JP7354824B2 - 割ナット開閉装置 - Google Patents

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本発明は、射出成形機、ダイカストマシンなどの成形装置に用いられる型締装置の割ナット開閉装置に関する。
射出成形機、ダイカストマシンは、固定金型と可動金型に型締め力を与える型締装置を備える。型締装置により一対の金型の間に型締力を加えた状態で、射出成形機においては溶融樹脂が射出され、ダイカストマシンにおいては溶融金属が圧入される。型締力は固定金型と可動金型の間に架設されるタイバーと称される部材を介して加えられるが、この型締力はタイバーの外周面に形成される複数の噛み合い歯と可動型盤に設けられた一対の割ナット片からなる割ナットとを噛み合わせることにより伝達される。割ナットの開閉装置に関して、開閉時間の短縮および低コスト化を目的として、左右または上下で一対の割ナットを開閉動作させることが提案されている(特許文献1)。
リンク機構を用いて一対の割ナット片の開閉動作を行っていたのに対して、特許文献1はリンク機構を排した型締装置を提案する。特許文献1の型締装置は、1つのボールねじ軸に互いに巻方向が反対のねじを備え、反対巻きのそれぞれのねじにナットが噛み合わされている。このボールねじによれば、回転電機によりボールねじ軸を一方向(順方向)に回転させると、一方のナットを順方向に回転させ、他方のナットを他方向(逆方向)に回転させることができる。以上の構成、動作を備える特許文献1の型締装置により、リンク機構を用いることなく一対の割ナットの開閉動作が実現される。
特許文献1の型締装置は、互いに巻方向が反対のねじを備えるねじ軸は、巻方向が同じねじだけが形成されている汎用のボールねじ軸に対して特殊といえる。そのため、特許文献1の型締装置は、コストが高くなる。また、ねじ軸とナットの嵌挿は非常に精緻である必要がり、互いに巻方向が反対のねじのそれぞれにナットを嵌挿する際に、ナットの取り付け位置の調整に非常に精緻な作業が要求される。したがって、未熟な組立作業者においては、調整が不十分となり、ボールねじの摺動部が片当たりするなどして、過大な摩擦を発生させてしまい、動作不良や破損の原因となるおそれがある。
特開2011-11379号公報
そこで本発明は、熟練した技能を要することなく、かつ、低コストで組み立てることができるボールねじを用いた割ナットの開閉装置を提供することができる。
本発明の割ナット開閉装置は、出力軸を介して回転駆動力を出力する電動機と、回転駆動力を直線駆動力に変換する第1ボールねじと、回転駆動力を直線駆動力に変換する第2ボールねじと、第1ボールねじおよび第2ボールねじの一方に回転駆動力と同じ向きに回転駆動力を伝達し、かつ、第1ボールねじおよび第2ボールねじの他方に回転駆動力と逆向きに回転駆動力を伝達する伝達機構と、第1タイバーを掴む第1割ナットと、第2タイバーを掴む第2割ナットと、を備える。
本発明の割ナット開閉装置は、第1ボールねじおよび第2ボールねじにより変換される直線駆動力により第1割ナットおよび第2割ナットの開閉動作が行われる。
本発明の割ナット開閉装置において、好ましくは、第1割ナットは、第1A割ナット片と第1B割ナット片を備え、第2割ナットは、第2A割ナット片と第2B割ナット片を備える。
この割ナット開閉装置において、好ましくは、第1ボールねじによる直線駆動力により第1A割ナット片と第2A割ナット片の開閉動作が行われ、第2ボールねじによる直線駆動力により第1B割ナット片と第2B割ナット片の開閉動作が行われる。
本発明の割ナット開閉装置において、伝達機構は、好ましくは、第1ボールねじおよび第2ボールねじの一方に回転駆動力を同じ向きに伝達する第1伝達機構と、第1ボールねじおよび第2ボールねじの他方に回転駆動力を逆向きに伝達する第2伝達機構と、を備える。
本発明の割ナット開閉装置において、電動機は、好ましくは、第1出力軸と第2出力軸の二つの出力軸を備える。この場合、第1伝達機構は、第1出力軸の回転駆動力を伝達し、第2伝達機構は、第2出力軸の回転駆動力を伝達することができる。
本発明の割ナット開閉装置において、電動機は、好ましくは、一つの第3出力軸を備える。この場合、第1伝達機構は、第3出力軸の回転駆動力を伝達し、第2伝達機構は、第3出力軸の回転駆動力を伝達する。
本発明の割ナット開閉装置において、第1伝達機構および第2伝達機構の一方または双方は、好ましくは、一対の回転体を介して回転駆動力を伝達する。
本発明の割ナット開閉装置において、好ましくは、電動機の出力軸と、第1ボールねじの第1ねじ軸および第2ボールねじの第2ねじ軸とは、平行または交差する。
本発明の割ナット開閉装置において、好ましくは、第1ボールねじの第1ねじ軸と第2ボールねじの第2ねじ軸とは、同軸上に配置されるか、または、偏心して配置される。
本発明の割ナット開閉装置は、第1ボールねじと第2ボールねじのそれぞれについて、汎用されるボールねじを適用できる。したがって、本発明によれば、熟練した技能を要することなく、かつ、低コストで組み立てることができるボールねじを用いた割ナットの開閉装置が提供される。しかも、本発明の割ナット開閉装置は、第1ボールねじに回転駆動力と同じ向きに回転駆動力を伝達し、かつ、第2ボールねじに回転駆動力と逆向きに回転駆動力を伝達する伝達機構を備える。したがって、本発明の割ナット開閉装置によれば、電動機を増設することなく、第1割ナットおよび第2割ナットの開閉動作が行われる。
