JP3826176B2 - 気体の分離剤及び気体を分離濃縮するための方法と装置 - Google Patents

気体の分離剤及び気体を分離濃縮するための方法と装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体の分離剤及び気体を分離濃縮するための方法と装置に関するものである。特に炭化水素、二酸化炭素などから成る混合ガスから、硫化水素またはメタンを分離濃縮する技術に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
包接水和物を利用した気体の分離濃縮技術については、すでにDavidson, D.W.著“Clathrate Hydrate”(Water −AComprehensive Treatise、Vol.2、Chapt.3、p.230、1973)などに記載されている。これら先行技術は、いずれも気体分子が形成する気体水和物の生成平衡条件の差を利用する。すなわち、混合気体の気体水和物には、生成平衡条件がより低圧・高温である気体成分がより多く含まれる特性を利用するものである。以下、メタンと二酸化炭素の混合ガスの分離濃縮を例に説明する。具体例としては、家畜糞尿のメタン発酵処理におけるメタンと二酸化炭素の分離、二酸化炭素の成分比率が高い天然ガス田のガス分離濃縮などである。図7は、先行技術の基礎となるメタンと二酸化炭素の気体水和物の生成平衡条件である。メタンと二酸化炭素の気体水和物は、それぞれ単体ならば、図中の生成平衡条件を示す曲線の低温高圧側(左上側)で生成する。温度0℃ならば、メタン水和物と二酸化炭素水和物は、それぞれ圧力2.6MPa以上と圧力1.2MPa以上の圧力範囲で生成する。次に、メタンと二酸化炭素の混合気体を想定するならば、温度0℃における包接水和物生成平衡条件は、混合気体の組成に依存するけれども、圧力(全圧)1.2MPa以上かつ2.6MPa以下となる。気体水和物に含有される気体の組成は、原料となる混合気体の組成に比べて、生成平衡条件がより低圧・高温である二酸化炭素の比率が高い。先行技術は、この効果を利用して混合気体の分離濃縮を行なうものである。
【0003】
上記先行技術による気体の分離濃縮技術の第1の欠点は、気体の水和物生成平衡条件が高圧となるために、高圧操作が必要となり、気体を分離するための処理コストが高いことである。第2の欠点は、気体の分離効率が低いことである。この理由は、気体水和物の結晶構造による。二酸化炭素とメタンの気体水和物は、水分子が形成する12面体と14面体の中空籠構造の中に気体分子が1分子ずつ収納される構造を持つ。生成平衡条件の相違により、二酸化炭素分子は、メタンより容易に籠構造の中に収納されるはずである。しかし、12面体の籠構造のサイズは、二酸化炭素を収納するためには小さい。このために、メタンが12面体に入り易く、気体の分離濃縮の効率を低下させる。
【0004】
特許第1337183号公報には、メタンまたはエタンを主成分とする炭化水素気体を貯蔵または輸送する際、緩和な条件下で、脂肪族アミンの存在下に水和物を形成させる方法が示されている。この方法によれば、気体貯蔵の圧力を低下させることが可能であるが、大小2種類の籠構造を持つ気体水和物を利用する点は前述の従来技術と同様であり、気体の分離濃縮技術として利用するには不都合である。また、気体の貯蔵密度が低いという問題点もある。
【0005】
上述した包接水和物を利用する気体の分離濃縮方法と気体貯蔵の従来技術は、気体分子が形成する気体水和物を利用するもので、当該気体水和物の生成平衡条件が高圧であるために、その製造工程において高圧操作が必要となることが問題である。また、分子径が異なる数種の気体から成る混合気体を分離濃縮する場合には、気体を収納する中空籠構造が大小2種類存在するために、分離効率が低いという問題点もある。
【0006】
メタンと二酸化炭素を主成分とするバイオガスは、1%(10000ppm)以下の硫化水素を含む。ディーゼル発電機、マイクロガスタービン、燃料電池などの発電機の燃料としてメタンを利用するためには、硫化水素を除去(脱硫)する必要がある。バイオガスの脱硫方法として、以下のような方法が開発されている(浮田良則、「バイオガス実用技術」、平成14年3月1日発行、オーム社)。
