JP2012187051A - ワイン風飲料及びこれを含有する飲食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 非アルコール性のワイン風飲料及びこれを含有する飲食品を提供する。
【解決手段】 ブドウ果汁と、茶から抽出した茶抽出物と、梅果汁及び梅から抽出した梅抽出物のうち少なくとも一方と、を含む。
【選択図】 なし

Description

本発明は、非アルコール性のワイン風飲料及びこれを含有する飲食品に関する。
自動車の運転をする、妊娠中である等の理由により、アルコール飲料を飲むことができない消費者から、アルコール飲料の代わりとなる非アルコール性飲料が求められている。そこで、非アルコール性ワイン風飲料、いわゆるノンアルコールワインが提案されている。ノンアルコールワインとしては、例えば、ワインから減圧蒸留(減圧濃縮)によりアルコールを抜くことで製造されるものがある(特許文献1及び2参照)。
しかしながら、かかるワイン風飲料は、アルコールを完全には除去することができず、アルコールがわずかに含まれる飲料であった。また、減圧蒸留(減圧濃縮)の工程においてワイン特有の香気成分の一部が抜けてしまうため、風味のバランスが悪く、本来のワインの風味とは異なるものとなってしまうことが問題となっていた。
一方、ワインからアルコールを抜く以外の方法により製造されるワイン風飲料も提案されている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3に記載の混合茶は、アルコール発酵させた後に圧搾して得られた葡萄果皮種子を乾燥した物を含有するものであり、ワイン様の色彩と風味を楽しめるものである。
しかしながら、特許文献3に記載のようなワイン風飲料も同様に、本来のワインの風味とは異なるため、より本来のワインの風味に近いワイン風飲料が求められている。
米国特許第4643083号明細書 欧州特許出願公開第0058634号明細書 特開2008−263942号公報
本発明は、このような事情に鑑み、ワインの風味を有する非アルコール性のワイン風飲料及びこれを含有する飲食品を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、ブドウ果汁と、茶から抽出した茶抽出物と、梅果汁及び梅から抽出した梅抽出物のうち少なくとも一方と、を含むことを特徴とするワイン風飲料にある。
かかる第1の態様では、ワイン独特の風味を有する非アルコール性ワイン風飲料とすることができる。特に、ワイン様の渋み及び厚みのある呈味を実現することができる。
本発明の第2の態様は、前記茶が紅茶であることを特徴とする第1の態様に記載のワイン風飲料にある。
かかる第2の態様では、ワイン様の香りを実現することができ、また、より発酵感の増したワイン風飲料となる。
本発明の第3の態様は、ブドウ種子から抽出したブドウ種子抽出物及びブドウ果実搾汁粕から抽出したブドウ果実搾汁粕抽出物のうち少なくとも一方をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のワイン風飲料にある。
かかる第3の態様では、よりワイン独特の渋みが増したワイン風飲料となる。
本発明の第4の態様は、コハク酸をさらに含むことを特徴とする第1〜3の態様のいずれか一つに記載のワイン風飲料にある。
かかる第4の態様では、発酵酒であるワイン様の旨み及び渋みが増したワイン風飲料となる。
本発明の第5の態様は、酢酸をさらに含むことを特徴とする第1〜4の態様のいずれか一つに記載のワイン風飲料にある。
かかる第5の態様では、より発酵感の増したワイン風飲料となる。
本発明の第6の態様は、乳酸をさらに含むことを特徴とする第1〜5の態様のいずれか一つに記載のワイン風飲料にある。
かかる第6の態様では、発酵酒であるワイン様の旨みが増したワイン風飲料となる。
本発明の第7の態様は、アルコール濃度が0.5%未満であることを特徴とする第1〜6の態様のいずれか一つに記載のワイン風飲料にある。
本発明の第8の態様は、第1〜7の態様のいずれか一つに記載のワイン風飲料を含有することを特徴とする飲食品にある。
かかる第8の態様では、ワイン独特の風味を有する非アルコール性の飲食品を実現することができる。
