WO2010086910A1 - 非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

 非水電解質二次電池は、正極集電体(4A)上に正極合剤層(4B)が設けられた正極(4)と負極集電体(5A)上に負極合剤層(5B)が設けられた負極(5)とが多孔質絶縁層(6)を介して捲回された電極群(8)を備えている。正極合剤層(4B)は、正極集電体(4A)の両表面のうち電極群(8)の径方向における内側に位置する表面上に少なくとも設けられており、正極合剤層(4B)の空孔率が20%以下である。正極集電体(4A)の両表面のうち電極群(8)の径方向における内側に位置する表面上に設けられた正極合剤層(4B)の厚みをηとし、正極(4)の最小曲率半径をρとし、捲回方向における正極(4)の引っ張り伸び率をεとしたときに、ε≧η/ρを満たす。また、正極合剤層(4B)は正極活物質を含んでおり、正極活物質の粒径の度数分布曲線には2つ以上のピークが存在している。

Description

非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池の製造方法
 本発明は、非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池の製造方法に関し、特に、高容量な非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池の製造方法に関するものである。
 近年、環境問題の点から自動車搭載用電源として使用するために、又は大型工具用電源の直流化の要望に応えるために、急速に充電が可能であるとともに大電流放電が可能な小型且つ軽量な二次電池が要求されている。そのような要求を満たす典型的な二次電池として、非水電解質二次電池を挙げることができる。
 このような非水電解質二次電池(以下では単に「電池」と記すこともある)は、発電要素として、正極と負極とが多孔質絶縁層を介して捲回された電極群を備えている。この発電要素は、ステンレス製、ニッケルがメッキされた鉄製又はアルミニウムなどの金属製の電池ケース内に電解液とともに設けられており、電池ケースは、蓋板を用いて密閉されている。
 正極では、正極活物質がシート状又は箔状の正極集電体上に設けられており、正極活物質としては、リチウムイオンと可逆的に電気化学反応するリチウムコバルト複合酸化物等を挙げることができる。負極では、負極活物質がシート状又は箔状の負極集電体上に設けられており、負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵且つ放出できる炭素等を挙げることができる。多孔質絶縁層は、電解液を保持しているとともに、正極と負極との間で短絡が発生することを防止している。電解液としては、LiClO又はLiPF等のリチウム塩を溶解した非プロトン性の有機溶媒が用いられている。
 ところで、昨今、非水電解質二次電池の高容量化が要求されている。非水電解質二次電池を高容量化させる手段の一つとして、合剤層における活物質の充填密度を増加させるという方法を挙げることができる。
特開平05-182692号公報
 しかしながら、合剤層における活物質の充填密度を増加させると、非水電解質二次電池の製造歩留まりの低下及び非水電解質二次電池の安全性の低下を招来することが分かった。
 本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、製造歩留まりの低下を伴うことなく且つ安全性の低下を伴うことなく非水電解質二次電池の高容量化を図ることにある。
 本発明に係る非水電解質二次電池は、正極活物質を含む正極合剤層が正極集電体上に設けられた正極と負極活物質を含む負極合剤層が負極集電体上に設けられた負極とが多孔質絶縁層を介して捲回された電極群を備えている。正極活物質の粒径の度数分布曲線が2つ以上のピークを有している。正極合剤層は、正極集電体の両表面のうち電極群の径方向における内側に位置する表面上に少なくとも設けられている。正極合剤層の空孔率が20%以下であり、捲回方向における正極の引っ張り伸び率εはε≧η/ρを満たす。ここで、ηは、正極集電体の両表面のうち電極群の径方向における内側に位置する表面上に設けられた正極合剤層の厚みであり、ρは、正極の最小曲率半径である。
 上記構成では、正極合剤層の空孔率の低下に起因して正極合剤層が硬くなっても、正極集電体の切れを伴うことなく捲回型の電極群(正極と負極とが多孔質絶縁層を介して捲回された電極群)を作製することができる。
 また、上記構成では、正極合剤層の空孔率の低下に起因して正極活物質の比表面積が増加することを抑制できる。よって、高温下での充放電時又は高温下での保存時に正極活物質からガスが排出されることを防止できる。
 なお、「捲回方向における正極の引っ張り伸び率」は、本明細書では、次に示す方法に従って測定された値である。まず、測定用正極(幅が15mmであり捲回方向における長さが20mmである)を準備する。次に、測定用正極の捲回方向における一端を固定し、測定用正極の捲回方向における他端を捲回方向に沿って20mm/minの速度で引っ張る。そして、破断される直前の測定用正極の捲回方向における長さを測定し、その長さと引っ張る前の測定用正極の捲回方向における長さとを用いて捲回方向における正極の引っ張り伸び率を算出する。
 また、「正極合剤層の空孔率」は、本明細書では、正極合剤層の全体積に対する正極合剤層内に存在する隙間の全体積の割合であり、以下の式を用いて算出される。
    空孔率
  =1-(成分1の体積+成分2の体積+成分3の体積)/(正極合剤層の体積)
 ここで、正極合剤層の体積は、走査型電子顕微鏡で正極合剤層の厚みを測定した後に正極を所定の寸法に裁断して算出される。
 成分1は正極合剤のうち酸に溶解する成分であり、成分2は正極合剤のうち酸に溶解しない成分であって且つ熱揮発性を有する成分であり、成分3は正極合剤のうち酸に溶解しない成分であって且つ熱不揮発性を有する成分である。成分1~成分3の体積は次に示す方法で算出される。
 まず、所定の寸法に裁断した正極を正極集電体と正極合剤層とに分離する。次に、正極合剤の重量を測定する。続いて、正極合剤を酸で溶かし、酸に溶解した成分と酸に溶解しなかった成分とに分離する。酸に溶解した成分については、蛍光X線を用いて定性定量分析するとともにX線回折法によって構造解析し、定性定量分析の結果と構造解析の結果とからその成分の格子定数及び分子量を算出する。このようにして成分1の体積を算出することができる。
 一方、酸に溶解しなかった成分については、まず、その成分の重量を量る。次に、ガスクロマトマスを用いてその成分を定性分析してから熱重量分析する。これにより、酸に溶解しなかった成分のうち熱揮発性を有する成分は揮発する。しかし、この熱重量分析において、酸に溶解しなかった成分のうち熱揮発性を有する成分の全てが揮発するとは限らない。そのため、得られた熱重量分析の結果(サンプルの熱重量分析の結果)から、酸に溶解しなかった成分のうち熱揮発性を有する成分の重量を算出することは難しい。そこで、酸に溶解しなかった成分のうち熱揮発性を有する成分の標準サンプルを準備して熱重量分析する(ガスクロマトマスによる定性分析の結果から、酸に溶解しなかった成分のうち熱揮発性を有する成分の組成が分かっている)。そして、サンプルの熱重量分析の結果と標準サンプルの熱重量分析の結果とから、酸に溶解しなかった成分のうち熱揮発性を有する成分の重量を算出する。算出された重量と酸に溶解しなかった成分のうち熱揮発性を有する成分の真密度とを用いて、成分2の体積が算出される。
 酸に溶解しなかった成分のうち熱揮発性を有する成分の重量が分かれば、サンプルの熱重量分析の結果とその重量とを用いて熱に溶解しなかった成分のうち熱揮発性を有しない成分の重量を求めることができる。このようにして求められた重量と酸に溶解しなかった成分のうち熱揮発性を有しない成分の真比重とを用いて、成分3の体積が算出される。
 さらに、「正極活物質の粒径の度数分布曲線」は、本明細書では、水に正極活物質を分散させることにより調製された試料を用いて、レーザ回折散乱法により得られる。
 本発明に係る非水電解質二次電池では、正極活物質の粒径の度数分布曲線において、ピークにおける粒径のうち最小の粒径は最大の粒径に対して2/3倍以下であることが好ましい。これにより、正極合剤層では、相対的に大径な正極活物質が高密度に充填されたことにより形成される隙間内に、相対的に小径な正極活物質を充填することができる。さらに好ましくは、最小の粒径は0.1μ以上5μm以下であり、且つ、最大の粒径は10μm以上40μm以下であることである。
