JP2015160836A - 新規なアルコール誘導体、アクリル酸エステル誘導体、ハロエステル誘導体、高分子化合物およびフォトレジスト組成物 - Google Patents
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Landscapes
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- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
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Abstract
Description
本発明は、新規なアルコール誘導体、アクリル酸エステル誘導体、ハロエステル誘導体、高分子化合物およびフォトレジスト組成物に関する。より詳細には、二つのオキサノルボルナンラクトン骨格が縮環したアルコール誘導体、アクリル酸エステル誘導体、ハロエステル誘導体、高分子化合物およびフォトレジスト組成物に関する。
近年、集積回路素子製造に代表される電子デバイス製造分野においては、デバイスの高集積化に対する要求が高まっており、そのため、微細パターン形成のためのフォトリソグラフィー技術が必要とされている。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来はg線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長のF2エキシマレーザー、電子線、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
レジスト材料には、これらの露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性などのリソグラフィー特性が求められる。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来はg線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長のF2エキシマレーザー、電子線、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
レジスト材料には、これらの露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性などのリソグラフィー特性が求められる。
このような要求を満たすレジスト材料として、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤とを含有する化学増幅型レジストが用いられている。化学増幅型レジストの基材成分としては、主に樹脂(ベース樹脂)が用いられている。
たとえばポジ型の化学増幅型レジストは、ベース樹脂として、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂を含有しており、レジストパターン形成時に、露光により酸発生剤から酸が発生すると、該酸の作用により該ベース樹脂のアルカリ現像液に対する溶解性が増大する(たとえば特許文献1参照)。
また、ネガ型の化学増幅型レジストとしては、ベース樹脂として、アルカリ現像液に可溶性の樹脂(アルカリ可溶性樹脂)を含有し、さらに架橋剤が配合されたものが一般的に用いられている。かかるレジスト組成物は、レジストパターン形成時に、露光により酸発生剤から酸が発生すると、該酸の作用によりベース樹脂と架橋剤とが反応し、該ベース樹脂のアルカリ現像液に対する溶解性が低下する(たとえば非特許文献1および2参照)。
たとえばポジ型の化学増幅型レジストは、ベース樹脂として、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂を含有しており、レジストパターン形成時に、露光により酸発生剤から酸が発生すると、該酸の作用により該ベース樹脂のアルカリ現像液に対する溶解性が増大する(たとえば特許文献1参照)。
また、ネガ型の化学増幅型レジストとしては、ベース樹脂として、アルカリ現像液に可溶性の樹脂(アルカリ可溶性樹脂)を含有し、さらに架橋剤が配合されたものが一般的に用いられている。かかるレジスト組成物は、レジストパターン形成時に、露光により酸発生剤から酸が発生すると、該酸の作用によりベース樹脂と架橋剤とが反応し、該ベース樹脂のアルカリ現像液に対する溶解性が低下する(たとえば非特許文献1および2参照)。
現在、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等において使用されるレジストのベース樹脂としては、波長193nm付近における透明性に優れることから、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)が主に用いられている。
また、フォトレジスト組成物用の高分子化合物としては、アクリロイルオキシ基から連結基を介してノルボルナンラクトン骨格やノルボルナンスルトン骨格を有する構成単位から形成される高分子化合物なども提案されている(特許文献2および3参照)。
また、フォトレジスト組成物用の高分子化合物としては、アクリロイルオキシ基から連結基を介してノルボルナンラクトン骨格やノルボルナンスルトン骨格を有する構成単位から形成される高分子化合物なども提案されている(特許文献2および3参照)。
SPIE Advances in Resist Technology and Processing XIV,Vol.3333,p.417〜424(1998)
SPIE Advances in Resist technology and Processing XIX,Vol.4690,p.94〜100(2002)
今後、リソグラフィー技術のさらなる進歩および応用分野の拡大等が予想されるなか、リソグラフィー用途に使用できる新規な材料開発が求められている。パターンの微細化が進むにつれ、解像性、ラインウィドゥスラフネス(Line Width Roughness;LWR)等の種々のリソグラフィー特性およびパターン形状がこれまで以上に改善されるようなフォトレジスト材料が切望されている。そのため、フォトレジスト組成物に含有させる高分子化合物の構成単位となり得る新規な化合物(モノマー)の開発そのものが重要となっている。
従って、本発明の課題は、フォトレジスト組成物に含有させる高分子化合物の構成単位の1つとしたときに、LWRなどのリソグラフィー特性に優れ、高解像度となり得る新規なアクリル酸エステル系誘導体の製造方法を提供することにある。さらに、本発明の課題は、該アクリル酸エステル系誘導体の中間体およびその製造方法を提供することにある。
従って、本発明の課題は、フォトレジスト組成物に含有させる高分子化合物の構成単位の1つとしたときに、LWRなどのリソグラフィー特性に優れ、高解像度となり得る新規なアクリル酸エステル系誘導体の製造方法を提供することにある。さらに、本発明の課題は、該アクリル酸エステル系誘導体の中間体およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、下記[1]〜[13]に関する。
[1]下記一般式(1)
[1]下記一般式(1)
(式中、R1〜R8はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表し、R9は水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を表し、Wは炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数5〜10のシクロアルキレン基を表す。nは0または1を表す。)
で示されるアクリル酸エステル誘導体(1)(以下、アクリル酸エステル誘導体(1)と称する)。
[2]下記一般式(1−1)
で示されるアクリル酸エステル誘導体(1)(以下、アクリル酸エステル誘導体(1)と称する)。
[2]下記一般式(1−1)
(式中、R1〜R9は前記定義のとおりである。)
で示されるアクリル酸エステル誘導体(1−1)(以下、アクリル酸エステル誘導体(1−1)と称する)。
[3]下記一般式(2)
で示されるアクリル酸エステル誘導体(1−1)(以下、アクリル酸エステル誘導体(1−1)と称する)。
[3]下記一般式(2)
(式中、R1〜R8は前記定義のとおりである。)
で示されるアルコール誘導体(以下、アルコール誘導体(2)と称する)と下記一般式(3)
で示されるアルコール誘導体(以下、アルコール誘導体(2)と称する)と下記一般式(3)
で示される(メタ)アクリル酸ハライド(以下、(メタ)アクリル酸ハライド(3)と称する)を塩基性物質の存在下に反応させる工程を有する、アクリル酸エステル誘導体(1−1)の製造方法。
[4]下記一般式(1−2)
(式中、R1〜R9およびWは前記定義のとおりである。)
で示されるアクリル酸エステル誘導体(1−2)(以下、アクリル酸エステル誘導体(1−2)と称する)。
[5]アルコール誘導体(2)と下記一般式(4)
で示されるアクリル酸エステル誘導体(1−2)(以下、アクリル酸エステル誘導体(1−2)と称する)。
[5]アルコール誘導体(2)と下記一般式(4)
(式中、Wは前記定義のとおりであり、X2およびX3はそれぞれ独立して塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)
で示されるハロカルボン酸ハライド(以下、ハロカルボン酸ハライド(4)と称する)を塩基性物質の存在下に反応させて下記一般式(5)
で示されるハロカルボン酸ハライド(以下、ハロカルボン酸ハライド(4)と称する)を塩基性物質の存在下に反応させて下記一般式(5)
(式中、R1〜R8、WおよびX3は前記定義のとおりである。)
で示されるハロエステル誘導体(以下、ハロエステル誘導体(5)と称する)を製造し、得られたハロエステル誘導体(5)を下記一般式(6)
で示されるハロエステル誘導体(以下、ハロエステル誘導体(5)と称する)を製造し、得られたハロエステル誘導体(5)を下記一般式(6)
(式中、R9は前記定義のとおりである。)
で示されるアクリル酸系化合物(以下、アクリル酸系化合物(6)と称する)と塩基性物質の存在下に反応させる工程を有する、アクリル酸エステル誘導体(1−2)の製造方法。
[6]ハロエステル誘導体(5)をアクリル酸系化合物(6)と塩基性物質の存在下に反応させる工程を有する、アクリル酸エステル誘導体(1−2)の製造方法。
[7]アルコール誘導体(2)。
[8]下記一般式(7)
で示されるアクリル酸系化合物(以下、アクリル酸系化合物(6)と称する)と塩基性物質の存在下に反応させる工程を有する、アクリル酸エステル誘導体(1−2)の製造方法。
[6]ハロエステル誘導体(5)をアクリル酸系化合物(6)と塩基性物質の存在下に反応させる工程を有する、アクリル酸エステル誘導体(1−2)の製造方法。
[7]アルコール誘導体(2)。
[8]下記一般式(7)
(式中、R1〜R4は前記定義のとおりである。)
で示されるフラン誘導体(以下、フラン誘導体(7)と称する)と下記構造式(8)
で示されるフラン誘導体(以下、フラン誘導体(7)と称する)と下記構造式(8)
で示されるアセチレンジカルボン酸(以下、アセチレンジカルボン酸(8)と称する)との反応により、下記一般式(9)
(式中、R1〜R8は前記定義のとおりである。)
で示されるジカルボン酸誘導体(以下、ジカルボン酸誘導体(9)と称する)を製造し、得られたジカルボン酸誘導体(9)を酸で処理することにより下記一般式(10)
で示されるジカルボン酸誘導体(以下、ジカルボン酸誘導体(9)と称する)を製造し、得られたジカルボン酸誘導体(9)を酸で処理することにより下記一般式(10)
(式中、R1〜R8は前記定義のとおりである。)
で示されるモノラクトン誘導体(以下、モノラクトン誘導体(10)と称する)を製造し、得られたモノラクトン誘導体(10)を酸化剤で処理する工程を有する、アルコール誘導体(2)の製造方法。
[9]ハロエステル誘導体(5)。
[10]アルコール誘導体(2)とハロカルボン酸ハライド(4)を塩基性物質の存在下に反応させる工程を有する、ハロエステル誘導体の製造方法。
[11] [1]のアクリル酸エステル誘導体(1)を構成単位として含有する高分子化合物。
[12] アクリル酸エステル誘導体(1)が、[2]のアクリル酸エステル誘導体(1−1)または[4]のアクリル酸エステル誘導体(1−2)である、[11]の高分子化合物。
[13] [11]または[12]の高分子化合物、有機溶媒および光酸発生剤を含有するフォトレジスト組成物。
