JP2015172181A - ポリエーテルポリオール組成物及びその製造方法 - Google Patents

ポリエーテルポリオール組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ポリウレタン原料として用いた際の機械物性に優れたポリエーテルポリオール組成物及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 官能基数が3〜6のポリエーテルポリオールおよびジオール、または、官能基数が3〜6のポリエーテルポリオール、ジオールおよび不飽和モノオールを含有するポリエーテルポリオール組成物(S)であって、(S)の水酸基価[X](単位:mgKOH/g)が10〜100、(S)の不飽和モノオール含量[Y](単位:meq/g)が0〜0.08、(S)のジオール含量[Z](単位:meq/g)が0.04〜0.08であり、(S)の重量を基準とするエチレンオキサイド単位の含有量[α]が0〜20重量%であって、X、Y、Z、およびαが下記数式(1)の関係を満たすポリエーテルポリオール組成物。
(Y+Z)×(100−α)/100≦5.89×X-1.27 (1)
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリエーテルポリオール組成物及びその製造方法、並びにそれを用いたポリウレタンの製造方法に関する。
従来、アルカリ金属水酸化物触媒の存在下、少なくとも1個の活性水素を有する化合物にアルキレンオキサイドを付加重合させてポリエーテルポリオールを製造することは、工業的に広く行なわれている。しかし、アルキレンオキサイド、とくにプロピレンオキサイドの高分子量重合物を製造する場合、副反応により不飽和モノオールの生成が増大するため、ポリエーテルポリオールの品質が低下する。とくに機械物性の良好なポリウレタン用の原料として用いる場合は、不飽和モノオールの低減が必須であり、不飽和モノオールを低減させたポリエーテルポリオールとして、複合金属シアノ錯体(例えば、特許文献1参照)またはアルミニウムポルフィリン(例えば、特許文献2参照)を触媒として用いたポリエーテルポリオールが知られている
しかしながら、単に不飽和モノオールの含量を低減させただけでは、ポリウレタンとした際の機械物性が不十分な場合があった。
特開昭63−277236号公報 特開昭61−197631号公報
本発明は、ポリウレタン原料として用いた際の機械物性に優れたポリエーテルポリオール組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、以下に示される3発明に到達した。
(I) 官能基数が3〜6のポリエーテルポリオールおよびジオールを含有する、または、官能基数が3〜6のポリエーテルポリオール、ジオールおよび不飽和モノオールを含有するポリエーテルポリオール組成物(S)であって、(S)の水酸基価[X](単位:mgKOH/g)が10〜100、(S)の不飽和モノオール含量[Y](単位:meq/g)が0〜0.08、(S)のジオール含量[Z](単位:meq/g)が0.04〜0.08であり、(S)の重量を基準とするエチレンオキサイド単位の含有量[α]が0〜20重量%であって、X、Y、Z、およびαが下記数式(1)の関係を満たすポリエーテルポリオール組成物。

(Y+Z)×(100−α)/100≦5.89×X-1.27 (1)

(II) アルカリ金属水酸化物(a)の存在下、3〜6個の活性水素を有する化合物(b)にアルキレンオキサイド(c)が付加重合されて得られた粗ポリオール(d1)を加熱してポリオール中のアリル基をプロペニル基として粗ポリオール(d2)を得る転位工程〔1〕、および上記粗ポリオール(d2)中のアルカリ金属水酸化物(a)をシリケート系吸着剤(e)により吸着処理して粗ポリオール(d3)を得る工程〔2〕で得られた粗ポリオール(d3)を、鉱酸(f)若しくはスルホン酸基担持無機多孔体(g)並びに水を加え酸性条件とし、プロペニル基を酸加水分解する工程〔3〕を含む(I)のポリエーテルポリオール組成物の製造方法。
(III) (I)のポリエーテルポリオール組成物(S)を含有するポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを、添加剤の存在下または不存在下反応させるポリウレタンの製造方法。
本発明のポリエーテルポリオール組成物(S)を用いて得られるポリウレタンは、伸び、硬さが良好となる等、ポリウレタンの機械物性が向上する。
本第1発明のポリエーテルポリオール組成物(S)は、官能基数が3〜6のポリエーテルポリオールおよびジオール、または、官能基数が3〜6のポリエーテルポリオール、ジオールおよび不飽和モノオールを含有する。
本発明のポリエーテルポリオール組成物(S)の水酸基価[X]は、不飽和モノオール含量の調整の容易さ、およびそれを用いるポリウレタンの樹脂物性の観点から、10〜100(mgKOH/g)の範囲であり、15〜60(mgKOH/g)が好ましく、より好ましくは20〜42(mgKOH/g)である。
本発明における水酸基価は、JIS K1557−1に記載の方法により測定される。
また、ポリウレタンの耐久性の観点から、(S)の重量を基準とするエチレンオキサイド(以下EOと略記)単位の含有量[α]は0〜20%の範囲であり、5〜20%が好ましく、10〜15%がより好ましい。
なお、上記および以下において、%はとくに記載の無い限り、重量%を意味する。
ポリエーテルポリオール組成物(S)の不飽和モノオール含量[Y]は、耐久性の観点から、0〜0.08(meq/g)の範囲であり、0〜0.05(meq/g)が好ましく、より好ましくは0〜0.04(meq/g)である。また、ジオール含量[Z]はポリウレタンの機械物性の観点から、0.04〜0.08(meq/g)であり、好ましくは0.04〜0.07であり、さらに好ましくは0.04〜0.065である。
