JP2014188405A - 二酸化炭素分離装置及び二酸化炭素分離方法 - Google Patents

二酸化炭素分離装置及び二酸化炭素分離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】主としてCOとメタンを含む混合ガスからCOを分離する際に、COの分離効率が高く、高濃度のメタンが得られる二酸化炭素分離装置及び方法を提供する。
【解決手段】COとメタンを主成分とする炭化水素ガスとを含む被処理ガスからCOを含むハイドレートを生成するハイドレート生成部と、前記被処理ガスの内の前記ハイドレート化をしないで通過したガスを、そのまま高圧下で水と気液接触させて前記通過したガス中のCOを水に吸収させる二酸化炭素吸収部とを備え、前記被処理ガス中に含まれるCOのうち、前記ハイドレート生成部におけるハイドレート化によって分離されるCOの割合を調整可能なハイドレート化率制御手段を備え、該ハイドレート化率制御手段は前記ハイドレート化によって分離されるCOの割合を前記被処理ガスの組成に基づいて設定するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、メタンを主成分とする炭化水素ガスと、二酸化炭素を主成分とする酸性ガスと、から成る混合ガスから二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離装置及び二酸化炭素分離方法に関するものである。
エネルギー源としての天然ガスは、通常、その主成分がメタンであり、前記メタン以外の他の成分もエタン、プロパン、ブタン、ペンタン等の炭化水素ガスであるが、燃料として利用することができない不燃性ガス(例えば、二酸化炭素、硫化水素等の酸性ガスや窒素等)を多く含んでいる場合がある。
天然ガスが、前記不燃性ガス(特に二酸化炭素)を多く含む場合、前記天然ガスを燃料として利用するためには、前記二酸化炭素を分離して除く必要がある。
また、下水汚泥を微生物処理した際に発生するバイオガス(消化ガス)も、主成分がメタンと二酸化炭素の混合ガスであり、このバイオガスに含まれるメタンを有効に活用するため、前記バイオガスから二酸化炭素を分離する技術が求められている。
例えば、メタンと二酸化炭素を含む混合ガス中から二酸化炭素を分離する技術としては、化学吸収法、PSA法(物理吸着法)、膜分離法、物理吸収法、ハイドレート分離法などがある。前記ハイドレート分離法(例えば、特許文献1)は、前記混合ガス中の二酸化炭素をハイドレート化することによって前記混合ガスから二酸化炭素を分離する方法であり、水のみを利用して二酸化炭素の分離を行うことができるクリーンな方法という点で注目されている。
出願人は、二酸化炭素を含む混合ガスの二酸化炭素を二酸化炭素ハイドレート生成部においてハイドレート化するとともに、前記二酸化炭素ハイドレート生成部を通過した高圧ガス中の二酸化炭素を二酸化炭素吸収部において水に吸収させるように構成した二酸化炭素の分離装置を開発している(特許文献2)。
この二酸化炭素の分離装置によれば、ハイドレート化できないで二酸化炭素ハイドレート生成部を通過してしまった被処理ガスの二酸化炭素を、二酸化炭素を水に吸収(溶解)させて除去することができる。
特開2005−179629号公報 特許第5079141号公報
前記特許文献2に記載の二酸化炭素の分離装置は、前記被処理ガスが、二酸化炭素と、二酸化炭素のハイドレート生成条件ではほとんど、又は全くハイドレート化しないガスとの混合ガスである場合は、二酸化炭素ハイドレート生成部内の圧力および温度を、二酸化炭素ハイドレートが確実に生成する高圧、低温の条件にすることによって、ハイドレート化による二酸化炭素の分離を効果的に行うことができる。
しかし、前記被処理ガスが、例えば天然ガスやバイオガスのように、二酸化炭素を主成分とする酸性ガスとメタンを主成分とする炭化水素ガスとの混合ガスである場合、二酸化炭素とメタンはそれぞれのハイドレートの相平衡条件が近い。したがって、特許文献2に記載の二酸化炭素の分離装置で、天然ガスやバイオガスを原料ガスとして二酸化炭素ハイドレートを形成させると、メタンハイドレートや、メタンと二酸化炭素の混合ガスハイドレートも同時に形成されてしまい、燃料等として有用な成分であるメタンの一部も二酸化炭素ハイドレートとともに除かれてしまう。
本発明者らは、この点に着目して鋭意研究を重ねた結果、前記二酸化炭素ハイドレート生成部と前記二酸化炭素吸収部を備える二酸化炭素の分離装置において、前記二酸化炭素ハイドレート生成部におけるハイドレート化によって、被処理ガスから分離される二酸化炭素の割合を制御することによって、二酸化炭素の分離装置全体としての二酸化炭素の分離効率を制御可能であることを見出した。
以上のような課題と知見に鑑み、本発明の目的は、メタンを主成分とする炭化水素ガスと、二酸化炭素を主成分とする酸性ガスと、から成る混合ガスから前記酸性ガスを分離するにあたり、前記酸性ガスの分離効率を高め、高濃度の炭化水素ガスを得ることができるとともに、該炭化水素ガスのロスの少ない二酸化炭素分離装置および二酸化炭素分離方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様に係る二酸化炭素分離装置は、二酸化炭素とメタンを主成分とする炭化水素ガスとを含む被処理ガスと、水と、を原料として二酸化炭素を含むハイドレートを生成するハイドレート生成部と、前記被処理ガスの内の前記ハイドレート生成部をハイドレート化しないで通過したガスを、前記ハイドレート生成部と同じ高圧下で、水と気液接触させて前記ハイドレート化しないで通過したガス中の二酸化炭素を水に吸収させる二酸化炭素吸収部と、を備え、前記被処理ガス中に含まれる二酸化炭素のうち、前記ハイドレート生成部におけるハイドレート化によって分離される二酸化炭素の割合を調整可能なハイドレート化率制御手段を備え、該ハイドレート化率制御手段は、前記ハイドレート化によって分離される二酸化炭素の割合を前記被処理ガスの組成に基づいて設定するように構成されていることを特徴とするものである。
本態様に係る二酸化炭素分離装置は、被処理ガス中に含まれる二酸化炭素の分離を、ハイドレート生成部におけるハイドレート化による分離と、二酸化炭素吸収部における水への吸収(溶解)による分離とによって行う構成である。
ハイドレート生成部を通過した被処理ガスには、二酸化炭素を未だ含んでいるが、ハイドレート生成部における高圧状態のまま、二酸化炭素吸収部内で水と気液接触させるので、被処理ガス中から更に二酸化炭素を水に吸収(溶解)させて除去することができ、以って、二酸化炭素を含む混合ガスからの高い二酸化炭素分離率を達成することができる。
