JP6612024B2 - 樹脂成形装置、樹脂成形方法及び樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

樹脂成形装置、樹脂成形方法及び樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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本発明は、成形型のキャビティに満たされた流動性樹脂を硬化させて硬化樹脂を形成することによって硬化樹脂を含む成形品を製造する、樹脂成形装置樹脂成形方法及び樹脂成形品の製造方法に関するものである。
従来、樹脂成形装置が有する相対向する成形型を型締め及び型開きするための動力源として、電動機(electric motor ;以下「電動モータ」という。)が使用される(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、「(略)電動モータの出力トルクを両金型を型締めするときにおいて所定値に規制することによって、所定の型締め圧力を得るように構成している。」ことが記載されている。樹脂成形装置には、電動モータの回転軸の回転を成形型(例えば、上型及び下型)のうちの可動型(例えば、下型)に伝達するために、タイミングベルトとボールねじとトグルリンク機構とが設けられる。電動モータの回転軸の回転がタイミングベルトとボールねじとトグルリンク機構とに順次伝わって、下型が上昇する。下型の型面と上型の型面とが型合せされた後に、電動モータは一定のトルクによって下型を押圧する。このことによって、一定の型締め圧が維持される型締め状態が継続する。本出願書類において「型締め状態」という用語は、樹脂ばりの発生等を防止するために必要かつ十分に高い所定の型締め圧によって少なくとも2つの成形型が型締めされる状態を意味する。
成形型には、熱硬化性樹脂からなる流動性樹脂が満たされるキャビティが設けられる。キャビティに流動性樹脂が満たされた状態を保ちながら、一定の型締め圧によって下型の型面と上型の型面とが押圧される。下型と上型とは、それらの成形型に内蔵されたヒータによって一定の温度(例えば、180°C )に加熱されている。型締め状態が所定の時間だけ維持されることによって、加熱された流動性樹脂が硬化して硬化樹脂が形成される。電動モータの回転軸を回転させることによって成形型を型開きする。その後に、キャビティにおいて硬化した硬化樹脂を有する成形品を取り出す。特許文献2には、樹脂成形装置の一種であるモールド樹脂封止装置を対象にして、型締め状態が維持される所定の時間として、「樹脂注入が完了すると(略)、樹脂を硬化させるため、60〜150秒そのままの状態で保持するキュアタイムが設けられる(略)」ことが示されている。
特開平11−147240号公報(段落[0003]参照) 特開平06−182803号公報(段落[0060]参照)
特許文献1及び2における記載から理解されるように、電動モータは、一定のトルクによって成形型を型締めする型締め状態を所定の時間、例えば、60〜150秒の間維持する。言い換えれば、電動モータは60〜150秒の間連続して駆動される。したがって、この間において電動モータが発生するトルクは定格トルク(電動モータが定格電圧・定格周波数で、定格出力を連続的に出す時のトルク)以下である。樹脂成形装置においては、樹脂ばりの発生等を防止するために十分に高い型締め圧が必要になる。したがって、60〜150秒の間だけ型締め状態を維持するためには、大きい定格トルクを有する電動モータを使用する必要がある。このことは、次の4つの問題を引き起こす。第1の問題は、大きい定格トルクを有する電動モータが大きいので、樹脂成形装置を小型にすることが困難であることである。第2の問題は、大きい定格トルクを有する電動モータの価格が高いので、樹脂成形装置の製造コストが増大することである。第3の問題は、60〜150秒の間にわたる型締め状態において、大きい定格トルクを有する電動モータを使用する必要があるので、樹脂成形装置の消費電力が増大することである。第4の問題は、大きい定格トルクを有する電動モータの消費電力が大きいので、樹脂成形装置の省エネルギー化を図れず、かつ、ランニングコスト(装置を維持・管理・稼働するための費用。維持費。)が増大することである。ランニングコストが増大することは、製品である成形品の製造原価の上昇を引き起こす。
上述した課題を解決するために、本発明に係る樹脂成形装置は、一方の型及び該一方の型に相対向する他方の型を少なくとも有する成形型に樹脂が供給された状態で、少なくとも所定の樹脂硬化時間において前記成形型の型締め完了状態を維持して樹脂成形を行う樹脂成形装置であって、前記成形型を型開きし型締めする型開閉機構と、前記型開閉機構につながり前記成形型を型開きし型締めするために設けられ、定格トルクと瞬時最大トルクとを有する電動モータと、動作させることにより前記電動モータの回転軸が回転できない状態にできるように設けられ、保持トルクを発生させて前記型締め完了状態を維持させることが可能なブレーキと、少なくとも前記電動モータ及び前記ブレーキを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記電動モータを駆動させて前記成形型を型締めし、前記電動モータに前記定格トルクを超える第1のトルクを発生させて電動型締め時間だけ前記型締め完了状態を維持させた後、前記ブレーキを動作させて前記保持トルクを発生させ、前記電動モータへの電源供給を停止させるか又は前記電動モータによるトルクを前記定格トルク以下に低下させて、前記型締め完了状態を維持させてから、前記型締め完了状態において開始された前記樹脂硬化時間の終了よりも準備時間だけ前になると、前記成形型を支えることができるように前記電動モータによるトルクを増加させた後に前記ブレーキの動作を停止させ、前記ブレーキの動作停止後に、前記成形型を型開きさせるように前記電動モータを駆動させるように制御し、前記電動型締め時間が、0.5秒以上3秒以下で前記準備時間を超えない時間である。
