JP2005179629A - 混合ガスの分離方法、混合ガス分離装置、および混合ガス処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 バイオガス等の混合ガス中のメタンガスと二酸化炭素を効率良く分離可能であり、かつ工業的な大量処理に適した分離方法を提供する。【解決手段】 ハイドレート生成容器10内に、メタンおよび二酸化炭素を含有する混合ガスと、水と、を供給することにより、二酸化炭素を水に溶解させるとともにハイドレート化させ、生成した二酸化炭素ハイドレートをスラリーの状態で前記ハイドレート生成容器から連続的に排出するとともに、気相から濃縮されたメタン含有ガスを回収することにより、混合ガス中のメタンと二酸化炭素を分離する。スラリー中に含まれる二酸化炭素は、ガス放散槽20で放散される。【選択図】 図1

Description

本発明は、2種以上のガスを含有する混合ガスを工業的に効率良く分離する混合ガスの分離方法、そのための装置、および前記混合ガス中のガス成分から効率良く目的のガスハイドレートを製造する混合ガス処理システムに関する。
生ごみや汚泥などの有機性廃棄物のメタン発酵処理では、嫌気性微生物の代謝によりメタンを主成分とするバイオガスが産生される。バイオガス中には、約60体積%のメタンのほか、約40体積%の二酸化炭素、1体積%以下の硫化水素などが含まれているため、その活用を図るためには、二酸化炭素や硫化水素を分離し、メタン濃度を高める必要がある。
混合ガス中の成分を分離するための方法として、例えば、アミン等を使用するアルカリ吸収法、膜分離法、PSA(圧力スイング吸着:Pressure Swing Adsorption)分離法などが知られている。しかし、アルカリ吸収法は、生成する不純物を分離生成することが必要であり、膜分離法は膜の劣化による分離能力の経時的な低下という問題がある。PSA分離法では、吸着剤を再使用するために多くのエネルギーを必要とする。
また、混合ガスの分離にガスハイドレートを利用する方法も検討されている。ガスハイドレートは、所定の圧力と温度の下で水とガスとを反応させることにより生成し、圧力および/または温度を変化させることにより水とガスとに解離する性質を持つため、混合ガス中の各成分のハイドレート生成平衡条件の相違を利用して分離を行うものである。
バイオガスの場合、主要成分であるメタンまたは二酸化炭素のいずれか片方のみをハイドレート化することは困難である。このため、ハイドレート形成に際して、メタンと二酸化炭素の両方とも水和物化しない第1の状態から、温度や圧力を変化させ、メタンのみが水和物化する第2の状態へ遷移させる分離方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、バイオガス中の硫化水素や、炭化水素中のメタンの分離効率を高めるため、ハイドレート形成に際し、その中空籠状結晶構造のゲスト分子となり得るアルキルアンモニウム塩を介在させ、残った単一サイズの12面体中空籠状構造内にのみ選択的に目的物質を取り込ませて分離する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−135921号公報 特開2003−138281号公報
前記特許文献1の方法は、第1の状態から第2の状態へ変化させる過程に時間がかかるため、小規模な実験室レベルでは精度の高い分離が可能であっても、例えば、メタン発酵プラントから次々に排出される大量のバイオガスを工業的規模で分離するには不向きな方法である。バイオガス中には、略6:4の比でメタンと二酸化炭素が含まれており、このような大量のガス成分を、1回の分離操作で完全に分離しようとすること自体実用的な方法とは言えない。
また、特許文献2の方法は、バイオガス中に微量に含まれる硫化水素や、炭化水素からのメタンの分離を対象とするものであって、単一サイズの12面体中空籠状構造を利用することから、メタンと二酸化炭素との分離には適用できないと考えられる。また、特許文献2の方法で大量のバイオガスを処理するには、相応の量のアルキルアンモニウム塩を使用する必要があり、経済的な意味でも実用性は低い。
ところで、ガスハイドレートを利用する混合ガスの分離においては、目的とする有用ガスをハイドレート化する場合(例えば前記特許文献1など)と、目的とする有用ガス以外のガス成分(廃ガス成分)をハイドレート化する場合と、が考えられる。後者の場合には、有用ガスは精製された状態で回収されるため、この有用ガスをさらにハイドレート化する混合ガス処理システムを構築することによって、有用ガスの貯蔵や移送の効率を高めることが可能である。しかし、廃ガスだけでなく精製ガスについてもハイドレート生成を行う際には、ハイドレート生成に要するエネルギーの総量が大きくなるため、システム内での熱効率の向上が重要な課題となる。
従って、本発明の第1の目的は、バイオガス等の混合ガス中のメタンガスと二酸化炭素を効率良く分離し、かつ工業的規模での大量処理に適した混合ガスの分離方法を提供することである。 また、本発明の別の目的は、混合ガスから分離精製された有用ガスをさらにハイドレート化する場合において、熱効率を最大限に高めることにより、エネルギー消費を抑えた混合ガス処理システムを提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、ハイドレート生成容器内に、メタンおよび二酸化炭素を含
有する混合ガスと、水と、を供給することにより、二酸化炭素を水に溶解させ、かつ、少なくともその一部をハイドレート化し、生成した二酸化炭素ハイドレートをスラリーの状態で前記ハイドレート生成容器から連続的に排出するとともに、気相から濃縮されたメタン含有ガスを回収することにより、前記混合ガス中のメタンと二酸化炭素を分離することを特徴とする、混合ガスの分離方法である。ここで、「連続的」の語は、短い時間間隔で間欠的に行うことも含む意味に用いられる。
第1の態様に係る混合ガスの分離方法では、混合ガス中の二酸化炭素を水に溶解させるとともに優先的にハイドレート化し、スラリーの状態で連続的に分離回収する。これによって、ハイドレート製造装置内の気相における二酸化炭素濃度を低下させ、メタンガスを濃縮して回収することが可能になる。本発明では、ハイドレート化による分離に加え、液相への溶解も利用して二酸化炭素を分離するので、分離効率に優れる利点がある。また、スラリー回収を連続的に行うことによって、従来技術と比較して短時間に大量の混合ガスを分離することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記ハイドレート生成容器内を、メタンおよび二酸化炭素の両方がハイドレート化する条件にすることを特徴とする、混合ガスの分離方法である。