尚、前記「ハイドレート生成部と同じ高圧下」とは、ハイドレート生成部を通過した、当該ハイドレート生成部内の圧力を維持した高圧のガスを、そのままの圧力で二酸化炭素吸収部に送った状態で達成される高圧状態であればよく、厳密に同じである必要はない。
通常、前記二酸化炭素を含む被処理ガスが、二酸化炭素と、二酸化炭素のハイドレート生成条件ではハイドレート化しないガスとの混合ガスである場合には、ハイドレート生成部内の圧力および温度を、二酸化炭素ハイドレートが確実に生成する高圧、低温の条件にすることによって、ハイドレート化によって二酸化炭素の大部分を分離し、装置全体としての二酸化炭素分離を効果的に行うことができる。
ここで、本態様に係る被処理ガスは、二酸化炭素と、メタンを主成分とする炭化水素ガスとを含んでいる混合ガス(以下、混合ガスGと称する)である。二酸化炭素とメタンは、図8に示されるように、それぞれのハイドレートの平衡条件が近いが、二酸化炭素はメタンよりも高温側または低圧側でハイドレート化する。二酸化炭素とメタンの混合ガスGのハイドレート平衡曲線は、該混合ガスG中の二酸化炭素とメタンの混合比により変わるが、二酸化炭素のハイドレート平衡曲線とメタンのそれとの間に位置する。
前記ハイドレート生成部内を、少なくとも前記混合ガスG中の二酸化炭素がハイドレート化する所定の温度および圧力条件にして混合ガスGをハイドレート化すると、前述のようにメタンと二酸化炭素のそれぞれのハイドレートの平衡条件が近いため、通常、二酸化炭素ハイドレートの他、メタンハイドレートや、メタンと二酸化炭素の混合ガスハイドレートも形成されてしまう。すなわち、燃料等として有用な成分であるメタンの一部も二酸化炭素ハイドレートとともに除かれてしまう(メタンロス)。
本発明者らは、後に示す実施例1において詳述するように、二酸化炭素とメタンを含む被処理ガス(混合ガスG)からの二酸化炭素分離実験またはシミュレーションを行い、前記ハイドレート生成部と前記二酸化炭素吸収部を備え、該二酸化炭素吸収部内の水をハイドレート生成部に送るように構成した二酸化炭素分離装置において、前記ハイドレート生成部における、「被処理ガス中に含まれる二酸化炭素の量に対し、ハイドレートとして分離される二酸化炭素の割合」を制御することによって、二酸化炭素分離装置全体としての二酸化炭素の分離効率を制御可能であることを見出した。
上記知見に基づき、本態様に係る二酸化炭素分離装置は、前記被処理ガス中に含まれる二酸化炭素のうち、前記ハイドレート生成部におけるハイドレート化によって分離される二酸化炭素の割合を調整可能なハイドレート化率制御手段を備え、該ハイドレート化率制御手段は、前記ハイドレート化によって分離される二酸化炭素の割合を前記被処理ガスの組成に基づいて設定するように構成されている。
ここで、「被処理ガスの組成に基づく設定」は、被処理ガス中に含まれるメタンと二酸化炭素等の成分の組成に対応して、当該装置全体の二酸化炭素分離率が上がり、且つ、ハイドレート化によるメタンロスが少なくなるように設定されることを意味する。この「被処理ガスの組成」と「ハイドレート化によって分離される二酸化炭素の割合」との関係は、被処理ガスの組成に対応して予め実験やシミュレーションにより定めておくことができる。当該分離装置が前記被処理ガスの組成に関する情報を得ることで、当該ハイドレート化率制御手段が前記「ハイドレート化によって分離される二酸化炭素の割合」を設定する。
前記ハイドレート化率制御手段は、例えば、ハイドレート生成部内の温度、圧力や、ハイドレート生成部内における被処理ガスの滞留時間を変えることによって、前記ハイドレート生成部におけるハイドレート化によって分離される二酸化炭素の割合(以下、二酸化炭素のハイドレート化率H、と称する場合がある)の調整を行うように構成することができる。
以上のように、本態様に係る二酸化炭素分離装置は、被処理ガス(混合ガスG)の組成に基づいてハイドレート生成部における二酸化炭素のハイドレート化率Hを設定するハイドレート化率制御手段を備え、前記二酸化炭素のハイドレート化率Hは、二酸化炭素分離装置全体の二酸化炭素分離率が上がり、且つ、ハイドレート化によるメタンロスが少なくなるように制御されるので、二酸化炭素とメタンを含む混合ガスGから、ハイドレート化による二酸化炭素の分離を効果的に行い、二酸化炭素分離装置全体として高い二酸化炭素分離率を達成できるとともに、メタンロスを減らして高効率に高濃度のメタンガス(メタンを含む炭化水素ガス)を得ることができる。
本発明の第2の態様に係る二酸化炭素分離装置は、第1の態様において、前記二酸化炭素吸収部内の水は、前記ハイドレート生成部に前記原料水として送るように構成されていることを特徴とするものである。
二酸化炭素は前記被処理ガス中に含まれる他のガス成分(炭化水素ガス、水素、窒素など)に比べて水への溶解度が非常に高いことが知られており、その溶解度は圧力が高くなるほど、または温度が低くなるほど大きくなる傾向がある。そのため、高圧低温条件であるハイドレート生成部では、ハイドレートが生成すると同時に二酸化炭素の溶解が起こることで二酸化炭素分圧が低下し、ハイドレートが生成しにくくなる。すなわち、二酸化炭素がガスのまま(液相に取り込まれず)反応器から流出するため、二酸化炭素の分離効率が低下してしまう。
本態様によれば、前記二酸化炭素吸収部において「二酸化炭素を吸収した水」は、原料として前記ハイドレート生成部に送るように構成されている。よって、新たに二酸化炭素を含むガスが当該ハイドレート生成部内に送り込まれた際に、原料の水には、既に二酸化炭素が、前記高圧状態での吸収工程を経て多く溶解している。従って、新たに送り込まれた被処理ガス中の二酸化炭素は、ほとんど水に溶けることができない。その結果、ハイドレート生成部内における圧力の低下が防止され、以って二酸化炭素を含むハイドレートの生成効率の低下が防止される。
本発明の第3の態様に係る二酸化炭素分離装置は、第1の態様または第2の態様において、前記ハイドレート化率制御手段は、ハイドレート生成部内の温度および圧力の少なくとも一つを調整することによって制御される構成であることを特徴とするものである。
後述する実験(実施例1)により、前記ハイドレート生成部におけるハイドレート化によって分離される二酸化炭素の割合、すなわち、二酸化炭素のハイドレート化率Hと、過冷却度ΔTとの間に相関関係があることが分かった。過冷却度ΔTとは、ハイドレート生成部内の圧力下における混合ガスGのガスハイドレート相平衡温度と、実際の設定温度との差(表1における相平衡温度−反応温度)を表すものである。