本発明に係る樹脂成形品の製造方法は、上記樹成形装置を用いて樹脂成形品を製造する製造方法であって、前記制御部により、前記電動モータを駆動させて前記成形型を型締めし、前記電動モータに前記定格トルクを超える第1のトルクを発生させて電動型締め時間だけ前記型締め完了状態を維持させた後、前記ブレーキを動作させて前記保持トルクを発生させ、前記電動モータへの電源供給を停止させるか又は前記電動モータによるトルクを前記定格トルク以下に低下させて、前記型締め完了状態を維持させてから、前記型締め完了状態において開始された前記樹脂硬化時間の終了よりも準備時間だけ前になると、前記成形型を支えることができるように前記電動モータによるトルクを増加させた後に前記ブレーキの動作を停止させ、前記ブレーキの動作停止後に、前記成形型を型開きさせるように前記電動モータを駆動させるように制御して、樹脂成形品を製造する
本発明に係る樹脂成形装置は、上述した樹脂成形装置において、瞬時最大トルクは定格トルクの2倍以上であって3倍以下であることを特徴とする。
本発明に係る樹脂成形装置は、上述した樹脂成形装置において、保持トルクは瞬時最大トルク以上であることを特徴とする。
本発明に係る樹脂成形装置は、上述した樹脂成形装置において、ブレーキは、電動モータに設けられた内蔵ブレーキであることを特徴とする。
本発明に係る樹脂成形装置は、上述した樹脂成形装置において、成形品を成形する方式は射出成形、トランスファ成形又は圧縮成形であることを特徴とする。
本発明によれば、型締め完了状態を維持するために必要な定格トルクよりも小さい定格トルク、言い換えれば、成形型の型面同士を接触させる動作を完了するために必要かつ十分な定格トルクを有する電動モータを使用できる。このことにより、第1に、電動モータを小型化、低価格化及び省エネルギー化できる。第2に、電動モータを小型化、低価格化及び省エネルギー化できるので、樹脂成形装置を小型化、低価格化及び省エネルギー化できる。第3に、ブレーキを所定の保持時間だけ動作させながら、電動モータが定格トルク以下のトルクを発生するように電動モータを駆動して型締め完了状態を維持するので、型締め完了状態における樹脂成形装置を省エネルギー化できる。電動モータに印加する駆動電圧を遮断して型締め完了状態を維持することにより、型締め完了状態における樹脂成形装置をいっそう省エネルギー化できる。第4に、樹脂成形装置を省エネルギー化することによって樹脂成形装置のランニングコストを低減できるので、成形品の製造原価を低減できる。
本発明に係る樹脂成形装置に設けられた成形モジュールが型締めを開始した直後の状態を示す概略側面図である。 図1に示された成形モジュールが、型締めを完了した後に電動モータを使用して、電動モータが定格トルクを超え瞬時最大トルク以下の短時間駆動トルクを発生することによって所定の型締め圧による型締め状態を実現する工程を示す概略側面図である。 図1に示された成形モジュールが電動モータの内蔵ブレーキを使用して型締め状態を維持する工程を示す、概略側面図である。 図1に示された成形モジュールが型開きを開始した直後の状態を示す概略側面図である。 本発明に係る樹脂成形装置を、上型側の部材を取り除いたと仮定して示す概略平面図である。
樹脂成形装置の一種である樹脂封止装置1に設けられた成形モジュール2において、成形型10の型締めを完了するために必要かつ十分な定格トルクTrと内蔵ブレーキ20とを有する電動モータ19を使用する。電動モータ19の瞬時最大トルクTmaxは、電動モータ19の定格トルクTrの2倍以上でかつ3倍以下である。内蔵ブレーキ20の保持トルクThは、電動モータ19の瞬時最大トルクTmax以上である。電動モータ19の定格トルクTr以下のトルクによって成形型10の型面同士を接触させる動作を完了させる。その後に、定格トルクTrを超えかつ瞬時最大トルクTmax以下のトルク(本出願書類において「短時間駆動トルク」という。)によって所定の電動型締め時間Tだけ所定の型締め圧による型締め状態を維持する。短時間駆動トルクによって型締め状態を維持する動作を開始した後に、内蔵ブレーキ20を動作させる(ONにする)。内蔵ブレーキ20の動作を開始した後に、電動モータ20に印加する駆動電圧を遮断する(電動モータをOFFにする)。内蔵ブレーキ20を所定の硬化時間だけ動作させることによって、電動モータをOFFにした状態において所定の硬化時間だけ型締め状態を維持する。
以下、本発明に係る樹脂成形装置の実施例1について図1〜4を参照して述べる。樹脂成形装置の例として、成形型を用いて、プリント基板等の回路基板(circuit board)の上に実装された半導体チップ等のチップ状電子部品(以下「チップ」という。)を覆う封止樹脂を成形するための樹脂封止装置について述べる。この樹脂封止装置においては、樹脂成形の方式として圧縮成形が採用される。
図1を参照して樹脂封止装置1に設けられた成形モジュール2について述べる。成形モジュール2は基台3を有する。基台3には下架台4が固定される。下架台4の四隅には、上方に向かって4本のタイバー5が固定される。4本のタイバー5の上部には、下架台4に相対向する上架台6が固定される。下架台4と上架台6との間において、下架台4と上架台6とに相対向する可動台7が、昇降できるように4本のタイバー5にはめ込まれる。
