WO2009107240A1 - 潜熱蓄熱性能を有する包接水和物、その製造方法及び製造装置、潜熱蓄熱媒体ならびに、包接水和物の潜熱蓄熱量の増加方法及び包接水和物の潜熱蓄熱量を増加させる処理装置 - Google Patents

潜熱蓄熱性能を有する包接水和物、その製造方法及び製造装置、潜熱蓄熱媒体ならびに、包接水和物の潜熱蓄熱量の増加方法及び包接水和物の潜熱蓄熱量を増加させる処理装置 Download PDF

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Abstract

 4級アンモニウム化合物を含む水溶液に気体を供給する気体供給手段と、前記水溶液を冷却する冷却手段とを備え、該冷却手段による冷却の過程で前記水溶液に前記気体供給手段により前記気体を供給することにより、前記4級アンモニウム化合物と前記気体の両方をゲストとし、前記蓄熱性能が高められた包接水和物を製造する包接水和物の製造装置。

Description

潜熱蓄熱性能を有する包接水和物、その製造方法及び製造装置、潜熱蓄熱媒体ならびに、包接水和物の潜熱蓄熱量の増加方法及び包接水和物の潜熱蓄熱量を増加させる処理装置
 本発明は、潜熱蓄熱効果を有する包接水和物及びこれに関連する技術に関し、詳しくは当該潜熱蓄熱効果が高められた包接水和物、かかる包接水和物の製造方法及び製造装置、かかる包接水和物を組成物として含む潜熱蓄熱媒体、包接水和物の潜熱蓄熱量の増加方法及び包接水和物の潜熱蓄熱量を増加させる処理装置に関する。
 潜熱蓄熱媒体は、熱エネルギーの効率的利用に供され、空調設備に用いられる蓄熱材や熱輸送媒体、生鮮食料品の品質保持に用いられる保冷材といった実用例も多い。このような蓄熱蓄熱媒体又はその組成物として、4級アンモニウム化合物をゲスト(又はゲスト分子)とし、水分子をホスト(又はホスト分子)とする包接水和物が知られている(実質的に固体状のもの及び水に分散させてスラリー状のものとしてそれぞれ特許文献1及び特許文献2参照)。
 なお、以下において、「4級アンモニウム化合物をゲストとし、水分子をホストとする包接水和物」を単に「4級アンモニウム化合物の包接水和物」又は「4級アンモニウム化合物をゲストとする包接水和物」という場合がある。
 一般に、潜熱蓄熱媒体は、単位重量あたりの蓄熱量(蓄熱密度)は大きいものほど蓄熱効率や熱輸送効率が高くなるので好ましい。このことは、潜熱蓄熱媒体又はその組成物が4級アンモニウム化合物の包接水和物である場合であっても変わらない。この意味から、より蓄熱密度が高い当該包接水和物が求められているといえる。
特公昭57-35224号公報 特許第3309760号公報
 蓄熱密度を大きくするためには、4級アンモニウム化合物の水溶液の濃度を高くすることによって生成する水和物粒子の固相率を高くして蓄熱密度を大きくすることができる。しかし、蓄熱密度を高めるために4級アンモニウム化合物の濃度又は密度を高めるとすると潜熱蓄熱媒体の材料コストが嵩むという問題が生じる。また、特に4級アンモニウム化合物の包接水和物を水又は水溶液に分散させたスラリーを潜熱蓄熱媒体又はその組成物とする場合には、水和物粒子の水中での存在重量比率又は固相率を高めることで蓄熱密度を高めることができるが、この比率を過度に高めるとスラリーの粘度が増加し流動性が低下して輸送性に支障が生じるという問題が生じる。
 本発明は上記の問題を解決するために、4級アンモニウム化合物をゲストとする包接水和物であって潜熱蓄熱性能が高められたもの、かかる包接水和物の製造方法及び製造装置、かかる包接水和物を組成物として含む潜熱蓄熱媒体、包接水和物の潜熱蓄熱量の増加方法及び包接水和物の潜熱蓄熱量を増加させる処理装置を得ることを目的としている。
 発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、
(1)4級アンモニウム化合物の水溶液に気体を吹き込みながら冷却して生成、又は4級アンモニウム化合物の水溶液に気体を吹き込んだ後に冷却して生成した当該4級アンモニウム化合物をゲストとする包接水和物を採取して蓄熱量を測定すると、
(1a)気体を吹き込まない場合に比べ蓄熱量が増加する、そして
(1b)蓄熱量が増加するだけでなく融点も変化するという新たな知見を得た。
また、以下の新たな知見も得た。
(2)上記(1)の操作により生成した包接水和物を融解すると、その生成時に吹き込んだものと同種の気体が放出する。
(3)上記(1)の操作により生成した包接水和物を融解した後、上記(1)の操作を繰り返して包接水和物を生成させても、(1a)、(1b)及び(2)の各現象が現われる。
(4)上記(1a)、(1b)及び(2)の各現象の発現の程度は気体の種類に依存する。
 これらの現象については、4級アンモニウム化合物の水溶液に適当な気体を吹き込みながら冷却することにより、又は4級アンモニウム化合物の水溶液に適当な気体を吹き込んだ後に冷却することにより生成する包接水和物が、以下の三つのうち少なくとも一つであると考察することで矛盾なく説明することができる。
(ア)4級アンモニウム化合物をゲストとする包接水和物が当該適当な気体を内部に取り込んで形成される包接水和物、
(イ)当該適当な気体が当該4級アンモニウム化合物とともにゲスト分子として包接されて形成される包接水和物、
(ウ)4級アンモニウム化合物をゲストとする包接水和物と適当な気体をゲストとする包接水和物の混合物
 本発明は上記の知見に基づいてなされたものであり、具体的には以下の構成を有するものである。
 本発明の第1の形態に係る包接水和物は、4級アンモニウム化合物をゲストとし潜熱蓄熱性能を有する包接水和物であって、外部から供給された気体をゲストとしてさらに包接することにより前記潜熱蓄熱性能が高められているものである。
 本発明の第2の形態に係る包接水和物は、潜熱蓄熱性能を有する包接水和物であって、4級アンモニウム化合物を含む水溶液に外部から気体を供給しながら前記水溶液を冷却することにより、又は4級アンモニウム化合物を含む水溶液に外部から供給した気体を混合した後、前記水溶液を冷却することによって生成される前記4級アンモニウム化合物と前記気体の両方をゲストとするものである。