本発明の第1実施形態に係る型締装置の概略構成を示す部分断面側面図である。 図1の型締装置の概略構成を示す側面図である。 図1の型締装置を構成する割ナット開閉装置の概略構成を示す部分断面側面図である。 図1の型締装置を構成する割ナット開閉装置の概略構成を示す部分断面平面図である。 (a)の開状態から(b)の閉状態に移行する、図3および図4の割りナット開閉装置の動作を示す図である。 (a)の閉状態から(b)の開状態に移行する、図3および図4の割りナット開閉装置の動作を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る割ナット開閉装置を示す部分断面側面図である。 本発明の第3実施形態に係る割ナット開閉装置を示す部分断面側面図である。 本発明の第4実施形態に係る割ナット開閉装置を示す部分断面側面図である。 本発明の第5実施形態に係る割ナット開閉装置を示す部分断面側面図である。 本発明の第6実施形態に係る割ナット開閉装置を示す部分断面側面図である。 本発明の第7実施形態に係る割ナット開閉装置を示す部分断面側面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
図1および図2に示すように、本実施形態に係る型締装置1は、図1および図2に示すように、基台10と、基台10に固定される固定型盤11と、固定型盤11に対して進退移動可能に基台10に設けられる可動型盤12と、を備えている。また、型締装置1は、固定型盤11と可動型盤12に亘って設けられるタイバー15A,15B,15C,15Dと、可動型盤12を進退移動させる可動型盤移動手段18と、型締めする際にタイバー15A,15B,15C,15Dと係合される割ナット開閉装置20と、を備えている。
型締装置1において、鉛直方向Vおよび水平方向Hが図1、図2などに示すように定義されるものとする。
[固定型盤11,可動型盤12]
図1および図2に示すように、固定型盤11は基台10の水平方向Hの一端側に設けられ、可動型盤12は基台10に対して摺動可能かつ固定型盤11と対向して設けられる。なお、固定型盤11および可動型盤12において、互いに対向する側の面をおもて面11A,12Aといい、おもて面11A,12Aと対向する面をうら面11B,12Bという。
固定型盤11はおもて面11Aに固定金型13が保持され、可動型盤12はおもて面12Aに可動金型14が保持される。固定金型13と可動金型14のそれぞれ内部には溶融材が供給されるキャビティが形成される。キャビティの図示は省略されている。型締装置1が射出成形機に用いられる場合には、溶融材は溶融樹脂からなり、型締装置1がダイカスト装置に用いられる場合には、溶融材はアルミニウム合金などの溶湯からなる。
固定型盤11と可動型盤12は、複数本、特に本実施形態においては4本のタイバー15A,15B,15C,15Dにより接続されている。4本のタイバー15A,15B,15C,15Dは、固定型盤11及び可動型盤12を正面視すると、その四隅に配置されている。タイバー15A,15B,15C,15Dと可動型盤12の間には、両者の間の摩擦を抑えるための摺動材を介在させることができる。
[タイバー15A,15B,15C,15D]
図1に示すように、タイバー15A(15B,15C,15D)には、固定型盤11の側の端部に型締力発生用のピストン16が設けられる。また、タイバー15A,15B,15C,15Dには、可動型盤12の側の端部に周方向に連なるリング状の噛み合い歯17が形成されている。噛み合い歯17は、第1割ナット21および第2割ナット22の内周に形成される噛み合い歯と噛み合わされる。これにより、タイバー15A,15B,15C,15Dは可動型盤12に係止される。なお、第1割ナット21および第2割ナット22の内周に形成される噛み合い歯は図示が一部省略されている。
また、基台10には、例えば、電動式又は油圧式の可動型盤移動手段18が設けられ、固定型盤11に対して可動型盤12を往復移動可能とされている。図1は、可動型盤移動手段18によって可動型盤12を固定型盤11の方向に移動させ、可動金型14を固定金型13に接触させた型閉状態を示している。
[割ナット開閉装置20]
型締装置1の割ナット開閉装置20は、低コストであり、かつ、作業者の経験に関わらずにその組み立てを容易に行うことができる。割ナット開閉装置20は、同じ巻方向のねじだけが形成されている汎用のボールねじ軸を用い、電動機によりボールねじ軸を一方向(順方向)に回転させると、一方の割ナットを一方向に回転させ、他方の割ナットを他方向に回転させることができる。
型締装置1は、図2に示すように、2つの割ナット開閉装置20を備えている。一方の割ナット開閉装置20は、鉛直方向Vの上側の2本のタイバー15A,15B,15C,15Dに関わり、他方の割ナット開閉装置20は、鉛直方向Vの上側の2本のタイバー15A,15B,15C,15Dに関わる。
それぞれの割ナット開閉装置20は、図2、図3および図4に示すように、一例として左右で一対の第1割ナット21および第2割ナット22と、連結ロッド25とを備える。割ナット開閉装置20は、可動型盤12のうら面12Bの側に、4本のタイバー15A,15B,15C,15Dのうち、上側に二本のタイバー15A,15B、および、下側の二本のタイバー15C,15Dと対応して、上下二段に設けられている。なお、図3および図4には、タイバー15A,15Bに対応する割ナット開閉装置20だけが示されているが、タイバー15C,15Dに対応する割ナット開閉装置20も同様の構成を備えている。
