JP7109154B2 - 茶飲料、茶飲料のおいしさの向上方法、茶飲料の苦み又は渋みの抑制方法、及び茶飲料の甘さの向上方法 - Google Patents

茶飲料、茶飲料のおいしさの向上方法、茶飲料の苦み又は渋みの抑制方法、及び茶飲料の甘さの向上方法 Download PDF

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Description

本発明は、茶飲料、茶飲料のおいしさの向上方法、茶飲料の苦み又は渋みの抑制方法、及び茶飲料の甘さの向上方法に関する。
茶飲料は、独特の苦み、渋み、えぐみ味などを有し、古くから万人に好まれているが、苦み、渋み、えぐ味などが強すぎると、飲みにくくなってしまう。そこで、近年、苦み、渋み、えぐ味などが抑えられた茶飲料が多数開発されている。
例えば、特許文献1には、デンプン量とβグルカン量とを合わせた多糖類量(mg/100mL)が80~220であり、マルトース量(mg/L)が1.00~4.00であり、麦由来可溶性固形分(%)が0.25~0.70であり、懸濁固形物の平均粒子径が10.0μm未満である容器詰麦茶飲料が開示されている。該特許文献1の麦茶飲料は、えぐ味を感じにくく飲用感が優れるというものである。
特開2013-111030号公報
しかしながら、特許文献1に記載された茶飲料は、苦み及び渋みの抑制、及びおいしさの点では、改善の余地があった。
また、茶飲料には、飲みやすい適度な甘みが求められる場合があるが、特許文献1に記載された茶飲料は、甘みの点においても、十分なものとはいえなかった。
本発明は以上の実情に鑑みてなされたものであり、苦み又は渋みが抑制され、おいしさに優れた茶飲料、茶飲料のおいしさの向上方法、及び茶飲料の苦み又は渋みの抑制方法を提供することを第1の目的とする。また、本発明は、茶飲料の甘さの向上方法を提供することを第2の目的とする。
本発明者らは、飲料中のグルコース単位、可溶性固形分量、ポリフェノール量が所定の関係にあることにより、茶飲料の苦み又は渋みが抑制され、おいしさに優れることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) (A)飲料10mlあたりの全グルコース単位、(B)飲料10mlに対してエタノールを90ml加えた後に、10000rpm、20分の条件で遠心分離を行うことにより得られる沈殿物中のグルコース単位、(C)飲料中の可溶性固形分量(質量%)、及び(D)飲料中のポリフェノール量(質量%)が、以下の(a)及び(b)の条件を満たし、かつ、焙煎麦の抽出液を含む、茶飲料。
(a)[(A)-(B)]/(A)=0.070~0.150
(b)(D)/(C)×100=0.5~2.7
(2) 前記焙煎麦は、全麦の質量に対して90質量%以上の大麦を含む、(1)に記載の茶飲料。
(3) 容器詰めである、(1)又は(2)に記載の茶飲料。
(4) 焙煎麦の抽出液を含む茶飲料において、
(A)飲料10mlあたりの全グルコース単位、(B)飲料10mlに対してエタノールを90ml加えた後に、10000rpm、20分の条件で遠心分離を行うことにより得られる沈殿物中のグルコース単位、(C)飲料中の可溶性固形分量(質量%)、及び(D)飲料中のポリフェノール量(質量%)が、以下の(a)及び(b)の条件を満たすように調製する工程を有する、茶飲料のおいしさの向上方法。
(a)[(A)-(B)]/(A)=0.070~0.150
(b)(D)/(C)×100=0.5~2.7
(5) 焙煎麦の抽出液を含む茶飲料において、
(A)飲料10mlあたりの全グルコース単位、(B)飲料10mlに対してエタノールを90ml加えた後に、10000rpm、20分の条件で遠心分離を行うことにより得られる沈殿物中のグルコース単位、(C)飲料中の可溶性固形分量(質量%)、及び(D)飲料中のポリフェノール量(質量%)が、以下の(a)及び(b)の条件を満たすように調製する工程を有する、茶飲料の苦み又は渋みの抑制方法。
