JP2006176674A - 冷熱輸送媒体 - Google Patents

冷熱輸送媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP2006176674A
JP2006176674A JP2004371958A JP2004371958A JP2006176674A JP 2006176674 A JP2006176674 A JP 2006176674A JP 2004371958 A JP2004371958 A JP 2004371958A JP 2004371958 A JP2004371958 A JP 2004371958A JP 2006176674 A JP2006176674 A JP 2006176674A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
corrosion
aqueous solution
tbab
transport medium
ppm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004371958A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4645187B2 (ja
Inventor
Kenji Somiya
賢治 宗宮
Hisao Kitagawa
尚男 北川
Hidemasa Ogose
英雅 生越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
JFE Engineering Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Engineering Corp filed Critical JFE Engineering Corp
Priority to JP2004371958A priority Critical patent/JP4645187B2/ja
Publication of JP2006176674A publication Critical patent/JP2006176674A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4645187B2 publication Critical patent/JP4645187B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)

Abstract

【課題】 腐食性特に局部腐食性が低減された臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物を含む冷熱輸送媒体を提供する。
【解決手段】 臭化テトラn−ブチルアンモニウムの水溶液であり、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、の中から選ばれた少なくとも1種の腐食防止剤と水酸化アルカリを含有することを特徴とする冷熱輸送媒体である。また、前記腐食防止剤が亜硫酸イオン換算で30重量ppm以上20000重量ppm以下の濃度で含有されていることを特徴とする冷熱輸送媒体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空調設備等の蓄熱システムに使用される冷熱輸送媒体に係り、より具体的には、腐食性が抑制された臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物系冷熱輸送媒体に関する。
従来から、例えば空調設備等において各種蓄熱装置が使用されている。蓄熱装置は、例えば深夜電力や工場の廃熱等供給が不連続なエネルギーを蓄熱するために利用され、この蓄熱された冷熱を空調設備で利用することによりエネルギーの有効利用を図るものである。
このような蓄熱装置として、氷を利用するものが知られている。氷を利用する蓄熱装置は、深夜電力等を用いて夜間に氷を製造しておき、この氷に蓄えられた冷熱を昼間に空調設備で利用するものである。この氷を利用する蓄熱装置は、水の顕熱を利用する蓄熱装置に比較すると、氷の潜熱により、より大量の冷熱を蓄熱し得るという利点を有する。
しかしながら、氷は、これを製造するためには、水をその凝固点より十分に低い温度に冷却する必要がある一方、水の凝固点が低いので、冷凍機の成績係数が低下する。また、氷はその取り扱いや輸送等が困難であるので、装置が複雑かつ大型化するという問題点もある。
これに対し、水和物を利用する蓄熱装置も知られている。水和物は、そのゲスト分子の種類やその他の条件を選択することにより、水の凝固点以上の温度で生成することができ、水中において当該水和物の粒子のスラリーを形成し得る。このような水和物からなる蓄熱媒体として、包接水和物の1種である気体水和物が開示されている。(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、この公報に記載された技術は、気体水和物を生成するための冷媒としてフロン系冷媒R11を使用している。このフロン系冷媒R11は、オゾン破壊係数が大きい物質であり、また大気圧下では、気体であるので、密閉容器を用いる必要があり、蓄熱装置が高価になるという問題がある。
