JP5311543B2 - ガス分離精製ならびに回収方法及びその装置 - Google Patents

ガス分離精製ならびに回収方法及びその装置 Download PDF

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本発明は、酸性ガス及び非酸性ガスを含む混合ガスから酸性ガス及び非酸性ガスを分離、精製する方法及びその装置に関するものであり、更に詳しくは、上記混合ガスから、イオン液体を用いて、CO,SOx,NOxなどの酸性ガスと、N,H,O,CO,低級炭化水素ガスなどの非酸性ガスとを分離して、それぞれを回収するガスの分離精製方法と回収方法及びその装置に関するものである。本発明は、例えば、火力発電所、鉄鋼プラント、化学プラントなどの排ガス中に含まれる酸性ガスを分離回収する方法や、化石燃料や天然ガスなどに含まれる炭化水素系化合物を水蒸気あるいは部分酸化により改質した合成ガス及び天然ガスなどに含まれる酸性ガスを除去して分離精製する方法や、二酸化炭素の回収や水素の精製システムに適用可能なガス分離精製方法及びその装置を提供するものである。
地球温暖化ガスの中心である二酸化炭素を分離・回収し、貯留する(CCS)技術は、京都議定書の発効に見られるように、産業界のみならず社会的にも重要視されており、その研究開発は、国際的な課題となっている。このCCSプロセスでは、二酸化炭素の分離・回収に掛かるエネルギーは特に大きく、全体の70%近くにのぼると予想され、一層の低エネルギー化、低コスト化が望まれている。現在、アミン基を持つ特定のアミン類化合物を用いた化学吸収法が実用化に向けて試験段階にあるが、この種の方法は、二酸化炭素再生プロセスでのエネルギー消費が著しく、新規な吸収液の開発の必要性が高いとされている。
一方、物理吸収による方法については、これまで、SELEXSOL法によるケーススタディがあるのみで、ほとんど技術開発が進んでおらず、多くの研究課題が残されている。また、これまでに検討されている技術のほとんどは、二酸化炭素を常圧のガスとして回収するものであり、貯留や隔離を考えた場合には、高圧状態に圧縮する必要があり、そのためのエネルギーやコストも別に必要となる。
他方、水素燃料は、次世代のクリーンエネルギー源として注目され、燃料電池や水素燃料、自動車などへの応用研究が行なわれている。それに伴い、水電解や光触媒など種々の方法を用いた水素製造技術の開発研究が盛んに進められている。その中でも、炭化水素系化合物を水蒸気あるいは部分酸化により改質し、引き続き水性ガスシフト反応(CO+HO→CO+H)により水素を製造する方法は広く用いられている。この場合、エネルギー源となる水素の製造に伴い副生される二酸化炭素の分離は必須であり、分離効率の改善は、水素製造コストを大幅に向上するものと期待される。
これまで、水素精製技術として、圧力スイング吸着、膜分離、深冷分離などの方法が検討されているが、物理吸収法による研究例は挙げられていない。今後、水素の貯蔵や輸送などの観点から、高圧水素の需要が益々増加すると予想される。イオン液体を用いた物理吸収による分離・精製法は、圧縮状態にある高圧ガスの処理に非常に好適であり、クリーンな水素社会の実現に向けた重要技術といえる。
従来、先行技術として、例えば、イオン液体を主成分とした吸収液を用いて酸性ガスと非酸性ガスからなる混合ガスを接触させて、酸性ガスを吸収させて分離精製する吸収液について提案されている(特許文献1)。この文献では、アミン基をもつイオン液体を用いて、化学吸収法により酸性ガスを除去しており、本発明の物理吸収によるガス分離精製法とは異なるものである。
また、イオン液体を主成分とした吸収液を用いて酸性ガスと非酸性ガスからなる混合ガスを接触させて、酸性ガスを吸収させて分離精製する吸収液及びその方法と装置について提案されている(特許文献2)。この方法は、イオン液体を用いた物理吸収によるガス分離精製法である。しかし、この方法では、吸収塔と再生塔とを用いて不連続にガスの分離精製を行っており、連続的プロセスとは異なるものである。
特開2006−36950号公報 特開2006−305544号公報
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、物理吸収法を用いた連続的プロセスによるガス分離精製技術を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、イオン液体を用いた流通式ガス分離精製方法を開発することに成功し、本発明を完成するに至った。本発明は、流通式ガス分離精製装置を用いて、酸性ガス及び非酸性ガスを含む混合ガスをイオン液体からなる吸収液に接触させることにより、酸性ガス、非酸性ガスを回収するとともに、吸収液を再生することからなる特定のガス分離系によるガスの精製方法及びその装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)酸性ガス及び非酸性ガスを含む混合ガスをイオン液体からなる吸収液を用いて、該イオン液体に酸性ガスを物理吸収させる手法を原理とし、かつ、流通式ガス分離精製装置を利用して、連続的プロセスで分離精製する方法であって、
1)酸性ガス及び非酸性ガスを含む混合ガスを、所定の温度に維持した混合器に所定の圧力で供給し、前記吸収液に混合ガスを接触させることにより、該吸収液に酸性ガスのみ選択的に吸収させる工程、及び、
2)前記混合器から排出された酸性ガスを含んだ吸収液と非酸性ガスを主成分とする気体とを、そのまま連続プロセスで連続的に所定の温度に維持した気液分離器に送り込み、該気液分離器において酸性ガスが取り除かれた非酸性ガスを所定の圧力で回収する工程、を含むガスの分離精製方法。
