WO2009131141A1 - ポリエーテルポリオール、硬質ポリウレタン発泡体およびこれらの製造方法 - Google Patents

ポリエーテルポリオール、硬質ポリウレタン発泡体およびこれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

 本発明は、アルコールの脱水縮合反応により得られる高官能かつ低粘度、かつ分子量1000以上の高分子量体が少ないポリエーテルポリオールを提供することを目的とする。本発明のポリエーテルポリオールは、グリセリンと1価および/または2価のアルコールとの合計100モル%に対してグリセリンが50モル%を超える割合で、1価および/または2価のアルコールにグリセリンを滴下もしくは分割装入して脱水縮合することにより得られる。

Description

ポリエーテルポリオール、硬質ポリウレタン発泡体およびこれらの製造方法
 本発明は、グリセリンを脱水縮合して得られるポリエーテルポリオール、このポリエーテルポリオールとポリイソシアネートとを反応させることにより得られる硬質ポリウレタンおよびその製造方法に関する。
 硬質ポリウレタン発泡体の原料であるポリエーテルポリオールは、従来、開始剤である活性水素化合物にエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド、テトラヒドロフランなどの環状エーテル化合物を開環重合させる方法により製造されてきた。この方法は、環状エーテル化合物の活性が高いため、比較的穏やかな条件で反応が可能であるという優れた方法であり、この方法により製造されたポリエーテルポリオールは分子量分布が狭いという点で優れているが、環状エーテル化合物は沸点が低く、毒性も強いため、その保管や合成時の取り扱いが難しいという欠点がある。
 また、これらの環状エーテル化合物より得られるポリエーテルポリオールの平均水酸基数は、反応の性質上、開始剤中の活性水素数より高くなることはなく、場合によっては反応中の副反応により平均水酸基数が低下する可能性もある。したがって、特に高水酸基数を要求される硬質ポリウレタン発泡体用ポリエーテルポリオールを調製する際には、上記製造方法において、ペンタエリスリトールやソルビトール、糖類など多くの水酸基を持つ開始剤を選択する必要がある。しかしながら、多くの水酸基を持つ開始剤は固体状であることが多く、開始剤としての取り扱いが難しいという問題がある。
 一方、ポリエーテルポリオールは、アルコールを脱水縮合することによっても製造することができる。この方法では、アルコールとして1分子中に3以上の水酸基をもつポリオール化合物を用いることにより、理論上、ポリエーテルポリオール1分子当たりの水酸基数を増やすことができる。このような、1分子中に3以上の水酸基を持つポリオール化合物を脱水縮合して得られるポリエーテルポリオールとしては、グリセリンをアルカリ存在下で脱水縮合させて得たポリグリセリンが挙げられる(特開平2-172938号公報、特開平7-216082号公報)。硬質ポリウレタン発泡体のポリオール成分として使用する場合、縮合度が高いポリグリセリンを使用する必要があるが、ポリグリセリンは縮合度が高くなると非常に粘度が高くなるため、単独で硬質ポリウレタン発泡体のポリオール成分として使用することは困難であり、ポリグリセリンの割合が30重量%以下となるように他のポリオールと混合して使用する必要があった(特開2004-359891号公報)。
 また、本発明者らは、グリセリンと1価および/または2価のアルコールとを、これらの合計100モル%に対して、グリセリンが50モル%を超える割合で脱水縮合することにより、粘度の低いポリエーテルポリオールを得ることが出来ることを既に見出した(PCT/JP2007/070832)。
特開平2-172938号公報 特開平7-216082号公報 特開2004-359891号公報
 アルコールの脱水縮合によるポリエーテルポリオールの調製時には、反応系内に、反応性水酸基が常に存在していることから、環状エーテルを用いてポリエーテルポリオールを調製する場合と比較し、分子量分布が広くなり、高分子量体が生成しやすい。特に、グリセリンのような3価以上のアルコールを用いた場合には、高分子量体の生成を抑制することが困難である。PCT/JP2007/070832においては、粘度が低く、高官能のポリエーテルポリオールを製造する方法を開示しているが、高分子量体の抑制に関して開示されていない。
 一方、硬質ポリウレタン発泡体を製造する際には官能基数が3から6程度かつ、分子量が1000未満のポリオールを用いることが多い。これは、ポリオール分子鎖を長くすると、ポリオール分子鎖の運動性が高くなり、ポリウレタン発泡体とした際に、軟らかくなってしまうことおよび、分子量が大きなポリオールを用いると発泡時に破泡し、連続気泡のフォームとなってしまうためである。連続気泡となった場合、独立気泡の発泡体と比較して熱伝導率が上がり、断熱材としての使用が難しくなる。
 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、アルコールの脱水縮合反応により得られる高官能かつ低粘度、かつ分子量1000以上の高分子量体が少ないポリエーテルポリオールを提供することを目的としている。
 本発明に係るポリエーテルポリオールは、グリセリンと1価および/または2価のアルコールとの合計100モル%に対してグリセリンが50モル%を超える割合で、1価および/または2価のアルコールにグリセリンを滴下もしくは分割装入して脱水縮合することにより得られる。
 前記ポリエーテルポリオールの水酸基価が200~1200mgKOH/g、25℃での粘度が50000mPa・s以下であることが好ましく、1分子当たりの平均水酸基数が3以上であることがより好ましい。
 前記ポリエーテルポリオールは、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を含む触媒を用いて脱水縮合することにより得られることが好ましい。
 本発明のポリエーテルポリオールの製造方法は、グリセリンと1価および/または2価のアルコールとの合計100モル%に対してグリセリンが50モル%を超える割合で、1価および/または2価のアルコールにグリセリンを滴下もしくは分割装入して脱水縮合することを特徴とする。
 本発明のポリエーテルポリオールの製造方法は、グリセリンと1価および/または2価のアルコールとの合計100モル%に対してグリセリンが50モル%を超える割合で、1価および/または2価のアルコールおよび触媒を含んだ系にグリセリンを滴下もしくは分割装入して脱水縮合することが好ましい。
 前記触媒がアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を含むことが好ましい。
 前記グリセリンが天然油脂を加水分解または加アルコール分解して得られるクルードグリセリンであることが好ましい。
 本発明の硬質ポリウレタン発泡体は、前記記載のポリエーテルポリオールを含むポリオールとポリイソシアネートとを、触媒、発泡剤および整泡剤の存在下で反応させることにより得られる。
 本発明の硬質ポリウレタン発泡体の製造方法は、前記記載のポリエーテルポリオールを含むポリオールとポリイソシアネートとを、触媒、発泡剤および整泡剤の存在下で反応させることを特徴とする。