本発明者らは、特殊な冷媒を使用することなく、氷よりも高い温度で生成し得る水和物系冷熱輸送媒体を提供すべく研究を行う過程で、冷熱輸送媒体として臭化テトラn−ブチルアンモニウムの水和物に着目した。臭化テトラn−ブチルアンモニウムの水溶液を冷却することによって得られる臭化テトラn−ブチルアンモニウムの水和物は、特殊な冷媒を使用することなく通常の冷却水、ブライン水等により冷却することによってスラリーとして容易に得ることができ、大きな保有熱量を有する。
この臭化テトラn−ブチルアンモニウムは、冷却して使用することも可能であるものの、暖房用に高温で使用することも可能である。
しかし、この臭化テトラn−ブチルアンモニウムは、その溶液中にハロゲンイオンである臭素などの腐食成分が存在するため、その循環系統を構成する金属配管や設備を腐食する恐れがある。特に高温で使用した場合は腐食が厳しく、現状の配管材料で適応することが難しい。
そこで、従来においても配管の腐食対策がなされており、その一例として臭化テトラn−ブチルアンモニウムの水溶液に、亜硝酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウム、ベンゾトリアゾールからなる群の中から選ばれた腐食防止剤を添加する技術が知られている(特許文献2参照)。
特開平2-203138号公報 特開2001−172617号公報
しかしながら、腐食防止の対象となる金属材料に対する特許文献2の技術の防食効果を検討したところ、全面腐食に対しては防止効果があるものの、過剰投入や追加投入した場合、亜硝酸塩などのアノード抑制剤を単独で添加する場合はステンレス鋼などの孔食、鉄や鉄系合金、銅や銅系合金のすき間腐食などの局部腐食を引き起こす可能があることが判明した。
本発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、腐食性、特に局部腐食性が低減された臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物を含む冷熱輸送媒体を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る冷熱輸送媒体は、臭化テトラn−ブチルアンモニウムの水溶液であり、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、の中から選ばれた少なくとも1種の腐食防止剤と水酸化アルカリを含有することを特徴とするものである。
亜硫酸塩としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸カルシウムが好ましく、チオ硫酸塩としては、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸リチウム、チオ硫酸カルシウムが好ましい。また、水酸化アルカリとしては、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムが好ましい。
(2)また、臭化テトラn−ブチルアンモニウムの水溶液であり、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、の中から選ばれた少なくとも1種の腐食防止剤を含有し、水溶液のpHが8〜10であることを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)または(2)に記載する腐食防止剤が、亜硫酸イオン換算で30重量ppm以上20000重量ppm以下の濃度で含有されていることを特徴とするものである。
(4)また、上記(1)に記載する水酸化アルカリが200重量ppm以下の濃度で含有されていることを特徴とするものである。
(5)また、上記(1)に記載のものにおいて、腐食防止剤が亜硫酸イオン換算で30重量ppm以上20000重量ppm以下の濃度で含有され、かつ水酸化アルカリが200重量ppm以下の濃度で含有されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、腐食性、特に局部腐食性が低減された臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物を含む冷熱輸送媒体が得られる。
臭化テトラn−ブチルアンモニウム(以下、「TBAB」という。)の水和物のスラリーは、TBABの水溶液を冷却することにより製造することができる。TBAB水溶液の濃度に特に制限はないが、通常、TBABを5〜42重量%の濃度で含有する水溶液を用いることが好ましい。そして、TBAB水溶液は、例えば一般的な蓄熱空調システムで利用されている温度域5〜12℃の範囲内にある12℃からそれ以下の温度まで、好ましくは8℃〜5℃まで冷却することが望ましい。
本発明のTBAB水和物スラリーを含む冷熱輸送媒体は、腐食防止剤として亜硫酸塩、チオ硫酸塩の中から選ばれた少なくとも1種の腐食防止剤を含有し、さらに水酸化アルカリを含有する。これらの腐食防止剤と水酸化アルカリを含有することにより、冷熱輸送媒体の循環系統を構成する金属配管材料や装置材料のTBAB水和物スラリーによる腐食を抑制、軽減させることができる。特に、ステンレス鋼の孔食、すき間腐食や鉄、鉄系合金、銅、銅系合金のすき間腐食、通気差腐食などの局部腐食を抑制する効果が大きい。