第2の態様では、ハイドレート生成容器内をメタンおよび二酸化炭素の両方がハイドレート化する条件におくことにより、二酸化炭素だけがハイドレート化する条件よりも、二酸化炭素ハイドレートの生成速度を高めることが可能であり、水への溶解量も増加させ得る。よって、スラリーによる二酸化炭素の分離回収効率が向上する。ここで、「メタンおよび二酸化炭素の両方がハイドレート化する条件」とは、後述するようにメタンと二酸化炭素の混合ガスのハイドレート生成曲線よりも低温、高圧側を意味する(図2参照)。
なお、この条件ではメタンもハイドレート化するが、メタンよりハイドレート化し易い二酸化炭素のハイドレート生成が優先的になること、およびスラリーを連続回収することによって、スラリー中へのメタンの混入比率を低く推移させることができる。つまり、液相中では、ハイドレート生成速度の相違によって二酸化炭素ハイドレートの生成が支配的となり、メタンのハイドレート化によるメタンの損失(スラリーへの混入)は抑制される。
本発明の第3の態様は、第1の態様または第2の態様において、前記ハイドレート生成容器から排出されたスラリーから二酸化炭素をガス化して放散させるとともに、二酸化炭素を放散した後の水を前記ハイドレート生成容器に循環供給することを特徴とする、混合ガスの分離方法である。
この第3の態様では、スラリーから二酸化炭素を放散させて分離回収した後、その水を循環使用するので、新たな水分の補充が不要になる。効率的な連続処理を行う上で、これらの意義は大きい。また、この水(分解水)は、二酸化炭素ハイドレートの乖離熱や氷の融解熱によって冷却された状態で得られるため、その冷熱をハイドレート生成に利用できる。
なお、スラリーから放散される二酸化炭素は、二酸化炭素ハイドレートの分解により発生するガスと、液相中に溶存していた二酸化炭素からのガスである。放散は、スラリーの温度および/または圧力条件を変化させることによって行われる。
本発明の第4の態様は、第1の態様から第3の態様のいずれか1つにおいて、一のハイドレート生成容器から回収されたメタンを含有する処理ガスを水とともに他のハイドレート生成容器に連続的に供給し、二酸化炭素のハイドレート化と、メタンを含有する再処理ガスの回収と、を行う操作を多段階繰返すことを特徴とする、混合ガスの分離方法である。
この第4の態様では、精製操作を多段階繰返し行うことによって、1次処理ガスよりも2次処理ガス、さらにn次処理ガスと、処理回数を増す毎に精製、濃縮度合いを高めることができるので、目的に応じた純度のメタンガスまで精製可能であり、最終的に100%近い純度のメタンガスを得ることも可能となる。
本発明の第5の態様は、混合ガスを導入するガス導入部と、精製ガスを排出するガス排出部と、ハイドレートスラリーを連続的に抜出すスラリー排出部と、を具備しており、気液接触によってハイドレートを生成させるハイドレート生成槽と、前記ハイドレート生成容器から抜出したハイドレートスラリー中のガス成分を放散させるガス放散槽と、を備えたことを特徴とする、混合ガス分離装置である。この混合ガス分離装置は、前記第1の態様の混合ガスの分離方法の実施に適した装置である。
本発明の第6の態様は、第5の態様において、前記ガス放散槽でガスを放出した後の水を前記ハイドレート生成槽に連続的に循環させる循環経路を備えたことを特徴とする、混合ガス分離装置である。この混合ガス分離装置は、前記第3の態様の混合ガスの分離方法の実施に適した装置である。
本発明の第7の態様は、第5または第6の態様の混合ガス分離装置を2以上並設し、一のハイドレート生成槽における前記ガス排出部と他のハイドレート生成槽におけるガス導入部とを接続したことを特徴とする、混合ガス分離装置である。この混合ガス分離装置は、前記第4の態様の混合ガスの分離方法の実施に適した装置である。
本発明の第8の態様は、第1のハイドレート生成装置内に、異なるハイドレート生成平衡条件を持つ二種以上のガスを含有する混合ガスと原料水とを供給することにより、該混合ガス中の少なくとも1種のガスを優先的にハイドレート化し、生成した第1のガスハイドレートをスラリーの状態で前記第1のハイドレート生成装置から連続的に回収するとともに、該スラリーを分解してガス放散を行い、気相から前記少なくとも1種のガスが除去された状態の精製ガスを回収し、別途供給される原料水とともに第2のハイドレート生成装置に導入してハイドレート化し、これを第2のガスハイドレートとして回収することにより、前記混合ガス中の異なるガス成分を分離する混合ガス処理システムであって、第1のガスハイドレートのガス放散に伴う冷熱を、前記第2のガスハイドレートの製造および/または貯蔵に利用することを特徴とする、混合ガス処理システムである。
この第8の態様の混合ガス処理システムでは、第1のガスハイドレートのガス放散に伴う冷熱を第2のガスハイドレートの製造や貯蔵に利用することによって、システム内における熱交換を図り、熱効率を向上させ、システムのエネルギー消費を抑制することができる。なお、第1のガスハイドレートの「ガス放散に伴う冷熱」としては、第1のガスハイドレートの乖離熱および第1のガスハイドレート周囲に存在していた氷の融解熱が含まれる。
本発明の第9の態様は、第8の態様において、前記第1のガスハイドレートのガス放散に伴う冷熱を、前記第2のガスハイドレートの原料水に供給することを特徴とする、混合ガス処理システムである。この第8の態様の混合ガス処理システムでは、第2のガスハイドレートの原料水を、第1のガスハイドレートのガス放散に伴い生成する冷熱により冷却することによって、第2のガスハイドレートの生成に必要な熱エネルギーの一部を補い、システムの熱効率を改善することができる。
本発明の第の10態様は、第8の態様において、前記第1のガスハイドレートのガス放散に伴う冷熱を、前記第2のガスハイドレートの原料となる前記精製ガスに供給することを特徴とする、混合ガス処理システムである。この第10の態様の混合ガス処理システムでは、第2のガスハイドレートの原料ガスを、第1のガスハイドレートの分解に伴い生成する冷熱により冷却することによって、第2のガスハイドレートの生成に必要な熱エネルギーの一部を補い、システムの熱効率を改善することができる。
本発明の第11の態様は、第8の態様において、前記第1のガスハイドレートのガス放散に伴う冷熱を、前記第2のハイドレート生成装置に供給することを特徴とする、混合ガス処理システムである。この第11の態様の混合ガス処理システムでは、第2のハイドレート生成装置を、第1のガスハイドレートの分解に伴い生成する冷熱により冷却することによって、第2のガスハイドレートの生成に必要な熱エネルギーの一部を補い、システムの熱効率を改善することができる。
本発明の第12の態様は、第8の態様において、前記第1のガスハイドレートのガス放散に伴う冷熱を、前記第2のガスハイドレートの貯蔵容器に供給することを特徴とする、混合ガス処理システムである。この第12の態様の混合ガス処理システムでは、貯蔵時の第2のガスハイドレートに、第1のガスハイドレートの分解に伴い生成する冷熱を供給して冷却することにより、第2のガスハイドレートの貯蔵に必要な熱エネルギーの一部を補い、システムの熱効率を改善することができる。