連結ロッド25は、図3および図4に示すように、2本の第1連結ロッド25A,25Aと、2本の第2連結ロッド25B,25Bと、を備える。第1連結ロッド25Aは、それぞれ割ナット片21Bを摺動可能に貫通し、割ナット片21Aと割ナット片22Aとを連結する。第2連結ロッド25Bは、それぞれ割ナット片22Aを摺動可能に貫通し、割ナット片21Bと割ナット片22Bを連結するように配置されている。
なお、割ナット片21Aと割ナット片22Aを連結する2本の第1連結ロッド25Aは、割ナット片21Aと割ナット片22Aを一体として移動させる。また、割ナット片21Bと割ナット片22Bを連結する2本の第2連結ロッド25Bは、割ナット片21Bと割ナット片22Bを一体として移動させる。
2本の第1連結ロッド25Aと2本の第2連結ロッド25Bは、正面視すると、例えば、割ナット片22Bの側面形状である矩形の4つの角部に配置されるが、当該矩形の中心を基準にして、2本の第1連結ロッド25Aが点対称の位置に配置され、2本の第2連結ロッド25Bが点対称の位置に配置される。また、この割ナット片22Bに対する2本の第1連結ロッド25Aと2本の第2連結ロッド25Bとの位置関係は、他の割ナット片21A,21B,22Aにおいても同様である。
[電動機30]
また、図3および図4に示すように、連結ロッド25の割ナット片21Bと割ナット片22Aの間であって、可動型盤12のうら面12Bには、ブラケット27が固定される。ブラケット27には、割ナット片21A,21B,22A,22Bの駆動源である電動機30が固定されている。割ナット開閉装置20の要素である電動機30は、正逆回転が可能な電動機30であり、例えばサーボモータからなる。
電動機30は、それぞれが水平方向Hに沿う第1出力軸31Aと第2出力軸31Bを備える。第1出力軸31Aは、電動機30から第1割ナット21の側に延びており、第1割ナット21の割ナット片21Bと第2割ナット22の割ナット片22Bを駆動する。第2出力軸31Bは、電動機30から第2割ナット22の側に延びており、第1割ナット21の割ナット片21Aと第2割ナット22の割ナット片22Aを駆動する。本実施形態における電動機30は、割ナット片21Bと割ナット片22Aの間の中央に配置されており、第1出力軸31Aの先端から割ナット片21Bまでの距離と、第2出力軸31Bの先端から割ナット片22Bまでの距離とは等しい。
[割ナット開閉装置20]
割ナット開閉装置20は、図3および図4に示すように、第1出力軸31Aの回転駆動力を第1ボールねじ37Aに伝達する第1伝達機構33Aを備えるとともに、第2出力軸31Bの回転駆動力を第2ボールねじ37Bに伝達する第2伝達機構33Bを備える。
[第1伝達機構33A,第2伝達機構33B]
第1伝達機構33Aは、第1出力軸31Aの回転の向きを維持したままで、第1ボールねじ37Aに伝達する。第1伝達機構33Aは、一例として、図3および図4に示すように、第1出力軸31Aに固定される原動プーリ34A、第1ボールねじ37Aの第1ねじ軸38Aに固定される従動プーリ34Bおよび原動プーリ34Aと従動プーリ34Bに掛け回される伝達ベルト34Cを備えている。原動プーリ34A、従動プーリ34Bおよび伝達ベルト34Cの種類は任意であり、一例としてタイミングプーリ、タイミングベルトを用いることができる。また特に、滑り無く確実な駆動が必要な場合は、歯付きのタイミングプーリおよびタイミングベルトを用いるのが好ましい。
第2伝達機構33Bは、第2出力軸31Bの回転の向きを逆にして、第2ボールねじ37Bに伝達する。第2伝達機構33Bは、一例として、図3および図4に示すように、第2出力軸31Bに固定される原動歯車35Aおよび第2ボールねじ37Bの第2ねじ軸38Bに固定される従動歯車35Bを備えている。原動歯車35Aおよび従動歯車35Bの種類は任意であり、一例として平歯車を用いることができる。
第1伝達機構33Aは、原動プーリ34Aと従動プーリ34Bの径が異なれば、減速機として機能する。第2伝達機構33Bも原動歯車35Aと従動歯車35Bの径などの仕様が異なれば、減速機として機能する。この場合、第1出力軸31Aと第2出力軸31Bは同じ回転速度を有しており、第1伝達機構33Aと第2伝達機構33Bにより、所定の回転速度に減速して第1ボールねじ37Aおよび第2ボールねじ37Bを回転させる。これにより小さな駆動力で割ナットを駆動することができるので電動機30の小型化に有効である。
[第1ボールねじ37A,第2ボールねじ37B]
第1ボールねじ37Aは、図3および図4において、一端側に従動プーリ34Bが固定される第1ねじ軸38Aと第1ねじ軸38Aの他端側に噛み合わされる第1ナット39Aを備える。第1ねじ軸38Aは、少なくとも第1ナット39Aが噛み合わされる領域の周囲にらせん状の溝を備え、第1ナット39Aは、その内周面にらせん状の溝を備えている。図3および図4において、これらのらせん状の溝は、4本の平行な斜線で表されている。
第1ボールねじ37Aは、第1ねじ軸38Aと第1ナット39Aの間に複数の転動体であるボールが介在するが、これら転動体は第1ねじ軸38Aのらせん状の溝と第1ナット39Aのらせん状の溝の間に挿入される。
第1ナット39Aは、その先端が割ナット片21Bに固定されている。したがって、第1ねじ軸38Aが例えば時計回りに回転すると、割ナット片21Bは第1ナット39Aに押されて水平方向Hの一方のL側に移動する。そして、割ナット片21Bと割ナット片22Bは第2連結ロッド25B,25Bで接続されているので、割ナット片22Bは割ナット片21Bの移動に伴って水平方向Hの一方のL側に移動する。