(a)[(A)-(B)]/(A)=0.070~0.150
(b)(D)/(C)×100=0.5~2.7
(6) 焙煎麦の抽出液を含む茶飲料において、
(A)飲料10mlあたりの全グルコース単位、(B)飲料10mlに対してエタノールを90ml加えた後に、10000rpm、20分の条件で遠心分離を行うことにより得られる沈殿物中のグルコース単位、(C)飲料中の可溶性固形分量(質量%)、及び(D)飲料中のポリフェノール量(質量%)が、以下の(c)及び(d)の条件を満たすように調製する工程を有する、茶飲料の甘さの向上方法。
(c)[(A)-(B)]/(A)=0.100~0.125
(d)(D)/(C)×100=1.7~2.1
本発明によれば、苦み又は渋みが抑制され、おいしさに優れた茶飲料、茶飲料のおいしさの向上方法、及び茶飲料の苦み又は渋みの抑制方法を提供することができる。また、本発明によれば、茶飲料の甘さの向上方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されない。
<茶飲料>
本発明の茶飲料は、(A)飲料10mlあたりの全グルコース単位、(B)飲料10mlに対してエタノール90ml加えた後に、10000rpm、20分の条件で遠心分離を行うことにより得られる沈殿物中のグルコース単位、(C)飲料中の可溶性固形分量(質量%)、及び(D)飲料中のポリフェノール量(質量%)が、以下の(a)及び(b)の条件を満たし、かつ、焙煎麦の抽出液を含むものである。
(a)[(A)-(B)]/(A)=0.070~0.150
(b)(D)/(C)×100=0.5~2.7
ここで、「(A)飲料10mlあたりの全グルコース単位」は、次のように測定する。飲料10mlに、グルコアミラーゼ(AMYLOGLUCOSIDASE、Megazyme 日本バイオコン株式会社製)を加えた後、pHが4.0~5.5になるようにリン酸を加えて、37℃にて2時間で保温する。その後、20mlに定容し、濾紙(ADVANTEC No.5B 東洋濾紙株式会社製)にて濾過する。この濾液について、市販のムタロターゼ・グルコースオキシダーゼ法に基づいたグルコース定量用キット(グルコースCII-テストワコー 和光純薬工業株式会社製)を用いて赤色の色素を生成し、この赤色の吸光度を吸光光度計にて測定することにより、グルコース量を求める。
また、「(B)飲料10mlに対してエタノール90ml加えた後に、10000rpm、20分の条件で遠心分離を行うことにより得られる沈殿物中のグルコース単位」は、次のように測定する。飲料10mlに対し、エタノールを90ml加え、遠心分離(10000rpm、20分)処理を行い、上澄み液を廃棄し、測定対象となる沈殿物を得る。この沈殿物に再び蒸留水を適宜加え、3分間煮沸して加熱糊化を行う。これに、グルコアミラーゼ(AMYLOGLUCOSIDASE、Megazyme 日本バイオコン株式会社製)を加えた後、pHが4.0~5.5になるようにリン酸を加えて、37℃にて2時間保温する。その後、10mlに定容し、濾紙(ADVANTEC No.5B 東洋濾紙株式会社製)にて濾過する。この濾液について、市販のムタロターゼ・グルコースオキシダーゼ法に基づいたグルコース定量用キット(グルコースCII-テストワコー 和光純薬工業株式会社製)を用いて赤色の色素を生成し、この赤色の吸光度を吸光光度計にて測定することにより、グルコース量を求める。
沈殿物には、多数のグルコース単位が結合してなる高分子糖と称されるグルコースが多く含まれていると考えられる。一方、上澄み液中には、低分子糖(単糖類又は二糖類)と称されるグルコース単位が多く含まれていると考えられる。[(A)-(B)]/(A)は、おおよそ、全グルコース単位に対する低分子糖の含有比率ということができる。この低分子糖は、茶飲料に甘味とおいしさを付与し、苦味又は渋みを抑制するのに、大きく寄与していると考えられる。
