JP3547265B2 - 吸収式冷凍機のメンテナンス方法及び吸収式冷凍機 - Google Patents

吸収式冷凍機のメンテナンス方法及び吸収式冷凍機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸収式冷暖房機等として使用される吸収式冷凍機技術に関するものであり、吸収液としてリチウムブロマイド(LiBr)水溶液を使用する吸収式冷凍機のメンテナンス方法及び吸収式冷凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウムブロマイド(LiBr)水溶液を吸収液とし、少なくともアノード型インヒビターを吸収液に含有して運転される吸収式冷凍機がある。このような吸収式冷凍機の運転・維持管理にあたっては、吸収液の循環系統内に酸素を含む空気が混入した場合には、直に運転を停止し、専任のサービス員を呼んでメンテナンスが行われる。この場合、酸素は、吸収液内に溶解し酸化剤として働き腐食の要因となる。一方、従来のLiBr水溶液で用いる鉄用のインヒビターは、アノード反応抑制型(酸化剤タイプ)であるため、空気混入時には、鉄材に孔食、隙間腐食等の局部腐食を起こしやすい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この様な孔食部における酸素の影響を低減させるとともに、吸収液内に含有されるアノード型インヒビターの効果を適切に維持することが好ましい。
しかしながら、このような状況にあって、従来は、積極的な対策がなく、アノード型インヒビターの濃度を、既存設定の状態(正常な状態)に戻す操作をおこなうのみであった。
【0004】
従って、本発明の目的は、吸収式冷凍機の吸収液の循環系内に空気の混入があって局部腐食が発生し、または発生しかけている部位において、この局部腐食の進行を抑制することが可能な、吸収式冷凍機のメンテナンス方法を得、さらに、このメンテナンス方法を有効に使用する吸収式冷凍機を得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕
上記目的を達成するための本発明による請求項1に係わるリチウムブロマイド(LiBr)水溶液を吸収液とし、少なくともアノード型インヒビターを吸収液に含有して運転される吸収式冷凍機のメンテナンス方法の特徴手段は、吸収液の循環系に於ける減圧状態が破れ、酸素が前記循環系に混入した場合に、この循環系内に中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ酸塩を投入することにある。
〔作用・効果〕
リチウムブロマイド(LiBr)水溶液を吸収液として、運転される吸収式冷凍機では、その循環系内の機器に接続部等から空気が系内に侵入する場合がある。この空気に含まれる酸素は、吸収液内に溶け込み酸化剤として働く。このような新たに侵入した酸素により、局部腐食等が進行しやすい状況となる。
このような状況において、本願にあっては、系内に中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ酸塩が投入される。この投入操作をおこなうと、系内に侵入した酸素による腐食を抑制できる。ここで、吸収液内には酸化剤としてのアノード型インヒビターも含まれているが、本願独特の還元剤は、酸素側と選択的に反応して、その影響を低減化できることを、発明者らは見出した。従って、このような本願独特の還元剤の投入により、酸素の影響を抑制し、吸収式冷凍機の損傷を最小限に抑えることができ、好ましいメンテナンス状態を維持できる。
ここで、塩基度調整用のアルカリの他、リチウムブロマイド水溶液に投入される物質としては、酸化剤の作用を抑えるという意味からは還元剤であれば、いかなるものを採用してもよいようであるが、発明者らの実験によると、例えばヒドラジンでは、上記の目的は達成しにくい。 即ち、ヒドラジンは、高温になると分解されて窒素ガス、アンモニアガスを生成する問題があり、吸収式冷凍機の動作媒体に対して適用することは難しい。
上記のような状況にあって、本願の還元剤とともに、所謂、アノード型のインヒビターを同時に投入すると、さらに、好ましい防食能を発揮することができる。
