ナイロン製)で自重濾過し、水で700mlにメスアップすることにより粉砕茶葉混濁液Aを得た。この粉砕茶葉混濁液Aの透視度は2.3度であった。
(粉砕茶葉混濁液B)
0.22gの混濁液用粉砕茶Cを300mLの水に高速ホモジナイザーで分散し、目開60μ試験用ふるい(ナイロン製)で自重濾過し、水で700mlにメスアップすることにより粉砕茶葉混濁液Bを得た。この粉砕茶葉混濁液Bの透視度は2.4度であった。
(粉砕茶葉混濁液C)
0.27gの混濁液用粉砕茶Cを300mLの水に高速ホモジナイザーで分散し、目開40μ試験用ふるい(ナイロン製)で自重濾過し、水で700mlにメスアップすることにより粉砕茶葉混濁液Cを得た。この粉砕茶葉混濁液Cの透視度は2.5度であった。
(粉砕茶葉混濁液D)
0.43gの混濁液用粉砕茶Cを300mLの水に高速ホモジナイザーで分散し、目開30μ試験用ふるい(ナイロン製)で自重濾過し、水で700mlにメスアップすることにより粉砕茶葉混濁液Dを得た。この粉砕茶葉混濁液Dの透視度は1.8度であった。
0.67gの混濁液用粉砕茶Dを300mLの水に高速ホモジナイザーで分散し、目開5μ試験用ふるい(ナイロン製)で自重濾過し、水で700mlにメスアップすることにより粉砕茶葉混濁液Eを得た。この粉砕茶葉混濁液Eの透視度は2.3度であった。
(粉砕茶葉混濁液F)
23gの混濁液用粉砕茶Dを300mLの水に高速ホモジナイザーで分散し、目開2μ試験用ふるい(ナイロン製)で自重濾過し、水で700mlにメスアップすることにより粉砕茶葉混濁液Fを得た。この粉砕茶葉混濁液Fの透視度は5.2度であった。
(実施品1)
緑茶葉抽出液A、B混合液(緑茶葉抽出液A:緑茶葉抽出液Bの配合割合(重量比)が38:62)700ml、および粉砕茶葉混濁液A、D混合液(粉砕茶葉混濁液Aを208ml、粉砕茶葉混濁液Dを201ml混合)409mlを配合し(緑茶抽出液A、B混合液と粉砕茶葉混濁液A、D混合液の配合量は目標透視度が6.0度となるよう配合し)、最終濃度が31.1mg%となるようにビタミンCを配合した。得られた混合液に重曹を加えてpH調整を行い、純水を用いて2000mLにメスアップした。次に、得られた混合液をUHT殺菌(135℃、30秒)し、プレート内で85℃に冷却してから透明プラスチック容器(PETボトル)に充填し、直ちに20℃まで冷却することにより容器詰緑茶飲料(実施品1)を得た。
(実施品2)
緑茶葉抽出液A、B混合液(緑茶葉抽出液A:緑茶葉抽出液Bの配合割合(重量比)が3:97)700ml、および粉砕茶葉混濁液A、F混合液(粉砕茶葉混濁液Aを83ml、粉砕茶葉混濁液Fを282ml混合)365mlを配合し(緑茶抽出液A、B混合液と粉砕茶葉混濁液A、F混合液の配合量は目標透視度が12.0度となるよう配合し)、最終濃度が55.5mg%となるようにビタミンCを配合した。得られた混合液に重曹を加えてpH調整を行い、純水を用いて2000mLにメスアップした。次に、得られた混合液をUHT殺菌(135℃、30秒)し、プレート内で85℃に冷却してから透明プラスチック容器(PETボトル)に充填、直ちに20℃まで冷却することにより容器詰緑茶飲料(実施品2)を得た。
(実施品3)
緑茶葉抽出液A、B混合液(緑茶葉抽出液A:緑茶葉抽出液Bの配合割合(重量比)が31:69)700ml、および粉砕茶葉混濁液E700mlを配合し(緑茶抽出液A、B混合液と粉砕茶葉混濁液Eの配合量は目標透視度が6.0度となるよう配合し)、最終濃度が42.2mg%となるようにビタミンCを配合した。得られた混合液に重曹を加えてpH調整を行い、純水を用いて2000mLにメスアップした。次に、得られた混合液をUHT殺菌(135℃、30秒)し、プレート内で85℃に冷却してから透明プラスチック容器(PETボトル)に充填し、直ちに20℃まで冷却することにより容器詰緑茶飲料(実施品3)を得た。
(実施品4)
緑茶葉抽出液A、B混合液(緑茶葉抽出液A:緑茶葉抽出液Bの配合割合(重量比)が5:95)700ml、および粉砕茶葉混濁液Eを実施品3に準じて目標透視度が6.0度となるよう配合し、最終濃度が49.2mg%となるようにビタミンCを配合した。得られた混合液に重曹を加えてpH調整を行い、純水を用いて2000mLにメスアップした。次に、得られた混合液をUHT殺菌(135℃、30秒)し、プレート内で85℃に冷却してから透明プラスチック容器(PETボトル)に充填し、直ちに20℃まで冷却することにより容器詰緑茶飲料(実施品4)を得た。