本発明によれば、ブドウ果汁と、茶から抽出した茶抽出物と、梅果汁及び梅から抽出した梅抽出物のうち少なくとも一方と、を含むことで、ワイン独特の風味(ワイン様の渋み・厚み等)を有する非アルコール性ワイン風飲料を実現することができる。
本発明のワイン風飲料は、ブドウ果汁と、茶から抽出した茶抽出物と、梅果汁及び梅から抽出した梅抽出物のうち少なくとも一方と、を含むものである。これにより、ワイン独特の風味を有する非アルコール性ワイン風飲料となる。より具体的には、茶抽出物と、梅果汁又は梅から抽出した梅抽出物のうち少なくとも一方とを組み合わせることにより、ワイン独特の風味、例えば、赤ワイン様の渋み及び厚みのある呈味を実現することができる。なお、ここでいう非アルコール性飲料とは、アルコール濃度が0.5%未満の飲料のことをいう。
ブドウ果汁は、ブドウの果実を搾ったものであり、果実をそのまま搾った100%果汁そのものでもよいが、これを真空濃縮、凍結濃縮、又は限外濾過や逆浸透膜などの膜濃縮などにより3〜6倍程度に濃縮された濃縮果汁でもよい。なお、濃縮果汁の方が、少量の添加で特長を付与することができ、100%果汁を添加する場合と比較してブドウ果汁の割合を低くしても、ワインの風味を実現することができるため好ましい。ブドウの品種は特に限定されないが、ワインに用いられる種類のブドウを用いるのが好ましい。例えばシャルドネ種、ソーヴィニヨン・ブラン種、リースリング種、ミラトルガウ種、甲州種、カベルネ種、メルロー種、マルベック種、シラー種、マスカットベリーA種等が挙げられる。ワインに用いられる種類のブドウを用いることにより、ワイン本来の風味に近いワイン風飲料とすることができる。また、ブドウ果汁は、1種類のブドウの果実を用いたものでも、2種類以上のブドウの果実を用いたものでもよい。いずれにしても、ここでいうブドウ果汁は、非発酵の果汁を指す。非発酵の果汁を用いることにより、非アルコール性のワイン風飲料を実現することができる。
このように、非発酵のブドウ果汁と、茶抽出物と、梅果汁又は梅から抽出した梅抽出物のうち少なくとも一方と、を含むことにより、非アルコール性のワイン風飲料を実現することができる。
茶抽出物は、茶から抽出したものである。より具体的には、茶から抽出溶媒により抽出された茶抽出液、又はこれを必要に応じて濃縮若しくは乾燥させたものである。茶の抽出方法は、抽出原料である茶に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させることができるものであれば、特に限定されるものではない。茶抽出物は、例えば、所定温度の水に、茶を一定時間浸漬して、可溶性成分を抽出させた後、抽出残渣を除去することにより得ることができる。
ここで、本発明において茶とは、茶樹の葉を摘んで加工したものの総称であり、種類は特に限定されるものではない。茶は、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶があり、不発酵茶としては、例えば、煎茶、玉露、抹茶、かぶせ茶、番茶、玉露茶、ほうじ茶、てん茶が挙げられ、半発酵茶としては、例えば、ウーロン茶、包茶が挙げられ、発酵茶としては、例えば、紅茶が挙げられる。本発明では、1種類の茶を用いても、2種以上の茶を用いてもよい。
本発明では、茶抽出物を含むことによりワイン様の渋みを実現することができ、梅果汁又は梅から抽出した梅抽出物のうち少なくとも一方を含むことにより厚みのある呈味を実現することができる。すなわち、茶抽出物と、梅果汁又は梅抽出物のうち少なくとも一方と、を組み合わせることにより、ワイン様の渋み及び厚みのある呈味を実現することができる。
また、茶としては、紅茶を用いるのが好ましい。紅茶は、葉を完全に発酵させたものであるため、紅茶抽出物は発酵成分を含んだものとなる。これにより、紅茶抽出物を含むワイン風飲料は、ワイン様の香りを実現することができ、また、より発酵感の増したワイン風飲料とすることができる。
本発明のワイン風飲料は、梅果汁及び梅から抽出した梅抽出物のうち少なくとも一方を含むことにより、とろみがあり、厚みのある呈味を有するものとなる。なお、梅抽出物を含むのが特に好ましい。
梅果汁・梅抽出物の梅の品種は特に限定されないが、例えば、豊後、白加賀、南高、鶯宿、養老、曙、古城が挙げられ、これらの梅は未熟な青梅であってもよい。なお、梅果汁又は梅抽出物は、1種類の梅を用いたものでも、2種以上の梅を用いたものでもよい。
