WO2010001913A1 - アクリル酸エステル誘導体、ハロエステル誘導体、高分子化合物およびフォトレジスト組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長のF2エキシマレーザー、電子線、EUV(極紫外線)やX線などを用いた半導体素子の製造についても検討が行われている。
この酸解離性官能基を有する高分子化合物は、アルカリ可溶性高分子化合物のアルカリ易溶性部位の一部を適当な酸解離性官能基で保護した構造が基本となっており、かかる酸解離性官能基の選択は、フォトレジスト組成物としての機能を調整する上で非常に重要である。
たとえば酸解離性官能基を有する高分子化合物として、アダマンチル基を有するアクリル酸エステルを含有する原料を重合してなる高分子化合物を成分としたフォトレジスト組成物(非特許文献1、特許文献1参照)や、ラクトン環などを有するアクリル酸エステルを構成単位として含有する高分子化合物を成分とするフォトレジスト組成物(特許文献2参照)が知られている。
さらに、エッチング耐性が高く、かつ基板密着性の向上した、ノルボルナンラクトンを有する構成単位を含む高分子化合物を成分とするフォトレジスト組成物が提案されている(特許文献3参照)。また、連結基を導入し、主鎖から離れたところにノルボルナンラクトンが存在する構成単位を含む高分子化合物を成分とするフォトレジスト組成物(特許文献4および5参照)も提案されている。
[1]塩基性物質の存在下、下記一般式(2)
で示されるアルコール[以下、アルコール(2)と称する。]と下記一般式(3)
で示されるハロカルボン酸ハライド[以下、ハロカルボン酸ハライド(3)と称する。]を反応させることにより、下記一般式(4)
で示されるハロエステル誘導体[以下、ハロエステル誘導体(4)と称する。]を得、得られた該ハロエステル誘導体(4)を、塩基性物質の存在下に下記一般式(5)
で示されるアクリル酸系化合物[以下、アクリル酸系化合物(5)と称する。]と反応させる工程を有する、下記一般式(1)
で示されるアクリル酸エステル誘導体[以下、アクリル酸エステル誘導体(1)と称する。]の製造方法。
[2]ハロエステル誘導体(4)を、塩基性物質の存在下にアクリル酸系化合物(5)と反応させる工程を有する、アクリル酸エステル誘導体(1)の製造方法。
[3]塩基性物質の存在下、アルコール(2)とハロカルボン酸ハライド(3)を反応させる工程を有する、ハロエステル誘導体(4)の製造方法。
[4]アクリル酸エステル誘導体(1)。
[5]ハロエステル誘導体(4)。
[6]上記[4]に記載のアクリル酸エステル誘導体(1)を含有する原料を重合して得られる高分子化合物[以下、高分子化合物(A)と称する。]。
[7]上記[6]に記載の高分子化合物(A)、有機溶媒および光酸発生剤を含有するフォトレジスト組成物。
本発明のアクリル酸エステル誘導体(1)中のR1は、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を表す。R1としては、水素原子またはメチル基が好ましい。
本発明のアクリル酸エステル誘導体(1)中のR2、R3、R5、R7、R8、R9、R10は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数3~6のシクロアルキル基または炭素数1~6のアルコキシ基を表す。
また、本発明のアクリル酸エステル誘導体(1)中のR4およびR6は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数3~6のシクロアルキル基若しくは炭素数1~6のアルコキシ基を表すか、またはR4およびR6は、両者が結合して炭素数1~3のアルキレン基、-O-、若しくは-S-を表す。
R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10がそれぞれ独立して表す炭素数3~6のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10がそれぞれ独立して表す炭素数1~6のアルコキシ基としては、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1~3のアルコキシ基が好ましい。
アクリル酸エステル誘導体(1)中のWは、炭素数1~10のアルキレン基または炭素数5~10のシクロアルキレン基を表す。
Wが表す炭素数1~10のアルキレン基としては、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えばメチレン基、エタン-1,1-ジイル基、エタン-1,2-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基などが挙げられる。これらの中でも、メチレン基またはエタン-1,1-ジイル基、エタン-1,2-ジイル基が好ましい。
また、Wが表す炭素数1~10のシクロアルキレン基としては、シクロヘキサン-1,4-ジイル基などが挙げられる。
なお、後述するアルコール(2)、ハロカルボン酸ハライド(3)、ハロエステル誘導体(4)およびアクリル酸系化合物(5)中に示されるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、nおよびWは、アクリル酸エステル誘導体(1)中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、nおよびWと同様である。
アクリル酸エステル誘導体(1)の具体例を以下に示すが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明のアクリル酸エステル誘導体(1)の製造方法に特に制限はないが、例えば塩基性物質の存在下、アルコール(2)と、ハロカルボン酸ハライド(3)に代表される連結基導入剤を反応させることによりハロエステル誘導体(4)を得[以下、第1工程と称する。]、次いで塩基性物質の存在下、アクリル酸系化合物(5)と反応させること[以下、第2工程と称する。]により製造することができる。
第1工程で使用される前記連結基導入剤としては、ハロカルボン酸ハライド(3)以外に、式(X1-W-CO)2O、式X1-W-COOC(=O)R11または式X1-W-COOSO2R12で示される化合物も挙げられる。
上記式中、X1は塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、塩素原子または臭素原子が好ましい。Wは前記定義の通りである。R11は、t-ブチル基または2,4,6-トリクロロフェニル基を表し、R12は、メチル基またはp-トリル基を表す。また、ハロカルボン酸ハライド(3)を表す前記一般式(3)中に示されるX2は、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、塩素原子または臭素原子が好ましい。
式(X1-W-CO)2Oで示される化合物としては、無水クロロ酢酸、無水2-クロロプロピオン酸などが挙げられる。
式X1-W-COOC(=O)R11で示される化合物としては、クロロ酢酸ピバリン酸無水物、クロロ酢酸2,4,6-トリクロロ安息香酸無水物、2-クロロプロピオン酸ピバリン酸無水物、2-クロロプロピオン酸2,4,6-トリクロロ安息香酸無水物などが挙げられる。
式X1-W-COOSO2R12で示される化合物としては、クロロ酢酸メタンスルホン酸無水物、クロロ酢酸p-トルエンスルホン酸無水物、2-クロロプロピオン酸メタンスルホン酸無水物、2-クロロプロピオン酸p-トルエンスルホン酸無水物などが挙げられる。