このように、系にアノード型インヒビターと還元剤とを共に追加供給する効果は、以下のようなメカニズムによるものと推測される。
図3に、電位Eとアノード反応の進行状態とを模式的に描いた。図示するように、本願のような状況においては、活性が高い領域と低い領域とに関して、電位の高さに応じて、A、B、C、D領域に分類することができると考えられる。ここで、A領域が電位の最も低い領域であり、全面腐食が発生する。このA領域より電位が高い領域で、不動態となっているが比較的安定度が高い領域がB領域である。これらA領域とB領域の境界が不動態化電位Epasとなっている。さらに電位が高い領域で、不動態が形成されて安定であるとともに、不動態を形成する皮膜が破られた場合に局部腐食が進行しやすい二面性を有する領域がC領域である。これらB領域とC領域の境界が再不動態化電位Eproとなっている。そして、電位が孔食電位Epitより高く、局部腐食が必ず発生・進行する領域がD領域である。
【0006】
アノード型インヒビターを添加される普通の運転状態にあっては、自然腐食電位Ecorrは、C領域にあって、腐食状態はアノード反応が比較的緩慢に進む(むしろほとんど進まない)、符号2で示す状態になっているものと考えられる。しかしながら、系に空気が混入して局部腐食が起こると、自然腐食電位EcorrはC領域にあるが、腐食状態はアノード反応が急速に進む符号3で示す状態となっているものと考えられる。この状態にあって、系の再起を期して、空気混入後にアノード型インヒビターを投入したとしても、自然腐食電位EcorrはC領域に残ったままで、アノード反応が符号3で示す状態のまま、局部腐食が進行する場合があるものと考えられる。しかしながら、本願が提案するように、空気混入後に還元剤とアノード型インヒビターとを共に投入する(この場合アノード型インヒビターに関しては、既に系内にあるものを利用することもできる)と、自然腐食電位EcorrはB領域まで低下し、アノード反応が符号1で示す、安定な不動態領域となるため、局部腐食の進行を止めることができるものと考えられる。
【0007】
〔構成〕
上記のようなメンテナンス状態を取る場合に、前記アノード型インヒビターとして、モリブデン酸塩及び硝酸塩が含有されるとともに、前記モリブデン酸塩をモリブデン酸リチウム(LiMoO)換算で30ppm以上、前記硝酸塩を硝酸リチウム(LiNO)換算で200ppm以下含有し、
前記吸収液に水酸化アルカリ金属化合物を水酸化リチウム(LiOH)換算で0.3N以下含有することが好ましい。これが、請求項2に係わる。
〔作用・効果〕
吸収式冷凍機の運転を考える場合、機器の構成材として、鉄材を使用している場合が多いが、このような場合にあって、この材料の表面に不動態化膜を形成して、材料の全面、局部腐食を抑制することが好ましい。このような目的にあって、請求項2に係わるような組成のアノード型インヒビターを添加しておき、アルカリにより塩基度を調整しておくことによって、吸収式冷凍機の良好な運転を維持しやすい。尚、モリブデン酸リチウム換算でのモリブデン酸塩の添加量が、上記の範囲より少ない(30ppm未満)と水素の発生が多くなり、硝酸リチウム換算での硝酸塩の添加量が上記の範囲より多い(200ppmより上)と孔食(隙間腐食)が発生しやすくなる。水酸化アルカリ金属化合物が多すぎると、鉄材や銅の腐食速度が大きくなる問題がある。
そして、空気の混入があった場合にあっても、本願の手法を採用することにより、上記のような好ましいアノード型インヒビターの効果を維持したままで、侵入した酸素の影響を、還元剤の投入により抑制できる。
【0008】
〔構成〕
請求項2に係わる手段にあって、アノード型インヒビターに加えて中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ酸塩が含有されていることが好ましい。
〔作用・効果〕
この構成の場合は、吸収式冷凍機は、アノード型インヒビターと本願独特の還元剤が混在し、アノード型インヒビターが有効に働く状態で、全面腐食、局部腐食が起きにくい状態で運転が進行できる。そして、不幸にして接続部等から空気の侵入が発生した場合にあっては、さらに本願独特の還元剤を投入する。このようにしておくと、たとえ、比較的大量に空気が混入してもその影響を元来備えられる還元剤と追加投入される還元剤により抑制して、孔食等の発生を抑制することができる。
