WO2011046013A1

WO2011046013A1 - 型締装置

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Publication number: WO2011046013A1
Application number: PCT/JP2010/066697
Authority: WO
Inventors: 昌弘紙; 倫治武田
Original assignee: 宇部興産機械株式会社
Priority date: 2009-10-15
Filing date: 2010-09-27
Publication date: 2011-04-21
Also published as: JP2011083956A

Abstract

　ダイカストマシンや射出成形機において用いられる、リンク機構を要しない電動駆動方式の型締装置を提供する。マシンベースと、マシンベース上に設けられ、正面を固定型取付け面として固定型取付け面に固定型を保持する固定プレートと、固定プレートの背面側に、固定プレートに対して相対移動可能に設けられた固定プラテンと、固定プラテンと結合するタイバーと、マシンベース上に型開閉方向に移動可能に設けられ、固定プレートの固定型取付け面と対向する可動型取付け面に可動型を保持し、タイバーと係合離脱が可能なハーフナットを備えた可動盤と、可動盤を開閉動作駆動させる型開閉装置と、固定プレートと固定プラテンの間に装着され、固定型取付け面に取り付けられる最小固定型の取付範囲内の固定プレートの背面に型締力および離型力を発生させる複数の型締力発生機構と、を備える。

Description

型締装置

　アルミニウム製品やプラスチック製品を成形するダイカストマシンおよび射出成形機に用いられる型締装置に関する。

　ダイカストマシンや射出成形機においては、高温で溶融状態のアルミニウムや樹脂を、閉じられた金型の空間部であるキャビティ内に、射出装置によって高速高圧で充填し、冷却固化後に金型を開き、成形品を取出して生産する。そのため、型締装置には、金型を高速で開閉することができ、かつ充填中の圧力によって金型が開いてバリが発生しないよう、金型に大きな型締力を負荷できる機能が要求される。これまでに、多くの種類の型締装置、例えばトグル式、直圧式、複合式などが考案され使用されてきた。さらに、シリンダー等に高圧の油圧を供給し装置を駆動させる油圧駆動方式のものから、近年では、サーボモータとボールねじで動作させる電動駆動式のものが、一般的に使用されるようになってきており、運転時の省エネ化や低騒音化を実現している（特許文献１乃至３参照）。

特公平０２－３２０６４号公報特許第３５９１９０８号公報特開２００６－２１８６２７号公報

　しかしながら、特許文献１および３に開示された型締装置の構成では、樹脂などの圧力が高い金型中央部には型締力が作用しにくく、バリが発生しやすいという問題がある。また、特許文献２に開示されたトグル式の機構は、ムービングプラテンの後方に設置するトグル機構が大きく、型締装置全体が長くなってしまうため、工場内において大きな設置スペースを確保する必要があり、工場内の作業スペースなどが狭くなるという問題がある。

　そこで、本発明は、バリの発生を防止することができ、かつ設置スペースの小さい型締装置を提供することを目的とする。

　以上の課題を解決するために、本発明の一態様に係る型締装置は、マシンベースと、マシンベース上に設けられ、正面を固定型取付け面として固定型取付け面に固定型を保持する固定プレートと、固定プレートの背面側に、固定プレートに対して相対移動可能に設けられた固定プラテンと、固定プラテンと結合するタイバーと、マシンベース上に型開閉方向に移動可能に設けられ、固定プレートの固定型取付け面と対向する可動型取付け面に可動型を保持し、タイバーと係合離脱が可能なハーフナットを備えた可動盤と、可動盤を開閉動作駆動させる型開閉装置と、固定プレートと固定プラテンの間に装着され、固定型取付け面に取り付けられる最小固定型の取付範囲内の固定プレートの背面に型締力および離型力を発生させる複数の型締力発生機構と、を備えたことを特徴とする。

　また、前述の型締装置において、可動盤は、可動型を保持する可動プレートと、ハーフナットを保持する可動プラテンと、を備え、可動プレートおよび可動プラテンの少なくとも一方には、型締め時において、可動型取付け面に取り付けられる最小可動型の取付範囲内で、可動プレートおよび可動プラテンが接触するように構成された連結部が設けられていることが好ましい。

　さらに、前述の型締装置において、型締力が負荷されていない状態で、可動プレートおよび可動プラテンの互いに対向する面の一方の面が平面であり、他方の面が、連結部近傍が一方の面と平行な平面で、かつ連結部近傍から周囲部に行くほど一方の面から遠ざかるように傾斜していることが好ましい。