 本発明の第3の形態に係る潜熱蓄熱媒体は、第1または第2の形態に係る包接水和物を組成物として含むものである。
 本発明の第4の形態に係る潜熱蓄熱媒体は、4級アンモニウム化合物を含む水溶液に外部から気体を供給しながら前記水溶液を冷却することにより、又は4級アンモニウム化合物を含む水溶液に外部から供給した気体を混合した後、前記水溶液を冷却することにより生成される潜熱蓄熱性能を有する包接水和物を組成物として含むものである。
 本発明の第5の形態に係る包接水和物の製造方法は、潜熱蓄熱性能を有する包接水和物の製造方法であって、4級アンモニウム化合物を含む水溶液に外部から気体を供給しながら前記水溶液を冷却することにより、又は4級アンモニウム化合物を含む水溶液に外部から供給した気体を混合した後、前記水溶液を冷却することにより前記潜熱蓄熱性能を高める工程を有するものである。
 本発明の第6の形態に係る包接水和物の製造方法は、第5の形態に係る包接水和物の製造方法であって、外部から供給する気体が前記水溶液の脱酸素用の気体であるものである。
 本発明の第7の形態に係る包接水和物の製造方法は、第5の形態に係る包接水和物の製造方法であって、外部から供給する気体の温度は、前記包接水和物の融点より低い温度であるものである。
 本発明の第8の形態に係る包接水和物の製造方法は、第5の形態に係る包接水和物の製造方法であって、外部から供給する気体が、氷蓄熱槽に供給されることで冷却された気体であり、その温度は前記包接水和物の融点よりも低い温度であるものである。
 本発明の第9の形態に係る潜熱蓄熱媒体は、第5乃至第8のいずれかの形態に係る包接水和物の製造方法により製造された包接水和物を組成物として含むものである。
 本発明の第10の形態に係る包接水和物の潜熱蓄熱量の増加方法は、4級アンモニウム化合物をゲストとする包接水和物の潜熱蓄熱量の増加方法であって、前記4級アンモニウム化合物を含む水溶液に外部から気体を供給しながら前記水溶液を冷却する工程、又は前記4級アンモニウム化合物を含む水溶液に外部から供給された気体を混合した後、前記水溶液を冷却する工程を有するものである。
 本発明の第11の形態に係る包接水和物の潜熱蓄熱量の増加方法は、第10の形態に係る包接水和物の潜熱蓄熱量の増加方法であって、外部から供給する気体が前記水溶液の脱酸素用の気体であるものである。
 本発明の第12の形態に係る包接水和物の製造装置は、潜熱蓄熱性能を有する包接水和物の製造装置であって、4級アンモニウム化合物を含む水溶液に気体を供給して混合する混合器と、前記気体が混合された前記水溶液を冷却して前記蓄熱性能が高められた包接水和物を生成する生成器と、を備えるものである。
 本発明の第12の形態に係る包接水和物の製造装置において、包接水和物の生成に寄与しなかった残余の気体を分離する分離器を更に備えてもよい。
 本発明の第13の形態に係る包接水和物の製造装置は、潜熱蓄熱性能を有する包接水和物の製造装置であって、4級アンモニウム化合物を含む水溶液に気体を供給する気体供給手段と、前記水溶液を冷却する冷却手段とを備え、該冷却手段による冷却の過程で前記水溶液に前記気体供給手段により前記気体を供給することにより前記蓄熱性能が高められた包接水和物を製造するものである。
 本発明の第14の形態に係る包接水和物の潜熱蓄熱量を増加させる処理装置は、4級アンモニウム化合物をゲストとする包接水和物の潜熱蓄熱量を増加させる処理装置であって、4級アンモニウム化合物を含む水溶液に気体を供給して混合する混合器と、前記気体が混合された前記水溶液を冷却して前記包接水和物を生成する生成器と、を備えるものである。
 本発明の第15の形態に係る包接水和物の潜熱蓄熱量を増加させる処理装置は、4級アンモニウム化合物をゲストとする包接水和物の潜熱蓄熱量を増加させる処理装置であって、4級アンモニウム化合物を含む水溶液に気体を供給する気体供給手段と、前記水溶液を冷却する冷却手段とを備え、該冷却手段による冷却の過程で前記水溶液に前記気体供給手段により前記気体を供給するものである。
 なお、以下に掲げる事項(1)乃至(6)に基づき、本発明が理解・解釈され、その技術的範囲が画定されるものとする。
(1)本発明における4級アンモニウム化合物の代表例は、テトラ-n-ブチルアンモニウム塩、テトラ-iso-ペンチルアンモニウム塩、トリ-n-ブチル-n-ペンチルアンモニウム塩などである。
(2)本発明における潜熱蓄熱媒体は、本発明における包接水和物そのものであってもよく、当該包接水和物を必須組成物として、他の組成物を追加又は添加して構成されるものであってもよく、他の物質中に分散、内包、懸濁等して構成されるものであってもよい。また、潜熱蓄熱媒体の性状としては、固形状、液状、ゲル状、スラリー状、微小カプセル状(微小カプセル内に充填されている状態)等があり得るが、本発明における潜熱蓄熱媒体の性状には特に制限はない。例えば当初は固形状であっても、界面活性剤やゲル化剤を添加することで液状やゲル状に加工されてできる潜熱蓄熱媒体であっても、本発明における包接水和物を組成物として含む限り、本発明における潜熱蓄熱媒体に含まれる。本発明における潜熱蓄熱媒体ではその使用の態様に制限はなく、定位置で熱利用に供される潜熱蓄熱媒体も、駆動力又は自然対流による移動が伴うが故に移動先で熱利用に供される潜熱蓄熱媒体も、使用の態様という観点から本発明から排除されるものではない。
(3)本発明において、4級アンモニウム化合物を含む水溶液(以下単に水溶液という)への気体の供給は相対的なものであり、水溶液に向けて気体を放出する場合は勿論、気体に向けて水溶液を放出する場合もこれに該当する。前者の典型例は、水溶液が存在する領域への当該領域外からの気体のバブリングであり、その場合気泡粒径は小さいほど好ましい。後者の典型例は、気体が存在する領域への当該領域外からの水溶液の噴霧であり、その場合水溶液滴径は小さいほど好ましい。いずれにせよ、水溶液への気体の供給は、気体と水溶液との接触面積をより高める手法により行われることが好ましい。