 本発明に係る非水電解質二次電池では、正極合剤層の空孔率は、15%以下であることが好ましく、10%以下であればさらに好ましい。本発明における正極活物質の粒径の度数分布曲線には2つ以上のピークが存在しているので、圧延時に正極活物質が粉々に砕かれることなく空孔率が10%以下の正極合剤層を作製することができる。また、非水電解質二次電池を低レートで充放電させる場合には、正極合剤層の空孔率が低くなればなるほど電池容量を向上させることができる。
 後述の好ましい実施形態では、正極の最小曲率半径ρは、正極合剤層のうち電極群の最内周を構成する部分の曲率半径である。
 本発明に係る非水電解質二次電池では、捲回方向における正極の引っ張り伸び率εは、2%以上であることが好ましい。
 後述の好ましい実施形態では、正極は、正極活物質を含む正極合剤スラリーを正極集電体の表面上に塗布した後に乾燥させ、その後、表面上に正極活物質が設けられた正極集電体を圧延した後に熱処理したものである。この場合、正極集電体がアルミニウムを主剤とし一定量の鉄を含有していれば、捲回方向における正極の引っ張り伸び率εをε≧η/ρとするために必要な圧延後の熱処理温度の低温化又は圧延後の熱処理時間の短縮化を図ることができる。
 このような非水電解質二次電池の製造方法では、正極を作製する工程は、正極活物質を含む正極合剤スラリーを正極集電体の表面上に塗布した後に乾燥させる工程(a)と、表面上に正極活物質が設けられた正極集電体を圧延する工程(b)と、工程(b)の後、圧延された正極集電体を正極集電体の軟化温度以上の温度で熱処理する工程(c)とを有している。これにより、捲回方向における正極の引っ張り伸び率εをε≧η/ρとすることができる。よって、正極合剤層の空孔率が20%以下であっても、正極集電体の切れを伴うことなく捲回型の電極群を作製することができる。また、粒径の度数分布曲線が2つ以上のピークを有する正極活物質を用いて正極合剤層を作製するので、正極活物質の比表面積の増加を伴うことなく正極合剤層を作製することができ、よって、高温下での充放電時又は高温下での保存時に正極活物質からガスが排出されにくい非水電解質二次電池を提供することができる。
 本発明によれば、非水電解質二次電池の製造歩留まりの低下を伴うことなく且つ安全性の低下を伴うことなくその高容量化を図ることができる。
図1は、正極合剤層の空孔率を変えたときに正極集電体の切れの有無を調べた結果を示す表である。 図2(a)及び図2(b)は正極の長手方向の一部分の断面図であり、図2(a)は捲回されていない状態の正極の断面図であり、図2(b)は捲回されている状態の正極の断面図である。 図3(a)及び図3(b)は正極の長手方向の一部分の断面図であり、図3(a)は正極合剤層の空孔率が高い場合の正極の断面図であり、図3(b)は正極合剤層の空孔率が低い場合の正極の断面図である。 図4(a)及び図4(b)は正極の断面図であり、図4(a)は圧延後に熱処理が施されていない正極を捲回方向に引っ張ったときの断面図であり、図4(b)は圧延後に熱処理が施された正極を捲回方向に引っ張ったときの断面図である。 図5は、アルミニウムからなる正極集電体にLiCoOを正極活物質とする正極合剤層を形成した正極を用いて電池を作製した場合に、圧延後に行う熱処理の条件を変えて正極の引っ張り伸び率を測定した結果を示す表である。 図6は、正極合剤層の空孔率を変えたときに電池の膨張の有無を調べた結果を示す表である。 図7は、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池の構成を模式的に示した断面図である。 図8は、本発明の一実施形態における電極群8の構成を模式的に示した拡大断面図である。 図9は、本発明の一実施形態における正極4の正極合剤層4Bの拡大断面図である。 図10は、本発明の一実施形態における正極活物質の粒径の度数分布曲線を模式的に示すグラフ図である。 図11(a)~(c)は、粒径の度数分布曲線が1つのピークのみを有する正極活物質を用いて正極を作製したときに圧延により正極活物質の配置が変化する様子を模式的に示した断面図である。 図12(a)及び図12(b)は、本実施形態における正極活物質を用いて正極を作製したときに圧延により正極活物質の配置が変化する様子を模式的に示した断面図である。 図13は、本発明の一実施形態においてη及びρの説明するための断面図である。 図14は、η/ρ=1.71(%)である場合に、捲回方向における正極の引っ張り伸び率を変えて正極集電体の切れ易さを調べた結果を示す表である。 図15は、η/ρ=2.14(%)である場合に、捲回方向における正極の引っ張り伸び率を変えて正極集電体の切れ易さを調べた結果を示す表である。 図16は、η/ρ=2.57(%)である場合に、捲回方向における正極の引っ張り伸び率を変えて正極集電体の切れ易さを調べた結果を示す表である。 図17は、圧延時の圧力を変えたときに正極合剤層の空孔率を測定した結果を示す表である。 図18は、正極活物質の粒度分布を変えたときに電池の膨張の有無を調べた結果を示す表である。
 本発明の実施形態を説明する前に、本願発明を完成させるに至った経緯を説明する。
 上述のように、非水電解質二次電池の高容量化が要求されており、その要求に応えるために合剤層における活物質の充填密度を増加させることが検討されている。
 負極合剤層における負極活物質の充填密度を高くしすぎると、負極におけるリチウムイオンの受け入れが著しく低下するので、リチウムが負極の表面に金属として析出しやすくなり、そのために非水電解質二次電池の安全性の低下を招来する,ということが知られている。一方、正極合剤層における正極活物質の充填密度を増加させても上記不具合は発生しない,と考えられている。そこで、本願発明者らは、正極合剤層における正極活物質の充填密度が従来よりも高い正極を用いて(別の言い方をすると、正極合剤層の空孔率が従来よりも低い正極を用いて、)捲回型の電極群を作製した。その結果を図1に示す。図1に示すように、正極合剤層の空孔率を従来よりも低くしていくと(従来の正極合剤層では空孔率は30%程度である)、正極合剤層の空孔率が20%程度になったところから捲回時に正極集電体が切れ始めることが分かった。図1には示していないが、正極合剤層の空孔率が20%よりも低くなればなるほど捲回時に正極集電体が切れやすくなり、例えば、正極合剤層の空孔率が15%程度であれば作製された電極群のうち半数の電極群において捲回時に正極集電体が切れ、正極合剤層の空孔率が10%程度にまで低下すれば作製された電極群のうち殆どの電極群において捲回時に正極集電体が切れた。また、正極集電体が切れた電極群をさらに調べると、正極集電体の切れは図1に示すように電極群の半径方向における内側に集中していた。これらの結果に対して、本願発明者らは、以下に示すことを考えた。
 図2(a)及び(b)は正極44の長手方向の一部分の断面図であり、図2(a)は捲回されていない状態の正極44の断面図であり、図2(b)は捲回されている状態の正極44(捲回型の電極群を構成する正極の一部分)の断面図である。
 2つの正極合剤層44Bのうち一方の正極合剤層44Bが内側となるように図2(a)に示す正極44を捲回すると、正極集電体44A及び外側の正極合剤層(正極集電体44Aの両表面のうち捲回型の電極群の径方向における外側に位置する表面上に設けられた正極合剤層)44Bには引っ張り応力が働く。例えば、図2(b)に示すように、内側の正極合剤層(正極集電体44Aの両表面のうち捲回型の電極群の径方向における内側に位置する表面(内周面45)上に設けられた正極合剤層)44Bの厚みをηとし、内側の正極合剤層44Bの内周面46の曲率半径をρとし、中心角をθとすると、正極集電体44Aの内周面45の捲回方向における長さ(L)は、
   L=(ρ+η)θ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(式1)
であり、内側の正極合剤層44Bの内周面46の捲回方向における長さ(L)は、
   L=ρθ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(式2)
である。よって、図2(a)に示す正極44を捲回すると、正極集電体44Aは内側の正極合剤層44Bよりも捲回方向において 
   L-L=(ρ+η)θ-ρθ
              =ηθ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(式3)
だけ延び、その割合((L-L)/L)は