 本発明によると、水酸基数が多く、低粘度かつ、分子量1000以上の高分子量体が抑制されたポリエーテルポリオールを容易に得ることができる。このポリエーテルポリオールは、硬質ポリウレタン発泡体に用いられるポリオール成分として有用であり、このポリエーテルポリオールを用いて得られる硬質ポリウレタン発泡体は、建材パネル、冷蔵庫、冷凍庫、配管などの断熱材、住宅、車両などの構造支持材に利用することができる。
 本発明に係るポリエーテルポリオールは、グリセリンと1価および/または2価のアルコールとの合計100モル%に対してグリセリンが50モル%を超える割合で、1価および/または2価のアルコールにグリセリンを滴下もしくは分割装入して脱水縮合することにより得ることができる。
 硬質ポリウレタン発泡体のポリオール成分として使用できる程度の縮合度までグリセリンのみを縮合させると粘度が高くなりすぎて、硬質ポリウレタン発泡体のポリオール成分として使用することが困難となる。一方、グリセリンの割合が50モル%以下になると、ポリエーテルポリオールの水酸基数が低下し過ぎるため、硬質ポリウレタン発泡体を調製した際に発泡体の強度が低下する。グリセリンの割合は、50モル%を超えて95モル%以下が好ましく、60モル%以上90モル%以下がより好ましい。また、グリセリンを1価および/または2価のアルコールに滴下もしくは分割装入することにより、グリセリンの縮合反応が進みすぎることなく、高分子量体を抑制することが出来る。
 本発明では、上記グリセリンとして必ずしも精製されているものを使用する必要はなく、硬質ポリウレタン発泡体などの最終生成物が目的の特性を確保できる範囲内で、植物油などの天然油脂を加水分解して得られるクルードグリセリンを用いることもでき、その純度も95%以下であってもよい。カーボンニュートラルの概念を用いると、植物由来のクルードグリセリンを用いることにより、これを用いて調製されるポリオールおよびポリウレタン発泡体を燃やした場合の二酸化炭素排出量を減ずることができる。なお、ポリマーがバイオマス原料を利用していることは、ASTM D6866に規定されているように質量数14の炭素の含有量、質量数12および質量数13の炭素の含有量を測定し質量数14の炭素含有割合(14C濃度)を求めることにより判別することができる。
 具体的には、ASTM(米国標準検査法) D6866 04 (Standard Test Method for Determining the Biobased Content of Natural Range Materials Using Radiocarbon and Isotope Ratio Mass Spectrometry Analysis)に記載されているように、サンプルを燃焼してCO2とし、正確に定量したCO2ガスをAMS(Accelerated Mass Spectrometry)装置に入れて質量数14の炭素の含有量、質量数12および質量数13の炭素の含有量を測定し、大気中や石油化学品中に存在する質量数14の炭素の存在率と比較することにより判別できる。
 また、サンプルを燃焼し、得られたCO2をCO2吸収剤で吸収し、液体シンチレーションカウンターにより質量数14の炭素量を測定するか、得られたCO2をベンゼンに変換し、液体シンチレーションカウンターにより質量数14の炭素量を測定し、石油由来のものと比較することにより判別することもできる。
 石油由来原料だけでポリオールが合成される場合、質量数14の炭素は観測ざれず、植物由来の原料を用いると質量数14の炭素が観測される。二酸化炭素排出量を減ずる効果を得るには、14C濃度の値が10pMC(Percent Modern Carbon)以上であればよく、好ましくは30pMC以上、さらに好ましくは50pMC以上であればよい。
 上記1価および/または2価のアルコールは、特に制限されないが、沸点が、アルコールとグリセリンとの脱水縮合を好適に行う際の反応温度の下限である160℃以上のものが好ましい。このような1価のアルコールとしては、1-ヘプタノール、1-オクタノール、2-オクタノール、1-デカノール、1-ドデカノール、2-ドデカノール、1-トリデカノール、2-トリデカノール、1-テトラデカノール、2-テトラデカノール、7-テトラデカノール、1-ヘキサデカノール、2-ヘキサデカノール、1-オクタデカノール、カテコール、ノニルアルコール、イソデシルアルコール、イソトリデシルアルコール、シクロヘキサノール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、フェノール、p-エチルフェノール、ナフトール、キシリレノール、グアヤコール、グエトール、p-(α-クミル)フェノール、クレゾール、p-t-ブチルフェノール、フェニルフェノール、4-フェノキシフェノール等が挙げられる。2価のアルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、ヘキシレングリコール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、イソソルビド、ビスフェノールA、カテコール、4-t-ブチルカテコール、ハイドロキノン、2-t-ブチルヒドロキノン、レゾルシン、p-ヒドロキシフェネチルアルコール、1,4-ジヒドロキシナフタレン、1,4-ジヒドロキシアントラキノン、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400などが挙げられる。さらに、上記アルコールを開始剤として用いた市販の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオールのうち、1価あるいは2価のアルコールを用いることもでき、これらの例としては三井化学(株)製KB-280、KB-300、ES-41、ES-01、Diol-280、Diol-400などが挙げられる。これらのアルコールは1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 上記縮合反応を行う際、通常はグリセリンの縮合反応に用いられる公知の触媒、好ましくはアルカリ触媒を使用する。触媒濃度は、特に制限されないが、たとえば、グリセリンおよびアルコール成分の全水酸基に対して0.01~10モル%が好ましい。
 アルカリ触媒としては、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を含む触媒であることが好ましく、具体的にはナトリウム、リチウム,カリウム、カルシウム、セシウムもしくはマグネシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩もしくは酸化物などが好ましい。またアルカリ触媒として、トリス〔トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデン〕ホスホリックトリアミド(PZO)、テトラキス〔トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニデンアミノ〕ホスホニウムヒドロキシド(PZN)、トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスフィンスルフィド(PZS)などのホスファゼン触媒などを用いてもよい。これらアルカリ触媒としては、一種単独で用いても二種以上を用いてもよい。
 また、アルカリ触媒と固体酸触媒とを組み合わせて使用することも可能である。