梅果汁とは、梅の果実を搾ったものであり、例えば、梅を加熱して果実をやわらかくした後に、ピューレ状として搾ることにより得ることができる。梅果汁は、果実を搾った100%果汁そのものでもよいが、これを真空濃縮、凍結濃縮、又は限外濾過や逆浸透膜などの膜濃縮などにより3〜6倍程度に濃縮された濃縮果汁でもよい。
梅抽出物とは、梅から抽出溶媒で抽出したエキスである。より具体的には、梅から抽出溶媒により抽出された梅抽出液、又はこれを必要に応じて濃縮若しくは乾燥させたものである。抽出溶媒としては、水、水溶性有機溶剤、又はこれらの混合物を用いることができる。水溶性有機溶剤としては、水と互いに溶解する溶剤を用いることができるが、エタノール等のアルコール類以外のものを用いるのが好ましい。梅抽出液やこれを濃縮したものとする場合は、製造工程においてアルコールのみを除去させるのは難しいためである。なお、梅抽出物として乾燥させたものを用いる場合は、抽出溶媒アルコール類を用いてもよい。
梅抽出物は、例えば、梅を蒸煮して、当該梅から抽出溶媒でエキスを抽出することで得ることができる。梅を蒸煮することで、梅肉の細胞壁を構成するペクチンが水溶性に変質し、水溶性ペクチンが増加する。このため、蒸煮した梅は、梅抽出物の一成分である水溶性ペクチンを多く含む状態となり、抽出溶媒により得られた梅抽出物は、ペクチン濃度が濃いものとなる。ペクチンは増粘作用を有するので、梅抽出物は、ワイン風飲料の濃厚感をより一層高める効果を奏する。抽出溶媒として水を用いる場合、例えば、蒸煮した梅に抽出溶媒としての水を加え、梅をミキサーで軽く粉砕し、遠心分離により上清を分離して梅抽出物を得ることができる。
梅抽出物の他の抽出方法としては、熱水による方法がある。例えば、熱水(抽出溶媒)に梅を浸漬してエキスを抽出し、その後、液中にてミキサーで梅を粉砕し、遠心分離して上清を分離することで梅抽出物を得ることができる。熱水による梅抽出物も、ペクチン濃度が濃いものとなる。このため、熱水による梅抽出物についても、ワイン風飲料の濃厚感や風味を一層向上させる効果を奏する。
なお、蒸煮により得られた梅抽出物と、熱水により得られた梅抽出物とでは、蒸煮により得られた抽出物の方が、ペクチン、有機酸、還元糖等の各種成分の濃度が高い。これは、熱水で梅抽出物を得る場合では、液が循環しなければならず、多くの水を要するため、各種成分が薄まるからである。
本発明では、梅果汁及び梅から抽出した梅抽出物のうち少なくとも一方を含んでいればよいが、蒸煮処理又は熱水処理により得られた梅抽出物を含むのが好ましい。蒸煮処理又は熱水処理により得られた梅抽出物を含むことにより、とろみ感がより増大し、より味の濃厚なワイン風飲料とすることができる。蒸煮処理も熱水処理も施していない梅は水溶性ペクチンが少ないため、通常の梅果汁又は梅抽出物ではペクチン濃度が低いのに対し、蒸煮処理又は熱水処理を施した梅抽出物は、ペクチン濃度が顕著に高いためである。
ワイン風飲料は、ブドウ果汁と、茶抽出物と、梅果汁及び梅抽出物の総量との混合割合は、例えば、ブドウ果汁(5倍濃縮)5g/L〜100g/L、茶抽出物(緑茶葉)1g/L〜20g/L、梅果汁(100%)50〜250ml/L又は梅抽出物(梅の等量抽出液使用)2g/L〜30g/Lとすることが好ましい。これにより、より確実にワイン独特の風味を有する非アルコール性ワイン風飲料とすることができるためである。なお、ブドウ果汁(5倍濃縮)が5g/L未満となると、ブドウ由来のワイン独特のブドウの果実味が十分に得られなくなる虞がある。茶抽出物(緑茶葉)が1g/L未満となるとワイン様の渋み・味わいが十分に得られなくなる虞がある。梅果汁(100%)が5ml/L未満又は梅抽出物(梅の等量抽出液使用)が2g/L未満となると、十分に厚みのある呈味を有するものが得られなくなる虞がある。一方、ブドウ果汁(5倍濃縮)が100g/Lより多くなると、ブドウ果汁の風味が強くなりワイン様の風味バランスが崩れる虞があり、茶抽出物が20g/Lより多くなると、渋みが強く緑茶風味が強くなり過ぎる虞がある。また、梅果汁(100%)250ml/Lより多くなる又は梅抽出物(梅の等量抽出液使用)30g/Lより多くなると、酸味が強くなる虞がある。なお、上記では、「ブドウ果汁」として5倍濃縮ブドウ果汁、「茶抽出物」として緑茶葉、「梅抽出物」として梅の等量抽出液を用いた場合を例に挙げて説明したが、他の種類のブドウ果汁、茶抽出物、梅果汁、梅抽出物等を用いる場合や、梅果汁と梅抽出物を併用する場合は、上記の混合割合を参考にして適宜調整すればよい。