で示されるモノラクトン誘導体(以下、モノラクトン誘導体(10)と称する)を製造し、得られたモノラクトン誘導体(10)を酸化剤で処理する工程を有する、アルコール誘導体(2)の製造方法。
[9]ハロエステル誘導体(5)。
[10]アルコール誘導体(2)とハロカルボン酸ハライド(4)を塩基性物質の存在下に反応させる工程を有する、ハロエステル誘導体の製造方法。
[11] [1]のアクリル酸エステル誘導体(1)を構成単位として含有する高分子化合物。
[12] アクリル酸エステル誘導体(1)が、[2]のアクリル酸エステル誘導体(1−1)または[4]のアクリル酸エステル誘導体(1−2)である、[11]の高分子化合物。
[13] [11]または[12]の高分子化合物、有機溶媒および光酸発生剤を含有するフォトレジスト組成物。
本発明のアクリル酸エステル系誘導体を構成単位として含有する高分子化合物を用いたフォトレジスト組成物は、露光時に光酸発生剤から発生した酸の酸拡散長を短く制御することができてLWRが改善され、高解像度のフォトレジストパターンが形成される。
本発明は、下記一般式(1)で示されるアクリル酸エステル誘導体(1)を、フォトレジスト組成物に含有させる高分子化合物の構成単位の1つとしたときに、LWRなどのリソグラフィー特性に優れ、高解像度が得られる。以下、該アクリル酸エステル誘導体(1)および中間体、ならびにそれらの製造方法について詳細に説明する。
《アクリル酸エステル誘導体(1)》
本発明のアクリル酸エステル誘導体(1)は、下記一般式(1)で表される。
本発明のアクリル酸エステル誘導体(1)は、下記一般式(1)で表される。
(式中、R1〜R8はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表し、R9は水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を表し、Wは炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数5〜10のシクロアルキレン基を表す。nは0または1を表す。)
R1〜R8がそれぞれ表す炭素数1〜5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、s−ペンチル基、t−ペンチル基などが挙げられる。これらの中でも、高解像度のフォトレジストパターンを得る観点から、R1〜R8は水素原子が好ましい。
R9は水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を表すが、高解像度のフォトレジストパターンを得る観点からはメチル基が好ましい。
R9は水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を表すが、高解像度のフォトレジストパターンを得る観点からはメチル基が好ましい。
式中、Wが表す炭素数1〜10のアルキレン基としては、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えばメチレン基、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基などが挙げられ、炭素数5〜10のシクロアルキレン基としては、例えばシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基、シクロオクチレン基、シクロデシレン基などが挙げられる。高解像度のフォトレジストパターンを得る観点から、Wはメチレン基が好ましい。
式中、nは0または1を表し、高解像度のフォトレジストパターンを得る観点から、nは0が好ましい。
[アクリル酸エステル誘導体(1)の製造方法]
本発明のアクリル酸エステル誘導体(1)の製造方法に特に制限はないが、例えば下記に示す工程で、アクリル酸エステル誘導体(1−1)、アクリル酸エステル誘導体(1−2)を製造することができる。
本発明のアクリル酸エステル誘導体(1)の製造方法に特に制限はないが、例えば下記に示す工程で、アクリル酸エステル誘導体(1−1)、アクリル酸エステル誘導体(1−2)を製造することができる。
(式中、R1〜R9、W、X1、X2およびX3は、前記定義のとおりである。)
以下、フラン誘導体(7)とアセチレンジカルボン酸(8)をディールスアルダー反応させてジカルボン酸誘導体(9)を得る方法を反応A、ジカルボン酸誘導体(9)を酸で処理することによりモノラクトン誘導体(10)を得る方法を反応B、モノラクトン誘導体(10)を酸化剤で処理することによりアルコール誘導体(2)を得る方法を反応Cと称する。
アルコール誘導体(2)に(メタ)アクリル酸ハライド(3)を塩基性物質の存在下に反応させてアクリル酸エステル誘導体(1−1)を得る方法を反応Dと称する。
アルコール誘導体(2)にハロカルボン酸ハライド(4)を塩基性物質の存在下に反応させてハロエステル誘導体(5)を得る方法を反応E、続いてアクリル酸系化合物(6)を反応させてアクリル酸エステル誘導体(1−2)を得る方法を反応Fと称する。
以下、フラン誘導体(7)とアセチレンジカルボン酸(8)をディールスアルダー反応させてジカルボン酸誘導体(9)を得る方法を反応A、ジカルボン酸誘導体(9)を酸で処理することによりモノラクトン誘導体(10)を得る方法を反応B、モノラクトン誘導体(10)を酸化剤で処理することによりアルコール誘導体(2)を得る方法を反応Cと称する。
アルコール誘導体(2)に(メタ)アクリル酸ハライド(3)を塩基性物質の存在下に反応させてアクリル酸エステル誘導体(1−1)を得る方法を反応Dと称する。
アルコール誘導体(2)にハロカルボン酸ハライド(4)を塩基性物質の存在下に反応させてハロエステル誘導体(5)を得る方法を反応E、続いてアクリル酸系化合物(6)を反応させてアクリル酸エステル誘導体(1−2)を得る方法を反応Fと称する。
(反応A)
反応Aで原料として使用できるフラン誘導体(7)の具体例を以下に示すが、特にこれらに限定されない。
反応Aで原料として使用できるフラン誘導体(7)の具体例を以下に示すが、特にこれらに限定されない。
反応Aは、溶媒の存在下または非存在下で実施することができる。溶媒としては、反応を阻害しなければ特に制限はないが、例えば水;ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素;クロロベンゼン、フルオロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライム、テトラグライムなどのエーテル;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミドが挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。使用する溶媒はフラン誘導体(7)の種類によって異なるが、水が好ましい。
溶媒の存在下で実施する場合、溶媒の使用量は、反応速度を一定以上に維持しながら廃溶媒量を低減する観点から、フラン誘導体(7)1質量部に対して1質量部以下であるのが好ましく、0.5質量部以下であるのがより好ましく、0.35質量部以下であるのがさらに好ましい。
溶媒の存在下で実施する場合、溶媒の使用量は、反応速度を一定以上に維持しながら廃溶媒量を低減する観点から、フラン誘導体(7)1質量部に対して1質量部以下であるのが好ましく、0.5質量部以下であるのがより好ましく、0.35質量部以下であるのがさらに好ましい。
反応Aの反応温度は、使用するフラン誘導体(7)や溶媒の種類などによって異なるが、概ね−50〜180℃であることが好ましく、−30〜130℃であるのがより好ましい。
反応Aの反応圧力に特に制限はないが、大気圧下に実施するのが簡便で好ましい。反応時間は、使用するフラン誘導体(7)や溶媒の種類などによって異なるが、通常は1〜25日間が好ましく、3〜14日間がより好ましい。
反応Aの反応圧力に特に制限はないが、大気圧下に実施するのが簡便で好ましい。反応時間は、使用するフラン誘導体(7)や溶媒の種類などによって異なるが、通常は1〜25日間が好ましく、3〜14日間がより好ましい。
反応Aにおける反応操作方法には特に制限はない。また、各試薬の投入方法および順序にも特に制限はなく、任意の方法および順序で添加することができる。
具体的な反応操作方法としては、例えば、回分式反応器にアセチレンジカルボン酸(8)、フラン誘導体(7)および所望により溶媒を仕込む方法が好ましい。
具体的な反応操作方法としては、例えば、回分式反応器にアセチレンジカルボン酸(8)、フラン誘導体(7)および所望により溶媒を仕込む方法が好ましい。
反応Aで得られた反応混合物からのジカルボン酸誘導体(9)の分離および精製は、有機化合物の分離および精製に一般的に用いられる方法により行うことができる。
例えば、反応終了後、反応混合物に水を添加した後、有機溶媒で抽出し、得られた有機層を濃縮することによりジカルボン酸誘導体(9)を分離することができる。さらに必要に応じて、再結晶、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどで精製することにより、高純度のジカルボン酸誘導体(9)を得ることができる。
例えば、反応終了後、反応混合物に水を添加した後、有機溶媒で抽出し、得られた有機層を濃縮することによりジカルボン酸誘導体(9)を分離することができる。さらに必要に応じて、再結晶、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどで精製することにより、高純度のジカルボン酸誘導体(9)を得ることができる。
反応Aにより製造し得るジカルボン誘導体(9)の具体例を以下に示すが、特にこれらに限定されない。
(反応B)
反応Bで使用する酸としては、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエタンスルホン酸、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼンスルホン酸などの含フッ素スルホン酸;トリフルオロメタンスルホン酸金属塩、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエタンスルホン酸金属塩、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼンスルホン酸金属塩などの含フッ素スルホン酸金属塩;ナフィオン(商品名、デュポン社製)等に代表されるパーフルオロスルホン酸系高分子、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、塩化水素ガス、臭化水素、フッ化水素、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、三フッ化ホウ素などが挙げられ、これらの中でも臭化水素が好ましい。
反応Bで使用する酸としては、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエタンスルホン酸、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼンスルホン酸などの含フッ素スルホン酸;トリフルオロメタンスルホン酸金属塩、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエタンスルホン酸金属塩、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼンスルホン酸金属塩などの含フッ素スルホン酸金属塩;ナフィオン(商品名、デュポン社製)等に代表されるパーフルオロスルホン酸系高分子、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、塩化水素ガス、臭化水素、フッ化水素、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、三フッ化ホウ素などが挙げられ、これらの中でも臭化水素が好ましい。
反応Bは、溶媒の存在下または非存在下で実施することができる。溶媒としては、反応を阻害しなければ特に制限はないが、例えば水;ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素;クロロベンゼン、フルオロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸が挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。使用する溶媒はジカルボン酸誘導体(9)の種類によって異なるが、酢酸が好ましい。
溶媒の存在下で実施する場合、溶媒の使用量は、反応速度を一定以上に維持しながら廃溶媒量を低減する観点から、ジカルボン酸誘導体(9)1質量部に対して100質量部以下であるのが好ましく、50質量部以下であるのがより好ましく、30質量部以下であるのがさらに好ましい。