(4)本発明は、4級アンモニウム化合物を含む水溶液を冷却するという包接水和物の従来の生成手法に、外部から前記水溶液に気体を供給するという技術的事項が加味された新たな生成手法を基礎とする技術的思想であり、従って、外部から気体を供給すること自体に技術的特徴がある。
 しかし、本発明において、外部から供給すべき気体には水素やヘリウムは含まれない。水素やヘリウムのような小さな分子の気体を4級アンモニウム化合物を含む水溶液に外部から供給しながら又は外部から供給し混合した後、冷却することによって生成した包接水和物では、潜熱蓄熱量の増加が起こらなかった。
 他方、本発明において、外部から供給すべき気体には、4級アンモニウム化合物をゲストとする包接化合物に取り込まれる気体又は、4級アンモニウム化合物とともに水分子に包接されて包接水和物の構成要素となり得る気体が含まれる。具体的には空気、窒素、酸素、二酸化炭素、アルゴン、クリプトン、キセノン、硫化水素、メタン、エタン、プロピレン、トリメチレンオキシド、プロパン、ブタン、各種フロンといった水素やヘリウムよりも大きな分子の気体が含まれる。
 従って、本発明の技術的特徴が外部から気体を供給すること自体にあるものの、当該気体としては、水素やヘリウムよりも大きな分子の気体であって、4級アンモニウム化合物をゲストとする包接化合物に取り込まれる気体又は、4級アンモニウム化合物とともに水分子に包接されて包接水和物の構成要素となり得る気体であると特定することができる。
(5)本発明において、潜熱蓄熱性能又は潜熱蓄熱効果のより高い包接水和物を生成又は製造する際の圧力については特に制限がなく、目的とする包接水和物が生成又は製造できる限りにおいて、加圧下や常圧下で、更には減圧下でこれを行って構わない。なお、気体の水溶液への溶解速度や最大溶解濃度に着目すると、潜熱蓄熱量が多い包接水和物をより効率的に生成又は製造するためには加圧下の方が常圧下より好ましく、又常圧下の方が減圧下より好ましい。他方、設備や運転のコストに着目すると、常圧下がより好ましい。
 (6)本発明の第12又は第13の形態に係る製造装置には、包接水和物を含む潜熱蓄熱媒体を用いる熱利用システムの一部に、潜熱蓄熱量を増加させるための一手段として組み込まれる、いわば包接水和物の処理装置といった意味で使用されるものが含まれる。
 本発明によれば、包接水和物の潜熱蓄熱性能が高まるので、潜熱の必要量を蓄熱するために要する包接水和物のゲスト化合物としての4級アンモニウム化合物の量を低減することができ、材料コストを低減できるとともに、当該包接水和物を収容するために必要な容器をより小さく、そして当該容器を含む設備を小型にすることができる。特に包接水和物を用いて(例えば流動性が高く粘性の低いスラリーにして)熱輸送を行う場合には、同じ潜熱蓄熱量を輸送するために必要な包接水和物の量を低減できるので、材料コストの低減のみならず、輸送配管の小型化、輸送動力の低減が可能になる。
 本発明を多面的に眺めた場合、その各形態が奏する作用効果は以下のとおりである。
 本発明の第1及び第2の形態によれば、外部から供給された気体を取り込んでいない又は当該気体を包接していない包接水和物よりも高い潜熱蓄熱性能を有する包接水和物を実現することができる。
 本発明の第3及び第4の形態によれば、より高い潜熱蓄熱性能又はより高い潜熱蓄熱量を有する包接水和物を組成物として含む潜熱蓄熱媒体を実現することができる。
 本発明の第5の形態によれば、外部から供給された気体を取り込んでいない又は当該気体を包接していない包接水和物よりも高い潜熱蓄熱性能を有する包接水和物を製造することができる。
 本発明の第6の形態によれば、4級アンモニウム化合物を含む水溶液への脱酸素用の気体(例えば窒素ガス)を供給することにより脱酸素処理が施されている当該水溶液又は施された当該水溶液からより高い潜熱蓄熱性能又は潜熱蓄熱効果を有する包接水和物を製造することができる。
 これは、包接水和物の粒子が水又は水溶液中に分散してスラリーとなり、このスラリーを潜熱蓄熱媒体として使用する場合において特に有益である。即ち、当該スラリーにより容器、配管等の内面材料の腐食が発生することを抑制するために、そのスラリー中の溶存酸素量を減らす脱酸素型腐食抑制剤をスラリーに投入する場合がある。その場合に、スラリーの原料液に相当する前記水溶液に脱酸素用気体を供給して脱酸素処理を施せば、腐食抑制剤の投入量を低減もしくは腐食抑制剤投入を不要にできるとともに、そのスラリーの潜熱蓄熱量を増加させることができるという二つの効果を奏する。
 本発明の第7の形態によれば、気体そのものの温度が包接水和物の融点より低い温度なので、これを水溶液に供給することにより、水溶液を冷却する冷熱として利用でき、冷媒との熱交換による冷却にさらに加えることができるので、より効率よく冷却できるため、より高い潜熱蓄熱性能又は潜熱蓄熱効果を有する包接水和物又はそのスラリーを製造することができる。
 本発明の第8の形態によれば、4級アンモニウム化合物をゲストとする包接水和物の融点が0℃以上であり、氷蓄熱槽に供給されて冷却された気体は0℃に近い温度であるので、これを水溶液に供給することにより、水溶液を冷却する冷熱として利用でき、冷媒との熱交換による冷却にさらに加えることができるので、より効率よく冷却できるため、より高い潜熱蓄熱性能又は潜熱蓄熱効果を有する包接水和物又はそのスラリーを製造することができる。
 なお、氷蓄熱槽には、例えばその内部の冷水を攪拌することを目的として気体(特に空気)が供給される場合がある(例えば実開昭62-117435号公報参照)。氷蓄熱槽から抜出された気体は、0℃近い温度であるので、包接水和物の融点よりも低い温度であるため、これを水溶液に供給することにより、水溶液を冷却する冷熱として利用でき、冷媒との熱交換による冷却にさらに加えることができるので、より効率よく冷却できるため、より高い潜熱蓄熱性能又は潜熱蓄熱効果を有する包接水和物又はそのスラリーを製造することができる。そして、攪拌することを目的として供給された気体により氷蓄熱槽から当該気体を通じて放出される冷熱を包接水和物又はそのスラリーの製造に役立てることができ、合理的でありエネルギーの節約になる。