　また、本発明の他の態様に係る型締装置は、マシンベースと、マシンベース上に設けられ、正面を固定型取付け面として固定型取付け面に固定型を保持する固定盤と、固定盤と結合するタイバーと、マシンベース上に型開閉方向に移動可能に設けられ、固定盤の固定型取付け面と対向する可動型取付け面を正面として、可動型取付け面に可動型を保持する可動プレートと、可動プレートの背面側に、可動プレートに対して相対移動可能に設けられ、タイバーと係合離脱が可能なハーフナットを保持する可動プラテンと、可動プレートと可動プラテンを一体的に開閉動作駆動させる型開閉装置と、可動プレートと可動プラテンの間に装着され、可動型取付け面に取り付けられる最小可動型の取付範囲内の可動プレートの背面に型締力および離型力を発生させる複数の型締力発生機構と、を備えたことを特徴とする。

　また、前述の型締装置において、固定盤は、固定型を保持する固定プレートと、タイバーと結合する固定プラテンと、を備え、固定プレートおよび固定プラテンの少なくとも一方には、型締め時において、固定型取付け面に取り付けられる最小固定型の取付範囲内で、固定プレートおよび固定プラテンが接触するように構成された連結部が設けられていることが好ましい。

　さらに、前述の型締装置において、型締力が負荷されていない状態で、固定プレートおよび固定プラテンの互いに対向する面の一方の面が平面であり、他方の面が、連結部近傍が一方の面と平行な平面で、かつ連結部近傍から周囲部に行くほど一方の面から遠ざかるように傾斜していることが好ましい。

　そして、今までに述べた型締装置において、型締力発生機構は、型締用モータと、型締用モータにより回転し、型締力を発生させる型締用ねじと、型締用ねじの回転動作を拘束し、型締中の型締力を保持可能な電磁ブレーキと、を備えることが好ましい。

　また、今までに述べた型締装置において、型開閉装置は、型開閉用サーボモータおよび型開閉用ボールねじの組み合わせ、あるいはリニアモータを備えることが好ましい。

　さらに、今までに述べた型締装置において、ハーフナットは、ハーフナット用モータと、
　前記ハーフナット用モータにより回転し、前記タイバーとの係合離脱の動作を行なうハーフナット用ねじと、を備えることが好ましい。

　本発明によれば、バリの発生を防止することができ、かつ設置スペースの小さい型締装置を提供することができる。

本発明の第１実施例に係る型締装置であり、金型が開いている状態を示す概略正面図である。本発明の第１実施例に係る型締装置であり、金型が閉じ型締力が負荷されている状態を示す概略正面図である。第１実施例に係る型締装置の型締力発生機構を示す概略断面図である。図３のＡ－Ａ´線に沿って一部を切り欠いた拡大平面図であり、第１実施例に係る型締装置のウォームの駆動部を示す概略断面図である。第１実施例に係る型締装置のハーフナットであり、開いている状態を示す概略正面図である。第１実施例に係る型締装置のハーフナットであり、閉じている状態を示す概略正面図である。本発明の第２実施例に係る型締装置であり、金型が開いている状態を示す概略正面図である。本発明の第２実施例に係る型締装置であり、金型が閉じ型締力が負荷されている状態を示す概略正面図である。本発明の第３実施例に係る型締装置を示す概略正面図である。本発明の第４実施例に係る型締装置を示す概略正面図である。

　以下、図面を参照しながら、本発明の実施例に係る型締装置について説明する。

　［実施例１］
　図１および図２を参照しながら、第１実施例に係る型締装置１について説明する。図１は金型が開いている状態を表す。マシンベース２４上には、固定キー２５を介して固定プレート１３が固定的に載置されている。固定プレート１３の正面（固定型取付け面）には、金型の一方である固定型１０が取り付けられている。固定プレート１３の背面（固定型取付け面と反対側の面）には、型締力発生機構２０が複数個備え付けられており、型締力発生機構２０の移動部分は、固定プラテン１４と連結している。固定プラテン１４は、固定プレート１３上あるいはマシンベース２４上に、移動可能に載置されている。固定プラテン１４および固定プレート１３の中央部には、図示せぬ射出装置が挿入可能な射出穴２２が形成されている。固定型１０には、その背面側（図１中、右側）から正面側（図１中、左側）に亘って貫通する流入口（図示せず）が設けられている。固定型１０の流入口は、射出穴２２に挿入された射出装置と接触し、射出装置から射出された溶融状態の樹脂などを金型キャビティ内に射出充填することができるように構成されている。

　可動盤１５は、型開閉方向に移動可能なように可動台２６の上に載置されている。可動台２６の下側には、スライドブロック２８が固定されている。スライドブロック２８は、マシンベース２４上に固定されたスライドレール２７上を滑らかに摺動移動可能に構成されている。可動盤１５は、スライドブロック２８がスライドレール２７上を摺動移動することにより、マシンベース２４上を滑らかに摺動移動可能となっている。可動盤１５の固定プレート１３と対向する面（可動型取付け面）には、金型の他方である可動型１１が取付けられている。また、可動盤１５には、図示せぬ押出装置が設けられており、成形品を可動型１１から取り外すことができる。