本発明のワイン風飲料は、ブドウ種子から抽出したブドウ種子抽出物及びブドウ果実搾汁粕抽出物の少なくともいずれか一方を含むものが好ましく、ブドウ種子抽出物を用いるのがより好ましい。よりワイン本来の味わいに近いものとすることができるためである。ブドウ果実搾汁粕から抽出したブドウ果実搾汁粕抽出物とは、ブドウ果実搾汁粕から抽出溶媒で抽出したエキスである。また、ブドウ種子から抽出したブドウ種子抽出物とは、ブドウ種子から抽出溶媒で抽出したエキスである。
ここで、ブドウ種子抽出物やブドウ果実搾汁粕抽出物に用いるブドウは、特に限定されず、例えば、上記のブドウ果汁において例示したブドウを用いることができる。また、本発明にかかるブドウ果実搾汁粕としては、ブドウの果実を圧搾して果汁を採取した残渣を用いることができる。なお、アルコールをほとんど含まないワイン風飲料とするために、ワイン製造の際の前発酵後に圧搾して得られるブドウ果実搾汁粕は用いないのが好ましい。また、本発明にかかるブドウ種子としては、例えば、該ブドウ果実搾汁粕より粗篩等の通常の手段で分離して得られる種子を用いることができる。なお、ブドウ種子は、その内部に油分を含有しているので、破砕せずにそのまま抽出処理を行うことが好ましい。
ブドウ種子やブドウ果実搾汁粕の抽出溶媒としては、水、水溶性有機溶剤、又はこれらの混合物を用いることができる。水溶性有機溶媒は、抽出原料(ブドウ種子又はブドウ果実搾汁粕)に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させることができるものであれば、特に限定されるものではなく、具体的にはメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の水溶性アルコール類、アセトン、エチルメチルケトン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、酢酸等が例として挙げられる。特に水溶性有機溶媒の中では、毒性が低いこと、沸点が比較的低いため抽出後の除去が容易であること、入手が容易であることなどからエタノールが好ましい。エタノールを抽出溶媒に用いた場合、抽出効率を高く、不純物の割合を少なくするという見地に立つと、エタノール:水の混合比は1:1〜4:1(v/v)が好ましく、特に好ましい混合比は2:1〜3:1(v/v)である。
抽出方法は、抽出原料(ブドウ種子又はブドウ果実搾汁粕)に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させることができるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、原料(ブドウ種子又はブドウ果実搾汁粕)に、抽出溶媒を加え、加熱還流させながら抽出すればよい。得られたブドウ種子抽出液又はブドウ果実搾汁粕抽出液を、必要に応じて濃縮若しくは乾燥させることにより、ブドウ種子抽出物又はブドウ果実搾汁粕抽出物を得ることができる。なお、アルコールをほとんど含まないワイン風飲料とするために、抽出溶媒としてアルコール類等を使用した場合は、濃縮ではなく、噴霧乾燥又は凍結乾燥等させることにより完全にアルコール類を除去してから用いるようにする。
ブドウ種子抽出物は、市販品を用いてもよく、例えば、商品名「グラヴィノール」(キッコーマン株式会社製)を用いることができる。
ブドウ種子抽出物やブドウ果実搾汁粕抽出物は、渋みを有するものであり、茶抽出物と組み合わせることにより、ワイン独特の風味、特に、ワイン様の渋みを実現することができる。
また、ワイン風飲料は、コハク酸を含むのが好ましい。コハク酸は、ワイン風飲料の酸味を高めるだけではなく、発酵酒であるワイン様の旨みや渋みを高めるという効果を奏する。
さらに、ワイン風飲料は、酢酸を含むのが好ましい。酢酸は、ワイン風飲料の発酵感を高めることができる。
さらに、ワイン風飲料は、乳酸を含むのが好ましい。乳酸は、ワイン風飲料の発酵酒であるワイン様の旨みを高めることができる。