【0009】
〔構成・作用・効果〕
これまで説明してきた吸収式冷凍機のメンテナンス方法において、中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ酸塩が、亜硫酸塩又は亜硫酸水素塩であることが好ましい。このような亜硫酸塩又は亜硫酸水素塩を選択する場合は、比較的入手容易で、有効に本願の目的を達成できる塩を利用して、吸収式冷凍機の運転を良好に維持できる。
【0010】
これまで説明してきた本願の吸収式冷凍機のメンテナンス方法を、装置的に有効に使用する本願の請求項5に係わる吸収式冷凍機は以下のように構成できる。
〔構成〕
減圧状態に維持される吸収液循環系統を備えるとともに、この吸収液循環系統内を、吸収液として、少なくともアノード型インヒビターを含有したリチウムブロマイド(LiBr)水溶液が循環する構成の吸収式冷凍機を以下のように構成する。
即ち、吸収液循環系統の減圧状態を監視する監視機構を備えるとともに、この監視機構により減圧状態が破られた状態が検出された場合に、吸収液循環系統内に、中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ酸塩を投入する投入機構を備えるのである。
〔作用・効果〕
監視機構により、吸収液循環系統の減圧状態が監視され、接続部等から系内に空気が侵入した場合にあっては、これが、監視機構によって検出される。そして、この検出をトリガーとして、投入機構により、吸収液循環系統内に中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ酸塩が投入される。投入された塩は、吸収液中に溶解し、先に説明した原理により、空気に含まれている酸素による腐食を主に有効に防止することができる。従って、吸収式冷凍機において、空気の混入が発生した場合にあっても、構成機器を比較的良好な状態に維持できる。
この場合にあっても、中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ酸塩が亜硫酸塩又は亜硫酸水素塩であることが好ましい。このような亜硫酸塩又は亜硫酸水素塩を選択する場合は、比較的入手容易で、有効に本願の目的を達成できる塩を利用して、吸収式冷凍機を良好に維持できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本願の吸収式冷凍機のメンテナンス方法が使用される吸収式冷凍機1の構成について以下説明する。
図1に、対応する吸収式冷凍機1の一例を示した。
この吸収式冷凍機1は、所謂、二重効用式の吸収式冷凍機であり、凝縮器2、低温再生器3、高温再生器4、吸収器5、蒸発器6等を、所定の経路7で接続して構成されている。さらに、上記の主要な機器の他に、熱交換器8、溶液ポンプ9、冷媒ポンプ10等が備えられて構成されている。
さて、このような吸収式冷凍機1にあっては、減圧状態に維持される吸収液循環系統11が備えられ、この吸収液循環系統11内を、吸収液として、少なくともアノード型インヒビターを含有したリチウムブロマイド(LiBr)水溶液が循環する構成とされている。ここで、アノード型インヒビターは、吸収式冷凍機1の一部構成機器を成す鉄材(ステンレス鋼を除く)に対して酸化剤的に働くものであり、鉄材を不動態化させて水素の発生を抑えることができる。
さて、本願の吸収式冷凍機1には、先に説明した吸収液循環系統11の減圧状態を監視する監視機構12を備えられている。これは、機器が正常な運転状態にあるか、循環系内の接続部等からこの系統内に外気の空気が混入したかどうかを、系の減圧状態の変化から検出するものである。
さて、本願の吸収式冷凍機1にあっては、この監視機構12により、減圧状態が破られた状態が検出された場合に、吸収液循環系統内に、中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ酸塩を投入する投入機構13が備えられている。即ち、吸収式冷凍機1にとって、過酷な条件となっている高温再生器4や低温再生器3や、他の投入に適した部位に、上記還元剤を投入することができるようになっている。ここで、前記中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ酸塩とは、亜硫酸塩又は亜硫酸水素塩等であり、さらに具体的には亜硫酸ナトリウムが実用的である。