本発明の第13の態様は、異なるハイドレート生成平衡条件を持つ二種以上のガスを含有する混合ガスと原料水とから、該混合ガス中の少なくとも1種のガスを優先的にハイドレート化する第1のハイドレート生成装置と、前記第1のハイドレート生成装置で生成した第1のガスハイドレートを分解してガス放散を行うガス放散槽と、前記少なくとも1種のガスが除去された状態の精製ガスと原料水とから、第2のガスハイドレートを製造する第2のハイドレート生成装置と、を備え、前記第1のガスハイドレートのガス放散に伴う冷熱を、前記ガス放散槽から、前記第2のハイドレート生成装置、前記第2のガスハイドレートの原料ガスまたは原料水に供給する熱交換手段を設けたことを特徴とする、混合ガス処理システムである。
この第13の態様の混合ガス処理システムでは、熱交換手段を設け、第1のガスハイドレートのガス放散に伴う冷熱を第2のガスハイドレートの製造に利用することによって、システム内における熱交換を図り、熱効率を向上させ、エネルギー消費を抑制することができる。
本発明の第14の態様は異なるハイドレート生成平衡条件を持つ二種以上のガスを含有する混合ガスと原料水とから、該混合ガス中の少なくとも1種のガスを優先的にハイドレート化する第1のハイドレート生成装置と、前記第1のハイドレート生成装置で生成した第1のガスハイドレートを分解してガス放散を行うガス放散槽と、前記少なくとも1種のガスが除去された状態の精製ガスと原料水とから、第2のガスハイドレートを製造する第2のハイドレート生成装置と、前記第2のハイドレート生成装置で製造された第2のガスハイドレートを貯蔵する精製ガスハイドレート貯槽と、を備え、前記第1のガスハイドレートのガス放散に伴う冷熱を、前記ガス放散槽から、前記精製ガスハイドレート貯槽に供給する熱交換手段を設けたことを特徴とする、混合ガス処理システムである。
この第14の態様の混合ガス処理システムでは、熱交換手段を設け、第1のガスハイドレートのガス放散に伴う冷熱を第2のガスハイドレートの貯蔵に利用することによって、システム内における熱交換を図り、熱効率を向上させ、システムのエネルギー消費を抑制することができる。
本発明の第15の態様は、第13の態様または第14の態様において、前記熱交換手段における熱媒体が、前記ガス放散槽で第1のガスハイドレートを分解してガスを放散させた後の分解水であることを特徴とする、混合ガス処理システムである。この第15の態様では、熱交換手段における熱媒体として分解水をそのまま利用することによって、ポンプなどの簡易な設備でシステムの熱効率を向上させることができる。
本発明の混合ガス分離方法および混合ガス分離装置によれば、バイオガス等の混合ガス中のメタンガスと二酸化炭素を短時間に効率良く分離することができる。従って、バイオガス等の混合ガスを工業的規模で大量処理する目的に特に適している。 また、本発明
の混合ガス処理システムは、混合ガスの分離、該混合ガス中に含まれる目的ガスの精製およびガスハイドレート化を一つのシステムで達成することが可能であり、エネルギー利用効率にも優れたシステムである。
本発明の混合ガス分離方法は、ハイドレート生成容器内に、メタンおよび二酸化炭素を含有する混合ガスと、水と、を供給することにより、二酸化炭素を溶解およびハイドレート化させ、生成した二酸化炭素ハイドレートをスラリーの状態で前記ハイドレート生成容器から連続的に排出するとともに、気相から濃縮されたメタン含有ガスを回収することにより実施される。
本発明において混合ガスの分離に利用するガスハイドレートは、水分子とガス(ハイドレート形成物質)分子からなる氷状の固体物質であり、水分子により形成されるかご状構造の内部にガス分子を取り込んだ構造の包接水和物である。
本発明の混合ガス分離方法で分離対象となる混合ガスとしては、メタンおよび二酸化炭素を含有するガスであれば特に限定されるものではなく、例えば生ごみや下水汚泥などを嫌気消化して得られるバイオガスなどが挙げられる。また、本発明の混合ガス分離システムにおいては、ハイドレート生成平衡条件が異なる二種以上の成分を含有するガスであれば特に制限なく対象とすることが可能であり、その代表例として、前記バイオガスなどを挙げることができる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。 図1は、本発明方法の実施に適した混合ガス分離装置100であり、主要な構成として、ハイドレート生成容器としての生成槽10と、ガスハイドレートを分解するとともにガスを放散させるためのガス放散槽20とを備えている。この混合ガス分離装置100では、原料ガスの連続供給とハイドレートスラリーの連続排出を行うことにより、混合ガスを連続的に分離処理できる。
生成槽10は、主要な構成として、混合ガスを導入するためのガス導入部と、精製ガスを排出するためのガス排出部と、ハイドレートスラリーを連続的に抜出すスラリー排出部と、熱交換器等の温度調節手段と、バルブなどの圧力調節手段(いずれも図示せず)を備え、内部を所定の温度および圧力に調節できるように設計された耐圧容器によって構成されている。
また、生成槽10には、後述する水循環ライン11から導入される水が槽内に一定量滞留している。原料の混合ガスは、ポンプなどの加圧手段(図示せず)によって加圧状態で生成槽10に導入される。混合ガスは、生成槽10上部の気相51中に導入してもよいが、気液接触効率を高めるため、生成槽10の内部の水相52中に直接気泡として導入することが好ましい。
生成槽10内の気相と液相との容積比は、二酸化炭素の溶解量を増やすため液相側を大きくすることが好ましく、例えば気相:液相=1:1〜1:10程度、より好ましくは1:2〜1:5程度に設定できる。
生成槽10は、その底部付近のスラリー排出部からハイドレートスラリーを排出できるように構成され、ハイドレートスラリーの移送経路がガス放散槽20まで接続されている。また、生成槽10の頂部付近のガス排出部からは、精製ガスを排出できるように構成されており、ここから精製されたメタン含有ガス(処理ガス)が導出される。このメタン含有ガスは、原料の混合ガス中の二酸化炭素の多くがハイドレート形成と水への溶解によって除去されたガスであり、原料の混合ガスに比べ、格段にメタン濃度が上昇している。このように濃縮されたメタン含有ガスは、回収して燃料等の用途に供することができる。なお、得られたメタン含有ガスについては、後記するようにメタンハイドレート化したり、多段階処理を行うことにより、所望の純度までメタン濃度を高めることが可能になる。
生成槽10の中央部には、水相52の攪拌を行う混合手段としての攪拌機12が設けられ、生成槽10内部の気液接触を図るとともに、熱分布を均一にしてハイドレートの生成熱を効率的に除去できるように構成されている。