　固定型１０および可動型１１は、これら固定型１０および可動型１１が閉じた際に、これら固定型１０および可動型１１の間に製品形状の空間であるキャビティが形成されるような形状に形成されており、射出装置から固定型１０の流入口を介してキャビティに溶融樹脂などが充填され固化することにより、所望の形状の成形品が得られるように構成されている。

　マシンベース２４の内部には、型開閉装置２が固定されている。ねじ軸サポート台３４に、型開閉用ボールねじ軸３０が回転自在ではあるが軸方向に拘束された状態で支持されている。型開閉用ボールねじ軸３０の左側端部は、カップリング３５を介して型開閉用サーボモータ３６の回転軸と連結している。また、右側端部は、ねじ軸支持台３２に回転自在に支持され、さらにねじ軸支持台３２に固定された型開閉用ブレーキ３３の回転部と連結している。型開閉用ブレーキ３３は電磁ブレーキであり、電流を通電するとブレーキが解除されるように構成されている。型開閉用ボールねじ軸３０は、型開閉用ボールねじナット３１と螺合しており、さらに型開閉用ボールねじナット３１はナット取付けブロック２９を介して可動台２６と結合している。よって、型開閉装置２は、型開閉用ブレーキ３３が通電解除している状態で、型開閉用サーボモータ３６の回転軸を回転運動させることにより、ボールねじの作用によって可動盤１５を直進運動させ、可動盤１５の型開閉動作を行なうことができる。なお、型開閉装置２は、リニアモータを備え、リニアモータにより可動盤１５の型開閉動作を行なうとしても良い。

　タイバー１７は、４本あり、固定プレート１３、固定プラテン１４、可動盤１５の四隅を貫通し、固定ナット１８によって固定プラテン１４と結合している。また、可動盤１５には、ハーフナット１９が設けられており、タイバー係合部１７ａと係合離脱可能となっている。タイバー係合部１７ａには、リング状あるいはねじ状の溝が設けられ、噛み合い歯が形成されており、ハーフナット１９の内側には、歯が形成されている。これらタイバー１７とハーフナット１９は、タイバー係合部１７ａの噛み合い歯とハーフナット１９の歯とが噛合することにより、係合するように構成されている。

　図３に型締力発生機構２０の詳細を示す。固定プレート１３には、型締力支持台５０が取り付けられている。型締力支持台５０は、円すいころ軸受け６０およびアンギュラ軸受け６２によって、型締ボールねじ軸５５を回転自在で、かつ軸方向に拘束した状態で支持している。円すいころ軸受け６０は、大きな型締力を受けられる強度を持ち、アンギュラ軸受け６２は、スペーサ６５、ベアリングナット６１とベアリング押さえ６３によって支持され、離型力を受けることができる。また、型締ボールねじ軸５５には、キーを介してウォームホイール５７が固定されている。

　型締ボールねじ軸５５には、型締ボールねじナット５６が螺合しており、型締ボールねじナット５６の外側には、ナットホルダー５３が取り付けられている。ナットホルダー５３は、皿ばね６４を介してナット固定ボルト５９により固定プラテン１４と連結されている。よって、型締時において、固定プラテン１４の撓み角が大きい場合は、連結面の片方に隙間が形成され、型締ボールねじ軸５５に曲げ力が伝わらないようになっている。ナットホルダー５３は、スプライン５４を介してスプラインサポート５１と直進摺動可能な状態で係合しており、スプラインサポート５１は、取付けボルト５２によって型締力支持台５０に固定されている。よって、ウォームホイール５７により、型締ボールねじ軸５５に正方向の回転力が加えられると、型締ボールねじナット５６、ナットホルダー５３および固定プラテン１４が右側に直進移動して型締力が発生し、また、型締ボールねじ軸５５に逆方向の回転力が加えられると、型締ボールねじナット５６、ナットホルダー５３および固定プラテン１４が左側へ直進移動し、離型力が発生する。なお、型締ボールねじ軸５５および型締ボールねじナット５６は、ボールねじではなく、台形ねじなどであっても良い。

　図４は、図３のＡ－Ａ´線に沿って一部を切り欠いた拡大平面図であり、ウォームホイール５７に回転トルクを与えるウォーム５８の駆動部を示す。ウォームホルダー７０は、型締力支持台５０またはスプラインサポート５１に固定されている。ウォームホルダー７０とウォーム押さえ７１は、結合されており、その中にウォーム５８が２個のウォーム用アンギュラ軸受け７３を介して、回転自在かつ軸方向に拘束された状態で支持されている。また、適宜オイルシール７２が装着され、潤滑オイルの漏出を防止している。ウォームホルダー７０には、型締用電磁ブレーキ７５が装着されるとともに、モータサポート７６を介して型締用モータ７８が装着されている。ウォーム５８の軸は、キーによって型締用電磁ブレーキ７５の回転部と接続されているとともに、型締用カップリング７７によって、型締用モータ７８の回転軸と連結している。よって、ウォーム５８の駆動部は、型締用電磁ブレーキ７５が解除されている状態で、型締用モータ７８を回転させることにより、ウォーム５８を回転させ、ウォームホイール５７および型締ボールねじ軸５５を回転させることができる。