従って、本願の吸収式冷凍機1にあっては、所定の状態に維持されながら運転されてきた吸収式冷凍機1において、接続部等から空気が混入した場合に、この状態が検出され、系の溶液内に前記特定種の還元剤が投入される。このようにすると、系内への酸素の混入にも係わらず、孔食等の発生を抑えることができる。
【0012】
以上が、本願の吸収式冷凍機のメンテナンス方法を採用する構成の吸収式冷凍機1の構成であるが、このようなメンテナンスの有効性に関するデータについて説明する。
空気混入時に於ける局部腐食の状態を下記の条件で検討した。
即ち、酸化剤のみ(LiOH+LiMoO+LiNO)と、酸化剤+還元剤(NaSO)とで、空気混入の有無による鉄材へのインヒビターの効果の差をオートクレーブ実験(1ケ月)によって調べた。
【0013】
【表1】
Figure 0003547265
ただし、酸化剤のみのものにあっては、NaSOの添加はおこなわなかった。
結果を、表2に示した。表2中の最大局部腐食深さとは、テストピース5枚中に生じた局部腐食深さの最大値を示し、局部腐食は、テストピース間の接触を防止するためのテフロンスペーサとテストピースとの接触による隙間腐食を示す。
【0014】
【表2】
Figure 0003547265
【0015】
結果、還元剤の投入により、最大局部腐食深さ、水素ガス発生量ともに抑えることができることが判る。さらに、このような本願独特の還元剤の投入により、小型の孔食部に於ける腐食の急速な進行を防止する効果も認められた。
このような状態にあっては、SO 2−は酸素とは反応しやすいが、MoO 2−、NO とは反応しにくい現象が発生しているものと推定される。SO 2−、酸素、MoO 2−、NO の電位と反応速度との関係を図2(概念図)に示した。この図面はあくまでも推定である。同図に示すような現象により、酸化剤と本願独特の還元剤とが共存する状態で、有効に酸素による酸化反応が本願独特の還元剤により抑えられているものと推定される。
【0016】
上記の結果より、空気混入時には、還元剤の投入によって、空気混入の影響を緩和して、更に、局部腐食の進行を抑え、また、元来、アノード型インヒビターによって備わる酸化力を維持したままで、鉄材を不動態化して、水素発生を抑えることができる。
このような状態にあっては、本願独特の還元剤を添加しても、なお鉄材の自然腐食電位Ecorrは、鉄が活性態(不動態化膜なし)の時の自然腐食電位Ecorr(概ね、−700mV.vs.Ag/AgCl)より、かなり高い値(概ね、−500mV.vs.Ag/AgCl)に維持されることを、別途発明者らは確認した。従って、亜硫酸ナトリウムの添加に係わらず、アノード型インヒビターの効果は、維持される。
【0017】
さらに、ステンレス鋼に対する上記と同様なテストに於けるデータを表3に示す。
【0018】
【表3】
Figure 0003547265
【0019】
この場合もまた、本願独特の還元剤の投入が、酸素混入に対して有効であることがわかる。
従って、吸収式冷凍機1の運転にあたっては、吸収液中に本願独特の還元剤を投入して、空気混入により、孔食がさらに進行するのを止めることができる。
【0020】
〔別実施の形態例〕
上記の実施の形態例においては、投入すべき本願独特の還元剤として、亜硫酸ナトリウム(NaSO)を採用する場合について説明したが、このような役割を果たすものとしては、亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO)、ピロ亜硫酸ナトリウム(Na)、チオ硫酸ナトリウム(Na)も同様に働く。さらに、これらのリチウム塩、カリウム塩も同様に働く。これらの還元剤を、中心原子が硫黄である還元性のオキソ酸塩と呼ぶ。ここで亜硫酸塩、亜硫酸水素塩が入手容易で使用しやすく、それらの濃度としては、亜硫酸ナトリウム換算で250ppm以上が好ましい。これ以下では孔食を起こしやすい。
一方、アノード型インヒビターとしては、上記のものの他に、LiMoO(単独)、LiNO(単独)、LiCrO(単独)等が使用される場合にも適応できる。