生成槽10内は、例えば、温度0〜10℃、圧力3〜6MPaの範囲に調整されており、この条件ではメタンハイドレートよりも優先的に二酸化炭素ハイドレートが生成される。なお、混合ガスがバイオガスである場合は、通常、約60%のメタン、約40%の二酸化炭素に加え、微量の硫化水素が含まれるが、以下の説明ではメタンと二酸化炭素との分離について述べる。硫化水素は、二酸化炭素よりもガスハイドレートになり易いため、硫化水素ハイドレートとしてスラリー中に移行し、上記条件で容易にメタンガスと分離できる。
一定の温度−圧力条件の下では、生成槽10内の水相52における二酸化炭素ハイドレートの生成量は、気液接触状態にあるガスと水との滞留時間によって決定される。つまり、ある一定量のガスと水が、ハイドレート生成条件にある生成槽10内に長時間滞留すればハイドレート形成が進行し、水相52中の二酸化炭素ハイドレートの比率が大きくなる。従って、生成槽10内の温度−圧力条件に応じ、ハイドレートスラリーの排出速度を調整することによって、スラリー中のハイドレート濃度を制御できる。生成槽10内からハイドレートスラリーを抜出す目安としては、良好なハンドリング性を維持し、メタンハイドレートの混入を抑制するため、スラリー中にガスハイドレートを体積濃度として5〜30%、好ましくは10〜15%含むようにする。
ガス放散槽20は、生成槽10から導出されたハイドレートスラリーを一時的に貯留するとともに、槽内の温度および圧力を変化させ得るように構成されている。ガス放散槽20内の温度および/または圧力を変化させ、例えばハイドレート生成条件から10℃、大気圧解放(負圧も含む)条件へ移行させることによって、ハイドレートスラリー中の二酸化炭素ハイドレートが分解し、二酸化炭素がガスとして放散される。また同時に、低温・加圧状態で気相の二酸化炭素分圧に応じて水中に溶解していた二酸化炭素もガス化して放散される。従って、放散ガスは二酸化炭素を高濃度に含むCOリッチガスとなる。ハイドレートスラリーから二酸化炭素を放散させた後の水は、気液平衡に達し通常の大気解放状態の水と同等のレベルの溶存二酸化炭素濃度まで低下するため、これを循環経路としての循環ライン11を介しポンプ13で加圧して生成槽10へ循環させることにより再利用できる。水を循環利用することによって、外部からの水の補充が不要になり、連続運転の効率を高めることができる。
また、ガス放散槽20では、二酸化炭素ハイドレートの分解に伴い乖離熱(冷熱)が生成するため、循環ライン11により供給される水はこの乖離熱の一部によって冷却された状態になっている。従って、この水を生成槽10の原料水として循環利用することによって、生成槽10において、ハイドレートの生成条件に近づけるための冷却およびハイドレートの生成熱を除去するための冷却を容易にし、エネルギー効率を改善することができる。
以上の構成において、本発明方法では、生成槽10内の温度と圧力を、少なくとも二酸化炭素がハイドレート化する条件(すなわち、二酸化炭素ハイドレート生成平衡条件より低温、高圧側)に制御すればよい。しかし、分離効率を上げるためには、二酸化炭素の生成平衡条件より過冷却状態(または過圧状態)にすることが好ましく、メタンおよび二酸化炭素の両方がハイドレート化する条件(例えば、メタンハイドレート生成平衡条件より低温、高圧側)にすることが望ましい。このような過冷却または過圧条件では、二酸化炭素ハイドレートの生成がより速やかに進行し、二酸化炭素の溶解量もさらに増加するため、分離効率が高まる。なお、生成槽10内で生成したハイドレートスラリーを連続的に抜出すことによって、過冷却または過圧条件でも生成速度が遅いメタン由来のハイドレートの蓄積は抑制される。
次に、生成槽10内の温度−圧力条件について、図2を参照しながら詳説する。同図において、実線で示す曲線Xは、メタンと二酸化炭素との混合ガスハイドレート生成平衡曲線である。なお、一点鎖線で示す曲線Yは、二酸化炭素ハイドレートの生成平衡曲線、破線で示す曲線Zはメタンハイドレートの生成平衡曲線であり、いずれも100%濃度の場合の生成平衡を示している。
図2に示す各曲線X、Y、Zより低温、高圧側の領域で各ハイドレートが形成されるため、例えば図2中、領域aの条件ではハイドレート形成は起こらない。また、純度100%の二酸化炭素ガスの場合、領域b、bおよびcの条件で二酸化炭素ハイドレートが形成される。同様に、純度100%のメタンガスの場合には、領域cの条件でなければメタンハイドレートが形成されることはない。しかし、混合ガスの場合、曲線Xより低温、高圧側の領域bでは、混合ガスハイドレートが生成して、メタンも二酸化炭素もハイドレート化する。つまり、混合ガスハイドレートが生成する領域bでは厳密に2成分を分離することはできないことになる。
一方、領域b中には、混合ガスハイドレートの生成が十分に起こらない条件が含まれている。特に、領域b中、曲線Xの近傍となる条件(図2中、斜線で示す部分)では、ハイドレート生成速度が遅く、工業的な大量処理には不向きな条件と言える。このため生成槽10内の条件は、領域bの中でも低温、高圧より、例えば曲線Zの近傍となる条件に設定することが好ましい。
また、混合ガスハイドレートの生成速度をさらに速める目的で、前記したように生成槽10内を領域cの条件(過冷却または過圧条件)に制御することがより好ましい。領域bや領域cの過冷却または過圧条件では混合ガスハイドレートが生成するが、生成槽10内からスラリーを連続的に抜出すことによって、メタンが大量にハイドレートとなる事態を回避できる。これは、メタンのハイドレート化速度が二酸化炭素に比べて遅いためである。
また、本発明方法は、大量の混合ガスから二酸化炭素を除去し、メタンガスを精製することを主目的とするため、処理速度を優先し、メタンがハイドレート化することによる少量のメタンの損失は許容できる。なお、ハイドレートスラリー中にメタンハイドレートが混入した場合でも、後記する連続多段階処理によって回収可能である。
生成槽10から排出される二酸化炭素ハイドレートスラリーの液相中には、一定比率で二酸化炭素が溶存する。このため、生成槽10内の温度−圧力条件は、スラリーに含まれる二酸化炭素(水への溶存およびハイドレート)濃度が50〜100%程度、好ましくは、80〜100%となるように調整する。これらの条件は、前記図2に示す領域b、領域c等の中から選択することが可能であり、例えば、生成槽10内の温度を0〜10℃、圧力を3〜6MPa程度にすることによって、スラリー中の二酸化炭素量を80〜90%に調節することができる。
以上のように、本発明方法ではガスハイドレート化による二酸化炭素の分離に加え、液相への二酸化炭素の溶解を利用することによって、混合ガスの分離効率を大幅に向上させることができる。
図3は、混合ガス分離操作を繰返す多段階式混合ガス分離装置101の例である。この実施形態では生成槽10a〜10eおよびガス放散槽20a〜20eを用いる。混合ガス中のメタンについては、生成槽10aから生成槽10cを用い、1次処理、2次処理、3次処理まで繰返すことによって、高純度のメタンに精製することができる。また、不可避的に二酸化炭素ハイドレートスラリー中に同伴したメタンについては、生成槽10d、生成槽10eにおいて同様に繰返し分離操作を行うことによって回収し、メタンの損失を回避することができる。