発酵槽のガス発生領域にわずかな外気(発生するバイオガス量の3〜5%)を吹きかけ生物学的に脱硫する方法であり、現在では広く採用されている。硫黄バクテリア(サルフォバクタ・オキシダント)の作用により、空気が流入している状態で硫化水素が純粋な硫黄と硫酸及び水に分解される。空気の混入を最適化することより、脱硫率は95%に達する。
【0007】
この方式では、硫黄バクテリアの活性に対する酸素濃度の影響が大きいために、空気を吹きかけるポンプは停止させることなく連続運転させる必要がある。また、硫黄バクテリアを活性化させるために、スラリーからの栄養分が流れ込む湿った生息面が必要であるが、活性に対する温度の影響が大きく、低温の場合には大きな生息面積が必要となる。この不利を避けるために温度を高く維持するすると、有機物の減成は早く進むが、発生するバイオガスのメタン含有比率は低下するために、メタンの有効利用のためには不都合である。また、本方式を採用するために高温領域(45℃以上)で活性化するバクテリアを使用すると、高い温度で活性化するバクテリアほど温度変動に敏感なために、温度変動を1℃以内に制御する必要がある。
【0008】
生物学的脱硫法以外の方法として、酸化鉄から硫化鉄が形成される化学反応を利用するために、酸化鉄をペレット状にプレスして円筒状容器に入れ、バイオガスを流す方法が実施されている。ペレットは、空気を吹きかけることにより再生可能だが、このときに硫黄が析出する。硫黄が析出したペレットの処理コストとメンテナンスコストが高い欠点を持つ。高純度のメタンガスを取り出すために、セラッミク製の分子フィルタで二酸化炭素、硫化水素、水蒸気を除去する方法が研究されているが、使用実績はまだ無い。バイオガスを0〜5℃に冷却することにより、水分を凝縮させるとともに、可溶性の硫化水素を分離することが可能である。ただし、この方法は、高い含有量の硫化水素を除去するためには不十分である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、低圧操作により気体の分離濃縮を可能とする包接水和物を用いる気体の分離濃縮方法及び気体の分離濃縮装置を提供するとともに、該包接水和物からなる気体分離剤を提供することをその課題とする。特に、メタンと二酸化炭素を主成分とするバイオガスから硫化水素を除去するための方法と装置及び炭化水素からメタンを分離するための方法と装置を提供することをその課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す気体分離剤、気体を分離濃縮ための方法及び気体の分離濃縮装置が提供される。
【0011】
(1)アルキルアンモニウム塩をゲスト分子として含む中空の籠状結晶構造を持つ包接水和物からなる気体分離剤。
(2)混合気体からそれに含まれる特定の気体Aを優勢的に分離濃縮する方法において、該混合気体の存在下でアルキルアンモニウム塩を含む水溶液を冷却させて、該気体Aと該アルキルアンモニウム塩を含む中空の籠状結晶構造を持つ包接水和物の結晶を析出させることにより、該結晶は該気体Aを選択的に吸収する分子径の中空の籠状構造を有することを特徴とする混合気体から特定気体の分離濃縮方法。
(3)該混合気体が加圧されている前記(2)に記載の方法。
(4)該圧力が、気体Aを含む包接水和物を生成させるには十分な圧力であるが、それ以外の気体を含む包接水和物を生成させるには不十分な圧力である前記(3)に記載の方法。
(5)該気体Aが硫化水素である前記(2)〜(4)のいずれかに記載の方
(6)該気体Aがメタンである前記(2)〜(4)のいずれかに記載の方
(7)混合気体からそれに含まれる特定の気体Aを優勢的に分離濃縮する装置において、アルキルアンモニウム塩を含む水溶液を混合気体の接触下で冷却して該特定気体Aと該アルキルアンモニウム塩を含む包接水和物の結晶を生成させる装置と、該結晶を含む水スラリー液から該結晶を分離する装置と、該分離された結晶を融解させて該結晶に含まれている気体を放出させる装置を備えていることを特徴とする気体の分離濃縮装置。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明においては、気体分離剤として、アルキルアンモニウム塩をゲスト分子として含む包接水和物の結晶を用いる。この結晶は、その内部に気体を吸収する能力を有する中空の籠(かご)状結晶構造(ホスト構造)を有するものである。この場合、ゲスト分子としてのアルキルアンモニウム塩は、そのホスト構造としての中空の籠の一部に包含される。
