JP2004069153A - 熱交換装置 - Google Patents

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Hiroyuki Arai
新井 博之
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Abstract

【課題】熱の輸送媒体として用いられる液体の劣化による金属腐食を更に効果的に抑制することのできる熱交換装置を提供する。
【解決手段】エンジン1を冷却するための冷却液は、ウォータジャケット5、ラジエータ9、リザーブタンク12、ウォータポンプ14、及びそれらを互いに接続する通路10,11,13等の、閉路として構成された循環通路内を循環されている。リザーブタンク12内に貯留された冷却液中には、ガスポンプ19の作動に応じて窒素タンク17内に蓄えられた窒素ガスが配管16を通じて供給され、冷却液中を通過したガスは、配管15を通じて窒素タンク17に回収される。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱の輸送媒体となる液体を循環させて熱交換を行わせる熱交換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水冷式エンジンには、熱の輸送媒体となる液体(冷却液)をエンジン内部とラジエタとの間で循環させてエンジンを冷却する熱交換装置が採用されている。エンジン冷却用の熱交換装置では一般に、冷却液として、エチレングリコールを主成分とし、それに水と腐食防止用の各種添加剤とを添加したLLC(ロングライフクーラント)等の不凍液が使用されている。
【0003】
高温環境下では、エチレングリコールは、LLC中に溶け込んだ酸素(溶存酸素)と反応して酸を発生させてしまい、またLLC中の添加剤は、溶存酸素と反応して熱分解されてしまう。よって長期使用されて劣化したLLCが使用されていれば、エチレングリコールの熱劣化による酸の発生と添加剤の熱分解による腐食防止効果の低下とが相まって、熱交換装置の冷却液の循環通路を構成する配管等の金属部材が腐食される虞がある。そこで、冷却液としてLLCを使用した熱交換装置では、特にエンジン等の高温となる機器類に適用される熱交換装置では、LLCの劣化による金属部材の腐食が生じないように、冷却液(LLC)を定期的に交換することが必要となっていた。
【0004】
そこで従来、冷却液の劣化による金属部材の腐食を抑制することで、冷却液の交換頻度を低減、或いは交換を不要とする熱交換装置が提案されている(特開平8−121167号)。この熱交換装置は、冷却液として純水を使用し、図3に示されるように、リザーブタンク50に連結された酸素低減タンク60を備える構成となっている。
【0005】
リザーブタンク50は、通路51を通じて、冷却液が循環される循環通路52に連結されており、循環される冷却液の一部をその内部に貯留することで、温度変化に伴う冷却液の体積変化を吸収している。すなわち、循環通路52を循環される冷却液の温度が上昇し、その体積が膨張すると、その膨張分の冷却液が循環通路52からリザーブタンク50に送り込まれ、その内部に貯留される。また循環通路52を循環される冷却液の温度が低下してその体積が縮小すると、その縮小分の冷却液がリザーブタンク50から循環通路52に戻される。こうした冷却液の流通は、循環通路52とリザーブタンク50との圧力差により、自動的に行われる。
【0006】
こうしたリザーブタンク50に対して酸素低減タンク60は、2本の通路61、62を通じて連結されている。通路61の途中には、リザーブタンク50から酸素低減タンク60に冷却液を送り出すためのポンプ63が、通路62の途中には、酸素低減タンク60からリザーブタンク50に冷却液を戻すためのポンプ64がそれぞれ設けられている。そしてそれら2つのポンプ63、64の作動により、通路61及び通路62を通じてリザーブタンク50と酸素低減タンク60との間で冷却液が循環されるようになっている。
【0007】
酸素低減タンク60の内部には、冷却液中の溶存酸素との反応性の高い、すなわち酸化され易い金属材料からなる金網65と、その金網65の腐食により生じた錆等の冷却液中の異物を除去するフィルタ66とが配設されている。こうした酸素除去タンク60の内部では、金網65が冷却液中の溶存酸素と反応して腐食され、その結果として溶存酸素が消費される。そのため、上記の如く冷却液を循環させることで、冷却液中の溶存酸素量を次第に低減させられるようになっている。
【0008】
更にリザーブタンク50内部及び酸素低減タンク60内部において冷却液の液面上に形成される空間には不活性ガスが充填されており、またそれら両タンクを含めた冷却液の循環通路52のすべてが、外部から密封されている。そのため、外部から冷却液中に酸素が新たに溶け込むことが防止されてもいる。
【0009】