 固体酸触媒としては、たとえば、下記(A)~(F)の触媒が挙げられる。
(A)層構造を有する珪酸塩に酸を含浸させ、乾燥した触媒(以下、「触媒A」)。
(B)Fe、Ti、Zr、Hf、Mo、W、V、Sn、Si、Al、Zn、MgおよびCaからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む無定型または結晶性の金属酸化物に酸を吸着させて焼成した触媒(以下、「触媒B」)。
(C)焼成前の上記無定型または結晶性の金属酸化物の水酸化物(部分水酸化物を含む)に酸根含有のシランカップリング剤またはチタンカップリング剤を反応させた触媒(以下、「触媒C」)。
(D)酸型のカチオン交換樹脂(以下、「触媒D」)。
(E)Cu、Zn、B、Al、Fe(II)、NiおよびMnからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む無機酸塩を焼成した触媒(以下、「触媒E」)。
(F)ヘテロポリ酸の不溶性酸性塩(以下、「触媒F」)。
 (触媒A)
 珪酸塩としては、層構造を有するものであれば特に制限されない。たとえば、スメクタイト族珪酸塩、酸性白土、活性白土、バーミキュライト等を挙げることができる。スメクタイト族珪酸塩としては、モンモリロナイト、バイデーライト、ノントロナイト、ボルコンスコアイト、サポナイト、鉄サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト等を挙げることができる。また、スメクタイト族珪酸塩を主成分とするベントナイト等を用いることもできる。
 触媒Aの原料が、層構造を有する珪酸塩以外の成分、たとえば層構造を有しない珪酸塩やその他の物質を含む場合、原料中の層構造を有する珪酸塩の含有量は、10重量%以上が好ましく20重量%以上がより好ましい。
 酸としては、無機酸および有機酸のいずれを用いてもよい。無機酸としては、たとえば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ポリリン酸、亜リン酸、過塩素酸等が挙げられる。有機酸としては、ギ酸、酢酸、蓚酸、モノクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタリンスルホン酸、ホウ酸、タングステン酸、モリブデン酸、バナジン酸、クロム酸、ヘテロポリ酸(12-タングストリン酸、12-タングストケイ酸、12-モリブドリン酸、12-モリブドケイ酸、12-タングストモリブドリン酸、12-バナドモリブドリン酸、11-モリブド-1-タングストリン酸、10-モリブド-2-タングストリン酸、8-モリブド-4-タングストリン酸、5-モリブド-7-タングストリン酸、3-モリブド-9-タングストリン酸、1-モリブド-11-タングストリン酸、11-モリブド-1-タングストケイ酸、8-モリブド-4-タングストケイ酸、6-モリブド-6-タングストケイ酸、3-モリブド-9-タングストケイ酸、1-モリブド-11-タングストケイ酸、11-タングスト-1-バナドリン酸、10-タングスト-2-バナドリン酸、8-タングスト-4-バナドリン酸、11-モリブド-1-バナドリン酸、10-モリブド-2-バナドリン酸、8-モリブド-4-バナドリン酸等)等が挙げられる。
 触媒Aは、たとえば以下の方法により製造できる。流動床装置、ドラム型混合機、リボンミキサー、高速回転ミキサー(ヘンシェルミキサー)またはV型混合機等を用いて触媒原料を流動させながら、濃度10~90重量%の酸水溶液を噴霧し、触媒原料に酸を含浸させる。酸を含浸させた触媒原料をそのまま又は必要に応じて水洗して遊離酸根を除去した後、常圧または減圧下、110~160℃で3~5時間乾燥し、さらに必要に応じて常圧または減圧下、300~1000℃で3~6時間焼成する。
 (触媒B)
 無定型または結晶性の金属酸化物は、天然物でも合成物でもよい。たとえば、ゼオライト(A、X、Y、フォージャサイト、M型、L型、オフレタイト、エリオナイト、モルデナイト、フェリエライト、クリノプチライト、ZSM-5、ZSM-11、シリカライト、ゼオライトβ、MCM-22、SSZ-26、MCM-41、MCM-48等)、置換ゼオライト(ALPO、SAPO-5、MAPO、GAPO等)、メタロシリケート(TS-1、TS-2、Ti-MCM-41、Ti-MCM-48、VS-2(I)、VS-2(II)、鉄-シリケート、マンガン-シリケート、コバルト-シリケート、亜鉛-シリケート、ホウ素-シリケート等)等を挙げることができる。
 酸は、上記触媒Aにおいて例示したものを使用することができる。
 触媒Bは、たとえば以下の方法により製造できる。流動床装置、ドラム型混合機、リボンミキサー、高速回転ミキサー(ヘンシェルミキサー)またはV型混合機等を用いて触媒原料を流動させながら、濃度10~90重量%の酸水溶液を噴霧し、触媒原料に酸を吸着させる。酸を吸着させた触媒原料をそのまま又は必要に応じて水洗して遊離酸根を除去した後、常圧または減圧下、110~160℃で3~5時間乾燥し、さらに常圧または減圧下、300~1000℃で3~6時間焼成する。
 (触媒C)
 無定型または結晶性の金属酸化物の水酸化物(部分水酸化物を含む)は、上記焼成前の金属酸化物を、水-アルコール混合溶媒中で50~110℃で1~10時間加熱することによって得ることができる。触媒Cは、この水酸化物を酸根含有のシランカップリング剤またはチタンカップリング剤を反応させることにより調製できる。また、酸根含有のシランカップリング剤またはチタンカップリング剤の代わりに酸根の前駆体基を含有するカップリング剤を用いてもよい。この場合、水酸化物と酸根の前駆体基を含有するカップリング剤とを反応させた後、前駆体基を酸根に変換する。このような変換反応としては、-Cl、-Br基のstrecker反応による-SO3H基への変換、-SH基のパーオキシド、二酸化クロム、過マンガン酸塩、ハロゲン等の酸化剤による-SO3H基への変換等が挙げられる。
 (触媒D)
 酸型のカチオン交換樹脂としては、強酸性陽イオン交換樹脂が挙げられる。この強酸性陽イオン交換樹脂はゲル型でもポーラス型でもよい。たとえば、スチレン-ジビニルベンゼン三次元共重合体、フェノール-ホルマリン縮合物のスルホン化物、テトラフルオロエチレン-パーフルオロ〔2-(フルオロスルホニルエトキシ)プロピルビニルエーテル〕共重合体等が挙げられる。
 このような強酸性陽イオン交換樹脂の市販品としては、ダイヤイオン:SKIB、SK102、SK116、PK206、PK208、PK212、PK216、HPK25、HPK55(以上、三菱化学(株)製);アンバーライト:IR120B、IR122、IR124、200C、252、200CT、デュオライト:C20、C26、C25D、ES26(以上、ローム&ハース社製)、ダウエックス:HCR-S、HGR-W2、50W-X8、MSC-1(以上、ダウケミカル社製)、アイオナック:C-240(サイブロン社製)、レバチット:S-100、S-109、SP-112、SP-120、バイエルキャタリスト:K1131、K1411、K1431、K1481、K2411、K-2431、K2441、K2461、K2611、K2631、K2641、K2661(以上、バイエル社製)、ナフィオン:117、417、ナフィオンNR-50(以上、デュポン社製)、デロキサン:ASP1/9、ASP1/7、ASPIV/6-2、ASPII/3.6%Al(以上、デグサ社製)等が挙げられる。
 (触媒E)