連結基導入剤としては、上記の中でも、ハロカルボン酸ハライド(3)が好ましい。
塩基性物質の使用量は、アルコール(2)1モルに対して、0.5~5モルの範囲であることが好ましく、経済性および後処理の容易さの観点から、0.8~3モルの範囲であることがより好ましい。
溶媒の存在下に実施する場合、溶媒の使用量は、反応速度を一定以上に維持しながら廃溶媒量を低減する観点から、アルコール(2)1質量部に対して100質量部以下であるのが好ましく、50質量部以下であるのがより好ましく、10質量部以下であるのがさらに好ましい。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、n-プロパノールおよびイソプロパノールなどが挙げられる。水またはアルコールの混合物を使用することも可能である。
水またはアルコールの使用量は、アルコール(2)に対して過剰の連結基導入剤に対して1.0倍モル以上の量を用いることが好ましい。この使用量であれば、アルコール(2)に対して過剰の連結基導入剤を完全に分解でき、副生物の生成を抑制できる。
第1工程の反応時間は、使用するアルコール(2)、連結基導入剤、塩基性物質の種類、反応温度によって異なるが、通常は0.5時間~48時間の範囲が好ましく、1時間~24時間の範囲がより好ましい。
具体的な反応操作方法としては、例えば、回分式反応器にアルコール(2)、塩基性物質および所望により溶媒を仕込み、この混合液に、所望の反応温度および所望の反応圧力下で連結基導入剤を添加する方法が好ましい。
例えば、反応終了後、反応混合物に水を添加した後、有機溶媒で抽出し、得られた有機相を濃縮することによりハロエステル誘導体(4)を分離できる。そして、必要に応じ、再結晶、蒸留、シリカゲルクロマトグラフィーなどで精製することにより、純度の高いハロエステル誘導体(4)を得ることができる。なお、第1工程で得られたハロエステル誘導体(4)は、反応混合液から分離または精製せずに、そのまま次の工程(後述する第2工程)に使用することもできる。
以下に第1工程で得られるハロエステル誘導体(4)の具体例を示すが、特にこれらに限定されるものではない。
第2工程で使用するアクリル酸系化合物(5)としては、アクリル酸、メタクリル酸、2-(トリフルオロメチル)アクリル酸が挙げられる。
アクリル酸系化合物(5)の使用量は、ハロエステル誘導体(4)1モルに対して、0.8~10モルの範囲であることが好ましく、1~5モルの範囲であることがより好ましい。
塩基性物質の使用量は、ハロエステル誘導体(4)1モルに対して、0.5~10モルの範囲であることが好ましく、0.7~3モルの範囲であることがより好ましい。
活性化剤の使用量は、ハロエステル誘導体(4)1モルに対して、0.001~1モルの範囲であることが好ましく、後処理の容易さおよび経済性の観点から、0.005~0.5モルの範囲であることがより好ましい。
重合禁止剤を使用する場合、その使用量は、反応混合物全体の質量に対して5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。
溶媒の存在下で実施する場合、溶媒の使用量は、反応速度を一定以上に維持しながら廃溶媒量を低減する観点から、ハロエステル誘導体(4)1質量部に対して100質量部以下であるのが好ましく、50質量部以下であるのがより好ましく、10質量部以下であるのがさらに好ましい。
第2工程の反応時間は、使用するハロエステル誘導体(4)、アクリル酸系化合物(5)、塩基性物質、活性化剤の種類、反応温度などによって異なるが、通常は0.5時間~48時間の範囲が好ましく、1時間~24時間の範囲がより好ましい。
具体的な反応操作方法としては、例えば、回分式反応器に塩基性物質、ハロエステル誘導体(4)、活性化剤、重合禁止剤および所望により溶媒を仕込み、この混合液に所望の反応温度および所望の反応圧力下でアクリル酸系化合物(5)を添加する方法が好ましい。
例えば、反応終了後、反応混合物に水を添加した後、有機溶媒で抽出し、得られた有機相を濃縮することによりアクリル酸エステル誘導体(1)を分離することができる。さらに必要に応じて、再結晶、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどで精製することにより、高純度のアクリル酸エステル誘導体(1)を得ることができる。
また、必要に応じて、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤の添加後にろ過または「ゼータプラス(登録商標)」(商品名、住友スリーエム株式会社製)やプロテゴ(商品名、日本インテグリス株式会社製)やイオンクリーン(商品名、日本ポール株式会社製)などの金属除去フィルター処理することにより、得られたアクリル酸エステル誘導体(1)中の金属含量を低減することも可能である。
本発明のアクリル酸エステル誘導体(1)を含有する原料を重合して高分子化合物(A)とすることにより、フォトレジスト組成物の成分として使用することができる。
本発明の高分子化合物(A)は、原料としてアクリル酸エステル誘導体(1)を単独で重合してなる重合体、または原料としてアクリル酸エステル誘導体(1)と他の重合性化合物とを共重合してなる共重合体であり、アクリル酸エステル誘導体(1)に基づく構成単位[以下、構成単位(a0)と称する。]を有していればよい。通常、該高分子化合物中における構成単位(a0)の含有割合としては、10~80モル%の範囲であるのが好ましく、20~70モル%の範囲であるのがより好ましい。
構成単位(a0)の具体例としては、下記構成単位(a0-1)~(a0-20)で示されるものが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
これらの各構成単位のうち、該共重合体において構成単位(a0)と組み合わせる構成単位は、当該レジスト組成物の用途、所望の特性などに応じて、構成単位(a1)~(a5)の中から適宜選択すればよい。
構成単位(a1)は、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)である。
構成単位(a1)における酸解離性溶解抑制基は、レジスト組成物としてレジストパターンを形成する際に、解離前は高分子化合物(A)全体をアルカリ現像液に対して難溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、露光により酸発生剤成分から発生する酸により解離してこの高分子化合物(A)全体のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させるものであり、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものを使用することができる。一般的には、(メタ)アクリル酸などにおけるカルボキシ基と環状または鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基;アルコキシアルキル基などのアセタール型酸解離性溶解抑制基などが広く知られている。
ここで、「第3級アルキルエステル」とは、カルボキシ基の水素原子が、鎖状または環状のアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(-C(O)-O-)の末端の酸素原子に、前記鎖状または環状のアルキル基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。この第3級アルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断される。