溶媒の存在下で実施する場合、溶媒の使用量は、反応速度を一定以上に維持しながら廃溶媒量を低減する観点から、ジカルボン酸誘導体(9)1質量部に対して100質量部以下であるのが好ましく、50質量部以下であるのがより好ましく、30質量部以下であるのがさらに好ましい。
反応Bの反応温度は、使用するジカルボン酸誘導体(9)、酸、溶媒の種類などによって異なるが、概ね、−50〜180℃であることが好ましく、−30〜130℃であるのがより好ましい。
反応Bの反応圧力に特に制限はないが、大気圧下に実施するのが簡便で好ましい。反応Bの反応時間は、使用するジカルボン酸誘導体(9)、酸、溶媒の種類などによって異なるが、通常は0.5〜48時間が好ましく、1〜24時間がより好ましい。
反応Bの反応圧力に特に制限はないが、大気圧下に実施するのが簡便で好ましい。反応Bの反応時間は、使用するジカルボン酸誘導体(9)、酸、溶媒の種類などによって異なるが、通常は0.5〜48時間が好ましく、1〜24時間がより好ましい。
反応Bにおける反応操作方法には特に制限はない。また、各試薬の投入方法および順序にも特に制限はなく、任意の方法および順序で添加することができる。
具体的な反応操作方法としては、例えば、回分式反応器にジカルボン酸誘導体(9)および所望により溶媒を仕込み、この混合液に所望の反応温度および所望の反応圧力下で酸を添加する方法が好ましい。
具体的な反応操作方法としては、例えば、回分式反応器にジカルボン酸誘導体(9)および所望により溶媒を仕込み、この混合液に所望の反応温度および所望の反応圧力下で酸を添加する方法が好ましい。
反応Bで得られた反応混合物からのモノラクトン誘導体(10)の分離および精製は、有機化合物の分離および精製に一般的に用いられる方法により行うことができる。
例えば、反応終了後、反応混合物に水を添加した後、有機溶媒で抽出し、得られた有機層を濃縮することにより、モノラクトン誘導体(10)を分離することができる。さらに必要に応じて、再結晶、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどで精製することにより、高純度のモノラクトン誘導体(10)を得ることができる。
例えば、反応終了後、反応混合物に水を添加した後、有機溶媒で抽出し、得られた有機層を濃縮することにより、モノラクトン誘導体(10)を分離することができる。さらに必要に応じて、再結晶、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどで精製することにより、高純度のモノラクトン誘導体(10)を得ることができる。
反応Bにより製造し得るモノラクトン誘導体(10)の具体例を以下に示すが、特にこれらに限定されない。
(反応C)
反応Cで使用する酸化剤としては、例えば過ギ酸、過酢酸トリフルオロ過酢酸、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸、モノペルオキシフタル酸といった過カルボン酸などの有機過酸、過マンガン酸などの無機過酸、およびペルオキソ一硫酸カリウムなどの塩が挙げられる。
反応Cで使用する酸化剤としては、例えば過ギ酸、過酢酸トリフルオロ過酢酸、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸、モノペルオキシフタル酸といった過カルボン酸などの有機過酸、過マンガン酸などの無機過酸、およびペルオキソ一硫酸カリウムなどの塩が挙げられる。
過酸化水素は純粋な過酸化水素(H2O2)の形態で用いられてもよいが、取扱性の観点からは、通常は適当な溶媒(例えば水)で希釈された形態(例えば30質量%過酸化水素水)として用いられる。
酸化剤の使用量は、モノラクトン誘導体(10)1モルに対して1〜5モルの範囲であることが好ましく、1.2〜3モルであることがより好ましい。
酸化剤の使用量は、モノラクトン誘導体(10)1モルに対して1〜5モルの範囲であることが好ましく、1.2〜3モルであることがより好ましい。
反応Cは、溶媒の存在下または非存在下で実施することができる。溶媒としては、反応を阻害しなければ特に制限はないが、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素;クロロベンゼン、フルオロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素が挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
溶媒の存在下で実施する場合、溶媒の使用量は、反応速度を一定以上に維持しながら廃溶媒量を低減する観点から、モノラクトン誘導体(10)1質量部に対して100質量部以下であるのが好ましく、50質量部以下であるのがより好ましく、30質量部以下であるのがさらに好ましい。
溶媒の存在下で実施する場合、溶媒の使用量は、反応速度を一定以上に維持しながら廃溶媒量を低減する観点から、モノラクトン誘導体(10)1質量部に対して100質量部以下であるのが好ましく、50質量部以下であるのがより好ましく、30質量部以下であるのがさらに好ましい。
反応Cの反応温度は、使用するモノラクトン誘導体(10)、酸化剤、溶媒の種類などによって異なるが、概ね−50〜180℃であることが好ましく、−30〜130℃であるのがより好ましい。
反応Cの反応圧力に特に制限はないが、大気圧下に実施するのが簡便で好ましい。反応時間は、使用するモノラクトン誘導体(10)、酸化剤、溶媒の種類などによって異なるが、通常は0.5〜48時間が好ましく、1〜24時間がより好ましい。
反応Cの反応圧力に特に制限はないが、大気圧下に実施するのが簡便で好ましい。反応時間は、使用するモノラクトン誘導体(10)、酸化剤、溶媒の種類などによって異なるが、通常は0.5〜48時間が好ましく、1〜24時間がより好ましい。
反応Cにおける反応操作方法には特に制限はない。また、各試薬の投入方法および順序にも特に制限はなく、任意の方法および順序で添加することができる。
具体的な反応操作方法としては、例えば回分式反応器にモノラクトン誘導体(10)および所望により溶媒を仕込み、この混合液に所望の反応温度および所望の反応圧力下で酸化剤を添加する方法が好ましい。
具体的な反応操作方法としては、例えば回分式反応器にモノラクトン誘導体(10)および所望により溶媒を仕込み、この混合液に所望の反応温度および所望の反応圧力下で酸化剤を添加する方法が好ましい。
反応Cで得られた反応混合物からのアルコール誘導体(2)の分離および精製は、有機化合物の分離および精製に一般的に用いられる方法により行うことができる。
例えば、反応終了後、反応混合物に水を添加した後、有機溶媒で抽出し、得られた有機層を濃縮することによりアルコール誘導体(2)を分離することができる。さらに必要に応じて、再結晶、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどで精製することにより、高純度のアルコール誘導体(2)を得ることができる。
例えば、反応終了後、反応混合物に水を添加した後、有機溶媒で抽出し、得られた有機層を濃縮することによりアルコール誘導体(2)を分離することができる。さらに必要に応じて、再結晶、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどで精製することにより、高純度のアルコール誘導体(2)を得ることができる。
反応Cにより製造し得るアルコール誘導体(2)の具体例を以下に示すが、特にこれらに限定されない。
(反応D)
反応Dで使用する(メタ)アクリル酸ハライド(3)としては、例えばアクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリドなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸ハライド(3)の使用量に特に制限はないが、経済性および後処理の容易さの観点から、アルコール誘導体(2)に対して0.8〜5倍モルの範囲であることが好ましく、0.8〜3倍モルの範囲であることがより好ましい。
反応Dで使用する(メタ)アクリル酸ハライド(3)としては、例えばアクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリドなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸ハライド(3)の使用量に特に制限はないが、経済性および後処理の容易さの観点から、アルコール誘導体(2)に対して0.8〜5倍モルの範囲であることが好ましく、0.8〜3倍モルの範囲であることがより好ましい。
反応Dで使用する塩基性物質としては、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;トリエチルアミン、トリチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンなどの第三級アミン;ピリジンなどの含窒素複素環式化合物などが挙げられる。中でも第三級アミン、含窒素複素環式化合物がより好ましく、トリエチルアミンがさらに好ましい。
塩基性物質を使用する場合、その使用量は、経済性および後処理の容易さの観点から、アルコール誘導体(2)1モルに対して0.7〜5モルであることが好ましく、0.7〜3モルであることがより好ましく、1〜3モルであることがより好ましい。なお、アルコール誘導体(2)の消失は、液体クロマトグラフィーにて容易に確認できる。
塩基性物質を使用する場合、その使用量は、経済性および後処理の容易さの観点から、アルコール誘導体(2)1モルに対して0.7〜5モルであることが好ましく、0.7〜3モルであることがより好ましく、1〜3モルであることがより好ましい。なお、アルコール誘導体(2)の消失は、液体クロマトグラフィーにて容易に確認できる。
反応Dは、溶媒の存在下または非存在下に実施できる。該溶媒としては、反応を阻害しない限り特に制限はなく、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン、シメンなどの芳香族炭化水素;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素;テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテルが挙げられる。中でも、トルエン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドが好ましく、N,N−ジメチルホルムアミドがより好ましい。溶媒は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
溶媒の存在下で実施する場合、溶媒の使用量は、アルコール誘導体(2)1質量部に対して2質量部以上であるのが好ましく、4〜30質量部であるのがより好ましく、5〜10質量部であるのがさらに好ましい。
溶媒の存在下で実施する場合、溶媒の使用量は、アルコール誘導体(2)1質量部に対して2質量部以上であるのが好ましく、4〜30質量部であるのがより好ましく、5〜10質量部であるのがさらに好ましい。
反応Dは、重合禁止剤の存在下または非存在下に実施できる。重合禁止剤に特に制限はなく、例えばヒドロキノン、メトキシフェノール、ベンゾキノン、トルキノンなどのキノン系化合物;p−tert−ブチルカテコール、2,6−ジtert−ブチルフェノール、2,4−ジtert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノールなどのアルキルフェノール系化合物;フェノチアジンなどのアミン系化合物などが挙げられる。重合禁止剤は1種類を用いても、2種類以上を併用しても良い。重合禁止剤を使用する場合、その使用量は、反応混合物全体の質量に対して0.001質量ppm〜5質量%が好ましく、0.001質量ppm〜1質量%がより好ましく、0.001質量ppm〜0.5質量%がさらに好ましい。
反応Dの反応温度は、使用するアルコール誘導体(2)、(メタ)アクリル酸ハライド(3)、塩基性物質や溶媒の種類などによっても異なるが、通常、原料および塩基の溶解性の観点から、好ましくは−20〜80℃、より好ましくは−10〜50℃、さらに好ましくは−10〜30℃である。反応圧力に特に制限はないが、大気圧下に実施するのが簡便で好ましい。
反応時間には特に制限はない。通常、アルコール誘導体(2)の消失が確認されるまで反応させるのが好ましい。
反応時間には特に制限はない。通常、アルコール誘導体(2)の消失が確認されるまで反応させるのが好ましい。