   (L-L)/L=ηθ÷ρθ
                       =η/ρ ・・・・・・・・・・・・・・(式4)
となる。ρは電極群の半径方向における内側の方が外側よりも小さいので、上記割合((L-L)/L)は電極群の半径方向における内側の方が外側よりも大きくなる。よって、電極群の半径方向における外側では、正極集電体44Aが捲回方向にそれほど伸びなくても、正極集電体44Aが切れることなく捲回型の電極群を作製することができる。一方、電極群の半径方向における内側では、正極集電体44Aが捲回方向に十分に伸びなければ、正極集電体44Aが切れることなく捲回型の電極群を作製することは難しい。以上より、正極集電体44Aの切れは電極群の半径方向における内側に集中した,と考えられる。
 しかし、上記考察では、曲率半径が小さくなると捲回時に正極集電体が切れやすくなるということを説明出来るに過ぎず、正極合剤層の空孔率が低下すると捲回時に正極集電体が切れやすくなるということを説明できない。そこで、本願発明者らは、正極合剤層の空孔率の低下に起因して引き起こされる種々の現象を検討した結果、以下に示すように正極合剤層の空孔率が低下すると正極合剤層が硬くなるので捲回時に正極集電体が切れやすくなるのではないかと考えた。
 図3(a)及び(b)は正極44の長手方向の一部分の断面図であり、図3(a)は空孔率が高い正極合剤層44B,44Bを有する正極44の断面図であり、図3(b)は空孔率が低い正極合剤層144B,144Bを有する正極144の断面図である。図3(a)及び(b)のどちらの図においても、矢印よりも左側には捲回されていない状態の正極44,144の断面を図示しており、矢印よりも右側には捲回されている状態の正極44,144を図示している。
 正極44,144を捲回すると、それぞれ、上述のように正極集電体44A,144A及び外側の正極合剤層44B,144Bには引っ張り応力が働くが、内側の正極合剤層44B,144Bには圧縮応力が働く。正極合剤層44B,44Bの空孔率が高い場合(例えば正極合剤層44B,44Bの空孔率が30%程度である場合)、正極44を捲回すると、内側の正極合剤層44Bは正極44の厚み方向に収縮する。つまり、捲回後の内側の正極合剤層44Bの厚み(η’)は、捲回前の内側の正極合剤層44Bの厚み(η)よりも薄くなる(η’<η)。従って、正極集電体44Aの内周面45の捲回方向における長さ(LA1)は、内側の正極合剤層44Bの内周面46の捲回方向における長さ(LB1)よりも
   LA1-LB1=LB1×(η’/ρ)<LB1×(η/ρ)・・(式5)
だけ延びればよい。
 一方、正極合剤層144B,144Bの空孔率が低い場合には(例えば正極合剤層144B,144Bの空孔率が20%以下である場合には)、内側の正極合剤層144Bは内側の正極合剤層44Bに比べて硬い。よって、捲回により内側の正極合剤層144Bに圧縮応力が働いても、内側の正極合剤層144Bは正極144の厚み方向に収縮しにくい。そのため、正極集電体144Aの内周面145の捲回方向における長さ(LA2)は、内側の正極合剤層144Bの内周面146の捲回方向における長さ(LB2)よりも
   LA2-LB2=LB2×(η/ρ)・・・・・・・・・・・・・(式6)
だけ延びなければならない。上記(式5)と上記(式6)とを比較すると、正極集電体144Aは正極集電体44Aよりも捲回方向に延びなければ捲回時に切れてしまう。
 正極集電体144Aの捲回時の切れを防止する方法として、例えば捲回時に正極合剤層144Bから正極活物質などを脱落させる方法を挙げることができる。しかし、捲回時に正極合剤層144Bから正極活物質などを脱落させると、製造された電池の容量が設計時の電池の容量よりも低下する、又は、正極合剤層144Bから脱落した正極活物質などが多孔質絶縁層を破いて内部短絡の発生を招くなどの不具合が発生する。そのため、活物質などが合剤層から脱落しないように捲回している。よって、正極集電体144Aの捲回時の切れを防止する方法として、捲回時に正極合剤層144Bから正極活物質などを脱落させるという方法を選択することは好ましくなく、捲回方向に十分に伸びる正極集電体を用いるという方法を選択することが好ましい,と本願発明者らは考えた。
 さらに、本願発明者らは、正極では正極集電体の表面上に正極合剤層が形成されていることに留意し、正極集電体が捲回方向に十分に伸びるように作製された場合であっても正極合剤層が捲回方向に十分に伸びるように作製されていなければ捲回時における正極集電体の切れを抑制することは難しいと考えた。つまり、本願発明者らは、正極が捲回方向に十分に伸びれば非水電解質二次電池の高容量化を図りつつ捲回時における正極集電体の切れを抑制できると考えた。
 ところで、本件出願人は、正極の引っ張り伸び率を大きくする方法を特願2007-323217号(PCT/JP2008/002114)の出願明細書に開示している。
 すなわち、まず、正極活物質、導電剤及び結着剤を含む正極合剤スラリーを正極集電体上に塗布させてから乾燥させる。これにより、表面上に正極活物質及び導電剤などが設けられた正極集電体が作製される。次に、この正極集電体(表面上に正極活物質及び導電剤などが設けられた正極集電体)を圧延してから所定の温度で熱処理する。このように表面上に正極活物質及び導電剤などが設けられた正極集電体を圧延してから所定の温度で熱処理する(単に「圧延後に熱処理する」又は「圧延後の熱処理」などと記す場合がある)ことにより、正極の引っ張り伸び率を熱処理する前の値よりも大きくすることができる。
 上記のように、圧延後の熱処理によって正極の引っ張り伸び率を熱処理する前の値よりも大きくすることができるのは、次のようなメカニズムによるものと考えられる。
 図4(a)及び(b)は正極の断面図であり、図4(a)は圧延後に熱処理が施されていない正極を捲回方向に引っ張ったときの断面図であり、図4(b)は圧延後に熱処理が施された正極を捲回方向に引っ張ったときの断面図である。
 正極の引っ張り伸び率は、正極集電体の表面に正極合剤層が形成されているため、正極集電体自身の固有の引っ張り伸び率で規制されない。通常、正極合剤層の方が正極集電体よりも引っ張り伸び率が低い。そのため、圧延後の熱処理を行わなかった正極44を伸ばしたときには、図4(a)に示すように正極合剤層44Bに大きなクラック49が発生すると同時に正極44が破断する。これは、正極44の伸びとともに正極合剤層44B内の引っ張り応力が増し、正極集電体44Aに加わる引っ張り応力が大きなクラック49の発生した箇所に集中することにより、正極集電体44Aが破断したものと考えられる。
 一方、圧延後に熱処理を行った正極4を伸ばしたときは、正極集電体4Aが軟化しているので、正極合剤層4Bに多数の微小なクラック9を発生させながら正極4が伸び続け(図4(b))、やがて正極4が破断する。これは、正極集電体4Aに加わる引っ張り応力が微小なクラック9の発生により分散されるため、正極合剤層4Bにおけるクラック9の発生が正極集電体4Aに及ぼす影響は少なく、クラック9の発生と同時に正極4が破断されることなく一定の大きさまで伸び続け、引っ張り応力が一定の大きさ(正極集電体4Aに固有の引っ張り伸び率に近い値)に達した時点で正極集電体4Aが破断したものと考えられる。
 圧延後の熱処理によって得られる正極の引っ張り伸び率の大きさは、正極集電体及び正極活物質の材料又は圧延後の熱処理の条件によって異なるが、例えば、アルミニウムからなる正極集電体にLiCoOを正極活物質とする正極合剤層が形成された正極の場合、200℃以上の温度で、圧延後の熱処理(180秒)を行うことによって、正極の引っ張り伸び率を3%以上に高めることができる。
 図5は、アルミニウムに対して1.2重量%以上の鉄が含まれた正極集電体にLiCoOを正極活物質とする正極合剤層を形成した正極を用いて電池を作製した場合に、圧延後に行う熱処理の条件を変えたときに得られた正極の引っ張り伸び率を示す表である。ここで、電池1~4は、正極の圧延後の熱処理温度を280℃で、正極の圧延後の熱処理時間を10秒、20秒、120秒、180秒に変えて行ったものである。また、電池5は、圧延後の熱処理を行わなかったものである。
 図5に示すように、圧延後の熱処理を行わなかった電池5の正極の引っ張り伸び率は1.5%であったのに対し、圧延後の熱処理を行った電池1~4の正極の引っ張り伸び率は3~6.5%であり電池5の正極の引っ張り伸び率よりも大きくなっているのが分かる。