前記過冷却度ΔTは、反応圧力に応じて決まる相平衡温度と、反応温度との差であるので、反応温度および反応圧力の少なくとも一つを調整することによって、制御することができる。本態様によれば、ハイドレート生成部内の温度および圧力の少なくとも一つを調整して過冷却度ΔTを調整することによって、当該ハイドレート生成部における二酸化炭素のハイドレート化率Hを制御し、第1の態様または第2の態様と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第4の態様に係る二酸化炭素分離装置は、第1の態様から第3の態様のいずれか一つにおいて、前記二酸化炭素を含むハイドレートを受けて分解し、再ガス化するガスハイドレート分解部と、前記ガスハイドレート分解部での前記再ガス化で得られる水を受けて該水に溶解している二酸化炭素を放散させる二酸化炭素放散部と、を備え、前記二酸化炭素放散部を経た水は、前記二酸化炭素吸収部に送るように構成されていることを特徴とするものである。
本態様によれば、第1の態様から第3の態様のいずれか一つと同様の作用効果に加え、二酸化炭素ハイドレートを分解して得られる水を、二酸化炭素放散部での二酸化炭素の放散処理を経て前記二酸化炭素吸収部に送るように構成されている。よって、二酸化炭素吸収部に送られる水は、前段の二酸化炭素放散部で二酸化炭素を放散しているため二酸化炭素の吸収能力が回復している。この水が二酸化炭素吸収部内に送られることで、該二酸化炭素吸収部内の水が希釈されるので、当該二酸化炭素吸収部への新たな水の追加を最小限にしてその二酸化炭素吸収能力を高い状態に維持しておくことが可能となる。
従って、二酸化炭素吸収部での二酸化炭素の吸収能力の維持を、当該二酸化炭素放散部を備えることで容易に、且つ低コストで実現することができる。
本発明の第5の態様に係る二酸化炭素分離装置は、第4の態様において、前記ハイドレート生成部と前記ガスハイドレート分解部との間に設けられ、前記二酸化炭素を含むハイドレートのスラリーを脱水する脱水部を備え、前記脱水部での脱水により得られる水は、前記ハイドレート生成部に送るように構成されていることを特徴とするものである。
本態様における脱水部での脱水によって得られる水、すなわち、ハイドレート生成部において生成した二酸化炭素を含むハイドレートのスラリーを脱水した水は、二酸化炭素を多く溶解している。また液温もハイドレート生成部内とほとんど変わらない。
本態様によれば、ハイドレート生成部内での二酸化炭素の水への溶解による圧力低下の問題を起すことなく、且つ原料水を冷却するためのエネルギーの増加を抑制しつつ、原料の水を効果的に供給することができる。
本発明の第6の態様に係る二酸化炭素分離装置は、第5の態様において、前記二酸化炭素吸収部および前記脱水部は、前記ハイドレート生成部の圧力と同じ圧力であることを特徴とするものである。
ここで、「同じ圧力」とは、前記二酸化炭素吸収部内の水を、或は前記脱水部を経た水を前記ハイドレート生成部にポンプ等の加圧装置を介することなく送ることを可能にするというレベルで「同じ」であれば良く、厳密に同じである必要はない。
本態様によれば、ハイドレート生成部内をハイドレート生成条件を満たす高圧にするためのエネルギーの増加を抑制しつつ、原料の水を効果的に供給することができる。
本発明の第7の態様に係る二酸化炭素分離装置は、第1の態様から第6の態様のいずれか一つにおいて、前記ガスハイドレート生成部の上流側に前記二酸化炭素を含むガスを所定の圧力にする圧縮装置を備え、前記圧縮装置の動力として、前記二酸化炭素吸収部を経た高圧ガスの圧力エネルギーを利用するように構成されていることを特徴とするものである。
二酸化炭素ハイドレートが生成するための圧力条件は高圧であるので、前記被処理ガスは圧縮装置によって圧縮され、高圧にされてガスハイドレート生成部に供給される。
そして、前記ガスハイドレート生成部におけるハイドレート生成工程を経てハイドレート化しなかった高圧の被処理ガスは、該高圧のままガスハイドレート生成部から二酸化炭素吸収部に送られ、同じく高圧のまま二酸化炭素吸収部から放出されて回収される。
本態様によれば、被処理ガス中の二酸化炭素をハイドレート化させて分離した後、二酸化炭素吸収部おいて更に二酸化炭素が分離された高圧ガスの圧力エネルギーを、前記圧縮装置の動力として利用することによって、該圧縮装置における消費エネルギーを低減させることができる。以って装置全体の運転コストを低減することができる。
本発明の第8の態様に係る二酸化炭素分離方法は、二酸化炭素とメタンを主成分とする炭化水素ガスとを含む被処理ガスと、水と、を原料として二酸化炭素を含むハイドレートを生成するハイドレート生成工程と、前記被処理ガスの内の前記ハイドレート生成工程においてハイドレート化しないで通過したガスを、前記ハイドレート生成工程と同じ高圧下で、水と気液接触させて前記ハイドレート化しないで通過したガス中の二酸化炭素を水に吸収させる二酸化炭素吸収工程と、前記被処理ガス中に含まれる二酸化炭素のうち、前記ハイドレート生成工程におけるハイドレート化によって分離される二酸化炭素の割合を調整するハイドレート化率調整工程と、を有し、該ハイドレート化率調整工程は、前記ハイドレート化によって分離される二酸化炭素の割合を前記被処理ガスの組成に基づいて設定して行われることを特徴とするものである。
本態様によれば、第1の態様と同様の効果を得ることができる。
本発明の第9の態様に係る二酸化炭素分離方法は、第8の態様において、前記二酸化炭素吸収工程で生じる水を前記ハイドレート生成工程に前記原料水として送る工程を有することを特徴とするものである。
本態様によれば、第2の態様と同様の効果を得ることができる。
本発明の第10の態様に係る二酸化炭素分離方法は、第8の態様または第9の態様において、前記ハイドレート生成工程においてハイドレート化される二酸化炭素の割合の制御は、ハイドレート生成部内の温度および圧力の少なくとも一つを調整することによって行われることを特徴とするものである。
本態様によれば、第3の態様と同様の効果を得ることができる。
本発明の第11の態様に係る二酸化炭素分離方法は、第8の態様から第10の態様のいずれか一つにおいて、前記ハイドレート生成工程において分離される二酸化炭素の割合が、前記二酸化炭素吸収工程において分離される二酸化炭素の割合よりも少ないことを特徴とするものである。
本態様によれば、ハイドレート化による二酸化炭素の分離を効果的に行い、全体として高い二酸化炭素分離率を達成できるとともに、メタンロスを減らして高効率に高濃度のメタンガスを得ることができる。
実施例1に係る二酸化炭素分離装置を示す概略構成図。 過冷却度ΔTと二酸化炭素のハイドレート化率Hとの関係を示す図。 二酸化炭素:メタン=70:30の混合ガスGについて、ハイドレート生成部内の圧力、温度が4.5MPa、8.0℃の場合と、4.5MPa、8.8℃の場合についてG/Lを変化させたときの、二酸化炭素分離装置全体としての二酸化炭素分離率とメタンロスについてのシミュレーション結果。 二酸化炭素:メタン=70:30の混合ガスGについて、ハイドレート生成部内の圧力、温度が3.5MPa、6.1℃の場合と、3.5MPa、6.9℃の場合についてG/Lを変化させたときの、二酸化炭素分離装置全体としての二酸化炭素分離率とメタンロスについてのシミュレーション結果。 実施例2に係る二酸化炭素分離装置を示す概略構成図。 実施例3に係る二酸化炭素分離装置を示す概略構成図。 実施例4に係る二酸化炭素分離装置を示す概略構成図。 二酸化炭素とメタンのそれぞれのハイドレート平衡曲線を示す図。