(2)前記1)及び2)の工程と、3)前記気液分離器から酸性ガスを含んだ吸収液を回収する工程、及び、4)回収された酸性ガスを含んだ吸収液を、所定の温度に維持した第2の気液分離器に送り込み、酸性ガスを所定の圧力で回収するとともに、吸収液を再生する工程、を含む、前記(1)に記載のガスの分離精製方法。
(3)前記1)及び2)の工程と、3)前記気液分離器から酸性ガスを含んだ吸収液を回収する工程、4)回収された酸性ガスを含んだ吸収液を、所定の温度に維持した第2の気液分離器に送り込み、酸性ガスを所定の圧力で回収するとともに、吸収液を再生する工程、及び、5)再生された吸収液を吸収液タンクに供給する工程、を含む、前記(1)に記載のガスの分離精製方法。
(4)回収した非酸性ガスを利用して、該非酸性ガスと吸収液とを、所定の温度に維持した混合器に所定の圧力で供給し、吸収液に非酸性ガスを接触させることにより、非酸性ガス中に残存した酸性ガスを吸収させる工程と、
前記混合器から排出された吸収液と残存した酸性ガスが取り除かれた非酸性ガスとを、所定の温度に維持した気液分離器に送り込み、非酸性ガスを所定の圧力で回収する工程とを含む、前記(1)〜(3)のいずれかに記載のガスの分離精製方法。
(5)回収した非酸性ガスを利用して、該非酸性ガスと吸収液とを、所定の温度に維持した混合器に所定の圧力で供給し、吸収液に非酸性ガスを接触させることにより、非酸性ガス中に残存した酸性ガスを吸収する工程と、
前記混合器から排出された吸収液と残存した酸性ガスが取り除かれた非酸性ガスとを、所定の温度に維持した気液分離器に送り込み、非酸性ガスを所定の圧力で回収する工程と、
前記気液分離器から回収された酸性ガスを含んだ吸収液を、所定の温度に維持した第2の気液分離器に送り込み、酸性ガスを所定の圧力で回収するとともに、吸収液を再生する工程とを含む、前記(1)〜(3)のいずれかに記載のガスの分離精製方法。
(6)回収した非酸性ガスと吸収液とを混合器に所定の圧力で供給して接触させることにより酸性ガスの除去を複数回以上行い、回収する非酸性ガスの純度を向上させる、前記(1)〜(3)のいずれかに記載のガスの分離精製方法。
(7)混合器として、マイクロメーターサイズの流路をもつマイクロミキサーを使用する、前記(1)〜(6)のいずれかに記載のガスの分離精製方法。
(8)吸収液が、陽イオン及び陰イオンからなるイオン液体であり、前記陽イオンが、アルキルアンモニウム、アルキルピリジニウム、アルキルピロリジニウム、アルキルホスホニウム、アルキルイミダゾリウム、あるいは、それらアルキル鎖に不飽和アルキル部位、アミノ基、エーテル基、エステル基、又はカルボニル基、の官能基がある陽イオンからなる、1種あるいは2種以上の陽イオンであり、また、前記陰イオンが、PF−,BF−,CFSO−,CFCFSO−,(CFSON−,(CFCFSON−,(CFCO)N−,(CFSO)N(COCF)−,又はFSONSOFからなる1種あるいは2種以上の陰イオンである、前記(1)〜(7)のいずれかに記載のガスの分離精製方法。
(9)前記(8)に記載のイオン液体からなる吸収液を主成分とし、CO,SO,SO,HS,NO,CSの酸性ガスからなる1種あるいは2種以上を化学吸収する添加剤を加えた吸収液を用いる、前記(1)〜(7)のいずれかに記載のガスの分離精製方法。
(10)前記(1)〜(9)のいずれかの方法に使用するガスの分離精製装置であって、吸収液を収容する吸収液タンク、該吸収液と、酸性ガス及び非酸性ガスを含む混合ガスとを接触させて吸収液に酸性ガスを吸収させるための混合器、該混合器から排出された吸収液と前記酸性ガス並びに非酸性ガスから酸性ガスが取り除かれた非酸性ガスを分離、回収するための気液分離器及び該気液分離器に設置された圧力制御弁を有することを特徴とするガスの分離精製装置。
(11)吸収液を収容する吸収液タンク、該吸収液と、酸性ガス及び非酸性ガスを含む混合ガスとを接触させて吸収液に酸性ガスを吸収させるための混合器、該混合器から排出された吸収液と前記酸性ガス並びに非酸性ガスから酸性ガスが取り除かれた非酸性ガスを分離するための第1の気液分離器、前記気液分離器から回収された酸性ガスを含んだ吸収液から酸性ガス及び吸収液を分離するための第2の気液分離器を有する、前記(10)に記載のガスの分離精製装置。
(12)酸性ガスを含んだ吸収液から該吸収液分離し、再生した吸収液を吸収液タンクに供給する吸収液再送管を有する、前記(11)に記載のガスの分離精製装置。
(13)気液分離器で分離された前記酸性ガスが取り除かれた非酸性ガスを利用し、同様の処理を複数回以上行うためのガス分離系として、混合器、第1の気液分離器、第2の気液分離器、及び吸収液再送管からなるガス分離系を更に有する、前記(11)に記載のガスの分離精製装置。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、流通式ガス分離精製装置を用いて連続プロセスで、しかも、イオン液体に二酸化炭素などの酸性ガスを大量に物理吸収させるという新現な手法を利用するものである。イオン液体は、カチオンとアニオンのみから構成され、室温付近以下に融点をもつ溶融塩であり、不揮発性・不燃性の性質をもち、広い温度範囲で液体状態を維持し、化学的にも安定である。そのため、イオン液体は、蒸気圧がほぼ無視でき、各種ガス相や超臨界流体相へは溶出せず、大気中へのエミッションが無く、低環境負荷の化学プロセスを構築することが可能である。
また、イオン液体のガス吸収は、物理的な機構であるため、ガスを加圧、接触することで吸収させることができ、一方、減圧することで吸収したガスを容易に取り出すことができる。これにより、化学吸収法などで必要となるガス回収のための熱エネルギーを大幅に節約することができ、減圧により吸収したガスを回収した後で、吸収液の再利用が容易である。更に、物理吸収の利点は、吸収量がガスの分圧に比例することで、特に高圧ガスの分離・精製プロセスに好適である。