第2ボールねじ37Bは、一端側に従動歯車35Bが固定される第2ねじ軸38Bと第2ねじ軸38Bの他端側に噛み合わされる第2ナット39Bを備える。第2ねじ軸38Bおよび第2ナット39Bは、それぞれが第1ねじ軸38Aおよび第1ナット39Aと同様の構成を備えている。
第2ナット39Bは、その先端が割ナット片22Aに固定されている。したがって、第1ねじ軸38Bが例えば反時計回りに回転すると、割ナット片22Aは第2ナット39Bに押されて水平方向Hの他方のR側に移動する。そして、割ナット片22Aと割ナット片21Aが第1連結ロッド25A,25Aで接続されているので、割ナット片21Aは割ナット片22Aの移動に伴って水平方向Hの他方のR側に移動する。
ここで、第1ねじ軸38Aと第2ねじ軸38Bは、それぞれが有するらせん状の溝が同じ向きに巻き回されている。したがって、本実施形態においては、汎用されているボールねじのねじ軸が第1ねじ軸38Aと第2ねじ軸38Bに適用される。
また、本実施形態において、第1出力軸31Aと第1ねじ軸38Aは平行をなし、かつ、第2出力軸31Bと第2ねじ軸38Bは平行をなしている。加えて、第1出力軸31Aと第2出力軸31Bは同軸上に配置され、また、第1ねじ軸38Aと第2ねじ軸38Bは同軸上に配置される。
第1ねじ軸38Aおよび第1ナット39Aを備える第1ボールねじ37Aと第2ねじ軸38Bおよび第2ナット39Bを備える第2ボールねじ37Bは全長が同じである。また、第1ボールねじ37Aと第2ボールねじ37Bのリード、外径などの仕様が同じである。なお、取付スペースの都合上などにより、電動機30を割ナット片21Bと割ナット片22Aの間の中央に配置できず、中央より水平方向HのL側またはR側のいずれかに偏って配置しなければならない場合がある。この場合には、第1ボールねじ37Aと第2ボールねじ37Bの全長は互いに異なっても支障ない。
[割ナット開閉装置20の動作]
次に、図5および図6を参照して、割ナット開閉装置20の動作を説明する。
割ナット開閉装置20は、第1割ナット21および第2割ナット22が対応するタイバー15A,15Bを開放する開位置と、第1割ナット21および第2割ナット22が対応するタイバー15A,15Bを掴む閉位置との間を往復移動する。図5は、(a)の開位置から(b)の閉位置までの移動の様子を示し、図6は(a)の閉位置から(b)の開位置までの移動の様子を示している。開位置から閉位置までの移動は、例えば射出成形の場合、射出成形の前提として行われる可動金型14と固定金型13のピストン16による型締めに先行して行われる。また、閉位置から開位置までの移動は、例えば射出成形の場合、所定量の溶融樹脂を可動金型14と固定金型13の間のキャビティに充填するなどした後に行われる可動金型14と固定金型13の型開きに先行して行われる。
[開位置から閉位置までの移動]
開位置から閉位置まで移動するには、図5(a)に示すように、電動機30に電力を供給して第1出力軸31Aおよび第2出力軸31Bを回転駆動させる。なお、開位置から閉位置まで移動するときの第1出力軸31Aおよび第2出力軸31Bの回転の方向を順方向とする。図5および図6において、回転の方向は円弧状の矢印で示されている。
第1出力軸31Aおよび第2出力軸31Bを順方向に回転させる。そうすると、第1伝達機構33Aを介して、第1出力軸31Aに接続される第1ねじ軸38Aは、順方向に回転する。これにより、割ナット片21Bおよび割ナット片22Bは、図5の破線矢印に示すように、一方のL側に向けて移動する。また、第2伝達機構33Bを介して、第2出力軸31Bに接続される第2ねじ軸38Bは、逆方向に回転する。これにより、割ナット片21Aおよび割ナット片22Aは、図5の実線矢印に示すように、他方のR側に向けて移動する。図5(b)に示すように、割ナット片21Aと割ナット片21Bがタイバー15Aを掴み、また、割ナット片22Aと割ナット片22Bがタイバー15Bを掴む所定位置まで移動すると、電動機30への電力供給を停止して、第1出力軸31Aおよび第2出力軸31Bの回転駆動を停止させる。このとき振動などにより不必要に第1ボールねじ37Aおよび第2ボールねじ37Bが動作して、第1割ナット21または第2割ナット22の閉状態が解かれるのを防ぐために、電動機30に電磁的あるいは機械的なブレーキを作用させることが好ましい。これで、割ナット開閉装置20による割ナット片21A,21B,22A,22Bの開状態から閉状態の動作が終わり、型締めの準備が整う。
[閉位置から開位置までの移動]
閉位置から開位置まで移動するには、図6(a)に示すように、電動機30に電力を供給して第1出力軸31Aおよび第2出力軸31Bを逆方向に回転駆動させる。そうすると、第1伝達機構33Aを介して、第1出力軸31Aに接続される第1ねじ軸38Aは、逆方向に回転する。これにより、割ナット片21Bおよび割ナット片22Bは、図6の破線矢印に示すように、他方のR側に向けて移動する。また、第2伝達機構33Bを介して、第2出力軸31Bに接続される第2ねじ軸38Bは、順方向に回転する。これにより、割ナット片21Aおよび割ナット片22Aは、図6の実線矢印に示すように、一方のL側に向けて移動する。図6(b)に示すように、割ナット片21Aと割ナット片21Bがタイバー15Aから離れ、また、割ナット片22Aと割ナット片22Bがタイバー15Bから離れる所定位置まで移動すると、電動機30への電力供給を停止して、第1出力軸31Aおよび第2出力軸31Bの回転駆動を停止させる。このとき閉動作時と同様に、振動などにより不必要に第1ボールねじ37Aおよび第2ボールねじ37Bが動作して、第1割ナット21または第2割ナット22の開状態が解れれてタイバーと割ナットが干渉するのを防ぐために、電動機30に電磁的あるいは機械的なブレーキを作用させることが好ましい。これで、割ナット開閉装置20による割ナット片21A,21B,22A,22Bの閉状態から開状態の動作が終わり、型開きおよび離型の準備が整う。