本発明における不飽和モノオール含量およびジオール含量は、後述する実施例に記載の方法で測定される。
ポリエーテルポリオール組成物(S)の水酸基価[X]、不飽和モノオール含量[Y]、ジオール含量[Z]、およびEO単位の含有量[α]は、下記の数式(1)を満たす必要があり、数式(1’)を満たすのがさらに好ましい。

(Y+Z)×(100−α)/100≦5.89×X-1.27 (1)
(Y+Z)×(100−α)/100≦5.30×X-1.27 (1’)

数式(1)を満たさない場合、ポリウレタンの機械物性(特に伸び率)が低下してしまう。例えば、アルキレンオキサイド付加反応温度を下げ、純度の高いアルカリ金属水酸化物(a)を重合触媒として用いることで、この数式を満たしやすくなる。
なお、数式(1)は、非常に多くの実験結果から経験的に導き出した式である。
本第1発明のポリエーテルポリオール組成物(S)は、例えば、アルカリ金属水酸化物(a)の存在下、3〜6個の活性水素を有する化合物(b)にアルキレンオキサイド(c)が付加重合されて得られた粗ポリオール(d1)を特定条件で処理する本第2発明のポリエーテルポリオール組成物の製造方法により、容易に得ることができる。
第2発明の方法で第1発明のポリエーテルポリオール組成物(S)を得る場合、不飽和モノオールは、3〜6個の活性水素を有する化合物(b)にアルキレンオキサイド(c)が付加重合されて得られた粗ポリオール(d1)中に副生物として存在するものに由来し、ジオールは、後述するプロペニル基を酸加水分解する工程〔3〕により上記不飽和モノオールから得られる。
不飽和モノオールおよびジオールの水酸基価は、20〜200(mgKOH/g)が好ましい。
なお、ジオールの含量が下限未満の場合は、ポリエーテルポリオール組成物(S)中にジオールを添加して調整することもできる。添加するジオールとしては、炭素数2〜20の2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等)のアルキレンオキサイド〔後述するアルキレンオキサイド(c)等〕付加物等が挙げられる。
本第2発明のポリエーテルポリオール組成物の製造方法において、粗ポリオール(d1)の原料となる、アルキレンオキサイド(c)を付加重合させる、3〜6個の活性水素を有する化合物(b)は、分子内に活性水素を有する化合物であればとくに限定されず、2種以上を併用してもよい。活性水素を含有する基としては、ヒドロシキシル基、カルボキシル基、メルカプト基、1級および2級アミノ基等が挙げられる。これらの中では、ヒドロキシル基が好ましい。
3〜6個の活性水素を有する化合物(b)の具体例としては、多価アルコール、多価フェノール、アミン、ポリカルボン酸、およびこれらの活性水素含有化合物にアルキレンオキサイドが付加重合された構造の化合物等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
上記多価アルコールとしては、炭素数3〜20の3価アルコール(脂肪族トリオール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオールなどのアルカントリオール)、炭素数5〜20の4〜6価アルコール(脂肪族ポリオール、例えば、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトールなどの、アルカンポリオールおよびそれらもしくはアルカントリオールの分子内もしくは分子間脱水物;ならびにグルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシドなどの糖類およびその誘導体)、ひまし油等の天然油脂系ポリオール、およびこれらの2種以上の併用などが挙げられる。
多価(3〜6価)フェノールとしては、ピロガロール、フロログルシン等の単環多価フェノール、フェノールとホルムアルデヒドの縮合物(ノボラック)、ポリフェノールおよびこれらの2種以上の併用などが挙げられる。
アミンとしては、活性水素の数が3〜6個のものであり、アンモニア、脂肪族アミンとして、炭素数3〜20のアルカノールアミン(例えば、トリエタノールアミン)、炭素数4〜20のポリアルキレンポリアミン(アルキレン基の炭素数が2〜6のジアルキレントリアミンおよびトリアルキレンテトラミン、例えば、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミン)およびこれらの2種以上の併用などが挙げられる。
ポリカルボン酸としては、炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)、およびこれらの2種以上の混合物があげられる。
また、これらの活性水素含有化合物にアルキレンオキサイドが付加重合された構造の化合物〔ポリエーテルポリオール〕を(b)として使用する場合、原料であるこれらの活性水素含有化合物は2種以上が併用されていてもよく、好ましくは多価アルコールである。
アルキレンオキサイド付加重合物におけるアルキレンオキサイドとしては、炭素数2〜8のものが好ましく、プロピレンオキサイド(以下POと略記)、EO、1,2−、1,3−、1,4−、または2,3−ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、およびこれらの2種以上の併用(併用の場合は、ランダム付加、ブロック付加、これらの組合せのいずれでもよい。)等が挙げられる。好ましくはPOおよび/またはEO、とくにPOである。
アルキレンオキサイドの付加条件は、とくに限定されず、通常用いられるアルカリ触媒〔後述のアルカリ金属水酸化物(a)等〕の存在下、70〜150℃でアルキレンオキサイドが付加された化合物等が挙げられる。また、市販のアルキレンオキサイド付加物を用いてもよい。