本発明にかかるワイン風飲料は、必要に応じて、公知の他の成分、例えば、水、糖類、塩類、他の有機酸類、色素、香料、保存剤等を含んでいてもよく、また、清涼飲料水、炭酸、その他の嗜好飲料、ブドウ以外の果実の果汁等を含んでいてもよい。
なお、コハク酸や酢酸以外の有機酸類としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、アジピン酸等が挙げられる。また、糖類としては、例えば、単糖類(ブドウ糖、果糖)、二糖類(ショ糖、乳糖)、少糖類(オリゴ糖)、多糖類が挙げられる。
本発明のワイン風飲料は、アルコール濃度が0.5%未満、好ましくは0.01%未満である。
また、かかるワイン風飲料は、ブドウ果汁を含むものであるため、ポリフェノールを含んでおり、健康飲料としても好適である。
以下、本発明のワイン風飲料の製造方法について説明する。なお、ブドウ果汁と、茶から抽出した茶抽出物と、梅から抽出した梅抽出物と、を含むワイン風飲料を例に挙げて説明する。
<茶抽出物の調製>
茶を所定温度の水に投入し、適宜攪拌しながら所定時間浸すことにより抽出する。この抽出液を濾紙で濾過等することにより、茶を除去して、茶抽出物を得る。
<梅抽出物の調製>
蒸煮により梅抽出物を得る場合は、まず、蒸し器などを用いて、梅を蒸気で加熱する。所定の時間蒸煮した後、梅に水を加えミキサーで軽く粉砕し、パルプ分を含めた容量が所定量となるように水で調整し、遠心分離により上清を分離して梅抽出物を得る。
また、熱水により梅抽出物を得る場合は、熱水に梅を浸漬し、その後、液中にてミキサーで梅を粉砕し、遠心分離して上清を分離することで梅抽出物を得ることができる。この場合においては、蒸煮した梅から水でエキスを抽出して梅抽出物を得る工程を省略できるため、製造工程を簡略化することができる。
蒸煮処理においては、蒸煮された梅に任意の量の水を加えて梅抽出物とするため、成分の濃度調整を行いやすい。一方、熱水処理においては、熱水は循環していなければならないため、成分濃度が薄くなりがちであり、所望の成分濃度の梅抽出物を得ることは、蒸煮処理に比べて若干難しい。
<ワイン風飲料の調製>
ブドウ果汁と、茶抽出物と、梅抽出物と、を混合し、必要に応じて、水、糖類、塩類、色素、香料、保存剤等を添加することにより、混合溶液を得る。
この混合溶液を所定時間加熱した後、遠心分離により上清を分離し、必要に応じて香料等を添加し、冷却・濾過をすることにより、ワイン風飲料が得られる。なお、得られたワイン風飲料は、壜等に充填した後、殺菌することにより長期保存することができるものとなる。
上述したワイン風飲料は、各種飲食品に添加してもよく、例えば、アルコール飲料、清涼飲料水等の各種飲料に添加してもよく、パン、菓子、惣菜等の固形食品に添加してもよい。また、ワイン風飲料を乾燥させて、粉剤、錠剤、カプセル剤等に成形して健康食品としてもよい。ワイン風飲料を含有する飲食品は、ポリフェノールを含んでおり、健康飲食品としても好適である。
以下、具体的な実施例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
<梅抽出物の調製>
凍結した青梅66kgをステンレス製のザルに入れ、ザルを沸騰した水が入った鍋に収容して蓋をし、沸騰水の蒸気で蒸した。なお、青梅は沸騰水に浸からないように収めるようにした。60分間、その状態で蒸煮した。このときの鍋内の蒸気温度は90℃とした。
60分後、青梅を取り出し、その青梅に抽出溶媒としての水を100L加え、梅の果肉部をミキサーで軽く粉砕し、青梅をピューレ状とした後、遠心分離により上清を分離して、100Lの梅抽出物を得た。
<ワイン風飲料の調製>
ブドウ濃縮果汁(Brix68度、リビエール種)36kgと、紅茶の葉から抽出した紅茶抽出物9kgと、ブドウ種子から抽出したブドウ種子抽出物(グラヴィノールF;キッコーマン株式会社性)0.4kgと、上述した梅抽出物35kgと、コハク酸0.6kgと、酢酸(90%純良酢酸;電気化学工業社製)0.371Lと、乳酸(発酵乳酸50%;PURAC HS50;ピューラック・ジャパン社製)4kgと、水900Lを混合し、85℃に加熱した後、水冷することにより混合溶液を得た。この混合溶液から遠心分離して、上清を分離し、香料を添加することにより、ワイン風飲料を得た。
(実施例2)
ブドウ種子抽出物を配合しなかった以外は実施例1と同様にして、実施例2のワイン風飲料を得た。
(実施例3)