 触媒Eは、金属無機酸塩を常圧または減圧下、300~1000℃で3~6時間焼成することにより製造できる。無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ポリリン酸、亜リン酸、過塩素酸等が挙げられる。
 (触媒F)
 ヘテロポリ酸の不溶性酸性塩としては、Cs2.50.5PW1240等が挙げられる。
 〔脱水縮合〕
 グリセリンと1価および/または2価のアルコールとの脱水縮合に使用する反応装置は、生成する水を留出させることができる器具を備えた装置であれば、どのような反応装置を用いてもよい。たとえば、反応器上部に蒸留塔を連結し、さらに凝縮器を連結した反応装置が挙げられる。
 蒸留塔は、原料であるグリセリンならびに1価および/または2価のアルコール、反応により生成する水および低重合物等のうち、原料や低重合物などの必要な成分を反応装置へ還流し、水などの不要な成分を凝縮器に排出するために用いる。蒸留塔の理論段数は特に制限はないが、通常1~20段である。また、蒸留塔中の充填物は特に制限はないが、通常、ラシヒリング、ベルルサドル、マクマホン、キャノン、ステップマン、スルーザパッキン、ディクソンなどを用いる。蒸留塔の温度は特に制限はなく、冷媒あるいは熱媒を用いて任意の温度に設定することができる。
 凝縮器は、水や副反応で生成した低沸分を凝縮させるために用いる。凝縮は、通常冷媒を用いて行い、冷媒の温度は特に制限はないが、通常-30℃~60℃程度である。
 上記脱水縮合における反応温度は、脱水縮合が始まる温度であれば特に制限されないが、160~280℃が好ましく、200~260℃がより好ましい。また、反応時の圧力も特に制限はなく、グリセリンならびに1価および/または2価のアルコールの大部分が水とともに留出しない条件であれば、常圧、減圧、加圧のどの条件で反応を行なってもよい。
 グリセリンを、1価および/または2価のアルコールを含む反応装置に導入する際は、フィードポンプなどを用いて滴下してもかまわないし、導入するグリセリンを数回に分けて分割装入してもかまわない。また、前記グリセリンが導入される1価および/または2価のアルコールを含む反応装置は、1価および/または2価のアルコールおよび触媒を含む反応装置であることが好ましい。
 得られるポリエーテルポリオールの高分子量体を抑制するには、脱水縮合時における系内(反応装置内)のグリセリン濃度が高くならないようにすることが好ましく、分割装入においては、最終的に仕込まれるグリセリンのモル数をA、1価アルコールおよび/または2価アルコールのモル数をBとした際に分割装入回数がA/Bより多いことが好ましく、2A/Bより多いことがさらに好ましい。また、分割装入における添加の頻度はグリセリンがある程度系内で消費されるような頻度であれば特に制限はなく、任意に設定できるが、一括装入と比較して高分子量体が出来ないようにするために添加間隔を30分以上とすることが好ましい。
 滴下により反応装置にグリセリンを導入する場合には、1時間に仕込むグリセリンのモル数をCとし、1価アルコールおよび/または2価アルコールのモル数をBとした際にC/B<1であることが好ましく、C/B<0.5であることがさらに好ましい。また、反応時間をいたずらに長くしないため、C/B>0.05であることも好ましい。
 また、触媒は、グリセリンに溶解させ、グリセリンとともに装入してもよいし、1価および/または2価のアルコールとともに当初より反応系内に含んでいてもよいが、装入したグリセリンを速やかに反応させる点から、1価および/または2価のアルコールとともに当初より反応系内に含んでいる方が好ましい。すなわち、1価および/または2価のアルコールおよび触媒を含んだ系にグリセリンを滴下もしくは分割装入して脱水縮合することが好ましい。
 〔ポリエーテルポリオール〕
 上記方法により、好ましくは水酸基価が200~1200mgKOH/g、より好ましくは300~800mgKOH/g、好ましくは25℃での粘度が50000mPa・s以下であるポリエーテルポリオールを得ることができる。このようなポリエーテルポリオールは硬質ポリウレタン発泡体用のポリオール成分として好適に用いることができる。水酸基価が上記下限未満になると硬質ポリウレタン発泡体のガラス転移温度が低下し、充分な硬度の硬質ポリウレタン発泡体が得られない。一方、水酸基価が上記上限を超えるとポリオール成分中の水酸基濃度が高くなりすぎ、硬質ポリウレタン発泡体を製造する際に急激な発熱によるスコーチを引き起こすことがある。また、粘度が上記範囲にあると硬質ポリウレタン発泡体を製造する際に常温から50℃までの範囲で発泡することができる。
 上記ポリエーテルポリオールは、1分子当たりの平均水酸基数が3以上であることが好ましく、3以上10以下であることがより好ましい。これにより、硬質ポリウレタン発泡体の架橋度を高くし、樹脂強度を高めることができる。
 また、上記ポリエーテルポリオールは、分子量1000以上の高分子量成分が、好ましくは30wt%以下であり、より好ましくは20wt%以下であり、さらに好ましくは10wt%以下である(ただしポリエーテルポリオール全体を100wt%とする)。前記範囲では、該ポリエーテルポリオールを用いて硬質ポリウレタン発泡体を形成すると、発泡時の破泡が抑制され、連続気泡の少ない硬質ポリウレタン発泡体となるためこのましい。このような発泡体は、連続気泡が少ないため、熱伝導率が下がり、断熱材として使用することができる。
 〔ポリエーテルポリオールの脱モノマー〕
 本発明により得られるポリエーテルポリオールにおいては、グリセリンや、1価および/または2価のアルコールが未反応のまま残存することがある。この未反応モノマーは硬質ポリウレタン発泡体調製の前に減圧下でストリップする方法などの公知の方法により除去しても良い。
 〔ポリエーテルポリオールの精製〕
 得られたポリオールは、精製を行って触媒を除去してもよいし、特に精製を行わずそのまま硬質ポリウレタン発泡体調製に用いてもよい。精製の手法は使用した触媒の種類に応じて、既知の方法を用いることができる。
 触媒として、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、ホスファゼン触媒などの塩基性触媒を用いた場合は、塩酸、酢酸、シュウ酸などの酸により中和を行った後、ろ過あるいは遠心分離すること、あるいは陽イオン交換樹脂を用いることによる、陽イオンの除去などにより、触媒を除くことができる。また、ポリオールが着色した場合は、活性炭などにより、着色成分を吸着して除いても良い。
 〔硬質ポリウレタン発泡体〕
 本発明に係る硬質ポリウレタン発泡体は、上記ポリエーテルポリオールを含むポリオール成分とポリイソシアネートとを、触媒、発泡剤および整泡剤の存在下で従来公知の方法で反応、発泡させることにより製造することができる。上記ポリエーテルポリオールを用いて製造された硬質ポリウレタン発泡体は、圧縮強度、寸法安定性、熱伝導率に優れている。このため本発明の硬質ポリウレタン発泡体は、建材パネル、冷蔵庫、冷凍庫、配管などの断熱材、住宅、自動車を始めとする車両などの構造支持材に利用することができる。
 ポリオール成分は、上記ポリエーテルポリオール単独でもよく、上記ポリエーテルポリオールと他のポリオールとの混合物でもよい。他のポリオールは、水酸基を末端に持つものであれば特に限定されないが、公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールなどをあげることができる。