反応Dにおける反応操作方法には特に制限はない。原料、塩基および溶媒などの投入方法および順序にも特に制限はなく、任意の方法および順序で添加できる。具体的な反応操作方法としては、例えば回分式反応器にアルコール誘導体(2)、重合禁止剤、溶媒および塩基を仕込み、得られた混合液に所定温度で(メタ)アクリル酸ハライド(3)を添加する方法が好ましい。また、反応は、水の非存在下に実施することが好ましい。
得られた反応混合物からのアクリル酸エステル誘導体(1−1)の分離、精製は、有機化合物の分離、精製に一般的に用いられる方法により行うことができる。例えば、反応終了後、有機層を濃縮することによりアクリル酸エステル誘導体(1−1)を分離でき、必要に応じて、再結晶、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどで精製を行うことにより得られる高純度のアクリル酸エステル誘導体(1−1)を得ることができる。
反応Dにより製造し得るアクリル酸エステル誘導体(1−1)の具体例を以下に示すが、特にこれらに限定されない。
(反応E)
反応Eで使用するハロカルボン酸ハライド(4)としては、例えばクロロ酢酸クロリド、2−クロロプロピオン酸クロリド、2−ブロモ−2−メチルプロピオン酸ブロミドなどが挙げられる。
ハロカルボン酸ハライド(4)の使用量に特に制限はないが、経済性および後処理の容易さの観点から、アルコール誘導体(2)に対して0.8〜5倍モルの範囲であることが好ましく、0.8〜3倍モルの範囲であることがより好ましい。
反応Eで使用するハロカルボン酸ハライド(4)としては、例えばクロロ酢酸クロリド、2−クロロプロピオン酸クロリド、2−ブロモ−2−メチルプロピオン酸ブロミドなどが挙げられる。
ハロカルボン酸ハライド(4)の使用量に特に制限はないが、経済性および後処理の容易さの観点から、アルコール誘導体(2)に対して0.8〜5倍モルの範囲であることが好ましく、0.8〜3倍モルの範囲であることがより好ましい。
反応Eで使用する塩基性物質としては、反応Dで使用する塩基性物質として例示したものと同種の物質が挙げられる。
塩基性物質の使用量に特に制限はないが、経済性および後処理の容易さの観点から、アルコール誘導体(2)に対して0.8〜5倍モルの範囲であることが好ましく、0.8〜3倍モルの範囲であることがより好ましい。
塩基性物質の使用量に特に制限はないが、経済性および後処理の容易さの観点から、アルコール誘導体(2)に対して0.8〜5倍モルの範囲であることが好ましく、0.8〜3倍モルの範囲であることがより好ましい。
反応Eは溶媒の存在下または非存在下で実施できる。該溶媒としては、反応を阻害しなければ特に制限はなく、例えば反応Dで使用し得る溶媒と同種の溶媒が挙げられる。溶媒は1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
溶媒を使用する場合、その使用量は、経済性および後処理の容易さの観点から、アルコール誘導体(2)に対して0.1〜50質量倍の範囲であることが好ましく、0.1〜20質量倍の範囲であることがより好ましい。
溶媒を使用する場合、その使用量は、経済性および後処理の容易さの観点から、アルコール誘導体(2)に対して0.1〜50質量倍の範囲であることが好ましく、0.1〜20質量倍の範囲であることがより好ましい。
反応Eの反応温度は、使用するハロカルボン酸ハライド(4)、アルコール誘導体(2)、塩基性物質の種類により異なるが、概ね、−50〜80℃の範囲であることが好ましい。反応Eの反応圧力に特に制限はないが、通常、大気圧下で反応を実施できる。
反応時間には特に制限はない。通常、アルコール誘導体(2)の消失が確認されるまで反応させるのが好ましい。
反応時間には特に制限はない。通常、アルコール誘導体(2)の消失が確認されるまで反応させるのが好ましい。
反応Eにおける反応操作方法には特に制限はない。原料、塩基および溶媒などの投入方法および順序にも特に制限はなく、任意の方法および順序で添加できる。具体的な反応操作方法としては、例えば、回分式反応器に、アルコール誘導体(2)、溶媒および塩基を仕込み、得られた混合液に所定温度でハロカルボン酸ハライド(4)を添加する方法が好ましい。また、反応は、水の非存在下に実施することが好ましい。
反応Eで得られるハロエステル誘導体(5)の具体例を以下に示すが、特にこれらに限定されない。
(反応F)
反応Fで使用するアクリル酸系化合物(6)としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸などが挙げられる。アクリル酸系化合物(6)の使用量は、経済性および後処理の容易さの観点から、ハロエステル誘導体(5)に対して0.8〜5倍モルの範囲であることが好ましく、0.8〜3倍モルの範囲であることがより好ましい。
反応Fで使用するアクリル酸系化合物(6)としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸などが挙げられる。アクリル酸系化合物(6)の使用量は、経済性および後処理の容易さの観点から、ハロエステル誘導体(5)に対して0.8〜5倍モルの範囲であることが好ましく、0.8〜3倍モルの範囲であることがより好ましい。
反応Fで使用する塩基性物質としては、反応Dで使用する塩基性物質として例示したものと同種の物質が挙げられる。
塩基の使用量は、経済性および後処理の容易さの観点から、ハロエステル誘導体(5)1モルに対して、通常、0.1〜10モルの範囲であることが好ましく、0.2〜6モルの範囲であることがより好ましい。
塩基の使用量は、経済性および後処理の容易さの観点から、ハロエステル誘導体(5)1モルに対して、通常、0.1〜10モルの範囲であることが好ましく、0.2〜6モルの範囲であることがより好ましい。
反応Fでは、必要に応じて、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウムブロミドなどを活性化剤として用いることが好ましい。
活性化剤を用いる場合、その使用量は、ハロエステル誘導体(5)に対して0.001〜0.5モル倍の範囲であることが好ましく、後処理の容易さおよび経済性の観点から0.005〜0.3モル倍の範囲であることがより好ましい。
活性化剤を用いる場合、その使用量は、ハロエステル誘導体(5)に対して0.001〜0.5モル倍の範囲であることが好ましく、後処理の容易さおよび経済性の観点から0.005〜0.3モル倍の範囲であることがより好ましい。
反応Fは、溶媒の存在下または非存在下に実施できる。該溶媒としては、反応を阻害しなければ特に制限はなく、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン、シメンなどの芳香族炭化水素;塩化メチレン、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミドが挙げられる。溶媒は1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
溶媒を使用する場合、その使用量は、経済性および後処理の容易さの観点から、ハロエステル誘導体(5)に対して0.1〜50質量倍の範囲であることが好ましく、0.1〜10質量倍の範囲であることがより好ましい。
溶媒を使用する場合、その使用量は、経済性および後処理の容易さの観点から、ハロエステル誘導体(5)に対して0.1〜50質量倍の範囲であることが好ましく、0.1〜10質量倍の範囲であることがより好ましい。
反応Fは、重合禁止剤の存在下または非存在下に実施できる。重合禁止剤に特に制限はなく、例えばヒドロキノン、メトキシフェノール、ベンゾキノン、トルキノンなどのキノン系化合物;p−tert−ブチルカテコール、2,6−ジtert−ブチルフェノール、2,4−ジtert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノールなどのアルキルフェノール系化合物;フェノチアジンなどのアミン系化合物などが挙げられる。重合禁止剤は1種類を用いても、2種類以上を併用しても良い。重合禁止剤を使用する場合、その使用量は、反応混合物全体の質量に対して0.001質量ppm〜5質量%が好ましく、0.001質量ppm〜1質量%がより好ましく、0.001質量ppm〜0.5質量%がさらに好ましい。
反応Fの反応温度は、使用するアクリル酸系化合物(6)、ハロエステル誘導体(5)、塩基性物質の種類により異なるが、概ね、−50〜80℃の範囲であることが好ましい。反応圧力に特に制限はないが、通常、大気圧下で反応を実施できる。
得られた反応混合物からのアクリル酸エステル誘導体(1−2)の分離、精製は、有機化合物の分離、精製に一般的に用いられる方法により行うことができる。例えば、反応終了後、有機層を濃縮することによりアクリル酸エステル誘導体(1−2)を分離でき、必要に応じて、再結晶、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどで精製を行うことにより得られる高純度のアクリル酸エステル誘導体(1−2)を得ることができる。
反応Fにより製造し得るアクリル酸エステル誘導体(1−2)の具体例を以下に示すが、特にこれらに限定されない。
《高分子化合物》
アクリル酸エステル誘導体(1)を構成単位として含有する高分子化合物、すなわち、アクリル酸エステル誘導体(1)を単独で重合してなる重合体またはアクリル酸エステル誘導体(1)と他の重合性化合物とを共重合してなる共重合体は、半導体用フォトレジスト組成物用の高分子化合物として有用である。
該高分子化合物は、下記一般式(a0)で表される構成単位(a0)を有する。
アクリル酸エステル誘導体(1)を構成単位として含有する高分子化合物、すなわち、アクリル酸エステル誘導体(1)を単独で重合してなる重合体またはアクリル酸エステル誘導体(1)と他の重合性化合物とを共重合してなる共重合体は、半導体用フォトレジスト組成物用の高分子化合物として有用である。
該高分子化合物は、下記一般式(a0)で表される構成単位(a0)を有する。
(式中、R1〜R9、Wおよびnは前記定義のとおりである。)
以下に、前記構成単位(a0)の具体例を示す。以下の各式中、R9は水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基である。
以下に、前記構成単位(a0)の具体例を示す。以下の各式中、R9は水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基である。
該高分子化合物は、アクリル酸エステル誘導体(1)に基づく構成単位(a0)を、0モル%を超え100モル%以下の範囲で含有し、LWRの改善効果および高解像度のフォトレジストパターンを得る観点から、好ましくは5〜80モル%、より好ましくは10〜70モル%、さらに好ましくは10〜50モル%含有する。
アクリル酸エステル誘導体(1)と共重合させることができる他の重合性化合物(以下、共重合単量体と称する。)の具体例としては、例えば下記の化学式で示される化合物などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。
上記式(I)〜(IX)中、R10は炭素数1〜3のアルキル基または炭素数3〜10の環状炭化水素基を表し、R11は重合性基含有基を表す。R12は水素原子または−COOR13(R13は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)を表す。Y1は酸素原子もしくは−CH2−を表す。dは1〜5の整数を表す。
共重合単量体において、R10およびR13が表す炭素数1〜3のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。R10が表す炭素数3〜10の環状炭化水素基としては、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられる。また、R11が表す重合性基含有基中の重合性基としては、例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、ビニルスルホニル基などが挙げられる。
共重合単量体において、R10およびR13が表す炭素数1〜3のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。R10が表す炭素数3〜10の環状炭化水素基としては、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられる。また、R11が表す重合性基含有基中の重合性基としては、例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、ビニルスルホニル基などが挙げられる。