上架台6の下面に上型8が固定され、可動台7の上面に下型9が固定される。上型8と下型9とは、併せて1組の成形型10(以下単に「成形型10」という。)を構成する。上型8と下型9とには、ヒータ(図示なし)が設けられる。下型9の上面にはキャビティ11が形成される。キャビティ11の内部に存在する流動性樹脂12が、上型8と下型9とが型締めした状態において、加圧されながら加熱されることによって硬化する。このことによって、流動性樹脂12が硬化することによって形成された硬化樹脂を含む成形品が成形される。
下架台4の上面に下側取付板13が固定される。可動台7の下面に上側取付板14が固定される。リンク機構15が、下側取付板13と上側取付板14との間において伸縮できるようにして、下側取付板13と上側取付板14とに固定される。上側取付板14の下部には凹部とベアリングとが設けられ(いずれも図示なし)、そのベアリングにボールねじ16の端部が固定される。ボールねじ16には、リンク機構15に取り付けられたボールナット17がはめ込まれる。ボールねじ16の下部には、プーリ18が固定される。リンク機構15は、ボールねじ16の回転運動を上側取付板14の昇降運動に変換して伝達する型開閉機構である。
基台3には電動モータ19が固定される。電動モータ19は、電磁式ブレーキからなる内蔵ブレーキ20を有する。電動モータ19の回転軸21にはプーリ22が固定される。プーリ18とプーリ22とには、タイミングベルト23が架けられている。これらの構成によって、電動モータ19の回転軸21が回転すると、その回転がプーリ22、タイミングベルト23、プーリ18、ボールねじ16に順次伝達される。ボールねじ16が回転すると、ボールナット17が昇降する。ボールナット17が昇降することに伴って、リンク機構15を介して上側取付板14と可動台7と下型9とが一体になって昇降する。
電動モータ19と内蔵ブレーキ20とには、樹脂封止装置1全体の電力源である電源24が接続される(電源24と内蔵ブレーキ20との間の配線は図示されていない)。電源24と電動モータ19との間には、電流計25が接続される。電流計25は、電動モータ19に供給される電流値を示す。電流計25において図示された太い線分が電流計25の指針を示す。図1における電流計25は、電動モータ19が発生するトルクを説明するために図示された。樹脂封止装置1には電流計25が設けられていなくてもよい。
電動モータ19が発生するトルクは、電動モータ19に供給される電流に比例する。このことに基づいて、電動モータ19が発生するトルクを、電流計25が示す電流値として把握できる。電流計25の目盛板には、電動モータ19の定格トルクに対応する定格電流RC(rated current)と、電動モータ19の瞬時最大トルクTmaxに対応する瞬時最大電流MAXとが、明示されている。図1に示された電流計25は、瞬時最大電流MAXの値が定格電流RCの値の3倍である場合を想定した目盛板を有する。
樹脂封止装置1は制御部26を有する。制御部26に含まれる制御用ドライバの信号によって、少なくとも、電動モータ19の回転数とトルクと内蔵ブレーキ20の動作とが制御される。
上型8の下面には、吸着、クランプ等の周知の方法によって封止前基板27が固定される。封止前基板27は回路基板28とその上に実装されたチップ29とを有する。
以下、電動モータ19について述べる。電動モータ19は、例えば、ACサーボモータである。内蔵ブレーキ20は電磁式ブレーキであって、次のように構成されることが好ましい。内蔵ブレーキ20は、電力が遮断されることによって動作して(ONになって)回転軸21を動かなくする。内蔵ブレーキ20は、電力が供給されることによって動作を停止して(OFFになって;図1において「BRK /OFF」(「 /」は改行を示す)という文言によって示す)回転軸21を回転できるようにする。
本実施例においては、樹脂ばりの発生等を防止するために必要かつ十分に高い所定の型締め圧によって下型9と上型8とを型締めする際に、瞬時最大トルクTmaxに同じ値のトルク、又は、定格トルクTrを超えてかつ瞬時最大トルクTmax未満であって瞬時最大トルクTmaxの値に近い値のトルクを電動モータ19が発生するように、電動モータ19を駆動する。言い換えれば、型締め状態を実現する際に、瞬時最大トルクTmaxに同じ値のトルク、又は、定格トルクTrを超えてかつ瞬時最大トルクTmax未満であってその値に近い値のトルクを電動モータ19が発生するように、電動モータ19を駆動する。
上述したように電動モータ19を駆動することを前提にして、電動モータ19における定格トルクTrと瞬時最大トルクTmaxと内蔵ブレーキ20の保持トルクThとの間における2つの関係を述べる。
第1の関係として、電動モータ19の瞬時最大トルクTmaxは電動モータ19の定格トルクTrの2倍以上であってかつ3倍以下であること(2Tr≦Tmax≦3Trであること)が好ましい。
瞬時最大トルクTmaxの下限値を決定する場合について述べる。瞬時最大トルクTmaxが定格トルクTrの2倍未満であることを採用しない理由は以下の通りである。本実施例においては、下型9と上型8とを必要かつ十分に高い型締め圧によって型締めする際に、電動モータ19が瞬時最大トルクTmaxに同じ値のトルク、又は、定格トルクTrを超えてかつ瞬時最大トルクTmax未満であってその値にできるだけ近い値のトルクを発生するように、電動モータ19を駆動する。瞬時最大トルクTmaxが定格トルクTrの2倍未満である場合には、電動モータ19の定格トルクTrと型締め状態を実現し維持するために必要なトルクとの差が、小さくなる。言い換えれば、型締め状態を実現し維持するために必要なトルクの定格トルクTrに対する倍率(>1)が、小さくなって1に近づく。したがって、電動モータ19の定格トルクTrをある程度大きな値にする必要があるので、電動モータ19を小型化するという効果が減殺される。