 他のポリオールとして用いられるポリエーテルポリオールとしては、多価アルコール、芳香族アミン、脂肪族アミンにアルキレンオキシドを付加重合させて得たポリエーテルポリオール等が挙げられる。
 前記多価アルコールとしては、ポリエーテルポリオールの製造に用いることができるものであればいずれでも用いることができる。具体的には、たとえば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ペンタエリスリトール、アルファメチルグルコシド、麦芽糖、ソルビトール、ショ糖等が挙げられる。これらは単独で、または複数を組み合わせて用いることができる。
 前記芳香族アミンとしては、たとえばトリレンジアミン(以下、「TDA」と略す)および/または粗TDA、ジフェニルメタンジアミン(以下、「MDA」と略す)および/または粗MDA等が挙げられる。
 前記脂肪族アミンとしては、たとえばエチレンジアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン等が挙げられる。これらは単独で、または複数を組み合わせて用いることができる。
 前記アルキレンオキシドとしては、ポリエーテルポリオールの製造に用いられるアルキレンオキシドであればいずれでもよいが、たとえば、炭素数2~8のアルキレンオキシドが挙げられる。より具体的には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられ、この中でもプロピレンオキシド、ブチレンオキシドを用いることが好ましい。これらは単独で、または複数を組み合わせて用いることができる。
 ポリエステルポリオールとしては、芳香族カルボン酸または脂肪族カルボン酸等の無水物を、多価アルコールまたは脂肪族アミン類により半エステル化させた後、アルキレンオキシドを重合させたもの、あるいは芳香族カルボン酸または脂肪族カルボン酸を多価アルコールと縮合反応させて得られたものが挙げられる。
 前記芳香族カルボン酸としては、たとえば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられ、前記芳香族カルボン酸の無水物としては、たとえば、無水フタル酸、ピロメリット酸無水物等が挙げられる。
 前記脂肪族カルボン酸としては、たとえば、アジピン酸、コハク酸、マレイン酸等が挙げられ、前記脂肪族カルボン酸の無水物としては、たとえば、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
 ポリイソシアネートとしては、2官能以上のポリイソシアネートであれば制限はないが、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、「MDI」と略す)、ポリメリックMDI、トリレンジイソシアネート(以下、「TDI」と略す)、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」と略す)、キシレンジイソシアネート(以下、「XDI」と略す)、ノルボルネンジイソシアネート(以下、「NBDI」と略す)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、「H12MDI」と略す)、水添キシリレンジイソシアネート(以下、「H6XDI」と略す)、イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」と略す)などが挙げられる。なお、これらのポリイソシアネートは、単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いても良い。硬質ポリウレタンフォームを調製する際のポリイソシアネートとしては、TDIおよび/またはMDIを用いることが好ましい。
 TDIとしては、異性体を単独で、または混合物として使用することができる。すなわち、2,4-体(2,4-TDI)100%品、2,4-体/2,6-体=80/20または65/35(それぞれ質量比)のもの、およびこれらの混合物、さらに、多官能性のタールを含有する粗TDI(たとえば、三井化学(株)製TDI-TRC)も使用できる。
 MDIとしては、4,4'-体(4,4'-MDI)を主成分とするもの、3核体以上の多核体を含有するポリメリックMDI(たとえば、三井化学(株)製コスモネートシリーズ)が好適に使用できる。
 また、ポリイソシアネートとして、ヌレート変性、カルボジイミド変性、プレポリマー変性(ポリイソシアネートと上記ポリオールとから得られる、イソシアネート基を分子末端に有するプレポリマー)、ウレトジオン変性等の変性ポリイソシアネート化合物を用いることもできる。これらのポリイソシアネートおよびその変性体は、1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
 本発明に用いる、ポリオールと、ポリイソシアネートとの割合は特に限定はないが、ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基とポリオールに含まれる活性水素基とのモル比が通常は50:100~300:100の範囲、好ましくは90:100~150:100となる範囲である。
 触媒、発泡剤および整泡剤は、通常の硬質ポリウレタン発泡体の製造に用いられるものを用いることができる。また、必要に応じ、その他添加剤として、難燃剤、酸化防止剤、着色剤、可塑剤、安定剤等を本発明の目的を損なわない範囲内で使用することができる。
 以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。なお、「部」は、特に断らない限り、「重量部」を表す。また、実施例、比較例における分析、測定は以下の方法に従って行った。
 <ポリエーテルポリオールの特性>
 水酸基価:水酸基価を、ポリエーテルポリオール1g中の水酸基に相当する水酸化カリウムのmg数と定義し、測定はJIS K1557、6.4項「水酸基価」に従って行った。
 粘度:円錐平板型回転粘度計(E型粘度計)を用い、25℃でのポリエーテルポリオールの粘度を測定した。
 グリセリンモノマー量(グリセリン純度):得られたポリエーテルポリオールを0.03g程度精秤し、N,O-トリメチルシリルアセトアミド0.5gを加えた後、ジメチルホルムアミドを加えて10mLにメスアップし、6時間以上常温で放置したものを測定試料とした。この測定試料2マイクロリットルを、以下の条件で、ガスクロマトグラフィーGC-14A((株)島津製作所製)にて測定することにより、ポリエーテルポリオールのグリセリンモノマー量(グリセリン純度)を求めた。なお、検量線は試薬グリセリン(和光純薬工業(株)製)を用いて作成した。
  キャリアガス:ヘリウム50ml/min
  水素圧力:0.5MPa
  Air圧力:0.5MPa
  カラム:パックドカラム(充填剤:SE-30(Uniport HP 液相5%)、カラム長:2m)
  インジェクション温度:300℃
  ディテクター温度:320℃
  カラム温度:80℃で5分間保持後、20℃/minで300℃まで昇温し、その後、300℃で5分間保持