上記(I)の具体例を以下に示すが、特にこれらに限定されない。
上記(II)の具体例を以下に示すが、特にこれらに限定されない。
上記(III)の具体例を以下に示すが、特にこれらに限定されない。
上記(IV)の具体例を以下に示すが、特にこれらに限定されない。
上記(V)の具体例を以下に示すが、特にこれらに限定されない。
上記(VI)の具体例を以下に示すが、特にこれらに限定されない。
上記(VII)の具体例を以下に示すが、特にこれらに限定されない。
上記(VIII)の具体例を以下に示すが、特にこれらに限定されない。
上記(IX)の具体例を以下に示すが、特にこれらに限定されない。
以上の中でも、共重合単量体としては、好ましくは上記式(I)、(II)、(IV)、(V)、(VII)で表される共重合単量体であり、より好ましくは、式(I)で表される共重合単量体および式(VII)で表される共重合単量体の併用である。
《高分子化合物の製造》
本発明の高分子化合物は、常法に従って、ラジカル重合により製造することができる。特に、分子量分布が小さい高分子化合物を合成する方法としては、リビングラジカル重合などを挙げることができる。
一般的なラジカル重合方法は、必要に応じて1種以上のアクリル酸エステル誘導体(1)および必要に応じて1種以上の上記共重合単量体を、ラジカル重合開始剤および溶媒、並びに必要に応じて連鎖移動剤の存在下に重合させる。
ラジカル重合の実施方法には特に制限はなく、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法など、例えばアクリル系樹脂を製造する際に用いる慣用の方法を使用できる。
本発明の高分子化合物は、常法に従って、ラジカル重合により製造することができる。特に、分子量分布が小さい高分子化合物を合成する方法としては、リビングラジカル重合などを挙げることができる。
一般的なラジカル重合方法は、必要に応じて1種以上のアクリル酸エステル誘導体(1)および必要に応じて1種以上の上記共重合単量体を、ラジカル重合開始剤および溶媒、並びに必要に応じて連鎖移動剤の存在下に重合させる。
ラジカル重合の実施方法には特に制限はなく、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法など、例えばアクリル系樹脂を製造する際に用いる慣用の方法を使用できる。
前記ラジカル重合開始剤としては、例えばt−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシドなどのヒドロパーオキシド化合物;ジt−ブチルパーオキシド、t−ブチル−α−クミルパーオキシド、ジα−クミルパーオキシドなどのジアルキルパーオキシド化合物;ベンゾイルパーオキシド、ジイソブチリルパーオキシドなどのジアシルパーオキシド化合物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、アゾビスイソ酪酸ジメチルなどのアゾ化合物などが挙げられる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、重合反応に用いるアクリル酸エステル誘導体(1)、共重合単量体、連鎖移動剤、溶媒の種類および使用量、重合温度などの重合条件に応じて適宜選択できるが、全重合性化合物[アクリル酸エステル誘導体(1)と共重合単量体の合計量であり、以下同様である。]1モルに対して、通常、好ましくは0.005〜0.2モル、より好ましくは0.01〜0.15モルである。
ラジカル重合開始剤の使用量は、重合反応に用いるアクリル酸エステル誘導体(1)、共重合単量体、連鎖移動剤、溶媒の種類および使用量、重合温度などの重合条件に応じて適宜選択できるが、全重合性化合物[アクリル酸エステル誘導体(1)と共重合単量体の合計量であり、以下同様である。]1モルに対して、通常、好ましくは0.005〜0.2モル、より好ましくは0.01〜0.15モルである。
前記溶媒としては、重合反応を阻害しなければ特に制限はなく、例えばプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル;乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテルなどが挙げられる。
溶媒の使用量は、全重合性化合物1質量部に対して、通常、好ましくは0.5〜20質量部、経済性の観点からは、より好ましくは1〜10質量部である。
溶媒の使用量は、全重合性化合物1質量部に対して、通常、好ましくは0.5〜20質量部、経済性の観点からは、より好ましくは1〜10質量部である。
前記連鎖移動剤としては、例えばドデカンチオール、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸などのチオール化合物が挙げられる。連鎖移動剤を使用する場合、その使用量は全重合性化合物1モルに対して、通常、好ましくは0.005〜0.2モル、より好ましくは0.01〜0.15モルである。
重合温度は、通常、好ましくは40〜150℃であり、生成する高分子化合物の安定性の観点から、より好ましくは60〜120℃である。
重合反応の時間は、アクリル酸エステル誘導体(1)、共重合単量体、重合開始剤、連鎖移動剤、溶媒の種類および使用量、重合反応の温度などの重合条件により異なるが、通常、好ましくは30分〜48時間、より好ましくは1時間〜24時間である。
重合反応は、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下に実施することが好ましい。
重合反応の時間は、アクリル酸エステル誘導体(1)、共重合単量体、重合開始剤、連鎖移動剤、溶媒の種類および使用量、重合反応の温度などの重合条件により異なるが、通常、好ましくは30分〜48時間、より好ましくは1時間〜24時間である。
重合反応は、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下に実施することが好ましい。
こうして得られる高分子化合物は、再沈殿などの通常の操作により単離することが可能である。単離した高分子化合物は真空乾燥などで乾燥することもできる。
再沈殿の操作で用いる溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;ニトロメタンなどのニトロ化炭化水素;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン;酢酸などのカルボン酸;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネートなどのカーボネート;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール;水が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を混合して使用してもよい。
再沈殿の操作で用いる溶媒の使用量は、高分子化合物の種類、溶媒の種類により異なるが、通常、高分子化合物1質量部に対して0.5〜100質量部であるのが好ましく、経済性の観点からは、1〜50質量部であるのがより好ましい。
再沈殿の操作で用いる溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;ニトロメタンなどのニトロ化炭化水素;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン;酢酸などのカルボン酸;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネートなどのカーボネート;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール;水が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を混合して使用してもよい。
再沈殿の操作で用いる溶媒の使用量は、高分子化合物の種類、溶媒の種類により異なるが、通常、高分子化合物1質量部に対して0.5〜100質量部であるのが好ましく、経済性の観点からは、1〜50質量部であるのがより好ましい。
高分子化合物の重量平均分子量(Mw)に特に制限は無いが、好ましくは500〜50,000、より好ましくは1,000〜30,000、さらに好ましくは5,000〜15,000であると、後述するフォトレジスト組成物の成分としての有用性が高い。かかる重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)測定により求めた標準ポリスチレン換算の値である。
また、高分子化合物の分子量分布(Mw/Mn)に特に制限は無いが、好ましくは1.0〜3.0、より好ましくは1.0〜2.0であると、後述するフォトレジスト組成物の成分としての有用性が高い。かかるMwおよび数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)測定により求めた標準ポリスチレン換算の値である。
また、高分子化合物の分子量分布(Mw/Mn)に特に制限は無いが、好ましくは1.0〜3.0、より好ましくは1.0〜2.0であると、後述するフォトレジスト組成物の成分としての有用性が高い。かかるMwおよび数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)測定により求めた標準ポリスチレン換算の値である。
《フォトレジスト組成物》
前記した高分子化合物、光酸発生剤および溶剤、並びに必要に応じて塩基性化合物、界面活性剤およびその他の添加物を配合することにより、フォトレジスト組成物を調製する。以下、各成分について説明する。
前記した高分子化合物、光酸発生剤および溶剤、並びに必要に応じて塩基性化合物、界面活性剤およびその他の添加物を配合することにより、フォトレジスト組成物を調製する。以下、各成分について説明する。
<光酸発生剤>
光酸発生剤としては、従来、化学増幅型レジストに通常用いられる公知の光酸発生剤を特に制限無く用いることができる。該光酸発生剤としては、例えばヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系光酸発生剤;オキシムスルホネート系光酸発生剤;ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン系光酸発生剤;ニトロベンジルスルホネート系光酸発生剤;イミノスルホネート系光酸発生剤;ジスルホン系光酸発生剤などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、オニウム塩系光酸発生剤が好ましく、さらに、発生する酸の強度が強いという観点から、フッ素含有アルキルスルホン酸イオンをアニオンとして含む下記の含フッ素オニウム塩が好ましい。
光酸発生剤としては、従来、化学増幅型レジストに通常用いられる公知の光酸発生剤を特に制限無く用いることができる。該光酸発生剤としては、例えばヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系光酸発生剤;オキシムスルホネート系光酸発生剤;ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン系光酸発生剤;ニトロベンジルスルホネート系光酸発生剤;イミノスルホネート系光酸発生剤;ジスルホン系光酸発生剤などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、オニウム塩系光酸発生剤が好ましく、さらに、発生する酸の強度が強いという観点から、フッ素含有アルキルスルホン酸イオンをアニオンとして含む下記の含フッ素オニウム塩が好ましい。
上記含フッ素オニウム塩の具体例としては、例えばジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート;ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート;トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート;トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート;ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート;モノフェニルジメチルスルホニウムのトリフルオロンメタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート;ジフェニルモノメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート;(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート;(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート;トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネートなどが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