例えば、瞬時最大トルクTmaxと定格トルクTrとの値(いずれも無名数とする)として、それぞれ120と40とを有する第1の電動モータと、それぞれ120と80とを有する第2の電動モータとを、比較する。この例においては、瞬時最大トルクTmaxの値として120が必要である場合に、第2の電動モータは第1の電動モータよりも大きくなることは明らかである。
瞬時最大トルクTmaxの上限値を決定する場合について述べる。この場合には、次の4つのことがいえる。第1に、定格トルクTrの3倍を超える瞬時最大トルクTmaxを有する電動モータ19を使用する場合には、高い型締め圧によって型締めする際に要求される必要かつ十分なトルクよりも瞬時最大トルクTmaxがある程度大きな値になる。言い換えれば、瞬時最大トルクTmaxに関して過剰品質を有する電動モータ19を使用することになるので、好ましくない。第2に、後述するように、内蔵ブレーキ20の保持トルクThは電動モータ19の瞬時最大トルクTmax以上であること(Tmax≦Thであること)が好ましい。このことから、定格トルクTrの3倍を超える瞬時最大トルクTmaxを有する電動モータ19においては、大きな内蔵ブレーキ20が必要になる。このことは電動モータ19を小型化することを妨げるおそれがある。第3に、電動モータ19を使用する態様から考えると、瞬時最大トルクTmaxが定格トルクTrの3倍を超える場合は想定しにくい。したがって、瞬時最大トルクTmaxが定格トルクTrの3倍を超える電動モータ19を入手しにくい。第4に、定格トルクTrの3倍を超える瞬時最大トルクTmaxを有する電動モータ19は高価である。これら4つのことから、瞬時最大トルクTmaxの上限値を定格トルクTrの3倍にすることが好ましい。
第2の関係として、前述のように、内蔵ブレーキ20の保持トルクThは電動モータ19の瞬時最大トルクTmax以上であること(Tmax≦Thであること)が好ましい。本実施例においては、下型9と上型8とを必要かつ十分に高い所定の型締め圧によって型締めする際に(型締め状態を実現する際に)、電動モータ19が瞬時最大トルクTmaxの値に同じ値を発生するように電動モータ19を駆動する場合があり得る。この場合を考えると、内蔵ブレーキ20を使用して型締め状態を維持するためには、内蔵ブレーキ20の保持トルクThの下限値は電動モータ19の瞬時最大トルクTmaxに等しい値であること又はその値よりも大きい値であることが好ましい。したがって、保持トルクThは瞬時最大トルクTmax以上であることが好ましい。
図1〜4を参照して、本発明に係る樹脂成形方法(樹脂封止方法)について述べる。以下、圧縮成形を行う場合について述べる。この場合には、成形型10を型締めした状態において、キャビティ11に満たされ熱硬化性樹脂からなる流動性樹脂12(図1〜図3参照)を硬化させて硬化樹脂を形成する。流動性樹脂12は、固形状樹脂又はゼリー状樹脂が加熱されて溶融することによって生成された溶融樹脂でもよく、常温で液状を示す樹脂(液状樹脂)でもよい。
まず、図1に示すように、制御部26は、下型9の上面と上型8の下面とからなる型面同士を接触させる動作(本出願書類において「成形型10の型締め」という。)を完了するまでの工程である第1の工程として、電動モータ19を次のように制御する。電源24から電動モータ19に定格電流RC以下の電流を供給する。このことにより、電動モータ19は定格トルクTr以下のトルクを発生して回転軸21を一方の方向に回転させる。電動モータ19の回転軸21の回転を、プーリ22、タイミングベルト23、プーリ18、ボールねじ16に順次伝達させる。ボールねじ16を一方の方向に回転させて、ボールナット17を上昇させる。ボールナット17を上昇させることによって、リンク機構15を介して上側取付板14と可動台7と下型9とを一体的に上昇させる。
次に、図1に示した状態に引き続いて、電動モータ19に定格電流RC以下の電流を供給して下型9を上昇させる。このことによって、成形型10の型締めを完了する。下型9を上昇させ始めてから型締めを完了するまで、制御部26は電動モータ19を定格電流RC以下の電流によって駆動する。下型9を上昇させることによって流動性樹脂12にチップ28を漬ける。型締めを完了することによって流動性樹脂12にチップ28を漬ける動作を完了する(図2参照)。
次に、成形型10の型締めが完了すると、制御部26は、例えば、電動モータ19に供給される電流の値が増加することによって、型締めが完了したことを検出する。
次に、図2に示すように、制御部26は、成形型10の型締め状態を実現するまでの工程である第2の工程として、電動モータ19を次のように制御する。制御部26は、定格トルクTr以上の2倍以上であってかつ瞬時最大トルクTmax以下の短時間駆動トルクを電動モータ19が発生するように電動モータ19を駆動するための短時間駆動信号を、短時間である所定の電動型締め時間Tだけ電動モータ19に供給する。短時間駆動信号を受け取った電動モータ19は、電動型締め時間Tだけ、定格トルクTrの2倍以上であってかつ瞬時最大トルクTmax以下の短時間駆動トルクを発生する。このことによって、下型9と上型8とを所定の型締め圧によって押圧して、成形型10の型締め状態を実現する。流動性樹脂12を、加熱しながら所定の型締め圧によって加圧する。この第2の工程において電動モータ19を電動型締め時間Tだけ駆動することによって発生する短時間駆動トルクは、所定の型締め圧に対応して予め設定されている。