なお、前記鎖状または環状のアルキル基は置換基を有していてもよい。
第3級アルキルエステル中の第3級アルキル基としては、tert-ブチル基、tert-ペンチル基、tert-ヘプチル基などの炭素数4~8の脂肪族分岐鎖状第3級アルキル基;2-メチル-2-アダマンチル基、2-エチル-2-アダマンチル基などの脂環式炭化水素基などが挙げられる。
アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、下記一般式(p1)で表される基が挙げられる。
mは、0~2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、0がさらに好ましい。
R13、R14およびYがそれぞれ独立して表す炭素数1~5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、各種プロピル基(「各種」は、直鎖およびあらゆる分岐鎖を含むことを示し、以下同様である。)、各種ブチル基などが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。Yが表す炭素数3~15の脂環式炭化水素基としては、従来ArFレジストなどにおいて多数提案されている単環または多環式の脂環式炭化水素基の中から適宜選択して用いることができ、例えばシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、ボルナン、イソボルナン、ノルボルナン、1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アダマンタンまたはテトラシクロ[3.2.0.02,7.04,6]ヘプタンから1個の水素原子を除いた基が挙げられる。
酸解離性溶解抑制基(p1)としては、R13、R14のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。すなわち、酸解離性溶解抑制基(p1)が、下記一般式(p1-1)で表される基であることが好ましい。
また、アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、下記一般式(p2)で示される基も挙げられる。
なお、R15およびR16としては、R15およびR16の両方が水素原子であるか、または、R15、R16の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましく、R15およびR16の両方が水素原子であることがより好ましい。
R17が表す炭素数1~15のアルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、R15やR16が表す炭素数1~15のアルキル基と同様のものが挙げられる。それらの中でも、メチル基、エチル基が好ましく、エチル基がより好ましい。
R17が表す炭素数4~15(好ましくは炭素数4~12、より好ましくは炭素数5~10)のシクロアルキル基としては、フッ素原子若しくはフッ素化アルキル基で置換されている、または置換されていない、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、フッ素原子若しくはフッ素化アルキル基で置換されている、または置換されていない、シクロペンタン、シクロヘキサンなどのモノシクロアルカンや、フッ素原子若しくはフッ素化アルキル基で置換されている、または置換されていない、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの中でも、アダマンタンから1個の水素原子を除いた基が好ましい。
また、R15およびR17は、結合して環を形成していてもよく、この場合、R15とR17と、R17が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR15が結合した炭素原子とにより環が形成されている。該環としては、4~7員環が好ましく、4~6員環がより好ましい。該環としては、例えばテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基などが挙げられる。
構成単位(a1-0-1)において、Rが表すハロゲン化されていない炭素数1~5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基などが挙げられる。
また、Rが表すハロゲン化された炭素数1~5のアルキル基は、上記炭素数1~5のアルキル基(好ましくはエチル基、メチル基)において、その水素原子の一部または全部がハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)で置換された基である。
Q1は、酸解離性溶解抑制基であれば特に限定されることはなく、上述した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基、アセタール型酸解離性溶解抑制基などを挙げることができる。
Q2は、構成単位(a1-0-1)中のQ1の定義と同様である。
Y2が表す炭素数1~4のアルキレン基としては、例えばメチレン基、エタン-1,1-ジイル基、エタン-1,2-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基などが挙げられる。Y2が表す炭素数3~15の2価の脂環式炭化水素基としては、シクロペンタン、シクロヘキサンなどのモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
R13およびR14は、好ましくは少なくとも1つが水素原子であり、より好ましくはいすれも水素原子である。mは、好ましくは0または1である。
なお、Q'が表す第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基としては、前記構成単位(a1)の説明で示した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基と同様のものが挙げられる。
さらに、構成単位(a1)としては、特に構成単位(a1-1-1)~(a1-1-4)を包括する下記構成単位(a1-1-01)や、構成単位(a1-1-35)~(a1-1-41)を包括する下記構成単位(a1-1-02)も好ましい。
R19としては、メチル基、エチル基が好ましく、エチル基がより好ましい。hは、1または2が好ましく、2がより好ましい。
高分子化合物(A)が構成単位(a1)を有する場合、高分子化合物(A)中の構成単位(a1)の割合は、高分子化合物(A)を構成する全構成単位に対し、5~70モル%が好ましく、20~70モル%がより好ましく、25~55モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより、基板密着性に優れ、パターン倒れの少ないフォトレジスト組成物を得るという本発明の効果が損なわれない。
構成単位(a2)は、ラクトン含有基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。ここで、ラクトン含有基とは、-O-C(O)-構造を含む1つのラクトン環を含有する基を示す。構成単位(a2)においては、前記アクリル酸エステルのエステル基が、環式構造として該ラクトン環のみを有する場合は「単環式基」と称し、さらに他の環式構造を有する場合は、その構造に関わらず「多環式基」と称する。
構成単位(a2)のラクトン含有基は、高分子化合物(A)をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、水を含有する現像液との親和性を高めたりするうえで有効なものである。