 本発明の第9の形態によれば、より高い潜熱蓄熱性能又はより高い潜熱蓄熱量を有する包接水和物を組成物として含む潜熱蓄熱媒体を実現することができる。
 本発明の第10の形態によれば、4級アンモニウム化合物を含む水溶液を冷却することで生成する当該4級アンモニウム化合物をゲストとする包接水和物の潜熱蓄熱量を増加させることができる。
 本発明の第11の形態によれば、4級アンモニウム化合物を含む水溶液を冷却することで生成する当該4級アンモニウム化合物をゲストとする包接水和物の潜熱蓄熱量を、当該水溶液に対する脱酸素処理に併せて増加させることができる。これは、包接水和物の粒子が水又は水溶液中に分散してスラリーとなり、このスラリーを潜熱蓄熱媒体として使用する場合において、本発明の第6の形態の場合と同様の理由から、特に有益である。
 本発明の第12の形態によれば、4級アンモニウム化合物を含む水溶液に外部から供給した気体を混合した後、その水溶液を冷却するという工程を装置の形で具現化することができ、より蓄熱性能が高められた包接水和物の製造装置を実現することができる。
 本発明の第12の形態に、包接水和物の生成に寄与しなかった残余の気体を分離する分離器を更に備えた形態によれば、より蓄熱性能が高められた包接水和物の生成に寄与しなかった残余の気体を分離することができる包接水和物の製造装置を実現することができる。分離された残余の気体は、包接水和物の製造への再利用又はその他の目的に供することができる。
 本発明の第13の形態によれば、4級アンモニウム化合物を含む水溶液に外部から気体を供給しながらその水溶液を冷却するという工程を装置の形で具現化することができ、より蓄熱性能が高められた包接水和物の製造装置を実現することができる。
 本発明の第14の形態によれば、4級アンモニウム化合物を含む水溶液に外部から供給した気体を混合した後、その水溶液を冷却するという工程を装置の形で具現化することができ、包接水和物の潜熱蓄熱量を増加させる処理装置を実現することができる。
 本発明の第15の形態によれば、4級アンモニウム化合物を含む水溶液に外部から気体を供給しながらその水溶液を冷却するという工程を装置の形で具現化することができ、包接水和物の潜熱蓄熱量を増加させる処理装置を実現することができる。
 なお、包接水和物が融解する際にその包接水和物に取込まれた気体が放出されるが、包接水和物の製造への再利用又はその他の目的に供することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る包接水和物の製造装置の説明図である。 図2は、本発明の一実施の形態に係る冷房空調設備の説明図である。 図3は、本発明の他の実施の形態に係る冷房空調設備の説明図である。 図4は、本発明の他の実施の形態に係る冷房空調設備に用いる氷蓄熱式冷却システム用の氷蓄熱槽の説明図である。
 本発明の効果を確認するための実験結果について説明し、その後、具体的な実施の形態を説明する。
 [実験1]
 実験1では、4級アンモニウム化合物として臭化テトラ-n-ブチルアンモニウム(TBAB)を用い、包接水和物スラリーの生成過程において、気体を吹き込まない場合と、気体を吹き込んだ場合との二つの場合の実験を行い、生成された包接水和物スラリーの蓄熱量と融点を比較した。
 実験内容は以下に示す通りである。
 常圧下、室温の14.4wt%濃度のTBAB水溶液をガラスビーカーに入れ、ガラスビーカーに気体(空気、窒素、二酸化炭素)をバブラーを通して吹き込みつつ、ガラスビーカーを0℃の冷却液に浸けて冷却し、気体を含むTBABの包接水和物を生成させて、包接水和物スラリーを生成させた。なお、冷却している間、ビーカー内部の攪拌を続けた。
 生成した包接水和物スラリーを断熱容器に入れ、攪拌しながら、浸漬した電気ヒータにより加熱し、包接水和物スラリーを溶解した。そのときに与えた熱量と包接水和物スラリー温度を計測して、7℃~10℃の温度範囲における蓄熱量を計測した。また、包接水和物スラリー中の固体包接水和物が完全に溶けきる温度(融点)を計測した。
 計測結果を表1に示す。蓄熱量が増加することを増熱といい、表1には、気体吹き込みによる蓄熱量の増加(増熱)を表すために、気体を吹き込まない場合の蓄熱量を1として算出した増熱比率を示している。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1に示されるように、14.4wt%濃度のTBAB水溶液では、空気、窒素または二酸化炭素を吹き込むことにより気体を吹き込まない場合に比べ、蓄熱量が増大している。空気または窒素を吹き込むことにより約20%の増熱ができ、二酸化炭素を吹き込むことにより約40%の増熱ができることを確認した。
 [実験2]
 次に、実験2では、TBAB水溶液の濃度を変えて実験1の手順と同様の手順で実験を行い生成された包接水和物スラリーの蓄熱量と融点を計測した。
 TBAB水溶液の濃度が8wt%の場合の計測結果を表2に示す。蓄熱量は、5℃~8℃の温度範囲にて測定した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表2に示されるように、8wt%濃度のTBAB水溶液では、空気を吹き込むことにより吹き込まない場合に比べ、約10%の増熱ができ、二酸化炭素を吹き込むことにより約30%の増熱ができることを確認した。
 次に、TBAB水溶液の濃度が25wt%の場合の計測結果を表3に示す。蓄熱量は、9℃~12℃の温度範囲にて測定した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 表3に示されるように、25%濃度のTBAB水溶液では、空気を吹き込むことにより吹き込まない場合に比べ、約10%の増熱ができ、二酸化炭素を吹き込むことにより約60%の増熱ができることを確認した。
 また、実験1、2において、気体を吹き込んで製造した包接水和物スラリーは、気体を吹き込まない場合のものと同様に熱輸送媒体として十分な流動性を有していることを確認した。