【0013】
本発明で用いる前記包接水和物は、アルキルアンモニウム塩を包含する籠とは別に、熱力学的に安定な状態で存在する中空の12面体籠状結晶構造を持つ。この包接水和物中に含まれる中空の12面体籠状構造のの大きさは、単一サイズのものであり、その数は、包接水和物1モル当り、10個の割合である。
アルキルアンモニウム塩包接水和物にいて、その気体吸収量は、最大49.1ml/g程度である。
【0014】
前記アルキルアンモニウム塩としては、下記一般式(1)で表されるものを用いることができる。
【化1】
Figure 0003826176
前記式中、R、R、R、Rは炭素数1〜5、好ましくは4〜5のアルキル基又は水素を示し、その少なくとも1つはアルキル基である。Xは陰イオンを示す。
前記アルキル基には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル等が包含される。陰イオンには、塩素や臭素などのハロゲンイオンや、硝酸イオン、ヒドロキシルイオン等が包含される。
本発明においては、特に、臭化テトラn−ブチルアンモニウムや、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム等の使用が好ましい。
【0015】
本発明で用いるアルキルアンモニウム塩を含む包接水和物は、アンモニウム塩を含む水溶液を用いて製造される。この水溶液において、アルキルアンモニウム塩の濃度は、3〜60重量%、好ましくは4.5〜40重量%である。
アルキルアンモニウム塩を含む包接水和物の生成温度(融点)は、その製造に用いる水溶液中のアルキルアンモニウム塩の濃度に関係し、通常、その濃度が高くなるにつれて、高くなる。例えば、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含む水溶液の場合、その水溶液中濃度が5、10、20、30及び40(%)の場合、その包接水和物の生成温度(融点)は、それぞれ、−0.1、2.2、7.5、10.8及び11.8(℃)である。
【0016】
本発明の包接水和物は、その生成温度より低い温度においては、安定に保存され、それより高い温度では融解する。
アルキルアンモニウム塩を含む包接水和物は、アルキルアンモニウムを含む水溶液を冷却し、微細結晶に氷結(晶析)させることによって得ることができる。このようにして得られる包接水和物は、前記のようにその分子中に、単一サイズの中空籠状構造を有することから、その中空の籠内に、気体を吸収(吸着)する作用を示す。この場合、その包接水和物に吸収される気体は、その包接水和物に含まれる中空籠構造の分子径(孔径)と同程度の分子径を有する気体である。即ち、本発明で用いる包接水和物は、気体に対して、その分子サイズとの関連において選択的吸収(吸着)作用を示し、混合気体中から、その包接水和物に含まれる細孔径に対応する特定の気体を優勢的に吸収する。
【0017】
アルキルアンモニウム塩を含む包接水和物は、前記のように、気体混合物から特定の気体を選択的に吸収するとともに、その吸収気体を大気圧下で長期間にわたって安定的に保持する作用を示す。従って、アルキルアンモニウム塩を含む包接水和物は、複数の気体の混合物から特定の気体を分離するための気体分離剤ないし気体分離貯蔵剤として用いることができる。また、吸収した気体を長時間にわたって安定に保持する気体貯蔵剤として用いることができる。包接水和物を気体貯蔵剤として用いる場合、その気体は、単一成分からなる気体や複数成分からなる混合気体であることができる。本発明により分離され、また貯蔵される気体としては、メタンや硫化水素、酸素、窒素等の気体が挙げられる。
【0018】
本発明で用いるアルキルアンモニウム塩を含む包接水和物に気体を吸収させる方法としては、その包接水和物に気体を接触させる方法や、その包接水和物を製造する工程において、気体を共存させる方法等がある。この場合、包接水和物中に効率よく気体を吸収させるには、その気体を加圧状態に保持するのが好ましい。その気体の圧力は、絶対圧力において、0.1〜5MPa、好ましくは0.1〜3MPaである。
