JPH07216082A - ポリグリセリンの製造方法 - Google Patents

ポリグリセリンの製造方法

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JPH07216082A
JPH07216082A JP772994A JP772994A JPH07216082A JP H07216082 A JPH07216082 A JP H07216082A JP 772994 A JP772994 A JP 772994A JP 772994 A JP772994 A JP 772994A JP H07216082 A JPH07216082 A JP H07216082A
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行雄 加曽利
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康司 山崎
Tomoaki Umezawa
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アルカリの存在下、沸騰状態でグリセリンの
重縮合を行ない、ポリグリセリンを製造する。 【効果】 従来よりも短時間で、かつ着色等が少ない高
品質のポリグリセリンが製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリグリセリン(以下
POGと略記する)の製造方法に関する。詳しくは、本
発明は短時間で、着色及び不純物の少ない、高品質のP
OGを製造する方法に存する。
【0002】
【従来の技術】POGは、従来公知の多価アルコールの
1つであり、保湿剤、増粘剤、可塑剤等に使われてい
る。また、POGの脂肪酸エステルは食品添加物として
認可された界面活性剤であり、近年、その使用分野も広
がり使用量も増加してきている。
【0003】POGは、通常、アルカリ触媒の存在下、
グリセリンを重縮合して製造される。この方法は、例え
ば水酸基価1169〜1352のポリグリセリンを製造
する場合には好適であるが、水酸基価800〜1100
のポリグリセリンを製造する場合には、反応温度をより
高く、反応時間も非常に長くする必要があり、実際的で
ない。また長時間の重縮合反応は、生成するPOGの着
色がひどいので、好ましくない。一方、減圧下で重縮合
を行なっても反応時間の短縮にはあまり効果がない。例
えば、特開平2−172938号公報には500mmH
gから50mmHgに減圧して反応させた例があるが、
この反応でも23時間を要している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、グリセリン
の重縮合反応を短時間で行ない、着色の少ない目的とす
る重合度のPOGを製造する方法を提供するものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記事情
に鑑み種々検討した結果、反応混合物を常に沸騰状態に
維持して重縮合反応を行なうことにより、反応時間が短
く、着色の少ないPOGが得られることを見出し、本発
明を完成した。
【0006】即ち本発明の要旨は、アルカリの存在下、
グリセリンを重縮合させてPOGを製造するにあたり、
反応温度を200〜270℃として反応混合物を沸騰状
態に維持しつつ反応を行なうことにより、短い反応時間
で、着色の少ない、POGを製造する方法である。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明においてアルカリ触媒としては、ナトリウム、カリ
ウム、リチウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属類
の水酸化物、炭酸塩、酸化物などが任意に使用できる
が、なかでも水酸化ナトリウムや炭酸カリウムを用いる
のが好ましい。アルカリの添加量としては、グリセリン
重量に対して0.01〜5.0重量%、好ましくは0.
1〜1.0重量%である。
【0008】本発明におけるグリセリンの重縮合反応
は、通常、200〜270℃の範囲で行なわれるが、2
20〜260℃で行なうのが好ましい。本発明では反応
圧力は、反応混合物が常に沸騰状態となるように調整さ
れる。反応が進み、反応混合物中のPOGの量が増加す
るのにしたがい、反応混合物の沸点は次第に上昇するの
で、これに伴い減圧度を高めて反応混合物の沸騰状態を
維持する。反応終了直前の圧力は、通常、11kPa以
下である。
【0009】本発明におけるグリセリンの重縮合反応
は、通常、還流冷却器を上部に備えた反応器中で行な
う。還流冷却器としては、充填塔形式のものを用いる
と、反応器からの蒸気を系外に排出する際の圧損失が少
ないので、工業上好ましい。充填塔中の充填物として
は、ラシッヒリング、ベルルサドル、マクマホン、キャ
ノン、ステップマン、スルーザパッキン、及びディクソ
ン等が有効である。充填塔の理論段数は、通常、1〜2
0段の範囲であるが、特に1〜10段が好ましい。還流
冷却器に用いる冷媒の温度としては、通常、60〜20
0℃、好ましくは80〜180℃の範囲である。この還
流冷却器で、蒸気中のグリセリンの大部分を凝縮させ
て、反応器に還流させる。又、蒸気中の水や、グリセリ
ンの重縮合反応で副生するアクロレイン等の軽沸化合物
は、反応系外へ除去される。