次に、図3に示すように、型締め状態が実現されたことを検出した制御部26は、成形型10の型締め状態を維持する工程を含む第3の工程として、電動モータ19と内蔵ブレーキ20とを次のように制御する。第1に、高い型締め圧によって型締めする電動型締め時間T内において、ブレーキ動作信号を内蔵ブレーキ20に供給することによって、回転軸21を回転できるようにするために供給される電力を遮断する。このことによって、内蔵ブレーキ20を動作させる(ONにする)。内蔵ブレーキ20が回転軸21をロックして(回転軸21を回転できないようにして)、成形型10の型締め状態を維持する。
第2に、電動型締め時間T内において、内蔵ブレーキ20を動作させた後に電動モータ19に定格電流RC以下の電流を供給する。省エネルギー化を図るという観点からは、電動型締め時間T内において、内蔵ブレーキ20を動作させた後に電動モータ19に印加する駆動電圧を遮断する(電動モータ19をOFFにする)ことがいっそう好ましい。図3における電流計25は、電動モータ19に印加する駆動電圧を遮断した場合を示す。
電動モータ19をOFFにし、並行して内蔵ブレーキ20をONにする状態を、所定の時間(例えば、60〜150秒間)だけ継続することによって、所定の時間だけ型締め状態を維持する。このことにより、流動性樹脂12にチップ28を漬ける状態を維持する。この所定の時間は、熱硬化性樹脂からなる流動性樹脂12が硬化するために必要な硬化時間である。硬化時間が経過することによって、流動性樹脂12が硬化して硬化樹脂が形成される。
第3の工程においては、内蔵ブレーキ20において電源が遮断された場合に回転軸21を動かなくするように構成されていれば、型締め状態を維持する所定の時間の間を通じて内蔵ブレーキ20をONにするための電流は0(零)である。加えて、電動モータ19に印加する電流は定格電流RC以下の値であるか又は0である。これらのことによって、所定の時間だけ型締め状態を維持する第3の工程において、電動モータ19に印加する電流を削減でき、又は、0にできる。
次に、図4に示すように、所定の硬化時間(例えば、60〜150秒間)を記憶した制御部26は、成形型10を型開きする工程を含む第4の工程として、電動モータ19と内蔵ブレーキ20とを次のように制御する。制御部26は、所定の硬化時間の終了が近づいたことを検出すると、その終了から所定の準備時間(例えば、3秒間)だけ溯った時点において、電動モータ19が定格トルクTr以下のトルクを発生するようにして電動モータ19を駆動させる。このことにより、電動モータ19が下型9を支える。所定の硬化時間が経過したことを検出した制御部26は、電動モータ19が下型9を支える状態を維持したまま内蔵ブレーキ20の動作を停止させる(内蔵ブレーキ20をOFFにする)。制御部26は、電動モータ19を他方の方向に回転させることによって下型9を下降させる。このことによって、下型9と上型8とを型開きする。制御部26は電動モータ19が発生するトルクを制御しながら電動モータ19を他方の方向に回転させることが、好ましい。型開きが完了した後に、搬送機構(図示なし)を使用して、下型9と上型8との間から成形品である封止済基板30を取り出す。封止済基板30は、回路基板28と、チップ29と、硬化樹脂31とを有する。
第2の工程において電動モータ19に供給する電流について述べる。成形型10の型締めを完了した後に、電動モータ19に、定格電流RCを超える電流であって瞬時最大電流MAX以下の電流を、電動型締め時間Tだけ供給する。この場合には、下型9と上型8とを必要かつ十分に高い型締め圧によって型締めして、型締め状態を実現する必要がある。高い型締め圧を得るために、瞬時最大電流MAXに同じ値の電流、又は、定格電流RCを超えてかつ瞬時最大電流MAX未満であってその値に近い値の電流を電動モータ19に供給して電動モータ19を駆動することが好ましい。このように電動モータ19を駆動することにより、電動モータ19は、瞬時最大トルクTmaxの値に同じ値のトルク、又は、定格トルクTrを超えてかつ瞬時最大トルクTmax未満であってその値に近い値のトルクを、短時間駆動トルクとして発生する。
駆動される電動モータ19は、定格トルクTrを超えて瞬時最大トルクTmax以下の短時間駆動トルクを、電動型締め時間Tだけ発生する。このことによって、下型9と上型8とを、樹脂ばりの発生等を防止するために必要かつ十分に高い所定の型締め圧によって型締めして、型締め状態を実現する。高い型締め圧によって型締めする電動型締め時間Tは0.5秒間以上でかつ3秒間以下であることが、好ましい。電動型締め時間Tは0.5秒間以上でかつ2秒間以下であることが、いっそう好ましい。
第2の工程において電動モータ19が発生する短時間駆動トルクの値は次の2つを共に満たすことが、好ましい。第1に、短時間駆動トルクの値が、定格トルクTrの2倍以上でかつ3倍以下であることである。第2に、短時間駆動トルクの値が、瞬時最大トルクTmaxに同じ値のトルク、又は、定格トルクTrを超えてかつ瞬時最大トルクTmax未満であってその値にできるだけ近いことである。
上述した第2及び第3の工程において、高い型締め圧によって型締めする電動型締め時間Tについて述べる。電動型締め時間Tを、0.5秒間以上でかつ3秒間以下に、好ましくは0.5秒間以上でかつ1.5秒間以下に、設定する。時間Tを0.5秒間以上に設定する理由は、制御部26が、型締めが完了したことを検出してから、内蔵ブレーキ20を動作させて保持トルクThによって型締め状態を維持するまでには、最短で0.5秒間あれば十分だからである。時間Tを3秒間以下に設定する理由は、瞬時最大トルクTmaxで電動モータ19を動作できる時間は、電動モータ19の規格として最短で3秒間程度に設定されているからである。時間Tを1.5秒間以下に設定することが好ましい理由は、定格トルクTrの2倍以上であってかつ瞬時最大トルクTmax以下の短時間駆動トルクで電動モータ19を動作させる時間は短い方が好ましいからである。