ここで、モリブデン酸塩と硝酸塩を共に使用する場合は、モリブデン酸塩をモリブデン酸リチウム換算で30ppm以上、硝酸塩を硝酸リチウム換算で200ppm以下添加するのが好ましい。尚、モリブデン酸リチウム換算でのモリブデン酸塩の添加量が、上記の範囲より少ない(30ppm未満)と水素の発生が多くなり、硝酸リチウム換算での硝酸塩の添加量が上記の範囲より多い(200ppmより上)と孔食(隙間腐食)が発生しやすくなる。
さらに、水酸化アルカリ金属化合物としては、上記のもの(水酸化リチウム)の他に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等も使用できる。さらに、水酸化アルカリ金属化合物を使用する場合は、水酸化リチウム換算で0.3N以下が好ましい。
本願のような還元剤投入の対象となる吸収液は、アノード型インヒビターとしての酸化剤が混入されて運転される吸収液の他、このアノード型インヒビターとともに、本願において投入する還元剤を混入した状態のものであってもよい。
この場合、空気混入後に投入される還元剤は、系内に接続部等から侵入し、吸収液中に溶解する酸素との反応により、この影響を抑えることが可能となる。又、系内に余分に投入された還元剤は、溶解限度を越えて溶解できないため、固体として残るのみで特に問題となることはない。この状態は、モリブデン酸塩に関しても同様のことが言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸収式冷凍機の一構成例を示す図
【図2】本願の還元剤が主に酸素に選択的に有効に働く推定原理の説明図
【図3】電位とアノード反応との関係を示す説明図
【符号の説明】
1 吸収式冷凍機
12 監視機構
13 投入機構

Claims (6)

  1. リチウムブロマイド(LiBr)水溶液を吸収液とし、少なくともアノード型インヒビターを前記吸収液に含有して運転される吸収式冷凍機のメンテナンス方法であって、
    前記吸収液の循環系に於ける減圧状態が破れ、酸素が前記循環系に混入した場合に、前記循環系内に中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ酸塩を投入する吸収式冷凍機のメンテナンス方法。
  2. 前記アノード型インヒビターとして、モリブデン酸塩及び硝酸塩が含有されるとともに、前記モリブデン酸塩をモリブデン酸リチウム(LiMoO)換算で30ppm以上、前記硝酸塩を硝酸リチウム(LiNO)換算で200ppm以下含有し、
    前記吸収液に水酸化アルカリ金属化合物を水酸化リチウム(LiOH)換算で0.3N以下含有する請求項1記載の吸収式冷凍機のメンテナンス方法。
  3. 前記アノード型インヒビターに加えて中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ酸塩が含有されている請求項2記載の吸収式冷凍機のメンテナンス方法。
  4. 前記中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ酸塩が亜硫酸塩又は亜硫酸水素塩である請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収式冷凍機のメンテナンス方法。
  5. 減圧状態に維持される吸収液循環系統を備えるとともに、前記吸収液循環系統内を、吸収液として、少なくともアノード型インヒビターを含有したリチウムブロマイド(LiBr)水溶液が循環する構成の吸収式冷凍機であって、
    前記吸収液循環系統の減圧状態を監視する監視機構を備えるとともに、前記監視機構により、前記減圧状態が破られた状態が検出された場合に、前記吸収液循環系統内に、中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ酸塩を投入する投入機構を備えた吸収式冷凍機。
  6. 前記中心原子が硫黄である還元性を有するオキソ酸塩が亜硫酸塩又は亜硫酸水素塩である請求項5記載の吸収式冷凍機。
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