 さらに、本件出願人は、その後の検討により、以下に示すことを確認している。圧延後の熱処理温度を図5に示す温度よりも低くしても((正極集電体の軟化温度)≦(圧延後の熱処理温度)<(正極合剤層に含まれた結着剤の融点温度))又は圧延後の熱処理時間を図5に示す時間よりも短くしても(例えば0.1秒以上数分以下)、正極の引っ張り伸び率を所望の値にすることができる。
 以上より、本願発明者らは、上記出願明細書に開示された方法に従って正極を作製すれば(つまり、表面上に正極活物質が設けられた正極集電体を圧延した後に所定の温度で熱処理すれば)、正極合剤層の空孔率が20%以下であっても、正極合剤層の空孔率が15%以下であっても、さらには正極合剤層の空孔率が10%以下であっても、捲回時における正極集電体の切れを抑制できると考えた。そこで、上記出願明細書に開示された方法に従って正極合剤層の空孔率が30%である正極と正極合剤層の空孔率が20%である正極とを作製し、作製された正極を用いて捲回型の電極群を作製し、作製された捲回型の電極群を用いて非水電解質二次電池を作製した。そして、作製された電池のうちの一部の電池に対しては高温下において充放電を行い、別の一部の電池に対しては高温下で保存した。このとき、正極合剤層の空孔率が20%である正極を作製するときには、正極合剤層の空孔率が30%である正極を作製するときに比べて圧延時の圧力を大きくした。その結果を図6に示す。いずれの電池においても捲回時に正極集電体は切れなかったが、図6に示すように正極合剤層の空孔率が30%である非水電解質二次電池では電池の膨張率が0.5%であった(電池の径が0.5%しか大きくならなかった)のに対して正極合剤層の空孔率が20%である非水電解質二次電池では電池の膨張率が1.1%であった(電池の径が1.1%も大きくなった)。また、図6には示していないが、正極合剤層の空孔率が低くなればなるほど、円筒電池では高温下での充放電時又は高温下での保存時に電池の径が大きくなり、角型電池では高温下での充放電時又は高温下での保存時に電池の厚みが厚くなった。その理由を考察するために本願発明者らが高温下での充放電時又は高温下での保存時に膨張した電池を調べたところ、高温下での充放電時又は高温下での保存時にガスが発生したために電池の内圧が上昇したからであることが分かった。そこで、高温下での充放電時又は高温下での保存時にガスが発生する理由を検討した。
 従来、非水電解質二次電池内においてガスが発生する場合があり、その理由としては過充電時などにおける非水電解質の分解又は正極活物質と非水電解質との反応などが考えられている。しかし、これらの理由では、正極合剤層の空孔率が低下するにつれて高温下での充放電時又は高温下での保存時に非水電解質二次電池内においてガスが発生し易くなるということを説明することができない。
 ところで、正極合剤層の空孔率が20%である正極は、正極合剤層の空孔率が30%である正極よりも圧延時の圧力を大きくすることにより作製されたものである。そこで、正極合剤層の空孔率が30%である正極と正極合剤層の空孔率が20%である正極とを比較したところ、正極合剤層の空孔率が30%である正極では正極活物質の大きさは圧延前と圧延後とでそれほど変化していなかったのに対して、正極合剤層の空孔率が20%である正極では正極活物質は圧延により粉々に砕かれていた。この結果から、本願発明者らは、以下に示すように、圧延により正極活物質が粉々に砕かれることが高温下での充放電時又は高温下での保存時においてガスの発生量が増加することに関係していると考えた。
 正極活物質が粉々に砕かれると、正極活物質には複数の表面が形成される(圧延により正極活物質に形成された表面を「新生表面」と記す。)。圧延は、通常、空気中で行われる。そのため、新生表面が空気に触れることとなるので、その新生表面に空気中の二酸化炭素などが付着する場合がある。この場合には、正極は、新生表面に二酸化炭素などを付着させたまま電池ケース内に組み込まれる。従って、このような正極を備えた非水電解質二次電池を高温下で充放電又は保存すると、新生表面に付着している二酸化炭素などが正極から排出される。さらに検討したところ、高温下での充放電時又は高温下での保存時に正極から排出される二酸化炭素などのガスの多くが新生表面に付着しているガスに由来することが分かった。
 以上をまとめると、本願発明者らは、圧延時の圧力を大きくすることにより正極合剤層の空孔率を低くすると高温下での充放電時又は高温下での保存時に電池が膨れるという不具合を見出した。その不具合が生じる理由として、本願発明者らは、圧延時の圧力を従来よりも高くすると正極活物質が粉々に砕かれるからであると考えた。そこで、本願発明者らは、新生表面の形成を抑制しつつ正極合剤層の空孔率を低くすることができれば高温下での充放電時又は高温下での保存時における電池の膨張を抑制できると考え、本願発明を完成させた。以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。また、本実施形態で説明する非水電解質二次電池の構成については、本願出願による上記出願明細書に記載された構成を適用することができる。
 図7は、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池の構成を模式的に示した断面図である。
 図7に示すように、本実施形態に係る非水電解質二次電池では、正極4及び負極5が多孔質絶縁層6を介して捲回された電極群8が、電解液と共に電池ケース1内に収容されている。電池ケース1の開口部は、ガスケット3を介して封口板2によって封口されている。正極4に取り付けられた正極リード4aは正極端子を兼ねる封口板2に接続され、負極5に取り付けられた負極リード5aは負極端子を兼ねる電池ケース1に接続されている。
 図8は、本実施形態における電極群8の構成を模式的に示した拡大断面図である。
 図8に示すように、正極集電体4Aの両面に正極合剤層4Bが形成され、負極集電体5Aの両面に負極合剤層5Bが形成され、正極4と負極5との間には多孔質絶縁層6が配されている。以下では、本実施形態における正極4を詳述する。
 図9は、本実施形態における正極4の正極合剤層4Bを模式的に示す断面図である。図10は、本実施形態における正極活物質の粒径の度数分布曲線を模式的に示すグラフ図である。
 図9に示すように、正極合剤層4Bには、粒径の異なる正極活物質が含まれており、相対的に大径な正極活物質PAが高密度に充填されることにより形成される隙間S内に相対的に小径な正極活物質PAが充填されている。これにより、正極合剤層4Bにおける正極活物質の充填密度を従来よりも高くすることができる。具体的には、正極合剤層4Bの空孔率を20%以下にすることができ、その空孔率を15%以下にすることができ、場合によってはその空孔率を10%以下にすることができる。よって、非水電解質二次電池の高容量化を図るという昨今の要求を満たすことができる。
 正極合剤層4Bに含まれた正極活物質の粒径の度数分布曲線を測定すると、図10に示すように、その度数分布曲線には2以上のピークが存在している(なお、図10では、煩雑になるのを避けるためにピーク数を3つとしているが、ピーク数は3つに限定されない。)。ピークにおける粒径のうち最小の粒径(rmin)と最大の粒径(rmax)との差が大きければ、例えば最小の粒径(rmin)が最大の粒径(rmax)の2/3倍以下であれば、図9に示す隙間S内における相対的に小径な正極活物質PAの充填量が多くなるので、正極合剤層4Bにおける正極活物質の充填密度を従来よりも高くすることができる。
 また、ピークにおける粒径のうち最小の粒径(rmin)と最大の粒径(rmax)との差が大きければ、圧延時の圧力を従来よりも高くしなくても正極合剤層4Bにおける正極活物質の充填密度を高くすることができる。よって、圧延時の圧力を従来よりも大きくしなくても、正極合剤層4Bの空孔率を20%以下、15%以下、場合によっては10%以下とすることができる。以下では、粒径の度数分布曲線に1つのピークしか存在しない正極活物質を用いて正極を作製した場合と比較しながら、本実施形態における正極4を説明する。
 図11(a)~(c)は、粒径の度数分布曲線にピークが一つしか存在しない正極活物質PAを用いて正極を作製したときに圧延により正極活物質PAの配置が変化する様子を模式的に示した断面図であり、図12(a)及び(b)は、本実施形態における正極活物質を用いて正極を作製したときに圧延により正極活物質の配置が変化する様子を模式的に示した断面図である。