本発明の茶飲料においては、上記(a)[(A)-(B)]/(A)=0.070以上0.150以下、の条件を満たすことにより、低分子糖が苦味又は渋み成分を効果的に抑制していると考えられる。特に、(a)において、[(A)-(B)]/(A)=0.010以上0.125以下、(以下、(c)ということがある)であれば、低分子糖により苦味又は渋みを抑制することができると同時に、さらに低分子糖による甘味を付与し、特においしさに優れた飲料が得られると考えられる。
可溶性固形分量は、屈折計を用いて測定することができ、茶飲料100g中に含まれる可溶性固形分のグラム量であり、一般にBrix値と称される。ポリフェノール量は、フォーリンチオカルト法により測定することができる。フォーリンチオカルト法は、ポリフェノールを含む溶液にフォーリン液を添加し、その後のフェノール性水酸基による呈色を波長725nmでの吸光度を測定することにより、溶液中に含まれる総ポリフェノール量を測定する方法である。
本発明の茶飲料においては、上記(b)(D)/(C)×100=0.5以上2.7以下の条件を満たすことにより、ポリフェノール由来の苦味又は渋みを抑制することができる。特に、(b)において、(D)/(C)×100=1.7以上2.1以下(以下、(d)ということがある)であれば、ポリフェノール由来の苦味又は渋みを抑制すると同時に、甘味をさらに付与することができ、特においしさに優れた飲料が得られる。
また、本発明の茶飲料は、焙煎麦の抽出液を含むものである。焙煎麦の抽出液とは、原料麦を、焙煎処理したものから、水などの抽出溶媒によって抽出された抽出液である。原料麦には、通常の茶飲料として使用される麦類であれば特に限定されず、二条麦、四条麦、六条麦などの大麦、ハト麦などが挙げられ、複数の種類を組み合わせたものであってもよい。一般に、原料麦を焙煎することにより、原料麦に含まれる糖とタンパク質とのメイラード反応が生じやすくなり、香味や褐色が増強され、嗜好性の高い飲料を得ることができる。
特に、焙煎麦として、全麦の質量に対して90質量%以上、好ましくは95質量%、より好ましくは99質量%以上の大麦を含むと、上記条件(a)(b)の条件に調製しやすい。なぜなら、大麦は、デンプン質とタンパク質を含んでおり、これらが焙煎により複雑に作用し、好ましい甘い香味を呈するからである。また、緑茶、ウーロン茶、紅茶などの植物葉の抽出液は、苦味を呈するポリフェノール成分を多く含むが、麦茶(焙煎麦の抽出液)は、ポリフェノールを含有していないため、他の香味に作用されることなく、甘い香味を感じることができる。
茶飲料中の上記(a)(b)の条件は、焙煎麦の焙煎条件や抽出条件を適宜設定することで、上記の範囲に調製できる。また、茶飲料中に低分子糖及び/又はポリフェノールを添加することで、(a)(b)の条件となるように調製してもよい。
(焙煎工程)
焙煎工程では、原料麦を、上記(a)(b)の条件を満たすように焙煎すればよい。例えば、焙煎時間は1分以上120分以下、好ましくは2分以上90分以下、焙煎温度は160℃以上270℃以下、好ましくは190℃以上240℃以下である。これにより、茶飲料を上記(a)(b)の条件に調整しやすくなる。
(蒸らし工程)
また、後述する抽出工程中に蒸らし工程を含んでもよく、含まなくてもよい。蒸らし工程を含むことにより、上記(a)(b)の条件に調整しやすくなる。そのため、例えば、湯(例えば、70~98℃)により、上記焙煎麦を2分以上蒸らすことが好ましい。
(抽出工程)
抽出工程は、抽出槽内において焙煎麦を所定量の部分量の抽出溶媒に浸漬する浸漬工程と、所定量の残量の抽出溶媒を抽出槽内に追加しながら抽出液を回収する回収工程とを有することが、上記(a)(b)の条件に調整できることから好ましい。所定量の抽出溶媒とは、所望の特性を有する茶飲料を製造するために必要となる抽出溶媒の全量を意味し、具体的には浸漬工程及び回収工程で供給する抽出溶媒の和である。抽出溶媒には、例えば水を用いることができ、水は安価、安全で好ましい。