構成単位(a2)としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。
具体的には、ラクトン含有単環式基としては、γ-ブチロラクトンから水素原子を1つ除いた基が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
構成単位(a2)の例として、より具体的には、下記構成単位(a2-1)~(a2-6)が好ましく挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
Rとしては、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
R’がそれぞれ独立して表す炭素数1~5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基が好ましい。
R’がそれぞれ独立して表す-COOR20としては、-COOCH3が好ましい。なお、R’としては、工業上の入手容易性の観点から、いずれも水素原子であることが好ましい。
W2が表す炭素数1~10のアルキレン基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。該アルキレン基としては、例えばメチレン基、エタン-1,1-ジイル基、エタン-1,2-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数1~5のアルキレン基が好ましく、炭素数1~3のアルキレン基がより好ましく、メチレン基がさらに好ましい。
W2が表す炭素数3~10のシクロアルキレン基としては、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基などが挙げられる。
Aが表す炭素数1~5のアルキレン基としては、例えばメチレン基、エタン-1,1-ジイル基、エタン-1,2-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基などが挙げられる。Aとしては、メチレン基または酸素原子が好ましい。
以下に、上記構成単位(a2-1)~(a2-6)の具体例を示すが、特にこれらに限定されるものではない。
高分子化合物(A)が構成単位(a2)を有する場合、高分子化合物(A)中の構成単位(a2)の割合は、高分子化合物(A)を構成する全構成単位の合計に対して、1~60モル%が好ましく、10~55モル%がより好ましく、20~55モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより、基板密着性に優れ、パターン倒れの少ないフォトレジスト組成物を得るという本発明の効果が損なわれない。
構成単位(a3)は、極性基含有脂肪族炭化水素基を有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。構成単位(a3)を有することにより、高分子化合物(A)の親水性が高まり、当該高分子化合物(A)をポジ型レジスト組成物の基材成分に用いてポジ型レジストパターンを形成する際には、現像液(アルカリ水溶液)との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
極性基としては、例えば水酸基、ヒドロキシアルキル基、シアノ基、カルボキシ基、フッ素化ヒドロキシアルキル基(炭素原子に結合した水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基)などが挙げられ、水酸基、ヒドロキシアルキル基が好ましい。
構成単位(a3)としては、以下の構成単位(a3')および(a3")が好ましい。
「水酸基含有脂環式基」は、脂肪族環に水酸基が直接結合していてもよいし、例えばヒドロキシアルキルオキシ基などとして間接的に結合していてもよい。
ヒドロキシアルキルオキシ基におけるアルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。該アルキル基の炭素数は、特に限定されるものではないが、2~5が好ましく、2~4がより好ましく、2または3であることがさらに好ましい。ヒドロキシアルキル基における水酸基数は、特に限定されるものではないが、1~4が好ましく、1~3がより好ましく、1または2がさらに好ましい。当該水酸基は、第一級水酸基または第二級水酸基であることがより好ましく、第一級水酸基であることがさらに好ましい。
ヒドロキシアルキルオキシ基としては、モノヒドロキシアルキルオキシ基、ジヒドロキシアルキルオキシ基が好ましく、モノヒドロキシエチル基、モノヒドロキシプロピル基、ジヒドロキシプロピル基がより好ましい。
脂環式基は、置換基を有していてもよいし、無置換でもよい。該置換基としては、炭素数1~5のアルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1~5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)などが挙げられる。
該脂環式基は、炭素および水素からなる脂環式炭化水素基、および該脂環式炭化水素基の環を構成する炭素原子の一部が、酸素原子、窒素原子、硫黄原子などのヘテロ原子で置換されたヘテロ環式基なども含む。脂環式基としては、脂環式炭化水素基が好ましい。
脂環式基は、飽和または不飽和のいずれでもよいが、ArFエキシマレーザーなどに対する透明性が高く、解像性や焦点深度幅(DOF)などにも優れることから、飽和であることが好ましい。
脂環式基は、単環式基でも多環式基でもよいが、多環式基であることが好ましい。また、脂環式基の炭素数は、5~15であることが好ましい。
すなわち、単環式基としては、シクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。さらに具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサンから2個以上の水素原子を除いた基が挙げられ、シクロヘキサンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。
多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。さらに具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
これらの中でも、工業上の入手容易性の観点から、シクロヘキサン、アダマンタン、ノルボルナン、テトラシクロドデカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、アダマンタンまたはノルボルナンから2個の水素原子を除いた基がより好ましい。
構成単位(a3')において、水酸基含有脂環式基は、アクリル酸エステルのカルボニルオキシ基[-C(O)-O-]の末端の酸素原子に結合していることが好ましい。
構成単位(a3')の好ましい具体例として、下記構成単位(a3'-1)が挙げられる。
R21が表す炭素数1~5のヒドロキシアルキル基におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基などが挙げられる。該アルキル基の炭素数は、1~4が好ましく、2または3であることがより好ましい。
R21のヒドロキシアルキル基における水酸基の数は、特に限定されるものではないが、1~4が好ましく、1~3がより好ましく、1または2がさらに好ましい。当該水酸基は、第一級水酸基または第二級水酸基であることがより好ましく、第一級水酸基であることがさらに好ましい。