　図１に示されるように、型締力発生機構２０の中心線２０ａ、すなわち型締ボールねじ軸５５の中心線は、この型締装置１に装着できる最小の固定型１０の取付け範囲内に配置されている。よって、型締め力発生機構２０が伸びて型締力を発生させた際、金型の真後ろを押すことになるので、樹脂などの圧力が高い金型中央部に、型締力を効果的に負荷できる。

　ハーフナット１９を、図１において左側から見た様子を、図５Ａおよび図５Ｂに示す。図５Ａは、ハーフナット１９が開いた状態（タイバーから離脱）を表わしており、右ハーフナット１９ａと左ハーフナット１９ｂからなる。それぞれの上方には、ハーフナットサポート８０を介してハーフナット用ボールねじナット８２、ハーフナット用ボールねじ軸８１が取り付けられている。ハーフナット用ボールねじ軸８１は、可動盤１５に固定されているボールねじ受け台８３に、軸受けを介して回転自在かつ軸方向には拘束された状態で支持されている。また、ハーフナット用ボールねじ軸８１の端部は、ハーフナット用カップリング８４によって、ハーフナット用モータ８５の回転軸と連結している。図５Ａに示された矢印の方向にハーフナット用ボールねじ軸８１を回転させると、ハーフナット１９は動作し、図５Ｂに示すような閉じた状態（タイバーと係合）となる。また、図５Ｂに示された矢印の方向にハーフナット用ボールねじ軸８１を回転させると、図５Ａに示すような開いた状態となる。

　次に、本実施例の型締装置１による成形動作について説明する。まず、図１の型開き状態では、ハーフナット１９は開いてタイバー１７と離脱状態になっており、型締力発生機構２０の移動部は原点位置にある。図示せぬ制御装置から型開閉ブレーキ３３に解除信号が送られた後、型開閉用サーボモータ３６に回転指令信号が送られ、型開閉用ボールねじ３０が回転し、ねじの作用により、可動台２６、可動盤１５および可動型１１が閉方向（図1中、右方向）に移動する。可動型１１が固定型１０にタッチすると、型開閉用サーボモータ３６は停止しフリー状態となる。次に、型開閉用サーボモータ３６のエンコーダーなどから可動盤１５の位置を検知し、もし、タイバー係合部１７ａの歯とハーフナット係合部８８の歯が噛み合う位置関係になければ、型締力発生機構２０を動作し、固定プラテン１４およびタイバー１７を動かして、歯が噛み合う位置になるよう調整する。金型の厚みが予め分かっている場合は、型閉動作前にタイバー１７の位置を調整しておいても良い。

　続いて、ハーフナット用モータ８５を回転させて、ハーフナット１９をタイバー１７と係合させる。係合が完了すると、型締用電磁ブレーキ７５を解除し、型締用モータ７８を駆動し、ウォーム５８、ウォームホイール５７を介して型締ボールねじ軸５５を回転させる。そして、型締ボールねじ軸５５のねじの作用によって、ボールねじナット５６、ナットホルダー５３が右側に動き、固定プラテン１４を押圧することにより型締力が発生する（図２の状態）。型締力の制御は、型締力に対応する型締用モータ７８の回転トルクを換算し、トルク制御する方法や、タイバー１７などに型締力センサーを設置し、その値をフィードバックしながら型締用モータ７８のトルクの出力を調整する方法がある。型締力が設定値に達すると、型締用電磁ブレーキ７５を作用させて型締ボールねじ軸５５の回転をロックすることにより、型締力を保持できるので、型締用モータ７８は休止させる。そのため、型締中は電力の消費が無く省エネ運転が可能となる。

　型締動作が完了した後、射出装置から溶融樹脂などを金型キャビティ内に高圧で射出充填する。溶融樹脂は、金型キャビティの中央部から流入し周囲に広がっていく。そのため、キャビティ内の圧力は流れの上流側の中央部が高くなる。本実施例では、型締力発生機構２０によって金型を真後ろから押しているため、金型中央部にも型締力が良く伝わる。そのため、溶融樹脂の圧力に負けてパーティング面が開くことを防止することができ、バリが発生することは無い。