(実施品5)
緑茶葉抽出液A、B混合液(緑茶葉抽出液A:緑茶葉抽出液Bの配合割合(重量比)が15:85)700ml、および粉砕茶葉混濁液Dを実施品3に準じて目標透視度が6.0度となるよう配合し、最終濃度が22.3mg%となるようにビタミンCを配合した。得られた混合液に重曹を加えてpH調整を行い、純水を用いて2000mLにメスアップした。次に、得られた混合液をUHT殺菌(135℃、30秒)し、プレート内で85℃に冷却してから透明プラスチック容器(PETボトル)に充填し、直ちに20℃まで冷却することにより容器詰緑茶飲料(実施品5)を得た。
(実施品6)
緑茶葉抽出液A、B混合液(緑茶葉抽出液A:緑茶葉抽出液Bの配合割合(重量比)が6:94)700ml、および粉砕茶葉混濁液Dを実施品3に準じて目標透視度が6.0度となるよう配合し、最終濃度が30.2mg%となるようにビタミンCを配合した。得られた混合液に重曹を加えてpH調整を行い、純水を用いて2000mLにメスアップした。次に、得られた混合液をUHT殺菌(135℃、30秒)し、プレート内で85℃に冷却してから透明プラスチック容器(PETボトル)に充填し、直ちに20℃まで冷却することにより容器詰緑茶飲料(実施品6)を得た。
(実施品7)
緑茶葉抽出液A、B混合液(緑茶葉抽出液A:緑茶葉抽出液Bの配合割合(重量比)が6:94)700ml、および粉砕茶葉混濁液Dを実施品3に準じて目標透視度が9.0度となるよう配合し、最終濃度が40.0mg%となるようにビタミンCを配合した。得られた混合液に重曹を加えてpH調整を行い、純水を用いて2000mLにメスアップした。次に、得られた混合液をUHT殺菌(135℃、30秒)し、プレート内で85℃に冷却してから透明プラスチック容器(PETボトル)に充填し、直ちに20℃まで冷却することにより容器詰緑茶飲料(実施品7)を得た。
(実施品8)
緑茶葉抽出液A、B混合液(緑茶葉抽出液A:緑茶葉抽出液Bの配合割合(重量比)が6:94)700ml、および粉砕茶葉混濁液Dを実施品3に準じて目標透視度が4.0度となるよう配合し、最終濃度が37.2mg%となるようにビタミンCを配合した。得られた混合液に重曹を加えてpH調整を行い、純水を用いて2000mLにメスアップした。次に、得られた混合液をUHT殺菌(135℃、30秒)し、プレート内で85℃に冷却してから透明プラスチック容器(PETボトル)に充填し、直ちに20℃まで冷却することにより容器詰緑茶飲料(実施品8)を得た。
(実施品9)
緑茶葉抽出液A、B混合液(緑茶葉抽出液A:緑茶葉抽出液Bの配合割合(重量比)が35:65)700ml、および粉砕茶葉混濁液Bを実施品3に準じて目標透視度が6.0度となるよう配合し、最終濃度が28.8mg%となるようにビタミンCを配合した。得られた混合液に重曹を加えてpH調整を行い、純水を用いて2000mLにメスアップした。次に、得られた混合液をUHT殺菌(135℃、30秒)し、プレート内で85℃に冷却してから透明プラスチック容器(PETボトル)に充填、直ちに20℃まで冷却することにより容器詰緑茶飲料(実施品9)を得た。
(実施品10)
緑茶葉抽出液A、B混合液(緑茶葉抽出液A:緑茶葉抽出液Bの配合割合(重量比)が2:98)700ml、および粉砕茶葉混濁液Bを実施品3に準じて目標透視度が6.0度となるよう配合し、最終濃度が30.1mg%となるようにビタミンCを配合した。得られた混合液に重曹を加えてpH調整を行い、純水を用いて2000mLにメスアップした。次に、得られた混合液をUHT殺菌(135℃、30秒)し、プレート内で85℃に冷却してから透明プラスチック容器(PETボトル)に充填し、直ちに20℃まで冷却することにより容器詰緑茶飲料(実施品10)を得た。
(比較品1)
緑茶葉抽出液A、B混合液(緑茶葉抽出液A:緑茶葉抽出液Bの配合割合(重量比)が50:50)700ml、および粉砕茶葉混濁液Cを実施品3に準じて目標透視度が6.0度となるよう配合し、最終濃度が33.3mg%となるようにビタミンCを配合した。得られた混合液に重曹を加えてpH調整を行い、純水を用いて2000mLにメスアップした。次に、得られた混合液をUHT殺菌(135℃、30秒)し、プレート内で85℃に冷却してから透明プラスチック容器(PETボトル)に充填し、直ちに20℃まで冷却することにより容器詰緑茶飲料(比較品1)を得た。
