JP2014068634A - テアニンを含有する容器詰め飲料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】テアニンと、(A)モノガラクトシルジグリセリド及び(B)ジガラクトシルジグリセリドを含有する飲料であって、それらの含有量が飲料1L当たり、(イ)テアニン20〜80mg(ロ)(A)+(B)=1.3〜12.0mg(ハ)(A)/(B)=0.90〜3.0である容器詰め飲料とする。
【選択図】なし
Description
容器詰め飲料では、加熱殺菌処理によりレトルト臭と呼ばれる加熱劣化臭が生成し、また長期保存中にこの加熱劣化臭が強調されることがある。この加熱劣化臭は、テアニンの上品な旨味や甘味を阻害し、容器詰め飲料におけるテアニンの呈味(特に、甘香・甘味)を知覚しにくい状態にする。そして、単にテアニンを増量してもテアニンの旨味や甘味は増強されにくく、容器詰め飲料にといてテアニンの呈味を有効に作用させる方法が望まれていた。
ところで、テアニンの旨味や甘味を有効に知覚しうるテアニン含有容器詰め茶飲料が提案されている。例えば、容器詰緑茶飲料中のアミノ酸の含有量、タンニンとアミノ酸の含有比率およびアミノ酸中のテアニンに対するアルギニンの含有比率を特定の範囲内に調整することにより、旨味やコクが強く、渋味が抑えられ、かつ旨味と渋味のバランスのとれた容器詰緑茶飲料(特許文献1)や、カフェインの濃度に対するテアニンの濃度の百分率((テアニン/カフェイン)×100)が10.0以上となるように調整した、甘香があり、甘香と旨味のコクが残り、冷えた状態でもおいしく飲用できる容器詰緑茶飲料(特許文献2)などがある。
1)テアニンと、(A)モノガラクトシルジグリセリド及び(B)ジガラクトシルジグリセリドを含有する飲料であって、それらの含有量が飲料1L当たり、
(イ) テアニン 20〜80mg
(ロ) (A)+(B)=1.3〜12.0mg
(ハ) (A)/(B)=0.90〜3.0
である、容器詰め飲料。
2)飲料1L当たりの含有量が、(A)=0.5〜8.0mgである、1)に記載の飲料。
3)さらにグルタミン酸を、飲料1L当たり1mg以上含有する、1)又は2)に記載の飲料。
4)容器詰め飲料が容器詰め茶飲料である、1)〜3)のいずれかに記載の飲料。
(イ) テアニン 20〜80mg
(ロ) (A)+(B)=1.3〜12.0mg
(ハ) (A)/(B)=0.90〜3.0
である飲料を提供する。
本発明の容器詰め飲料には、上記成分の他に、酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、果汁エキス類、野菜エキス類、花蜜エキス類、pH調整剤、品質安定剤などの添加剤を単独、あるいは併用して配合してもよい。
実施例1
(1)テアニンを高濃度に含有する茶抽出物の調製
まず、第一工程としてカラム型抽出機に緑茶葉を封入し、抽出機上部から25℃のイオン交換水を加え、緑茶葉を浸漬させた。そこに25℃のイオン交換水を連続的に通液し、低温抽出液を得た(試料a)。次に抽出した後の抽出残渣に、プロテアーゼ及びペクチナーゼを添加し、40℃のイオン交換水を加え、40℃に保持したまま16時間循環通液を行い、酵素反応を行った。得られた酵素処理液を90℃10分加熱し酵素を失活させ、酵素反応液を得た(試料b)。さらに、上記試料a全量及びb全量を混合し、テアニンを高濃度に含有する茶抽出物を得た。
碾茶を石臼挽きした抹茶(粒度:10,000±2,000cm2/g)を、80倍量の50℃の水に懸濁し、この懸濁液を高圧ホモジナイザーにより10MPaの圧力で処理し、遠心分離処理(6000rpm、2分)して粗大な粉砕茶組織や茶粒子などの固形分を除去して、MGDG及びDGDGを含有する茶抽出物を調製した。