本発明では、この性質を利用し、かつ流通式ガス分離精製装置を用いて連続プロセスを採用することで、選択的にガスを吸収する分子ゲート機能をもった分離膜やマイクロリアクターを用いた接触吸収法によるガス分離・精製が可能となる。また、イオン液体は、カチオンとアニオンの分子構造を自在に化学修飾できるデザイン溶媒と言われていることから、イオン液体の分子構造をガス分離・精製の吸収液として好適な構造とすることで、一層のプロセスの高効率化が可能となる。また、本発明の方法は、SOxやNOx成分により被毒を受ける触媒などの脱酸性ガス前処理プロセスとしての利用も期待される。
近年、イミダゾリウムなどを陽イオンとし、PF−、BF−、(CFSON−などを陰イオンとしたイオン液体は、単位体積当たりのCOなどの酸性ガスの吸収量が極めて高く、一方で、HやNなどの非酸性ガスはほとんど吸収しないことが明らかとされた。したがって、これらのイオン液体を吸収液として用い、混合ガスと接触させることでガスの分離・精製が可能となると考えられるが、イオン液体は、粘性率が高く、ガス吸収速度が著しく小さいため、従来の方法では、イオン液体を吸収液として用いることは実用上困難であった。
ここで、本発明の方法について説明すると、本発明では、図1に示すように、吸収液タンク2から酸性ガス吸収能力及び選択性に優れた吸収液であるイオン液体を、高圧ポンプ3により不活性ガス圧による所定の圧力で所定の温度に維持した混合器5に供給する。一方、酸性ガス及び非酸性ガスを含む混合ガスをガスブースター4により所定の圧力で所定の温度に維持した混合器5に供給し、吸収液と混合ガスとを接触させる。これにより、酸性ガスのみを高速かつ効率よく混合ガスから選択的に吸収し、非酸性ガスと分離する。
更に、所定の圧力で混合器5から排出された非酸性ガスを主成分とする気体と酸性ガスを含んだ吸収液とを、そのまま連続的に所定の温度に維持した気液分離器6に送り込み、気液分離器6に設置された圧力制御弁7を通して、酸性ガスが取り除かれた非酸性ガスを所定の圧力で回収する。これらの工程は、吸収液と混合ガスを連続的に送り込むことができる流通式システムを用いることで実施可能であり、長期間にわたり連続的プロセスで大量のガスの分離精製を行うことが可能となる。
また、本発明の他の態様では、図2に示すように、吸収液タンク2から酸性ガス吸収能力及び選択性に優れた吸収液であるイオン液体を、高圧ポンプ3により不活性ガス圧による所定の圧力で所定の温度に維持した混合器5に供給する。一方、酸性ガス及び非酸性ガスを含む混合ガスをガスブースター4により所定の圧力で所定の温度に維持した混合器5に供給し、吸収液と混合ガスとを接触させる。これにより、酸性ガスのみを高速かつ効率よく混合ガスから選択的に吸収し、非酸性ガスと分離する。
更に、所定の圧力で混合器から排出された非酸性ガスを主成分とする気体と酸性ガスを含んだ吸収液とを、そのまま連続的に所定の温度に維持した気液分離器6に送り込み、気液分離器6に設置された圧力制御弁7を通して、酸性ガスが取り除かれた非酸性ガスを所定の圧力で回収する。一方、酸性ガスを含んだ吸収液を取り出して、再び所定の温度に維持した気液分離器8に送り込み、該気液分離器8に設置された圧力制御弁9を通して、酸性ガスを所定の圧力で回収する。
また、本発明の他の態様では、図3に示すように、吸収液タンク2から酸性ガス吸収能力及び選択性に優れた吸収液であるイオン液体を高圧ポンプ3により不活性ガス圧による所定の圧力で所定の温度に維持した混合器5に供給する。一方、酸性ガス及び非酸性ガスを含む混合ガスをガスブースター4により所定の圧力で所定の温度に維持した混合器5に供給し、吸収液と混合ガスとを接触させる。これにより、酸性ガスのみを高速かつ効率よく混合ガスから選択的に吸収し、非酸性ガスと分離する。
更に、所定の圧力で混合器から排出された非酸性ガスを主成分とする気体と酸性ガスを含んだ吸収液とを、そのまま連続的に所定の温度に維持した気液分離器6に送り込み、気液分離器6に設置された圧力制御弁7を通して、酸性ガスが取り除かれた非酸性ガスを所定の圧力で回収する。一方、酸性ガスを含んだ吸収液を取り出して、再び所定の温度に維持した気液分離器8に送り込み、該気液分離器8に設置された圧力制御弁9を通して、酸性ガスを所定の圧力で回収し、他方、酸性ガスを回収して再生された吸収液は、吸収液タンク2に戻され、再利用される。
本発明では、吸収液タンク2から酸性ガス吸収能力及び選択性に優れた吸収液であるイオン液体を、高圧ポンプ3により所定の圧力で所定の温度に維持した混合器5に供給し、酸性ガス及び非酸性ガスを含む混合ガスをガスブースター4により所定の圧力で所定の温度に維持した混合器5に供給し、吸収液と混合ガスとを接触させる。これにより、酸性ガスのみを高速かつ効率よく混合ガスから選択的に吸収し、非酸性ガスと分離する。
所定の圧力で混合器から排出された非酸性ガスを主成分とする気体と酸性ガスを含んだ吸収液とを、そのまま連続的に所定の温度に維持した気液分離器6に送り込み、気液分離器6に設置された圧力制御弁7を通して、酸性ガスが取り除かれた非酸性ガスを所定の圧力で回収する。更に、回収された非酸性ガスを再び吸収液と接触させ、これにより残存した酸性ガスを取り除き、非酸性ガスの純度の向上を可能とする。
本発明では、図4に示すように、吸収液タンク2から酸性ガス吸収能力及び選択性に優れた吸収液であるイオン液体を、高圧ポンプ3により所定の圧力で所定の温度に維持した混合器5に供給し、酸性ガス及び非酸性ガスを含む混合ガスをガスブースター4により所定の圧力で所定の温度に維持した混合器5に供給し、吸収液と混合ガスとを接触させる。これにより、酸性ガスのみを高速かつ効率よく混合ガスから選択的に吸収し、非酸性ガスと分離する。