コハク酸、酢酸、及び乳酸を配合しなかった以外は実施例1と同様にして、実施例3のワイン風飲料を得た。
(実施例4)
コハク酸を配合しなかった以外は実施例1と同様にして、実施例4のワイン風飲料を得た。
(実施例5)
酢酸を配合しなかった以外は実施例1と同様にして、実施例5のワイン風飲料を得た。
(実施例6)
乳酸を配合しなかった以外は実施例1と同様にして、実施例6のワイン風飲料を得た。
(実施例7)
紅茶抽出物の代わりに、緑茶抽出物を9kg配合した以外は実施例1と同様にして、実施例7のワイン風飲料を得た。
(実施例8)
ブドウ種子抽出物の代わりに、ブドウ果実搾汁粕抽出物を36kg配合した以外は実施例1と同様にして、実施例8のワイン風飲料を得た。なお、ブドウ果実搾汁粕抽出物は、原料であるブドウ(甲州種、善光寺種)を除梗破砕、搾汁することにより、ブドウ果汁及び圧搾粕を得た後、圧搾粕を冷凍保存し、解凍したものを用いた。
(比較例1)
ブドウ種子抽出物及び梅抽出物を用いなかった以外は実施例7と同様にして、比較例1のワイン風飲料を得た。
(比較例2)
梅抽出物を用いなかった以外は実施例7と同様にして、比較例2のワイン風飲料を得た。
(比較例3)
紅茶抽出物と梅抽出物を用いなかった以外は実施例7と同様にして、比較例3のワイン風飲料を得た。
(試験例1)
各実施例及び各比較例のワイン風飲料のアルコール濃度をガスクロマトグラフ法(熱分解GC;GC−14B;島津製作所社製)により測定した。結果を表1に示す。
(試験例2)
実施例1で得られた本発明のワイン風飲料との一対比較法(5段階評価法)にて、官能試験を実施した。なお、官能試験は、識別能力を有するパネル20人により実施した。表1に、パネル20名の評価点の平均値を示した。なお、香りは、数値が高いほどワイン特有の香りが多いことを意味する。また、色は、数値が高いほど赤ワイン特有の色であることを意味し、味は、数値が高いほどワイン特有の風味があることを意味する。
Figure 2012187051
(結果のまとめ)
ブドウ濃縮果汁と、茶抽出物と、梅抽出物とを含む実施例2及び実施例3のワイン風飲料は、ワイン独特の渋み及び厚みのある呈味(口当たり)が実現されていた。実施例4〜6は、口当たり、酸味、渋みが良好なものであった。ブドウ濃縮果汁と、紅茶抽出物と、ブドウ種子抽出物と、梅抽出物と、コハク酸と、乳酸と、酢酸とを含む実施例1は、香りや呈味のバランスが非常に良好なものであった。また、紅茶抽出物の代わりに緑茶抽出物を用いた実施例7及びブドウ種子抽出物の代わりにブドウ果実搾汁粕抽出物を用いた実施例8も同様に、ワイン独特の渋み及び厚みのある呈味が実現されていた。
これに対し、梅抽出物を用いていない比較例1〜3は、いずれも実施例7と比較して口当たりが劣るものであった。

Claims (8)

  1. ブドウ果汁と、茶から抽出した茶抽出物と、梅果汁及び梅から抽出した梅抽出物のうち少なくとも一方と、を含むことを特徴とするワイン風飲料。
  2. 前記茶が紅茶であることを特徴とする請求項1に記載のワイン風飲料。
  3. ブドウ種子から抽出したブドウ種子抽出物及びブドウ果実搾汁粕から抽出したブドウ果実搾汁粕抽出物のうち少なくとも一方をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のワイン風飲料。
  4. コハク酸をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のワイン風飲料。
  5. 酢酸をさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のワイン風飲料。
  6. 乳酸をさらに含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のワイン風飲料。
  7. アルコール濃度が0.5%未満であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のワイン風飲料。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のワイン風飲料を含有することを特徴とする飲食品。
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