以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
最初に、本発明に係る被処理ガスおよび原料水について説明する。
<被処理ガス>
本発明に係る二酸化炭素分離装置及び二酸化炭素分離方法における被処理ガスは、二酸化炭素を主成分とする酸性ガスと、メタンを主成分として含む炭化水素ガスの混合ガスGである。このような混合ガスGとしては、例えば、二酸化炭素を含む天然ガスが挙げられる。天然ガスは、二酸化炭素およびメタンの他、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン等の炭化水素化合物を含んでいる。
また、他の例としては、下水汚泥の嫌気性消化(メタン発酵)によって得られるバイオガス(消化ガス)が挙げられる。前記天然ガスやバイオガスは、二酸化炭素、メタン等の炭化水素化合物の他、硫化水素、窒素等を含んでいる場合がある。これらの成分は、予め脱硫処理等を行い、除去しておくことが望ましい。
混合ガスGに含まれる二酸化炭素の割合は特に限定しないが、本二酸化炭素分離装置による分離効率、コストメリット等の観点から、二酸化炭素が主成分であることが望ましく、特に二酸化炭素の割合が、常圧における体積比率で50%〜80%である被処理ガスに対して本発明は効果的である。
<原料水>
原料水としては、蒸留水、精製水、イオン交換水、RO水等の他、ガスハイドレートの生成に影響を与える夾雑物が含まれていない水道水を用いることができる。
以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。図1は、実施例1に係る二酸化炭素分離装置を示す概略構成図である。
[実施例1]
本実施例に係る二酸化炭素分離装置10は、二酸化炭素とメタンを主成分とする炭化水素ガスとを含む混合ガスG(被処理ガス)と水を原料として二酸化炭素を含むハイドレートを生成するハイドレート生成工程を行う、ハイドレート生成部11を備えている。前記混合ガスG中に含まれる水分を除くため、前記ハイドレート生成部11の前には、被処理ガス脱水器1が設けられていることが好ましい。
前記混合ガスGは、圧縮装置2および冷却器3によって所定の圧力および温度にされて、前記ハイドレート生成部11の下部に設けられた被処理ガス導入口12から該ハイドレート生成部11内に導入されるように構成されている。ハイドレート生成部11の入り口には被処理ガス流量調節バルブ5が、出口にはガス流量調節バルブ6が設けられている。
ハイドレート化率制御手段4は、被処理ガスである混合ガスG中に含まれる二酸化炭素のうち、前記ハイドレート生成部11におけるハイドレート化によって分離される二酸化炭素の割合(二酸化炭素のハイドレート化率H)を調整可能であり、該ハイドレート化率制御手段4は、前記二酸化炭素のハイドレート化率Hを前記被処理ガス(混合ガスG)の組成に基づいて設定するように構成されている。
より具体的には、前記圧縮装置2および冷却器3の両方またはいずれか一方をハイドレート化率制御手段4によって制御し、以って、ハイドレート生成部11内の圧力および温度の少なくとも一つを制御し、設定された前記二酸化炭素のハイドレート化率Hに調整するように構成されている。
尚、二酸化炭素のハイドレート化率Hは、ハイドレート生成部内における被処理ガスの体積比率、被処理ガスの体積流量、原料水の体積流量等によっても調整することができるように構成されていることが望ましい。本実施例におけるハイドレート化率制御手段4は、被処理ガス流量調節バルブ5およびガス流量調節バルブ6、後述する流量調節バルブ7も制御可能に構成されている。
前記「被処理ガスの組成に基づく設定」は、混合ガスG中に含まれるメタンと二酸化炭素等の成分の組成に対応して、当該分離装置10全体の二酸化炭素分離率Tが上がり、且つ、ハイドレート化によるメタンロス(HC loss)が少なくなるように設定される。この「被処理ガスの組成」と「二酸化炭素のハイドレート化率H」との関係は、被処理ガスである混合ガスGの組成に対応して予め実験やシミュレーションにより定めておくことができる。当該分離装置10が前記被処理ガスの組成に関する情報を得ることで、当該ハイドレート化率制御手段が「二酸化炭素のハイドレート化率H」を設定する。
ハイドレート化率制御手段4に「被処理ガスの組成」の情報を送り、ハイドレート化率制御手段4に予め入力されている「被処理ガスの組成」と「二酸化炭素のハイドレート化率H」との関係のデータに基づき「二酸化炭素のハイドレート化率H」を制御するように構成することができる。
また、「被処理ガスの組成」から設定すべき「二酸化炭素のハイドレート化率H」を決め、当該「二酸化炭素のハイドレート化率H」の値をハイドレート化率制御手段4に入力して制御するように構成することもできる。
また、定められた「二酸化炭素のハイドレート化率H」を達成するためのハイドレート生成部内の温度、圧力、ハイドレート生成部内における被処理ガスの体積比率、被処理ガスの体積流量、原料水の体積流量等の条件がシミュレーションまたは実験により分かっている場合には、その条件を直接ハイドレート化率制御手段4に入力することも可能である。
尚、ハイドレート化率制御手段4による二酸化炭素のハイドレート化率Hの制御の詳細とその効果については、二酸化炭素分離装置10の構成を説明した後に説明する。
前記ガスハイドレート生成部11におけるガスハイドレート生成工程は、水中に微細な気泡を吹き込むバブリング法、ガス中に水を噴霧する噴霧法等の公知の方法によって行うことができる。特にバブリング法は気液接触効率が良く、目的のガスハイドレートを効率よく生成させることができるので好ましい。
ハイドレート生成部11において生成したハイドレートスラリーは、ライン15から系外に排出されるように構成されている。そして、前記ハイドレート生成部11をハイドレート化しないで通過した、当該ハイドレート生成部内の圧力を維持した高圧のガス(以下、高圧ガスGと称する)は、前記ハイドレート生成部11の上部に設けられた高圧ガス排出口13から排出されて、ライン14を介して後述する二酸化炭素吸収部21にそのままの高圧状態で導入されるように構成されている。
前記二酸化炭素吸収部21内にはライン26から水が供給されており、前記高圧ガスGは、前記二酸化炭素吸収部21の下部に設けられた高圧ガス導入口22から該二酸化炭素吸収部21内に導入されるように構成されている。当該二酸化炭素吸収部21において、前記ハイドレート生成部11と同じ高圧下、前記高圧ガスGと水とを気液接触させることによって、該高圧ガスG中の二酸化炭素を水に吸収させることができる(二酸化炭素吸収工程)。