以下、この腐食の抑制、軽減のメカニズムについて説明する。まず、亜硫酸塩、チオ硫酸塩の作用効果について説明する。
TBAB水和物スラリーを含む冷熱輸送媒体の腐食性環境は、冷熱輸送媒体が含有するハロゲンイオンと冷熱輸送媒体水溶液中に含まれる溶存酸素により作られている。
しかし、TBAB水和物スラリーのpHが中性域であるため、ハロゲンイオンより溶存酸素のカソード反応が腐食の主駆動反応となっている。
そのため、本冷熱輸送媒体を循環する系統は基本的に密閉系として、ガス置換脱気や中空糸真空脱気などを行うことで極力媒体中の溶存酸素の低下を図っている。
しかし、密閉系とはいえ、循環系統においてはバルブやポンプから空気が浸入する可能性がある。また、膨張タンク・蓄熱槽などが開放系になっている場合や、冷熱輸送媒体の漏れや減少した際に新規媒体を追加する場合にも循環系統内への空気の浸入が起こる。このように、極力媒体中の溶存酸素の低下を図っていても、実際には空気の浸入があり、これによるトラブルも発生する。
この点、従来の循環水配管で用いられている腐食防止剤では、TBAB水和物スラリー環境においてはこれらの浸入溶存酸素に対する腐食への抑制力が小さい。また、亜硝酸塩などの不働態化を促進する腐食防止剤であれば、全面的な腐食は比較的抑制されるものの、孔食、通気差腐食、ガルバニック腐食などの局部腐食に対する抑制力は小さい。
さらに、通常、これらの腐食防止剤には、臨界濃度があり、ある濃度未満では無添加と比較してむしろ腐食を促進させたり、局部腐食(孔食や隙間腐食)を発生させたりすることがある。
これに対して、本発明の冷熱輸送媒体においては、腐食防止剤として亜硫酸塩やチオ硫酸塩を含有するので、循環系内に浸入する溶存酸素に対して亜硫酸塩やチオ硫酸塩が自己酸化により溶存酸素を消費して、腐食に寄与する溶存酸素を低減させることができる。そのため、従来の腐食防止剤では抑制できなかった腐食の発生を抑制することが可能である。
なお、亜硫酸塩やチオ硫酸塩の含有量は多いほど継続的な効果が期待できる。
しかし、室温において冷熱輸送媒体を飽和溶存酸素状態から完全脱気状態にするために自己酸化に必要な量である亜硫酸イオン換算で30重量ppmを下限とし、冷却媒体として使用する温度(7℃)における最大溶解量である20000重量ppmを上限とすることが好ましい。
上限を規定したのは、過剰に含有すると使用時(7℃)に析出して配管の閉塞が生じたり、金属表面に皮膜を形成し、すき間腐食を発生させる原因になる可能性があるからである。
本発明のTBAB水和物を含む冷熱輸送媒体は、腐食防止剤として亜硫酸塩、チオ硫酸塩からなる群の中から選ばれた少なくとも1種の腐食防止剤に加えて水酸化アルカリを含有する。以下においては、水酸化アルカリを含有することの作用効果について説明する。
TBAB水溶液に亜硫酸塩、チオ硫酸塩から選ばれた少なくとも1種の腐食防止剤を含有することにより、上記のように水溶液中の溶存酸素を低減して、全面腐食を抑制することができる。さらに、水酸化アルカリを添加してTBAB水溶液のpHを適切な範囲とすることにより、すき間腐食や孔食などの局所腐食を抑制することができる。
また、水酸化アルカリを含有することにより、冷熱輸送媒体の循環系統を構成する金属材料として鉄、鉄系合金とともに銅や銅系合金が使用されている場合において、TBAB水和物スラリー中における銅イオンの溶出を抑制、軽減させて、鉄、鉄系合金の腐食を抑制することができる。
以下、この腐食抑制のメカニズムについて説明する。
銅や銅系合金は、循環系で発生する可能性のある硫酸イオンやアンモニアにより高温のTBAB水溶液中での耐食性が幾分低下することがあり、銅イオンの溶出が発生する。
そして、溶け出した銅イオンは循環系内の鉄や鉄系合金に対してカソード反応を示す物質となり、腐食を促進する。
したがって、腐食を抑制するには銅イオンの溶出を抑制、軽減することが必要である。
この点、銅、銅系合金の銅イオンの溶出は、水溶液のpHを弱アルカリ性にシフトすることにより低減が図れ、pH8〜10の範囲が最も溶出を抑制する効果が大きい。ところが、通常、TBABを溶解した水溶液のpHは7〜8程度であり、銅イオン溶出の抑制には十分でない。
そこで、本発明においては、水酸化アルカリを含有させることにより、TBABを含む冷熱輸送媒体の水溶液のpHを8〜10としている。
これによって、銅、銅系合金の溶出を抑制でき、結果として鉄、鉄系合金の銅イオンによる腐食促進を低減できるのである。
なお、pHが11以上になると銅、銅系合金の自己溶解性が高くなるため、水酸化アルカリのその含有量はpHが10になる添加量である200重量ppmを上限とすることが好ましい。
水酸化アルカリとしては、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムを用いるのが好ましい。
このようにTBAB水溶液のpHを8〜10とすることにより、上述した局部腐食抑制や、銅、銅系合金材が用いられている循環系の鉄、鉄系合金の腐食抑制が可能である。pHを8〜10に調整するには、水酸化アルカリを添加することにより可能であるが、他のアルカリ材を添加することにより調整するようにしてもよい。