【0010】又、本発明においては、上記還流冷却器に
後続して、凝縮器を設けてもよい。凝縮器は1〜2器設
けるが、通常は2器を直列に設ける。これらの凝縮器に
よって、グリセリンの重縮合反応によって副生した水や
軽沸点物質を、反応系外へ留去する。
【0011】上記凝縮器のうち、還流器からの蒸気を導
入する第1段凝縮器においては、用いる冷媒の温度が通
常−20〜50℃、特に−5〜30℃であることが好ま
しい。第1段凝縮器では主として水及び還流器で凝縮さ
れなかったグリセリン等を凝縮させる。これに後続する
第2段凝縮器においては、用いる冷媒の温度が通常−1
0℃以下、特に−40〜−20℃であることが好まし
い。第2段凝縮器では主としてグリセリンの重縮合反応
で副生するアクロレイン等の軽沸点物質を凝縮させる。
【0012】尚、本発明において、グリセリンの重縮合
反応は、反応開始から反応終了までの全反応期間を、反
応混合物の沸点状態を維持しつつ行なわれるが、場合に
よっては反応期間の一部、特に反応初期において非沸騰
状態で反応を行なっても、反応時間や生成物等へ与える
影響は少ない。本発明においては、通常、全反応量の8
0%以上、好ましくは90%以上を沸騰状態を維持しつ
つ、グリセリンの重縮合反応を行なう。
【0013】本発明において反応系内を減圧する為に用
いる真空ポンプとしては、機械式真空ポンプ、エジェク
ター、拡散ポンプ等が有効である。本発明は通常、水酸
基価が800〜1100、のPOGを製造するのに用い
られるが、中でも水酸基価が850〜1000のものを
製造するのに適している。この水酸基価は反応時間によ
り調整することができる。本発明においては、反応時間
を、通常、5〜10時間とすることで目的とするPOG
を得ることが出来る。得られたPOGは、さらにイオン
交換樹脂、活性炭等で処理し、精製を行なってもよい。
【0014】上記の本発明において、グリセリンの重縮
合反応を、沸騰状態を維持した状態で行なうことで、グ
リセリンの重縮合反応により副生する水や、グリセリン
よりも沸点の低いアクロレイン等の軽沸点物質が、反応
系外へ除去できるので、短時間で、着色の少ない、不純
物の少ない高品質のPOGを得ることができる。更に、
本発明では従来着色が著しく、好ましくないとされてい
た高温(250〜260℃)でも良品質のポリグリセリ
ンを得ることが可能である。
【0015】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、実施例の記
述に限定されるものではない。以下の実施例において、
部、%は全て重量部、及び重量%を示す。
【0016】〔実施例1〕充填塔を備えた還流器と、こ
れに続く2段の凝縮器を上部に設置し、且つ加熱ジャケ
ットおよび撹はん機を備えた反応器に、グリセリン13
000部を仕込み、窒素ガスを流通させながら250℃
まで昇温した後、炭酸カリウム(K2 CO 3 )26部を
加え、反応系内の圧力を33.3kPaに下げて反応液
を沸騰状態にした。重縮合反応が進むと反応液の沸点が
徐々に上昇するため、表−1のように、反応液が沸騰状
態を保持するように圧力を順次下げ(反応液が沸騰状態
であることは、反応器に取り付けた覗き窓より確認しな
がら行なった。)、所定の平均重合度になるまで反応さ
せた。
【0017】
【表1】
【0018】反応終了後、ただちに80℃まで冷却し、
得られた反応混合物を分析した。平均重合度は水酸基価
より下記式に従い求めた。結果を表−2に示した。PO
Gは、式(A)の構造式で表わせる。POGの水酸基価
(h)は式(B)で、POGの平均重合度(n)は、式
(C)で表わせるので、水酸基価を実測することにより
平均重合度を算出できる。
【0019】
【化1】
【0020】〔実施例2〕反応温度を260℃にした以
外は実施例1と同様な方法で行なった。結果を表−2に
示した。尚、反応に要した時間は、5.0時間であっ
た。
【0021】〔比較例1〕反応圧力を常圧(101.3
kPa)とした以外は実施例1と同様の方法で行なっ
た。結果を表−2に示す。この反応では、14.5時間
も反応を行なったが、平均重合度1.6のポリグリセリ
ンしか得られず、また混合物の色調も悪いものであっ
た。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】本発明では、沸騰状態を保持した状態で
グリセリンを重縮合させることにより、短い反応時間
で、着色が少なく、不純物の少ない高品質のPOGを得
ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリの存在下、グリセリンを重縮合
    させるポリグリセリンの製造方法において、200〜2
    70℃の温度条件下、反応混合物の沸騰状態を維持しつ
    つ反応を行なうことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 ポリグリセリンの水酸基価が800〜1
    100であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 内部に充填物を充填した還流冷却器を備
    えた反応器を用いて、副生する水及び軽沸点物質を反応
    系外に除去しつつ反応を行なうことを特徴とする、請求
    項1又は2に記載の方法。
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