　冷却固化が完了すると、型締用電磁ブレーキ７５を解除し、型締用モータ７８を型締時とは反転させて型締力を０に落とす。そしてさらに反転させ、金型を大きな力で開く（離型）。そして、金型が例えば１０ｍｍ程度開いた際に、型締用モータ７８を停止し、ハーフナットモータ８５を駆動してハーフナット１９を開く。続いて、型開閉用サーボモータ３６を駆動し、可動型１１および可動盤１５を後退させる。さらに、押出装置によって成形品を可動型から取り外し、取出し装置によって機外に運び出す。そして引き続き、次の成形サイクルを開始する。

　［実施例２］
　第２実施例について、第１実施例との違いを中心に、図６および図７を用いて説明する。なお、図６および図７において、図１および図２と同一の符号を付した構成は、第１実施例と同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
　第２実施例に係る型締装置１´において、第１実施例における可動盤１５が、可動プレート４０と可動プラテン４１の２部品に分かれていることが、第1実施例に係る型締装置１と違う点である。

　図６において、可動プレート４０の片側面（固定プレート１３と対向する面）は、可動型１１を取り付ける面（可動型取付け面）であり、反対側の面は、可動プラテン４１との連結部平面４０ａとなっている。可動プラテン４１の可動プレート４０側の面は、中央部分が、可動プレート４０の連結部平面４０ａと平行な連結平面４１ｂであり、周辺部分が、中央部分から周囲部に行くほど可動プレート４０の連結部平面４０ａから遠ざかるように傾斜する円錐面４１ａとなっている。連結平面４１ｂと円錐面４１ａが交わる頂点は、接触部４１ｃであり、可動型取付け面に取付けられる最小可動型の範囲内に位置する。円錐面４１ａは、平面に近い円錐面であるため、接触部４１ｃの頂点角度は、直線に近い鈍角である。また、円錐面４１ａは、四角や八角などの角錐面であっても良い。可動プレート４０と可動プラテン４１は、固定ボルト４２によって緩やかに接合している。このような構造にすることにより、型締時における可動プラテン４１の変形は、可動プレート４０に伝わらない。可動プレート４０と可動プラテン４１の連結部は、上述した以外にも、例えば、両方の面を平面にし、間に頂点角度が鈍角の円錐盤を最小金型の取付け範囲内に複数個取り付けることにより、可動プラテン４１の撓みを可動プレート４０に伝えないという上述と同様な効果が得られる。

　可動プレート４０は、型開閉装置２と連結する可動プレート台４３の上に固定的に載置されている。また、可動プラテン４１は、可動プレート台４３の上に拘束されること無く載置されている。このため、型締め時に可動プラテン４１が撓んでも、その変形が可動プレート台４３に伝わらないようになっている。型開閉装置２によって可動プレート台４３が移動すると、それに伴ない可動プレート４０と可動プラテン４１が一体的に型開閉動作する。可動プラテン４１の片方の面には、タイバー１７と係合離脱のハーフナット１９と図示せぬ押出装置が、実施例１と同様に取り付けられている。

　タイバー１７は、４本あり、固定プレート１３、固定プラテン１４、可動プレート４０および可動プラテン４１の四隅を貫通し、固定ナット１８によって固定プラテン１４と結合している。

　図７に、型締力が負荷されている状態を示す。型締力発生機構２０の動作により、固定プレート１３、タイバー１７、ハーフナット１９を介して型締力が伝わると、可動プラテン４１は図のように撓む。この時、可動プラテン４１の連結面は、図のように弓形に変形し、可動プレート４０とは、接触部４１ｃのみが当接する。接触部４１ｃは、最小金型の取付け範囲内に位置しているため、金型を真後ろから押すことができ、型締力を樹脂などの圧力が高くバリが発生しやすい中央部に効果的に負荷することができる。
　実施例１においては、固定側のみ金型の真後ろから型締力を負荷する構造であったが、実施例２においては、さらに可動側も金型の真後ろから型締力を負荷できるので、効果はより一層大きくなる。
　成形のための型開閉や型締めの動作は、実施例１と同様である。

　［実施例３］
　第3実施例について、第1実施例および第２実施例との違いを中心に、図８を用いて説明する。なお、図８において、図１、図２、図６及び図７と同一の符号を付した構成は、第１実施例および第２実施例と同一の構成であることを示し、その説明を省略する。また、第３実施例に係る型締装置１´´において、成形のための型開閉や型締めの動作は、実施例１および第２実施例と同様であるため、それらの説明を省略する。
　第３実施例に係る型締装置１´´において、第１実施例における固定プレート１３および固定プラテン１４を、単一部品からなる固定盤４４とした点、並びに、第１実施例における可動盤１５を、可動プレート４０´と可動プラテン４１´の２部品とすると共に、これら可動プレート４０´と可動プラテン４１´の間に型締力発生機構２０を設けた点が、第1実施例に係る型締装置１と違う点である。

　図８において、固定盤４４は、固定キー２５を介してマシンベース２４上に固定的に載置されている。固定盤４４の正面（固定型取付け面）には、金型の一方である固定型１０が取り付けられている。固定盤４４の中央部には、図示せぬ射出装置が挿入可能な射出穴（図示せず）が形成されている。