二酸化炭素吸収部21内において高圧ガスG中の二酸化炭素を吸収した水は、ライン24を介して前記ハイドレート生成部11に前記原料水として送るように構成されている。すなわち、前記二酸化炭素吸収工程で生じる水は、前記ハイドレート生成工程に前記原料水として送られる。また、高圧ガスG中から更に二酸化炭素が除去された高圧ガスGは、前記二酸化炭素吸収部21の上部に設けられた高圧ガス排出口23から排出されて回収される。
二酸化炭素ハイドレート生成時には、二酸化炭素1molあたり65.2kJの生成熱が発生する。該生成熱によりハイドレート生成部11内の温度が上昇することを防ぎ、当該ハイドレート生成部11内を所定の温度に保持するため、前記ライン24に冷却器25を設け、前記ハイドレート生成部11内の温度より低い温度に冷却された水を当該ハイドレート生成部11に戻すように構成されていることが望ましい。符号7は流量調節バルブである。
また、該ハイドレート生成部11の水を抜き出して循環させるライン17を設け、前記抜き出した水を例えば冷却器18により冷却するように構成されていることが望ましい。更に、前記流量調節バルブ7、冷却器25、冷却器18は、ハイドレート化率制御手段4によって制御されていることが望ましい。
次に、本実施例に係る二酸化炭素分離装置10および該二酸化炭素分離装置10を用いた二酸化炭素分離方法についての作用効果を説明する。
前述の通り、本実施例に係る二酸化炭素分離装置10による、二酸化炭素とメタンを含む混合ガスGからの二酸化炭素の分離は、ハイドレート生成部11におけるハイドレート化による分離と、二酸化炭素吸収部21における水への吸収(溶解)による分離と、によって行われる。
前記ハイドレート生成部11は、ハイドレート化率制御手段4によって、当該ハイドレート生成部11における二酸化炭素のハイドレート化率Hを制御されている。ハイドレート化率制御手段4は、前記二酸化炭素のハイドレート化率Hを、前記被処理ガス(混合ガスG)の組成に基づいて設定するものであり、該二酸化炭素のハイドレート化率Hは、二酸化炭素分離装置10全体の二酸化炭素分離率Tが上がり、且つ、ハイドレート化によるメタンロス(HC loss)が少なくなるように制御される。
表1は、二酸化炭素:メタン=70:30の混合ガスGに対して、図1とほぼ同様の構成の装置を用い、G/Lが40から50の条件およびハイドレート生成部11内の圧力が3.0MPaから3.5MPaの条件において、ハイドレート化率Hを実験により求めた結果である。図2は、表1の結果について、過冷却度ΔTと二酸化炭素のハイドレート化率Hとの関係を示す図である。
尚、G/Lとは、常圧に換算したガスの体積流量/循環する原料水の体積流量を意味するものである。
Figure 2014188405
図2に示されるように、二酸化炭素のハイドレート化率Hは過冷却度ΔTと相関関係があることが分かる。前記二酸化炭素のハイドレート化率Hは、過冷却度ΔT以外の他の反応条件(例えば、G/Lを変える、ハイドレート生成部内における被処理ガスの滞留時間を変える、ハイドレート生成部の内容積を変える等)によっても変わるが、表1の実験のようにG/Lを変えても、二酸化炭素のハイドレート化率Hと過冷却度ΔTとの関係に大きな影響はないと考えられる。前記過冷却度ΔTは、反応圧力に応じて決まる相平衡温度と反応温度との差であるので、反応温度および反応圧力の少なくとも一つを調整することによって、前記二酸化炭素のハイドレート化率Hを制御することが可能となる。
図3および図4は、二酸化炭素:メタン=70:30の混合ガスGに対して行う二酸化炭素の分離について、二酸化炭素分離装置全体としての二酸化炭素分離率をシミュレーションソフト[株式会社アスペンテックジャパン製、プロセスシミュレータASPEN PLUS(登録商標)]を用いてシミュレーションした結果である。尚、本シミュレーション結果は、後述する実施例2の二酸化炭素分離装置20に対して行ったものであるが、ハイドレート生成部11におけるハイドレート化率制御の効果は実施例1の二酸化炭素分離装置10とほぼ同様であるので、本図を用いて実施例1の説明を行う。
図3は、ハイドレート生成部11内の圧力が4.5MPaの場合についてのシミュレーション結果である。反応圧力4.5MPaにおける二酸化炭素ハイドレートの平衡温度は9.6℃である。このとき、反応温度が8.0℃(過冷却度ΔT1.6℃)の場合と、8.8℃(過冷却度ΔT0.8℃)の場合について、G/L(常圧に換算したガスの体積流量/循環する原料水の体積流量)を変化させたときの、二酸化炭素分離装置全体としての二酸化炭素分離率T(%)とメタンロス(%)についてシミュレーションした。
図4は、ハイドレート生成部11内の圧力が3.5MPaの場合についてのシミュレーション結果である。反応圧力3.5MPaにおける二酸化炭素ハイドレートの平衡温度は7.7℃である。このとき、反応温度が6.1℃(過冷却度ΔT1.6℃)の場合と、6.9℃(過冷却度ΔT0.8℃)の場合について、同様のシミュレーションを行った。
尚、前述の表1および図2に示した実験結果から、過冷却度ΔTが同じであれば、ハイドレート化率Hの値もほぼ同じとなると考え、シミュレーションを行う際に用いたハイドレート化率Hの値として、過冷却度ΔT0.8℃のときは表1の条件1のハイドレート化率Hの値(20.5%)、過冷却度ΔT1.6℃のときは同表の条件3の値(34.5%)を用いた。
表2および表3は、図3および図4のグラフを表に示したものである。
Figure 2014188405
Figure 2014188405
二酸化炭素分離装置全体としての二酸化炭素分離率Tは、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上であり、メタンロスは、好ましくは20%以下、より好ましくは16%以下である。図3(表2)および図4(表3)に示すシミュレーションの結果によれば、二酸化炭素:メタン=70:30の混合ガスGの場合、二酸化炭素のハイドレート化率Hを約20〜35%としたときに、前記二酸化炭素分離率Tおよびメタンロスの好ましい値を達成することが可能であると考えられる。
例えば、反応圧力4.5MPa、反応温度8.8℃、ΔTが0.8℃(ハイドレート生成部におけるハイドレート化率Hは20.5%)のときには、G/Lの値を50前後にすることによって、前記二酸化炭素分離率Tが95%以上、メタンロスが16%以下とすることができる。また、反応圧力3.5MPa、反応温度6.9℃、ΔTが0.8℃(ハイドレート生成部におけるハイドレート化率Hは20.5%)のときには、G/Lの値を40前後にすることによって、前記二酸化炭素分離率Tが95%以上、メタンロスが16%以下とすることができる。