ちなみに、冷却液として純水を用いた場合、冷却液が氷点(0℃)で氷結し、それに伴う体積膨張のため、冷却液の循環通路52を構成する配管等の破損の懸念がある。そこでこの熱交換装置では、低温時には循環通路52を循環する冷却液の一部を抜き取るとともに、循環通路52内に不活性ガスを供給することで、氷結に伴う冷却液の膨張による配管等の破損を防止する機構が設けられている。これにより、凝固点は比較的高いものの、熱劣化によって酸を発生させることの無い純水を、冷却液として採用することが可能となっている。
【0010】
こうした熱交換装置では、冷却液として純水を採用しており、また金網65の腐食により冷却液中の溶存酸素の低減が可能なため、循環通路52等を構成する金属部材に対する冷却液の腐食性を極長期に亘って低レベルに維持できる。これにより、この熱交換装置では、冷却液の交換の必要性が大きく低減されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように上記従来の熱交換装置では、冷却液として純水を使用し、更にその純水中の溶存酸素を除去する機構を備えることで、そのメンテナンス性が大幅に向上されている。ところが、そうした熱交換装置においても、以下に述べるような改善の余地は未だ残されている。
【0012】
まずこの熱交換装置では、リザーブタンク50内に貯留されている冷却液についてしか溶存酸素を低減できない構造となっている。またそのリザーブタンク50の構造上、リザーブタンク50内に貯留された冷却液が循環通路52の冷却液と入れ替わるには時間を要する。そのため、循環通路52内の冷却液中の溶存酸素の低減にかなりの時間が必要となり、その間に循環通路52等を構成する金属部材の腐食が進んでしまう虞もある。もっとも、酸素低減タンク60を循環通路52上に配設し、冷却液を常に酸素低減タンク60内を循環させるようにすれば、こうした問題は解決できる。ただし、金網65の腐食により溶存酸素を低減させる以上、その腐食に伴う錆の発生は避けられず、フィルタ66の設置が必須であるため、そうした場合には、循環通路52内での冷却液の流れ抵抗の増大を招いてしまうこととなる。
【0013】
またこの熱交換装置では、凝固点の比較的高い純水を冷却液として用いているため、上述のような氷結による配管等の破損防止機構が必須となり、装置の複雑化を招いている。また冷却液が一旦氷結されてしまえば、それに伴う配管等の破損は避けられたとしても、冷却液が融解されるまで熱交換装置の作動を再開することはできない。勿論、こうした問題は冷却液にLLC等の不凍液を採用すれば解決できる。ただし、上記のような金網65の腐食だけでは、不凍液の熱劣化による酸の発生を防止できるほど十分に溶存酸素を低減できず、上記従来の熱交換装置への不凍液の採用は困難である。
【0014】
更にこれらの問題を解消できたとしても、以下のような問題が残されている。すなわち、この熱交換装置では、金属材料よりなる金網65の腐食により冷却液中の溶存酸素を低減させているが、その際、以下の式(1)で示される化学反応が生じ、冷却液中の水素イオン濃度(pH)が上昇されてしまう。そのため、処理される溶存酸素の量が多ければ、冷却液の塩基性が強くなり、アルミニウム合金等の比較的塩基に弱い金属の腐食性が高まってしまう。このように、冷却液中で酸化反応を生じさせて溶存酸素を低減させている限り、溶存酸素に起因する金属腐食は抑制できても、冷却液の塩基性が高められ、それによる金属腐食が発生する蓋然性があった。
【0015】
【化1】
+2HO → 4OH        …(1)
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱の輸送媒体として用いられる液体の劣化による金属腐食を更に効果的に抑制することのできる熱交換装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果を記載する。
請求項1に記載の発明は、熱の輸送媒体となる液体を循環させてその液体により熱交換を行わせることで温度を調整させる熱交換装置において、前記液体中に不活性ガスを供給するガス供給手段と、そのガス供給手段より供給されて前記液体中を通過したガスを回収するガス回収手段と、を備えるようにしたものである。
【0017】
上記構成では、循環される液体中にガス供給手段によって不活性ガスが供給され、液体中を通過させられる。液体を通過中、不活性ガスはその液体中に溶け込まれる。そして一定量以上の不活性ガスが溶け込むと、それまで液体中の溶存酸素はそれ以上溶け込んでいられなくなり、液体中から排出される。そのため、液体中を通過したガスは、こうして液体中から排出された酸素を含むようになる。そのガスは回収手段により、液体中から回収され、液体中から溶存酸素が効果的に除去される。
【0018】
こうした溶存酸素の除去に際しては、液体中で酸化反応が生じることはなく、よって液体の塩基性が高められることもない。したがって、水や水溶液等、溶存酸素の存在により劣化が生じる液体を熱の輸送媒体として使用する熱交換装置においても、その液体の劣化による金属腐食を効果的に抑制することができる。そしてひいては、液体の使用期間を大幅に増大でき、交換頻度を低減、若しくは交換そのものを不要として、熱交換装置のメンテナンス性を大幅に向上できるようにもなる。