図3中、生成槽10a〜10eおよびガス放散槽20a〜
20eの各構成は図1と同様である。まず生成槽10aに混合ガスを導入し、図1の場合と同様に処理することにより、メタンを含有する濃縮された1次処理ガスと二酸化炭素ハイドレートスラリー(1次スラリー)とが得られる。
生成槽10aで大部分の二酸化炭素が除去された1次処理ガスは、生成槽10bに送出され、同様の処理が行われて2次処理ガスとなる。引き続き2次処理ガスは、生成槽10cに導入され、同様の処理が行われて高純度に精製された3次処理ガスとして回収される。
以上の処理において、原料ガスおよび1次〜3次処理ガス中のメタンと二酸化炭素の比率は、例えば表1のように推移すると計算される。
Figure 2005179629
また、生成槽10aで生成した1次スラリーは、ガス放散槽20aに送出され、例えば10℃・大気圧条件に置かれることによりガスハイドレートの分解と二酸化炭素の放散が行われる。二酸化炭素を放散した後の水は、生成槽10aへ循環使用される。同様にして生成槽10b、10cにおいても、それぞれ2次スラリー、3次スラリーが生成、排出され、それぞれガス放散槽20b、20cにおいて二酸化炭素の放散が行われる。ガス放散槽20b、20cで放散されたガス中にメタンが混入している場合は、それぞれ生成槽10a、10bに戻すことによって回収し、損失を低減できる。
また、生成槽10aから排出される1次スラリー中には、少量のメタンが不可避的に同伴する。そこで、図3の連続多段階処理では、ガス放散槽20aで発生する二酸化炭素とメタンを含むガスを生成槽10dに導入する。生成槽10dでは、生成槽10aと同様に処理が行われるので、気相51中のメタンが濃縮され1次回収ガスが得られる。この1次回収ガスは、生成槽10aに還元することによって、前記した連続多段階処理に組み込まれる。さらに生成槽10dから排出される1次回収スラリーはガス放散槽20dに送られ、ガス放散される。このガス中にメタンが混入している場合は、さらに生成槽10eに導入し、二酸化炭素を分離することによりメタンを濃縮する。この濃縮ガスを2次回収ガスとして生成槽10dに戻すことにより、メタンの損失を回避し、効率のよい精製が可能になる。また、生成槽10eの2次回収スラリーをガス放散槽20eに導入することにより、放散ガスとして、高純度の二酸化炭素ガスが得られる。
次に、図4は、第1実施形態の混合ガス分離装置100を含む混合ガス処理システム200の概要を示す図面である。この混合ガス処理システム200は、「第1のハイドレート生成装置」としての生成槽10を備えた混合ガス分離装置100に、「第2のハイドレート生成装置」としてのメタンハイドレート化装置30が併設されており、例えば、下水消化ガスなどを原料として混合ガス分離装置100で精製された高濃度のメタンガスをメタンハイドレートとして回収できるように構成されている。なお、混合ガス分離装置100における処理は、図1と同様に行われるので説明を省略する。また、混合ガス分離装置100に替えて、図3の多段階式混合ガス分離装置101を使用することもできる。 なお、本発明の混合ガス処理システム200において、「精製ガス」の語は、通常の意味における純度の高いガスだけでなく、少なくとも第1のガスハイドレートの形成によってその原料ガス成分の大半が除去された状態をも含む意味で用いられる。
図4において、メタンハイドレート化装置30では、生成槽10で濃縮されたメタンガスをハイドレート化し、「第2のガスハイドレート」としてのメタンハイドレートをスラリーとして回収できる。回収したメタンハイドレートスラリーは、脱水・冷却を施した後、ペレット化することによって、都市ガスなどの原料として貯蔵することができる。
すなわち、メタンハイドレート化装置30で生成したメタンハイドレートスラリーは、一旦スラリー貯槽61に貯留された後、脱水・冷凍機63で脱水処理され、さらにペレタイザ65でペレット化される。ペレット化されたメタンハイドレートは、貯槽67に貯蔵される。貯蔵されたメタンハイドレートは、必要に応じて気化設備69で再ガス化され、例えば都市ガス原料などの用途に利用される。なお、後述するように、貯槽67での貯蔵においては、必要に応じヒートポンプ71を利用して雪氷などの冷熱を利用することができる。
第2のハイドレート生成装置としてのメタンハイドレート化装置30の構成は、第1のガスハイドレート生成装置としての前記生成槽10とほぼ同様である。すなわち、メタンハイドレート化装置30の中央部には、水相の攪拌を行う混合手段としての攪拌機が設けられ、メタンハイドレート化装置30内部の気液接触を図るとともに、熱分布を均一にしてハイドレートの生成熱を効率的に除去できるように構成されている。メタンハイドレート化装置30内は、生成槽10内と同様の温度・圧力条件(例えば、温度0〜10℃、圧力3〜6MPaの範囲)に調整されており、この条件で精製メタンガスからメタンハイドレートが生成される。また、メタンハイドレート化装置30は、その底部付近のスラリー排出部からハイドレートスラリーを排出できるように構成され、ハイドレートスラリーを移送するスラリー移送ライン85がスラリー貯槽61まで接続されている。
一方、ガス放散槽20において、「第1のガスハイドレート」としての二酸化炭素ハイドレートの分解により放出される高濃度の二酸化炭素(硫化水素を含む場合がある)は、必要に応じて生物脱硫装置73などを用いて脱硫を行った後、例えば二酸化炭素ボンベなどに充填して利用できる。
また、第1のガスハイドレートとしての二酸化炭素ハイドレートのガス放散の際に生成する冷熱は、ヒートポンプ40によってメタンハイドレート化装置30に供給することができる。ガス放散に伴い生成する冷熱としては、二酸化炭素ハイドレートの乖離熱および二酸化炭素ハイドレートの周囲に存在していた氷の融解熱が含まれる。
具体的には、二酸化炭素ハイドレートのガス放散の際に生成する冷熱を、メタンハイドレート化装置30に供給することによって、以下のような熱交換が可能になる。 すなわち、生成槽10で二酸化炭素ハイドレートを製造する際には、生成熱が発生するため、連続運転においてもこの生成熱に相応する熱量を熱交換器などで取り除く必要がある。同様に、メタンハイドレート化装置30において、メタンガスをハイドレート化する場合にも、生成熱が発生する。一方、ガス放散槽20における二酸化炭素ハイドレートの分解の際には、乖離熱が発生する。また、氷が存在する場合には、氷の融解熱も生じる。これらの乖離熱や融解熱は冷熱であり、生成槽10における二酸化炭素ハイドレートの生成熱とほぼ均衡する熱量である。従って、ガス放散槽20における乖離熱を、ヒートポンプ40によってメタンハイドレート化装置30に供給することによって、混合ガス処理システム200における熱効率を改善し、システム全体のエネルギー消費を抑制することができる。例えば、ガス放散槽20で二酸化炭素ハイドレートの乖離と氷の融解により温度が1〜2℃下降するとすれば、その下降分の熱を冷熱としてメタンハイドレート化装置30に供給することによって、メタンハイドレートの生成熱の一部または全部と相殺させることが可能である。