本実施例によれば、成形型10の型締めを完了した後に、電動型締め時間Tの間だけ、電動モータ19が短時間駆動トルクを発生するように電動モータ19を駆動する。具体的には、電動型締め時間Tとして0.5秒間以上でかつ3秒間以下、好ましくは0.5秒間以上でかつ1.5秒間以下の間だけ、電動モータ19が短時間駆動トルクを発生する。短時間駆動トルクは、定格トルクTrを超えかつ瞬時最大トルクTmax以下である。瞬時最大トルクTmaxは、電動モータ19の定格トルクTrの2倍以上でかつ3倍以下であることが好ましい。これらのことによって実現した成形型10の型締め状態を、内蔵ブレーキ20をONにすることによって維持する。内蔵ブレーキ20をONにした後に、電動モータ19に定格電流RC以下の電流を供給する。内蔵ブレーキ20をONにした後に、電動モータ19をOFFにしてもよい。内蔵ブレーキ20を引き続きONにすることによって、所定の硬化時間だけ型締め状態を維持する。
これらのことによって、所定の型締め圧による型締め状態を実現し維持するために必要な定格トルクよりも大幅に小さい定格トルクTrを有する電動モータ19を使用できる。言い換えれば、成形型10の型締め(下型9の上面と上型8の下面とからなる型面同士を接触させる動作)を完了するためだけに必要かつ十分な定格トルクTrを有する電動モータ19を使用できる。成形型10の型締め状態を維持するために必要なトルクに比較すると、成形型10の型締めを完了するためだけに必要かつ十分な定格トルクTrは大幅に小さい。このことによって、第1に、電動モータ19を、小型化、低価格化及び省エネルギー化できる。第2に、電動モータを小型化、低価格化及び省エネルギー化できるので、樹脂封止装置1を小型化、低価格化及び省エネルギー化できる。内蔵ブレーキ20を有する電動モータ19を使用することによって、樹脂封止装置1をいっそう小型化できる。第3に、内蔵ブレーキ20を所定の保持時間だけ動作させながら、電動モータ19が定格トルクTr未満のトルクを発生するように電動モータ19を駆動し、又は、電動モータ19に印加する駆動電圧を遮断して、型締め状態を維持する。したがって、型締め状態において樹脂成形装置1を省エネルギー化できる。第4に、樹脂封止装置1を省エネルギー化できるので、樹脂封止装置1のランニングコスト(維持費)を低減できる。したがって、封止済基板30(成形品)の製造原価を低減できる。
本発明に係る樹脂封止装置について、図5を参照して述べる。図5に示されるように、樹脂封止装置1は、1個の材料受入モジュール32と、4個の成形モジュール2と、1個の払出モジュール33とを有する。加えて、樹脂封止装置1は、それぞれ樹脂封止装置1全体を対象にして、電力を供給する電源24と、各構成要素を制御する制御部26とを有する。
材料受入モジュール32と図5における最も左側の成形モジュール2とを、互いに装着でき分離できる。隣り合う成形モジュール2同士を、互いに装着でき分離できる。図5における最も右側の成形モジュール2と払出モジュール33とを、互いに装着でき分離できる。上述した構成要素を装着する際の位置決めは、位置決め用穴及び位置決めピン等の周知の手段によって行われる。装着は、ボルトとナットとを使用したねじ止め等からなる周知の手段によって行われる。
材料受入モジュール32は、基板材料受入部34と、樹脂材料受入部35と、材料移送機構36とを有する。基板材料受入部34は、樹脂封止装置1の外部から封止前基板27を受け入れる。樹脂材料受入部35は、樹脂封止装置1の外部から、固形状樹脂からなる樹脂材料37を受け入れる。図5は、樹脂材料37として粒状樹脂を示す。
樹脂封止装置1には、材料受入モジュール32から4個の成形モジュール2を経由して払出モジュール33にわたって、X方向に沿ってX方向ガイドレール38が設けられる。X方向ガイドレール38には、主搬送機構39がX方向に沿って移動できるようにして設けられる。主搬送機構39には、Y方向に沿ってY方向ガイドレール40が設けられる。Y方向ガイドレール40には、主搬送機構39が有する副搬送機構41がY方向に沿って移動できるようにして設けられる。副搬送機構41は、上部に封止前基板27を収容し、下部に樹脂材料37を収容して、1個の成形モジュール2におけるX方向ガイドレール38の上方と下型9におけるキャビティ11の上方との間を往復する。副搬送機構41が、上型(図示なし)の下面に封止前基板27を供給し、下型9のキャビティ11に樹脂材料37を供給する。
本実施例では、主搬送機構39と副搬送機構41とからなる搬送機構が、封止前基板27と、封止前基板27に装着されたチップ29(図1参照)が樹脂封止されて成形された成形品である封止済基板30との双方を、搬送する。この構成によれば、主搬送機構39と副搬送機構41とからなる搬送機構が搬入機構と搬出機構とを兼用するので、樹脂封止装置1の構成が簡素化される。
払出モジュール33は、封止済基板30を搬送する成形品移送機構42と、封止済基板30を収容するマガジン43とを有する。加えて、払出モジュール33は真空ポンプ44を有する。真空ポンプ44は、樹脂封止装置1全体を対象にして、封止前基板27、封止済基板30等を吸着するための減圧源である。真空ポンプ44は材料受入モジュール32に設けられてもよい。