所定の圧力で混合器から排出された非酸性ガスを主成分とする気体と酸性ガスを含んだ吸収液とを、そのまま連続的に所定の温度に維持した気液分離器6に送り込み、該気液分離器6に設置された圧力制御弁7を通して、酸性ガスが取り除かれた非酸性ガスを所定の圧力で回収する。更に、回収された非酸性ガスを再び吸収液と接触させ、これにより残存した酸性ガスを取り除き、非酸性ガスの純度の向上を可能とする。
高純度化を図るために使用した酸性ガスを含んだ吸収液は、所定の温度に維持した気液分離器8に送り込み、該気液分離器8に設置された圧力制御弁9を通して、酸性ガスを所定の圧力で回収する。酸性ガスを回収して再生された吸収液は、吸収液タンク2に戻され、再利用される。
本発明では、混合ガスから回収した非酸性ガスと吸収液とを混合器に所定の圧力で供給して接触させることにより、酸性ガスの除去を複数回以上行うことで、回収する非酸性ガスの純度を向上させることが好適である。また、本発明では、混合器の流路が数マイクロメーターから数百マイクロメーターからなるマイクロミキサーを使用することで、高速混合を可能として、ガス分離精製効率を向上させることが好適である。
また、本発明では、吸収液に1種あるいは2種以上からなるイオン液体が用いられるが、その場合、陽イオンとして、アルキルアンモニウム、アルキルピリジニウム、アルキルピロリジニウム、アルキルホスホニウム、アルキルイミダゾリウム、あるいは、それらアルキル鎖に不飽和アルキル部位、アミノ基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、などの官能基がある陽イオンなどを用いること、また、陰イオンとして、PF−,BF−,CFSO−,CFCFSO−,(CFSON−,(CFCFSON−,(CFCO)N−,(CFSO)N(COCF)−,FSONSOFなどを用いることが好ましい。
更に、本発明では、上述のイオン液体からなる吸収液を主成分とし、CO,SO,SO,HS,NO,CSなどの酸性ガスからなる1種あるいは2種以上を化学吸収する添加剤を加えた吸収液を用いることで、回収した複数成分からなる酸性ガスから化学吸収されていない酸性ガス成分を取り出した後、化学吸収された酸性ガスを分離することが可能である。
次に、本発明の装置について説明すると、本発明のガスの分離精製装置は、吸収液を収容する吸収液タンク、該吸収液と、酸性ガス及び非酸性ガスを含む混合ガスとを接触させて吸収液に酸性ガスを吸収させるための混合器、該混合器から排出された吸収液と前記酸性ガスが取り除かれた非酸性ガスを分離するための気液分離器、を有することを特徴としている。また、本発明のガスの分離精製装置は、吸収液を収容する吸収液タンク、該吸収液と、酸性ガス及び非酸性ガスを含む混合ガスとを接触させて吸収液に酸性ガスを吸収させるための混合器、該混合器から排出された吸収液と前記酸性ガスが取り除かれた非酸性ガスを分離するための第1の気液分離器、前記気液分離器から回収された酸性ガスを含んだ吸収液から酸性ガス及び吸収液を分離するための第2の気液分離器、を有することを特徴としている。
本発明では、酸性ガスを含んだ吸収液から分離し、再生した吸収液を吸収液タンクに供給する吸収液再送管を有すること、気液分離器で分離された前記酸性ガスが取り除かれた非酸性ガスを利用し、同様の処理を複数回以上行うためのガス分離系として、混合器、第1の気液分離器、第2の気液分離器、及び吸収液再送管からなるガス分離系を更に有すること、を好ましい実施の態様としている。
二酸化炭素の分離・回収技術については、化学吸収法、吸着法、膜分離法など様々な方法により研究開発が進められており、エネルギーやコストの低減が図られている。火力発電所などの大規模固定発生源から二酸化炭素を分離・回収するプロセスでは、アルカノールアミン類やアミノ酸類を二酸化炭素吸収液として用いる化学吸収法が、現時点における実用化技術として注目され、既に商用プラントとして一部稼働している状況にある。
しかしながら、化学吸収法は、吸収液再生コストが分離・回収コストの50%を占め、エネルギー消費が著しいという問題がある。したがって、コスト削減のため、100℃〜室温程度の廃熱源で駆動可能な低エネルギー再生型吸収液の開発が望まれている。また、これまで検討されてきた方法の多くは、二酸化炭素を常圧のガスとして回収するものである。しかし、回収した二酸化炭素を貯留・隔離する際には、得られたガスを液体あるいは超臨界状態にある高圧二酸化炭素に変換する必要があり、この過程のエネルギー消費も甚だしい、とされている。
本発明で提案するイオン液体によるガス分離精製法は、物理吸収を原理とし、かつ流通式ガス分離精製装置を用いて連続的プロセスで室温近辺での圧力操作のみで駆動できるため、従来の吸収液再生エネルギーコストなどを大幅に低減することが可能である。更に、イオン液体法では、回収条件を制御することで、二酸化炭素を高圧状態で回収することができ、貯留・隔離の際の圧縮エネルギーを軽減することができる。本発明者らの試算では、化学吸収法からイオン液体を用いた物理吸収法へ技術転換することにより、分離・回収におけるエネルギー消費量が50%以下に削減でき、分離・回収プロセスが占める割合は従来技術で約70%とされていることから、分離・回収から貯留・隔離までの技術全体としても約40%の低減が期待できる。
水素精製技術としては、これまで、圧力スイング吸着、膜分離、深冷分離などの方法が検討されているが、高圧条件における水素精製については、ほとんど実施の事例が無い。一方、水素の貯蔵や輸送を考えた場合には、高圧水素の需要は今後益々増加すると予想される。高圧水素精製では、対象とする混合ガス中の水素分圧を低下させること無く、分離・精製を行うことが重要である。