さらに、混合ガス処理システム200においては、その設置が寒冷地である場合、雪氷を利用してシステム全体の熱効率を改善することが可能である。図4に示すように、メタンハイドレート化装置30で製造されたメタンハイドレートスラリーをペレット化した後、貯槽67において貯蔵する場合に、雪氷の冷熱をヒートポンプ71で貯槽67に供給することによって、メタンハイドレートの分解を抑制し、安定的に貯蔵を行うことが可能である。
また、同様に、例えば生成槽10、メタンハイドレート化装置30、原料ガス供給ライン80、精製メタンガス供給ライン81、水循環ライン11、メタンハイドレート化装置30への原料水供給ライン83、スラリー貯槽61、脱水・冷凍機63、ペレタイザ65、貯槽67、およびこれらを接続する各ラインなどの設備などにおいても、雪氷の冷熱を利用して冷却を行うことができる。その場合、ヒートポンプを使用せず、直接雪氷により外部から冷却を行うことも可能である。雪氷を冷却に利用する利点として、0℃未満の温度まで冷却し過ぎることがない点が挙げられる。つまり、過剰な冷却によって、例えば、スラリー移送ライン85などで氷やハイドレートが生成し、目詰まり等を引き起こす事態が防止され、安定した運転が実現する。
以上のように、混合ガス処理システム200では、混合ガスを原料にして高純度のメタンと二酸化炭素を利用しやすい形態で分離回収できるとともに、メタンをハイドレート化する際の熱効率を良好に制御することができる。 次に、本発明の混合ガス処理システム200の好ましい実施形態として、ガス放散槽20において二酸化炭素ハイドレートの分解や氷の融解により生じた冷熱を、メタンハイドレート化装置30におけるメタンハイドレートの製造と、その貯蔵に利用する実施形態について、図5〜図15を参照しながら説明を行う。
図5は、図4に記載した態様の変形例である。すなわち、ガス放散槽20で生成した冷熱を、メタンハイドレート化装置30に導入される原料水に供給する態様である。ここでは、原料水供給ライン83に、熱交換ライン86、ヒートポンプ40および熱交換ライン87を介してガス放散槽20の冷熱が供給される。冷熱は、原料水の温度を低下させるように作用する。また、原料水から取出された熱は、熱交換ライン88、ヒートポンプ40および熱交換ライン89を介して逆向きにガス放散槽20に供給される。ガス放散槽20とメタンハイドレート化装置30との間に介在するヒートポンプ40としては、既知の構成のものを使用することが可能であり、その熱媒体としては、例えば、エチレングリコールなどのブラインを用いることができる。
前記したとおり、生成槽10で二酸化炭素ハイドレートを生成させる際には、生成熱が発生するため、この熱を熱交換器92(図4参照)により除去している。同様に、メタンハイドレート化装置30において、メタンハイドレートを生成させる場合も、生成熱が生じるため、熱交換器93で除去している。本実施態様では、メタンハイドレート化装置30に導入される原料水を充分に冷却することによって、メタンハイドレート化装置30の冷却負荷を軽減することができる。さらに、原料水の温度は一般に常温付近であるため、ガス放散槽20からの冷熱で熱効率よく充分な冷却が可能である。このように、ガス放散槽20において二酸化炭素ハイドレートの分解により発生した乖離熱や氷の融解熱をメタンハイドレートの原料水の冷却に使用することによって、メタンハイドレート化装置30の冷却負担が軽減され、システム全体の熱効率を高めることが可能になる。
図6は別の変形例を示しており、ガス放散槽20で二酸化炭素ハイドレートからのガス放散により生成した冷熱を、メタンハイドレート化装置30に導入される精製ガスに供給する態様である。ここでは、精製ガス供給ライン81に、熱交換ライン86、ヒートポンプ40および熱交換ライン87を介してガス放散槽20の冷熱が供給される。この冷熱は、精製ガスの温度が上昇しないように作用する。また、精製ガスから取出された熱は、熱交換ライン88、ヒートポンプ40および熱交換ライン89を介して逆向きに移動し、ガス放散槽20に供給される。メタンハイドレート化装置30内の温度と圧力は、生成槽10内と同等に設定されるため、本態様では、精製ガスライン81による移送途中での精製ガスの温度上昇を抑えることに意義がある。つまり、原料となる精製ガスの温度上昇を抑えることによって、生成槽10とメタンハイドレート化装置30との
熱的均衡を維持し、余分なエネルギーを消費させずにメタンハイドレートを生成させることが可能になる。
図7は、さらに別の変形例を示しており、ガス放散槽20で二酸化炭素ハイドレートからのガス放散により生成した冷熱を、メタンハイドレート化装置30から導出されるメタンハイドレートスラリーに供給する態様である。ここでは、スラリー移送ライン85に、熱交換ライン86、ヒートポンプ40および熱交換ライン87を介してガス放散槽20の冷熱が供給される。この冷熱は、移送途中にメタンハイドレートスラリーの温度が上昇しないように作用する。また、メタンハイドレートスラリーから取出された熱は、熱交換ライン88、ヒートポンプ40および熱交換ライン89を介してガス放散槽20に供給される。本態様では、スラリー移送ライン81による移送途中でメタンハイドレートスラリーの温度上昇を抑え、移送途中の分解を防ぎ、メタンハイドレートの回収率を高めることができる。
図8は、さらに別の変形例を示しており、ガス放散槽20で二酸化炭素ハイドレートからのガス放散により生成した冷熱を、貯蔵状態(一時貯留)のメタンハイドレートスラリーに供給する。ここでは、スラリー貯槽61に、熱交換ライン86、ヒートポンプ40および熱交換ライン87を介してガス放散槽20の冷熱が供給される。この冷熱は、貯蔵中(一時貯留中)のメタンハイドレートスラリーの温度上昇を抑制するように作用する。また、メタンハイドレートスラリーから取出された熱は、熱交換ライン88、ヒートポンプ40および熱交換ライン89を介してガス放散槽20に供給される。本態様では、貯蔵時(一時貯留時)のメタンハイドレートスラリーの温度上昇を抑え、その分解を防ぎ、メタンハイドレートの保存状態を維持することができる。
図9〜図13は、それぞれ、さらに別の変形例を示している。図9〜図13の実施態様では、ガス放散槽20で二酸化炭素ハイドレートからのガス放散により生成した冷熱を、メタンハイドレートスラリーの製造および/または貯蔵に利用する点において、それぞれ図4〜図8に対応しているが、これらとの相違点としてヒートポンプ40を介さず、ガス放散槽20におけるガス放散後の分解水を直接熱媒体として使用する。つまり、二酸化炭素ハイドレートの放散に伴い生成する乖離熱や氷の融解熱は分解水の温度を下降させるので、この冷却された分解水を熱媒体としてメタンハイドレートスラリーの製造や貯蔵に利用するものである。