これらの3〜6個の活性水素を有する化合物(b)のうち好ましいのは、多価アルコールおよびそのアルキレンオキサイド付加重合物であり、さらに好ましくは、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、およびこれらの化合物のアルキレンオキサイド付加重合物である。
本第2発明のポリエーテルポリオール組成物の製造方法において、粗ポリオール(d1)の製造時に、3〜6個の活性水素を有する化合物(b)へ付加させるアルキレンオキサイド(c)としては、炭素数2〜8のものが好ましく、PO、EO、1,2−、1,3−、1,4−、または2,3−ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、およびこれらの2種以上の併用(併用する場合には、ランダム付加、ブロック付加、これらの組合せのいずれでもよい。)等が挙げられる。好ましくはPO、およびPOとEOの併用である。
粗ポリオール(d1)の製造時に触媒として用いられるアルカリ金属水酸化物(a)は、活性水素を有する化合物(b)に添加され、通常脱水処理(減圧脱水など)の後(好ましくは活性水素化合物中の水分が0.1%以下)、アルキレンオキサイド(c)を付加重合させる。
アルカリ金属水酸化物(a)としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、およびセシウムの水酸化物が挙げられる。副生する不飽和モノオール、コストの観点から、好ましくは水酸化ナトリウム以外の化合物であり、さらに好ましくは、水酸化カリウムであり、特に好ましくは純度95%以上の水酸化カリウムである。
また、アルカリ金属水酸化物(a)中のナトリウム含量は、5%以下が好ましく、さらに好ましくは3%以下、とくに好ましくは、1%以下である。5%以下であると、副生する不飽和モノオールがより低下する。純度、ナトリウム含量の分析法は、イオンクロマトグラフ法、原子吸光分析、IPC法等、公知の方法でよい。
アルカリ金属水酸化物(a)の使用量は、重合終了時のポリエーテルポリオールの重量に対して、好ましくは0.005〜1.5%であり、さらに好ましくは0.05〜1%、とくに好ましくは0.1〜0.7%である。0.005%以上であると反応時間が長くならず、1.5%以下であると反応の制御が容易である。
本発明のポリエーテルポリオール組成物の製造方法において、粗ポリオール(d1)の製造時における、アルキレンオキサイド(c)の導入開始時の反応槽内の圧力は、好ましくは0MPa以下である。下限は、さらに好ましくは−0.1MPaであり、上限は、さらに好ましくは−0.05MPa、とくに好ましくは−0.09MPaである。導入開始時の圧力が0MPaを超えると、導入に時間がかかり反応時間が長くなる。なお、本発明における圧力は、常圧を0MPaとする相対圧力(ゲージ圧)を意味する。
アルキレンオキサイド(c)の反応温度は、初期〔アルキレンオキサイド(c)の導入中および導入終了後に反応を完結させる熟成工程の初期(反応槽の内圧が0.2MPa以下となるまで)〕は好ましくは70〜95℃である。反応温度の下限はさらに好ましくは80℃、とくに好ましくは85℃である。反応初期の温度が70℃以上であると、反応時間が長くならない。95℃以下であると副生する不飽和モノオールが少ない。
アルキレンオキサイド(c)の導入終了後、反応槽の内圧は未反応のアルキレンオキサイド(c)のため、通常0.2MPaより高くなる(例えば、0.3〜4MPa)が、反応が進むにつれて徐々に低下してくる。初期反応条件を終了し昇温開始する際の反応槽の内圧は、好ましくは0.2MPa以下(さらに好ましくは0.1MPa以下)である。圧力が0.2MPa以下であると副生する不飽和モノオールが少ない。
上記圧力に到達後、昇温を開始するが、反応を90〜110℃で続けると反応時間が長くなる。後期は、好ましくは120〜140℃で反応させる。さらに好ましくは下限は125℃、上限は135℃である。120℃以上であると反応時間が長くならない。140℃以下であると、副生する不飽和モノオールが少ない。
反応(熟成)は、反応槽の内圧が一定となるまで継続する。本発明において内圧が一定とは、30分間の内圧の変化が0.01MPa以下となることを意味する。
上記製造方法で得られたポリエーテルポリオールを粗ポリオール(d1)として用いても、さらに通常の反応方法で前記アルキレンオキサイド(c)(好ましくはEO)を付加し、末端にさらに別のアルキレンオキサイド(c)(とくにEO)が付加されたポリエーテルポリオールを粗ポリオール(d1)として用いてもよい。例えば、アルカリ金属水酸化物(a)を含むポリエーテルポリオールに、100〜150℃(好ましくは110〜140℃)でEOを付加する方法が挙げられる。
アルキレンオキサイド(c)が付加重合されて得られた上記粗ポリオール(d1)を、加熱してポリオール中のアリル基をプロペニル基として粗ポリオール(d2)を得る転位工程〔1〕、上記粗ポリオール(d2)中のアルカリ金属水酸化物(a)をシリケート系吸着剤(e)により吸着処理して粗ポリオール(d3)を得る工程〔2〕、および得られた粗ポリオール(d3)を鉱酸(f)若しくはスルホン酸基担持無機多孔体(g)並びに水を加え酸性条件とし、プロペニル基を酸加水分解する工程〔3〕を経て、本第1発明のポリエーテルポリオール組成物(S)が得られる。
前記付加重合反応終了後の粗ポリオール(d1)中のアリル基をプロペニル基に転位する転移工程〔1〕における反応温度(加熱温度)は、140〜180℃が好ましく、より好ましくは150〜175℃、特に好ましくは160〜170℃である。140℃以上では転位反応速度が早く、反応時間が長くならない。また、180℃以下では昇温に時間がかからず、生産効率が低下しない。