【0019】
ちなみに、不活性ガスには、例えば窒素ガスや希ガスのような反応性の極めて低いガスを用いることができる。また、適用される熱交換装置にて熱の輸送媒体として用いられる液体に対する溶性が酸素よりも高いガスを用いることが望ましい。例えば、そうした液体として水又は水溶液が用いられる場合には、窒素ガスやヘリウムガス、或いはアルゴンガスのいずれか、若しくはそれらの2つ以上を組み合わせたガスを用いることで、溶存酸素の除去を効果的に行える。
【0020】
更にガス回収手段が回収したガスは、下記のごとく、その中から酸素を除去して再利用することも可能であるが、十分な不活性ガスを準備できるのであれば、廃棄するようにしても良い。
【0021】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換装置において、前記ガス回収手段により回収されたガスから酸素を除去する酸素除去手段を更に備えるとともに、前記ガス供給手段を、その酸素除去手段により酸素の除去されたガスを前記液体中に供給するようにしたものである。
【0022】
上記構成では、回収手段によって回収されたガスからは、酸素除去手段により酸素が除去されて、再びガス供給手段により液体中に供給されるようなる。そのため、比較的少量の不活性ガスにより、上記のような溶存酸素の低減を図ることができるようになり、ひいては不活性ガスの補充を不要とすることができるようにもなる。なお、ここでの酸素の除去は、液体の外部で行われるため、それにより、液体の塩基性が高められることはない。ちなみに、こうしたガス中からの酸素の除去は、例えばヒドラジンや亜硫酸ソーダ、鉄粉、活性酸化鉄、メチルエチルケトキシム等の酸素除去剤(脱気剤)を用いることで行うことができる。
【0023】
請求項3に記載の発明は、熱の輸送媒体となる液体を循環させてその液体により熱交換を行わせることで温度を調整させる熱交換装置において、不活性ガスを貯留するタンクと、そのタンクに貯留された不活性ガスを前記液体中に供給するガス供給手段と、そのガス供給手段より供給されて前記液体中を通過したガスを回収して前記タンクに還流するガス回収手段と、前記タンク内に配設されて、その内部のガスから酸素を除去する酸素除去手段と、を備えるようにしたものである。
【0024】
上記構成では、ガス供給手段により、ガスタンクに貯留された不活性ガスが液体中に供給され、液体中を通過させられる。液体を通過中、不活性ガスはその液体中に溶け込まれる。そして一定量以上の不活性ガスが溶け込むと、それまで液体中の溶存酸素はそれ以上溶け込んでいられなくなり、液体中から排出される。こうした酸素を含んだガスは回収手段により回収され、タンクに戻される。そしてそのタンク内で酸素除去手段により、液体中から排出された酸素が除去されるようになる。以上により、液体中から溶存酸素が効果的に除去されるようになる。
【0025】
ここでの溶存酸素の除去に際しては、液体中で酸化反応が生じることはなく、よって液体の塩基性が高められることもない。したがって、水や水溶液等、溶存酸素の存在により劣化が生じる液体を熱の輸送媒体として使用する熱交換装置においても、その液体の劣化による金属腐食を効果的に抑制することができる。そしてひいては、液体の使用期間を大幅に増大でき、交換頻度を低減、若しくは交換そのものを不要として、熱交換装置のメンテナンス性を大幅に向上できるようにもなる。また回収されたガスは、酸素を除去されて、再使用されるため、比較的少量の不活性ガスにより、上記のような溶存酸素の低減を図ることができるようになり、ひいては不活性ガスの補充を不要とすることができるようにもなる。
【0026】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の熱交換装置において、前記液体中の溶存酸素の濃度を検出する濃度センサと、その濃度センサにより検出された溶存酸素の濃度に応じて前記ガス供給手段による不活性ガスの供給を制御する制御手段と、を更に備えるようにしたものである。
【0027】
上記構成では、液体中の溶存酸素の濃度に応じて不活性ガスの供給が行われるため、より効率的に溶存酸素の除去を行えるようになる。例えば、液体中の溶存酸素の濃度が所定の判定値以上となることを条件に不活性ガスを供給させるようにすれば、必要時に限り不活性ガスの供給を行えるようになる。
【0028】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の熱交換装置において、前記ガス供給手段による不活性ガスの供給、及び前記ガス回収手段によるガスの回収を、前記液体の循環通路上にてそれぞれ行わせるようにしたものである。
【0029】