気体を吸収した包接水和物は、これをその融点以上の温度に加熱し、融解すると、その吸収していた気体はその包接水和物から放出される。この放出気体を捕集回収することにより、製品気体とすることができる。
【0019】
本発明の気体の分離濃縮装置は、(i)アルキルアンモニウム塩を含む水溶液を混合気体の接触下で冷却して該混合気体中の特定気体Aと該アルキルアンモニウム塩を含む包接水和物の結晶を生成させる装置(包接水和物結晶生成装置)、(ii)該結晶を含む水スラリー液から該結晶を分離する装置(結晶分離装置)及び(iii)該分離された結晶を融解させて該結晶に含まれている気体を放出させる装置(包接水和物気化装置)を有することを特徴とする。本発明による前記装置を用いることにより、混合気体から、その中に含まれる特定の気体Aを分離し、気体Aを優勢的に含む気体を得ることができる。このようにして得られた気体を用いて、再びその分離濃縮操作を行うことにより、より濃縮された気体Aを得ることができる。このような分離濃縮操作を繰返し行うことにより、高純度の気体Aを得ることができる。
【0020】
次に、アルキルアンモニウム塩を含む包接水和物の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1は、気体とアルキルアンモニウム塩を含む包接水和物を生成させるための装置の説明図である。
図1において、1は圧力容器、2はアルキルアンモニウム塩を含む水溶液、3は気体供給配管、4はバルブ、5は圧力調整弁、6は電磁攪拌器、7はモーター、8は溶解促進用攪拌翼、9は冷却管、10は核形成用急冷治具を示す。
図1に示した装置を用いて包接水和物を製造するには、内容積約1.2Lの圧力容器1に、包接水和物を生成させるためのアルキルアンモニウム塩を溶解した水溶液2が充填される。この容器1には、気体供給用配管3、バルブ4、圧力調整弁5が取り付けられていて、図示されない試料ガスボンベより、試料ガスが任意の圧力で供給される。試料ガスは、電磁攪拌器6、駆動用モーター7、溶解促進用攪拌翼8を用いて、水溶液中に溶解される。溶解促進用攪拌翼8は、中空のシャフトの上部に吸気孔、下部に噴射孔があり、気相部より自吸した気体を微細気泡として下部から噴射するものである。冷却用治具10は、過飽和状態を解除して包接水和物の生成(晶析)を開始させるためのものであり、上部の容器に液体窒素、ドライアイスなどの冷却剤を入れて、水溶液に浸漬している銅棒を急冷する。
これにより、試料ガスとアルキルアンモニウム塩を含む包接水和物の結晶が析出し、微細結晶の包接水和物を含む水スラリー液が得られる。この結晶の平均粒径は0.01〜5mm、好ましくは0.1〜1mmである。
【0021】
【実施例】
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
【0022】
実施例1
以下において、図1に示した装置を用いてメタンと硫化水素からなる混合気体から硫化水素の濃縮分離を行なった例について示す。メタンはバイオガスの主成分であり、硫化水素はバイオガスにおいて除去が求められる成分である。
使用した混合気体の硫化水素濃度は、20ppm〜8000ppmである。まず、アルキルアンモニウム塩として、臭化テトラn−ブチルアンモニウム((CNBr)(TBAB)を蒸留水に溶解して、濃度10wt%の水溶液を得た。室温(+20℃)において、この水溶液500gを圧力容器1に充填した後に、混合気体を導入した。混合気体の溶解にともなう気体組成の変化を避けるために、試料気体の入れ替えと電磁攪拌器6による溶解促進操作を繰り返した。その後、圧力調整弁5により容器内の圧力を1.1〜1.2MPaに調整した後に、バルブ4を閉じた。次に、バルブ4と圧力調整弁5を連結する配管をとりはずして、気体成分測定用のガスクロマトグラフとバルブ4を連結した。バルブ4の操作により圧力容器内の気体を微量採取して組成を調べた。この測定結果を包接水和物生成前の混合ガス組成とした。
【0023】
