JP2016057046A - 吸収式冷凍機用の吸収液、吸収式冷凍機および吸収式冷凍機の運転方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸収式冷凍機の内部において、さらに高い防食性能を図る技術を提供する。【解決手段】吸収式冷凍機用の吸収液であって、リチウムブロマイドを含有するとともに、没食子酸を含有する。また、没食子酸の含有量としては、100ppm以上1%以下とすることが好ましい。さらに、吸収液がリチウムブロマイド(LiBr)を含有する吸収式冷凍機1の運転方法であって、吸収液の循環系11に於ける減圧状態が破れ、酸素が前記循環系に混入した場合に、前記吸収液に没食子酸を投入する。【選択図】図1
Description
本発明は、吸収式冷温水機等として使用される吸収式冷凍機技術に関するものであり、吸収液としてリチウムブロマイド(LiBr)水溶液を使用する吸収式冷凍機における吸収式冷凍機用の吸収液、吸収式冷凍機および吸収式冷凍機の運転方法に関する。
リチウムブロマイド(LiBr)水溶液を吸収液とし、たとえば、アノード型インヒビターを吸収液に含有して運転される吸収式冷凍機がある。リチウムブロマイド(LiBr)水溶液を吸収液として、運転される吸収式冷凍機では、その循環系内の機器に接続部等から空気が系内に侵入する場合がある。この空気に含まれる酸素は、吸収液内に溶け込み酸化剤として働く。このような新たに侵入した酸素により、局部腐食等が進行しやすい状況となる。このような吸収式冷凍機の運転・維持管理にあたっては、局部腐食が過度に進行し、吸収液の循環系統内に酸素を含む空気が混入するような状態に達すると、直に運転を停止し、専任のサービス員を呼んでメンテナンスが行われる。この場合、酸素は、吸収液内に溶解し酸化剤として働き腐食の要因となる。なお、従来のLiBr水溶液で用いる鉄用のインヒビターは、アノード反応抑制型(酸化剤タイプ)であるため、空気混入時には、鉄材に孔食、隙間腐食等の局部腐食を起こしやすい。
そこで特許文献1には、このような吸収液に、中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ酸塩を含有させることにより、吸収液に含まれる酸素を還元除去し、系内を防食することが有効であることが示されている。
しかし、上述の吸収液に中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ酸塩を含有させると、鉄材に対する防食効果はある程度得られるものの、前記鉄材よりも耐腐食性が高いと考えられており、薄肉に設けられる銅材からなる銅材部が存在するような場合、前記オキソ酸による銅材に対する防食効果が十分とは言えない事象が発生する場合があることを本発明者らは見出した。また、このような事情により、吸収式冷凍機の耐久性が低下する場合があり、保守点検にも労力を要する場合があった。
そこで、本発明の目的は、吸収式冷凍機の内部において、さらに高い防食性能を図る技術を提供することにある。
〔構成1〕
上記目的を達成するための本発明の吸収式冷凍機用の吸収液の特徴構成は、吸収式冷凍機用の吸収液であって、リチウムブロマイド(LiBr)を含有するとともに、没食子酸を含有する点にある。
上記目的を達成するための本発明の吸収式冷凍機用の吸収液の特徴構成は、吸収式冷凍機用の吸収液であって、リチウムブロマイド(LiBr)を含有するとともに、没食子酸を含有する点にある。
〔作用効果1〕
上記構成によると、吸収液に対して、没食子酸は、中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ酸塩よりも高い還元能力に基づく強い防食効果を発揮できることがわかった。また、この没食子酸によると、リチウムブロマイド(LiBr)を含有する吸収液の吸収性能に大きな影響を与えることもないので、吸収式冷凍機用として好適に用いることができるようになった。
上記構成によると、吸収液に対して、没食子酸は、中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ酸塩よりも高い還元能力に基づく強い防食効果を発揮できることがわかった。また、この没食子酸によると、リチウムブロマイド(LiBr)を含有する吸収液の吸収性能に大きな影響を与えることもないので、吸収式冷凍機用として好適に用いることができるようになった。