光酸発生剤の配合量は、フォトレジスト組成物の感度および現像性を確保する観点から、前記高分子化合物100質量部に対して、通常、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましくは0.5〜10質量部である。
光酸発生剤の配合量は、フォトレジスト組成物の感度および現像性を確保する観点から、前記高分子化合物100質量部に対して、通常、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましくは0.5〜10質量部である。
<溶剤>
フォトレジスト組成物に配合する溶剤としては、例えばプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル;乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテルなどが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
溶剤の配合量は、高分子化合物1質量部に対して、通常、1〜50質量部であるのが好ましく、2〜25質量部であるのが好ましい。
フォトレジスト組成物に配合する溶剤としては、例えばプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル;乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテルなどが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
溶剤の配合量は、高分子化合物1質量部に対して、通常、1〜50質量部であるのが好ましく、2〜25質量部であるのが好ましい。
<塩基性化合物>
フォトレジスト組成物には、フォトレジスト膜中における酸の拡散速度を抑制して解像度を向上するために、必要に応じて塩基性化合物をフォトレジスト組成物の特性が阻害されない範囲の量で配合することができる。かかる塩基性化合物としては、例えばホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−(1−アダマンチル)アセトアミド、ベンズアミド、N−アセチルエタノールアミン、1−アセチル−3−メチルピペリジン、ピロリドン、N−メチルピロリドン、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、2−ピロリジノン、アクリルアミド、メタクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどのアミド;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、ニコチン、キノリン、アクリジン、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、ベンズイミダゾール、ピラジン、ピラゾール、ピロリジン、N−t−ブトキシカルボニルピロリジン、ピペリジン、テトラゾール、モルホリン、4−メチルモルホリン、ピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリエタノールアミンなどのアミンを挙げることができる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
塩基性化合物を配合する場合、その配合量は使用する塩基性化合物の種類により異なるが、光酸発生剤1モルに対して、通常、好ましくは0.01〜10モル、より好ましくは0.05〜1モルである。
フォトレジスト組成物には、フォトレジスト膜中における酸の拡散速度を抑制して解像度を向上するために、必要に応じて塩基性化合物をフォトレジスト組成物の特性が阻害されない範囲の量で配合することができる。かかる塩基性化合物としては、例えばホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−(1−アダマンチル)アセトアミド、ベンズアミド、N−アセチルエタノールアミン、1−アセチル−3−メチルピペリジン、ピロリドン、N−メチルピロリドン、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、2−ピロリジノン、アクリルアミド、メタクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどのアミド;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、ニコチン、キノリン、アクリジン、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、ベンズイミダゾール、ピラジン、ピラゾール、ピロリジン、N−t−ブトキシカルボニルピロリジン、ピペリジン、テトラゾール、モルホリン、4−メチルモルホリン、ピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリエタノールアミンなどのアミンを挙げることができる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
塩基性化合物を配合する場合、その配合量は使用する塩基性化合物の種類により異なるが、光酸発生剤1モルに対して、通常、好ましくは0.01〜10モル、より好ましくは0.05〜1モルである。
<界面活性剤>
フォトレジスト組成物には、塗布性を向上させるため、所望により、さらに界面活性剤をフォトレジスト組成物の特性が阻害されない範囲の量で配合することができる。
かかる界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテルなどが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤を配合する場合、その配合量は、高分子化合物100質量部に対して、通常、好ましくは2質量部以下である。
フォトレジスト組成物には、塗布性を向上させるため、所望により、さらに界面活性剤をフォトレジスト組成物の特性が阻害されない範囲の量で配合することができる。
かかる界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテルなどが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤を配合する場合、その配合量は、高分子化合物100質量部に対して、通常、好ましくは2質量部以下である。
<その他の添加剤>
さらに、フォトレジスト組成物には、その他の添加剤として、増感剤、ハレーション防止剤、形状改良剤、保存安定剤、消泡剤などを、フォトレジスト組成物の特性が阻害されない範囲の量で配合することができる。
さらに、フォトレジスト組成物には、その他の添加剤として、増感剤、ハレーション防止剤、形状改良剤、保存安定剤、消泡剤などを、フォトレジスト組成物の特性が阻害されない範囲の量で配合することができる。
(フォトレジストパターンの形成方法)
フォトレジスト組成物を基板に塗布し、通常、好ましくは70〜160℃で1〜10分間プリベークし、所定のマスクを介して放射線を照射(露光)後、好ましくは70〜160℃で1〜5分間ポストエクスポージャーベークして潜像パターンを形成し、次いで現像液を用いて現像することにより、所定のレジストパターンを形成することができる。
フォトレジスト組成物を基板に塗布し、通常、好ましくは70〜160℃で1〜10分間プリベークし、所定のマスクを介して放射線を照射(露光)後、好ましくは70〜160℃で1〜5分間ポストエクスポージャーベークして潜像パターンを形成し、次いで現像液を用いて現像することにより、所定のレジストパターンを形成することができる。
露光には、種々の波長の放射線、例えば、紫外線、X線などが利用でき、半導体レジスト用では、通常、g線、i線、XeCl、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザーが使用されるが、これらの中でも、微細加工の観点から、ArFエキシマレーザーを使用するのが好ましい。
露光量は、0.1〜1000mJ/cm2であるのが好ましく、1〜500mJ/cm2であるのがより好ましい。
露光量は、0.1〜1000mJ/cm2であるのが好ましく、1〜500mJ/cm2であるのがより好ましい。
現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水などの無機塩基;エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどのアルキルアミン;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドなどの第四級アンモニウム塩などを溶解したアルカリ性水溶液などが挙げられる。これらの中でも、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドなどの第四級アンモニウム塩を溶解したアルカリ性水溶液を使用するのが好ましい。
現像液の濃度は、通常、0.1〜20質量%であるのが好ましく、0.1〜10質量%であるのがより好ましい。
現像液の濃度は、通常、0.1〜20質量%であるのが好ましく、0.1〜10質量%であるのがより好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
なお、NMRによる分析において、1H−NMRの内部標準および13C−NMRの内部標準はテトラメチルシラン(TMS)である。また、19F−NMRの内部標準はヘキサフルオロベンゼンである(但し、ヘキサフルオロベンゼンのピークを−160ppmとした)。
なお、NMRによる分析において、1H−NMRの内部標準および13C−NMRの内部標準はテトラメチルシラン(TMS)である。また、19F−NMRの内部標準はヘキサフルオロベンゼンである(但し、ヘキサフルオロベンゼンのピークを−160ppmとした)。
<合成例1>ジカルボン酸誘導体(9)の合成(反応A)
攪拌装置および温度計を取り付けた内容積500mLの三つ口フラスコに、アセチレンジカルボン酸30.73g(0.27mol)、蒸留水45g、フラン131.91g(1.94mol)を仕込み、内温25℃で12日間静置した。析出した固体をろ過により回収し、蒸留水で洗浄後、減圧下で乾燥することで、灰色固体として下記構造のジカルボン酸誘導体(9)34.6g(0.14mol、アセチレンジカルボン酸に対して収率51%)を得た。
攪拌装置および温度計を取り付けた内容積500mLの三つ口フラスコに、アセチレンジカルボン酸30.73g(0.27mol)、蒸留水45g、フラン131.91g(1.94mol)を仕込み、内温25℃で12日間静置した。析出した固体をろ過により回収し、蒸留水で洗浄後、減圧下で乾燥することで、灰色固体として下記構造のジカルボン酸誘導体(9)34.6g(0.14mol、アセチレンジカルボン酸に対して収率51%)を得た。
1H−NMR(400MHz、MeOD、TMS、ppm)δ:5.08(4H,s)、6.67(4H,s)
<合成例2>モノラクトン誘導体(10)の合成(反応B)
攪拌装置および温度計を取り付けた内容積500mLの三つ口フラスコに、合成例1の方法で得たジカルボン酸誘導体(9)9.37g(37mmol)、酢酸119gを仕込み、攪拌しながら内温10℃に冷却した。次いで、25%臭化水素/酢酸溶液117g(臭化水素365mmol)を30分かけて滴下し、内温25℃まで昇温し、20時間攪拌した。反応液を減圧下で濃縮することにより、黒色オイルとして下記構造のモノラクトン誘導体(10)2.4g(9.6mmol、ジカルボン酸誘導体(9)に対して収率25%)を得た。