[効 果]
次に、割ナット開閉装置20が奏する効果を説明する。
割ナット開閉装置20は、電動機30の第1出力軸31Aおよび第2出力軸31Bの回転を、第1伝達機構33Aおよび第2伝達機構33Bにより、順方向と逆方向の回転をそれぞれ巻き方向が同じ第1ねじ軸38Aおよび第2ねじ軸38Bに伝達できる。つまり、割ナット開閉装置20によれば、巻方向が同じ第1ねじ軸38Aおよび第2ねじ軸38Bを用いても、互いに逆向きの推力を発生させることができる。
[第1の効果]
これにより、互いに巻方向の反対のねじを備える特殊なねじ軸が不要になり、汎用の安価なボールねじ軸を使用することができる。加えて、互いに独立して存在する第1ボールねじ37Aの第1ねじ軸38Aおよび第2ボールねじ37Bの第2ねじ軸38Bを用いることができるので、高度な技能を有しない作業者でも第1ナット39A、第2ナット39Bを第1ねじ軸38A、第2ねじ軸38Bに容易に組み立てることができる。
[第2の効果]
また、2組の第1ナット39A、第2ナット39Bのそれぞれに別体をなす第1ねじ軸38A、第2ねじ軸38Bが対応する。したがって、第1ねじ軸38A、第2ねじ軸38Bのそれぞれの長さは、第1ナット39A、第2ナット39Bのそれぞれの単独の動作ストローク分で足りるので、ねじ軸が長尺になるのを防ぐことができる。これにより、第1ねじ軸38A、第2ねじ軸38Bの共振周波数は、電動機30の回転数よりも十分に高い周波数にできるので、電動機30の駆動回転による割ナット開閉装置20の共振が抑制される。
[第3の効果]
また、割ナット開閉装置20において、第1ねじ軸38Aと第1出力軸31Aは第1伝達機構33Aを介して接続され、第2ねじ軸38Bと第2出力軸31Bは第2伝達機構33Bを介して接続されている。つまり、割ナット開閉装置20によれば、第1ねじ軸38A、第2ねじ軸38Bは、高い曲げ剛性を有する第1出力軸31A、第2出力軸31Bに剛支持されていない。これにより、第1割ナット21、第2割ナット22が傾いて、第1ねじ軸38A、第2ねじ軸38Bに曲げが加わっても、第1ねじ軸38A、第2ねじ軸38Bの回転支持部をなす原動プーリ34Aと従動プーリ34Bの接続部の隙間、および原動歯車35Aと従動歯車35Bの噛み合い部の隙間が離間や摺動するなどにより曲げ負荷による第1ねじ軸38A、第2ねじ軸38Bの傾きを吸収できる。これにより、当該回転支持部の曲げ負荷を逃がすことができるので、割ナット開閉装置20は、第1ねじ軸38A、第2ねじ軸38Bの折損を防止できる。
[第4の効果]
また、割ナット開閉装置20は、第1ねじ軸38Aと第2ねじ軸38Bが同一直線状に配置される。したがって、割ナット開閉装置20によれば、第1ねじ軸38Aが割ナット片21Bを押す位置と第2ねじ軸38Bが割ナット片22Aを押す位置とを、鉛直方向Vおよび水平方向Hにおいて、一致させることができる。これは、例えば電動機30の位置を調整すれば、割ナット片21Bおよび割ナット片22Aの双方の鉛直方向Vおよび水平方向Hにおける同一位置、例えば中心を押すことができることを意味している。したがって、割ナット片21Bおよび割ナット片22Aのそれぞれの重心が鉛直方向Vおよび水平方向Hにおける中心にあるものとすれば、割ナット片21Bおよび割ナット片22Aの移動中に生じ得る傾きを同時に両方とも抑えることができる。
[第5の効果]
また、割ナット開閉装置20は、第1出力軸31Aと第1ねじ軸38A、および、第2出力軸31Bと第2ねじ軸38Bは、それぞれ同軸上に配置されていない。加えて、第1出力軸31Aと第1ねじ軸38A、および、第2出力軸31Bと第2ねじ軸38Bは、それぞれ第1伝達機構33Aおよび第2伝達機構33Bで連係されている別体構造である。これにより、第1割ナット21および第2割ナット22を移動させるときに発生する反力は、第1伝達機構33Aおよび第2伝達機構33Bにおいて逃げる。これにより、第1出力軸31Aおよび第2出力軸31Bはこの反力を直には受けないので、電動機30の機械的な負荷を軽減できる。
第1実施形態においては、第1伝達機構33Aおよび第2伝達機構33Bを、それぞれ電動機30の第1出力軸31Aおよび第2出力軸31Bに備えた例を示したが、本発明はこれに限らない。第1伝達機構33Aおよび第2伝達機構33Bを、双方とも一つの出力軸に備えても支障ない。この形態の図示は省略するが、一つの出力軸に原動プーリ34Aと原動歯車35Aを軸線方向に互いに干渉しないように間隔をあけて設けるとともに、第1ねじ軸38Aに従動プーリ34Bを設け、第2ねじ軸38Bに従動歯車35Bを設ければよい。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態にかかる割ナット開閉装置120を図7に基づいて説明する。