反応時間(加熱処理時間)は、好ましくは1〜6時間である。
アリル基をプロペニル基に転位する工程〔1〕における水分は、200ppm以下が好ましく、より好ましくは100ppm以下、特に好ましくは50ppm以下である。水分が200ppm以下のときは転位反応速度が早く反応時間が長くならない。
本発明における水分は、カールフィッシャー水分計(容量滴定方式)により測定される。
なお、アリル基のプロペニル基への転位は、例えば1H−NMRにより確認することができる。
アリル基をプロペニル基に転位した粗ポリオール(d2)は、反応終了後、工程〔2〕として、触媒として用いたアルカリ金属水酸化物(a)の除去を行う。
ポリオール中のアルカリ金属酸化物(a)の除去は、シリケート系吸着剤(e)〔合成ケイ酸マグネシウム(例えば、キョーワード600:協和化学工業社製)、合成ケイ酸アルミニウムなど〕を用いて吸着処理する方法で行う。
吸着処理の温度は、好ましくは40〜95℃である。また、吸着処理時間は、好ましくは20分〜5時間である。
上記方法でアルカリ金属酸化物(a)を除去した粗ポリオール(d3)に、工程〔3〕として、鉱酸(f)若しくはスルホン酸基担持無機多孔体(g)並びに水を加え酸性条件とし、プロペニル基を酸加水分解する。
鉱酸(f)を使用する場合、プロペニル基の酸加水分解工程における反応温度(加熱温度)は120〜160℃が好ましく、より好ましくは130〜160℃、特に好ましくは140〜150℃である。120℃以上では加水分解速度が早く、反応時間が長くならない。また、160℃以下では昇温に時間がかからず、生産効率が低下しない。
反応時間(加熱処理時間)は、好ましくは2〜8時間である。
触媒として用いられる鉱酸(f)としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸等が挙げられる。これらのうち、処理工程、設備の観点から、もっとも好ましいのはリン酸である。
スルホン酸基担持無機多孔体(g)を使用する場合、プロペニル基の酸加水分解工程における反応温度(加熱温度)は、50〜170℃が好ましく、より好ましくは70〜150℃、特に好ましくは90〜140℃である。50℃以上では加水分解速度が早く、反応時間が長くならない。また、170℃以下では昇温に時間がかからず、生産効率が低下しない。
反応時間(加熱処理時間)は、好ましくは1分〜8時間である。
スルホン酸基担持無機多孔体(g)は、無機多孔体にスルホン酸基含有化合物を固定化して担持させたものである。
無機多孔体としては、公知の無機多孔体が使用でき、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、マグネシアおよびジルコニアからなる群から選ばれる1種以上の無機物からなる無機多孔体が挙げられる。
具体的には、シリカからなる無機多孔体としてはシリカゲル;アルミナからなる無機多孔体としてはアルミナゲルなど;シリカおよびアルミナからなる無機多孔体としてはゼオライトなど;その他の無機多孔体としては吸着剤として市販されている「キョーワード」〔協和化学(株)製〕および珪藻土など;が挙げられる。これらのうち触媒活性の観点から好ましいものは、シリカ、アルミナおよびゼオライトであり、特に好ましいものはシリカゲルである。
無機多孔体の平均細孔径は、0.5〜150nmが好ましい。
無機多孔体にスルホン酸基を担持させる方法としては特に限定されないが、例えば、無機多孔体をスルホン酸基に変換可能なスルホン酸前駆体基含有化合物(h)と反応させ、その後(h)が有するスルホン酸前駆体基をスルホン酸基に変換する方法(特開2011−131180号公報参照)が挙げられる。
(h)の具体例としては、メルカプト基含有シランカップリング剤(メルカプトプロピルトリメトキシシラン及びメルカプトプロピルトリエトキシシラン等)、フェニル基含有シランカップリング剤(フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン及びジフェニルジメトキシシラン等)及びフェニル基含有グリシジル化合物(フェニルグリシジルエーテル及びノニルフェニルグリシジルエーテル等)が挙げられる。
本第2発明の製造方法で得られたポリオールポリオール組成物(S)は、工程〔3〕の反応終了後、さらに精製により触媒として用いた鉱酸(f)を除去、又はろ過等によりスルホン酸基担持無機多孔体(g)を除去してから、各種原料として用いるのが好ましい。
鉱酸(f)を含むポリエーテルポリオール組成物(S)の精製方法としては、通常用いられる方法でよく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基で触媒を中和し、生じた塩を濾過除去する方法や酸吸着剤〔合成ケイ酸マグネシウム(例えば、キョーワード1000:協和化学工業社製)、合成ケイ酸アルミニウムなど〕を用いる方法などがあるが、不純物量の観点から酸吸着剤を用いる方法が好ましい。
鉱酸(f)又はスルホン酸基担持無機多孔体(g)を除去した後は、脱水を行うのが好ましい。脱水は、必要により、加熱下(例えば100〜150℃)および/または減圧下(例えば−0.09〜−0.1MPa)で行う。脱水後の水分は0.1%以下が好ましく、より好ましくは0.05%以下である。
本第1発明のポリエーテルポリオール組成物は、各種用途に用いることができるが、ポリエーテルポリオール組成物(S)を含有するポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)とを、添加剤の存在下または不存在下に反応させて、発泡または非発泡ポリウレタンを製造するのに用いるのが好適である。
上記ポリオール(A)として、必要により本発明のポリエーテルポリオール組成物(S)以外の他のポリオール(G)を含有してもよい。