図9は、ガス放散槽20の分解水を、熱交換ライン90の途中に設けたポンプ41によってメタンハイドレート化装置30に導き、例えば外部冷却水として利用する態様である。冷却水として利用された分解水は、熱交換ライン91により、ガス放散槽20に戻される。
図10は、ガス放散槽20の分解水を、熱交換ライン90の途中に設けたポンプ41によってメタンハイドレート化装置30に接続する原料水供給ライン83に導き、例えば原料水を配管の外部から冷却する冷却水として利用する態様である。冷却水として利用された分解水は、熱交換ライン91により、ガス放散槽20に戻される。
図11は、ガス放散槽20の分解水を、熱交換ライン90の途中に設けたポンプ41によってメタンハイドレート化装置30に接続する精製ガス供給ライン81に導き、例えば精製ガスを配管の外部から冷却する冷却水として利用する態様である。冷却水として利用された分解水は、熱交換ライン91により、ガス放散槽20に戻される。
図12は、ガス放散槽20の分解水を、熱交換ライン90の途中に設けたポンプ41によってメタンハイドレート化装置30に接続するスラリー移送ライン85に導き、例えばメタンハイドレートスラリーを配管の外部から冷却する冷却水として利用する態様である。冷却水として利用された分解水は、熱交換ライン91により、ガス放散槽20に戻される。
図13は、ガス放散槽20の分解水を、熱交換ライン90の途中に設けたポンプ41によってスラリー貯槽61に導き、例えば外部冷却水として利用する態様である。冷却水として利用された分解水は、熱交換ライン91により、ガス放散槽20に戻される。
以上の図9〜図13において、分解水は図4〜図8におけるヒートポンプ40のブラインと同様に熱媒体として作用し、図4〜8について述べた内容と同様の熱効率改善効果を得ることができる。
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれにより何ら制約されるものではない。
実施例1 図1と同様の混合ガス分離装置100において、下記の条件で混合ガス(メタン60%、二酸化炭素40%)を処理する場合のメタンガス精製のシミュレーションを実施した。その結果を表2に示す。<条件>生成槽内圧力5.5MPa;生成温度5℃;二酸化炭素ハイドレート生成率3%;スラリー中のメタンハイドレート混成率50%;生成槽内気相容量0.5リットル;生成槽内液相容量2.5リットル
Figure 2005179629
実施例2 条件の一部を以下のように変える以外は実施例1と同様にして、精製シミュレーションを実施した。その結果を併せて表2に示す。<条件>(他は実施例1と同じ)生成槽内気相容量1リットル;生成槽内液相容量2リットル
実施例3 条件の一部を以下のように変える以外は実施例1と同様にして、精製シミュレーションを実施した。その結果を併せて表2に示す。<条件>(他は実施例1と同じ)生成槽内気相容量1.5リットル;生成槽内液相容量1.5リットル
実施例4 条件の一部を以下のように変える以外は実施例1と同様にして、精製シミュレーションを実施した。その結果を併せて表2に示す。<条件>(他は実施例1と同じ)スラリー中のメタンハイドレート混成率0%;生成槽内気相容量0.5リットル;生成槽内液相容量2.5リットル
実施例5 条件の一部を以下のように変える以外は実施例1と同様にして、精製シミュレーションを実施した。その結果を併せて表2に示す。<条件>(他は実施例1と同じ)スラリー中のメタンハイドレート混成率0%;生成槽内気相容量1リットル;生成槽内液相容量2リットル
実施例6 条件の一部を以下のように変える以外は実施例1と同様にして、精製シミュレーションを実施した。その結果を併せて表2に示す。<条件>(他は実施例1と同じ)スラリー中のメタンハイドレート混成率0%;生成槽内気相容量1.5リットル;生成槽内液相容量1.5リットル
以上の結果から、実施例1〜6のいずれにおいてもメタンの大部分は1次処理ガス中に移行し、二酸化炭素の大部分はスラリー中に移行することが理解される。従って、この操作を繰返し行うことで、混合ガスを高度に精製できることが推測される。また、温度−圧力条件を固定した場合、生成槽内の液相比率を大きくすることによってメタンの精製率を向上させ得ることが示された。 さらに、過冷却(過圧)条件において、生成槽内で二酸化炭素ハイドレートとともにメタンハイドレートを生成させた実施例1〜3と、メタンハイドレートを生成させない実施例4〜6の間に分離精製効率の大きな差異は認められず、メタンハイドレートが生成する条件で運転を行っても、分離効率は低下しないことが示された。
以上、本発明を種々の実施形態に関して述べたが、本発明は上記実施形態に制約されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、他の実施形態についても適用可能である。 例えば、図4においては、ガス放散槽20で発生した冷熱をヒートポンプ40を介してメタンハイドレート化装置30に供給するようにしたが、例えば、変形例として、図14に示すように、ヒートポンプ40に熱交換ライン87a,87bおよび同88a,88bを接続させ、メタンハイドレート化装置30と原料水(原料水供給ライン83)の2箇所に並列的に供給して熱交換を行うことも可能である。なお、図示しないが、ヒートポンプ40からの冷熱を、まずメタンハイドレート化装置30に供給し、冷却を行った後、より温度が高い原料水(原料水供給ライン83)に供給するような直列的な熱交換も可能である。以上と同様に、図5〜図8、図9〜図13においても、変形例としてガス放散槽20で発生した乖離熱を複数の箇所に供給することができる。
さらに、前記混合ガス処理システム200は、メタンガスと二酸化炭素ガスを含む混合ガスの分離を行うシステムであるが、図4〜図13に示す構成は、他の種類のガスを含む混合ガスの分離においても、同様に利用できる。
本発明の混合ガス分離方法により、例えば生ごみや汚泥などの嫌気性消化ガス(バイオガス)中に含まれるメタンを高濃度に濃縮し、燃料として利用を図ることが可能になる。
また、本発明の混合ガス処理システムは、二種以上の成分を含む混合ガスから、ガスハイドレート形成を利用して特定の成分を分離、精製するとともに、該成分をさらにハイドレート化して貯蔵・移送する際に、熱効率に優れたシステムとして利用できる。
本発明の混合ガス分離装置の概要を示す図面。 メタンと二酸化炭素との混合ガスのハイドレート生成平衡を説明する図面。 多段階式混合ガス分離装置の概要を示す図面。 混合ガス処理システムの概要示す図面。 混合ガス処理システムのヒートポンプを用いた変形例の要部構成を示す図面。 混合ガス処理システムのヒートポンプを用いた別の変形例の要部構成を示す図面。 混合ガス処理システムのヒートポンプを用いたさらに別の変形例の要部構成を示す図面。 混合ガス処理システムのヒートポンプを用いた他の変形例の要部構成を示す図面。 混合ガス処理システムのポンプを用いた変形例の要部構成を示す図面。 混合ガス処理システムのポンプを用いた別の変形例の要部構成を示す図面。 混合ガス処理システムのポンプを用いたさらに別の変形例の要部構成を示す図面。 混合ガス処理システムのポンプを用いた他の変形例の要部構成を示す図面。 混合ガス処理システムのポンプを用いたさらに他の変形例の要部構成を示す図面。 混合ガス処理システムの他の変形例の要部構成を示す図面。