 粒径の度数分布曲線にピークが一つしか存在しない正極活物質PAを用いて正極を作製すると、正極活物質PAは、圧延前では正極集電体44Aの表面上にランダムに存在しているが(図11(a))、圧延により正極集電体44Aの表面上に高密度に配置される(図11(b))。つまり、正極合剤層における正極活物質PAの充填密度は、正極集電体44Aの表面上に正極活物質PAを最も高密度に充填させたときの密度で決まる。よって、正極合剤層における正極活物質PAの充填密度を図11(b)に示す場合よりもさらに高くするためには、圧延時の圧力を高くして正極活物質PAを粉々の正極活物質PA’とすることになる(図11(c))。
 さらに、粒径の度数分布曲線に複数のピークが存在していてもピークにおける粒径のうち最小の粒径(rmin)と最大の粒径(rmax)との差がそれほど大きくなければ、粒径の度数分布曲線に1つのピークしか存在しない正極活物質PAを用いて正極を作製した場合と同様の結果が導かれる。
 一方、粒径の度数分布曲線に複数のピークが存在し、且つ、ピークにおける粒径のうち最小の粒径(rmin)と最大の粒径(rmax)との差が大きい正極活物質を用いて正極を作製すると(つまり、本実施形態における正極活物質を用いて正極を作製すると)、圧延前では、相対的に大径な正極活物質PAも相対的に小径な正極活物質PAも正極集電体4Aの表面上にランダムに存在しているが(図12(a))、圧延により、相対的に大径な正極活物質PAが正極集電体4Aの表面上で高密度に配置され、相対的に大径な正極活物質PAが高密度に配置されて形成された隙間S内に相対的に小径な正極活物質PAが充填される(図12(b))。つまり、この場合には、相対的に大径な正極活物質PA及び相対的に小径な正極活物質PAを粉々に砕くことなく、正極合剤層における正極活物質の充填密度を正極集電体4Aの表面上に相対的に大径な正極活物質PAを最も高密度に充填させたときの密度よりも高くすることができる。
 このように本実施形態における正極活物質を用いて正極4を作製すれば、圧延時の圧力を高くすることなく正極合剤層4Bにおける正極活物質の充填密度を高くすることができる。よって、粒径の度数分布曲線にピークが一つしか存在しない正極活物質PAを用いて正極を作製する場合に比べて、圧延時に正極活物質の表面に付着する空気中の二酸化炭素などの量を低減できる。従って、正極が空気中の二酸化炭素などを付着させたまま電池ケースに収容されることを防止できる。これにより、本実施形態に係る非水電解質二次電池では、高温下での充放電時又は高温下での保存時における二酸化炭素などのガスの排出量を低減できるので、ガス排出に起因する膨れを防止することができる。
 本実施形態における正極活物質の粒径の度数分布曲線についてさらに説明すると、粒径の度数分布曲線においてピークにおける粒径のうちの最小の粒径(rmin)は、最大の粒径(rmax)の2/3倍以下であればよく、最大の粒径(rmax)の1/400倍以上1/2倍以下であることが好ましく、最大の粒径(rmax)の1/100倍以上1/5倍以下であればさらに好ましい。別の言い方をすると、粒径の度数分布曲線においてピークにおける粒径のうちの最小の粒径(rmin)は、0.1μm以上5μm以下であることが好ましく、0.5μm以上2μm以下であればさらに好ましい。また、粒径の度数分布曲線においてピークにおける粒径のうちの最大の粒径(rmax)は、10μm以上40μm以下であることが好ましく、15μm以上30μm以下であればさらに好ましい。ここで、正極活物質の粒径が40μmを超えると、リチウムイオンが正極活物質内において拡散しにくくなるので、非水電解質二次電池の性能の低下を招来する。一方、正極活物質の粒径が0.1μm未満であれば、正極活物質の比表面積が大きくなるので、非水電解質二次電池を高温下に曝したときにガスの発生が顕著になる。
 また、正極合剤層4Bにおいて互いに粒径が異なる正極活物質が占める体積は、互いに同一であっても良い。しかし、正極合剤層4Bにおいて相対的に小径な正極活物質PAが占める体積の方が正極合剤層4Bにおいて相対的に大径な正極活物質PAが占める体積よりも小さければ、正極合剤層4Bにおける正極活物質の充填密度を高くすることができるので好ましい。
 なお、粒径が互いに異なる正極活物質は、同一の組成式で表される正極活物質であっても良く、異なる組成式で表される正極活物質であっても良い。
 上述のように、本実施形態における正極合剤層4Bにおける正極活物質の充填密度は、従来よりも高い。よって、正極合剤層4Bの空孔率は、従来よりも低く、例えば20%以下である。そのため、正極合剤層4Bは従来よりも硬くなるが、捲回方向における正極4の引っ張り伸び率εが
   ε≧η/ρ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(式7)
を満たしているので、正極合剤層4Bの空孔率が10%以下であっても正極4の切断を伴うことなく電極群8を作製することができる。
 ここで、上記(式7)におけるηは、図13に示すように、内側の正極合剤層4Bの厚みであり、正極集電体4Aの両表面に同一膜厚の正極合剤層4B,4Bが形成されている場合には正極集電体4Aの厚みが正極合剤層4Bの厚みに対して十分薄いので正極4の厚みdの1/2とすることができる(d≒2η)。また、上記(式7)におけるρは、図13に示すように、正極4の最小曲率半径であり、内側の正極合剤層4Bのうち電極群8の最内周を構成する部分の曲率半径である。なお、図13は、本実施形態においてη及びρの説明するための断面図である。
 このような正極4を捲回方向に引っ張ると、図4(b) に示すように、正極合剤層4Bに微小なクラック9を発生させながら、正極集電体4Aが伸びる。このように、正極4は、正極合剤層4Bに最初のクラックが発生すると同時に正極集電体4Aが破断されるのではなく、最初のクラックが発生してからしばらくの間は正極合剤層4Bにクラックを発生させながら正極集電体4Aは破断されずに伸び続ける。
 以下では、従来の正極44と比較しながら本実施形態における正極4を説明する。
 従来の正極合剤層44Bの空孔率は30%程度である。よって、図2(b)及び図3(a)を用いて説明したように、捲回時には内側の正極合剤層44Bが正極44の厚み方向に収縮するので、捲回方向における正極44の引っ張り伸び率が上記(式7)を満たしていなくても正極集電体44Aの切れを伴うことなく捲回型の電極群を作製することができる。よって、従来の正極44では、正極集電体44Aが捲回方向においてそれほど伸びなくても、正極集電体44Aの切れを伴うことなく捲回型の電極群を作製することができる。
 一方、本実施形態における正極合剤層4Bの空孔率は20%以下である。よって、図2(b)及び図3(b)を用いて説明したように、捲回時には内側の正極合剤層4Bが正極4の厚み方向に収縮しにくい。
 このとき、正極4の捲回により内側の正極合剤層4Bが正極4の厚み方向に全く収縮しなかったと仮定すると、電極群8の最内周では、正極集電体4Aは内側の正極合剤層4Bに対してη/ρ長く延びなければ切れてしまう(∵(式3)及び(式4))。しかし、本実施形態における正極4の引っ張り伸び率εは上記(式7)を満たしているので、正極集電体4Aの切れを伴うことなく電極群8を作製することができる。よって、正極合剤層4Bの空孔率が20%以下、15%以下、さらには10%以下であっても、正極集電体4Aの切れを伴うことなく電極群8を作製することができる。
 本実施形態における正極4の引っ張り伸び率εは、現状の非水電解質二次電池のη及びρを考慮すると、2%以上であれば良いが、10%以下であることが好ましい。捲回方向における正極4の引っ張り伸び率が10%を超えると、正極4の捲回時に正極4が変形する虞があるからである。因みに、従来の正極44の引っ張り伸び率は1.5%程度である。
 また、捲回方向における正極4の引っ張り伸び率εが3%以上であれば、別の言い方をすると、捲回方向における正極の引っ張り伸び率εが負極の引っ張り伸び率及び多孔質絶縁層の引っ張り伸び率と同程度であれば(負極の引っ張り伸び率及び多孔質絶縁層の引っ張り伸び率は3%以上である場合が多い)、正極集電体4Aの切れを伴うことなく電極群8を作製することができるという効果に加えて、電池の充放電に伴う負極活物質の膨張及び収縮に起因した電極群の座屈又は極板の破断を防止することもでき、さらには圧壊に起因する電池内での内部短絡の発生を防止することもできる。
 詳細には、前者の効果について詳細に説明すると、捲回方向における正極の引っ張り伸び率が3%以上であれば、正極と負極とで捲回方向における引っ張り伸び率の値を同程度とすることができる。よって、正極は、負極活物質の膨張及び収縮に追随して捲回方向に伸縮できるので、応力を緩和することができる。