また、圧力スイング吸着法は、現在最も実用化が進んでいるが、吸脱着において圧力操作が不連続となるため、高圧条件での水素精製に適しているとは言いがたい。また、パラジウムなどの水素透過膜を利用した分離精製法は、一般に、分離膜の前後において圧力差が生じ、供給側より精製後の水素分圧は低くなってしまう。このため、精製した水素の再圧縮が必要となり、エネルギー的に不利となる。
一方、本発明で提案するイオン液体法は、これまでほとんど利用されていなかった物理吸収を原理とした分離精製法であり、イオン液体を流通式ガス分離精製装置を用いて連続プロセスで水素を含んだ混合ガスと接触させることにより、水素を吸収することなく、二酸化炭素などの酸性ガスだけを選択的に吸収して取り除くことができる。このため、水素透過膜とは異なり、水素分圧を低下させること無く、高圧水素を精製することが可能である。更に、興味深いことに、イオン液体の酸性ガスの吸収能力は、分圧で〜10MPa程度までほぼ直線的に増加し、高圧条件では水素精製効率の向上が期待される。このことは、水素精製と圧縮を同時に行えることを示唆するものであり、オンサイト型の水素ステーションを想定した場合には、装置をコンパクト化することができ、非常に有利となる。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)流通式ガス分離精製装置を用いて連続プロセスでイオン液体による物理吸収を原理とするガス分離精製方法を提供することができる。
(2)二酸化炭素を高圧状態で回収することができ、貯留、隔離の際の圧縮エネルギーを軽減することができる。
(3)化学吸収法と比べて、分離・回収におけるエネルギー消費量を50%以下に削減することができる。
(4)水素を含んだ混合ガスの精製プロセスでは、水素分圧を低下させること無く、二酸化炭素などの酸性ガスだけを選択的に吸収して取り除くことが可能である。
(5)高圧条件では、水素精製と圧縮を同時に行うことが可能である。
(6)本発明の流通式ガス分離手段を用いることにより、粘性率が高く、ガス吸収速度が著しく小さいために、従来法では利用することが困難であったイオン液体によるガスの分離精製技術を構築し、提供することが実現できる。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドを吸収液として、75%の窒素と25%の二酸化炭素とからなる混合ガスから、二酸化炭素を分離吸収して窒素の回収を行った。図1に示したガス分離精製装置を用いて、上記混合ガスと吸収液とを接触させた後、気液分離器を通して、そこから回収された主成分が窒素のガスを分取して、ガスクロマトグラフィーにより組成分析を行った。
その結果、混合ガス中の窒素ガスの組成は75%であったが、回収された窒素ガスの組成は85%以上の純度に精製されることが分かった。一定圧力条件下で、混合器の制御温度を室温近辺で変化させても回収された窒素ガスの純度に大きな影響は観察されなかったが、気液分離器の制御温度を低くすると、窒素ガスの純度は僅かながら向上することが明らかとなった。一方、混合ガスと吸収液の圧力を増加して、ガス分離精製実験を行うことで、回収される窒素ガスの純度を低下させることなく、単位時間当たりの窒素回収量を増加することが可能なことが明らかとなった。
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドを吸収液として、75%の窒素と25%の二酸化炭素とからなる混合ガスから、二酸化炭素を分離吸収したイオン液体を取り出し、吸収されたガスの回収を行った。図2に示したガス分離精製装置を用いて、上記混合ガスと吸収液とを接触し、ガスを吸収させた後、気液分離器を通して、窒素を主成分としたガスを分離し、ガスを吸収したイオン液体を取り出し、更に、気液分離器に通して減圧することで、二酸化炭素を主成分としたガスを回収した。
回収したガスを分取して、ガスクロマトグラフィーにより組成分析を行った。また、回収されたガスの量をフローメーターで測定した。その結果、回収されたガスの90%近くが二酸化炭素であった。一定圧力条件下で、混合器の制御温度を室温近辺で変化させても、回収された窒素ガスの純度に大きな影響は観察されなかったが、気液分離器の制御温度を低くすると、二酸化炭素の回収量は増加することが明らかとなった。一方、混合ガスと吸収液の圧力を増加して、ガス分離精製実験を行ったところ、二酸化炭素の回収量は、顕著に増加することが明らかとなった。
ガス分離実験装置を用いたイオン液体による二酸化炭素の分離回収実証試験を行った。 本実施例で使用した[BMIM][TfN]は、図5に示した通り、2段階で合成し、精製後、十分に乾燥した。図5に示した合成方法において、1段目の合成では、市販の1−メチルイミダゾール(Aldrich,特級)と1−クロロブタン(東京化成,特級)を343Kのオイルバス中で72時間加熱還流して、高粘度の黄色い液体[BMIM]Clを得た。[BMIM]Clから原料成分及び副生成物を除去するために、酢酸エチルで4,5回洗浄した後、ロータリーエバポレーターで、酢酸エチル(キシダ化学,特級)を除去した。更に、引き続き、残存した酢酸エチルと水を、真空ポンプを用いて、343Kで12時間以上乾燥し、前駆体の[BMIM]Clを調製した。