図1は、本発明の冷熱輸送媒体を利用した蓄熱システムの一例を示すブロック図である。図1に示す蓄熱システムは、冷凍機11、TBAB水和物を製造するための熱交換器12、蓄熱槽13を備える。冷凍機11と熱交換器12との間には、冷凍機11で冷却された水を熱交換器12へ供給するためのラインL1、および熱交換器12からの熱交換済水を冷凍機11へ循環させるためのラインL2が設けられている。ラインL1の途中には、水搬送用のポンプP1が設けられている。
熱交換器12と蓄熱槽13は、ラインL3により接続されている。
蓄熱槽13と熱交換器12は、ラインL4により接続され、その途中には循環ポンプP2が設けられている。
操作に当たり、冷凍機11で例えば4℃に冷却された水を熱交換器12に循環させる。同時に、蓄熱槽13に収容されている本発明の腐食防止剤を含有するTBAB水溶液ASを循環ポンプP2の駆動によりライン4およびラインL3を介して熱交換器12および蓄熱槽13に順次循環させる(第1の循環系統)。熱交換器12でTBAB水溶液ASは冷却された水により冷却されて水和物を生成して大きな保有冷熱量を有するスラリーとなり、蓄熱槽13に収容される。なお、熱交換された水は、冷凍機11に循環されて上記のように冷却される。蓄熱槽13に貯蔵されたTBAB水溶液から生成されたスラリーを空調設備に供給させて冷熱を輸送させる。
本発明の冷熱輸送媒体は、所定の腐食防止剤を含有するTBAB水溶液を5℃〜8℃の程度の温度まで冷却するだけで製造することができ、特殊な冷媒を使用する必要はなく、通常使用されている水やブライン水を冷却して使用することができる。しかも、本発明の冷熱輸送媒体は、腐食性が抑制されているので、配管を腐食させることがほとんどない。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実験例1
TBABを濃度25重量%となるように水に溶解し、このTBAB水溶液に亜硫酸ナトリウム1000ppmと水酸化カルシウム100ppmを添加した(実施例1、2)。得られた溶液に炭素鋼試料または銅試料を35℃または50℃で15日間浸漬した後、試料を取り出し、水洗、乾燥して重量を測定した。そして、この測定値に基づき、1年間での各試料の全面腐食の年間腐食速度を算出した。
比較例として、水酸化カルシウムを添加せずに亜硫酸ナトリウム1000ppm添加した例(比較例1、4)、TBAB水溶液単独(比較例2、5)、TBAB水溶液単独をNガス置換により脱気した例(比較例3、6)についても同様の実験を行った。
この実験について、炭素鋼の結果を表1、銅の結果を表2に示す。
Figure 2006176674
Figure 2006176674
これらの結果は、亜硫酸塩と水酸化カルシウムを添加することにより、炭素鋼と銅に対して、脱気処理にくらべて腐食速度を大幅に低減でき、さらに亜硫酸塩だけを添加した場合より腐食速度をさらに低減できることを示しており、優れた腐食防止効果を有することを確認した。
なお、亜硫酸塩に代えてチオ硫酸ナトリウムを添加した場合も同様の結果を示した。
実験例2
TBABを濃度25重量%となるように水に溶解し、このTBAB水溶液に亜硫酸ナトリウム2000ppmと水酸化カルシウム100ppmを添加し、50℃の流水環境におけるステンレス鋼の局部腐食発生電位と自然電位をポテンシオスタットにより測定した。
また、TBAB水溶液単独と、TBAB水溶液に亜硫酸ナトリウムだけを2000ppm添加した場合についても同様に測定した。
これらの結果を表3に示す。
Figure 2006176674
50℃においてTBAB水溶液に亜硫酸ナトリウムを2000ppmと水酸化カルシウムを100ppm添加した場合にはステンレス鋼の自然電位が局部腐食発生電位より卑で、その電位差が500mVとTBAB単独や亜硫酸ナトリウムだけを添加した場合にくらべて十分に大きいことが示され、局部腐食発生を抑制できることが確認できた。
実験例3
TBABを濃度25重量%となるように水に溶解し、このTBAB水溶液に亜硫酸ナトリウム2000ppmと水酸化カルシウム100ppmを添加し、30、40、50、60℃の流水環境でステンレス鋼と銅の試験板材に塩ビ板を当て板として接触させ、人工的にすき間構造を作製した試験片を30日間浸漬した後に試験後の各試験板材のすき間腐食および孔食の発生状況を観察した。
この実験によりすき間腐食および孔食の発生臨界温度が判る。
また、2000重量ppmの亜硫酸ナトリウムのみを添加して同様の実験を行った。
この実験について、ステンレス鋼の結果を表4、銅の結果を表5に示す。
Figure 2006176674
Figure 2006176674
この結果から、亜硫酸ナトリウムだけを添加した場合には50℃以上ですき間腐食や孔食が発生するが、亜硫酸ナトリウムと水酸化カルシウムを添加することによって高温域までステンレス鋼および銅のすき間腐食や孔食の発生を抑制することが可能であることを確認できた。
以上の実験結果から、本発明によれば、腐食性、特に局部腐食性が低減されたTBAB水溶液の冷熱輸送媒体が提供されることが実証された。
本発明の一実施の形態に係る冷熱輸送媒体を利用した蓄熱システムの一例を示すブロック図である。
符号の説明
11 冷凍機、12 熱交換器、13 蓄熱槽、L1〜L4 ライン、P1,P2 ポンプ、AS TBAB水溶液。