 また、包接水和物スラリーが加熱され水和物固体が融解する間、微細な気泡が発生した。気泡から捕集した気体の成分は吹き込んだ気体であることを確認した。
 上記の実験1、2では、吹き込んだ気体の温度は室温であったが、別の実験として、気体の温度を予め臭化テトラ-n-ブチルアンモニウムの包接水和物の融点より低い温度である8℃以下に冷却して吹き込んで、他の実験条件は同じようにして実験を行うと、さらに増熱できることを確認した。
 上記の実験1、2では、4級アンモニウム化合物として臭化テトラ-n-ブチルアンモニウム(TBAB)を用いたが、TBAB以外の4級アンモニウム化合物についても同様の効果が得られる。4級アンモニウム化合物の他の例としては、テトラ-n-ブチルアンモニウム塩、テトラ-iso-ペンチルアンモニウム塩、トリ-n-ブチル-n-ペンチルアンモニウム塩などのアルキルアンモニウム塩がある。
 [実験3]
 テトラ-iso-ペンチルアンモニウム塩として臭化テトラ-iso-ペンチルアンモニウム(TiPAB)を用いて、気体を吹き込むことによる蓄熱量の増加を測定した。10wt%濃度のTiPAB水溶液を用いて、実験1の手順と同様の手順で実験を行い生成された包接水和物スラリーの蓄熱量と融点を計測した。計測結果を表4に示す。蓄熱量は、27℃~30℃の温度範囲にて測定した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 表4に示されるように、10wt%濃度のTiPAB水溶液では、空気を吹き込むことにより吹き込まない場合に比べ、約10%の増熱ができることを確認した。
 [実験4]
 トリ-n-ブチル-n-ペンチルアンモニウム塩として臭化トリ-n-ブチル-n-ペンチルアンモニウム(TBPAB)を用いて、気体を吹き込むことによる蓄熱量の増加を測定した。17wt%濃度のTBPAB水溶液を用いて、実験1の手順と同様の手順で実験を行い生成された包接水和物スラリーの蓄熱量と融点を計測した。計測結果を表5に示す。蓄熱量は、5℃~8℃の温度範囲にて測定した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
 表5に示されるように、17wt%濃度のTBPAB水溶液では、空気を吹き込むことにより吹き込まない場合に比べ、約10%の増熱ができることを確認した。
 実験1~4に示されるように、4級アンモニウム化合物として臭化テトラ-n-ブチルアンモニウム(TBAB)、臭化テトラ-iso-ペンチルアンモニウム(TiPAB)、臭化トリ-n-ブチル-n-ペンチルアンモニウム(TBPAB)の水溶液に、気体を吹き込んで冷却して包接水和物スラリーを生成すると、気体を吹き込まない場合に比べて増熱が可能であることが確認された。このように、生成した包接水和物スラリーが潜熱蓄熱媒体として有用であることが判明した。
 また、実験1~4において、気体を吹き込んで製造した包接水和物スラリーは、気体を吹き込まない場合のものと同様に熱輸送媒体として十分な流動性を有していることを確認した。
 上記の実験1~4においては、4級アンモニウム化合物を含む水溶液に気体を外部から供給し混合して、冷却し気体と4級アンモニウム化合物をゲストとして含む包接水和物を生成することを確認したが、気体を発生させる気体発生剤をあらかじめ4級アンモニウム化合物の水溶液に添加しておき、気体発生剤から気体を水溶液中に発生させながら又は発生させた後に冷却して、気体と4級アンモニウム化合物をゲストとして含む包接水和物を生成することもできる。
 気体発生剤として、例えば炭酸塩もしくは炭酸水素塩を4級アンモニウム化合物の水溶液に添加しておき、炭酸塩もしくは炭酸水素塩から二酸化炭素を水溶液中に発生させながら又は発生させた後に冷却して生成した当該4級アンモニウム化合物をゲストとする包接水和物を採取して蓄熱量を測定すると、気体を発生させない場合に比べ蓄熱量が増加し、融点も変化する現象が確認できる。さらに生成した包接水和物を融解すると、二酸化炭素が放出する現象が確認できる。
 水溶液中の炭酸塩もしくは炭酸水素塩から二酸化炭素を発生させるには、水溶液のpHを低下させることにより行え、pHの低下は、酸の添加によってもよいし、電極反応による電気化学的方法によってもよい。
 また、包接水和物を融解して包接水和物に取り込まれた二酸化炭素が放出された場合に、炭酸塩もしくは炭酸水素塩を再度生成させる反応に放出された二酸化炭素を利用することができる。
 [実験5]
 4級アンモニウム化合物の水溶液に炭酸塩もしくは炭酸水素塩を添加しておき、炭酸塩もしくは炭酸水素塩から二酸化炭素を水溶液中に発生させながら冷却して生成した4級アンモニウム化合物をゲストとする包接水和物の蓄熱量を測定する実験を行った。4級アンモニウム化合物として臭化テトラ-n-ブチルアンモニウム(TBAB)を用い、水和物スラリーの生成過程において、炭酸塩または炭酸水素塩を添加して二酸化炭素を発生させた場合と、二酸化炭素を発生させない場合との実験を行い、生成された水和物スラリーの蓄熱量と融点を比較した。
 実験内容は以下に示す通りである。
 水に対してTBABを15.0wt%、炭酸水素ナトリウムを4.0wt%を溶解して原料水溶液を調製した。調製後の原料水溶液のpHは8.3であった。
 常圧下、原料水溶液をガラスビーカーに入れ、ガラスビーカーを0℃の冷却液に浸けて冷却し水和物を生成させ水和物スラリーを生成させた。なお、冷却している間、ビーカー内部の攪拌を続けた。このとき、冷却している過程において硫酸を微量添加して原料水溶液のpHを6.8まで下げて炭酸水素ナトリウムから二酸化炭素を発生させた場合と、硫酸を添加することなく二酸化炭素を発生させなかった場合の2種類の実験を行った。
 生成した水和物スラリーを、断熱容器に入れ、攪拌しながら浸漬した電気ヒータにより加熱し、水和物スラリーを溶解した。そのときに与えた熱量と水和物スラリー温度から、7℃~10℃の温度範囲における蓄熱量を計測した。また、水和物スラリー中の固体水和物が完全に溶けきる融点を計測した。