前記シミュレーション結果を実験により確認することによって、前記被処理ガスの組成に応じた二酸化炭素のハイドレート化率Hを決めることが望ましい。
前記二酸化炭素のハイドレート化率Hの値が高くなると、ハイドレート生成部11におけるハイドレート化によるメタンロスが増加し、燃料等としての有用成分であるメタンの歩留まりが悪くなる。
一方、前記ハイドレート化率Hの値が小さくなると、二酸化炭素吸収部21における二酸化炭素分離の比率が高くなり、通常用いられている二酸化炭素吸収部21の水の量では十分に二酸化炭素が吸収できず、二酸化炭素分離装置10全体としての二酸化炭素分離率Tが低下する。二酸化炭素吸収部21において十分に二酸化炭素を吸収させるためには、当該二酸化炭素吸収部21を大型化するか、循環させる水量を大幅に増加させる必要があり、二酸化炭素分離装置10の運転コストが増加する。
また、二酸化炭素吸収部21を経て分離された二酸化炭素は、二酸化炭素を吸収した水から放散され、当該放散された二酸化炭素をパイプライン輸送等を行うために再昇圧することが必要であり、その動力が大きくなるためコスト高となる。
前述の通り、二酸化炭素のハイドレート化率Hを高めるとメタンロスが大きくなるので、前記二酸化炭素のハイドレート化率Hは、二酸化炭素吸収部21における二酸化炭素吸収工程での二酸化炭素分離率よりも少なくすることが望ましい。このことによって、ハイドレート化による二酸化炭素の分離を効果的に行い、全体として高い二酸化炭素分離率を達成できるとともに、メタンロスを減らして高効率に高濃度のメタンガスを得ることができる。
尚、二酸化炭素のハイドレート化率Hと、二酸化炭素分離率Tおよびメタンロスとの関係は、前記プロセスシミュレータ等のソフトによるシミュレーションにより求める他、実験データの蓄積により、経験的に求めることもできる。
また、二酸化炭素のハイドレート化率Hの制御は、圧力と温度による制御に限られず、例えば、混合ガスGの体積流量、循環する原料水の体積流量、ハイドレート生成部11内における混合ガスGの体積比率を変えることによっても制御することができる。
また、ハイドレート生成部11の内容積を変えてもよい。例えば、ハイドレート生成部11の内に仕切り板が出入することによって前記内容積を変える構成とすることや、複数のハイドレート生成部11を設け、使用する数を変更する構成とすることができる。
ハイドレート生成部11におけるハイドレート生成工程を、バブリング法や攪拌法によって行う場合には、気泡の大きさを変えることで液中の気泡体積の合計を変えることができる。液面の高さを変えずに気泡径を小さくすると、容器中の液量を減らすことができ、これによっても二酸化炭素のハイドレート化率Hを制御することが可能である。
また、本実施例において、前記二酸化炭素吸収部21において「二酸化炭素を吸収した水」は、原料として前記ハイドレート生成部11に送るように構成されている。よって、新たに二酸化炭素を含むガスが当該ハイドレート生成部11内に送り込まれた際に、原料の水には、既に二酸化炭素が、前記高圧状態での吸収工程を経て多く溶解している。従って、新たに送り込まれた混合ガスG中の二酸化炭素は、ほとんど水に溶けることができない。その結果、ハイドレート生成部11内における圧力の低下が防止され、以って二酸化炭素ハイドレートの生成効率の低下が防止される。
以上のように、本発明に係る二酸化炭素分離装置10は、二酸化炭素と、該二酸化炭素とハイドレートの平衡条件が近いメタンを含む混合ガスGから二酸化炭素の分離を行うにあたり、前記ハイドレート化率制御手段4によって、ハイドレート生成部11でハイドレート化によって分離される二酸化炭素の割合(二酸化炭素のハイドレート化率H)を、二酸化炭素分離装置10全体の二酸化炭素分離率Tが上がり、且つ、ハイドレート化によるメタンロスが少なくなるように制御するので、該ハイドレート化による二酸化炭素の分離を効果的に行い、二酸化炭素分離装置10全体として高い二酸化炭素分離率を達成できるとともに、メタンロスを減らして高効率に高濃度のメタンガス(メタンを含む炭化水素ガス)を得ることができる。
[実施例2]
次に、本発明に係る二酸化炭素分離装置の他の例について説明する。図5は、実施例2に係る二酸化炭素分離装置20を示す概略構成図である。尚、実施例1と同様の部材には同じ符号を付し、その説明は省略する。
本実施例に係る二酸化炭素分離装置20は、前記実施例1と同様、ハイドレート生成部11と二酸化炭素吸収部21とを備え、圧縮装置2および冷却器3を制御するハイドレート化率制御手段4を備えている。そして、更にその下流側に、ガスハイドレート分解部31と、二酸化炭素放散部41と、を備えている。
前記ハイドレート生成部11において生成した二酸化炭素ハイドレートスラリーは、ライン16を介して前記ガスハイドレート分解部31に導入されるように構成されている。該ガスハイドレート分解部31では、前記ハイドレート生成部11において生成した二酸化炭素ハイドレートを分解し、再ガス化するガスハイドレート分解工程が行われる。二酸化炭素ハイドレートの再ガス化は、ガスハイドレート分解部31内を所定圧力及び所定温度にすることによって行うことができる。
例えば、ガスハイドレート分解部31内の圧力を約1MPaにする場合、該ガスハイドレート分解部31内の温度は約10℃に設定される。前記ガスハイドレート分解部31は加温器36を備え、当該加温器36によって熱を供給するように構成されている。
尚、二酸化炭素ハイドレートの分解に必要な分解熱は二酸化炭素1molあたり65.2kJであるので、加温器36としては、例えば10〜15℃程度の海水や、化学プラントなどから発生する低温排熱等を循環させる構成のものを用いることができる。
二酸化炭素ハイドレートを分解すると、再ガス化した二酸化炭素とハイドレートが分解した水が生成する。前記水は、前記ガスハイドレート分解部31の下部に設けられた分解水排出口32から排出され、後述する二酸化炭素放散部41へと送られる。
また、前記再ガス化した二酸化炭素はガス排出口33から排出される。前記ガス排出口33から排出された二酸化炭素は、脱湿器34で脱湿された後に圧縮器35によりパイプライン輸送に必要な圧力(例えば10〜15MPa)まで昇圧される。
次に、前記二酸化炭素放散部41について説明する。前記二酸化炭素放散部41は、前記ガスハイドレート分解部31での前記再ガス化で得られる水を受けて該水に溶解している二酸化炭素を放散させる二酸化炭素放散工程を行うものである。前記二酸化炭素放散部41は加温器46を備え、二酸化炭素放散部41内を所定圧力および所定温度にすることで、前記再ガス化で得られる水中に溶解している二酸化炭素を放散させることができる。
例えば、二酸化炭素放散部41内の圧力を0.2〜0.5MPaにする場合、該二酸化炭素放散部41内の温度は約10℃に設定される。