(比較品2)
緑茶葉抽出液A、B混合液(緑茶葉抽出液A:緑茶葉抽出液Bの配合割合(重量比)が0:100)700ml、および粉砕茶葉混濁液Cを実施品3に準じて目標透視度が6.0度となるよう配合し、最終濃度が65.4mg%となるようにビタミンCを配合した。得られた混合液に重曹を加えてpH調整を行い、純水を用いて2000mLにメスアップした。次に、得られた混合液をUHT殺菌(135℃、30秒)し、プレート内で85℃に冷却してから透明プラスチック容器(PETボトル)に充填し、直ちに20℃まで冷却することにより容器詰緑茶飲料(比較品2)を得た。
(比較品3)
緑茶葉抽出液A、B混合液(緑茶葉抽出液A:緑茶葉抽出液Bの配合割合(重量比)が48:52)700ml、および粉砕茶葉混濁液Eを実施品3に準じて目標透視度が6.0度となるよう配合し、最終濃度が20.2mg%となるようにビタミンCを配合した。得られた混合液に重曹を加えてpH調整を行い、純水を用いて2000mLにメスアップした。次に、得られた混合液をUHT殺菌(135℃、30秒)し、プレート内で85℃に冷却してから透明プラスチック容器(PETボトル)に充填し、直ちに20℃まで冷却することにより容器詰緑茶飲料(比較品3)を得た。
(比較品4)
緑茶葉抽出液A、B混合液(緑茶葉抽出液A:緑茶葉抽出液Bの配合割合(重量比)が1:99)700ml、および粉砕茶葉混濁液Eを実施品3に準じて目標透視度が6.0度となるよう配合し、最終濃度が60mg%となるようにビタミンCを配合した。得られた混合液に重曹を加えてpH調整を行い、純水を用いて2000mLにメスアップした。次に、得られた混合液をUHT殺菌(135℃、30秒)し、プレート内で85℃に冷却してから透明プラスチック容器(PETボトル)に充填し、直ちに20℃まで冷却することにより容器詰緑茶飲料(比較品4)を得た。
(比較品5)
緑茶葉抽出液A、B混合液(緑茶葉抽出液A:緑茶葉抽出液Bの配合割合(重量比)が38:62)700ml、および粉砕茶葉混濁液Fを実施品3に準じて目標透視度が20.0度となるよう配合し、最終濃度が39.8mg%となるようにビタミンCを配合した。得られた混合液に重曹を加えてpH調整を行い、純水を用いて2000mLにメスアップした。次に、得られた混合液をUHT殺菌(135℃、30秒)し、プレート内で85℃に冷却してから透明プラスチック容器(PETボトル)に充填し、直ちに20℃まで冷却することにより容器詰緑茶飲料(比較品5)を得た。
(比較品6)
緑茶葉抽出液A、B混合液(緑茶葉抽出液A:緑茶葉抽出液Bの配合割合(重量比)が3:97)700ml、および粉砕茶葉混濁液Fを実施品3に準じて目標透視度が20.0度となるよう配合し、最終濃度が42.7mg%となるようにビタミンCを配合した。得られた混合液に重曹を加えてpH調整を行い、純水を用いて2000mLにメスアップした。次に、得られた混合液をUHT殺菌(135℃、30秒)し、プレート内で85℃に冷却してから透明プラスチック容器(PETボトル)に充填し、直ちに20℃まで冷却することにより容器詰緑茶飲料(比較品6)を得た。
(比較品7)
緑茶葉抽出液A、B混合液(緑茶葉抽出液A:緑茶葉抽出液Bの配合割合(重量比)が2:98)700ml、および粉砕茶葉混濁液Aを実施品3に準じて目標透視度が9.0度となるよう配合し、最終濃度が52.2mg%となるようにビタミンCを配合した。得られた混合液に重曹を加えてpH調整を行い、純水を用いて2000mLにメスアップした。次に、得られた混合液をUHT殺菌(135℃、30秒)し、プレート内で85℃に冷却してから透明プラスチック容器(PETボトル)に充填し、直ちに20℃まで冷却することにより容器詰緑茶飲料(比較品7)を得た。
(比較品8)
緑茶葉抽出液A、B混合液(緑茶葉抽出液A:緑茶葉抽出液Bの配合割合(重量比)が5:95)700ml、および粉砕茶葉混濁液A、B混合液(粉砕茶葉混濁液Aを326ml、粉砕茶葉混濁液Bを163ml混合)489mlを配合し(緑茶抽出液A、B混合液と粉砕茶葉混濁液A、B混合液の配合量は目標透視度が6.0度となるよう配合し)、最終濃度が32.2mg%となるようにビタミンCを配合した。得られた混合液に重曹を加えてpH調整を行い、純水を用いて2000mLにメスアップした。次に、得られた混合液をUHT殺菌(135℃、30秒)し、プレート内で85℃に冷却してから透明プラスチック容器(PETボトル)に充填し、直ちに20℃まで冷却することにより容器詰緑茶飲料(比較品8)を得た。