　可動プレート４０´の固定盤４４と対向する面（可動型取付け面）には、金型の一方である可動型１１が取り付けられている。可動プレート４０´の可動型取付け面の反対側の面（背面）には、型締力発生機構２０が複数個備え付けられており、型締力発生機構２０の移動部分は、可動プラテン４１´と連結している。可動プレート４０´は、型開閉装置２と連結する可動プレート台４３´の上に固定的に載置されている。可動プラテン４１´は、可動プレート４０´上あるいは可動プレート台４３´上に、移動可能に載置されている。このため、型開閉装置２によって可動プレート台４３´が移動すると、それに伴ない可動プレート４０´と可動プラテン４１´が一体的に型開閉動作する。可動プラテン４１´の背面（図８中、左側の面）には、タイバー１７と係合離脱のハーフナット１９と図示せぬ押出装置が、実施例１と同様に取り付けられている。

　タイバー１７は、４本あり、固定盤４４、可動プレート４０´および可動プラテン４１´の四隅を貫通し、固定ナット１８によって固定盤４４と結合している。

　型締力発生機構２０は、その中心線２０ａが、この型締装置１´´に装着できる最小の可動型１１の取付け範囲内に配置されている。よって、型締め力発生機構２０が伸びて型締力を発生させた際、金型の真後ろを押すことになるので、樹脂などの圧力が高い金型中央部に、型締力を効果的に負荷できる。

　［実施例４］
　　第４実施例について、第1実施例乃至第３実施例との違いを中心に、図９を用いて説明する。なお、図９において、図１、図２及び図６乃至図８と同一の符号を付した構成は、第１実施例乃至第３実施例と同一の構成であることを示し、その説明を省略する。また、第４実施例に係る型締装置１´´´において、成形のための型開閉や型締めの動作は、実施例１乃至第３実施例と同様であるため、それらの説明を省略する。
　第４実施例に係る型締装置１´´´において、第３実施例における固定盤４４が、固定プレート１３´と固定プラテン１４´の２部品に分かれていることが、第３実施例に係る型締装置１´´と違う点である。

　図９において、固定プレート１３´の正面（可動プレート４０´と対向する面）は、固定型１０を取り付ける面（固定型取付け面）であり、反対側の面は、固定プラテン１４´との連結部平面１３´ａとなっている。固定プラテン１４´の固定プレート１３´側の面は、中央部分が、固定プレート１３´の連結部平面１３´ａと平行な連結平面１４´ｂであり、周辺部分が、中央部分から周囲部に行くほど固定プレート１３´の連結部平面１３´ａから遠ざかるように傾斜する円錐面１４´ａとなっている。連結平面１４´ｂと円錐面１４´ａが交わる頂点は、接触部１４´ｃであり、固定型取付け面に取付けられる最小固定型の範囲内に位置する。円錐面１４´ａは、平面に近い円錐面であるため、接触部１４´ｃの頂点角度は、直線に近い鈍角である。また、円錐面１４´ａは、四角や八角などの角錐面であっても良い。固定プレート１３´と固定プラテン１４´は、固定ボルト４２によって緩やかに接合している。このような構造にすることにより、型締時における固定プラテン１４´の変形は、固定プレート１３´に伝わらない。固定プレート１３´と固定プラテン１４´の連結部は、上述した以外にも、例えば、両方の面を平面にし、間に頂点角度が鈍角の円錐盤を最小金型の取付け範囲内に複数個取り付けることにより、固定プラテン１４´の撓みを固定プレート１３´に伝えないという上述と同様な効果が得られる。

　固定プレート１３´は、固定キー２５を介してマシンベース２４上に固定的に載置されている。また、固定プラテン１４´は、固定プレート１３´あるいはマシンベース２４の上に拘束されること無く載置されている。このため、型締め時に固定プラテン１４´が撓んでも、その変形が固定プレート１３´あるいはマシンベース２４に伝わらないようになっている。固定プラテン１４´および固定プレート１３´の中央部には、図示せぬ射出装置が挿入可能な射出穴（図示せず）が形成されている。

　タイバー１７は、４本あり、固定プレート１３´、固定プラテン１４´、可動プレート４０´および可動プラテン４１´の四隅を貫通し、固定ナット１８によって固定プラテン１４´と結合している。

　上記の実施の形態は本発明の一例であり、本発明は、該実施の形態により制限されるものではなく、請求項に記載される事項によってのみ規定されており、上記以外の実施の形態も実施可能である。