真空ポンプ44は、上型8と下型9との間の空間であってキャビティ11を含む外気遮断空間を吸引するための減圧源としても使用される。外気遮断空間は、キャビティ11に樹脂材料37が供給された後に成形型10の型締めが完了するまでの間において、上型8と下型9との間の空間であってキャビティ11を含む空間において形成される。具体的には、上型8と下型9との間の空間であってキャビティ11を含む空間を、シール部材を使用して外気から遮断された状態にする。外気遮断空間を吸引することによって、図4に示された硬化樹脂31における気泡(ボイド)の発生が抑制される。減圧源として、真空ポンプ44によって吸引され大容量を有する減圧タンクを使用してもよい。
本実施例によれば、4個の成形モジュール2のそれぞれにおいて、成形型10の型締めを完了するためだけに必要かつ十分な定格トルクTrを有する電動モータ19を使用できる。成形型10の型締め状態を維持するために必要なトルクに比較すると、成形型10の型締めを完了するためだけに必要かつ十分な定格トルクTrは大幅に小さい。このことによって、4個の成形モジュール2を有する樹脂封止装置1を、全体として小型化、低価格化及び省エネルギー化できる。特に、多数の樹脂封止装置1が設置され樹脂封止工程(樹脂成形工程)を行う工場における消費電力を低減できる。この点において、本発明は、省エネルギー化を推進するという社会的な要請を満たす。加えて、樹脂封止装置1全体を省エネルギー化することによって樹脂封止装置1のランニングコストの増大を抑制できるので、成形品である封止済基板30の製造原価を低減できる。
加えて、本実施例によれば、4個の成形モジュール2のうち隣り合う成形モジュール2同士を、互いに装着でき分離できる。このことにより、需要の増大に応じて成形モジュール2を増やすことができ、需要の減少に応じて成形モジュール2を減らすことができる。例えば、工場Aが立地する地域において特定の製品の需要が増大した場合には、需要が増大していない地域に立地する工場Bが有する樹脂封止装置1から、その特定の製品の生産に使用される成形モジュール2を分離する。分離した成形モジュール2を工場Aに輸送して、工場Aが有する樹脂封止装置1に、輸送された成形モジュール2を増設する。このことによって、工場Aが立地する地域において増大した需要に応じることができる。したがって、本実施例によれば、需要の増減に柔軟に対応できる樹脂封止装置1が実現する。
樹脂封止装置1として、次の変形例を採用できる。第1の変形例では、材料受入モジュール32と払出モジュール33とを統合して、統合された1個の受入/払出モジュールを樹脂封止装置1の一方の端(図5においては左端又は右端)に配置する。この場合には、樹脂封止装置1の他方の端(図5においては右端又は左端)に1個又は複数個の成形モジュール2が露出しているので、成形モジュール2の装着と分離とを行いやすい。
第2の変形例では、材料受入モジュール32と成形モジュール2を統合して、統合された1個の受入/成形モジュールを樹脂封止装置1の一方の端(図5においては左端又は右端)に配置する。この場合には、受入/成形モジュールに1個の成形モジュール2を装着し、又は、複数個の成形モジュール2を順次装着する。他方の端(図5においては右端又は左端)に位置する成形モジュール2に払出モジュール33を装着して、樹脂封止装置1を構成する。
第3の変形例では、樹脂封止装置1において、主搬送機構39と副搬送機構41とを搬入機構にして、その搬入機構とは別に搬出機構を備える。この場合には、搬入機構と搬出機構とが独立して動作するので、樹脂封止装置1において成形動作の効率が向上する。
上述した変形例に限らず、樹脂封止装置1において、隣り合う成形モジュール2同士を互いに装着でき分離できるように構成されていればよい。そのように構成された樹脂封止装置1を対象にして、本発明を適用できる。
本発明が適用される樹脂成形の方式として圧縮成形について述べた。これに限らず、樹脂成形の方式としてトランスファ成形、射出成形等を採用できる。一定の時間だけ型締め状態を維持する必要がある樹脂成形の方式を対象にして、本発明を適用できる。
樹脂封止装置1(樹脂成形装置)に使用される成形型10として、上型8と下型9とに中間型を加えた構成を採用してもよい。加えて、成形型10として、水平方向又は斜め方向に相対向する少なくとも2つの型を使用してもよい。
キャビティ11に満たされた流動性樹脂12(図1参照)は、熱硬化性樹脂に限らず、熱可塑性樹脂でもよい。流動性樹脂12は、粉状、粒状、シート状等の固形状樹脂でもよく、常温でゼリー状を示す樹脂(ゼリー状樹脂)でもよく、常温で液状を示す樹脂(液状樹脂)でもよい。これらのことは、樹脂封止装置1の外部から供給される樹脂材料37(図5参照)についても同じである。
成形モジュール2における可動型(下型9)を昇降させる機構として、4本のタイバー5を使用する機構を採用した。これに代えて、いわゆるホールドフレーム機構を採用してもよい(例えば、特開2007−281368号公報を参照)。加えて、型開閉機構はリンク機構15に限定されない。例えば、図1に示されたボールナット17が上側取付板14に相当する部材に取り付けられた、いわゆる直動式の型開閉機構を採用してもよい。
成形型10の型締め状態を維持するために必要な保持トルクを有するブレーキとして、電動モータ19が有する内蔵ブレーキ20を使用した。これに代えて、電動モータ19とは別に設けられた外付けのブレーキを使用してもよい。外付けのブレーキは、電動モータ19からリンク機構15等からなる型開閉機構との間における構成要素(電動モータ19の回転軸21自体を含む)をロックできるようして設けられる。例えば、外付けのブレーキを基台3の内部に配置して、そのブレーキが回転軸21又はボールねじ16を、回転できるようにし又は回転できないようにする。この構成によって、これまで説明した実施例と同様の効果が得られる。