(評価方法)
実施品1〜10及び比較品1〜8の全てについて、専門のパネリスト10人が、開封直後(5℃)の官能評価(官能評価1)と、開封後に1時間経過した後(20℃静置)の官能評価(官能評価2)と、開封後に4時間経過した後(20℃静置)の官能評価(官能評価3)を実施し、それぞれのサンプルについて4段階評価(1〜4点)をしてその平均値を算出し、良好な評価の順にそれぞれ「◎」(4点)、「○」(3点)、「△」(2点)、「×」(1点)とした。なお、それぞれの官能評価における評価項目は、ふくみ香、味の余韻、厚み、滋味、喉ごしとした。
また、実施品1〜10及び比較品1〜8の全てについて、それぞれのサンプルを20℃で1か月間静置した後の外観ついて、上記と同様の方法により評価した。
さらに、ふくみ香、味の余韻、厚み、滋味、喉ごし、外観などを含めた製品としての容器詰緑茶飲料の適性を、上記と同様の方法により評価することにより「総合評価」をした。
実施品1〜10及び比較品1〜8の配合割合(重量)、各成分の測定結果及び各サンプルの評価結果を表1〜4に示す。
(表1)
Figure 0005439566
(表2)
Figure 0005439566
(表3)
Figure 0005439566
(表4)
Figure 0005439566
(考察)
本発明品1〜10については、開封直後、及び開封後に1時間及び4時間経過した後の評価は、含み香、味の余韻、厚み、滋味の各項目について比較的良好又は極めて良好と評価された項目が多く、ふくみ香、味の余韻、厚み、滋味のバランスに優れており、且つ経時評価について外観も優れている観点から、総合評価においていずれも良好又は極めて良好でありバランスの良い製品を得ることができた。
これに対して、比較品1〜8については、ふくみ香や滋味が不足していたり(比較品1、3、7、8)、味の余韻が致命的に不足していたり(比較品2、4)、喉越しが致命的に不足又は不足していたり(比較品7、8)、厚みと喉越しが十分でなくバランスに欠けるものであり、総合評価において良好とはいえないものであった。

Claims (10)

  1. 茶抽出液中の90積算質量%の粒子径(D90)が3μm〜60μmであり、且つ糖酸味度比が0.12〜0.43であることを特徴とする容器詰緑茶飲料。
  2. 単糖の濃度と二糖の濃度とを合わせた糖類濃度が87ppm〜380ppmであることを特徴とする請求項1記載の容器詰緑茶飲料。
  3. 単糖の濃度と二糖の濃度とを合わせた糖類濃度における二糖の濃度の重量比率(二糖/単糖+二糖)が、0.69〜0.92であることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器詰緑茶飲料。
  4. 酸味度の合計値が、600ppm〜840ppmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器詰緑茶飲料。
  5. 電子局在カテキン濃度が250ppm〜550ppmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の容器詰緑茶飲料。
  6. カフェイン濃度が200ppm未満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の容器詰緑茶飲料。
  7. 平均粒子径が1μm以上の粒子を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の容器詰緑茶飲料。
  8. 透視度が4度〜12度であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の容器詰緑茶飲料。
  9. 茶抽出液中の90積算質量%の粒子径(D90)を3μm〜60μmに調整する工程と、糖酸味度比を0.12〜0.43に調整する工程とを含むことを特徴とする容器詰緑茶飲料の製造方法。
  10. 茶抽出液中の90積算質量%の粒子径(D90)を3μm〜60μmに調整し、且つ糖酸味度比を0.12〜0.43に調整することを特徴とする緑茶飲料の呈味改善方法。
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