攪拌装置および温度計を取り付けた内容積500mLの三つ口フラスコに、合成例1の方法で得たジカルボン酸誘導体(9)9.37g(37mmol)、酢酸119gを仕込み、攪拌しながら内温10℃に冷却した。次いで、25%臭化水素/酢酸溶液117g(臭化水素365mmol)を30分かけて滴下し、内温25℃まで昇温し、20時間攪拌した。反応液を減圧下で濃縮することにより、黒色オイルとして下記構造のモノラクトン誘導体(10)2.4g(9.6mmol、ジカルボン酸誘導体(9)に対して収率25%)を得た。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6、TMS、ppm)δ:1.81−1.98(2H,m)、4.73−4.76(1H,m)、4.85(1H,d,J=2.4Hz)、5.00(1H,d,J=0.8Hz)、5.03(1H,d,J=1.3Hz)、5.27(1H,d,J=4.6Hz)、6.43(1H,dd,J=1.7,5.7Hz)、6.70(1H,dd,J=1.7,5.7Hz)
<実施例1>アルコール誘導体(2)の合成(反応C)
攪拌装置および温度計を取り付けた内容積500mLの三つ口フラスコに、合成例2の方法で得たモノラクトン誘導体(10)9.8g(39mmol)、ギ酸3.9g(85mmol)、蒸留水260gを仕込み、攪拌しながら内温50℃に加温した。次いで、30%過酸化水素水10g(過酸化水素88mmol)を30分かけて滴下し、内温50℃で18時間攪拌した。内温を10〜20℃の範囲でヨウ化カリウムでんぷん紙により過酸化物が検出されなくなるまで、10%亜硫酸ナトリウム水溶液を滴下した。酢酸エチル250gで4回抽出を行い、得られた有機層を合わせ、蒸留水250gで2回洗浄を行った後、減圧下で濃縮することにより、茶色固体6.46gを得た。この固体をメタノール30mlで洗浄後、ろ過により回収し、減圧下で乾燥することで、茶色固体として下記構造のアルコール誘導体(2)3.8g(14.3mmol、モノラクトン誘導体(10)に対して収率37%)を得た。
攪拌装置および温度計を取り付けた内容積500mLの三つ口フラスコに、合成例2の方法で得たモノラクトン誘導体(10)9.8g(39mmol)、ギ酸3.9g(85mmol)、蒸留水260gを仕込み、攪拌しながら内温50℃に加温した。次いで、30%過酸化水素水10g(過酸化水素88mmol)を30分かけて滴下し、内温50℃で18時間攪拌した。内温を10〜20℃の範囲でヨウ化カリウムでんぷん紙により過酸化物が検出されなくなるまで、10%亜硫酸ナトリウム水溶液を滴下した。酢酸エチル250gで4回抽出を行い、得られた有機層を合わせ、蒸留水250gで2回洗浄を行った後、減圧下で濃縮することにより、茶色固体6.46gを得た。この固体をメタノール30mlで洗浄後、ろ過により回収し、減圧下で乾燥することで、茶色固体として下記構造のアルコール誘導体(2)3.8g(14.3mmol、モノラクトン誘導体(10)に対して収率37%)を得た。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6、TMS、ppm)δ:1.87−1.94(1H,m)、2.68(1H,d,J=14.3Hz)、4.48(1H,dd,J=1.3,5.1Hz)、4.71(1H,s)、4.74(1H,s)、4.87(1H,dd,J=5.1,8.1Hz)、4.91(1H,d,J=5.0Hz)、5.38(1H,d,J=5.1Hz)、5.43(1H,d,J=5.1Hz)
<実施例2>アクリル酸エステル誘導体(1−1)の合成(反応D)
攪拌装置および温度計を取り付けた内容積50mLの三つ口フラスコに、実施例1の方法で得たアルコール誘導体(2)3.1g(12mmol)、フェノチアジン3mg、N,N−ジメチルホルムアミド28g、トリエチルアミン3.05g(30mmol)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン0.15g(1.2mmol)を仕込み、攪拌しながら内温10℃に冷却した。次いで、メタクリル酸クロライド2.03g(19mmol)を30分かけて滴下し、内温20℃で23時間攪拌した。内温を3〜10℃の範囲で蒸留水29gを加え、ろ過によりろ物を回収し、茶色固体2.8gを得た。この固体をγ−ブチロラクトン70gに溶解させ、ジイソプロピルエーテル600gへ30分かけて滴下した。析出した固体をろ過により回収し、減圧下で乾燥することで、薄茶色固体として下記構造のアクリル酸エステル誘導体(1−1)0.9g(2.7mmol、アルコール誘導体(2)に対して収率23%)を得た。
攪拌装置および温度計を取り付けた内容積50mLの三つ口フラスコに、実施例1の方法で得たアルコール誘導体(2)3.1g(12mmol)、フェノチアジン3mg、N,N−ジメチルホルムアミド28g、トリエチルアミン3.05g(30mmol)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン0.15g(1.2mmol)を仕込み、攪拌しながら内温10℃に冷却した。次いで、メタクリル酸クロライド2.03g(19mmol)を30分かけて滴下し、内温20℃で23時間攪拌した。内温を3〜10℃の範囲で蒸留水29gを加え、ろ過によりろ物を回収し、茶色固体2.8gを得た。この固体をγ−ブチロラクトン70gに溶解させ、ジイソプロピルエーテル600gへ30分かけて滴下した。析出した固体をろ過により回収し、減圧下で乾燥することで、薄茶色固体として下記構造のアクリル酸エステル誘導体(1−1)0.9g(2.7mmol、アルコール誘導体(2)に対して収率23%)を得た。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6、TMS、ppm)δ:1.87−1.94(1H,m)、1.89(3H,s)、2.58(1H,d,J=14.4Hz)、4.85(1H,dd,J=1.4,5.2Hz)、4.96(1H,dd,J=5.1,8.0Hz)、4.99(1H,d,J=5.0Hz)、5.08(1H,s)、5.51−5.54(1H,m)、5.66(1H,s)、5.76(1H,t,J=1.5Hz)、6.06(1H,t,J=1.1Hz)
<実施例3>ハロエステル誘導体(5)の合成(反応E)
攪拌装置、温度計を取り付けた内容積100mLの三つ口フラスコに、実施例1の方法で得たアルコール誘導体(2)3.0g(11.3mmоl)、テトラヒドロフラン40g、ピリジン1.36g(17.2mmоl)を仕込み、攪拌しながら10℃に冷却した。次いで、クロロアセチルクロリド1.88g(16.7mmоl)を滴下し、10℃で4時間攪拌した。反応混合物に蒸留水40gを加え、析出した固体をろ過により回収し、蒸留水で洗浄後、減圧下で乾燥することで、白色固体として下記構造のハロエステル誘導体(5)2.83g(8.2mmol、アルコール誘導体(2)に対して収率73%)を得た。
攪拌装置、温度計を取り付けた内容積100mLの三つ口フラスコに、実施例1の方法で得たアルコール誘導体(2)3.0g(11.3mmоl)、テトラヒドロフラン40g、ピリジン1.36g(17.2mmоl)を仕込み、攪拌しながら10℃に冷却した。次いで、クロロアセチルクロリド1.88g(16.7mmоl)を滴下し、10℃で4時間攪拌した。反応混合物に蒸留水40gを加え、析出した固体をろ過により回収し、蒸留水で洗浄後、減圧下で乾燥することで、白色固体として下記構造のハロエステル誘導体(5)2.83g(8.2mmol、アルコール誘導体(2)に対して収率73%)を得た。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6、TMS、ppm)δ:1.92−2.00(1H,m)、2.67−2.75(1H,m)、4.41(2H,s)、4.57−4.62(1H,m)、4.67(1H,s)、4.84(1H,s)、5.21(1H,s)、5.26(1H,dd,j=4.7,7.6Hz)、5.26(1H,d,j=5.2Hz)、5.61(1H,d,j=5.2Hz)、5.69(1H,d,j=4.7Hz)
<実施例4>アクリル酸エステル誘導体(1−2)の合成(反応F)
攪拌装置、温度計を取り付けた内容積50mlの三つ口フラスコに、実施例3の方法で得たハロエステル誘導体(5)2g(5.8mmоl)、フェノチアジン5mg、N,N−ジメチルホルムアミド11.9g、炭酸カリウム0.56g(4.1mmоl)、およびヨウ化カリウム0.09g(0.5mmоl)を仕込み、20℃で攪拌した。次いで、メタクリル酸0.55g(6.4mmоl)を加えて20℃で5時間攪拌した。
反応混合物に酢酸エチル10gと蒸留水10gを加えて攪拌した後、有機層と水層に分離し、水層を酢酸エチル10gで2回再抽出を行った。得られた有機層を統合し、蒸留水10gで2回洗浄した後に濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル=3/7[容積比])で精製することにより、下記構造のアクリル酸エステル誘導体(1−2)1.4g(3.6mmol、ハロエステル誘導体(5)に対して収率60%)を得た。
攪拌装置、温度計を取り付けた内容積50mlの三つ口フラスコに、実施例3の方法で得たハロエステル誘導体(5)2g(5.8mmоl)、フェノチアジン5mg、N,N−ジメチルホルムアミド11.9g、炭酸カリウム0.56g(4.1mmоl)、およびヨウ化カリウム0.09g(0.5mmоl)を仕込み、20℃で攪拌した。次いで、メタクリル酸0.55g(6.4mmоl)を加えて20℃で5時間攪拌した。
反応混合物に酢酸エチル10gと蒸留水10gを加えて攪拌した後、有機層と水層に分離し、水層を酢酸エチル10gで2回再抽出を行った。得られた有機層を統合し、蒸留水10gで2回洗浄した後に濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル=3/7[容積比])で精製することにより、下記構造のアクリル酸エステル誘導体(1−2)1.4g(3.6mmol、ハロエステル誘導体(5)に対して収率60%)を得た。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6、TMS、ppm)δ:1.93−2.01(1H,m)、1.99(3H,s)、2.69−2.76(2H,m)、4.54(2H,s)、4.61−4.65(1H,m)、4.72(1H,s)、4.91(1H,s)、5.25(1H,dd)、5.53−5.58(1H,m)、5.65(1H,s)、5.79(1H,s)、6.11(1H,s)
<実施例5>高分子化合物(a)の合成
温度計、還流管、窒素導入管を繋いだセパラブルフラスコに、化合物(VII−2)7.4g(43.5mmol)、化合物(I−2)10.2g(43.5mmоl)、実施例2の方法で得られたアクリル酸エステル誘導体(1−1)7.3g(21.8mmоl)を入れ、テトラヒドロフラン(THF)45gに溶解させた。この溶液に、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソ酪酸ジメチル(V−601、和光純薬工業社製)を26.2mmоl添加し、溶解させた。これを窒素雰囲気下、5時間かけて、65℃に加熱したTHF25gに滴下した。滴下終了後、反応液を1時間加熱攪拌し、その後、反応液を室温まで冷却した。得られた重合反応液を、大量のメタノール/水混合溶媒に滴下し、反応生成物を析出させる操作を行い、沈殿した反応生成物をろ別、洗浄、乾燥して、下記式で示される高分子化合物(a)を12.8g得た。
この高分子化合物(a)のMwは10400であり、Mw/Mnは1.59であった。また、13C−NMR(600MHz)により求められた共重合組成比はp/q/r=39/41/20であった。
温度計、還流管、窒素導入管を繋いだセパラブルフラスコに、化合物(VII−2)7.4g(43.5mmol)、化合物(I−2)10.2g(43.5mmоl)、実施例2の方法で得られたアクリル酸エステル誘導体(1−1)7.3g(21.8mmоl)を入れ、テトラヒドロフラン(THF)45gに溶解させた。この溶液に、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソ酪酸ジメチル(V−601、和光純薬工業社製)を26.2mmоl添加し、溶解させた。これを窒素雰囲気下、5時間かけて、65℃に加熱したTHF25gに滴下した。滴下終了後、反応液を1時間加熱攪拌し、その後、反応液を室温まで冷却した。得られた重合反応液を、大量のメタノール/水混合溶媒に滴下し、反応生成物を析出させる操作を行い、沈殿した反応生成物をろ別、洗浄、乾燥して、下記式で示される高分子化合物(a)を12.8g得た。
この高分子化合物(a)のMwは10400であり、Mw/Mnは1.59であった。また、13C−NMR(600MHz)により求められた共重合組成比はp/q/r=39/41/20であった。
<実施例6>高分子化合物(b)の合成