本発明においてR21は、モノヒドロキシアルキル基、ジヒドロキシアルキル基または水素原子が好ましく、モノヒドロキシエチル基、モノヒドロキシプロピル基、ジヒドロキシプロピル基または水素原子がより好ましい。
jは、1または2が好ましく、1がより好ましい。jが2の場合、OR21がアダマンチル基の3位と5位に結合しているものが好ましい。jが1の場合、OR21がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましく、構成単位(a3'-1)としては下記構成単位(a3'-11)が好ましい[構成単位(a3'-11)中、RおよびR21は、前記と同様である。]。
側鎖にアルコール性水酸基を有する構成単位としては、例えば、ヒドロキシアルキル基を有する構成単位が挙げられる。
ヒドロキシアルキル基において、アルキル基は、直鎖または分岐鎖状のいずれでもよい。当該アルキル基の炭素数は、特に限定されるものではないが、1~20が好ましく、1~16がより好ましく、1~12がさらに好ましい。水酸基数は、特に限定されるものではないが、1または2が好ましく、1がより好ましい。
ヒドロキシアルキル基は、例えば、主鎖(アクリル酸のエチレン性二重結合が開裂した部分)のα位の炭素原子に直接結合していてもよいし、アクリル酸のカルボキシ基の水素原子と置換してエステルを構成していてもよい。構成単位(a3")においては、これらのうち少なくとも一方あるいは両方に、ヒドロキシアルキル基が存在していることが好ましい。
なお、α位にヒドロキシアルキル基が結合していない場合、α位の炭素原子には、水素原子に代わって、ハロゲン化されたまたはされていないアルキル基が結合していてもよい。ハロゲン化されたまたはされていないアルキル基については、前記構成単位(a1-0-1)中のRについての説明と同様である。
構成単位(a3")としては、下記構成単位(a3"-1)が好ましい。
該ヒドロキシアルキル基中の水酸基数は、特に限定されるものではないが、通常は1である。また、当該水酸基は、第一級または第二級水酸基であることがより好ましく、第一級水酸基であることが特に好ましい。
R22が表すヒドロキシアルキル基としては、最も好ましくはヒドロキシメチル基またはヒドロキシエチル基である。
R22が表すハロゲン化されていないアルキル基は、好ましくは炭素数1~8のアルキル基であり、より好ましくはエチル基またはメチル基である。
R22が表すハロゲン化されたアルキル基は、上記炭素数1~5のアルキル基(好ましくはエチル基、メチル基)において、その水素原子の一部または全部がハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)で置換された基である。
R23が表すヒドロキシアルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、好ましくは炭素数が10以下であり、より好ましくは炭素数2~8であり、さらに好ましくはヒドロキシエチル基である。水酸基数は、特に限定されるものではないが、通常は1である。また、当該水酸基は、第一級または第二級水酸基であることがより好ましく、第一級水酸基であることがさらに好ましい。
kは1であることが好ましい。構成単位(a3-2)中のシアノ基は、ノルボルニル基の5位または6位に結合していることが好ましい。
高分子化合物(A)が構成単位(a3)を有する場合、高分子化合物(A)中の構成単位(a3)の割合は、当該高分子化合物(A)を構成する全構成単位に対し、5~50モル%であることが好ましく、5~40モル%がより好ましく、5~25モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a3)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより、基板密着性に優れ、パターン倒れの少ないフォトレジスト組成物を得るという本発明の効果が損なわれない。
また、当該高分子化合物(A)が構成単位(a3)を有する場合、構成単位(a3)としては、前記構成単位(a3')を有することが好ましく、前記構成単位(a3'-1)におけるR21が水素原子である構成単位を有することがより好ましく、前記構成単位(a3'-11)におけるR21が水素原子である構成単位を有することがさらに好ましい。
構成単位(a4)は(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルから誘導される構成単位である。
(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル中のシクロアルキル基としては、環を形成する炭素数が3~12であることが好ましく、炭素数6~12であることがより好ましく、工業上の入手容易性の観点から、トリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基、イソボルニル基、ノルボルニル基がさらに好ましい。
これらシクロアルキル基は、炭素数1~5の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を置換基として有していてもよい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記構成単位(a4-1)~(a4-24)を例示することができるが、特にこれらに限定されるものではない。
高分子化合物(A)が構成単位(a4)を有する場合、高分子化合物(A)中の構成単位(a4)の割合は、高分子化合物(A)を構成する全構成単位の合計に対して、1~30モル%であることが好ましく、10~20モル%であることがより好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a4)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより、基板密着性に優れ、パターン倒れの少ないフォトレジスト組成物を得るという本発明の効果が損なわれない。
高分子化合物(A)は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記構成単位(a0)~(a4)以外の他の構成単位(a5)を有していてもよい。
構成単位(a5)は、上述の構成単位(a0)~(a4)に分類されない他の構成単位であり、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)などのレジスト用樹脂に用いられる高分子化合物の構成単位として従来から知られている構成単位である。
高分子化合物(A)としては、下記の共重合体(A1)~(A6)などが好ましい。
共重合体(A1):構成単位(a0)および(a1)を有する共重合体。
共重合体(A2):構成単位(a0)および(a2)を有する共重合体。
共重合体(A3):構成単位(a0)および(a3)を有する共重合体。
共重合体(A4):構成単位(a0)および(a4)を有する共重合体。
共重合体(A5):構成単位(a0)、(a1)および(a2)を有する共重合体。
共重合体(A6):構成単位(a0)、(a1)および(a3)を有する共重合体。
これらの中でも、フォトレジスト組成物の調製に用いる有機溶媒に対する溶解性に優れた高分子化合物を得る観点、および基板密着性に優れ、パターン倒れの少ないフォトレジスト組成物を得る観点から、共重合体(A1)、(A5)、(A6)がより好ましい。