尚、水中に含まれる二酸化炭素を放散させる際には二酸化炭素1molあたり約20kJの放散熱が必要であるので、前記加温器46として、例えば10〜15℃程度の海水や、化学プラントなどから発生する低温排熱等を循環させる構成のものを用いることができる。
そして、前記二酸化炭素放散部41を経た水、すなわち二酸化炭素を放散させて除いた水は、該二酸化炭素放散部41の下部に設けられた水排出口42から排出され、ライン47を介して前記二酸化炭素吸収部21に送られるように構成されている。ライン47は、前記二酸化炭素吸収部21に新たな水を供給するライン26と合一し、共通の冷却器27により冷却して前記二酸化炭素吸収部21に送るように構成することが望ましい。
また、前記水から放散した二酸化炭素はガス排出口43から排出される。前記ガス排出口43から排出された二酸化炭素は、脱湿器44で脱湿された後に圧縮器45によりパイプライン輸送に必要な圧力(例えば10〜15MPa)まで昇圧される。
尚、図5において、符号37および符号38はバルブ、符号48はポンプを示す。また、各構成部を繋ぐ他のラインにも適宜バルブまたはポンプを設けることができる(図においては省略されている)。
本実施例によれば、二酸化炭素ハイドレートを分解して得られる水を、二酸化炭素放散部41での二酸化炭素の放散処理を経て前記二酸化炭素吸収部21に送るように構成されている。よって、二酸化炭素吸収部21に送られる水は、前段の二酸化炭素放散部41で二酸化炭素を放散しているため二酸化炭素の吸収能力が回復している。この水が二酸化炭素吸収部21内に送られることで、該二酸化炭素吸収部21内の水が希釈されるので、当該二酸化炭素吸収部21への新たな水の追加を最小限にしてその二酸化炭素吸収能力を高い状態に維持しておくことが可能となる。
従って、二酸化炭素吸収部での二酸化炭素の吸収能力の維持を、当該二酸化炭素放散部41を備えることで容易に、且つ低コストで実現することができる。
[実施例3]
次に、本発明に係る二酸化炭素分離装置の更に他の例について説明する。図6は、実施例3に係る二酸化炭素分離装置30を示す概略構成図である。尚、実施例2と同様の部材には同じ符号を付し、その説明は省略する。
本実施例に係る二酸化炭素分離装置30は、前記実施例2と同様、ハイドレート生成部11と、二酸化炭素吸収部21と、ガスハイドレート分解部31と、二酸化炭素放散部41と、を備えており、更に、前記ハイドレート生成部11と前記ガスハイドレート分解部31との間に脱水部51を備えている。
ハイドレート生成部11において混合ガスG中の二酸化炭素はハイドレート化され、二酸化炭素ハイドレートスラリーを形成する。混合ガスG中の二酸化炭素を効率よく分離するためには、前記二酸化炭素ハイドレートスラリーの水分量は50〜95wt%であることが好ましい。
前記ガスハイドレートスラリーは、前記ハイドレート生成部11からライン16によって前記脱水部51に送られて脱水工程が行われる。前記脱水工程においては、前記50〜95wt%の水分量の二酸化炭素ハイドレートスラリーが、例えば25〜60wt%程度の水分量にされる程度の脱水が行われることが好ましい。脱水された二酸化炭素ハイドレートは、ライン54を介してガスハイドレート分解部31に送られる。
一方、前記脱水部51において除かれた水は、該脱水部51の下部に設けられた水排出口52から排出され、ライン53によってハイドレート生成部11に送るように構成されている。その際、前記ライン53とライン24(二酸化炭素吸収部21内において高圧ガスG中の二酸化炭素を吸収した水をハイドレート生成部11に送るライン)とを合一し、冷却器25を用いて前記ハイドレート生成部11内の温度よりも低い温度に冷却された水を、該ハイドレート生成部11に戻すように構成されていることが望ましい。
前記脱水部51での脱水によって得られる水、すなわち、ハイドレート生成部11において生成した二酸化炭素を含むハイドレートのスラリーを脱水した水は、二酸化炭素を多く溶解している。また液温もハイドレート生成部11内とほとんど変わらない。従って、ハイドレート生成部11内での二酸化炭素の水への溶解による圧力低下の問題を起すことなく、且つ原料水を冷却するためのエネルギーの増加を抑制しつつ、原料の水を効果的に供給することができる。
また、前記脱水部51内の圧力は、前記二酸化炭素吸収部21と同様、前記ハイドレート生成部11の圧力と同じ圧力であることが望ましい。このことによって、ハイドレート生成部11内をハイドレート生成条件を満たす高圧にするためのエネルギーの増加を抑制しつつ、原料の水を効果的に供給することができる。
ここで、脱水部51における脱水能力を高めれば、前記二酸化炭素ハイドレートスラリーから除かれる水(約1〜9℃)の量が増え、前記ガスハイドレート分解部31における二酸化炭素を含むハイドレートの分解によって生じる水(約10℃前後)は少なくなるので、ハイドレート生成部11へ循環する水の冷却に必要なエネルギー(冷却器25に必要なエネルギー)を低減することができる。加えて、再ガス化に必要な熱エネルギー(加温部36に必要なエネルギー)も、スラリー濃度が高くなると減少する。
一方、前記脱水部51における脱水能力を高めると、ガスハイドレート分解部31に送られる二酸化炭素を含むハイドレートのスラリー中に含まれる水の量が減少するので、二酸化炭素放散部41を経て二酸化炭素吸収部21に循環される水量も減少する。
したがって、前記脱水部51における脱水能力は、前記エネルギーコストの削減効果(ハイドレート生成部11へ循環する水の冷却に必要なエネルギーや再ガス化に必要な熱エネルギーなど)と、前記二酸化炭素放散部41から二酸化炭素吸収部21に循環される水量を確保して、前記二酸化炭素吸収部21に新たに供給する水量を低減することによるコスト削減効果とのバランスを考慮して設定されることが望ましい。
[実施例4]
次に、本発明に係る二酸化炭素分離装置の更に他の例について説明する。図7は、実施例4に係る二酸化炭素分離装置40を示す概略構成図である。尚、実施例3と同様の部材には同じ符号を付し、その説明は省略する。
前記二酸化炭素分離装置40において混合ガスGは、実施例1〜実施例3と同様、ハイドレート生成部11の上流側に設けられた圧縮装置2によって所定の圧力(例えば、6〜9MPa)にされて前記ハイドレート生成部11内に導入されるように構成されている。
また、前記二酸化炭素吸収部21の高圧ガス排出口23からは、ハイドレート生成部11を通過した高圧ガスG中から更に二酸化炭素が除去された高圧ガスGが排出される。
本実施例では、前記二酸化炭素吸収部21から排出される前記高圧ガスGの圧力エネルギーを、前記圧縮装置2の動力として利用するように構成されている。