 後者の効果について詳細に説明すると、捲回方向における正極の引っ張り伸び率が3%以上であれば、正極と負極と多孔質絶縁層とで捲回方向における引っ張り伸び率の値を同程度とすることができる。よって、非水電解質二次電池が潰されて変形しても、正極が優先的に破断して多孔質絶縁層を突き破ることを防止できる。
 このような正極4は、次のようにして作製される。まず、粒径の度数分布曲線に2つ以上のピークを有する正極活物質を含む正極合剤スラリーを調製する。このとき、ピークにおける粒径のうち最小の粒径(rmin)は最大の粒径(rmax)に対して2/3倍以下であることが好ましい。次に、その正極合剤スラリーを正極集電体の両表面に塗布して乾燥させる(工程(a))。その後、両表面上に正極活物質が設けられた正極集電体を圧延してから(工程(b))正極集電体の軟化温度以上の温度で熱処理する(工程(c))。これにより、相対的に大径な正極活物質PAが高密度に配置されることにより形成される隙間S内に相対的に小径な正極活物質PAが充填されることとなる。よって、圧延時の圧力を従来よりも高くしなくても、正極合剤層4Bにおける正極活物質の充填密度を従来よりも高くすることができる。
 圧延後の熱処理の温度が高い方が、又は、圧延後の熱処理の時間が長い方が、捲回方向における正極4の引っ張り伸び率を大きくすることができる。よって、捲回方向における正極4の引っ張り伸び率が所望の値となるように、圧延後の熱処理の温度及び時間を設定すればよい。しかし、圧延後の熱処理の温度が高すぎると、正極合剤層に含まれる結着剤などが溶融さらには分解され、その結果、非水電解質二次電池の性能低下を招来する。また、圧延後の熱処理の時間が長すぎると、圧延後の熱処理において溶融した結着剤などが正極活物質の表面を被覆し、その結果、電池容量の低下を招来する。これらを考慮すると、圧延後の熱処理の温度は、正極集電体の軟化温度以上であり且つ正極合剤層に含まれる結着剤の分解温度よりも低いことが好ましい。さらには、正極集電体4Aとしてアルミニウムに対して1.4重量%以上の鉄を含有する8021アルミ集電体を用いた場合には、熱処理の温度を正極集電体の軟化温度(例えば160℃)以上であり正極合剤層に含まれる結着剤の溶融温度(例えば180℃)よりも低い温度とすることができる。これにより、圧延後の熱処理において、正極合剤層に含まれる結着剤の溶融を阻止できる。この場合、圧延後の熱処理の時間は、1秒以上であればよく、非水電解質二次電池の生産性を考慮して設定されることが好ましい。また、正極集電体4Aとして上記8021アルミ集電体を用いた場合には、熱処理の温度を正極集電体の軟化温度以上であり正極合剤層に含まれる結着剤の分解温度(例えば350℃)よりも低い温度とすれば、熱処理の時間を0.1秒以上1分以下にすることができる。
 また、圧延後の熱処理の方法としては、熱風、IH(Induction Heating)、赤外または電熱を用いた熱処理が挙げられるが、圧延された正極集電体に所定温度に熱した熱ロールを接触させる方法を選択することが好ましい。熱ロールを用いて圧延後の熱処理を行えば、熱処理の時間を短くすることができ、且つ、エネルギー損失を最小限に抑えることができるからである。
 以上説明したように、本実施形態に係る非水電解質二次電池では、正極合剤層4Bにおける正極活物質の充填密度が従来よりも高いので、高容量化を図ることができる。さらに、本実施形態に係る非水電解質二次電池では、捲回方向における正極4の引っ張り伸び率εが上記(式7)を満たしているので、捲回時の正極集電体4Aの切れを抑制することができる。よって、高容量な非水電解質二次電池を歩留まり良く作製することができる。
 本実施形態に係る非水電解質二次電池では、正極活物質の粒径の度数分布曲線には2つ以上のピークが存在しており、ピークにおける粒径のうち最小の粒径は最大の粒径の2/3倍以下である。このような正極活物質を用いて正極合剤層4Bを作製すると、圧延時には、相対的に大径な正極活物質PAは正極集電体4の表面上に高密度に配置され、相対的に小径な正極活物質PAは、相対的に大径な正極活物質PAが高密度に配置されたことにより形成された隙間S内に充填される。よって、圧延時の圧力を従来より高くしなくても、正極合剤層4Bにおける正極活物質の充填密度を従来よりも高くすることができる。従って、圧延時に新生表面が形成される場合に比べて、圧延時に正極活物質の表面に付着する二酸化炭素の量を低く抑えることができるので、正極活物質の表面に二酸化炭素などを付着させた状態で正極が電池ケース内に収容されることを抑制できる。これにより、高温下での充放電時又は高温下での保存時に正極から二酸化炭素などが排出されることを防止できるので、非水電解質二次電池が高温下での充放電時又は高温下での保存時に膨張することを防ぐことができる。よって、高容量な非水電解質二次電池を安全に充電することができる。
 本願発明者らは、以下に示す方法に従って円筒電池を作製して、本実施形態に係る非水電解質二次電池の効果を確認している。なお、詳細を省くが、本願発明者らは、捲回型の電極群を備えた角型電池に対しても同様の実験を行って、本実施形態に係る非水電解質二次電池の効果を確認している。
 まず、捲回方向における正極4の引っ張り伸び率εが上記(式7)を満たせば正極集電体4Aの切れを伴うことなく電極群8を作製できることを確認した実験の内容及びその結果を示す。図14~図16は捲回方向における正極の引っ張り伸び率を変えて正極集電体の切れ易さを調べた結果を示す表であり、図14にはη/ρ=1.71(%)である場合の結果を示しており、図15にはη/ρ=2.14(%)である場合の結果を示しており、図16にはη/ρ=2.57(%)である場合の結果を示している。また、図17は圧延時の圧力と正極合剤層の空孔率との関係を示す表である。
 現状の非水電解質二次電池では、2ηが0.12mm、0.15mmまたは0.18mmであり、ρが3.5mm以上である。よって、η/ρは
  η/ρ=(0.12/2)/3.5×100=1.71(%)
  η/ρ=(0.15/2)/3.5×100=2.14(%)
  η/ρ=(0.18/2)/3.5×100=2.57(%)
となる。そこで、本願発明者らは、図14~図16に示す電池6~23を作製し、視認により正極集電体が切れているか否かを調べた。以下には、電池6~23の作製方法の代表例として電池9の作製方法を記載する。
 -電池9の作製方法-
 (正極の作製方法)
 まず、4.5vol%のアセチレンブラック(導電剤)と、N-メチルピロリドン(NMP,NMPはN-methylpyrrolidoneの略語)の溶剤に4.7vol%のポリフッ化ビニリデン(PVDF,PVDFはpoly(vinylidene fluoride)の略語)(結着剤)を溶解した溶液と、100vol%のLiNi0.82Co0.15Al0.032(平均粒子径は10μm)(正極活物質)とを混合して、正極合剤スラリーを得た。
 次に、この正極合剤スラリーを厚さ15μmの住軽アルミニウム箔株式会社製アルミニウム合金箔べスパFS115(A8021H-H18)の両面に塗布し、乾燥させた。その後、両面上に正極活物質が設けられた正極集電体に1.8t/cmの圧力をかけてその正極集電体を圧延した。これにより、正極集電体の両表面上には、正極活物質を含む層が形成された。このとき、その層の空孔率は17%であり、極板の厚みは0.12mmであった。それから、その極板に165℃に熱した熱ロール(トクデン株式会社製)を5秒間接触させた。そして、所定の寸法に裁断して正極を得た。
 (負極の作製方法)
 まず、平均粒子径が約20μmになるように、鱗片状人造黒鉛を粉砕および分級した。
 次に、100重量部の鱗片状人造黒鉛に、スチレン/ブタジエンゴム(結着剤)を1重量部と、カルボキシメチルセルロースを1重量%含む水溶液を100重量部とを加えて混合して、負極合剤スラリーを得た。
 その後、この負極合剤スラリーを厚さ8μmの銅箔(負極集電体)の両面に塗布し、乾燥させた。その後、両面上に負極活物質が設けられた負極集電体を圧延してから、190℃で5時間加熱処理した。そして、厚み0.210mm、幅58.5mm、長さ510mmとなるように裁断して、負極を得た。
 (非水電解液の調製方法)
 エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジメチルカーボネートとの体積比が1:1:8である混合溶媒に3wt%のビニレンカーボネートを添加した。この溶液に1.4mol/m3の濃度でLiPF6を溶解し、非水電解液を得た。
 (円筒型電池の作製方法)