浸漬工程では、焙煎麦中の成分が浸漬されている抽出溶媒へと溶出される。やがて抽出溶媒中の焙煎麦由来の成分の濃度が高まってくると、その成分の溶出速度が遅くなる。よって、回収工程では、所定量の残量の抽出溶媒を所定の流速で抽出槽に追加しながら、抽出槽内の抽出液を回収する。残量の抽出溶媒が新たに追加されることで、抽出槽内の抽出溶媒における焙煎麦中の成分の濃度が低下する。これにより、焙煎麦に残存する成分の溶出が再び促進され、(a)(b)の条件に調整できる。
上述した抽出工程における抽出条件は、溶出される成分の種類や含有比に影響することから、上述した(a)(b)の条件を満たすように適宜設定される。
本発明の茶飲料は、上記のとおり、回収工程において、抽出溶媒を所定の流速で抽出槽に追加しながら抽出槽内の抽出液を回収する。このように抽出溶媒を所定の速度で追加しながら、抽出液を回収する場合、抽出槽内の抽出液の総量は経時的に増加するところ、焙煎麦の質量に対する抽出液全体の質量の割合を調整することで(例えば、焙煎麦の質量に対して、抽出液全体の質量の割合を7~30倍に調整することで)、各種成分の量(例えば、可溶性固形分量など)を調整することができる。これにより、(a)(b)の条件を満たすことができる。焙煎麦に由来する成分のうち、回収工程の早い段階(焙煎麦の質量に対する抽出液全体の質量の割合が小さいとき)で溶出しやすい成分もあれば、持続して溶出しやすい成分もあると考えられる。上述した焙煎麦に由来する低分子糖は、持続して溶出しやすい成分と考えられる。よって、焙煎麦の質量に対する抽出液全体の質量の割合が大きい、例えば10倍以上25倍以内である範囲の抽出液を用いれば、低分子糖の比率が増えるため、(a)(b)の条件を満たすことができ、ポリフェノールなどに由来する苦味又は渋みなどを抑制することができる。
抽出温度は、(a)(b)の条件を満たすように、適宜設定される。例えば、抽出温度は、70℃以上100℃以下、好ましくは90℃以上98℃以下である。
抽出溶媒を追加する際の流速についても、(a)(b)の条件を満たすように、適宜設定される。例えば、1000ml/分~4000ml/分、好ましくは2000ml/分~2500ml/分である。なお、当該流量は、原料3kg使用した場合の望ましい値であり、原料の量に応じて適宜調整することが好ましい。
抽出時のpHについても(a)(b)の条件を満たすように、適宜設定される。例えば、pH4以上pH8以下、好ましくはpH6以上pH8以下である。
抽出溶媒に対して、抽出効率化の目的で、食品添加物のいわゆる炭酸塩、リン酸塩などを適宜添加してもよい。
また、本発明の茶飲料には、例えば、麦類以外の穀物の抽出液や植物葉の抽出液を加えてもよい。穀物としては、玄米などの米類、黒豆などの豆類などが挙げられる。植物葉としては、特に限定されるものではないが、例えば、明日葉、グァバ、柿、笹、クコ、よもぎ、アマチャヅル、桑、杜仲葉、シソ、びわ、大麦若葉、仙草、ドクダミ、オオバコ、ギムネマ、ルイボス、ラフマ、タンポポ、ペパーミント、モロヘイヤ、イチョウ、松葉、蓮、及びオリーブなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これら植物葉は焙煎されたものでもよい。
本発明の茶飲料には、上記以外の従来の公知のいずれの成分を加えてもよい。このような成分としては、例えば、香料、増粘剤、甘味料、乳化剤、機能性成分、保存料、安定剤、酸化防止剤、ビタミン類、ミネラル分、pH調整剤(重層など)などが挙げられる。これらの成分の添加量は、得ようとする効果に応じて適宜調整できる。