〔構成2〕
また、前記没食子酸の含有量としては、100ppm以上1%以下とすることが好ましい。
また、前記没食子酸の含有量としては、100ppm以上1%以下とすることが好ましい。
〔作用効果2〕
没食子酸の含有量は、少なすぎると効果が少なく、長期使用に耐えないという事情から、100ppm以上とすることが望ましく、含有量が多すぎても、添加量の増加に伴う防食効果の向上が乏しくなり(効果が飽和し)、また、吸収液の物性に影響が生じる懸念もあることから、1%以下とすることが望ましい。なお、さらに望ましくは125ppm以上500ppm以下である。
没食子酸の含有量は、少なすぎると効果が少なく、長期使用に耐えないという事情から、100ppm以上とすることが望ましく、含有量が多すぎても、添加量の増加に伴う防食効果の向上が乏しくなり(効果が飽和し)、また、吸収液の物性に影響が生じる懸念もあることから、1%以下とすることが望ましい。なお、さらに望ましくは125ppm以上500ppm以下である。
〔構成3〕
また、本発明の吸収式冷凍機の特徴構成は、吸収液がリチウムブロマイド(LiBr)を含有するとともに、前記吸収液が没食子酸を含有する点にある。
また、本発明の吸収式冷凍機の特徴構成は、吸収液がリチウムブロマイド(LiBr)を含有するとともに、前記吸収液が没食子酸を含有する点にある。
〔作用効果3〕
吸収液がリチウムブロマイド(LiBr)を含有すると、吸収液の性能は極めて高いのに対して、吸収液の循環する循環路における腐食性の面で、長期耐久性に改善の余地があったが、前記吸収液に没食子酸を含有することによって、没食子酸の高い防食性能に基づき、前記循環路における腐食の発生が抑制されるとともに、長期耐久性が改善されるにいたった。
吸収液がリチウムブロマイド(LiBr)を含有すると、吸収液の性能は極めて高いのに対して、吸収液の循環する循環路における腐食性の面で、長期耐久性に改善の余地があったが、前記吸収液に没食子酸を含有することによって、没食子酸の高い防食性能に基づき、前記循環路における腐食の発生が抑制されるとともに、長期耐久性が改善されるにいたった。
〔構成4〕
なお、前記吸収式冷凍機が、吸収液の循環系に銅材部を有してもよい。
なお、前記吸収式冷凍機が、吸収液の循環系に銅材部を有してもよい。
〔作用効果4〕
吸収式冷凍機を構成する部材には、高い伝熱性の要求される部分で銅製の部材が利用され、特に伝熱性を高めるために薄肉に形成された銅管などが、吸収器に設けられる熱交換器を構成する銅部材として用いられている。前記吸収液が没食子酸を含有することで吸収液が高い防食性を備えたので、吸収式冷凍機に伝熱性の高い薄肉の銅部材を用いたとしても、優れた長期耐久性を発揮することとなるので好ましい。
吸収式冷凍機を構成する部材には、高い伝熱性の要求される部分で銅製の部材が利用され、特に伝熱性を高めるために薄肉に形成された銅管などが、吸収器に設けられる熱交換器を構成する銅部材として用いられている。前記吸収液が没食子酸を含有することで吸収液が高い防食性を備えたので、吸収式冷凍機に伝熱性の高い薄肉の銅部材を用いたとしても、優れた長期耐久性を発揮することとなるので好ましい。
〔構成5〕
また、本発明の吸収式冷凍機の運転方法の特徴構成は、吸収液がリチウムブロマイド(LiBr)を含有する吸収式冷凍機の運転方法であって、前記吸収液の循環系に於ける減圧状態が破れ、酸素が前記循環系に混入した場合に、前記吸収液に没食子酸を投入する点にある。
また、本発明の吸収式冷凍機の運転方法の特徴構成は、吸収液がリチウムブロマイド(LiBr)を含有する吸収式冷凍機の運転方法であって、前記吸収液の循環系に於ける減圧状態が破れ、酸素が前記循環系に混入した場合に、前記吸収液に没食子酸を投入する点にある。
〔作用効果5〕
吸収液の循環系における減圧状態が破れたことを察知することができれば、その循環系に酸素が混入した状況を知ることができる。酸素が混入してしまうと、その循環系内の構成部材が腐食傾向に進むが、前記吸収液に没食子酸を投入することによって、混入してしまった酸素を還元除去することができる。そのため、系内が腐食傾向に進むのを効果的に抑制することができ、吸収式冷凍機の運転状況を良好に維持することができるようになる。