実施例5において、化合物(VII−2)7.4g(43.5mmol)、化合物(I−2)10.2g(43.5mmоl)、実施例3の方法で得られたアクリル酸エステル誘導体(1−2)8.5g(21.8mmоl)を用いた以外は実施例5と同様の操作を行い、下記式で示される高分子化合物(b)を11.9g得た。この高分子化合物(b)のMwは10500であり、Mw/Mnは1.61であった。また、13C−NMR(600MHz)により求められた共重合組成比はp/q/r=38/43/19であった。
実施例5において、化合物(VII−2)7.4g(43.5mmol)、化合物(I−2)10.2g(43.5mmоl)、実施例3の方法で得られたアクリル酸エステル誘導体(1−2)8.5g(21.8mmоl)を用いた以外は実施例5と同様の操作を行い、下記式で示される高分子化合物(b)を11.9g得た。この高分子化合物(b)のMwは10500であり、Mw/Mnは1.61であった。また、13C−NMR(600MHz)により求められた共重合組成比はp/q/r=38/43/19であった。
<参考例1>高分子化合物(c)の合成
実施例5において、化合物(VII−2)7.4g(43.5mmol)、化合物(I−2)10.2g(43.5mmоl)、化合物(V−2)6.0g(26.8mmоl)を用いた以外は実施例5と同様の操作を行い、下記式で示される高分子化合物(c)を11.2g得た。
この高分子化合物(c)のMwは9800であり、Mw/Mnは1.73であった。また、13C−NMR(600MHz)により求められた共重合組成比はp/q/r=39/39/22であった。
実施例5において、化合物(VII−2)7.4g(43.5mmol)、化合物(I−2)10.2g(43.5mmоl)、化合物(V−2)6.0g(26.8mmоl)を用いた以外は実施例5と同様の操作を行い、下記式で示される高分子化合物(c)を11.2g得た。
この高分子化合物(c)のMwは9800であり、Mw/Mnは1.73であった。また、13C−NMR(600MHz)により求められた共重合組成比はp/q/r=39/39/22であった。
<参考例2>高分子化合物(d)の合成
実施例5において、化合物(VII−2)6.8g(39.7mmol)、化合物(I−2)9.8g(41.7mmоl)、化合物(V−5)7.6g(26.8mmоl)を用いた以外は実施例5と同様の操作を行い、下記式で示される高分子化合物(d)を11.5g得た。この高分子化合物(d)のMwは11000であり、Mw/Mnは1.61であった。また、13C−NMR(600MHz)により求められた共重合組成比はp/q/r=41/40/19であった。
実施例5において、化合物(VII−2)6.8g(39.7mmol)、化合物(I−2)9.8g(41.7mmоl)、化合物(V−5)7.6g(26.8mmоl)を用いた以外は実施例5と同様の操作を行い、下記式で示される高分子化合物(d)を11.5g得た。この高分子化合物(d)のMwは11000であり、Mw/Mnは1.61であった。また、13C−NMR(600MHz)により求められた共重合組成比はp/q/r=41/40/19であった。
<評価例1〜4>
実施例5〜6および参考例1〜2で得られた高分子化合物(a)、(b)、(c)、または(d)を100質量部、光酸発生剤として「TPS−109」(製品名、成分;ノナフルオロ−n−ブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、みどり化学株式会社製)4.5質量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/シクロヘキサノン混合溶剤(質量比=1:1)1896質量部を混合し、4種類のフォトレジスト組成物を調製した。
これらのフォトレジスト組成物を、孔径0.2μmのメンブランフィルターを用いてそれぞれろ過した。次いで、クレゾールノボラック樹脂(群栄化学工業株式会社製「PS−6937」)6質量%濃度のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液をスピンコーティング法により塗布して、ホットプレート上で200℃、90秒間加熱することにより膜厚100nmの反射防止膜(下地膜)を形成させた直径10cmのシリコンウェハー上に、フォトレジスト組成物をそれぞれスピンコーティング法により塗布し、ホットプレート上で130℃、90秒間プリベークして膜厚300nmのレジスト膜を形成させた。このレジスト膜に波長193nmのArFエキシマレーザーを用いて二光束干渉法露光した。引き続き、130℃、90秒間ポストエクスポージャーベークした後、2.38質量%−テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて60秒間現像処理することにより、1:1のラインアンドスペースパターンを形成させた。現像済みウェハーを割断したものを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、線幅100nmのラインアンドスペースを1:1で解像した露光量におけるパターンの形状観察と線幅の変動(LWR)の測定を行なった。
LWRは、測定モニタ内において、線幅を複数の位置で検出し、その検出位置のバラツキの分散(3σ)を指標とした。また、パターンの断面形状は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、パターンの矩形性が高いものを「良好」とし、短形性が低いものを「不良」として評価した。結果を表1に示す。
実施例5〜6および参考例1〜2で得られた高分子化合物(a)、(b)、(c)、または(d)を100質量部、光酸発生剤として「TPS−109」(製品名、成分;ノナフルオロ−n−ブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、みどり化学株式会社製)4.5質量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/シクロヘキサノン混合溶剤(質量比=1:1)1896質量部を混合し、4種類のフォトレジスト組成物を調製した。
これらのフォトレジスト組成物を、孔径0.2μmのメンブランフィルターを用いてそれぞれろ過した。次いで、クレゾールノボラック樹脂(群栄化学工業株式会社製「PS−6937」)6質量%濃度のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液をスピンコーティング法により塗布して、ホットプレート上で200℃、90秒間加熱することにより膜厚100nmの反射防止膜(下地膜)を形成させた直径10cmのシリコンウェハー上に、フォトレジスト組成物をそれぞれスピンコーティング法により塗布し、ホットプレート上で130℃、90秒間プリベークして膜厚300nmのレジスト膜を形成させた。このレジスト膜に波長193nmのArFエキシマレーザーを用いて二光束干渉法露光した。引き続き、130℃、90秒間ポストエクスポージャーベークした後、2.38質量%−テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて60秒間現像処理することにより、1:1のラインアンドスペースパターンを形成させた。現像済みウェハーを割断したものを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、線幅100nmのラインアンドスペースを1:1で解像した露光量におけるパターンの形状観察と線幅の変動(LWR)の測定を行なった。
LWRは、測定モニタ内において、線幅を複数の位置で検出し、その検出位置のバラツキの分散(3σ)を指標とした。また、パターンの断面形状は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、パターンの矩形性が高いものを「良好」とし、短形性が低いものを「不良」として評価した。結果を表1に示す。
表1より、アクリル酸エステル誘導体(1)に基づく構成単位を含有する高分子化合物(a)〜(b)を含有するフォトレジスト組成物は、アクリル酸エステル誘導体(1)を含有しない高分子化合物(c)〜(d)を含有するフォトレジスト組成物と比べて、良好な形状のフォトレジストパターンを形成でき、かつLWRが改善された。すなわち、高解像度のフォトレジストパターンの形成とLWRの低減とを両立させることができた。
本発明のアクリル酸エステル誘導体(1)はレジストパターンを形成するフォトレジスト組成物用の高分子化合物の原料として有用であり、半導体やプリント基板の製造において有用である。
Claims (13)
- 下記一般式(2)
で示されるアルコール誘導体と下記一般式(4)
で示されるハロカルボン酸ハライドを塩基性物質の存在下に反応させて下記一般式(5)
で示されるハロエステル誘導体を製造し、得られたハロエステル誘導体を下記一般式(6)
で示されるアクリル酸系化合物と塩基性物質の存在下に反応させる工程を有する、下記一般式(1−2)
で示されるアクリル酸エステル誘導体の製造方法。 - 下記一般式(7)
で示されるフラン誘導体と下記構造式(8)
で示されるジカルボン酸誘導体を製造し、得られたジカルボン酸誘導体を酸で処理することにより下記一般式(10)
で示されるモノラクトン誘導体を製造し、得られたモノラクトン誘導体を酸化剤で処理する工程を有する、下記一般式(2)
で示されるアルコール誘導体の製造方法。 - 請求項1に記載のアクリル酸エステル誘導体(1)を構成単位として含有する高分子化合物。
- アクリル酸エステル誘導体(1)が、請求項2に記載のアクリル酸エステル誘導体(1−1)または請求項4に記載のアクリル酸エステル誘導体(1−2)である、請求項11に記載の高分子化合物。
- 請求項11または請求項12に記載の高分子化合物、有機溶媒および光酸発生剤を含有するフォトレジスト組成物。
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JP2014037818A Pending JP2015160836A (ja) | 2014-02-28 | 2014-02-28 | 新規なアルコール誘導体、アクリル酸エステル誘導体、ハロエステル誘導体、高分子化合物およびフォトレジスト組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015160836A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019188595A1 (ja) | 2018-03-26 | 2019-10-03 | 富士フイルム株式会社 | 感光性樹脂組成物及びその製造方法、レジスト膜、パターン形成方法、並びに、電子デバイスの製造方法 |
WO2021039391A1 (ja) | 2019-08-29 | 2021-03-04 | 富士フイルム株式会社 | 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、パターン形成方法、及び、電子デバイスの製造方法 |
WO2021039429A1 (ja) | 2019-08-29 | 2021-03-04 | 富士フイルム株式会社 | 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、パターン形成方法、及び、電子デバイスの製造方法 |
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2014
- 2014-02-28 JP JP2014037818A patent/JP2015160836A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019188595A1 (ja) | 2018-03-26 | 2019-10-03 | 富士フイルム株式会社 | 感光性樹脂組成物及びその製造方法、レジスト膜、パターン形成方法、並びに、電子デバイスの製造方法 |
WO2021039391A1 (ja) | 2019-08-29 | 2021-03-04 | 富士フイルム株式会社 | 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、パターン形成方法、及び、電子デバイスの製造方法 |
WO2021039429A1 (ja) | 2019-08-29 | 2021-03-04 | 富士フイルム株式会社 | 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、パターン形成方法、及び、電子デバイスの製造方法 |
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