他のポリオール(G)としては、ポリウレタンの原料として通常用いられるものでよく、多価アルコール、多価フェノール、アミン、およびポリカルボン酸等の2〜8価またはそれ以上の活性水素含有化合物にアルキレンオキサイドが付加重合された構造の化合物、多価アルコール、並びにアルカノールアミン等が挙げられる。
本第3発明のポリウレタンの製造方法に用いるポリオール(A)中のポリエーテルポリオール組成物(S)の含有量は、ポリウレタンの機械物性の点から、好ましくは40%以上、さらに好ましくは45〜90%、とくに好ましくは50〜80%である。
ポリウレタンの製造方法は、通常用いられる方法でよく、とくに限定されない。
上記ポリイソシアネート(B)としては、従来からポリウレタンの製造に使用されているものが使用できる。このようなイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらの変性物(例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシヌアレート基、またはオキサゾリドン基含有変性物など)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く;以下のイソシアネートも同様)6〜16の芳香族ジイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族トリイソシアネートおよびこれらのイソシアネートの粗製物などが挙げられる。具体例としては、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(粗製MDI)、などが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜16の脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDIなどが挙げられる。
本発明のポリウレタンの製造方法において、必要により、以下に述べる添加剤の存在下で反応させてもよい。
ポリウレタンフォームを製造する場合には、発泡剤を使用する。
発泡剤としては、水、水素原子含有ハロゲン化炭化水素、低沸点炭化水素、液化炭酸ガス等が用いられ、2種以上を併用してもよい。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素の具体例としては、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHCFC−123およびHCFC−141b);HFC(ハイドロフルオロカーボン)タイプのもの(例えば、HFC−245faおよびHFC−365mfc)などが挙げられる。
低沸点炭化水素は、沸点が通常−5〜70℃の炭化水素であり、その具体例としては、ブタン、ペンタン、シクロペンタンが挙げられる。
ポリオール(A)100部に対する発泡剤の使用量は、水は、好ましくは0.1〜30部、さらに好ましくは1〜20部である。水素原子含有ハロゲン化炭化水素は、好ましくは50部以下、さらに好ましくは10〜45部である。低沸点炭化水素は、好ましくは40部以下、さらに好ましくは10〜30部である。液化炭酸ガスは、好ましくは30部以下、さらに好ましくは1〜25部である。
上記および以下において、部は重量部を意味する。
さらに例えば、ウレタン化触媒(D)(3級アミン系触媒、例えばトリエチレンジアミン、N−エチルモルホリン、ジエチルエタノールアミン、N、N、N’、N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ジアミノビシクロオクタン、1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデセン−7など、および/または金属触媒、例えばオクチル酸第一スズ、ジラウリル酸ジブチル第二スズ、オクチル酸鉛など)、整泡剤(E)(ジメチルシロキサン系、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン系など)、着色剤(染料、顔料)、可塑剤(フタル酸エステル、アジピン酸エステルなど)、有機充填剤(合成短繊維、熱可塑性もしくは熱硬化性樹脂からなる中空微小球など)、難燃剤(リン酸エステル、ハロゲン化リン酸エステルなど)、老化防止剤(トリアゾール系、ベンゾフェノン系など)、抗酸化剤(ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系など)など公知の添加剤の存在下で反応させることができる。
ポリオール(A)100部に対するこれらの添加剤の使用量に関しては、ウレタン化触媒(D)は、好ましくは10部以下、さらに好ましくは0.2〜5部である。整泡剤(E)は、好ましくは10部以下、さらに好ましくは0.5〜5部である。着色剤は、好ましくは1部以下である。可塑剤は、好ましくは10部以下、さらに好ましくは5部以下である。有機充填剤は、好ましくは50部以下、さらに好ましくは30部以下である。難燃剤は、好ましくは30部以下、さらに好ましくは5〜20部である。老化防止剤は、好ましくは1部以下、さらに好ましくは0.01〜0.5部である。抗酸化剤は、好ましくは1部以下、さらに好ましくは0.01〜0.5部である。添加剤の合計使用量は、好ましくは50部以下、さらに好ましくは0.2〜30部である。
本第3発明のポリウレタンの製造方法におけるイソシアネート指数(NCOインデックス)[(NCO基/活性水素原子含有基)の当量比×100]は、好ましくは80〜150、さらに好ましくは85〜135、とくに好ましくは90〜130である。
また、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)を反応させる条件は、通常用いられる公知の条件でよい。