本発明の茶飲料の提供形態は、特に限定されないが、常温で長期保存可能な状態で容器詰めされることが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチックボトル、スチールやアルミニウムなどの金属缶、紙パック、パウチ容器などの密閉容器に茶飲料を充填封入して提供することができる。
<茶飲料のおいしさの向上方法>
本発明の茶飲料のおいしさの向上方法は、焙煎麦の抽出液を含む茶飲料において、(A)飲料10mlあたりの全グルコース単位、(B)飲料10mlに対してエタノールを90ml加えた後に、10000rpm、20分の条件で遠心分離を行うことにより得られる沈殿物中のグルコース単位、(C)飲料中の可溶性固形分量(質量%)、及び(D)飲料中のポリフェノール量(質量%)が、以下の(a)及び(b)の条件を満たすように調製する工程を有する。
(a)[(A)-(B)]/(A)=0.070~0.150
(b)(D)/(C)×100=0.5~2.7
上記茶飲料のおいしさの向上方法は、焙煎麦の抽出液を得る際に、上記(a)(b)の条件を満たすように調製する工程、例えば、上述した焙煎工程、蒸らし工程、抽出工程を有することが好ましい。
上述したように、(a)(b)の条件を満たすことにより、茶飲料の苦味又は渋みを抑制し、茶飲料のおいしさを向上させることができる。
<茶飲料の苦味又は渋みの抑制方法>
本発明の茶飲料の苦味又は渋みの抑制方法は、焙煎麦の抽出液を含む茶飲料において、(A)飲料10mlあたりの全グルコース単位、(B)飲料10mlに対してエタノールを90ml加えた後に、10000rpm、20分の条件で遠心分離を行うことより得られる沈殿物中のグルコース単位、(C)飲料中の可溶性固形分量(質量%)、及び(D)飲料中のポリフェノール量(質量%)が、以下の(a)及び(b)の条件を満たすように調製する工程を有する。
(a)[(A)-(B)]/(A)=0.070~0.150
(b)(D)/(C)×100=0.5~2.7
上記茶飲料の苦味又は渋みの抑制方法は、焙煎麦の抽出液を得る際に、上記(a)(b)の条件を満たすように調製する工程、例えば、上述した焙煎工程、蒸らし工程、抽出工程を有することが好ましい。
上述したように、(a)(b)の条件を満たすことにより、茶飲料の苦味又は渋みを抑制することができる。
<茶飲料の甘さの向上方法>
本発明の茶飲料のおいしさの向上方法は、焙煎麦の抽出液を含む茶飲料において、(A)飲料10mlあたりの全グルコース単位、(B)飲料10mlに対してエタノール90mlを加えた後に、10000rpm、20分の条件で遠心分離を行うことにより得られる沈殿物中のグルコース単位、(C)飲料中の可溶性固形分量(質量%)、及び(D)飲料中のポリフェノール量(質量%)が、以下の(c)及び(d)の条件を満たすように調製する工程を有する。
(c)[(A)-(B)]/(A)=0.010~0.125
(d)(D)/(C)×100=1.7~2.1
上記茶飲料の甘さの向上方法は、焙煎麦の抽出液を得る際に、上記(c)(d)の条件を満たすように調製する工程、例えば、上述した焙煎工程、蒸らし工程、抽出工程を有することが好ましい。
上述したように、(c)(d)の条件を満たすことにより、茶飲料の苦味又は渋みを抑制し、茶飲料の甘さを向上させることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(焙煎・抽出条件)
六条大麦を、熱風焙煎法により、焙煎温度200~270℃程度、焙煎時間10~90分程度で焙煎した。この焙煎六条大麦3kgを、抽出溶媒となる蒸留水に3分間浸漬させた後、抽出温度95℃、流速2300ml/分で抽出を開始した。抽出液の総量が6kgとなった時点で6kgの抽出液を回収してサンプリングを行い、次いで、連続して同様の条件で抽出を行いながら、再び抽出液の総量が6kgとなった時点で6kgの抽出液を回収してサンプリングを行った。このように抽出液を6kgずつサンプリングし、このサンプリングを合計10回繰り返した。得られたサンプルの順に1~10の番号を付与して抽出液1~10を得た。