例えば、図7に示されるように、前記圧縮装置2の動力軸に公知のガスエキスパンダー(軸流タービン)等の動力回収部61を設け、該動力回収部61に、前記二酸化炭素吸収部21の高圧ガス排出口23から排出される前記高圧ガスGをライン28によって送り、該圧縮装置2の補助動力として該高圧ガスGの圧力エネルギーを利用することができる。
また、本実施例のように前記ガスエキスパンダー等の動力回収部61を圧縮装置2の動力軸に直結する構成の他、前記ガスエキスパンダー等を発電機に繋げて発電し、その電力をモーター駆動の圧縮装置2に用いることもできる。
本実施例によれば、ハイドレート生成部11において混合ガスG中の二酸化炭素をハイドレート化させて分離した後、二酸化炭素吸収部21おいて更に二酸化炭素を分離した高圧ガスGの圧力エネルギーを、前記圧縮装置2の動力として利用することによって、該圧縮装置2における消費エネルギーを低減させることができる。以って二酸化炭素分離装置全体の運転コストを低減することができる。
1 被処理ガス脱水器、 2 圧縮装置、 3 冷却器、
4 ハイドレート化率制御手段、 5 被処理ガス流量調節バルブ
6 ガス流量調節バルブ、 7 流量調節バルブ、
10 二酸化炭素分離装置、 11 ハイドレート生成部、
12 被処理ガス導入口、 13 高圧ガス排出口、
20 二酸化炭素分離装置、 21 二酸化炭素吸収部、
22 高圧ガス導入口、 23 高圧ガス排出口、
30 二酸化炭素分離装置、 31 ガスハイドレート分解部、
32 分解水排出口、 33 ガス排出口、
40 二酸化炭素分離装置、 41 二酸化炭素放散部、
42 水排出口、 43 ガス排出口、
51 脱水部、 52 水排出口、 61 動力回収部、
被処理ガス、
ハイドレート生成部11を通過した高圧ガス、
二酸化炭素吸収部21を通過した高圧ガス

Claims (11)

  1. 二酸化炭素とメタンを主成分とする炭化水素ガスとを含む被処理ガスと、水と、を原料として二酸化炭素を含むハイドレートを生成するハイドレート生成部と、
    前記被処理ガスの内の前記ハイドレート生成部をハイドレート化しないで通過したガスを、前記ハイドレート生成部と同じ高圧下で、水と気液接触させて前記ハイドレート化しないで通過したガス中の二酸化炭素を水に吸収させる二酸化炭素吸収部と、を備え、
    前記被処理ガス中に含まれる二酸化炭素のうち、前記ハイドレート生成部におけるハイドレート化によって分離される二酸化炭素の割合を調整可能なハイドレート化率制御手段を備え、
    該ハイドレート化率制御手段は、前記ハイドレート化によって分離される二酸化炭素の割合を前記被処理ガスの組成に基づいて設定するように構成されていることを特徴とする、二酸化炭素分離装置。
  2. 請求項1に記載された二酸化炭素分離装置において、前記二酸化炭素吸収部内の水は、前記ハイドレート生成部に前記原料水として送るように構成されていることを特徴とする、二酸化炭素分離装置。
  3. 請求項1又は2に記載された二酸化炭素分離装置において、前記ハイドレート化率制御手段は、ハイドレート生成部内の温度および圧力の少なくとも一つを調整することによって制御される構成であることを特徴とする、二酸化炭素分離装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載された二酸化炭素分離装置において、
    前記二酸化炭素を含むハイドレートを受けて分解し、再ガス化するガスハイドレート分解部と、
    前記ガスハイドレート分解部での前記再ガス化で得られる水を受けて該水に溶解している二酸化炭素を放散させる二酸化炭素放散部と、を備え、
    前記二酸化炭素放散部を経た水は、前記二酸化炭素吸収部に送るように構成されていることを特徴とする、二酸化炭素分離装置。
  5. 請求項4に記載された二酸化炭素分離装置において、
    前記ハイドレート生成部と前記ガスハイドレート分解部との間に設けられ、前記二酸化炭素を含むハイドレートのスラリーを脱水する脱水部を備え、
    前記脱水部での脱水により得られる水は、前記ハイドレート生成部に送るように構成されていることを特徴とする、二酸化炭素分離装置。
  6. 請求項5に記載された二酸化炭素分離装置において、
    前記二酸化炭素吸収部および前記脱水部は、前記ハイドレート生成部の圧力と同じ圧力であることを特徴とする、二酸化炭素分離装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載された二酸化炭素分離装置において、
    前記ガスハイドレート生成部の上流側に前記二酸化炭素を含むガスを所定の圧力にする圧縮装置を備え、
    前記圧縮装置の動力として、前記二酸化炭素吸収部を経た高圧ガスの圧力エネルギーを利用するように構成されていることを特徴とする、二酸化炭素分離装置。
  8. 二酸化炭素とメタンを主成分とする炭化水素ガスとを含む被処理ガスと、水と、を原料として二酸化炭素を含むハイドレートを生成するハイドレート生成工程と、
    前記被処理ガスの内の前記ハイドレート生成工程においてハイドレート化しないで通過したガスを、前記ハイドレート生成工程と同じ高圧下で、水と気液接触させて前記ハイドレート化しないで通過したガス中の二酸化炭素を水に吸収させる二酸化炭素吸収工程と、
    前記被処理ガス中に含まれる二酸化炭素のうち、前記ハイドレート生成工程におけるハイドレート化によって分離される二酸化炭素の割合を調整するハイドレート化率調整工程と、を有し、
    該ハイドレート化率調整工程は、前記ハイドレート化によって分離される二酸化炭素の割合を前記被処理ガスの組成に基づいて設定して行われることを特徴とする、二酸化炭素分離方法。
  9. 請求項8に記載された二酸化炭素分離方法において、前記二酸化炭素吸収工程で生じる水を前記ハイドレート生成工程に前記原料水として送る工程を有することを特徴とする、二酸化炭素分離方法。
  10. 請求項8又は9に記載された二酸化炭素の分離方法において、
    前記ハイドレート生成工程においてハイドレート化される二酸化炭素の割合の制御は、ハイドレート生成部内の温度および圧力の少なくとも一つを調整することによって行われることを特徴とする、二酸化炭素の分離方法。
  11. 請求項8から10のいずれか一項に記載された二酸化炭素の分離方法において、前記ハイドレート生成工程において分離される二酸化炭素の割合が、前記二酸化炭素吸収工程において分離される二酸化炭素の割合よりも少ないことを特徴とする、二酸化炭素の分離方法。
JP2013064542A 2013-03-26 2013-03-26 二酸化炭素分離装置及び二酸化炭素分離方法 Pending JP2014188405A (ja)

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