Claims (5)

  1. 臭化テトラn−ブチルアンモニウムの水溶液であり、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、の中から選ばれた少なくとも1種の腐食防止剤と水酸化アルカリを含有することを特徴とする冷熱輸送媒体。
  2. 臭化テトラn−ブチルアンモニウムの水溶液であり、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、の中から選ばれた少なくとも1種の腐食防止剤を含有し、水溶液のpHが8〜10であることを特徴とする冷熱輸送媒体。
  3. 腐食防止剤が亜硫酸イオン換算で30重量ppm以上20000重量ppm以下の濃度で含有されていることを特徴とする請求項1または2に記載の冷熱輸送媒体。
  4. 水酸化アルカリが200重量ppm以下の濃度で含有されていることを特徴とする請求項1に記載の冷熱輸送媒体。
  5. 腐食防止剤が亜硫酸イオン換算で30重量ppm以上20000重量ppm以下の濃度で含有され、かつ水酸化アルカリが200重量ppm以下の濃度で含有されていることを特徴とする請求項1に記載の冷熱輸送媒体。
JP2004371958A 2004-12-22 2004-12-22 冷熱輸送媒体 Expired - Fee Related JP4645187B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004371958A JP4645187B2 (ja) 2004-12-22 2004-12-22 冷熱輸送媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004371958A JP4645187B2 (ja) 2004-12-22 2004-12-22 冷熱輸送媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006176674A true JP2006176674A (ja) 2006-07-06
JP4645187B2 JP4645187B2 (ja) 2011-03-09