本発明の高分子化合物(A)は、常法に従って、ラジカル重合により製造することができる。特に、分子量分布が小さい高分子化合物(A)を合成する方法としては、リビングラジカル重合などを挙げることができる。一般的なラジカル重合方法は、1種以上のアクリル酸エステル誘導体(1)および必要に応じて1種以上の前記構成単位(a1)~(a5)に対応する単量体(以下、共重合単量体と称する。)を、ラジカル重合開始剤および溶媒、並びに必要に応じて連鎖移動剤の存在下に重合させる。以下、かかるラジカル重合方法について説明する。
本発明の高分子化合物(A)の製造に使用するラジカル重合開始剤としては、例えばt-ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド化合物;ジ-t-ブチルペルオキシド、t-ブチル-α-クミルペルオキシド、ジ-α-クミルペルオキシドなどのジアルキルペルオキシド化合物;ベンゾイルペルオキシド、ジイソブチリルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド化合物;2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル2,2'-アゾビスイソブチレートなどのアゾ化合物などが挙げられる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、重合反応に用いるアクリル酸エステル誘導体(1)、共重合単量体、連鎖移動剤、溶媒の種類および使用量;重合温度などの重合条件に応じて適宜選択できるが、全重合性化合物[アクリル酸エステル誘導体(1)と共重合単量体の合計量を指し、以下同様である。]1モルに対して、通常、0.005~0.2モルの範囲であり、0.01~0.15モルの範囲であるのが好ましい。
連鎖移動剤を使用する場合、その使用量は、全重合性化合物1モルに対して、通常、0.005~0.2モルの範囲であり、0.01~0.15モルの範囲であるのが好ましい。
溶媒の使用量は、全重合性化合物1質量部に対して、通常、0.5~20質量部の範囲であり、経済性の観点からは、1~10質量部の範囲であるのが好ましい。
高分子化合物(A)の製造時間は、アクリル酸エステル誘導体(1)、共重合単量体、重合開始剤、溶媒の種類および使用量;重合反応の温度などの重合条件により異なるが、通常、30分~48時間の範囲であり、1時間~24時間の範囲であるのがより好ましい。
上記再沈殿の操作で用いる溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;ニトロメタンなどのニトロ化炭化水素;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンなどのエーテル;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン;酢酸などのカルボン酸;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネートなどのカーボネート;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール;水が挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
再沈殿の操作における溶媒の使用量は、高分子化合物(A)の種類、溶媒の種類により異なるが、通常、高分子化合物(A)1質量部に対して0.5~100質量部の範囲であるのが好ましく、経済性の観点からは、1~50質量部の範囲であるのがより好ましい。
上記高分子化合物(A)と、後述の有機溶媒および光酸発生剤、並びに必要に応じて塩基性化合物および添加物を配合することにより、フォトレジスト組成物を調製する。
有機溶媒としては、グリコールエーテル、ケトン、エステルが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、乳酸エチルがより好ましく、グリコールエーテルおよびケトンを併用することがさらに好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよびシクロヘキサノンを併用することが特に好ましい。
有機溶媒の配合量は、高分子化合物(A)1質量部に対して、通常、1~50質量部の範囲であり、2~25質量部の範囲であるのが好ましい。
光酸発生剤の配合量は、フォトレジスト組成物の感度および現像性を確保する観点から、前記高分子化合物(A)100質量部に対して、通常、0.1~30質量部の範囲であるのが好ましく、0.5~10質量部の範囲であるのがより好ましい。
かかる塩基性化合物としては、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-(1-アダマンチル)アセトアミド、ベンズアミド、N-アセチルエタノールアミン、1-アセチル-3-メチルピペリジン、ピロリドン、N-メチルピロリドン、ε-カプロラクタム、δ-バレロラクタム、2-ピロリジノン、アクリルアミド、メタクリルアミド、t-ブチルアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-メトキシアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどのアミド;ピリジン、2-メチルピリジン、4-メチルピリジン、ニコチン、キノリン、アクリジン、イミダゾール、4-メチルイミダゾール、ベンズイミダゾール、ピラジン、ピラゾール、ピロリジン、ピペリジン、テトラゾール、モルホリン、4-メチルモルホリン、ピペラジン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリエタノールアミンなどのアミンを挙げることができる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
塩基性化合物を配合する場合、その配合量は使用する塩基性化合物の種類により異なるが、光酸発生剤1モルに対して、通常、0.01~10モルの範囲、好ましくは0.05~1モルの範囲である。
かかる界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn-オクチルフェニルエーテルなどが挙げられる。
界面活性剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤を使用する場合、その使用量は、高分子化合物(A)100質量部に対して、通常、2質量部以下である。
フォトレジストパターンの形成方法は、前記のフォトレジスト組成物を用いて支持体上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を露光する工程と、前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程とを含む。
なお、基板とフォトレジスト組成物の塗布層との間には、有機系または無機系の反射防止膜を設けることもできる。
また、露光に用いる放射線の波長は特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線などの放射線を用いて行うことができる。本発明にかかるフォトレジスト組成物は、特に、ArFエキシマレーザーに対して有効である。露光量は、0.1~1000mJ/cm2の範囲であることが好ましい。
ArF液浸リソグラフィーにおいては、かかる液体として、純水が用いられる。具体的には、プリベーク後のレジスト膜と投影レンズの間に純水を注入して露光することにより、波長193nmのArFエキシマレーザーにより露光した場合、レジスト膜を通過する放射線は波長135nmとなり、短波長化するため、高解像度を得ることが可能となる。