符号の説明
10 生成槽 11 水循環ライン 12 攪拌器 13 ポンプ 20 ガス放散槽 30 メタンハイドレート化装置 40 ヒートポンプ 41 ポンプ 51 気相 52 水相 61 スラリー貯槽 63 脱水・冷凍機 65 ペレタイザ 67 貯槽 69 気化設備 71 ヒートポンプ 73 生物脱硫装置 75 ボンベ 81 精製ガス供給ライン 83 原料水供給ライン 85 スラリー移送ライン 86,87,88,89,90,91 熱交換ライン 92,93 熱交換器 100 混合ガス分離装置 101 多段階式混合ガス分離装置 200 混合ガス処理システム X メタンと二酸化炭素との混合ガスハイドレート生成平衡曲線 Y 二酸化炭素ハイドレート生成平衡曲線 Z メタンハイドレート生成平衡曲線

Claims (15)

  1. ハイドレート生成容器内に、メタンおよび二酸化炭素を含有する混合ガスと、水と、を供給することにより、二酸化炭素を水に溶解させ、かつ、少なくともその一部をハイドレート化し、 生成した二酸化炭素ハイドレートをスラリーの状態で前記ハイドレート生成容器から連続的に排出するとともに、気相から濃縮されたメタン含有ガスを回収することにより、前記混合ガス中のメタンと二酸化炭素を分離することを特徴とする、混合ガスの分離方法。
  2. 請求項1において、前記ハイドレート生成容器内を、メタンおよび二酸化炭素の両方がハイドレート化する条件にすることを特徴とする、混合ガスの分離方法。
  3. 請求項1または請求項2において、前記ハイドレート生成容器から排出されたスラリーから二酸化炭素をガス化して放散させるとともに、 二酸化炭素を放散した後の水を前記ハイドレート生成容器に循環供給することを特徴とする、混合ガスの分離方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項において、一のハイドレート生成容器から回収されたメタンを含有する処理ガスを水とともに他のハイドレート生成容器に連続的に供給し、二酸化炭素のハイドレート化と、メタンを含有する再処理ガスの回収と、を行う操作を多段階繰返すことを特徴とする、混合ガスの分離方法。
  5. 混合ガスを導入するガス導入部と、精製ガスを排出するガス排出部と、ハイドレートスラリーを連続的に抜出すスラリー排出部と、を具備しており、気液接触によってハイドレートを生成させるハイドレート生成槽と、 前記ハイドレート生成容器から抜出したハイドレートスラリー中のガス成分を放散させるガス放散槽と、を備えたことを特徴とする、混合ガス分離装置。
  6. 請求項5において、前記ガス放散槽でガスを放出した後の水を前記ハイドレート生成槽に連続的に循環させる循環経路を備えたことを特徴とする、混合ガス分離装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載の前記混合ガス分離装置を2以上並設し、一のハイドレート生成槽における前記ガス排出部と他のハイドレート生成槽におけるガス導入部とを接続したことを特徴とする、混合ガス分離装置。
  8. 第1のハイドレート生成装置内に、異なるハイドレート生成平衡条件を持つ二種以上のガスを含有する混合ガスと原料水とを供給することにより、該混合ガス中の少なくとも1種のガスを優先的にハイドレート化し、 生成した第1のガスハイドレートをスラリーの状態で前記第1のハイドレート生成装置から連続的に回収するとともに、該スラリーを分解してガス放散を行い、 気相から前記少なくとも1種のガスが除去された状態の精製ガスを回収し、別途供給される原料水とともに第2のハイドレート生成装置に導入してハイドレート化し、これを第2のガスハイドレートとして回収することにより、前記混合ガス中の異なるガス成分を分離する混合ガス処理システムであって、 第1のガスハイドレートのガス放散に伴う冷熱を、前記第2のガスハイドレートの製造および/または貯蔵に利用することを特徴とする、混合ガス処理システム。
  9. 請求項8において、前記第1のガスハイドレートのガス放散に伴う冷熱を、前記第2のガスハイドレートの原料水に供給することを特徴とする、混合ガス処理システム。
  10. 請求項8において、前記第1のガスハイドレートのガス放散に伴う冷熱を、前記第2のガスハイドレートの原料となる前記精製ガスに供給することを特徴とする、混合ガス処理システム。
  11. 請求項8において、前記第1のガスハイドレートのガス放散に伴う冷熱を、前記第2のハイドレート生成装置に供給することを特徴とする、混合ガス処理システム。
  12. 請求項8において、前記第1のガスハイドレートのガス放散に伴う冷熱を、前記第2のガスハイドレートの貯蔵容器に供給することを特徴とする、混合ガス処理システム。
  13. 異なるハイドレート生成平衡条件を持つ二種以上のガスを含有する混合ガスと原料水とから、該混合ガス中の少なくとも1種のガスを優先的にハイドレート化する第1のハイドレート生成装置と、 前記第1のハイドレート生成装置で生成した第1のガスハイドレートを分解してガス放散を行うガス放散槽と、 前記少なくとも1種のガスが除去された状態の精製ガスと原料水とから、第2のガスハイドレートを製造する第2のハイドレート生成装置と、を備え、 前記第1のガスハイドレートのガス放散に伴う冷熱を、前記ガス放散槽から、前記第2のハイドレート生成装置、前記第2のガスハイドレートの原料ガスまたは原料水に供給する熱交換手段を設けたことを特徴とする、混合ガス処理システム。
  14. 異なるハイドレート生成平衡条件を持つ二種以上のガスを含有する混合ガスと原料水とから、該混合ガス中の少なくとも1種のガスを優先的にハイドレート化する第1のハイドレート生成装置と、 前記第1のハイドレート生成装置で生成した第1のガスハイドレートを分解してガス放散を行うガス放散槽と、 前記少なくとも1種のガスが除去された状態の精製ガスと原料水とから、第2のガスハイドレートを製造する第2のハイドレート生成装置と、 前記第2のハイドレート生成装置で製造された第2のガスハイドレートを貯蔵する精製ガスハイドレート貯槽と、を備え、 前記第1のガスハイドレートのガス放散に伴う冷熱を、前記ガス放散槽から、前記精製ガスハイドレート貯槽に供給する熱交換手段を設けたことを特徴とする、混合ガス処理システム。
  15. 請求項13または請求項14において、前記熱交換手段における熱媒体が、前記ガス放散槽で第1のガスハイドレートを分解してガスを放散させた後の分解水であることを特徴とする、混合ガス処理システム。
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