 計測結果を下記の表6に示す。なお、表6には、二酸化炭素発生による蓄熱量の増加比率について、二酸化炭素を発生させない場合を1として算出した増熱比率を示している。表6に示されるように、炭酸水素ナトリウムから二酸化炭素を発生させた場合は発生させない場合に比べ、約20%の増熱ができることを確認した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
 以下の実施形態はかかる実験による結果を基になされたものである。
 [実施の形態1]
 図1は本実施の形態1に係る包接水和物の製造装置の説明図である。以下、図1に基づいて本実施の形態1に係る包接水和物の製造装置を説明する。
 本実施の形態1に係る包接水和物の製造装置は、4級アンモニウム化合物を含む水溶液を貯留すると共に生成された包接水和物を貯留する蓄熱槽1と、蓄熱槽1から前記水溶液の供給を受けて該水溶液に気体を供給して混合する混合器5と、混合器5で混合された4級アンモニウム化合物と気体を含む水溶液を冷却して前記気体と4級アンモニウム化合物をゲストとして含む包接水和物を生成する生成器9と、該生成器9から前記包接水和物と未反応の気体の供給を受けて前記未反応の気体を分離する分離器11と、を備えている。
 以下、各構成を詳細に説明する。
 <蓄熱槽>
 蓄熱槽1は、4級アンモニウム化合物を含む水溶液を貯留すると共に生成された包接水和物を貯留する。蓄熱槽1に貯留された4級アンモニウム化合物を含む水溶液はポンプ3によって汲み出されて混合器5に供給される。
 <混合器>
 混合器5は、4級アンモニウム化合物を含む水溶液に気体を供給して混合する。混合器5によって4級アンモニウム化合物を含む水溶液に気体が混合された後、混合流体はポンプ7によって生成器9に送られる。
 混合器5の一つの態様としては、混合器5が水溶液を充填したタンクからなり気体が微細な気泡として水溶液中に分散されるようなものがある。この場合、気液接触面積が大きく取れるように気泡径は小さいほうが好ましい。
 混合器5の別の態様として、気体を充填した容器内に水溶液をスプレーノズルにより噴霧し気体と接触させ水溶液に気体を溶解させるようなものでもよい。
 なお、混合器5を省略して生成器9内の水溶液に気体を供給することにより、水溶液と気体を混合するようにしてもよい。
 <生成器>
 生成器9は冷却機能を備えており、混合器5で混合された4級アンモニウム化合物と気体を含む水溶液を冷却して気体と4級アンモニウム化合物をゲストとして含む包接水和物を生成する。生成器9には攪拌機構を設けるのが好ましい。
 包接水和物が生成され、生成器9内で攪拌が行われることにより、包接水和物粒子が水溶液に分散した水和物スラリーが生成される。
 生成器9においては、上記の包接水和物と共に未反応の気体が存在する。
 <分離器>
 分離器11は、生成器9から包接水和物と未反応の気体の供給を受けて前記未反応の気体を分離する。
 分離器11の形式は任意であり、例えばサイクロンセパレータなどを利用することができるが、分離した気体中へのスラリー液滴混入を可能な限り少なくするため、例えば衝突分離式のミストセパレータを併せて用いることが望ましい。
 分離器11で分離された気体は、気体タンク13に戻され、ポンプ15によって再び混合器5に送られ水溶液に混合される。もっとも、気体が例えば空気のように安価で環境に影響を与えない気体である場合、気体は循環使用せず放散するようにしてもよい。
 以上のように構成された包接水和物の製造装置によって包接水和物を製造する方法を以下に説明する。
 蓄熱槽1に4級アンモニウム化合物を含む水溶液を充填し、この水溶液をポンプ3で汲み出して混合器5に供給する。混合器5では、供給された水溶液に気体タンク13から気体を供給して水溶液と気体を混合し、気体を水溶液に溶解させる。混合器5で混合された4級アンモニウム化合物と気体を含む水溶液をポンプ7によって生成器9に供給する。生成器9では、供給された水溶液を冷却して気体と4級アンモニウム化合物をゲストとして含む包接水和物が生成され、生成器9内で攪拌が行われることにより、包接水和物粒子が水溶液に分散した包接水和物スラリーが生成される。生成器9で生成された包接水和物スラリーと未反応気体が分離器11に供給され、包接水和物スラリーと未反応の気体が分離される。分離された包接水和物スラリーは蓄熱槽1に貯留される。他方、分離器11で分離された気体は、気体タンク13に戻されて再度混合器5に供給されて利用される。
 蓄熱槽1に貯留された気体と4級アンモニウム化合物をゲストとして含む包接水和物は、上記の実験結果にも示されるように、気体を含まない場合に比較して蓄熱量が増大している。このように本実施の形態によれば、蓄熱量の大きな包接水和物スラリーを簡易な装置で生成できる。
 なお、混合器5内の水溶液に分散混合させる気体をあらかじめ冷却しておくことにより、生成器9での水溶液の冷却を助け、包接水和物を効率的に生成させることが出来る。
 上記の例では別途設けた混合器5によって気体と水溶液を混合するようにしたが、混合器5を設けないで、生成器9内の水溶液に気体を分散混合させるようにしてもよい。
 [実施の形態2]
 図2は本発明の実施の形態2に係る冷房空調設備の説明図である。
 本実施の形態の冷房空調設備は、実施の形態1の包接水和物の製造装置を含み、該製造装置で生成される包接水和物スラリーを熱輸送媒体として用いたものである。図2において、図1と同一部分には同一の符号を付してある。
 本実施の形態2の冷房空調設備は、実施の形態1の包接水和物の製造装置の構成に加えて、蓄熱槽1に貯留された包接水和物スラリーの供給を受けて室内の冷房を行う室内空調機を備えた冷熱利用装置17、冷熱利用装置17で冷熱利用された後の包接水和物スラリーの供給を受けて気体と水溶液とを分離する第2分離器19とを備えている。
 上記のように構成された冷房空調設備においては、例えば夜間に蓄熱槽1内の水溶液を抜き出し混合器5に供給して、生成器9により包接水和物スラリーを生成して、昼間の冷房運転時に使用する熱輸送媒体として包接水和物スラリーを蓄熱槽1に貯留する。