上記構成では、液体の常時循環する循環通路上でガスの供給及び回収が行われるため、循環通路を循環される液体のすべてについて溶存酸素の除去を行えるようになる。したがって、更に効率的に溶存酸素を低減できる。
【0030】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の熱交換装置において、前記ガス供給手段による不活性ガスの供給、及び前記ガス回収手段によるガスの回収を、前記循環される液体が一時的に貯留されるリザーブタンク内で行わせるようにしたものである。
【0031】
上記構成では、循環される液体が一時的に貯留されるリザーブタンク内でガスの供給及び回収が行われる。そのため、ガスの供給及び回収をより容易且つより確実に行える。
【0032】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の熱交換装置において、前記リザーブタンクが、前記液体の循環通路上に配設され、該リザーブタンクの内部を通過して前記液体が常時循環されるように構成されたものである。
【0033】
上記構成では、ガス供給手段による不活性ガスの供給、及びガス回収手段によるガスの回収が行われるリザーブタンクを、液体の常時循環する循環通路上に配設させている。そのため、循環通路を循環される液体のすべてについて溶存酸素の除去を行えるようになり、溶存酸素の低減を更に効率的に行える。
【0034】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の熱交換装置において、前記液体の循環通路を、外気から密封させたものである。
上記構成では、液体の循環通路が外気から密封されているため、液体中への新たな酸素の溶け込みが抑止される。したがって、より容易且つ的確に、液体中の溶存酸素量を低レベルに維持できる。
【0035】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の熱交換装置において、前記液体を、前記循環通路への充填に先立って、真空引きによる脱気処理を施すようにしたものである。
【0036】
上記構成では、真空引きによる脱気処理により、予め溶存酸素量の極めて少ない液体が循環通路に充填されるようになる。したがって、より容易且つ確実に、液体中の溶存酸素量を低レベルに維持できる。
【0037】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の熱交換装置において、前記液体として不凍液を採用したものである。
上記のような不活性ガスの供給及び回収によって溶存酸素を除去し、その量を十分に低いレベルに維持すれば、熱の輸送媒体として不凍液を用いたとしても、酸の発生による金属腐食を懸念することなく長期使用が可能となる。勿論、そうした場合には、上記従来の熱交換装置のような氷結防止機構は不要となり、装置の簡易化が可能となる。
【0038】
なお、溶存酸素の量を十分に低いレベルに維持できれば、劣化によって金属腐食性が発現されることはないため、腐食防止用の添加剤の添加を不要とすることができるようにもなる。その場合には、不凍液の処分を容易となる。
【0039】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれかに記載の熱交換装置において、前記不活性ガスとして、窒素ガスを採用したものである。
窒素ガスは、反応性が極めて低く、比較的容易に入手できるため、その採用により、上記のような熱交換装置の実現が容易となる。また窒素ガスは水溶性が比較的高いため、特に熱の輸送媒体として水や水溶液を用いる熱交換装置に適用した場合には、溶存酸素の除去をより的確に行えるようにもなる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る熱交換装置を車載エンジンの冷却用の熱交換装置として具体化した一実施の形態について、図1及び図2を参照して詳細に説明する。図1に示されるように、エンジン1はシリンダブロック2と、その上部に取り付けられたシリンダヘッド3とを備えている。エンジン1は、燃料及び空気の混合気を燃焼させて得られた熱エネルギを動力に変換している。このとき、動力に変化されなかった熱エネルギの一部は、排気ガスと共に、或いは摩擦損失として失われ、残りはエンジン1の各部に吸収される。本実施形態では、こうして吸収された熱によりエンジン1が過熱するのを防止するため、循環される冷却液によってエンジン1を冷却させる熱交換装置が設けられている。
【0041】
まず本実施形態の熱交換装置における冷却液の循環通路の構成を説明する。エンジン1のシリンダヘッド3及びシリンダブロック2の内部には、同図1に破線示されるように、冷却液を通す通路となるウォータジャケット5が形成されている。エンジン1の前方(図1の左方)には、アッパタンク6、コア7及びロアタンク8を備えて構成されたラジエータ9が配設されている。ウォータジャケット5は、通路10を通じてラジエータ9のアッパタンク6に接続され、ラジエータ9のロアタンク8は、通路11を通じてリザーブタンク12に接続されている。更にリザーブタンク12は、通路13を通じてウォータジャケット5に接続されている。この通路13とウォータジャケット5との接続部には、ウォータポンプ14が配設されている。そしてこれらウォータジャケット5、ラジエータ9、リザーブタンク12、ウォータポンプ14、及びそれらを互い繋ぐ通路10,11,13より、閉路となった冷却液の循環通路が形成されている。