一例を示せば、まず、ポリエーテルポリオール組成物(S)を含有するポリオール(A)および必要により添加剤を所定量混合する。次いで、ポリウレタン低圧もしくは高圧注入発泡機または撹拌機を使用して、この混合物(ポリオールプレミックス)とポリイソシアネート(B)とを急速混合する。得られた混合液を密閉型もしくは開放型のモールド(金属製または樹脂製)に注入し、ウレタン化反応を行わせ、所定時間硬化後、脱型してポリウレタンを得る。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、得られたポリエーテルポリオール組成物の物性値を表1に示した。分析は水酸基価[X]と不飽和モノオール含量[Y]、ジオール含量[Z]の測定により行った。それぞれの測定方法は以下の通りである。
水酸基価(mgKOH/g):JIS K1557−1
不飽和モノオール含量(meq/g):JIS K1557−3
ジオール含量(meq/g):粗ポリオール(d1)の不飽和モノオール含量(meq/g)×{転位工程後のプロペニル基含量(%)/100}×{加水分解率(%)/100}
なお、転位工程後のプロペニル基含量(%)と加水分解率(%)の求め方は下記の通りである。
転位工程後のプロペニル基含量(%)=100×プロペニル基含量/(プロペニル基含量+アリル基含量)
加水分解率(%)=100−100×(加水分解後のプロペニル基含量/転位工程後のプロペニル含量)
プロペニル基含量とアリル基含量は1H−NMRのプロペニル基由来のプロトンピークとアリル基由来のプロトンピークの比から混合比を測定し、不飽和モノオール含量と混合比から各含量を求めた。
なお、本第2発明のポリエーテルポリオール組成物の製造方法以外の方法で得られたポリエーテルポリオール組成物の場合等において、上記方法の他にジオール含量を測定する方法としては、ポリエーテルポリオール組成物を直接、分取ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(分取GPC)にかけてジオールを分取し、分子量、1H−NMR分析、水酸基価等でその組成を確認することにより測定することもできる。
実施例1
オートクレーブに、活性水素化合物としてグリセリン/PO付加物〔水酸基価換算数平均分子量(Mn)600〕を60部投入し、高純度KOH(純度96%、ナトリウム含量200ppm、以下同じ。)を活性水素化合物100部に対して5部投入して、130℃にて減圧下撹拌して均一に溶解、脱水した(水分が0.1%以下となるまで。以下の各例も同様。)。次いで、反応温度95℃にてPOを800部付加重合し、反応温度130℃でEOを140部付加重合した。
得られた粗ポリオールを昇温し、170℃での加熱反応を3時間行った。170℃到達時の水分は45ppmであった。60℃まで冷却した後、アルカリ吸着剤処理〔粗ポリオールに対し水を1.8%加えて85〜90℃で30分混合し、次いで吸着剤としてキョーワード600(協和化学工業社製)を粗ポリオールに対し0.5%加えて同温度で30分混合した後、ろ過により吸着剤を取り除いた。以下の各例も同様。〕を行った。リン酸および水を添加しpH4.0に調整後、昇温し、酸加水分解を反応温度140℃で4時間行った。60℃まで冷却した後、酸吸着剤処理〔粗ポリオールに対し吸着剤としてキョーワード1000(協和化学工業社製)を0.4%加えて同温度で30分混合した後、ろ過により吸着剤を取り除いた。以下の各例(実施例4を除く)も同様。〕および脱水(130℃で、−0.1MPaの減圧下、水分が0.1%以下となるまで脱水を行った。以下の各例も同様。)し、本発明のポリエーテルポリオール組成物(S−1)を得た。
分析の結果、水酸基価25.2、不飽和モノオール含量0.021meq/g、ジオール含量0.057meq/gであった。
実施例2
オートクレーブに、活性水素化合物としてグリセリン/PO付加物(Mn600)を45部投入し、上記高純度KOHを活性水素化合物100部に対して5部投入して、130℃にて減圧下撹拌して均一に溶解、脱水した。次いで、反応温度95℃にてPOを755部付加重合し、反応温度130℃でEOを200部付加重合した。
得られた粗ポリオールを昇温し、170℃での加熱反応を3時間行った。170℃到達時の水分は90ppmであった。60℃まで冷却した後、アルカリ吸着剤処理を行った。リン酸および水を添加しpH3.8に調整後、昇温し、酸加水分解を反応温度140℃で4時間行った。60℃まで冷却した後、酸吸着剤処理および脱水し、本発明のポリエーテルポリオール組成物(S−2)を得た。
分析の結果、水酸基価21.5、不飽和モノオール含量0.036meq/g、ジオール含量0.064meq/gであった。
実施例3
オートクレーブに、活性水素化合物としてグリセリン/PO付加物(Mn600)を95部投入し、上記高純度KOHを活性水素化合物100部に対して5部投入して、130℃にて減圧下撹拌して均一に溶解、脱水した。次いで、反応温度95℃にてPOを785部付加重合し、反応温度130℃でEOを120部付加重合した。
得られた粗ポリオールを昇温し、170℃での加熱反応を3時間行った。170℃到達時の水分は50ppmであった。60℃まで冷却した後、アルカリ吸着剤処理を行った。リン酸および水を添加しpH4.0に調整後、昇温し酸加水分解を反応温度140℃で4時間行った。60℃まで冷却した後、酸吸着剤処理および脱水し、本発明のポリエーテルポリオール組成物(S−3)を得た。
分析の結果、水酸基価40.3、不飽和モノオール含量0.009meq/g、ジオール含量0.041meq/gであった。
製造例1