Family

ID=36731071

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004371958A Expired - Fee Related JP4645187B2 (ja) 2004-12-22 2004-12-22 冷熱輸送媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4645187B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008108308A1 (ja) * 2007-03-02 2008-09-12 Jfe Engineering Corporation 潜熱蓄熱性物質、包接水和物及びそのスラリー、包接水和物又はそのスラリーの製造方法、潜熱蓄熱剤
JP2008214482A (ja) * 2007-03-02 2008-09-18 Jfe Engineering Kk 包接水和物を生成する性質を有する水溶液、包接水和物及びそのスラリー、包接水和物スラリーの製造方法並びに潜熱蓄熱剤
JP2008214483A (ja) * 2007-03-02 2008-09-18 Jfe Engineering Kk 潜熱蓄熱性物質、水溶液、包接水和物及びそのスラリー、包接水和物の融点調整方法、包接水和物のスラリーの潜熱蓄熱量を増加させる方法並びに、包接水和物又はそのスラリーの製造方法
JP2008297504A (ja) * 2007-06-04 2008-12-11 Panasonic Corp 蓄熱システム
WO2009107240A1 (ja) * 2008-02-29 2009-09-03 Jfeエンジニアリング株式会社 潜熱蓄熱性能を有する包接水和物、その製造方法及び製造装置、潜熱蓄熱媒体ならびに、包接水和物の潜熱蓄熱量の増加方法及び包接水和物の潜熱蓄熱量を増加させる処理装置
US7875749B2 (en) 2007-03-06 2011-01-25 Jfe Engineering Corporation Clathrate hydrate containing quaternary ammonium salt as guest compound
WO2016002596A1 (ja) * 2014-06-30 2016-01-07 シャープ株式会社 蓄熱材およびそれを用いた物品
JP7452527B2 (ja) 2019-03-19 2024-03-19 パナソニックホールディングス株式会社 蓄冷材組成物

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4895007B2 (ja) * 2006-04-10 2012-03-14 Jfeエンジニアリング株式会社 蓄熱剤の調製方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52111436A (en) * 1976-03-16 1977-09-19 Babcock Hitachi Kk Anticorrosion method for stainless steel
JPH02143062A (ja) * 1988-11-24 1990-06-01 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 防食性臭化リチウム水溶液
JP2001172617A (ja) * 1999-12-20 2001-06-26 Nkk Corp 臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物系蓄熱材
JP2004331935A (ja) * 2003-03-10 2004-11-25 Jfe Engineering Kk 冷熱輸送媒体

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52111436A (en) * 1976-03-16 1977-09-19 Babcock Hitachi Kk Anticorrosion method for stainless steel
JPH02143062A (ja) * 1988-11-24 1990-06-01 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 防食性臭化リチウム水溶液
JP2001172617A (ja) * 1999-12-20 2001-06-26 Nkk Corp 臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物系蓄熱材
JP2004331935A (ja) * 2003-03-10 2004-11-25 Jfe Engineering Kk 冷熱輸送媒体