次に、温度調整用のブラインを冷却管9に供給し循環することにより、圧力容器内の温度を室温から+1.0℃まで冷却速度1.0℃/hで徐々に低下させた後に、温度+1.0℃に保った。冷却途中において、核形成治具10を液体窒素で冷却することにより、臭化テトラn−ブチルアンモニウム包接水和物の生成を開始させた。圧力は、臭化テトラn−ブチルアンモニウム包接水和物の成長とともに低下して、約0.7MPaとなった。圧力低下が終了した後、圧力容器内の混合ガス試料を微量採取して、ガスクロマトグラフィーにより組成分析を行った。その後、圧力容器から試料気体を排気した後に、スラリー状態の臭化テトラn−ブチルアンモニウム包接水和物が取り出された。氷状の臭化テトラn−ブチルアンモニウム包接水和物に付着した水溶液は、吸湿紙により除去した。
【0024】
次に、包接水和物の試料を融解して含有気体を捕集し、その組成をガスクロマトグラフにより測定した。
図2は、包接水和物生成前後におけるガス組成を比較した結果である。包接水和物生成後のガス組成は、圧力容器内の気相部と包接水和物に取り込まれた気体の両方について示した。包接水和物に吸収された気体の組成は、初期の混合気体組成に比べて、硫化水素の比率が高くなっている。すなわち、臭化テトラn−ブチルアンモニウム包接水和物は、硫化水素を優先的に吸収したことを示している。本発明による気体分離濃縮効率を向上させるためには、分離された気体を用いて再度包接水和物を生成させる操作を繰り返せばよいことは、当然である。
【0025】
図2には、比較のために臭化テトラn−ブチルアンモニウムを使用せず、蒸留水のみを用いた結果も合わせて示した。この比較例においては、気体水和物を生成させるための圧力として、4.0MPa〜6.0MPaの高圧操作を行なった。
図3は、臭化テトラn−ブチルアンモニウム水溶液と蒸留水の両方について、水和物生成前後における気相部の硫化水素濃度の比をまとめた結果である。臭化テトラn−ブチルアンモニウム水溶液を使用することにより、操作条件が低圧となるばかりでなく、硫化水素の分離効率が向上することが分かる。
【0026】
実施例2
以下において、図1に示した装置を用いて二酸化炭素と硫化水素からなる混合気体から硫化水素の濃縮分離を行なった例について示す。二酸化炭素はメタンとともにバイオガスの主成分であり、硫化水素はバイオガスにおいて除去が求められる成分である。
【0027】
使用した混合気体の硫化水素濃度は、40ppm〜7000ppmである。まず、アルキルアンモニウム塩として、臭化テトラn−ブチルアンモニウム((CNBr)を蒸留水に溶解して、濃度10wt%の水溶液を得た。室温(+20℃)において、この水溶液500gを圧力容器1に充填した後に、混合気体を導入した。混合気体の溶解にともなう気体組成の変化を避けるために、試料気体の入れ替えと電磁攪拌器6による溶解促進操作を繰り返した。その後、圧力調整弁5により容器内の圧力を1.1〜1.2MPaに調整した後に、バルブ4を閉じた。次に、バルブ4と圧力調整弁5を連結する配管をとりはずして、気体成分測定用のガスクロマトグラフとバルブ4を連結した。バルブ4の操作により圧力容器内の気体を微量採取して組成を調べた。この測定結果を包接水和物生成前の混合ガス組成とした。
【0028】
次に、温度調整用のブラインを冷却管9に供給し循環することにより、圧力容器内の温度を室温から+1.0℃まで冷却速度1.0℃/hで徐々に低下させた後に、温度+1.0℃に保った。冷却途中において、核形成治具10を液体窒素で冷却することにより、臭化テトラn−ブチルアンモニウム包接水和物の生成を開始させた。圧力は、臭化テトラn−ブチルアンモニウム包接水和物の成長とともに低下して、約0.5MPaとなった。圧力低下が終了した後、圧力容器内の混合ガス試料を微量採取して、ガスクロマトグラフィーにより組成分析を行った。その後、圧力容器から試料気体を排気した後に、スラリー状態の臭化テトラn−ブチルアンモニウム包接水和物が取り出された。氷状の臭化テトラn−ブチルアンモニウム包接水和物に付着した水溶液は、吸湿紙により除去した。
【0029】
次に、包接水和物の試料を融解して含有気体を捕集し、その組成をガスクロマトグラフにより測定した。