重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、検出器として示差屈折率計を用い、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)を用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定を下記条件にて行ない、標準ポリスチレンで作成した検量線による換算値として求めた。また、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除することにより分散度(Mw/Mn)を求めた。
GPC測定:カラムとして、「TSK-gel supermultipore HZ-M」(商品名:東ソー株式会社製、4.6mm×150mm)を3本つないだものを使用し、カラム温度40℃、示差屈折率計温度40℃、溶離液の流速0.35mL/分の条件で測定した。
滴下ロート、温度計および攪拌機を取り付けた内容積200mlの四つ口フラスコに、5-ヒドロキシ-3-オキサ-2-チアトリシクロ[4.2.1.04.8]ノナン-2,2-ジオン12.0g(63.1mmol)およびテトラヒドロフラン63gを仕込み、続いて、ピリジン7.0g(88.4mmol)を加え、室温で15分攪拌した。
次いで、得られた混合液を0~5℃に冷却し、攪拌下、クロロ酢酸クロリド9.38g(97%、80.6mmol)を滴下し、反応混合物を5~10℃で2時間攪拌した。反応混合物に蒸留水38.0gおよび酢酸エチル37.3gを加えて攪拌した後、有機相と水相に分離し、有機相を、8%炭酸水素ナトリウム水溶液37.8g、蒸留水37.3gで順次洗浄してから、減圧下に濃縮した。
得られた残留物を酢酸エチル-トルエンで再結晶し、下記物性を有する2-クロロアセトキシ-4,5-オキサチアトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン-5,5-ジオキシド12.9g(48.4mmol;収率76.7%)を得た。
攪拌機、温度計および還流冷却管を取り付けた内容積200mlの四つ口フラスコに、実施例1で得た2-クロロアセトキシ-4,5-オキサチアトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン-5,5-ジオキシド12.1g(45.3mmol)、フェノチアジン4.5mg、テトラヒドロフラン63.5g、炭酸カリウム5.00g(36.2mmol)およびヨウ化テトラブチルアンモニウム0.163g(0.44mmol)を仕込み、40℃で攪拌した。次いで、40℃での攪拌下、メタクリル酸4.68g(54.4mmol)を加えた後、50℃に昇温した。反応混合物を内温50℃で3時間攪拌した後、室温まで冷却した。
反応混合物に、トルエン64.2gおよび蒸留水38.1gを加えて攪拌した後、有機相と水相に分離し、有機相を蒸留水38.0gで2回洗浄してから濃縮した。
得られた残留物をトルエン-ジイソプロピルエーテルで再結晶し、下記物性を有する2-メタクリロイルオキシアセトキシ-4,5-オキサチアトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン-5,5-ジオキシド12.3g(38.7mmol;収率85.4%)を得た。
滴下ロート、温度計および攪拌機を取り付けた内容積200mlの四つ口フラスコに、5-ヒドロキシ-3,7-ジオキサ-2-チアトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン-2,2-ジオキシド12.1g(63.1mmol)およびテトラヒドロフラン63gを仕込み、続いて、ピリジン7.0g(88.4mmol)を加え、室温で15分攪拌した。
次いで、得られた混合液を0~5℃に冷却し、攪拌下、クロロ酢酸クロリド9.38g(97%、80.6mmol)を滴下し、反応混合物を5~10℃で2時間攪拌した。反応混合物に蒸留水38.0gおよび酢酸エチル37.3gを加えて攪拌した後、有機相と水相に分離し、有機相を、8%炭酸水素ナトリウム水溶液37.8g、蒸留水37.3gで順次洗浄してから、減圧下に濃縮した。
得られた残留物を酢酸エチル-トルエンで再結晶し、下記物性を有する5-クロロアセトキシ-3,7-ジオキサ-2-チアトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン-2,2-ジオキシド13.4g(49.9mmol;収率79.0%)を得た。
攪拌機、温度計および還流冷却管を取り付けた内容積200mlの四つ口フラスコに、実施例3で得た5-クロロアセトキシ-3,7-ジオキサ-2-チアトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン-2,2-ジオキシド12.2g(45.3mmol)、フェノチアジン4.5mg、テトラヒドロフラン63.5g、炭酸カリウム5.00g(36.2mmol)およびヨウ化テトラブチルアンモニウム0.163g(0.44mmol)を仕込み、40℃で攪拌した。次いで、40℃での攪拌下、メタクリル酸4.68g(54.4mmol)を加えた後、50℃に昇温した。反応混合物を内温50℃で3時間攪拌した後、室温まで冷却した。
反応混合物に、酢酸エチル64.2gおよび蒸留水38.1gを加えて攪拌した後、有機相と水相に分離し、有機相を蒸留水38.0gで2回洗浄してから濃縮した。
得られた残留物を酢酸エチル-ジイソプロピルエーテルで再結晶し、下記物性を有する5-メタクリロイルオキシアセトキシ-3,7-ジオキサ-2-チアトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン-2,2-ジオキシド12.8g(40.2mmol;収率88.8%)を得た。
電磁攪拌装置、還流冷却器および温度計を備えた内容積50mlの三口フラスコに、2-メタクリロイルオキシ-2-メチルアダマンタン2.34g(10mmol)、実施例2で得た2-メタクリロイルオキシアセトキシ-4,5-オキサチアトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン-5,5-ジオキシド3.15g(10mmol)およびメチルエチルケトン22.6gを仕込み、窒素バブリングを10分間行なった。さらに、窒素雰囲気下、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル0.23g(1.4mmol)を仕込み、78~80℃にて5時間重合反応を行なった。
得られた反応混合液を、室温下、反応混合液に対して約20倍質量のメタノール中に撹拌しながら滴下し、生成した沈殿物をろ取した。該沈殿物を、減圧(26.7Pa)下、50℃で5時間乾燥して、以下の繰り返し単位からなる高分子化合物(以下、高分子化合物aと称する。)3.48gを得た。得られた高分子化合物aの質量平均分子量(Mw)は6800、分散度は1.67であった。
実施例5において、2-メタクリロイルオキシアセトキシ-4,5-オキサチアトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン-5,5-ジオキシド3.15g(10mmol)の代わりに、実施例4で得た5-メタクリロイルオキシアセトキシ-3,7-ジオキサ-2-チアトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン-2,2-ジオキシド3.18g(10mmol)を用いた以外は実施例5と同様にして実験を行ない、以下の繰り返し単位からなる高分子化合物(以下、高分子化合物a’と称する。)3.55gを得た。得られた高分子化合物a’の質量平均分子量(Mw)は7000、分散度は1.66であった。