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び還流管を備えた反応容器に、あらかじめイオン交換水で洗浄後乾燥させたシリカゲル「CARiACT Q−6」[平均粒子径:75〜500μm、富士シリシア化学(株)製]200部、溶媒としてのトルエン400部及び水10部を仕込んだ後、100〜110℃に昇温した。次いで3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン100部加え、環流下に8時間撹拌し反応させた。その後更に水15部を加えて8時間反応させた。反応混合物から固形分をろ別し、トルエン400部で3回、イソプロピルアルコール400部で3回の順で洗浄した後、120℃で5時間減圧(−0.097Mpa)乾燥し、シランカップリング剤担持無機多孔体220部を得た。
シランカップリング剤担持無機多孔体150部、溶媒としての水450部及び30%過酸化水素水150部を上記と同様の反応容器に仕込み、80℃で8時間反応させた。反応混合物から固形分をろ別し、メタノール400部で3回、0.1N−硫酸400部で1回、イオン交換水400部で3回の順で洗浄した後、120℃で5時間減圧乾燥し、スルホン酸基担持無機多孔体を140部得た。
スルホン酸基担持無機多孔体100部を上記と同様の反応容器に仕込み、180℃で24時間加熱処理した。室温まで冷却後スルホン酸基担持無機多孔体をメタノール250部で3回洗浄し、120℃で3時間減圧(−0.097Mpa)乾燥し、スルホン酸基担持無機多孔体(g−1)190部を得た。
実施例4
オートクレーブに、活性水素化合物としてグリセリン/PO付加物(Mn600)を60部投入し、上記高純度KOHを活性水素化合物100部に対して5部投入して、130℃にて減圧下撹拌して均一に溶解、脱水した。次いで、反応温度95℃にてPOを800部付加重合し、反応温度130℃でEOを140部付加重合した。
得られた粗ポリオールを昇温し、170℃での加熱反応を3時間行った。170℃到達時の水分は50ppmであった。60℃まで冷却した後、アルカリ吸着剤処理を行った。スルホン酸基担持無機多孔体(g−1)を得られたポリエーテル100部に対して0.5部および水を添加し、昇温し酸加水分解を反応温度90℃で4時間行った。60℃まで冷却した後、ろ過によりスルホン酸基担持無機多孔体(g−1)を除去および脱水し、本発明のポリエーテルポリオール組成物(S−4)を得た。
分析の結果、水酸基価25.3、不飽和モノオール含量0.020meq/g、ジオール含量0.058meq/gであった。
比較例1
オートクレーブに、活性水素化合物としてグリセリン/PO付加物(Mn600)を60部投入し、上記高純度KOHを活性水素化合物100部に対して5部投入して、130℃にて減圧下撹拌して均一に溶解、脱水した。次いで、反応温度110℃にてPOを800部付加重合し、反応温度130℃でEOを140部付加重合した。
得られた粗ポリオールを60℃まで冷却した後、アルカリ吸着剤処理および脱水し、比較のポリエーテルポリオール組成物(S’−1)を得た。
分析の結果、水酸基価24.0、不飽和モノオール含量0.13meq/g、ジオール含量0.00meq/gであった。
比較例2
オートクレーブに、活性水素化合物としてグリセリン/PO付加物(Mn600)を70部投入し、ホスファゼン化合物(ホスファゼンベースP4−t−Oct溶液 Aldrich社製)(PN)を活性水素化合物100部に対して1.3部投入して、100℃にて減圧下撹拌して均一に溶解、脱水した。次いで、反応温度95℃にてPOを790部付加重合し、反応温度120℃でEOを140部付加重合した。
得られた粗ポリオールを60℃まで冷却した後、アルカリ吸着剤処理および脱水し、比較のポリエーテルポリオール組成物(S’−2)を得た。
分析の結果、水酸基価24.3、不飽和モノオール含量0.022meq/g、ジオール含量0.00meq/gであった。
比較例3
オートクレーブに、活性水素化合物としてグリセリン/PO付加物(Mn600)を45部投入し、上記高純度KOHを活性水素化合物100部に対して5部投入して、130℃にて減圧下撹拌して均一に溶解、脱水した。次いで、反応温度95℃にてPOを755部付加重合し、反応温度130℃でEOを200部付加重合した。
得られた粗ポリオールを昇温し、170℃での加熱反応を5時間行った。60℃まで冷却した後、アルカリ吸着剤処理を行った。リン酸、水を添加しpH3.8に調整後、昇温し酸加水分解を反応温度140℃で4時間行った。60℃まで冷却した後、酸吸着剤処理および脱水し、比較のポリエーテルポリオール組成物(S’−3)を得た。
分析の結果、水酸基価23.2、不飽和モノオール含量0.012meq/g、ジオール含量0.106meq/gであった。
比較例4
オートクレーブに、活性水素化合物としてグリセリン/PO付加物(Mn600)を50部投入し、CsOHを活性水素化合物100部に対して5部投入して、130℃にて減圧下撹拌して均一に溶解、脱水した。次いで、反応温度95℃にてPOを750部付加重合し、反応温度130℃でEOを200部付加重合した。
得られた粗ポリオールを60℃まで冷却した後、アルカリ吸着剤処理および脱水し、比較のポリエーテルポリオール組成物(S’−4)を得た。
分析の結果、水酸基価22.5、不飽和モノオール含量0.032meq/g、ジオール含量0.00meq/gであった。
比較例5
オートクレーブに、活性水素化合物としてグリセリン/PO付加物(Mn600)を100部投入し、複金属シアン化錯体化合物(Zn3[Co(CN)62・2.48DME・4.65H2O・0.94ZnCl2)(DMC)を活性水素化合物100部に対して0.12部投入して、130℃にて減圧下撹拌して均一に溶解、脱水した。次いで、反応温度100℃にてPOを780部付加重合し、反応温度130℃でEOを120部付加重合した。