 数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw):得られたポリエーテルポリオールを0.05g程度精秤し、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド0.5gを加えた後、ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と略す)/テトラヒドロフラン(以下、「THF」と略す)混合液(DMF:THF=1:9(重量比))を加えて10mLにメスアップし、測定試料とした。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)HLC-8020(東ソー(株)製)を用いて以下の条件で、測定試料を分析することにより、ポリエーテルポリオールの数平均分子量および重量平均分子量を求めた。
  溶離液:THF
  溶離液流量:0.8ml/min
  溶離液温度:40℃
  カラム温度:40℃
  カラム:東ソー(株)製TSKgel G-3000H、G-2000H、G-1000Hを直列につないで使用
  検出器:RI
  標準試料:ポリスチレン
 分子量分布:ポリエーテルポリオールの数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)から、以下の式に従い算出した。
 分子量分布(Mw/Mn)=重量平均分子量/数平均分子量
 平均水酸基数:ポリエーテルポリオールの、GPC測定により得られた数平均分子量と水酸基価測定により得られた水酸基価より、以下の式にて平均水酸基数を算出した。
   平均水酸基数=(数平均分子量×水酸基価)/(56108+74×水酸基価)
 分子量1000以上の高分子量体量の定量:得られたポリエーテルポリオールを0.05g程度精秤し、ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と略す)を加えて10mLにメスアップし、測定試料とした。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)HLC-8220(東ソー(株)製)を用いて以下の条件で、測定試料を分析することにより、ポリエーテルポリオールの分子量を求め、分子量1000以上の高分子量体量の定量を行った。
  溶離液:DMF(LiBrを含む)
  溶離液流量:0.6ml/min
  溶離液温度:40℃
  カラム温度:40℃
  カラム:東ソー(株)製TSK-GEL SuperAW3000、SuperAW2500を直列につないで使用
  検出器:RI
  標準試料:ポリエチレングリコール
 <硬質ポリウレタンフォーム物性>
 コア密度:硬質ポリウレタンフォームのコア密度を、JIS K-6400記載の方法により測定した。該コア密度は、JIS規格での見かけ密度を指す。本発明では、フォームサンプルから直方体フォームサンプルを切り出したものを測定サンプルとした。
 圧縮強度:JIS K-7220、硬質発泡プラスチック-硬質材料の圧縮試験-に従い、発泡したフォームを80×80×40mmに切断し、発泡方向と平行な方向の圧縮強度を測定した。
 独泡率:ASTM D-2856に記載の方法により、「空気式見掛け容積測定器」を使用した見掛け容積率(%)の測定により、硬質ポリウレタンフォームの独泡率を測定した。本発明に係る独立気泡率は、東芝ベックマン空気比較比重計モデル930を用いて測定した値である。
 [実施例1]
 (ポリエーテルポリオールの調製)
 ジエチレングリコール1750g(全アルコールに対し30mol%)と水酸化ナトリウム121.7gとを蒸留塔および凝縮器を備えたフラスコに仕込み、窒素雰囲気下、温度250℃まで昇温させた。その後、温度を250℃に保ったまま、グリセリン3500g(全アルコールに対し70mol%)を一定速度で5時間(1時間に仕込むグリセリンのモル数/ジエチレングリコールのモル数=0.467)かけてフラスコに滴下し、滴下終了後8時間脱水縮合させ、ポリエーテルポリオール(1)を得た。
 このポリエーテルポリオール(1)300gに1.04mol/Lのシュウ酸水溶液99.76gを混合し、85℃まで昇温し、1時間中和を行った。その後、110℃まで昇温し、徐々に減圧しながら100分かけて最終的に1.2kPaまで減圧し、その後6時間脱水を行った。脱水後のポリオールを50℃まで冷却し、5Bのろ紙を用いて、0.4MPaの圧力で加圧ろ過し、260.5gの精製ポリエーテルポリオール(2)を得た。このポリオールの水酸基価は790mgKOH/g、25℃における粘度は2680mPa・s、数平均分子量(Mn)は595、重量平均分子量(Mw)は836、分子量分布(Mw/Mn)は1.41、平均水酸基数は4.1、分子量1000以上の高分子量成分は3.24wt%であった。
 (硬質ポリウレタン発泡体の作製)
 このポリエーテルポリオール(2)100部に、触媒としてテトラメチルヘキサメチレンジアミン4部、発泡剤として水3.6部、整泡剤としてシリコーン整泡剤X-20-1328(信越化学工業(株)製)2部を混合し、レジンプレミックスを調製した。このレジンプレミックスにポリメリックMDI(三井化学(株)製M-200)254.56部を加え、ダイナミックミキサーで攪拌した後、混合液を200mm×200mm×200mmのフリー発泡用BOXに注入し硬質ポリウレタンフォームを得た。このポリウレタンフォームの密度は45.5kg/m3、圧縮強度は152.6kPa、独泡率は83.0%であった。
 [実施例2]
 (ポリエーテルポリオールの調製)
 ジエチレングリコール650g(全アルコールに対し30mol%)と水酸化ナトリウム45.2gとを蒸留塔および凝縮器を備えたフラスコに仕込み、窒素雰囲気下、温度250℃まで昇温させた。その後、温度を250℃に保ったまま、グリセリン1300gを(全アルコールに対し70mol%)を一定速度で20時間(1時間に仕込むグリセリンのモル数/ジエチレングリコールのモル数=0.117)かけてフラスコに滴下し、滴下終了後10時間脱水縮合させ、ポリエーテルポリオール(3)を得た。
 このポリエーテルポリオール(3)300gに1.024mol/Lのシュウ酸水溶液110.84gを混合し、85℃まで昇温し、1時間中和を行った。その後、110℃まで昇温し、徐々に減圧しながら100分かけて最終的に1.4kPaまで減圧し、その後6時間脱水を行った。脱水後のポリオールを50℃まで冷却し、5Bのろ紙を用いて、0.4MPaの圧力で加圧ろ過し、245.0gの精製ポリエーテルポリオール(4)を得た。このポリオールの水酸基価は621mgKOH/g、25℃における粘度は4950mPa・s、数平均分子量(Mn)は713、重量平均分子量(Mw)は1095、分子量分布Mw/Mnは1.54、平均水酸基数は4.3、分子量1000以上の高分子量成分は12.21wt%であった。
 (硬質ポリウレタン発泡体の作製)
 このポリエーテルポリオール(4)100部に、触媒としてテトラメチルヘキサメチレンジアミン4部、発泡剤として水3.12部、整泡剤としてシリコーン整泡剤X-20-1328(信越化学工業(株)製)2部を混合し、レジンプレミックスを調製した。このレジンプレミックスにポリメリックMDI(三井化学(株)製M-200)204.64部を加え、ダイナミックミキサーで攪拌した後、混合液を200mm×200mm×200mmのフリー発泡用BOXに注入し硬質ポリウレタンフォームを得た。このポリウレタンフォームの密度は61.2kg/m3、圧縮強度は262.4kPa、独泡率は39.8%であった。
 [実施例3]
 (ポリエーテルポリオールの調製)