第2実施形態の割ナット開閉装置120は、図7に示すように、第2出力軸31Bと第2ねじ軸38Bとは第2伝達機構33Bを介して間接的に接続される。第2伝達機構33Bは、第1実施形態と同様に、原動歯車35Aと従動歯車35Bという一対の回転体を介して、第2出力軸31Bの回転駆動力を第2ねじ軸38Bに伝達する。しかし、第1出力軸31Aと第1ねじ軸38Aとを接続する第1伝達機構33Aは、カップリングやスプライン、またはフランジなどの締結部材のように第1出力軸31Aと第1ねじ軸38Aを直に接続可能な第1伝達機構33Aとする。この第1伝達機構33Aは、回転体を介することなく、第1出力軸31Aの回転駆動力を第1ねじ軸38Aに伝達する。
以上の通りであるから、割ナット開閉装置120においても、第1ねじ軸38Aと第2出力軸31Bとは逆の向きに回転する。これにより、割ナット開閉装置120においても、第1実施形態の割ナット開閉装置20と同様に割ナット片21A,21B,22A,22Bの開状態から閉状態の動作および閉状態から開状態への動作を行うことができる。したがって、割ナット開閉装置120においても割ナット開閉装置20における第1の効果、第2の効果を奏するが、割ナット開閉装置120によれば以下の効果をさらに奏する。
[第6の効果]
割ナット開閉装置120は、第1出力軸31Aと第1ねじ軸38Aとを直に接続している。したがって、割ナット開閉装置120は第1伝達機構33Aを簡素な部材とすることができるので、その分だけコストを下げることができるのに加えて、第1出力軸31Aと第1ねじ軸38Aの接続部分の保守点検が容易である。
[第7の効果]
また、割ナット開閉装置120のように、第1出力軸31Aと第1ねじ軸38Aとを直に接続すれば、第1出力軸31Aから第1ねじ軸38Aへの高い力の伝達効率を確保できる。
[第8の効果]
また、割ナット開閉装置120は、第1ねじ軸38Aと第2ねじ軸38Bが鉛直方向Vに間隔をあけて平行をなしている。したがって、割ナット開閉装置20によれば、第1ねじ軸38Aが割ナット片21Bを押す位置と第2ねじ軸38Bが割ナット片22Aを押す位置とを、異ならせることができる。仮に、割ナット片21Bおよび割ナット片22Aのそれぞれの重心が鉛直方向Vおよび水平方向Hにおける異なる位置、例えば中心からずれているものとする。そうすれば、電動機30の配置位置および原動歯車35A、従動歯車35Bの径を調整することにより、第1ねじ軸38Aが割ナット片21Bを押す位置および第2ねじ軸38Bが割ナット片22Aを押す位置を、重心に対応する位置またはその近傍にすることができる。これにより、このような重心を備える割ナット片21Bおよび割ナット片22Aであっても、同時にその移動中に生じ得る傾きを抑えることができる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態にかかる割ナット開閉装置220を図8に基づいて説明する。
第3実施形態の割ナット開閉装置220は、図8に示すように、一つの第3出力軸31Cと第1ねじ軸38Aとは第1伝達機構33Aを介して間接的に接続され、かつ、一つの第3出力軸31Cと第2ねじ軸38Bとは第2伝達機構33Bを介して間接的に接続される。本実施形態における第1伝達機構33Aと第2伝達機構33Bは、以下説明するように、二対の回転体としての歯車列から構成される。
第1伝達機構33Aは、第3出力軸31Cに固定される原動歯車35Aと第1ねじ軸38Aに固定される従動歯車35Bから構成される。また、第2伝達機構33Bは、第1ねじ軸38Aに固定される従動歯車35Bと第2ねじ軸38Bに固定される従動歯車35Cから構成される。なお、第2伝達機構33Bにおいては、従動歯車35Bは従動歯車35Cに対して原動歯車を構成する。
以上の通りであるから、割ナット開閉装置220においても、第1ねじ軸38Aと第2ねじ軸38Bは図8に矢印で示すように互いに逆の向きに回転する。これにより、割ナット開閉装置220においても、第1実施形態の割ナット開閉装置20と同様に割ナット片21A,21B,22A,22Bの開状態から閉状態の動作および閉状態から開状態への動作を行うことができる。したがって、割ナット開閉装置220においても割ナット開閉装置20における第1の効果~第5の効果に加えて、第2実施形態の第8の効果を奏する。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態にかかる割ナット開閉装置320を図9に基づいて説明する。
第3実施形態の割ナット開閉装置320は、図9に示すように、電動機30の一つの第3出力軸31Cに固定される第1かさ歯車28Aと、第1かさ歯車28Aと噛み合い第1ねじ軸38Aに固定される第2かさ歯車28Bと、第1かさ歯車28Aと噛み合い第2ねじ軸38Bに固定される第3かさ歯車28Cと、を備える。つまり、割ナット開閉装置320は、第3出力軸31Cと第1ねじ軸38Aが、第1かさ歯車28Aと第2かさ歯車28Bを備える第1伝達機構33Aにより接続されている。また、第3出力軸31Cと第2ねじ軸38Bが、第1かさ歯車28Aと第3かさ歯車28Cを備える第2伝達機構33Bにより接続されている。このように、第1かさ歯車28Aは、第1伝達機構33Aと第2伝達機構33Bの共通の要素をなしている。また、第3出力軸31と、第1ねじ軸38Aおよび第2ねじ軸38Bとは交差、具体的には直交する。
第1伝達機構33Aおよび第2伝達機構33Bの周りの回転の向きの一例を図8に矢印で示している。つまり、割ナット開閉装置320においても、第1ねじ軸38Aと第2ねじ軸38Bとは互いに逆の向きに回転する。これにより、割ナット開閉装置320においても、第1実施形態の割ナット開閉装置20と同様に割ナット片21A,21B,22A,22Bの開状態から閉状態の動作および閉状態から開状態への動作を行うことができる。したがって、割ナット開閉装置320においても割ナット開閉装置20における第1の効果~第4の効果を奏するが、割ナット開閉装置320はさらに以下の効果を奏する。