吸収液の循環系における減圧状態が破れたことを察知することができれば、その循環系に酸素が混入した状況を知ることができる。酸素が混入してしまうと、その循環系内の構成部材が腐食傾向に進むが、前記吸収液に没食子酸を投入することによって、混入してしまった酸素を還元除去することができる。そのため、系内が腐食傾向に進むのを効果的に抑制することができ、吸収式冷凍機の運転状況を良好に維持することができるようになる。
したがって、吸収式冷凍機の内部における防食性を高めることができ、吸収式冷凍機をより耐久性高く用いることができるようになった。
以下に、本発明の実施形態にかかる吸収式冷凍機を説明し、併せて、吸収式冷凍機用の吸収液、および、吸収式冷凍機の運転方法を説明する。なお、以下に好適な実施形態を記すが、これら実施形態はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
〔吸収式冷凍機〕
図1に、対応する吸収式冷凍機1の一例を示す。
この吸収式冷凍機1は、所謂、二重効用式の吸収式冷凍機であり、凝縮器2、低温再生器3、高温再生器4、吸収器5、蒸発器6等を、所定の経路7で接続して構成されている。さらに、上記の主要な機器の他に、熱交換器8、溶液ポンプ9、冷媒ポンプ10等が備えられて構成されている。
図1に、対応する吸収式冷凍機1の一例を示す。
この吸収式冷凍機1は、所謂、二重効用式の吸収式冷凍機であり、凝縮器2、低温再生器3、高温再生器4、吸収器5、蒸発器6等を、所定の経路7で接続して構成されている。さらに、上記の主要な機器の他に、熱交換器8、溶液ポンプ9、冷媒ポンプ10等が備えられて構成されている。
さて、このような吸収式冷凍機1にあっては、減圧状態に維持される吸収液循環系統11が備えられ、この吸収液循環系統11内を、吸収液として、アノード型インヒビターを含有したリチウムブロマイド(LiBr)水溶液が吸収液として循環する構成とされている。そして、前記吸収液に没食子酸を含有させておく。または、長期使用時において、追加投入を行う。これにより、前記吸収液による防食効果が発揮され、吸収液の循環系における腐食が抑制される。
ここで、アノード型インヒビターは、本発明の要部を構成するものではないが、吸収式冷凍機1の一部構成機器を成す鉄材(ステンレス鋼を除く)に対して酸化剤的に働く添加剤であり、鉄材を不動態化させて水素の発生を抑えることができると考えられるものである。具体的には、モリブデン酸組成物(たとえばLiOH+Li2MoO4のような組成物)が好適に用いられている。
〔吸収式冷凍機の運転方法〕
また、上記実施形態に示した吸収式冷凍機の運転方法を行う場合には、上記構成に追加して、図1に破線で記載の以下の構成を備えることができる。つまり、減圧状態に維持される吸収液循環系統11が備えられ、この吸収液循環系統11内を、吸収液として、アノード型インヒビターおよび没食子酸を含有したリチウムブロマイド(LiBr)水溶液が吸収液として循環する構成とされている。そして、前記吸収式冷凍機1に、先に説明した吸収液循環系統11の減圧状態を監視する監視機構12を備える。これは、機器が正常な運転状態にあるか、循環系内の接続部等からこの系統内に外気の空気が混入したかどうかを、系の減圧状態の変化から検出するものである。さらに、この監視機構12により、減圧状態が破られた状態が検出された場合に、吸収液循環系統11内に、没食子酸を投入する投入機構13を備える。即ち、吸収式冷凍機1にとって、過酷な条件となっている高温再生器4や低温再生器3や、他の投入に適した部位に、上記没食子酸を投入することにより、混入した空気中の酸素を、投入された没食子酸に消費させることによって、腐食の進行を抑制できるようになっている。投入される没食子酸は、好適には水溶液として供給される。