 ジエチレングリコール650g(全アルコールに対し30mol%)と水酸化ナトリウム45.2gとを蒸留塔および凝縮器を備えたフラスコに仕込み、窒素雰囲気下、温度250℃まで昇温させた。その後、温度を250℃に保ったまま、グリセリン1300g(全アルコールに対し70mol%)を一定速度で10時間(1時間に仕込むグリセリンのモル数/ジエチレングリコールのモル数=0.233)かけてフラスコに滴下し、滴下終了後14時間脱水縮合させ、ポリエーテルポリオール(5)を得た。
 このポリエーテルポリオール(5)300gに1.036mol/Lのシュウ酸水溶液106.53gを混合し、85℃まで昇温し、1時間中和を行った。その後、110℃まで昇温し、徐々に減圧しながら100分かけて最終的に0.7kPaまで減圧し、その後4時間脱水を行った。脱水後のポリオールを50℃まで冷却し、5Bのろ紙を用いて、0.4MPaの圧力で加圧ろ過し、248gの精製ポリエーテルポリオール(6)を得た。このポリオールの水酸基価は571mgKOH/g、25℃における粘度は6990mPa・s、数平均分子量(Mn)は806、重量平均分子量(Mw)は1397、分子量分布Mw/Mnは1.73、平均水酸基数は4.7、分子量1000以上の高分子量成分は19.2wt%であった。
 (硬質ポリウレタン発泡体の作製)
 このポリエーテルポリオール(6)100部に、触媒としてテトラメチルヘキサメチレンジアミン4部、発泡剤として水3.64部、整泡剤としてシリコーン整泡剤X-20-1328(信越化学工業(株)製)2部を混合し、レジンプレミックスを調製した。このレジンプレミックスにポリメリックMDI(三井化学(株)製M-200)255.44部を加え、ダイナミックミキサーで攪拌した後、混合液を200mm×200mm×200mmのフリー発泡用BOXに注入し硬質ポリウレタンフォームを得た。このポリウレタンフォームの密度は68.9kg/m3、圧縮強度は365.1kPa、独泡率は34.2%であった。
 [実施例4]
 (ポリエーテルポリオールの調製)
 ジエチレングリコール845g(全アルコールに対し40mol%)と水酸化カリウム20.12gとを蒸留塔および凝縮器を備えたフラスコに仕込み、窒素雰囲気下、温度250℃まで昇温させた。グリセリン220gをフラスコに装入し、その後1時間ごとにグリセリン220gを計5回(全アルコールに対し60mol%)フラスコに装入し、装入終了後10時間脱水縮合させ、ポリエーテルポリオール(7)を得た。
 このポリエーテルポリオール(7)300gに1.036mol/Lのシュウ酸水溶液27.16gを混合し、85℃まで昇温し、1時間中和を行った。その後、110℃まで昇温し、徐々に減圧しながら100分かけて最終的に1.0kPaまで減圧し、その後4時間脱水を行った。脱水後のポリオールを50℃まで冷却し、5Bのろ紙を用いて、0.4MPaの圧力で加圧ろ過し、203gの精製ポリエーテルポリオール(8)を得た。このポリオールの水酸基価は791mgKOH/g、25℃における粘度は1400mPa・s、数平均分子量(Mn)は589、重量平均分子量(Mw)は897、分子量分布Mw/Mnは1.52、平均水酸基数は4.1、分子量1000以上の高分子量成分は7.98wt%であった。
 (硬質ポリウレタン発泡体の作製)
 このポリエーテルポリオール(8)100部に、触媒としてテトラメチルヘキサメチレンジアミン4部、発泡剤として水3.64部、整泡剤としてシリコーン整泡剤X-20-1328(信越化学工業(株)製)2部を混合し、レジンプレミックスを調製した。このレジンプレミックスにポリメリックMDI(三井化学(株)製M-200)255.54部を加え、ダイナミックミキサーで攪拌した後、混合液を200mm×200mm×200mmのフリー発泡用BOXに注入し硬質ポリウレタンフォームを得た。このポリウレタンフォームの密度は42.4kg/m3、圧縮強度は153.5kPa、独泡率は79.6%であった。
 [比較例1]
 (ポリエーテルポリオールの調製)
 グリセリン1300g(全アルコールに対し70mol%)、ジエチレングリコール650g(全アルコールに対し30mol%)と水酸化カリウム20.46gとを蒸留塔および凝縮器を備えたフラスコに仕込み、窒素雰囲気下、温度250℃まで昇温させた。その後、温度を250℃に保ったまま22時間脱水縮合させ、ポリエーテルポリオール(9)を得た。
 このポリエーテルポリオール(9)600gに1.01mol/Lのシュウ酸水溶液76.7gを混合し、85℃まで昇温し、1時間中和を行った。その後、110℃まで昇温し、徐々に減圧しながら100分かけて最終的に1.0kPaまで減圧し、その後4時間脱水を行った。脱水後のポリオールを50℃まで冷却し、5Bのろ紙を用いて、0.4MPaの圧力で加圧ろ過し、515gの精製ポリエーテルポリオール(10)を得た。このポリオールの水酸基価は799mgKOH/g、25℃における粘度は4950mPa・s、数平均分子量(Mn)は697、重量平均分子量(Mw)は1200、分子量分布Mw/Mnは1.72、平均水酸基数は4.8、分子量1000以上の高分子量成分は13.71wt%であった。
 (硬質ポリウレタン発泡体の作製)
 このポリエーテルポリオール(10)100部に、触媒としてテトラメチルヘキサメチレンジアミン1.5部、発泡剤として水3.64部、整泡剤としてシリコーン整泡剤X-20-1328(信越化学工業(株)製)2部を混合し、レジンプレミックスを調製した。このレジンプレミックスにポリメリックMDI(三井化学(株)製M-200)257.45部を加え、ダイナミックミキサーで攪拌した後、混合液を200mm×200mm×200mmのフリー発泡用BOXに注入し硬質ポリウレタンフォームを得た。このポリウレタンフォームの密度は48.4kg/m3、圧縮強度は176.7kPa、独泡率は75.4%であった。
 [比較例2]
 (ポリエーテルポリオールの調製)
 グリセリン1300g(全アルコールに対し70mol%)、ジエチレングリコール650g(全アルコールに対し30mol%)と水酸化カリウム20.46gとを蒸留塔および凝縮器を備えたフラスコに仕込み、窒素雰囲気下、温度250℃まで昇温させた。その後、温度を250℃に保ったまま53時間脱水縮合させ、ポリエーテルポリオール(11)を得た。
 このポリエーテルポリオール(11)600gに1.01mol/Lのシュウ酸水溶液80.9gを混合し、85℃まで昇温し、1時間中和を行った。その後、110℃まで昇温し、徐々に減圧しながら100分かけて最終的に1.0kPaまで減圧し、その後4時間脱水を行った。脱水後のポリオールを50℃まで冷却し、5Bのろ紙を用いて、0.4MPaの圧力で加圧ろ過し、489gの精製ポリエーテルポリオール(12)を得た。このポリオールの水酸基価は632mgKOH/g、25℃における粘度は14800mPa・s、数平均分子量(Mn)は802、重量平均分子量(Mw)は1727、分子量分布Mw/Mnは2.15、平均水酸基数は4.9、分子量1000以上の高分子量成分は28.36wt%であった。
 (硬質ポリウレタン発泡体の作製)
 このポリエーテルポリオール(12)100部に、触媒としてテトラメチルヘキサメチレンジアミン1.2部、発泡剤として水3.14部、整泡剤としてシリコーン整泡剤X-20-1328(信越化学工業(株)製)2部を混合し、レジンプレミックスを調製した。このレジンプレミックスにポリメリックMDI(三井化学(株)製M-200)207.72部を加え、ダイナミックミキサーで攪拌した後、混合液を200mm×200mm×200mmのフリー発泡用BOXに注入し硬質ポリウレタンフォームを得た。このポリウレタンフォームの密度は69.2kg/m3、圧縮強度は383.6kPa、独泡率は23.6%であった。