なお、第4実施形態に適用されるかさ歯車について、すくばかさ歯車、まがりばかさ歯車およびゼロールかさ歯車など種類は問われない。次の第5実施形態においても同様である。
[第9の効果]
割ナット開閉装置320は、かさ歯車列からなる第1伝達機構33Aおよび第2伝達機構33Bを用いることにより、第3出力軸31Cは、第1割ナット21および第2割ナット22を移動させるときに発生する、第3出力軸31Cが第1割ナット21および第2割ナット22から受ける反力の方向とは直交する方向に設けることができる。このため第3出力軸31Cの軸方向には当該の反力成分がないため、当該反力を直には受けない。これにより、第3出力軸31Cを介した電動機30の機械的な負荷を軽減できる。
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態にかかる割ナット開閉装置420を図10に基づいて説明する。
第5実施形態の割ナット開閉装置420は、図10に示すように、第1かさ歯車29A、第2かさ歯車29Bおよび第3かさ歯車29Cを備えるかさ歯車列からなる伝達機構を備える点で第4実施形態の割ナット開閉装置320と一致する。しかし、割ナット開閉装置420は、割ナット開閉装置320とは電動機30の位置が異なる。電動機30は、第1ねじ軸38Aと第2ねじ軸38Bを結ぶ同一直線上、つまり同軸上に設けられる。そして、電動機30の第1出力軸31Aは第1ねじ軸38Aに図示を省略する締結部材を介して直に接続される。この接続に介在するのが、第1伝達機構33Aである。第2出力軸31Bは第2かさ歯車29Bに直に接続され、第2かさ歯車29Bには第1かさ歯車29Aが噛み合わされ、第1かさ歯車29Aには第3かさ歯車29Cが噛み合わされている。このかさ歯車列が第2伝達機構33Bを構成する。
第1伝達機構33Aおよび第2伝達機構33Bの周りの回転の向きの一例を図10に矢印で示している。よって、割ナット開閉装置420においても、第1ねじ軸38Aと第2ねじ軸38Bは図10に示すように互いに逆の向きに回転する。これにより、割ナット開閉装置320においても、第1実施形態の割ナット開閉装置20と同様に割ナット片21A,21B,22A,22Bの開状態から閉状態の動作および閉状態から開状態への動作を行うことができる。したがって、割ナット開閉装置320においても割ナット開閉装置20における第1の効果~第4の効果を奏し、第2ねじ軸38Bについて第9の効果を奏する。
〔第6実施形態〕
次に、本発明の第6実施形態にかかる割ナット開閉装置520を図11に基づいて説明する。
第6実施形態の割ナット開閉装置520は、図11に示すように、第1かさ歯車29A、第2かさ歯車29Bおよび第3かさ歯車29Cを備えるかさ歯車列からなる伝達機構を備える点で第4実施形態の割ナット開閉装置420と一致する。しかし、割ナット開閉装置520は、割ナット開閉装置420とは電動機30の位置が異なる。電動機30は、第1ねじ軸38Aと第2ねじ軸38Bを結ぶ同一直線上からずれて設けられる。そして、電動機30の第3出力軸31Cは原動プーリ34A、従動プーリ34Bおよび伝達ベルト34Cを備える第1伝達機構33Aを介して第1ねじ軸38Aに接続される。第1ねじ軸38Aは従動プーリ34Bを超えて延長され、その先端が第2かさ歯車29Bに固定される。
第1伝達機構33Aおよび第2伝達機構33Bの周りの回転の向きの一例を図11に矢印で示している。よって、割ナット開閉装置520においても、第1ねじ軸38Aと第2ねじ軸38Bは互いに逆の向きに回転する。これにより、割ナット開閉装置520においても、第1実施形態の割ナット開閉装置20と同様に割ナット片21A,21B,22A,22Bの開状態から閉状態の動作および閉状態から開状態への動作を行うことができる。したがって、割ナット開閉装置520においても割ナット開閉装置20における第1の効果~第5の効果を奏し、第2ねじ軸38Bについて第9の効果を奏する。本実施形態においては、電動機30の第3出力軸31Cを接続する第1伝達機構33Aとして、原動プーリ34A、従動プーリ34Bおよび伝達ベルト34Cの組み合わせが例示されているが、第1伝達機構33Aは原動歯車と従動歯車の組み合わせであっても支障ない。この場合、電動機30の第3出力軸31Cは互いに逆方向に回転する。
〔第7実施形態〕
次に、本発明の第7実施形態にかかる割ナット開閉装置620を図12に基づいて説明する。
第7実施形態の割ナット開閉装置620は、図12に示すように、電動機30の一つの第3出力軸31Cに固定される円筒ウォーム26Aと、円筒ウォーム26Aと噛み合い第1ねじ軸38Aに固定されるウォームホイール26Bと、円筒ウォーム26Aと噛み合い第2ねじ軸38Bに固定されるウォームホイール26Cと、を備える。つまり、割ナット開閉装置620は、第3出力軸31Cと第1ねじ軸38Aとが、円筒ウォーム26Aおよびウォームホイール26Bを備えるウォームギアからなる第1伝達機構33Aを介して接続される。また、また、割ナット開閉装置620は、第3出力軸31Cと第2ねじ軸38Bとが、円筒ウォーム26Aおよびウォームホイール26Cを備えるウォームギアからなる第2伝達機構33Bを介して接続される。