　特許文献１には、型開閉用電動機（モータ）とボールねじで金型を閉じてタイバーをロックした後、タイバーと一体のボールねじ軸と螺合するボールねじナットを回転させ、大きな型締め力を得ることができる機構の、２枚のプラテンからなる複合式の電動駆動型締装置が開示されている。この複合式の型締装置は、大きなトグル機構を要さないので、成形工場内において広い設置面積を要しない省スペース機である利点を持っている。しかしながら、特許文献１に開示された機構では、タイバーと一体の型締ボールねじが、型締力による大きな引張りと曲がり荷重を受けるために損傷しやすく、大きな負荷に耐えうる定格荷重が非常に高いものが要求される。そのため、この機構は、型締力が５００トンを超えるような大型の成形機への採用が困難であった。また、型締力を負荷すると、金型を保持する固定盤と可動盤が撓むため、金型の周辺部を押圧することになり、樹脂などの圧力が高い金型中央部には型締力が作用しにくく、バリが発生しやすいという欠点もあった。

　また、特許文献２に記載の型締装置は、電動駆動式に一般的に採用されているトグル式の型締装置に関するものであり、ステーショナリープラテンやムービングプラテンが撓んだ状態で金型の周辺部のみに型締力を負荷することがないよう、それぞれに支持機構を取付け、金型の中央部を押圧するようになっている。このことにより、溶融樹脂などの圧力が高いキャビティ中央部に型締力を集中させることができるので、バリの発生を低減できるという効果を持っている。しかしながら、特許文献２に開示されたトグル式の機構は、ムービングプラテンの後方に設置するトグル機構が大きく、型締装置全体が長くなってしまう。そのため、工場内において大きな設置スペースを確保する必要があり、工場内の作業スペースなどが狭くなっていた。

　さらに、特許文献３においては、可動プラテン側を２枚の盤から構成し、その間にコロを介して楔体を挿入し、サーボモータとボールねじによって楔体を移動させることによって型締力を発生させる機構の、複合式の電動駆動型締装置が開示されている。しかしながら、特許文献３に開示された機構は、複合式で省スペースであるという利点はあるが、可動プラテン側の２枚の盤間に配した楔体を移動させて型締力を発生させるため、小さな移動力で型締力を発生させようとする場合、楔体の表裏面が交差する角度を小さくしなければならなくなり、盤の面積を広く使う必要がある。成形品形状によって金型の厚みが変わるので、型厚によって型締力が発生する楔体の位置が変わり、盤の周囲部に楔体が位置した状態で発生させる場合には、金型の周辺部を押圧することになり、中央部にバリが発生しやすくなるという欠点があった。

　これに対し、前述の実施例に係る型締装置によれば、次のような効果を奏することができる。
（１）サーボモータとねじにより型締力を発生できるので、全電動の型締装置となり、油圧装置が不要となる。
（２）リンク機構を要しないので機械装置が小さくなり、成形工場内の設置スペースが小さくなる。
（３）金型の取付け面の真後ろに型締力を負荷できるため、樹脂圧の高い金型中央部にも大きな型閉じ力が発生するので、バリの発生を防止できる。
（４）型締力を発生させるねじを型締完了後に電磁ブレーキによってロックするため、型締用サーボモータを休止でき、電力の消費が少なく省エネ効果がある。

　アルミニウム製品やプラスチック製品を生産する成形工場において活用でき、工場内設置スペースの縮小や、運転時の省エネ化に貢献する。

　１０　固定型
　１１　可動型
　１３　固定プレート
　１４　固定プラテン
　１５　可動盤
　１７　タイバー
　１７ａ　タイバー係合部
　１８　固定ナット
　１９　ハーフナット
　１９ａ　右ハーフナット
　１９ｂ　左ハーフナット
　２０　型締力発生機構
　２０ａ　中心線
　２２　射出穴
　２４　マシンベース
　２５　固定キー
　２６　可動台
　２７　スライドレール
　２８　スライドブロック
　２９　ナット取付けブロック
　３０　型開閉用ボールねじ軸
　３１　型開閉用ボールねじナット
　３２　ねじ軸支持台
　３３　型開閉用ブレーキ
　３４　ねじ軸サポート台
　３５　カップリング
　３６　型開閉用サーボモータ
　４０　可動プレート
　４０ａ　連結部平面
　４１　可動プラテン
　４１ａ　円錐面
　４１ｂ　連結平面
　４１ｃ　接触部
　４２　固定ボルト
　４３　可動プレート台
　５０　型締力支持台
　５１　スプラインサポート
　５２　取付けボルト
　５３　ナットホルダー
　５４　スプライン
　５５　型締ボールねじ軸
　５６　型締ボールねじナット
　５７　ウォームホイール
　５８　ウォーム
　５９　ナットホルダー固定ボルト
　６０　円すいころ軸受け
　６１　ベアリングナット
　６２　アンギュラ軸受け
　６３　ベアリング押さえ
　６４　皿ばね
　６５　スペーサ
　７０　ウォームホルダー
　７１　ウォーム押さえ
　７２　オイルシール
　７３　ウォーム用アンギュラ軸受け
　７５　型締用電磁ブレーキ
　７６　モータサポート
　７７　型締用カップリング
　７８　型締用モータ
　８０　ハーフナットサポート
　８１　ハーフナット用ボールねじ軸
　８２　ハーフナット用ボールねじナット
　８３　ボールねじ受け台
　８４　ハーフナット用カップリング
　８５　ハーフナット用モータ
　８８　ハーフナット係合部