2段目の合成では、市販のLiTfN(関東化学,素材研究用)を、超純水に溶解し、合成したほぼ等量の[BMIM]Clに、氷浴下でゆっくりと滴下して、十分に撹拌した。上層の水溶液をデカントし、下層のイオン液体を分取した。合成した[BMIM][TfN]中に残存したLiClを取り除くために、超純水での洗浄を7,8回繰り返した。その際、洗浄液に、AgNOを滴下して、AgCl由来の白色沈殿が生成しないこと、ならびに、洗浄液が中性であることを確認した。使用前に、精製した[BMIM][TfN]を、真空ポンプを用いて、343Kで30時間以上乾燥して、十分に脱水を行なった。
精製した[BMIM][TfN]のH及び13C NMRのスペクトルを、図6及び図7に示す。H及び13C NMRどちらの場合も、スペクトルに観察されるピークは、[BMIM][TfN]に帰属され、顕著な不純物などは検出されなかった。また、二酸化炭素分離回収実験の使用前に、[BMIM][TfN]中に含まれる水分量を、電量型カール・フィッシャー水分滴定計(京都電子,MKC−510)で測定した。その結果、どのサンプルにおいても、水分量は、質量分率で〜30ppm以下であることが確認された。
一方、上記イオン液体[BMIM][TfN]と比較するために、ポリエチレングリコール400,PEG400(キシダ化学、1級、分子量380〜420)を用いて、同様に、二酸化炭素の分離回収実験を行った。PEG400は、モレキュラーシーブス4A(Aldrich)で乾燥後、フィルターを通したものを使用した。イオン液体と同様に、電量型カール・フィッシャー水分滴定計で、水分量を測定し、〜300ppm以下であることを確認した。
本実施例のガス分離回収実験で使用した実験装置の概略を、図8に示す。ガス分離実験装置は、以下の1〜4の4つの主要部分からなる。
1.送液部
2台のシリンジポンプ(Isco, Model 206D)から構成され、標準ガス(図中、ポンプB)と吸収液(図中、ポンプA)とを、定量的な流量で送液する。圧縮などによる温度揺らぎに起因して流量が変化しないように、25℃に一定になるよう制御した。
2.気液混合ならびに分離部
本実施例では、1)チューブ型気液分離器と、2)大容量型気液混合分離器、の2種類の容器を用いた。
1)チューブ型気液分離器
混合器にT字型の構造を有する三方継手を用い、一方からは標準ガスを、他方からは吸収液を任意の流量で送液することで、2つの流体を混合した。T字部で混合された二つの流体は、気液の不均一相を形成したまま、配管(GLサイエンス、SUS 316チューブ、外径1/16インチ、内径約1mmφ、長さ約2m)内を通過することで、気液平衡状態へと近づき、やがて分離器に運び込まれる。図9に、チューブ型気液分離器の概略を示す。
本体は、外径12.7mmφ、内径8.8mmφ、内容積約3.6cmのサファイアチューブからなり、分離器内部を観察可能となっている。混合器から分離器上部を通じて送液された標準ガスと吸収液は、分離器内部で所定時間保持される。その後、二酸化炭素を含んだ吸収液は、分離器下部の出口から、二酸化炭素が取り除かれたガスは、分離器上部の出口から排出される。なお、混合部に至るラインには、予熱部が設けられ、混合器ならびに混合器から気液分離器までの配管は、恒温槽内に設置され、所定の温度に制御されている。更に、気液分離器は、温調ジャケットで包まれ、独立して温度制御できる構造となっている。
2)大容量型気液混合分離器
一方、上述した実験装置では、吸収液の流量が大きい時に、再現性のある実験結果を得ることが困難であったため、容積が約30cmと比較的大きなサファイア窓付の高圧セルを、気液混合ならびに分離のための一体型容器として利用した。図10に、大容量型気液混合分離器の概要を示す。この場合、予熱部で所定の温度に制御された標準ガス及び吸収液は、配管を通して高圧セル内の下部ならびに上部にそれぞれ運び込まれる。マグネチックスターラーを用いて所定の時間混合して、気液の平衡状態を達成した後、チューブ型気液分離器の場合と同様に、二酸化炭素を取り除いたガスと、二酸化炭素を含んだ吸収液とを、それぞれ上部ならびに下部から別々に分取する。
なお、図8に示した通り、一段目の気液分離器で分取した吸収液(二酸化炭素を溶解したもの)は、再度気液分離器へと送り込まれる。この二段目の気液分離器も高圧条件に耐え得る構造のセルとしたが、実際の実験では、常圧において、吸収液から二酸化炭素の回収を行なった。
3.圧力制御部
一段目の気液分離器の上部から取り出される精製ガスのラインは、配管(GLサイエンス、SUS 316チューブ、外径1/16インチ、内径約1mmφ)を通じて背圧弁(JASCO、880−81)に接続した。また、一段目の気液分離器の下部から取り出される二酸化炭素を溶解した吸収液のラインは、減圧弁(TESCOM、44−1164−24−093)を通して二段目の気液分離器に接続した。二段目の気液分離器の下流側には一段目と同様に背圧弁(JASCO、880−81)を設置した。
4.ガス分析部
背圧弁を通過したガスを常圧に戻した後、液体トラップを介して、ガスクロマトグラフ分析装置(Shimadzu,GC−8A)に接続した。分析条件は、以下の通りである。なお、3種類の標準ガス(GLサイエンス、窒素ベース二酸化炭素標準ガス、5.07%、13.20%、24.45%)を用いて、分析装置から得られる二酸化炭素のピーク面積と二酸化炭素濃度との関係について、あらかじめ校正曲線を求め、精製ガス中の二酸化炭素濃度を決定した(図11)。また、ガスクロマトグラフィーの分析結果の一例を図12に示す。
ガスクロマトグラフィーの分析条件は、以下の通りとした。
キャリアガス:He(東京高圧、99.995%)
キャリアガス流量:90mL/min
注入口温度:373K
カラム温度:353K
カラム:Shamadzu Shincarbon ST
ガス分離回収実験は、以下の操作及び実験手順で行った。