 [比較例3]
 (ポリエーテルポリオールの調製)
 グリセリン1100g(全アルコールに対し60mol%)、ジエチレングリコール845g(全アルコールに対し40mol%)と水酸化カリウム20.12gとを蒸留塔および凝縮器を備えたフラスコに仕込み、窒素雰囲気下、温度250℃まで昇温させた。その後、温度を250℃に保ったまま20時間脱水縮合させ、ポリエーテルポリオール(13)を得た。
 このポリエーテルポリオール(13)600gに1.01mol/Lのシュウ酸水溶液77.8gを混合し、85℃まで昇温し、1時間中和を行った。その後、110℃まで昇温し、徐々に減圧しながら100分かけて最終的に1.0kPaまで減圧し、その後4時間脱水を行った。脱水後のポリオールを50℃まで冷却し、5Bのろ紙を用いて、0.4MPaの圧力で加圧ろ過し、521gの精製ポリエーテルポリオール(14)を得た。このポリオールの水酸基価は804mgKOH/g、25℃における粘度は1470mPa・s、数平均分子量(Mn)は647、重量平均分子量(Mw)は1055、分子量分布Mw/Mnは1.63、平均水酸基数は4.5、分子量1000以上の高分子量成分は9.39wt%であった。
 (硬質ポリウレタン発泡体の作製)
 このポリエーテルポリオール(14)100部に、触媒としてテトラメチルヘキサメチレンジアミン2.4部、発泡剤として水3.66部、整泡剤としてシリコーン整泡剤X-20-1328(信越化学工業(株)製)2部を混合し、レジンプレミックスを調製した。このレジンプレミックスにポリメリックMDI(三井化学(株)製M-200)259.02部を加え、ダイナミックミキサーで攪拌した後、混合液を200mm×200mm×200mmのフリー発泡用BOXに注入し硬質ポリウレタンフォームを得た。このポリウレタンフォームの密度は41.1kg/m3、圧縮強度は121.3kPa、独泡率は55.1%であった。
 [比較例4]
 (ポリエーテルポリオールの調製)
 グリセリン1100g(全アルコールに対し60mol%)、ジエチレングリコール845g(全アルコールに対し40mol%)と水酸化カリウム20.12gとを蒸留塔および凝縮器を備えたフラスコに仕込み、窒素雰囲気下、温度250℃まで昇温させた。その後、温度を250℃に保ったまま78時間脱水縮合させ、ポリエーテルポリオール(15)を得た。
 このポリエーテルポリオール(15)600gに1.01mol/Lのシュウ酸水溶液76.7gを混合し、85℃まで昇温し、1時間中和を行った。その後、110℃まで昇温し、徐々に減圧しながら100分かけて最終的に1.0kPaまで減圧し、その後4時間脱水を行った。脱水後のポリオールを50℃まで冷却し、5Bのろ紙を用いて、0.4MPaの圧力で加圧ろ過し、467gの精製ポリエーテルポリオール(16)を得た。このポリオールの水酸基価は507mgKOH/g、25℃における粘度は7030mPa・s、数平均分子量(Mn)は827、重量平均分子量(Mw)は1604、分子量分布Mw/Mnは1.94、平均水酸基数は4.5、分子量1000以上の高分子量成分は27.85wt%であった。
 (硬質ポリウレタン発泡体の作製)
 このポリエーテルポリオール(16)100部に、触媒としてテトラメチルヘキサメチレンジアミン1.2部、発泡剤として水2.76部、整泡剤としてシリコーン整泡剤X-20-1328(信越化学工業(株)製)2部を混合し、レジンプレミックスを調製した。このレジンプレミックスにポリメリックMDI(三井化学(株)製M-200)170.41部を加え、ダイナミックミキサーで攪拌した後、混合液を200mm×200mm×200mmのフリー発泡用BOXに注入し硬質ポリウレタンフォームを得た。このポリウレタンフォームの密度は71.5kg/m3、圧縮強度は365.2kPa、独泡率は12.7%であった。
 本発明のポリエーテルポリオールは粘度が低く、分子量1000以上の高分子量体が抑制されているため、硬質ポリウレタン発泡体の原料として好適に使用することができる。また、このポリエーテルポリオールを用いて製造した本発明の硬質ポリウレタン発泡体は建材パネル、冷蔵庫、冷凍庫、配管などの断熱材に利用することができる。また、住宅、自動車などの構造支持材として利用することもできる。

Claims (10)

  1.  グリセリンと1価および/または2価のアルコールとの合計100モル%に対してグリセリンが50モル%を超える割合で、
     1価および/または2価のアルコールにグリセリンを滴下もしくは分割装入して脱水縮合することにより得られるポリエーテルポリオール。
  2.  水酸基価が200~1200mgKOH/g、25℃での粘度が50000mPa・s以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリエーテルポリオール。
  3.  1分子当たりの平均水酸基数が3以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエーテルポリオール。
  4.  アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を含む触媒を用いて脱水縮合することにより得られる、請求項1~3に記載のいずれか一項に記載のポリエーテルポリオール。
  5.  グリセリンと1価および/または2価のアルコールとの合計100モル%に対してグリセリンが50モル%を超える割合で、
     1価および/または2価のアルコールにグリセリンを滴下もしくは分割装入して脱水縮合することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のポリエーテルポリオールの製造方法。
  6.  グリセリンと1価および/または2価のアルコールとの合計100モル%に対してグリセリンが50モル%を超える割合で、
     1価および/または2価のアルコールおよび触媒を含んだ系にグリセリンを滴下もしくは分割装入して脱水縮合することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のポリエーテルポリオールの製造方法。
  7.  前記触媒がアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を含むことを特徴とする請求項6に記載のポリエーテルポリオールの製造方法。
  8.  前記グリセリンが天然油脂を加水分解または加アルコール分解して得られるクルードグリセリンであることを特徴とする請求項5~7のいずれか一項に記載のポリエーテルポリオールの製造方法。
  9.  請求項1~4のいずれか一項に記載のポリエーテルポリオールを含むポリオールとポリイソシアネートとを、触媒、発泡剤および整泡剤の存在下で反応させることにより得られる硬質ポリウレタン発泡体。
  10.  請求項1~4のいずれか一項に記載のポリエーテルポリオールを含むポリオールとポリイソシアネートとを、触媒、発泡剤および整泡剤の存在下で反応させることを特徴とする硬質ポリウレタン発泡体の製造方法。
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