次いで、抽出液1~3をそれぞれ同じ比率で混合し可溶性固形分量(以下、Brix値という)が0.50となった混合抽出液に、さらに水を加えてBrix値が0.4になるように調整したものを混合液1とした。また、抽出液1~5をそれぞれ同じ比率で混合しBrix値が0.62となった混合抽出液に、さらに水を加えてBrix値が0.4になるように調整したものを混合液2とした。抽出液1~7をそれぞれ同じ比率で混合しBrix値が0.73となった混合抽出液に、さらに水を加えてBrix値が0.4になるように調整したものを混合液3とした。抽出液1~10をそれぞれ同じ比率で混合しBrix値が0.79となった混合抽出液に、さらに水を加えてBrix値が0.4になるように調整したものを混合液4とした。
(比較例1)
混合液1を超高温加熱処理(UHT)殺菌し、500ml容ペットボトルに無菌的に充填したものを比較例1の茶飲料とする。
(実施例1)
混合液2を超高温加熱処理(UHT)殺菌し、500ml容ペットボトルに無菌的に充填したものを実施例1の茶飲料とする。
(実施例2)
混合液3を超高温加熱処理(UHT)殺菌し、500ml容ペットボトルに無菌的に充填したものを実施例2の茶飲料とする。
(実施例3)
混合液4を超高温加熱処置(UHT)殺菌し、500ml容ペットボトルに無菌的に充填したものを実施例3の茶飲料とする。
(分析)
下記の方法に従い、各実施例及び比較例で得られた各茶飲料の各成分について分析した。その結果を表1に示す。
[(A)飲料中の総グルコース単位]
各実施例及び比較例の飲料10mlに、グルコアミラーゼ(AMYLOGLUCOSIDASE、Megazyme 日本バイオコン株式会社製)を加え、pHが4.0~5.5になるようにリン酸を加えた後、37℃にて2時間で保温した。その後、20mlに定容し、濾紙(ADVANTEC No.5B 東洋濾紙株式会社製)にて濾過した。この濾液について、ムタロターゼ・グルコースオキシダーゼ法に基づいたグルコース定量用キット(グルコースCII-テストワコー 和光純薬工業株式会社製)を用いて赤色の色素を生成した。そして、この赤色の吸光度を吸光光度計(装置名:HITACHI U-3900H、波長505nm)により測定し、該測定値から総グルコース量を算出した。
[(B)飲料10mlに対してエタノールを90ml加えた後に、10000rpm、20分の条件で遠心分離を行うことにより得られる沈殿物中のグルコース単位]
各実施例及び比較例の飲料10mlに対し、エタノールを90ml加え、遠心分離(10000rpm、20分)処理を行い、上澄み液を廃棄し、測定対象となる沈殿物を得た。この沈殿物に再び蒸留水を適宜加え、3分間煮沸して加熱糊化を行った。これに、グルコアミラーゼ(AMYLOGLUCOSIDASE、Megazyme 日本バイオコン株式会社製)を加え、pHが4.0~5.5になるようにリン酸を加えて、37℃にて2時間で保温した。その後、10mlに定容し、濾紙(ADVANTEC No.5B 東洋濾紙株式会社製)にて濾過した。この濾液について、ムタロターゼ・グルコースオキシダーゼ法に基づいたグルコース定量用キット(グルコースCII-テストワコー 和光純薬工業株式会社製)を用いて赤色の色素を生成した。そして、この赤色の吸光度を吸光光度計(装置名:HITACHI U-3900H、波長505nm)により測定し、該測定値から総グルコース量を算出した。
[(C)飲料中の可溶性固形分量(Brix値)]
屈折計(アタゴ社製DD-7)を用いて測定した。
[(D)飲料中のポリフェノール量]
フォーリン試薬を用い、吸光光度計(装置名:HITACHI U-3900H)により波長725nmにおける吸光度を測定し、該測定値からポリフェノール量を算出した。
Figure 0007109154000001