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008108308A1 (ja) * 2007-03-02 2008-09-12 Jfe Engineering Corporation 潜熱蓄熱性物質、包接水和物及びそのスラリー、包接水和物又はそのスラリーの製造方法、潜熱蓄熱剤
JP2008214482A (ja) * 2007-03-02 2008-09-18 Jfe Engineering Kk 包接水和物を生成する性質を有する水溶液、包接水和物及びそのスラリー、包接水和物スラリーの製造方法並びに潜熱蓄熱剤
JP2008214483A (ja) * 2007-03-02 2008-09-18 Jfe Engineering Kk 潜熱蓄熱性物質、水溶液、包接水和物及びそのスラリー、包接水和物の融点調整方法、包接水和物のスラリーの潜熱蓄熱量を増加させる方法並びに、包接水和物又はそのスラリーの製造方法
US7875749B2 (en) 2007-03-06 2011-01-25 Jfe Engineering Corporation Clathrate hydrate containing quaternary ammonium salt as guest compound
JP2008297504A (ja) * 2007-06-04 2008-12-11 Panasonic Corp 蓄熱システム
WO2009107240A1 (ja) * 2008-02-29 2009-09-03 Jfeエンジニアリング株式会社 潜熱蓄熱性能を有する包接水和物、その製造方法及び製造装置、潜熱蓄熱媒体ならびに、包接水和物の潜熱蓄熱量の増加方法及び包接水和物の潜熱蓄熱量を増加させる処理装置
CN101959991A (zh) * 2008-02-29 2011-01-26 杰富意工程株式会社 具有潜热蓄热能力的笼形水合物、其制备方法及装置、潜热蓄热介质、增加笼形水合物的潜热量的方法、以及增加笼形水合物的潜热量的处理装置
US7993544B2 (en) 2008-02-29 2011-08-09 Jfe Engineering Corporation Clathrate hydrate with latent heat storing capability, process for producing the same, and apparatus therefor, latent heat storing medium, and method of increasing amount of latent heat of clathrate hydrate and processing apparatus for increasing amount of latent heat of clathrate hydrate
JP5163738B2 (ja) * 2008-02-29 2013-03-13 Jfeエンジニアリング株式会社 潜熱蓄熱性能を有する包接水和物、その製造方法及び製造装置、潜熱蓄熱媒体ならびに、包接水和物の潜熱蓄熱量の増加方法及び包接水和物の潜熱蓄熱量を増加させる処理装置
US8419969B2 (en) 2008-02-29 2013-04-16 Jfe Engineering Corporation Clathrate hydrate with latent heat storing capability, process for producing the same, and apparatus therefor, latent heat storing medium, and method of increasing amount of latent heat of clathrate hydrate and processing apparatus for increasing amount of latent heat of clathrate hydrate
WO2016002596A1 (ja) * 2014-06-30 2016-01-07 シャープ株式会社 蓄熱材およびそれを用いた物品
JP7452527B2 (ja) 2019-03-19 2024-03-19 パナソニックホールディングス株式会社 蓄冷材組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP4645187B2 (ja) 2011-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4219433A (en) Metal corrosion inhibitor
JP4645187B2 (ja) 冷熱輸送媒体
TWI708867B (zh) 密閉冷卻水系中腐蝕抑制方法及密閉冷卻水系用腐蝕抑制劑以及腐蝕抑制系統
JP2005036060A (ja) 冷熱輸送媒体
CN112725813A (zh) 一种酸性清洗剂及其制备方法
JP2001515119A (ja) 向上された腐食防止作用を有する低粘性冷却ブライン
US4545925A (en) Corrosion inhibited freeze protected heat transfer fluid
CA2406537C (en) Heat transfer fluid for secondary refrigeration systems comprising a formate salt
JP2004331935A (ja) 冷熱輸送媒体
AU2001253572A1 (en) Heat transfer fluid for secondary refrigeration systems comprising a formate salt
JPS5956066A (ja) 密閉循環型吸収式冷凍機
JP2001172617A (ja) 臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物系蓄熱材
JPH05105871A (ja) 冷却液組成物
WO2005007772A1 (en) Feed water composition for boilers
JP4748290B2 (ja) 冷温水用腐食抑制性流れ促進剤
WO2014119788A1 (ja) 密閉循環式冷却水系の腐食抑制方法
JP2001158878A (ja) 冷却液組成物
CN112375546A (zh) 一种高效型冷媒剂
JP6218407B2 (ja) 吸収式冷凍機の運転方法
KR100626268B1 (ko) 보일러용 난방수 조성물
WO2004078876A1 (en) Buffered heat transfer fluid for secondary refrigeration systems comprising a formate salt
Ignatowicz Corrosion aspects in indirect systems with secondary refrigerants
JP2016057046A (ja) 吸収式冷凍機用の吸収液、吸収式冷凍機および吸収式冷凍機の運転方法
JP2002030281A (ja) 冷却液組成物
JP2008189806A (ja) 冷却液組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070302

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101109

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101122

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4645187

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees