JPH0735433A - 吸収式冷暖房機および腐食防止方法 - Google Patents

吸収式冷暖房機および腐食防止方法

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JPH0735433A
JPH0735433A JP18106293A JP18106293A JPH0735433A JP H0735433 A JPH0735433 A JP H0735433A JP 18106293 A JP18106293 A JP 18106293A JP 18106293 A JP18106293 A JP 18106293A JP H0735433 A JPH0735433 A JP H0735433A
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JP
Japan
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stainless steel
corrosion
lithium bromide
absorption type
inhibitor
Prior art date
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Pending
Application number
JP18106293A
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English (en)
Inventor
Hidemasa Nonaka
英正 野中
Toshihiro Fujino
利弘 藤野
Kazumi Yamamoto
和美 山本
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インヒビターを添加した状態においてもステ
ンレス鋼の局部腐食を発生して問題を起こすことがない
吸収式冷暖房機を得るとともに、インヒビターを添加し
た状態でリチウムブロマイド水溶液を接触されて使用さ
れるステンレス鋼における局部腐食の問題が発生しない
腐食防止方法を得る。 【構成】 吸収剤としてリチウムブロマイド(LiB
r)を、冷媒として水を使用し、鉄材より成る機器とス
テンレス鋼より成る機器とを共に備えるとともに、リチ
ウムブロマイド水溶液による前記鉄材の腐食防止用にア
ノード型インヒビターを添加して運転される吸収式冷暖
房機において、機器構成材としてのステンレス鋼に、珪
素(Si)を含有するステンレス鋼を採用し、同条件下
で使用されるステンレス鋼に、こういった材料を使用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リチウムブロマイド水
溶液を動作媒体として動作する吸収式冷暖房機に関する
とともに、こういった吸収式冷暖房機に備えられる高温
側機器(再生器、熱交換器等)に採用されるステンレス
鋼の腐食防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】以下、吸収式冷暖房機を例に採って説明
する。吸収式冷暖房機において、リチウムブロマイド
(LiBr)を吸収剤として、水を冷媒として使用する
ものが知られている。この種の吸収式冷暖房機は、動作
媒体であるリチウムブロマイド水溶液の二つの濃度状態
(もしくはそれ以上)の間においてサイクルを形成して
動作されるものであるが、吸収式冷暖房機を構成するい
くつかの機器は、前記のサイクル中の特定状態に対応す
るため、高温に設定される。例えば、通常再生器は15
7度程度に設定されるとともに、この再生器の下手側に
配設される熱交換器も、一部が同程度の温度状態に設定
されて運転される。従って、このような機器には、その
腐食対策としてステンレス鋼が採用されている。一方、
低温側の機器を構成する材料としては通常の鉄材が採用
されている。そして、腐食性の強いリチウムブロマイド
水溶液による鉄材側の腐食を抑制するために、塩基度調
整用の水酸化リチウム(LiOH)とモリブデン酸リチ
ウム(Li2MoO4 )、硝酸リチウム(LiNO3)等
のアノード型インヒビターがリチウムブロマイド水溶液
に添加されて運転され、鉄側の腐食が良好に防止されて
いる。さらに、上記のアノード型インヒビターを添加さ
れないで運転される吸収式冷暖房機においても、動作媒
体としてのリチウムブロマイド水溶液に、前述の鉄材、
ステンレス鋼に対して酸化剤的に働く溶存酸素が残留し
た状態で運転されるものがある。この溶存酸素は運転開
始時等におこなわれる脱気処理にも係わらず、これが微
量ながら残留し、その酸化活性を示す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、吸収式
冷暖房機を構成する機器で、高温側の機器、例えば再生
器には前述のようにステンレス鋼が採用される場合があ
る。そして、前述のアノード型インヒビターは、鉄を不
動態化するだけの酸化力をもっているため、ステンレス
鋼に対しては、孔食、隙間腐食等の局部腐食を発生させ
やすい。この状態を、鉄、ステンレス鋼について図2、
図3に示す分極曲線を用いて説明する。図2は鉄に対す
る分極曲線を示し、図2(イ)がアノード型インヒビタ
ーの添加のないLiOHのみの状態を、図2(ロ)がL
iOHとアノード型インヒビターが添加されて不動態化
が図られている状態を示している。即ち、図2(ロ)の
鉄においては、図2(イ)でAに示す部位(活性態ピー
ク)が、アノード型インヒビターの添加により消滅する
(全面腐食がとまる)こととなるとともに、鉄の自然腐
食電位Ecorrは、再不動態化電位Epro より低く維持さ
れて、局部腐食が防止できる。一方、図3(イ)(ロ)
は通常のステンレス鋼における分極曲線を示し、図3
(イ)がアノード型インヒビターの添加のないLiOH
のみの状態を、図3(ロ)がLiOHとアノード型イン
ヒビターが添加されている状態を示している。即ち、ス
テンレス鋼においては、アノード型インヒビターの添加
により、自然腐食電位Ecorrと再不動態化電位Epro と
の逆転(アノード型インヒビターの添加により自然腐食
電位Ecorrが再不動態化電位Epro より高くなる。)が
発生することとなり、局部腐食が問題となる状況が発生
する。
【0004】一方、アノード型インヒビターを添加され
ないで運転される吸収式冷暖房機においても、前述の溶
存酸素が酸化剤的に作用し、ステンレス鋼の状態を局部
腐食が起きやすい状態に導く場合がある。
【0005】従って、本発明の目的は、アノード型イン
ヒビターを添加した状態、もしくは溶存酸素が残留して
いる場合においてもステンレス鋼の局部腐食を発生して
問題を起こすことがない吸収式冷暖房機を得るととも
に、アノード型インヒビターを添加した状態でリチウム
ブロマイド水溶液に接触されて使用される、もしくは溶
存酸素が残留したリチウムブロマイド水溶液と接触して
使用されるステンレス鋼における局部腐食の問題を発生
しない腐食防止方法を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明による吸収式冷暖房機の特徴構成は、吸収剤と
してリチウムブロマイド(LiBr)を、冷媒として水
を使用し、鉄材より成る機器とステンレス鋼より成る機
器とを共に備えるとともに、リチウムブロマイド水溶液
による鉄材の腐食防止用にアノード型インヒビターを添
加して運転される吸収式冷暖房機において、機器構成材
としてのステンレス鋼に、珪素(Si)を含有するステ
ンレス鋼を採用してなることにある。さらに、腐食防止
方法の特徴手段は、アノード型インヒビターを含むリチ
ウムブロマイド水溶液と接触して腐食を受け、ステンレ
ス鋼より構成される部位に、珪素(Si)を含有するス
テンレス鋼を採用して、前記腐食を防止することにあ
る。一方、溶存酸素の問題に対する本発明の吸収式冷暖
房機の特徴構成は、これが、吸収剤としてリチウムブロ
マイド(LiBr)を、冷媒として水を使用し、溶存酸
素が残留するリチウムブロマイド水溶液を動作媒体とす
る吸収式冷暖房機において、機器構成材として珪素(S
i)を含有するステンレス鋼を採用してなることにあ
り、この状況に於ける腐食防止方法の特徴手段は、溶存
酸素が残留するリチウムブロマイド水溶液と接触して腐
食を受け、且つステンレス鋼より構成される部位に、珪
素(Si)を含有するステンレス鋼を採用して、前記腐
食を防止することにある。そして、それらの作用・効果
は次の通りである。
【0007】
【作用】以下の説明において、アノード型インヒビター
と溶存酸素はステンレス鋼に対して共に酸化剤として働
くこととなるため、アノード型インヒビターを例に主に
説明する。ステンレス鋼に珪素(Si)を添加すると、
図1(横軸;珪素の含有量(%)、縦軸;電位)に示す
ように、ステンレス鋼の自然腐食電位Ecorrが再不動態
化電位Epro より低くなる。結果、珪素(Si)入りの
ステンレス鋼を用いると、例えアノード型インヒビター
が添加される(溶存酸素が残留している)リチウムブロ
マイド水溶液に接触して使用される部位に配設されるス
テンレス鋼においても、その局部腐食の問題を解消する
ことが可能となる。従って、このような材料を、例え
ば、吸収式冷暖房機の再生器もしくは熱交換器の構成材
料として使用する場合は、例え腐食性の高いリチウムブ
ロマイド水溶液を使用するものにおいても、鉄材側の腐
食がアノード型インヒビターで抑えられるとともに、ス
テンレス鋼側の局部腐食の問題も発生しない吸収式冷暖
房機を得ることができる(ここで、鉄材に対しては溶存
酸素はその腐食を促進する方向に進めるため、鉄材との
関係においては同様のことはいえないが、ステンレス鋼
に対する作用は同様となる。)。以下さらに、詳細に前
掲の分極曲線を使用して説明すると、図3(ロ)に示す
ように、アノード型インヒビターが添加された(溶存酸
素が残留している)リチウムブロマイド水溶液に接触し
ているステンレス鋼においては、自然腐食電位Ecorrが
再不動態化電位Epro より高くなる。しかしながら、こ
のステンレス鋼に珪素(Si)を含有することにより、
分極曲線は、アノード型インヒビター(溶存酸素)の存
在にも係わらず、図4のようになり、局部腐食の問題が
解消されることとなる。ここで、ステンレス鋼材料とし
ては、高純度フェライト系、オーステナイト系のものを
使用している。
【0008】
【発明の効果】従って、アノード型インヒビターを添加
した(溶存酸素が残留している)状態においてもステン
レス鋼の局部腐食を発生して問題を起こすことがない吸
収式冷暖房機を得るとともに、アノード型インヒビター
を添加した(溶存酸素が残留している)状態でリチウム
ブロマイド水溶液を接触されて使用されるステンレス鋼
における局部腐食の問題が発生しない腐食防止方法を得
ることができた。
【0009】
【実施例】吸収式冷暖房機の一例としての二重効用吸収
冷凍機において、高温側再生器、低温側再生器、高温側
熱交換器を珪素を1%以上(望ましくは2%以上)含有
するステンレス鋼を利用して作成した。一方、低温側熱
交換器、吸収器等さらに、本体フレームを鉄材から構成
した。この二重効用吸収冷凍機を運転したところ、ステ
ンレス鋼に於ける腐食の問題は発生しなかった。
【0010】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】珪素の添加量と自然腐食電位、再不動態化電位
との関係を示す図
【図2】アノード型インヒビター無添加、添加状態にあ
る鉄材の分極曲線を示す図
【図3】アノード型インヒビター無添加、添加状態にあ
るステンレス鋼の分極曲線を示す図
【図4】アノード型インヒビター添加状態にあり、珪素
を添加されたステンレス鋼の分極曲線を示す図

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸収剤としてリチウムブロマイド(Li
    Br)を、冷媒として水を使用し、鉄材より成る機器と
    ステンレス鋼より成る機器とを共に備え、且つリチウム
    ブロマイド水溶液による前記鉄材の腐食防止用にアノー
    ド型インヒビターを添加して運転される吸収式冷暖房機
    において、 前記機器構成材としてのステンレス鋼に、珪素(Si)
    を含有するステンレス鋼を採用してなる吸収式冷暖房
    機。
  2. 【請求項2】 再生器もしくは熱交換器の一方、もしく
    はそれら両方が前記珪素(Si)を含有するステンレス
    鋼から成る請求項1記載の吸収式冷暖房機。
  3. 【請求項3】 前記珪素(Si)の含有割合が1%以上
    である請求項1もしくは2記載の吸収式冷暖房機。
  4. 【請求項4】 アノード型インヒビターを含むリチウム
    ブロマイド水溶液と接触して腐食を受け、且つステンレ
    ス鋼より構成される部位に、珪素(Si)を含有するス
    テンレス鋼を採用して、前記腐食を防止する腐食防止方
    法。
  5. 【請求項5】 前記珪素(Si)の含有割合が1%以上
    である請求項4記載の腐食防止方法。
  6. 【請求項6】 吸収剤としてリチウムブロマイド(Li
    Br)を、冷媒として水を使用し、溶存酸素が残留する
    リチウムブロマイド水溶液を動作媒体とする吸収式冷暖
    房機において、機器構成材として珪素(Si)を含有す
    るステンレス鋼を採用してなる吸収式冷暖房機。
  7. 【請求項7】 溶存酸素が残留するリチウムブロマイド
    水溶液と接触して腐食を受け、且つステンレス鋼より構
    成される部位に、珪素(Si)を含有するステンレス鋼
    を採用して、前記腐食を防止する腐食防止方法。
JP18106293A 1993-07-22 1993-07-22 吸収式冷暖房機および腐食防止方法 Pending JPH0735433A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014181862A (ja) * 2013-03-19 2014-09-29 Osaka Gas Co Ltd 吸収式冷凍機用の吸収液、吸収式冷凍機および吸収式冷凍機の運転方法
JP2016057046A (ja) * 2014-09-12 2016-04-21 大阪瓦斯株式会社 吸収式冷凍機用の吸収液、吸収式冷凍機および吸収式冷凍機の運転方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014181862A (ja) * 2013-03-19 2014-09-29 Osaka Gas Co Ltd 吸収式冷凍機用の吸収液、吸収式冷凍機および吸収式冷凍機の運転方法
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