 昼間の冷房運転時において、蓄熱槽1内の包接水和物スラリーをポンプ21によって熱輸送媒体として冷熱利用装置17(室内空調機)に流送する。室内空調機において、包接水和物スラリーは空気と熱交換して冷熱を供給し室内を冷房する。この熱交換により、包接水和物スラリーの水和物は融解して水溶液と気体の混合流体となり、第2分離器19に戻される。
 第2分離器19に戻された混合流体は水溶液と気体とに分離され、水溶液は蓄熱槽1に戻され、その一部は直接混合器5に送られる。また、第2分離器19で分離された気体は、気体タンク13に貯留され、その後、混合器5に送られ水溶液に混合される。
 以上のように、本実施の形態2によれば、簡易な構成により、蓄熱量の大きな包接水和物スラリーを製造でき、かつ利用できる。また、気体タンク13から供給する気体は循環して利用できるので、気体が高価なものの場合にはコストを抑えることができる。また、気体が環境に影響を与えるものであっても、外部に放出しないので環境に影響を与えることがない。
 なお、気体タンク13から供給する気体が例えば空気のように安価で環境に影響を与えない気体である場合、気体は循環使用せず放散するようにしてもよい。
 また、蓄熱槽1を設けずに生成器9で生成した包接水和物スラリーを冷熱利用装置17へ供給するようにしてもよい。この場合には、混合器5の容量を大きくするのが好ましい。
 また、冷熱利用装置17は、室内空調機と一体化している必要は無く、たとえば冷熱利用装置17で水を冷却し、その冷却された水を室内空調機に導き冷熱を利用する形態であってもかまわない。
 また、上記の実施の形態1又は2では、混合器5で水溶液と気体を混合して生成器9で冷却するようにしたが、混合器5に供給する気体に代えて液体冷媒を用いることにより、液体冷媒を水溶液に混合して、液体冷媒の蒸発熱によって水溶液を冷却すると共に、気化した気体冷媒を含む包接水和物を生成するようにしてもよい。
 具体的には次のようにする。混合器5に水溶液と凝縮した液体冷媒を供給し混合する。混合液を生成器9に送る配管途中に設けた減圧弁により、液体冷媒が包接水和物を生成する温度以下の温度で蒸発する圧力まで混合液を減圧する。これによって、液体冷媒が気化して蒸発熱により水溶液を冷却し、気体冷媒と4級アンモニウム化合物をゲストとして含む包接水和物が生成される。
 このように、包接水和物に4級アンモニウム化合物とともにゲストとして含まれる気体として気体冷媒を用いて、液体冷媒が気化する蒸発熱により水溶液を直接冷却することにより、包接水和物の蓄熱量を増大させることに加えて、さらに下記の効果が得られる。
 凝縮した液体冷媒が減圧される際にはその周囲は水溶液で囲まれており、減圧に伴う液体冷媒の気化による冷却(温度低下)の直接的効果は主として液体冷媒の周囲に存在する水溶液に及ぶ。このため、配管や容器壁等の固体面が過度に冷却されることがなく、冷却の効果が水和物生成に直接かつ効果的に及び、水和物の生成が効果的に行われる。そして、包接水和物の生成が主として水溶液中で進行するため、配管や容器壁等に包接水和物が付着することもない。
 なお、冷媒としては自然冷媒、各種フロンを用いることができる。
 [実施の形態3]
 図3は本発明の実施の形態3に係る冷房空調設備の説明図である。
 本実施の形態3の冷房空調設備は、水溶液に供給される気体が氷蓄熱式冷却システム用の氷蓄熱槽に供給され、冷却された気体である点を除き、上記の本発明の実施の形態2に係るものと同じである。氷蓄熱式冷却システム用の氷蓄熱槽としては公知のもので足りる(実開昭62-117435号公報参照)。
 本実施の形態3の冷房空調設備は、実施の形態2に係る冷房空調設備の構成に加えて、気体タンク13から気体の供給を受けて気体を冷却する氷蓄熱式冷却システム用の氷蓄熱槽23を備えている。
 図4は氷蓄熱式冷却システム用の氷蓄熱槽23の説明図である。以下、図4に基づいて氷蓄熱式冷却システム用の氷蓄熱槽を説明する。
 本実施の形態に係る氷蓄熱式冷却システム用の氷蓄熱槽は、水を貯留すると共に生成された氷を貯留する水槽24、水槽24内の冷水を水槽24外の冷熱利用機器へ導く冷水管25、冷熱利用機器から戻る還水を水槽24へ導く還水管26、水槽24内に配設されて水槽24内の水と熱交換するための冷媒を循環させる冷媒管27、気体を水槽24の底部へ供給する給気管28、水槽24の上部に溜まった冷却された気体を抜出す冷却気体抜出管29と、を備えている。
 上記のように構成された氷蓄熱式冷却システム用の氷蓄熱槽においては、水槽24内の水を冷媒管27に供給される冷媒との熱交換により冷却して氷を生成し貯留して蓄熱する。冷熱を利用する場合には、貯留されている冷水または氷スラリーを、冷水管25から冷熱利用機器に導き冷熱を利用し、冷熱利用機器から戻る還水を還水管26から水槽24へ戻す。蓄熱する時に、水槽24の底部へ給気管28から気体を導き、気泡30を発生させ水槽24内の水を攪拌することにより、冷却効率を高め蓄熱効率を向上させることができる。この気体は水槽24内の水中を移動する間に冷却され、冷却された気体が水槽24の上部に溜まる。この冷却された気体を冷却気体抜出管29から抜出し混合器5へ導く。
 4級アンモニウム化合物をゲストとする包接水和物の融点が0℃以上であり、氷蓄熱槽に供給されて冷却された気体は0℃に近い温度であるので、これを混合器5で水溶液に供給し混合することにより、水溶液を冷却する冷熱として利用でき、生成器9における冷媒との熱交換による冷却にさらに加えることができるので、より効率よく冷却できるため、より高い潜熱蓄熱性能又は潜熱蓄熱効果を有する包接水和物又はそのスラリーを製造することができる。このように氷蓄熱式冷却システム用の氷蓄熱槽23へ気体を供給し、冷却された気体を混合器5で4級アンモニウム化合物の水溶液に混合することにより、水槽24内の水を攪拌して冷却効率を向上させることができると共に、より高い潜熱蓄熱性能又は潜熱蓄熱効果を有する包接水和物又はそのスラリーを製造することができる。そして、攪拌することを目的として供給された気体により氷蓄熱槽から当該気体を通じて放出される冷熱を包接水和物又はそのスラリーの製造に役立てることができ、合理的でありエネルギーの節約になる。