 まず、正極集電体のうち正極合剤層が形成されていない部分にアルミニウム製の正極リードを取り付け、負極集電体のうち負極合剤層が形成されていない部分にニッケル製の負極リードを取り付けた。その後、正極リードと負極リードとが互いに逆方向に延びるように正極と負極とを互いに対向させ、その正極と負極との間にポリエチレン製のセパレータ(多孔質絶縁層)を配置した。そして、1.2kgの荷重をかけながら、径が3.5mmの巻芯にセパレータを介して配置された正極と負極とを巻き付けた。これにより、捲回型の電極群が作製された。
 次に、電極群の上面よりも上に上部絶縁板を配置し、電極群の下面よりも下に下部絶縁板を配置した。その後、負極リードを電池ケースに溶接するとともに正極リードを封口板に溶接して、電極群を電池ケース内に収納した。その後、減圧方式により電池ケース内に非水電解液を注入して、ガスケットを介して封口板を電池ケースの開口部にかしめた。これにより、電池9を作製した。
 -電池9以外の電池(電池6~8及び10~23)の作製方法-
 正極の作製方法以外は電池9の作製方法に従って、電池6~8及び10~23を作製した。
 圧延後の熱処理に関しては、電池6~8の正極には圧延後の熱処理が行われず、電池10~23の正極には図14~16に示す温度及び時間の熱処理が圧延後に行われた。
 圧延時の圧力に関しては、図17に示す通りであった。
 結果を図14~図16に示す。なお、図14~図16の「正極集電体の切れ」に記載の分数の分母は電極群の総数であり、その分子は正極集電体が切れた電極群の個数である。
 電池6、7、9及び10の結果から、正極合剤層の空孔率が20%以下である場合には、捲回方向における正極の引っ張り伸び率εが上記(式7)を満たしていなければ捲回時に正極集電体が切れることが分かる。
 電池12、13、15及び16の結果から、また、電池18、19、21及び22の結果から、正極合剤層の空孔率が20%以下である場合には、捲回方向における正極の引っ張り伸び率εが上記(式7)を満たしていなければ捲回時に正極集電体が切れることが分かる。また、捲回方向における正極の引っ張り伸び率εが従来より大きくても(ε>1.5%)上記(式7)を満たしていなければ、捲回時に正極集電体が切れることが分かる。
 電池8、11、14、17、20及び23の結果から、正極合剤層の空孔率が20%を超えている場合には、上記(式7)を満たしていなくても(つまり、ε<η/ρであっても)正極集電体の切れを伴うことなく捲回型の電極群を作製できることが分かる。
 このように、捲回方向における正極の引っ張り伸び率εが上記(式7)を満たしていれば、別の言い方をすると、捲回方向における正極の引っ張り伸び率εが上記(式7)を満たすように圧延後の熱処理の条件(温度及び時間)を設定すれば、正極合剤層の空孔率が20%以下であっても正極集電体の切れを伴うことなく電極群を作製することができる,ということが確認された。
 次に、粒径の度数分布曲線に2つ以上のピークを有する正極活物質を用いて正極を作製すれば高温下での保存時におけるガスの発生を抑制できることを確認した実験の内容及びその結果を示す。図18は、正極活物質の粒度分布を変えたときに電池の膨張の有無を調べた結果を示す表である。
 まず、図18に示す粒径分布を有する正極活物質を用いたことを除いては図15に示す電池16の製造方法に従って、図18に示す電池24~26を作製した。
 ここで、電池24及び25の正極合剤層を作製する際には、正極活物質として相対的に大径な正極活物質と相対的に小径な正極活物質とを用いた。その粒度分布を測定すると、電池24の正極活物質の粒径の度数分布曲線には2つのピークが存在しており、そのピークにおける粒径のうち最大の粒径(ピーク1のD50)は25μmであり、最小の粒径(ピーク2のD50)は2μmであった。また、電池25の正極活物質の粒径の度数分布曲線にも2つのピークが存在しており、そのピークにおける粒径のうち最大の粒径(ピーク1のD50)は20μmであり、最小の粒径(ピーク2のD50)は2μmであった。
 一方、電池26の正極合剤層を作製する際には、正極活物質として略同一の粒径を有する正極活物質を用いた。その粒度分布を測定すると、電池26の正極活物質の粒径の度数分布曲線にはピークが1つしか存在しておらず、そのピークにおける粒径(ピークのD50)は15μmであった。
 なお、正極活物質の粒度分布は、粒度分布測定装置(マイクロトラック社製、品番がMT3000IIであり、測定原理がレーザ回折散乱法である)を用いて、LiNi0.82Co0.15Al0.032 を水に分散させて測定された。
 電池24~26を作製した後、電池の膨張率を測定した。ここで、電池の膨張率は、円筒電池を85℃で3日間保存し、保存前と保存後とにおける電池の中央部の外径の変化率を算出した。電池の中央部の外径は、レーザー変位計LS-7000(キーエンス製)を用いて測定された。結果を図18に示す。
 電池25及び26の結果から、正極活物質の粒径の度数分布曲線に2つのピークが存在しており、且つ、ピークにおける粒径のうち最小の粒径と最大の粒径との差が十分に大きければ、高温下での保存時における電池の膨張を抑制出来ることが分かる。
 また、本願発明者らは、電池24及び25の電池容量を測定し、正極合剤層の空孔率が低い方が電池容量が高いことを確認している。
 このように、正極活物質の粒径の度数分布曲線が2つのピークを有しており、且つ、ピークにおける粒径のうち最小の粒径が最大の粒径の2/3倍以下であれば、圧延時に正極活物質に新生表面が形成されることを防止できるので、高温下での保存時における電池の膨張を抑制出来る,ということが確認された。
 詳細を省くが、本願発明者らは、電池24~26を高温下で充放電させたときに、電池26に比べて電池24及び25の膨張を抑制できることを確認している。
 さらに、本願発明者らは、正極活物質の粒径の度数分布曲線に3つ以上のピークが存在しており、且つ、ピークにおける粒径のうち最小の粒径と最大の粒径との差が十分に大きければ、高温下での充電時及び高温下での保存時に電池の膨張を抑制できることを確認している。
 なお、本実施形態における正極4、負極5、多孔質絶縁層6及び非水電解質の材料は、上記の材料に限定されず、非水電解質二次電池の正極、負極、多孔質絶縁層及び非水電解質の材料としてそれぞれ公知な材料を使用することができる。以下には、これらの材料の代表例を示す。
 正極集電体4Aは、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼若しくはチタン等からなる基板を用いることができ、その基板には複数の孔が形成されていても良い。正極集電体4Aがアルミニウムを主原料とする場合には、その正極集電体4Aはアルミニウムに対して1.2重量%以上1.7重量%以下の鉄を含有していることが好ましい。これにより、1085アルミニウム箔、IN30アルミニウム箔及び3003系アルミニウム箔を正極集電体として用いた場合に比べて圧延後の熱処理を低温且つ短時間で行っても、捲回方向における正極4の引っ張り伸び率εを大きくすることができる。従って、圧延後の熱処理において正極合剤層4Bに含まれる結着剤が溶融して正極活物質を被覆することを抑制できるので、正極集電体4Aの切れを伴うことなく捲回型の電極群8を作製できるだけでなく電池容量の低下を防止することができる。
 正極合剤層4Bは、正極活物質の他に、結着剤及び導電剤などを含むことができる。正極活物質としては、例えば、リチウム複合金属酸化物を用いることができる。代表的な材料としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2又はLiCoNiO2等が挙げられる。結着剤としては、例えば、PVDF、PVDFの誘導体又はゴム系結着剤(例えばフッ素ゴム及びアクリルゴム等)が好適に用いられる。導電剤としては、例えば、黒鉛等のグラファイト類又はアセチレンブラック等のカーボンブラック類等の材料を用いることができる。
 正極合剤層4Bにおいて結着剤が占める体積は、正極合剤層4Bにおいて正極活物質が占める体積に対して1%以上6%以下であることが好ましい。これにより、圧延後の熱処理時に溶融された結着剤が正極活物質を被覆する面積を最小限に抑えることができるので、圧延後の熱処理に伴う電池容量の低下を防止することができる。それだけでなく、正極合剤層4Bにおいて結着剤が占める体積が正極合剤層4Bにおいて正極活物質が占める体積に対して1%以上であるので、正極活物質を正極集電体に結着させることができる。
 正極合剤層4Bにおいて導電剤が占める体積は上述の通りであり、また、正極4の作製方法は上述の通りである。