よく訓練された茶飲料専門家6人をパネラーとして、各実施例及び比較例で得られた茶飲料それぞれについて、ブラインドで、「おいしさ」「甘い」「苦味又は渋み」の各項目を5段階評価した。なお、「おいしさ」「甘い」「苦味又は渋み」が感じられるほど、表中の数値が大きくなる。その結果を表2に示す。
Figure 0007109154000002
表2に示されるように、(a)(b)の条件を満たす実施例1、2及び3では、比較例に比べ、苦味又は渋みが抑制されていた。特に、(c)(d)の条件を満たす実施例2では、苦味又は渋みが抑制されると同時に甘味が付与され、おいしさの点でより優れていた。


Claims (7)

  1. (A)飲料10mlあたりの全グルコース単位、(B)飲料10mlに対してエタノールを90ml加えた後に、10000rpm、20分の条件で遠心分離を行うことにより得られる沈殿物中のグルコース単位、(C)飲料中の可溶性固形分量(質量%)、及び(D)飲料中のポリフェノール量(質量%)が、以下の(a)及び(b)の条件を満たし、かつ、焙煎麦の抽出液を含む、茶飲料。
    (a)[(A)-(B)]/(A)=0.070~0.150
    (b)(D)/(C)×100=0.5~2.7
  2. (A)飲料10mlあたりの全グルコース単位、(B)飲料10mlに対してエタノールを90ml加えた後に、10000rpm、20分の条件で遠心分離を行うことにより得られる沈殿物中のグルコース単位、(C)飲料中の可溶性固形分量(質量%)、及び(D)飲料中のポリフェノール量(質量%)が、以下の(c)及び(d)の条件を満たし、かつ、焙煎麦の抽出液を含む、茶飲料。
    (c)[(A)-(B)]/(A)=0.100~0.125
    (d)(D)/(C)×100=1.7~2.1
  3. 前記焙煎麦は、全麦の質量に対して90質量%以上の大麦を含む、請求項1又は2に記載の茶飲料。
  4. 容器詰めである、請求項1~3のいずれか一項に記載の茶飲料。
  5. 焙煎麦の抽出液を含む茶飲料において、
    (A)飲料10mlあたりの全グルコース単位、(B)飲料10mlに対してエタノールを90ml加えた後に、10000rpm、20分の条件で遠心分離を行うことにより得られる沈殿物中のグルコース単位、(C)飲料中の可溶性固形分量(質量%)、及び(D)飲料中のポリフェノール量(質量%)が、以下の(a)及び(b)の条件を満たすように調製する工程を有する、茶飲料のおいしさの向上方法。
    (a)[(A)-(B)]/(A)=0.070~0.150
    (b)(D)/(C)×100=0.5~2.7
  6. 焙煎麦の抽出液を含む茶飲料において、
    (A)飲料10mlあたりの全グルコース単位、(B)飲料10mlに対してエタノールを90ml加えた後に、10000rpm、20分の条件で遠心分離を行うことにより得られる沈殿物中のグルコース単位、(C)飲料中の可溶性固形分量(質量%)、及び(D)飲料中のポリフェノール量(質量%)が、以下の(a)及び(b)の条件を満たすように調製する工程を有する、茶飲料の苦み又は渋みの抑制方法。
    (a)[(A)-(B)]/(A)=0.070~0.150
    (b)(D)/(C)×100=0.5~2.7
  7. 焙煎麦の抽出液を含む茶飲料において、
    (A)飲料10mlあたりの全グルコース単位、(B)飲料10mlに対してエタノールを90ml加えた後に、10000rpm、20分の条件で遠心分離を行うことにより得られる沈殿物中のグルコース単位、(C)飲料中の可溶性固形分量(質量%)、及び(D)飲料中のポリフェノール量(質量%)が、以下の(c)及び(d)の条件を満たすように調製する工程を有する、茶飲料の甘さの向上方法。
    (c)[(A)-(B)]/(A)=0.100~0.125
    (d)(D)/(C)×100=1.7~2.1
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