煎茶葉の乾燥重量に対して30重量部の水を抽出溶媒として用いた。60℃の水で5分間抽出した後、茶葉を分離し、さらに遠心分離処理(6000rpm、10分)して粗大な粉砕茶組織や茶粒子などの固形分を除去して、茶抽出液を得た。
上記(1)及び(2)で得られた茶抽出液を任意の割合で混合し、テアニン、グリセロ糖脂質の含量が異なる茶飲料(7種類)を製造した。それぞれをペットボトル容器に充填し、加熱殺菌を行った後、冷却して各成分を定量するとともに、専門パネル(5名)で官能評価を行った。測定方法を以下に示す。
テアニン、グルタミン酸の測定方法にはHPLCを用いた。具体的測定方法は、以下のとおり。
カラム:AccQ-Tagカラム(3.9mm×150mm)
カラム温度:40℃
移動相A:AccQ-TagA(pH5.8)
移動相B:アセトニトリル
移動層C:水/メタノール=9/1
検出:EX250nm EM395nm Gain100
注入量:5μL
グラジエントプログラム:
時間(分) 流速(ml/min) %A %B %C
0 1 100 0 0
1 1 99 1 0
16 1 97 3 0
25 1 94 6 0
35 1 86 14 0
40 1 86 14 0
50 1 82 18 0
51 1 0 60 40
54 1 100 0 0
75 1 0 60 40
110 0 0 60 40
標準物質:テアニン、L-グルタミン酸(和光純薬製特級試薬)
[グリセロ糖脂質の測定]
限外濾過膜(Millipore社 バイオマックスPBMK限外濾過ディスク、ポリエーテルスルホン、300,000 NMWL)にて加圧濾過し、膜上の成分を回収して分子量30万以上の画分を得た。これを水に溶解し、HClにて酸性とした後、酢酸エチルにて液−液分配を行った。このうち酢酸エチル層をODS固相抽出カートリッジ(Waters社 セップパックプラス C18)に吸着させ、水−エタノール混合溶媒にて、エタノール濃度を順次変化させながら分画・溶出した。これらのうち、OSD分画の100%エタノール画分画分を、逆相クロマトグラフィーに供し、グリセロ糖脂質の定量分析を行った。分析条件は以下の通りである。
サンプル注入量:10μl
流量:1.0ml/min.
RI検出器:SHIMADZU社 RIA-10A
溶離液:95%メタノール
温度:40℃
[風味評価]
甘味・旨味の強さ、甘香の強さについてそれぞれ評価し、その平均点を算出した。また、加熱劣化臭の有無につき、パネルの合意により判断した。
(評点)甘味・旨味の強さ、甘香の強さ
1点:ちょうど良い
2点:僅かに弱く感じる
3点:やや弱く感じる
4点:弱く感じる
(5)結果
表1に結果を示す。表から明からように、テアニンを含有する飲料に、モノガラクトシルジグリセリド(MGDG)及びジガラクトシルジグリセリド(DGDG)を特定の量、割合で含有させた本発明の飲料が、異味を付加することなく、テアニンに有する上品な旨味や甘味と、甘香とを増強し、風味良好な飲料となった。また、本発明の容器詰め飲料は、加熱劣化臭が抑制されているとパネル全員が評価した。
Claims (4)
- テアニンと、(A)モノガラクトシルジグリセリド及び(B)ジガラクトシルジグリセリドを含有する飲料であって、それらの含有量が飲料1L当たり、
(イ) テアニン 20〜80mg
(ロ) (A)+(B)=1.3〜12.0mg
(ハ) (A)/(B)=0.90〜3.0
である、容器詰め飲料。 - 飲料1L当たりの含有量が、(A)=0.5〜8.0mgである、請求項1に記載の飲料。
- さらにグルタミン酸を、飲料1L当たり1mg以上含有する、請求項1又は2に記載の飲料。
- 容器詰め飲料が容器詰め茶飲料である、請求項1〜3のいずれか一項記載の飲料。
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