図4は、包接水和物生成前後におけるガス組成を比較した結果である。包接水和物生成後のガス組成は、圧力容器内の気相部と包接水和物に取り込まれた気体の両方について示した。包接水和物に吸収された気体の組成は、初期の混合気体組成に比べて、硫化水素の比率が高くなっている。すなわち、臭化テトラn−ブチルアンモニウム包接水和物は、硫化水素を優先的に吸収したことを示している。本発明による気体分離濃縮効率を向上させるためには、分離された気体を用いて再度包接水和物を生成させる操作を繰り返せばよいことは、当然である。
【0030】
図4には、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを使用せず、蒸留水のみを用いた結果も合わせて示した。この比較例においては、気体水和物を生成させるための圧力として、2.1MPa〜2.3MPaの高圧操作を行なった。
図5は、臭化テトラn−ブチルアンモニウム水溶液と蒸留水の両方について、水和物生成前後における気相部の硫化水素濃度の比をまとめた結果である。臭化テトラn−ブチルアンモニウム水溶液を使用することにより、操作条件が低圧となるばかりでなく、硫化水素の分離効率が向上することが分かる。
実施例1と実施例2により、メタンと二酸化炭素を主たる成分とするバイオガスから、微量成分である硫化水素を効率よく除去することが可能となった。
【0031】
実施例3
以下において、図1に示した装置を用いてメタンとプロパンからなる混合気体からメタンの濃縮分離を行なった例について示す。
使用した混合気体のメタン濃度は、15.7%〜91.4%である。まず、アルキルアンモニウム塩として、臭化テトラn−ブチルアンモニウム((CNBr)を蒸留水に溶解して、濃度10wt%の水溶液を得た。室温(+13℃)において、この水溶液500gを圧力容器1に充填した後に、混合気体を導入した。混合気体の溶解にともなう気体組成の変化を避けるために、試料気体の入れ替えと電磁攪拌器6による溶解促進操作を繰り返した。その後、圧力調整弁5により容器内の圧力を0.3〜1MPaに調整した後に、バルブ4を閉じた。次に、バルブ4と圧力調整弁5を連結する配管をとりはずして、気体成分測定用のガスクロマトグラフとバルブ4を連結した。バルブ4の操作により圧力容器内の気体を微量採取して組成を調べた。この測定結果を包接水和物生成前の混合ガス組成とした。
【0032】
次に、温度調整用のブラインを冷却管9に供給し循環することにより、圧力容器内の温度を室温から+1.2℃〜+4.0℃まで冷却速度1.0℃/hで徐々に低下させた。冷却途中において、核形成治具10を液体窒素で冷却することにより、臭化テトラn−ブチルアンモニウム包接水和物の生成を開始させた。圧力は、臭化テトラn−ブチルアンモニウム包接水和物の成長とともに低下して、0.3MPa〜0.7MPaとなった。圧力低下が終了した後、圧力容器から試料気体を排気して、スラリー状態の臭化テトラn−ブチルアンモニウム包接水和物が取り出された。氷状の臭化テトラn−ブチルアンモニウム包接水和物に付着した水溶液は、吸湿紙により除去した。
【0033】
次に、包接水和物の試料を融解して含有気体を捕集し、その組成をガスクロマトグラフにより測定した。
図6は、包接水和物生成前におけるガス組成(メタン濃度)と、包接水和物に取り込まれたガスの組成(メタン濃度)を比較した結果である。包接水和物に吸収されたガスの組成は、初期の組成に比べて、メタンの比率が高くなっている。すなわち、臭化テトラn−ブチルアンモニウム包接水和物は、メタンを優先的に吸収したことを示している。本発明による気体分離濃縮効率を向上させるためには、分離された気体を用いて再度包接水和物を生成させる操作を繰り返せばよいことは、当然である。
【0034】