Claims

　マシンベースと、
　前記マシンベース上に設けられ、正面を固定型取付け面として前記固定型取付け面に固定型を保持する固定プレートと、
　前記固定プレートの背面側に、前記固定プレートに対して相対移動可能に設けられた固定プラテンと、
　前記固定プラテンと結合するタイバーと、
　前記マシンベース上に型開閉方向に移動可能に設けられ、前記固定プレートの固定型取付け面と対向する可動型取付け面に可動型を保持し、前記タイバーと係合離脱が可能なハーフナットを備えた可動盤と、
　前記可動盤を開閉動作駆動させる型開閉装置と、
　前記固定プレートと前記固定プラテンの間に装着され、前記固定型取付け面に取り付けられる最小固定型の取付範囲内の前記固定プレートの背面に型締力および離型力を発生させる複数の型締力発生機構と、
　を備えたことを特徴とする型締装置。
　請求項１に記載の型締装置において、
　前記可動盤は、前記可動型を保持する可動プレートと、前記ハーフナットを保持する可動プラテンと、を備え、
　前記可動プレートおよび可動プラテンの少なくとも一方には、型締め時において、前記可動型取付け面に取り付けられる最小可動型の取付範囲内で、前記可動プレートおよび可動プラテンが接触するように構成された連結部が設けられている
　ことを特徴とする型締装置。
　請求項２に記載の型締装置において、
　型締力が負荷されていない状態で、前記可動プレートおよび前記可動プラテンの互いに対向する面の一方の面が平面であり、他方の面が、前記連結部近傍が前記一方の面と平行な平面で、かつ前記連結部近傍から周囲部に行くほど前記一方の面から遠ざかるように傾斜している
　ことを特徴とする型締装置。
　マシンベースと、
　前記マシンベース上に設けられ、正面を固定型取付け面として前記固定型取付け面に固定型を保持する固定盤と、
　前記固定盤と結合するタイバーと、
　前記マシンベース上に型開閉方向に移動可能に設けられ、前記固定盤の固定型取付け面と対向する可動型取付け面を正面として、前記可動型取付け面に可動型を保持する可動プレートと、
　前記可動プレートの背面側に、前記可動プレートに対して相対移動可能に設けられ、前記タイバーと係合離脱が可能なハーフナットを保持する可動プラテンと、
　前記可動プレートと前記可動プラテンを一体的に開閉動作駆動させる型開閉装置と、
　前記可動プレートと前記可動プラテンの間に装着され、前記可動型取付け面に取り付けられる最小可動型の取付範囲内の前記可動プレートの背面に型締力および離型力を発生させる複数の型締力発生機構と、
　を備えたことを特徴とする型締装置。
　請求項４に記載の型締装置において、
　前記固定盤は、前記固定型を保持する固定プレートと、前記タイバーと結合する固定プラテンと、を備え、
　前記固定プレートおよび固定プラテンの少なくとも一方には、型締め時において、前記固定型取付け面に取り付けられる最小固定型の取付範囲内で、前記固定プレートおよび固定プラテンが接触するように構成された連結部が設けられている
　ことを特徴とする型締装置。
　請求項５に記載の型締装置において、
　型締力が負荷されていない状態で、前記固定プレートおよび前記固定プラテンの互いに対向する面の一方の面が平面であり、他方の面が、前記連結部近傍が前記一方の面と平行な平面で、かつ前記連結部近傍から周囲部に行くほど前記一方の面から遠ざかるように傾斜している
　ことを特徴とする型締装置。
　前記型締力発生機構は、
　型締用モータと、
　前記型締用モータにより回転し、前記型締力を発生させる型締用ねじと、
　前記型締用ねじの回転動作を拘束し、型締中の前記型締力を保持可能な電磁ブレーキと、
　を備えたことを特徴とする請求項１乃至６のいずれか1項に記載の型締装置。
　前記型開閉装置は、型開閉用サーボモータおよび型開閉用ボールねじの組み合わせ、あるいはリニアモータを備えた
　ことを特徴とする請求項１乃至７のいずれか1項に記載の型締装置。
　前記ハーフナットは、
　ハーフナット用モータと、
　前記ハーフナット用モータにより回転し、前記タイバーとの係合離脱の動作を行なうハーフナット用ねじと、
　を備えたことを特徴とする請求項１乃至８のいずれか1項に記載の型締装置。