成形品である封止済基板30(図4参照)は、半導体チップ等のチップ29が樹脂封止された封止済基板に限定されない。図4に示されたチップ29は半導体チップ以外のチップ、例えば、コンデンサ、サーミスタ等のチップでもよい。回路基板28は、プリント基板等の回路基板(circuit board )に限定されない。回路基板は、シリコンウェーハ等の半導体ウェーハでもよく、セラミック基板でもよく、金属製のリードフレーム(lead frame )でもよい。
生産される成形品は、封止済基板30(図4参照)に限らず、電子部品、半導体に関するもの以外の一般的な成形品であってもよい。例えば、レンズ、光学モジュール、導光板などの光学部品を樹脂成形によって製造する場合や、一般的な樹脂成形品を製造する場合などに、本発明を適用することができる。言い換えれば、ここまでの説明において樹脂封止装置1について述べた内容は、一般的な樹脂成形装置を対象にした場合においても適用される。
本発明は、上述の各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意にかつ適宜に組み合わせ、変更し、又は選択して採用できるものである。
1 樹脂封止装置(樹脂成形装置)
2 成形モジュール
3 基台
4 下架台
5 タイバー
6 上架台
7 可動台
8 上型
9 下型
10 成形型
11 キャビティ
12 流動性樹脂
13 下側取付板
14 上側取付板
15 リンク機構(型開閉機構)
16 ボールねじ
17 ボールナット
18 プーリ
19 電動モータ
20 内蔵ブレーキ
21 回転軸
22 プーリ
23 タイミングベルト
24 電源
25 電流計
26 制御部
27 封止前基板
28 回路基板
29 チップ
30 封止済基板(成形品)
31 硬化樹脂
32 材料受入モジュール
33 払出モジュール
34 基板材料受入部
35 樹脂材料受入部
36 材料移送機構
37 樹脂材料
38 X方向ガイドレール
39 主搬送機構
40 Y方向ガイドレール
41 副搬送機構
42 成形品移送機構
43 マガジン
44 真空ポンプ(減圧源)

Claims (6)

  1. 一方の型及び該一方の型に相対向する他方の型を少なくとも有する成形型に樹脂が供給された状態で、少なくとも所定の樹脂硬化時間において前記成形型の型締め完了状態を維持して樹脂成形を行う樹脂成形装置であって、
    前記成形型を型開きし型締めする型開閉機構と、
    前記型開閉機構につながり前記成形型を型開きし型締めするために設けられ、定格トルクと瞬時最大トルクとを有する電動モータと、
    動作させることにより前記電動モータの回転軸が回転できない状態にできるように設けられ、保持トルクを発生させて前記型締め完了状態を維持させることが可能なブレーキと、
    少なくとも前記電動モータ及び前記ブレーキを制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記電動モータを駆動させて前記成形型を型締めし、前記電動モータに前記定格トルクを超える第1のトルクを発生させて電動型締め時間だけ前記型締め完了状態を維持させた後、
    前記ブレーキを動作させて前記保持トルクを発生させ、前記電動モータへの電源供給を停止させるか又は前記電動モータによるトルクを前記定格トルク以下に低下させて、前記型締め完了状態を維持させてから、
    前記型締め完了状態において開始された前記樹脂硬化時間の終了よりも準備時間だけ前になると、前記成形型を支えることができるように前記電動モータによるトルクを増加させた後に前記ブレーキの動作を停止させ、
    前記ブレーキの動作停止後に、前記成形型を型開きさせるように前記電動モータを駆動させるように制御し、
    前記電動型締め時間が、0.5秒以上3秒以下で前記準備時間を超えない時間である、樹脂成形装置。
  2. 請求項1に記載の樹脂成形装置において、
    前記瞬時最大トルクは前記定格トルクの2倍以上であって3倍以下であることを特徴とする樹脂成形装置。
  3. 請求項1に記載の樹脂成形装置において、
    前記保持トルクは前記瞬時最大トルク以上であることを特徴とする樹脂成形装置。
  4. 請求項1に記載の樹脂成形装置において、
    前記ブレーキは、前記電動モータに設けられた内蔵ブレーキであることを特徴とする樹脂成形装置。
  5. 請求項1に記載の樹脂成形装置において、
    前記成形品を成形する方式は射出成形、トランスファ成形又は圧縮成形であることを特徴とする樹脂成形装置。
  6. 請求項1に記載の樹脂成形装置を用いて樹脂成形品を製造する製造方法であって、
    前記制御部により、
    前記電動モータを駆動させて前記成形型を型締めし、前記電動モータに前記定格トルクを超える第1のトルクを発生させて電動型締め時間だけ前記型締め完了状態を維持させた後、
    前記ブレーキを動作させて前記保持トルクを発生させ、前記電動モータへの電源供給を停止させるか又は前記電動モータによるトルクを前記定格トルク以下に低下させて、前記型締め完了状態を維持させてから、
    前記型締め完了状態において開始された前記樹脂硬化時間の終了よりも準備時間だけ前になると、前記成形型を支えることができるように前記電動モータによるトルクを増加させた後に前記ブレーキの動作を停止させ、
    前記ブレーキの動作停止後に、前記成形型を型開きさせるように前記電動モータを駆動させるように制御して、樹脂成形品を製造する、樹脂成形品の製造方法。
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