得られた粗ポリオールを60℃まで冷却した後、アルカリ吸着剤処理および脱水し、比較のポリエーテルポリオール組成物(S’−5)を得た。
分析の結果、水酸基価40.7、不飽和モノオール含量0.012meq/g、ジオール含量0.00meq/gであった。
Figure 2015172181
また、本発明のポリエーテルポリオール組成物(S)、および比較のポリエーテルポリオール組成物(S’)を用いたポリウレタンフォームの物性評価を行った。
〔実施例5〜10及び比較例6〜11〕
物性評価は、表2に示す部数のポリオールプレミックス〔ポリイソシアネート(B)以外の成分の混合物〕に、NCOインデックスが100となるよう所定量のポリイソシアネート(B)を加えて、ホモディスパー(特殊機化社製攪拌機)にて4000rpmで6秒攪拌後、65℃に温度調節した300mm(長さ)×300mm(幅)×100mm(高さ)のアルミ製モールドに注入し、キュアー時間5分にて成形した。
各フォームの物性値の測定結果を表2に示す。なお、コア密度はフォームの中心部から100mm×100mm×50mmの大きさに切り出して測定した密度である。
実施例及び比較例で用いた、上記実施例および比較例で合成したポリエーテルポリオール組成物(S)および(S’)以外のポリウレタンフォーム原料は次の通りである。
(1)ポリオール(G−1):グリセリンPO、末端EO付加物(水酸基価37.5 EO含量14.0%)/ペンタエリスリトールPO、末端EO付加物(水酸基価37.0 EO含量17.5%)=80/20(重量比)中でスチレンとアクリロニトリルを、スチレン/アクリロニトリル=30/70(重量比)で共重合させた重合体ポリオール。(水酸基価=24.9、重合体粒子の体積平均粒子径(R)0.4μm。
(2)ポリオール(G−2):ソルビトールのPO付加物。水酸基価=490。
(3)ポリオール(G−3):グリセリンのPO、EOランダム付加物。水酸基価=24.0。
(4)ポリオール(G−4):トリエタノールアミン。水酸基価=1130。
(5)発泡剤(C−1):水
(6)ウレタン化触媒(D−1):トリエチレンジアミンのエチレングリコール溶液〔東ソー(株)製「TEDA−L33」〕
(7)ウレタン化触媒(D−2):ビス(ジメチルアミノエチル)エ−テルの70%ジプロピレングリコール溶液〔東ソ−(株)製「TOYOCAT ET」〕
(8)整泡剤(E−1):ゴールドシュミット製「TEGOSTAB B8738LF2」
(9)ポリイソシアネート(B−1):TDI−80/粗製MDI=80/20(重量比)、NCO%=44.6
<フォーム物性試験方法>
ポリウレタンフォーム物性の測定方法及び単位を以下に示す。
コア密度:JIS K6400に準拠、単位はkg/m3
硬度(25%−ILD):JIS K6400に準拠、単位はkgf
反発弾性率:JIS K6400に準拠、単位は%
伸び率:JIS K6400に準拠、単位は%
湿熱圧縮残留歪率:JIS K6400に準拠、単位は%
Figure 2015172181
以上の結果から、実施例1〜4の本発明のポリオール組成物を用いた実施例5〜10のポリウレタンフォームは、比較例1〜5の比較のポリオール組成物を用いた比較例6〜11のポリウレタンフォームよりも伸び物性が良好であり、水酸基価が同様のもの同士で比較すると、他の機械物性も同等以上であることがわかる。
本発明のポリエーテルポリオール組成物は、ポリウレタン、各種産業用界面活性剤、化粧品、潤滑油、消泡剤、塗料、およびポリエステル等の原料、とくにポリウレタン用原料として有用である。

Claims (5)

  1. 官能基数が3〜6のポリエーテルポリオールおよびジオールを含有する、または、官能基数が3〜6のポリエーテルポリオール、ジオールおよび不飽和モノオールを含有するポリエーテルポリオール組成物(S)であって、(S)の水酸基価[X](単位:mgKOH/g)が10〜100、(S)の不飽和モノオール含量[Y](単位:meq/g)が0〜0.08、(S)のジオール含量[Z](単位:meq/g)が0.04〜0.08であり、(S)の重量を基準とするエチレンオキサイド単位の含有量[α]が0〜20重量%であって、X、Y、Z、およびαが下記数式(1)の関係を満たすポリエーテルポリオール組成物。

    (Y+Z)×(100−α)/100≦5.89×X-1.27 (1)
  2. アルカリ金属水酸化物(a)の存在下、3〜6個の活性水素を有する化合物(b)にアルキレンオキサイド(c)が付加重合されて得られた粗ポリオール(d1)を加熱してポリオール中のアリル基をプロペニル基として粗ポリオール(d2)を得る転位工程〔1〕、および上記粗ポリオール(d2)中のアルカリ金属水酸化物(a)をシリケート系吸着剤(e)により吸着処理して粗ポリオール(d3)を得る工程〔2〕で得られた粗ポリオール(d3)を、鉱酸(f)若しくはスルホン酸基担持無機多孔体(g)並びに水を加え酸性条件とし、プロペニル基を酸加水分解する工程〔3〕を含む請求項1に記載のポリエーテルポリオール組成物の製造方法。
  3. アルカリ金属水酸化物(a)が純度95重量%以上の水酸化カリウムであって、初期反応温度70〜95℃でアルキレンオキサイド(c)が付加重合されて得られた粗ポリオール(d1)を用いる請求項2に記載のポリエーテルポリオール組成物の製造方法。
  4. 転位工程〔1〕における水分が200ppm以下である請求項2または3に記載のポリエーテルポリオール組成物の製造方法。
  5. 請求項1記載のポリエーテルポリオール組成物(S)を含有するポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを、添加剤の存在下または不存在下反応させるポリウレタンの製造方法。
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