 上記の実施の形態のそれぞれにおいては、気体と4級アンモニウム化合物をゲストとして含む包接水和物を蓄熱剤としての用途に用いた場合の蓄熱量増大効果について説明したが、気体と4級アンモニウム化合物をゲストとして含む包接水和物は他の用途に用いることで異なる効果を得られる。
 例えば、気体をゲストとして含む包接水和物を含む潜熱蓄熱媒体を食品等の保冷材に使う場合、保冷する対象物に応じて気体を選べば、より好ましい保存状態が保てる。すなわち、低温で保存したい魚介類や野菜類、或いは花卉類が細胞レベルで生きているような保冷対象物のように酸素を要求する場合、保冷材成分である包接水和物を生成する際に酸素をゲストとして含むようにする。このようにすれば、包接水和物が融解する際に酸素を放出するので、保冷対象物に酸素を供給しながら保冷することが可能となり、より保存に適した状態を実現することが出来る。
 逆に、酸素による酸化を抑制する場合はゲストとして含まれる気体として窒素などを利用すれば、酸化を抑制しながら低温で保存できる。また、保冷雰囲気をその他の気体雰囲気とする場合も同様に対応できる。
 なお、保冷容器としては、水溶液は漏洩せず気体透過性のある素材を用いた袋体などを利用すればよい。
 また、気体と4級アンモニウム化合物をゲストとして含む包接水和物を含む潜熱蓄熱媒体は、熱と気体の同時輸送ができる熱・気体輸送媒体として利用することができる。
 気体と4級アンモニウム化合物をゲストとして含む包接水和物を含む潜熱蓄熱媒体は、スラリー状態にして熱輸送媒体として利用できる。その場合、所望の気体を含む水和物スラリーを製造し、熱を必要とするところに送って利用するとともに、包接水和物が溶解する際に発生する気体を利用することが可能である。

Claims (15)

  1.  4級アンモニウム化合物をゲストとし潜熱蓄熱性能を有する包接水和物であって、外部から供給された気体をゲストとしてさらに包接することにより前記潜熱蓄熱性能が高められていることを特徴とする包接水和物。
  2.  4級アンモニウム化合物を含む水溶液に外部から気体を供給しながら前記水溶液を冷却することにより、又は4級アンモニウム化合物を含む水溶液に外部から供給した気体を混合した後、前記水溶液を冷却することにより生成される前記4級アンモニウム化合物と前記気体の両方をゲストとすることを特徴とする潜熱蓄熱性能を有する包接水和物。
  3.  請求項1または2に記載の包接水和物を組成物として含むことを特徴とする潜熱蓄熱媒体。
  4.  4級アンモニウム化合物を含む水溶液に外部から気体を供給しながら前記水溶液を冷却することにより、又は4級アンモニウム化合物を含む水溶液に外部から供給した気体を混合した後、前記水溶液を冷却することにより生成され潜熱蓄熱性能を高められた包接水和物を組成物として含むことを特徴とする潜熱蓄熱媒体。
  5.  潜熱蓄熱性能を有する包接水和物の製造方法であって、
     4級アンモニウム化合物を含む水溶液に外部から気体を供給しながら前記水溶液を冷却することにより、又は4級アンモニウム化合物を含む水溶液に外部から供給した気体を混合した後、前記水溶液を冷却することにより前記潜熱蓄熱性能を高める工程を有することを特徴とする包接水和物の製造方法。
  6.  前記外部から供給する気体は、前記水溶液の脱酸素用の気体であることを特徴とする請求項5に記載の包接水和物の製造方法。
  7.  前記外部から供給する気体の温度は、前記包接水和物の融点より低い温度であることを特徴とする請求項5に記載の包接水和物の製造方法。
  8.  前記外部から供給する気体は、氷蓄熱槽に供給されることで冷却された気体であり、その温度は前記包接水和物の融点よりも低い温度であることを特徴とする請求項5に記載の包接水和物の製造方法。
  9.  請求項5乃至8のいずれかに記載の製造方法により製造された包接水和物を組成物として含むことを特徴とする潜熱蓄熱媒体。
  10.  4級アンモニウム化合物をゲストとする包接水和物の潜熱蓄熱量の増加方法であって、
    前記4級アンモニウム化合物を含む水溶液に外部から気体を供給しながら前記水溶液を冷却する工程、又は前記4級アンモニウム化合物を含む水溶液に外部から供給された気体を混合した後、前記水溶液を冷却する工程を有することを特徴とする包接水和物の潜熱蓄熱量の増加方法。
  11.  前記気体は、前記水溶液の脱酸素用の気体であることを特徴とする請求項10に記載の包接水和物の潜熱蓄熱量の増加方法。
  12.  潜熱蓄熱性能を有する包接水和物の製造装置であって、
     4級アンモニウム化合物を含む水溶液に気体を供給して混合する混合器と、前記気体が混合された前記水溶液を冷却して前記蓄熱性能が高められた包接水和物を生成する生成器と、を備えることを特徴とする包接水和物の製造装置。
  13.  潜熱蓄熱性能を有する包接水和物の製造装置であって、
     4級アンモニウム化合物を含む水溶液に気体を供給する気体供給手段と、前記水溶液を冷却する冷却手段とを備え、該冷却手段による冷却の過程で前記水溶液に前記気体供給手段により前記気体を供給することにより前記蓄熱性能が高められた包接水和物を製造することを特徴とする包接水和物の製造装置。
  14.  4級アンモニウム化合物をゲストとする包接水和物の潜熱蓄熱量を増加させる処理装置であって、4級アンモニウム化合物を含む水溶液に気体を供給して混合する混合器と、前記気体が混合された前記水溶液を冷却して前記包接水和物を生成する生成器と、を備えることを特徴とする処理装置。
  15.  4級アンモニウム化合物をゲストとする包接水和物の潜熱蓄熱量を増加させる処理装置であって、
     4級アンモニウム化合物を含む水溶液に気体を供給する気体供給手段と、前記水溶液を冷却する冷却手段とを備え、該冷却手段による冷却の過程で前記水溶液に前記気体供給手段により前記気体を供給することを特徴とする処理装置。
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