この実施例3によれば、メタンと他の炭化水素から成る混合ガスより、有用成分であるメタンを分離濃縮することが可能である。気体水和物を利用する従来の気体分離方法によると、メタンよりプロパンの方がより低圧・高温で気体水和物を生成するために、プロパンが優先的に取り込まれる。また、その操作圧力が高圧となる。本発明によれば、従来より低圧でガス分離が可能になり、有用成分であるメタンを高効率に選択・分離することが可能となる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、気体吸収能を有する中空の籠状結晶構造を持つ包接水和物を気体の分離濃縮または分離貯蔵に利用可能となり、先行技術である気体水和物を利用する方法に比べて、低圧操作が可能となり、気体の分離濃縮効率が向上し、メタン、二酸化炭素及び硫化水素を含むバイオガスを例とするならば、そのバイオガスから除去することが求められる硫化水素を分離することが可能となり、バイオガスの有効利用とその経済性向上に寄与する。また、メタンと二酸化炭素の混合気体を例とするならば、有用成分であるメタンの分離が可能となり、メタンの有効利用と経済性の向上に寄与する。さらに、メタンと他の炭化水素を含む混合物からメタンを分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】気体とアルキルアンモニウム塩を含む包接水和物を含む包接水和物を生成させるための装置の説明図である。
【図2】実施例1に示すメタンと硫化水素から成る混合ガスから、硫化水素を分離した結果を示す図である。横軸は、包接水和物生成前に測定された圧力容器内の気相部の硫化水素濃度を示し、縦軸は、包接水和物生成後に測定された気相部の硫化水素濃度と包接水和物に取り込まれた硫化水素濃度を示す。
【図3】実施例1に示すメタンと硫化水素から成る混合ガスから、硫化水素を分離した結果を示す図である。横軸は、包接水和物生成前に測定された圧力容器内の気相部の硫化水素濃度を示し、縦軸は、包接水和物生成前後における気相部の硫化水素濃度の比を示す。
【図4】実施例2に示す二酸化炭素と硫化水素から成る混合ガスから、硫化水素を分離した結果を示す図である。横軸は、包接水和物生成前に測定された圧力容器内の気相部の硫化水素濃度を示し、縦軸は、包接水和物生成後に測定された気相部の硫化水素濃度と包接水和物に取り込まれた硫化水素濃度を示す。
【図5】実施例2に示す二酸化炭素と硫化水素から成る混合ガスから、硫化水素を分離した結果を示す図である。横軸は、包接水和物生成前に測定された圧力容器内の気相部の硫化水素濃度を示し、縦軸は、包接水和物生成前後における気相部の硫化水素濃度の比を示す。
【図6】実施例3に示すメタンとプロパンから成る混合ガスから、メタンを分離した結果を示す図である。横軸は、包接水和物生成前に測定された圧力容器内の気相部の硫化水素濃度を示し、縦軸は、包接水和物に取り込まれたガスのメタン濃度を示す。
【図7】メタンと二酸化炭素の気体水和物の生成平衡条件を示す図である。
【符号の説明】
1 圧力容器
2 水溶液
3 気体供給配管
4 バルブ
5 圧力調整弁
6 電磁攪拌器
7 モーター
8 溶解促進用攪拌翼
9 冷却管
10 核形成用急冷治具

Claims (7)

  1. アルキルアンモニウム塩をゲスト分子として含む中空の籠状結晶構造を持つ包接水和物からなる気体分離剤。
  2. 混合気体からそれに含まれる特定の気体Aを優勢的に分離濃縮する方法において、該混合気体の存在下でアルキルアンモニウム塩を含む水溶液を冷却させて、該気体Aと該アルキルアンモニウム塩を含む中空の籠状結晶構造を持つ包接水和物の結晶を析出させることにより、該結晶は該気体Aを選択的に吸収する分子径の中空の籠状構造を有することを特徴とする混合気体から特定気体の分離濃縮方法。
  3. 該混合気体が加圧されている請求項2に記載の方法。
  4. 該圧力が、気体Aを含む包接水和物を生成させるには十分な圧力であるが、それ以外の気体を含む包接水和物を生成させるには不十分な圧力である請求項3に記載の方法。
  5. 該気体Aが硫化水素である請求項2〜4のいずれかに記載の方
  6. 該気体Aがメタンである請求項2〜4のいずれかに記載の方
  7. 混合気体からそれに含まれる特定の気体Aを優勢的に分離濃縮する装置において、アルキルアンモニウム塩を含む水溶液を混合気体の接触下で冷却して該特定気体Aと該アルキルアンモニウム塩を含む包接水和物の結晶を生成させる装置と、該結晶を含む水スラリー液から該結晶を分離する装置と、該分離された結晶を融解させて該結晶に含まれている気体を放出させる装置を備えていることを特徴とする気体の分離濃縮装置。
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