電磁攪拌装置、還流冷却器および温度計を備えた内容積50mlの三口フラスコに、2-メタクリロイルオキシ-2-メチルアダマンタン2.40g(10mmol)、2-メタクリロイルオキシアセトキシ-2-オキソ-4-オキサヘキサヒドロ-3,5-メタノ-2H-シクロペンタ[b]フラン-6-イル2.82g(10mmol)およびメチルエチルケトン25.4gを仕込み、窒素バブリングを10分間行なった。さらに、窒素雰囲気下、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.24g(1.4mmol)を仕込み、79~81℃にて5時間重合反応を行なった。
得られた反応混合液を、室温下、約20倍質量のメタノール中に撹拌しながら滴下することにより、白色沈殿物を得た。該沈殿物を、減圧(26.7Pa)下、50℃で5時間乾燥して、以下の繰り返し単位からなる高分子化合物(以下、高分子化合物bと称する。)2.91gを得た。得られた高分子化合物bの質量平均分子量(Mw)は5800、分散度は1.61であった。
実施例2で得た2-メタクリロイルオキシアセトキシ-4,5-オキサチアトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン-5,5-ジオキシドのテトラヒドロフランに対する溶解度を、以下の操作に従って測定した。結果を表1に示す。
(溶解度の測定方法)
溶解性評価に用いる試料1gを準備した。25℃にて表1に記載の有機溶媒1gと前記試料を混合し、25℃のまま10分攪拌した。得られた混合液から不溶分をろ別し、ろ液から有機溶媒を留去し、次いで減圧下に5時間乾燥することにより、飽和溶液中の試料を取得した。該試料の質量を測定し、下記式により溶解度を算出した。
溶解度(質量%)=100×飽和溶液中の試料の質量/飽和溶液の質量
実施例7において、試料および有機溶媒を表1または表2に記載のものに変更したこと以外は、実施例7と同様にして実験および溶解性評価を行なった。結果を表1または表2に示す。
実施例5で得られた高分子化合物a 100質量部、光酸発生剤として「TPS-109」(製品名、成分;ナノフルオロ-n-ブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、みどり化学株式会社製)3質量部および有機溶媒[プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/シクロヘキサノンの混合溶媒(質量比:1/1)]とをそれぞれ混合し、高分子化合物aの濃度が10質量%のフォトレジスト組成物を調製した。このフォトレジスト組成物を、フィルター[四フッ化エチレン樹脂(PTFE)製、孔径0.2μm]を用いてろ過し、ろ液を得た。
直径10cmのシリコンウエハー上に、クレゾール型ノボラック樹脂「PS-6937」(製品名、群栄化学工業株式会社製)の濃度が6質量%のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液をスピンコーティング法により塗布し、ホットプレート上で200℃で90秒間焼成することにより、膜厚約100nmの反射防止膜(下地膜)を形成した。この反射防止膜上に、前記ろ液をスピンコーティング法により塗布し、ホットプレート上で130℃、90秒間プリベークすることにより、膜厚約300nmのレジスト膜を形成した。
このレジスト膜に、波長193nmのArFエキシマレーザーを用いて二光束干渉法露光した。
引き続き、130℃で90秒間ポストエクスポージャーベークした後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて60秒間現像処理することにより、1:1のラインアンドスペースパターンを形成した。
現像済みウエハーを割断したものを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、最適露光量において、線幅100nmの1:1のラインアンドスペースのレジストパターンの解像が確認された。
実施例6で得られた高分子化合物a’ 100質量部、光酸発生剤として「TPS-109」(製品名、成分;ナノフルオロ-n-ブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、みどり化学株式会社製)3質量部および有機溶媒[プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/シクロヘキサノンの混合溶媒(質量比:1/1)]とをそれぞれ混合し、高分子化合物a’の濃度が10質量%のフォトレジスト組成物を調製した。このフォトレジスト組成物を、フィルター[四フッ化エチレン樹脂(PTFE)製、孔径0.2μm]を用いてろ過し、ろ液を得た。
直径10cmのシリコンウエハー上に、クレゾール型ノボラック樹脂「PS-6937」(製品名、群栄化学工業株式会社製)の濃度が6質量%のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液をスピンコーティング法により塗布し、ホットプレート上で200℃で90秒間焼成することにより、膜厚約100nmの反射防止膜(下地膜)を形成した。この反射防止膜上に、前記ろ液をスピンコーティング法により塗布し、ホットプレート上で130℃、90秒間プリベークすることにより、膜厚約300nmのレジスト膜を形成した。
このレジスト膜に、波長193nmのArFエキシマレーザーを用いて二光束干渉法露光した。
引き続き、130℃で90秒間ポストエクスポージャーベークした後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて60秒間現像処理することにより、1:1のラインアンドスペースパターンを形成した。
現像済みウエハーを割断したものを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、最適露光量において、線幅100nmの1:1のラインアンドスペースのレジストパターンの解像が確認された。
Claims (9)
- 塩基性物質の存在下、下記一般式(2)
で示されるアルコールと下記一般式(3)
で示されるハロカルボン酸ハライドを反応させることにより、下記一般式(4)
で示されるハロエステル誘導体を得、得られた該ハロエステル誘導体を、塩基性物質の存在下に下記一般式(5)
で示されるアクリル酸系化合物と反応させる工程を有する、下記一般式(1)
で示されるアクリル酸エステル誘導体の製造方法。 - 前記一般式(1)において、R1が水素原子またはメチル基であり、Wがメチレン基またはエタン-1,1-ジイル基であり、nが2であり、R2、R3、R5、R7、R8、R9およびR10がいずれも水素原子であり、R4およびR6が、両者が結合したメチレン基または-O-である、請求項4に記載のアクリル酸エステル誘導体。
- 前記一般式(4)において、X1が塩素原子または臭素原子であり、Wがメチレン基またはエタン-1,1-ジイル基であり、nが2であり、R2、R3、R5、R7、R8、R9およびR10がいずれも水素原子であり、R4およびR6が、両者が結合したメチレン基または-O-である、請求項6に記載のハロエステル誘導体。
- 請求項4または5に記載のアクリル酸エステル誘導体を含有する原料を重合して得られる高分子化合物。
- 請求項8に記載の高分子化合物、有機溶媒および光酸発生剤を含有するフォトレジスト組成物。
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