この第1伝達機構33Aおよび第2伝達機構33Bの周りの回転の向きの一例を図12に矢印で示している。つまり、割ナット開閉装置620においても、第1ねじ軸38Aと第2ねじ軸38Bとは互いに逆の向きに回転する。これにより、割ナット開閉装置620においても、第1実施形態の割ナット開閉装置20と同様に割ナット片21A,21B,22A,22Bの開状態から閉状態の動作および閉状態から開状態への動作を行うことができる。したがって、割ナット開閉装置620においても割ナット開閉装置20における第1の効果~第4の効果を奏するが、割ナット開閉装置620はさらに以下の効果を奏する。
[第10の効果]
割ナット開閉装置620は、円筒ウォーム26A、ウォームホイール26Bおよびウォームホイール26Cを備えるウォームギアを用いている。一般に、ウォームギアはセルフロック(自動締り)機能を備えている。したがって、割ナット開閉装置620は電動機30が停止して開状態または閉状態にあるときに、振動などにより不必要に第1ボールねじ37Aおよび第2ボールねじ37Bが動作しようとしても、第1ボールねじ37Aおよび第2ボールねじ37Bの回転は、ウォームギアのセルフロック機能により妨げられる。これにより、第1割ナット21と第2割ナット22の開状態または閉状態が解かれるのを防ぐことができる。
以上本発明を第1実施形態~第7実施形態に基づいて説明したが、これら以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
例えば、割ナット開閉装置20~420は、水平方向Hに並ぶ第1割ナット21と第2割ナット22を第1連結ロッド25Aと第2連結ロッド25Bで接続する。ところが本発明はこれに限らず、鉛直方向Vに並ぶ一対の割ナットを連結ロッドで接続してもよい。
1 型締装置
10 基台
11 固定型盤
11A,12A おもて面
11B,12B うら面
12 可動型盤
13 固定金型
14 可動金型
15A,15B,15C,15D タイバー
16 ピストン
17 噛み合い歯
18 可動型盤移動手段
20,120,220,320,420,520,620 割ナット開閉装置
21A,21B 第1割ナット片
22 第2割ナット
22A,22B 第2割ナット片
25 連結ロッド
25A 第1連結ロッド
25B 第2連結ロッド
26A 円筒ウォーム
26B,26C ウォームホイール
27 ブラケット
28A 第1かさ歯車
28B 第2かさ歯車
28C 第3かさ歯車
30 電動機
31A 第1出力軸
31B 第2出力軸
31C 第3出力軸
33A 第1伝達機構
33B 第2伝達機構
34A 原動プーリ
34B 従動プーリ
34C 伝達ベルト
35A 原動歯車
35B 従動歯車
37A 第1ボールねじ
37B 第2ボールねじ
38A 第1ねじ軸
38B 第2ねじ軸
39A 第1ナット
39B 第2ナット

Claims (7)

  1. 出力軸を介して回転駆動力を出力する電動機と、
    前記回転駆動力を直線駆動力に変換する第1ボールねじと、前記回転駆動力を直線駆動力に変換する第2ボールねじと、
    前記第1ボールねじおよび前記第2ボールねじの一方に前記回転駆動力と同じ向きに前記回転駆動力を伝達し、かつ、前記第1ボールねじおよび前記第2ボールねじの他方に前記回転駆動力と逆向きに前記回転駆動力を伝達する伝達機構と、
    第1タイバーを掴む第1割ナットと、第2タイバーを掴む第2割ナットと、を備え、
    前記第1割ナットは、第1A割ナット片と第1B割ナット片を備え、前記第2割ナットは、第2A割ナット片と第2B割ナット片を備え、
    前記第1ボールねじによる前記直線駆動力により前記第1A割ナット片と前記第2A割ナット片の開閉動作が行われ、
    前記第2ボールねじによる前記直線駆動力により前記第1B割ナット片と前記第2B割ナット片の開閉動作が行われる、
    割ナット開閉装置。
  2. 前記伝達機構は、
    前記第1ボールねじおよび前記第2ボールねじの一方に前記回転駆動力を同じ向きに伝達する第1伝達機構と、
    前記第1ボールねじおよび前記第2ボールねじの他方に前記回転駆動力を逆向きに伝達する第2伝達機構と、を備える、
    請求項1に記載の割ナット開閉装置。
  3. 前記電動機は、第1出力軸と第2出力軸の二つの出力軸を備え、
    前記第1伝達機構は、前記第1出力軸の前記回転駆動力を伝達し、
    前記第2伝達機構は、前記第2出力軸の前記回転駆動力を伝達する、
    請求項に記載の割ナット開閉装置。
  4. 前記電動機は、一つの第3出力軸を備え、
    前記第1伝達機構は、前記第3出力軸の前記回転駆動力を伝達し、
    前記第2伝達機構は、前記第3出力軸の前記回転駆動力を伝達する、
    請求項に記載の割ナット開閉装置。
  5. 前記第1伝達機構および前記第2伝達機構の一方または双方は、
    一対の回転体を介して前記回転駆動力を伝達する、
    請求項または請求項に記載の割ナット開閉装置。
  6. 前記電動機の前記出力軸と、前記第1ボールねじの第1ねじ軸および前記第2ボールねじの第2ねじ軸とは、平行または交差する、
    請求項1~請求項のいずれか一項に記載の割ナット開閉装置。
  7. 前記第1ボールねじの第1ねじ軸と前記第2ボールねじの第2ねじ軸とは、同軸上に配置されるか、または、偏心して配置される、
    請求項に記載の割ナット開閉装置。
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