十分に乾燥した[BMIM][TfN]あるいはポリエチレングリコール400をグローブボックス中で密閉容器に移し替え、アルゴンガスを通気した後、シリンジポンプAに充填した。同様に、何度かパージ操作を行なった後、標準ガス(東京高圧、24.45%CO+75.55%N)をシリンジポンプBに所定の圧力で充填した。その後、ガス側のラインのバルブ3及び4を順次開け、系内を所定の圧力に保った。シリンジポンプBを所定の流量で稼動し、背圧弁の調整を行なった。
ガスの流通が安定するのを待った後、ほぼ同程度の圧力にしておいた吸収液側のラインのバルブ7及び8を開け、シリンジポンプAを所定の流量で稼動した。気液分離器に十分な量(半分以上)の吸収液が送り込まれた後、気泡が排出されるのを確認して、減圧弁9を調整して、二酸化炭素を溶解した吸収液を連続的に排出した。
大容量型の気液混合分離器を用いた場合には、マグネチックスターラーにより強制撹拌を行なった。標準ガスならびに吸収液を一定流量で送液し続け、精製されたガスの二酸化炭素濃度をガスクロマトグラフィーで逐次分析して、一定値を示すことを確認し、系内が平衡状態に達したものとみなした。
ガス分離回収実験は、混合器、気液分離器ともに25±0.2℃に固定して、主に2MPaの高圧条件において、標準ガスと吸収液の流量を0.05〜1mL/minと変化させて行なった。ガス分離回収試験の実験条件を、表1に、一覧表として示す。
25℃、2MPaにおいて、PEG400を吸収液として流量を変化させて行なったガス分離回収実験の結果を表2に示し、[BMIM][TfN]を吸収液として用いた実験結果を表3に示す。また、25℃において、PEG400を吸収液として用い、流量比(吸収液/ガス)を0.5と固定して、圧力を変化させたガス分離回収実験の結果を表4に示した。
PEG400及び[BMIM][TfN]どちらの場合も、ガスの流量に対して吸収液の流量を増加していくと、二酸化炭素の濃度が減少していくことが観察された。これは、ガス流量が大きい場合には、吸収液の溶解量に比べて、標準ガス中に含まれる二酸化炭素量が多く、全ての二酸化炭素を吸収するのが困難であるためと考えられる。精製したガス中に含まれる二酸化炭素濃度を流量比(吸収液/ガス)に対して、図9及び10にプロットして示した。
図から明らかなように、流量比が〜0.5近くなるまで、二酸化炭素濃度は急激に減少する。その後、二酸化炭素濃度の減少は緩やかに推移する。25℃、2MPaの標準ガス(24.45%CO+75.55%N)中に含まれる二酸化炭素の体積モル濃度は、〜0.2moldm−3程度であり、二酸化炭素分圧〜0.5MPaにおける吸収液の二酸化炭素の溶解量([BMIM][TfN]では、〜0.5moldm−3程度)から考えて、この結果は、非常に妥当であると考えられる。
興味深いことは、PEG400に比べて、[BMIM][TfN]では、流量比〜0.5以下の領域での二酸化炭素濃度の減少の傾きが大きいこと、また、流量比を大きくした時に達する二酸化炭素の濃度が非常に小さいこと、である。PEG400を吸収液として用いた場合には、元々24.45%あった二酸化炭素が、〜9%まで取り除かれ、〜15%(全体の約60%)の二酸化炭素を分離回収することができた。
一方、[BMIM][TfN]を吸収液として用いた場合には、二酸化炭素を、〜4.5%まで減らすことができ、全体の80%を超える二酸化炭素を容易に分離回収することが可能であった。すなわち、[BMIM][TfN]を用いると、同条件において、PEG400よりも、二酸化炭素を30%以上効率良く分離回収することができた。
この結果は、イオン液体の単位体積当りの二酸化炭素吸収能力が非常に優れているために他ならない。また、表4に示した通り、PEG400を用いた予備的な実験において、1MPaで二酸化炭素を分離回収することが可能であることが示され、圧縮エネルギーがより低い条件でも、イオン液体を用いた物理吸収法は有効であることが示唆されている。
以上詳述したように、本発明は、ガス分離精製ならびに回収方法及びその装置に係るものであり、本発明により、イオン液体による物理吸収を原理とする流通式ガス分離装置を用いた連続プロセスによるガス分離精製方法を提供することができる。本発明により、二酸化炭素を高圧状態で回収することができ、貯留、隔離の際の圧縮エネルギーを軽減することができる。本発明は、化学吸収法と比べて、分離・回収におけるエネルギー消費量を50%以下に削減することができる。本発明は、酸性ガスとHなどの非酸性ガスを分離して、それぞれを回収することを可能とする連続プロセスによるガスの分離精製方法と回収方法及びその装置を提供するものとして有用である。
酸性ガスと非酸性ガスを含む混合ガスから非酸性ガスを回収するガスの分離精製装置を示す。 非酸性ガス、酸性ガスの回収及び吸収液の再生を行うガスの分離精製装置を示す。 非酸性ガス、酸性ガスの回収及び再生された吸収液を吸収液タンクに供給するガスの分離精製装置を示す。 酸性ガスの除去を複数回行うためのガスの分離精製装置を示す。 [BMIM][TfN]の合成方法を示す。 合成した[BMIM][TfN]のH NMRのスペクトルを示す。 合成した[BMIM][TfN]の13C NMRのスペクトルを示す。 ガス分離実験装置の概略(上)と外観(下)を示す。 チューブ型気液分離器の概略(左)と外観(右)を示す。 大容量型気液混合分離器の概略(左)と外観(右)を示す。 ガスクロマト分析装置のピーク面積と二酸化炭素濃度との校正曲線を示す。 ガスクロマトグラフィーの分析結果の例を示す。 PEG400を用いて精製したガス中の二酸化炭素濃度の流量比依存性を示す。 [BMIM][TfN]を用いて精製したガス中の二酸化炭素濃度の流量比依存性を示す。

Claims (13)