また、上記実施形態に示した吸収式冷凍機の運転方法を行う場合には、上記構成に追加して、図1に破線で記載の以下の構成を備えることができる。つまり、減圧状態に維持される吸収液循環系統11が備えられ、この吸収液循環系統11内を、吸収液として、アノード型インヒビターおよび没食子酸を含有したリチウムブロマイド(LiBr)水溶液が吸収液として循環する構成とされている。そして、前記吸収式冷凍機1に、先に説明した吸収液循環系統11の減圧状態を監視する監視機構12を備える。これは、機器が正常な運転状態にあるか、循環系内の接続部等からこの系統内に外気の空気が混入したかどうかを、系の減圧状態の変化から検出するものである。さらに、この監視機構12により、減圧状態が破られた状態が検出された場合に、吸収液循環系統11内に、没食子酸を投入する投入機構13を備える。即ち、吸収式冷凍機1にとって、過酷な条件となっている高温再生器4や低温再生器3や、他の投入に適した部位に、上記没食子酸を投入することにより、混入した空気中の酸素を、投入された没食子酸に消費させることによって、腐食の進行を抑制できるようになっている。投入される没食子酸は、好適には水溶液として供給される。
したがって、本願の実施形態にかかる吸収式冷凍機1にあっては、所定の状態に維持されながら運転されてきた吸収式冷凍機1において、接続部等から空気が混入した場合に、この状態が検出され、系の溶液内に前記没食子酸が投入される。このようにすると、系内への酸素の混入にも係わらず、孔食等の発生を抑えることができる。
以上が、本願の実施形態にかかる吸収式冷凍機の運転方法を採用する構成の吸収式冷凍機1の構成であるが、このようなメンテナンスの有効性に関するデータについて説明する。
〔没食子酸の防食効果の実証試験〕
上記吸収液をフラスコに封入した試験装置を作成し、銅片を1か月間浸漬して放置し、その銅片の腐食速度を調べたところ図2に示すようになった。図中、「添加剤」として、「なし」と記載のものは、アノード型インヒビターを含有したリチウムブロマイド(LiBr)水溶液をそのまま吸収液としたものであり、「添加剤」として「亜硫酸水素Na」、「没食子酸」とあるのは、それぞれ、「亜硫酸水素Na」、「没食子酸」を、前記吸収液に添加してあることを示し、その添加量を「添加量」として示すものである。「雰囲気」として、Ar脱気とあるのは、フラスコ内を脱気してAr置換した状態を意味し、Ar+0.5%O2とあるものは、フラスコ内を脱気して、0.5%O2含有Arガスで置換した酸素含有アルゴン雰囲気を意味する。
上記吸収液をフラスコに封入した試験装置を作成し、銅片を1か月間浸漬して放置し、その銅片の腐食速度を調べたところ図2に示すようになった。図中、「添加剤」として、「なし」と記載のものは、アノード型インヒビターを含有したリチウムブロマイド(LiBr)水溶液をそのまま吸収液としたものであり、「添加剤」として「亜硫酸水素Na」、「没食子酸」とあるのは、それぞれ、「亜硫酸水素Na」、「没食子酸」を、前記吸収液に添加してあることを示し、その添加量を「添加量」として示すものである。「雰囲気」として、Ar脱気とあるのは、フラスコ内を脱気してAr置換した状態を意味し、Ar+0.5%O2とあるものは、フラスコ内を脱気して、0.5%O2含有Arガスで置換した酸素含有アルゴン雰囲気を意味する。
図より、没食子酸を用いた場合には、中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ酸塩を用いた場合に比べて高い防食性能を示していることがわかる。また、没食子酸が、吸収液に100ppm以上添加されている場合に高い防食性能が発揮されていることが別途実験より明らかになっており、没食子酸を吸収液に100ppm以上添加しておくことで、吸収式冷凍機1内部の銅管部における腐食を有効に抑制することができることが分かった。なお、防食性能に関して添加量に上限はないが、効果の持続性、吸収液の吸収性能に対する影響、コスト面等の実用性の面から1%以下程度とすることが好ましい。さらに好ましくは125ppm以上500ppm以下程度である。
〔種々の添加剤の防食効果比較試験〕
また、銅片の腐食速度を反映すると思われる腐食電位を測定したところ、種々添加剤に対する腐食電位の添加量依存性は図3のようになった。
アノード型インヒビターを含有したリチウムブロマイド(LiBr)50%水溶液に対し、添加剤としては、亜硫酸Na、亜硫酸水素Na、チオ硫酸Naを用いた。また、雰囲気は、無酸素アルゴン雰囲気(Arのみ)、0.5%酸素含有アルゴン雰囲気(Ar+0.5%O2)として両者の電位を比較した。