 負極集電体5Aは、例えば、銅、ステンレス鋼又はニッケル等からなる基板を用いることができ、その基板には複数の孔が形成されていても良い。
 負極合剤層5Bは、負極活物質の他に、結着剤などを含むことができる。負極活物質としては、例えば、黒鉛、炭素繊維等の炭素材料又はSiOx等の珪素化合物等を用いることができる。
 このような負極5は、例えば、次のようにして作成される。まず、負極活物質及び結着剤などを含む負極合剤スラリーを調製した後、その負極合剤スラリーを負極集電体5Aの両表面上に塗布して乾燥させる。次に、両表面上に負極活物質が設けられた負極集電体を圧延する。なお、圧延の後、所定温度かつ所定時間で熱処理を施しても良い。
 多孔質絶縁層6としては、大きなイオン透過度を持ち、且つ、所定の機械的強度と絶縁性とを兼ね備えた微多孔薄膜、織布、又は不織布等が挙げられる。特に、多孔質絶縁層6としては、例えばポリプロピレン又はポリエチレン等のポリオレフィンを用いることが好ましい。ポリオレフィンは耐久性に優れ且つシャットダウン機能を有するため、非水電解質二次電池の安全性を向上させることができる。多孔質絶縁層6として微多孔薄膜を用いる場合には、微多孔薄膜は、1種の材料からなる単層膜であってもよく、2種以上の材料からなる複合膜又は多層膜であってもよい。
 非水電解液は、電解質と、電解質を溶解させる非水溶媒とを含む。
 非水溶媒としては、公知の非水溶媒を使用できる。この非水溶媒の種類は特に限定されないが、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル又は環状カルボン酸エステル等の1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
 電解質としては、例えばLiClO、LiBF、LiPF、LiAlCl、LiSbF、LiSCN、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、ホウ酸塩類又はイミド塩類等の1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。非水溶媒に対する電解質の溶解量は、0.5mol/m以上2mol/m以下であることが好ましい。
 また、非水電解質は、電解質及び非水溶媒以外に、負極上で分解してリチウムイオン伝導性の高い被膜を負極上に形成することにより電池の充放電効率を高める機能を有する添加剤を含んでいてもよい。このような機能を持つ添加剤としては、例えばビニレンカーボネート(VC;vinylene carbonate)、ビニルエチレンカーボネート(VEC;vinyl ethylene carbonate)又はジビニルエチレンカーボネート等の1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
 さらに、非水電解質は、電解質及び非水溶媒以外に、過充電時に分解して電極上に被膜を形成することにより電池を不活性化させる公知のベンゼン誘導体を含んでいてもよい。このような機能を持つベンゼン誘導体としては、フェニル基及び該フェニル基に隣接する環状化合物基を有するものが好ましい。非水溶媒に対するベンゼン誘導体の含有量は、非水溶媒全体の10vol%以下であることが好ましい。
 非水電解質二次電池の作製方法の一例としては、上記「-電池9の作製方法-」に記載の方法を挙げることができる。
 以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。例えば、上記実施形態においては、非水電解質二次電池として円筒型のリチウムイオン二次電池を例に説明したが、本発明の効果を奏する範囲において、捲回型の電極群を備えた角型のリチウムイオン二次電池又はニッケル水素蓄電池等の他の非水電解質二次電池にも適用することができる。また、本発明は、正極合剤層の空孔率の低下に伴う捲回時の正極集電体の切れを防止することができ、且つ、高温下での充放電時又は高温下での保存時に電池の膨張を抑制することができるという効果を奏するが、捲回方向における正極の引っ張り伸び率が3%以上である場合には、電池の充放電に伴う負極活物質の膨張及び収縮に起因する電極群の座屈または極板の破断の防止にも適用することができ、さらには、圧壊による電池内での内部短絡の発生の防止にも適用することができる。
 以上説明したように、本発明は、大電流放電に適した電極群を備えた非水電解質二次電池に有用であり、例えば、高出力を必要とする電動工具もしくは電気自動車などの駆動用電池、大容量のバックアップ用電源または蓄電用電源用電池等に適用できる。
 1     電池ケース 
 2     封口板 
 3     ガスケット 
 4     正極 
 4A     正極集電体 
 4B     正極合剤層 
 4a    正極リード 
 5     負極 
 5A    負極集電体 
 5B    負極合剤層 
 5a    負極リード 
 6     多孔質絶縁層 
 8     電極群 
 9     クラック 
 44    正極 
 44A    正極集電体 
 44B    正極合剤層 
 45    内周面 
 46    内周面 
 49    クラック 
 144    正極 
 144A   正極集電体 
 144B   正極合剤層 
 145    内周面 
 146    内周面 

Claims (10)

  1.  正極活物質を含む正極合剤層が正極集電体上に設けられた正極と負極活物質を含む負極合剤層が負極集電体上に設けられた負極とが多孔質絶縁層を介して捲回された電極群を備えた非水電解質二次電池であって、
     前記正極活物質の粒径の度数分布曲線が2つ以上のピークを有しており、
     前記正極合剤層は、前記正極集電体の両表面のうち前記電極群の径方向における内側に位置する表面上に少なくとも設けられており、
     前記正極合剤層の空孔率が20%以下であり、
     前記正極集電体の前記両表面のうち前記電極群の径方向における内側に位置する前記表面上に設けられた前記正極合剤層の厚みをηとし、前記正極の最小曲率半径をρとし、捲回方向における前記正極の引っ張り伸び率をεとしたときに、ε≧η/ρを満たすことを特徴とする非水電解質二次電池。
  2.  請求項1に記載の非水電解質二次電池において、
     前記正極活物質の粒径の度数分布曲線において、前記ピークにおける粒径のうち最小の粒径は最大の粒径に対して2/3倍以下であることを特徴とする非水電解質二次電池。
  3.  請求項2に記載の非水電解質二次電池において、
     前記最小の粒径は0.1μ以上5μm以下であり、前記最大の粒径は10μm以上40μm以下であることを特徴とする非水電解質二次電池。
  4.  請求項1に記載の非水電解質二次電池において、
     前記正極合剤層の空孔率は、15%以下であることを特徴とする非水電解質二次電池。
  5.  請求項4に記載の非水電解質二次電池において、
     前記正極合剤層の空孔率は、10%以下であることを特徴とする非水電解質二次電池。
  6.  請求項1に記載の非水電解質二次電池において、
     前記正極の前記最小曲率半径ρは、前記正極合剤層のうち前記電極群の最内周を構成する部分の曲率半径であることを特徴とする非水電解質二次電池。
  7.  請求項1に記載の非水電解質二次電池において、
     捲回方向における前記正極の引っ張り伸び率εは2%以上であることを特徴とする非水電解質二次電池。
  8.  請求項1に記載の非水電解質二次電池において、
     前記正極は、前記正極活物質を含む正極合剤スラリーを前記正極集電体の表面上に塗布した後に乾燥させ、その後、前記表面上に前記正極活物質が設けられた正極集電体を圧延した後に熱処理したものであることを特徴とする非水電解質二次電池。
  9.  請求項8に記載の非水電解質二次電池において、
     前記正極集電体は、鉄を含有するアルミニウムからなることを特徴とする非水電解質二次電池。
  10.  請求項1に記載の非水電解質二次電池の製造方法であって、
     前記正極を作製する工程は、
     前記正極活物質を含む正極合剤スラリーを前記正極集電体の表面上に塗布した後に乾燥させる工程(a)と、
     前記表面上に前記正極活物質が設けられた正極集電体を圧延する工程(b)と、
     前記工程(b)の後、圧延された正極集電体を前記正極集電体の軟化温度以上の温度で熱処理する工程(c)とを有していることを特徴とする非水電解質二次電池の製造方法。
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