  1. 酸性ガス及び非酸性ガスを含む混合ガスをイオン液体からなる吸収液を用いて、該イオン液体に酸性ガスを物理吸収させる手法を原理とし、かつ、流通式ガス分離精製装置を利用して、連続的プロセスで分離精製する方法であって、
    (1)酸性ガス及び非酸性ガスを含む混合ガスを、所定の温度に維持した混合器に所定の圧力で供給し、前記吸収液に混合ガスを接触させることにより、該吸収液に酸性ガスのみ選択的に吸収させる工程、及び、
    (2)前記混合器から排出された酸性ガスを含んだ吸収液と非酸性ガスを主成分とする気体とを、そのまま連続プロセスで連続的に所定の温度に維持した気液分離器に送り込み、該気液分離器において酸性ガスが取り除かれた非酸性ガスを所定の圧力で回収する工程、を含むガスの分離精製方法。
  2. 前記(1)及び(2)の工程と、(3)前記気液分離器から酸性ガスを含んだ吸収液を回収する工程、及び、(4)回収された酸性ガスを含んだ吸収液を、所定の温度に維持した第2の気液分離器に送り込み、酸性ガスを所定の圧力で回収するとともに、吸収液を再生する工程、を含む、請求項1に記載のガスの分離精製方法。
  3. 前記(1)及び(2)の工程と、(3)前記気液分離器から酸性ガスを含んだ吸収液を回収する工程、(4)回収された酸性ガスを含んだ吸収液を、所定の温度に維持した第2の気液分離器に送り込み、酸性ガスを所定の圧力で回収するとともに、吸収液を再生する工程、及び、(5)再生された吸収液を吸収液タンクに供給する工程、を含む、請求項1に記載のガスの分離精製方法。
  4. 回収した非酸性ガスを利用して、該非酸性ガスと吸収液とを、所定の温度に維持した混合器に所定の圧力で供給し、吸収液に非酸性ガスを接触させることにより、非酸性ガス中に残存した酸性ガスを吸収させる工程と、
    前記混合器から排出された吸収液と残存した酸性ガスが取り除かれた非酸性ガスとを、所定の温度に維持した気液分離器に送り込み、非酸性ガスを所定の圧力で回収する工程とを含む、請求項1〜3のいずれかに記載のガスの分離精製方法。
  5. 回収した非酸性ガスを利用して、該非酸性ガスと吸収液とを、所定の温度に維持した混合器に所定の圧力で供給し、吸収液に非酸性ガスを接触させることにより、非酸性ガス中に残存した酸性ガスを吸収する工程と、
    前記混合器から排出された吸収液と残存した酸性ガスが取り除かれた非酸性ガスとを、所定の温度に維持した気液分離器に送り込み、非酸性ガスを所定の圧力で回収する工程と、
    前記気液分離器から回収された酸性ガスを含んだ吸収液を、所定の温度に維持した第2の気液分離器に送り込み、酸性ガスを所定の圧力で回収するとともに、吸収液を再生する工程とを含む、請求項1〜3のいずれかに記載のガスの分離精製方法。
  6. 回収した非酸性ガスと吸収液とを混合器に所定の圧力で供給して接触させることにより酸性ガスの除去を複数回以上行い、回収する非酸性ガスの純度を向上させる、請求項1〜3のいずれかに記載のガスの分離精製方法。
  7. 混合器として、マイクロメーターサイズの流路をもつマイクロミキサーを使用する、請求項1〜6のいずれかに記載のガスの分離精製方法。
  8. 吸収液が、陽イオン及び陰イオンからなるイオン液体であり、前記陽イオンが、アルキルアンモニウム、アルキルピリジニウム、アルキルピロリジニウム、アルキルホスホニウム、アルキルイミダゾリウム、あるいは、それらアルキル鎖に不飽和アルキル部位、アミノ基、エーテル基、エステル基、又はカルボニル基、の官能基がある陽イオンからなる、1種あるいは2種以上の陽イオンであり、また、前記陰イオンが、PF−,BF−,CFSO−,CFCFSO−,(CFSON−,(CFCFSON−,(CFCO)N−,(CFSO)N(COCF)−,又はFSONSOFからなる1種あるいは2種以上の陰イオンである、請求項1〜7のいずれかに記載のガスの分離精製方法。
  9. 請求項8に記載のイオン液体からなる吸収液を主成分とし、CO,SO,SO,HS,NO,CSの酸性ガスからなる1種あるいは2種以上を化学吸収する添加剤を加えた吸収液を用いる、請求項1〜7のいずれかに記載のガスの分離精製方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかの方法に使用するガスの分離精製装置であって、吸収液を収容する吸収液タンク、該吸収液と、酸性ガス及び非酸性ガスを含む混合ガスとを接触させて吸収液に酸性ガスを吸収させるための混合器、該混合器から排出された吸収液と前記酸性ガス並びに非酸性ガスから酸性ガスが取り除かれた非酸性ガスを分離、回収するための気液分離器及び該気液分離器に設置された圧力制御弁を有することを特徴とするガスの分離精製装置。
  11. 吸収液を収容する吸収液タンク、該吸収液と、酸性ガス及び非酸性ガスを含む混合ガスとを接触させて吸収液に酸性ガスを吸収させるための混合器、該混合器から排出された吸収液と前記酸性ガス並びに非酸性ガスから酸性ガスが取り除かれた非酸性ガスを分離するための第1の気液分離器、前記気液分離器から回収された酸性ガスを含んだ吸収液から酸性ガス及び吸収液を分離するための第2の気液分離器を有する、請求項10に記載のガスの分離精製装置。
  12. 酸性ガスを含んだ吸収液から該吸収液分離し、再生した吸収液を吸収液タンクに供給する吸収液再送管を有する、請求項11に記載のガスの分離精製装置。
  13. 気液分離器で分離された前記酸性ガスが取り除かれた非酸性ガスを利用し、同様の処理を複数回以上行うためのガス分離系として、混合器、第1の気液分離器、第2の気液分離器、及び吸収液再送管からなるガス分離系を更に有する、請求項11に記載のガスの分離精製装置。
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