また、銅片の腐食速度を反映すると思われる腐食電位を測定したところ、種々添加剤に対する腐食電位の添加量依存性は図3のようになった。
アノード型インヒビターを含有したリチウムブロマイド(LiBr)50%水溶液に対し、添加剤としては、亜硫酸Na、亜硫酸水素Na、チオ硫酸Naを用いた。また、雰囲気は、無酸素アルゴン雰囲気(Arのみ)、0.5%酸素含有アルゴン雰囲気(Ar+0.5%O2)として両者の電位を比較した。
その結果、没食子酸の添加量を125ppmとした場合においても、腐食電位は、空気の混入がない状態と同じレベルの電位に抑制されていることが確認できている。これは、他の添加剤に比べて十分低く、アルゴンのみの雰囲気に匹敵する腐食速度を維持できることを示すものである。一方、他の添加剤の防食効果が、0.5%酸素含有アルゴン雰囲気における電位より低いが、無酸素アルゴン雰囲気と比して3倍程度の腐食速度程度に抑制する程度の電位(−520mV以上)程度(図中破線で示す)までの防食効果しか得られていないことがわかり、没食子酸による防食効果がきわめて高く、少量の没食子酸添加で、他の添加剤500ppm以上の添加に匹敵する。
また、添加剤の添加管理において、少量で管理できることによりコストダウンを図ることができること、初期投入した添加剤が劣化した場合であっても、防食効果が継続されることが考えられる。
また、添加剤の添加管理において、少量で管理できることによりコストダウンを図ることができること、初期投入した添加剤が劣化した場合であっても、防食効果が継続されることが考えられる。
〔別実施形態〕
また、インヒビターとして、モリブデン酸組成物に代表されるアノード型インヒビターを用いたが、これに限るものではない。また、銅の腐食防止を主な目的としたが、ほかの金属に対する防食効果も明らかなので、吸収式冷凍機一般に適用できることが明らかである。
さらに、従来の中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ酸塩として、例えば、亜硫酸ナトリウムなどの亜硫酸塩又は亜硫酸水素塩等を追加で含有することを妨げるものではない。
また、インヒビターとして、モリブデン酸組成物に代表されるアノード型インヒビターを用いたが、これに限るものではない。また、銅の腐食防止を主な目的としたが、ほかの金属に対する防食効果も明らかなので、吸収式冷凍機一般に適用できることが明らかである。
さらに、従来の中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ酸塩として、例えば、亜硫酸ナトリウムなどの亜硫酸塩又は亜硫酸水素塩等を追加で含有することを妨げるものではない。
本発明によると、吸収式冷凍機の内部における防食性を高めることができ、吸収式冷凍機をより耐久性高く用いることができるようになった。
1 :吸収式冷凍機
2 :凝縮器
3 :低温再生器
4 :高温再生器
5 :吸収器
6 :蒸発器
7 :経路
8 :熱交換器
9 :溶液ポンプ
10 :冷媒ポンプ
11 :吸収液循環系統
12 :監視機構
13 :投入機構
2 :凝縮器
3 :低温再生器
4 :高温再生器
5 :吸収器
6 :蒸発器
7 :経路
8 :熱交換器
9 :溶液ポンプ
10 :冷媒ポンプ
11 :吸収液循環系統
12 :監視機構
13 :投入機構
Claims (5)
- 吸収式冷凍機用の吸収液であって、リチウムブロマイド(LiBr)を含有するとともに、没食子酸を含有する吸収式冷凍機用の吸収液。
- 前記没食子酸を、100ppm以上1%以下含有する請求項1に記載の吸収式冷凍機用の吸収液。
- 吸収液がリチウムブロマイド(LiBr)を含有する吸収式冷凍機であって、前記吸収液が没食子酸を含有する吸収式冷凍機。
- 前記吸収式冷凍機が、吸収液の循環系に銅材部を有する請求項3に記載の吸収式冷凍機。
- 吸収液がリチウムブロマイド(LiBr)を含有する吸収式冷凍機の運転方法であって、前記吸収液の循環系に於ける減圧状態が破れ、酸素が前記循環系に混入した場合に、前記吸収液に没食子酸を投入する吸収式冷凍機の運転方法。
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