【0042】
こうした循環通路内には、エチレングリコールの純水希釈液が冷却液として封入されている。このエチレングリコールの純水希釈液は、凝固点が十分に低く、冷却液の凍結を抑制可能な不凍液となっている。またこのエチレングリコールの純水希釈液は、非常に高い電気抵抗(導電率:1μS/cm以下)を示す液体でもある。こうした冷却液は、工場での製造時に上記循環通路内に、加圧状態で封入されている。ちなみに本実施形態では、こうした冷却液の封入前に、予め冷却液に真空引きによる脱気処理を施して、その溶存酸素の濃度を極めて低いレベルとしておくようにしている。
【0043】
こうした循環通路にあって上記リザーブタンク12には、外気の流通が遮断された完全密閉式のものが採用されており、その内部の圧力は、上記封入された冷却液と同じ圧力に維持されるようになっている。リザーブタンク12には、循環される冷却液が一時的に貯溜されるようになっており、その内部には、貯留された冷却液からなる液層の部分と、その液面上に形成される気層の部分とが形成されている。そしてその気層部分には、不活性ガスである窒素ガスが加圧封入されている。こうしたリザーブタンク12では、その気層部分の伸縮によって、温度変化に伴う循環通路全体の冷却液の体積変化を吸収する機能も果たしている。
【0044】
更にこの熱交換装置では、ラジエータ9やリザーブタンク12に設けられるキャップを気密を維持可能な気密キャップとしており、それにより循環通路の全体を外気から密封して、その内部を循環される冷却液が外気に曝されることがないようにしている。またそれら気密キャップは、ラジエータ9やリザーブタンク12に固定されており、基本的にはユーザによる開栓はできないようになっている。
【0045】
また上記ウォータポンプ14は、プーリ、ベルト等を通じてエンジン1の出力軸であるクランクシャフトに連結されており、同クランクシャフトの回転に伴い作動されるようになっている。ウォータポンプ14は、その作動に応じて、通路13側の冷却液を吸入して、ウォータジャケット5側に向けて加圧吐出する。こうしたウォータポンプ14の作動により、冷却液は、このウォータポンプ14を起点として、同図1に実線の矢印で示されるように循環通路内を循環されるようになる。
【0046】
この循環中、冷却液は、ウォータジャケット5内でエンジン1の熱を吸収し、それによって昇温された冷却液は、通路10を通じてラジエータ9に送られる。このラジエータ9のコア7には、自然通風やファンによる送風がなされており、昇温された冷却液は、このコア7にて、送風された空気との熱交換により冷却される。こうして冷却された冷却液は、通路11を通じてリザーブタンク12に送られ、そこで一時貯留された後、通路13を通じて再びウォータジャケット5に還流される。以上のような冷却液の循環を通じて、エンジン1の各部が冷却されるようになっている。
【0047】
一方、こうした本実施形態の熱交換装置には、循環される冷却液中から溶存酸素を除去するための除去機構が更に設けられている。続いて同図1に基づいて、そうした溶存酸素の除去機構の詳細を説明する。
【0048】
上記のように冷却液の循環通路上に配設されたリザーブタンク12は、2つの配管15,16を通じて窒素タンク17に連結されている。配管15は、リザーブタンク12の上部に接続され、その内部にあって窒素ガスの充填された気層部分に開口されている。この配管15の途中には、逆止弁18が配設されており、同配管15を通じては、リザーブタンク12側から窒素タンク17側への窒素ガスの流れのみが許容されるようになっている。また、配管16は、リザーブタンク12の下部に接続され、その内部の液層部分、すなわち貯留された冷却液中に開口されている。この配管16の途中には、電動式のガスポンプ19が設けられている。そしてこれらリザーブタンク12、窒素タンク17、及び配管15,16によって、閉路となった窒素ガスの循環通路が形成されている。
【0049】
一方、窒素タンク17の内部には、不活性ガスである窒素ガスが充填されている。また窒素タンク17の内部には、窒素ガス中に混入された酸素を除去するための酸素除去剤24が配設されている。ここでは、そうした酸素除去剤24としてヒドラジンが採用されている。ちなみに、ここではこの酸素除去剤が上記酸素除去手段に相当する構成となっている。
【0050】
更に本実施形態では、リザーブタンク12には、その内部に貯留された冷却液中の溶存酸素の濃度を検出するための濃度センサ20が配設されており、その検出信号は電子制御回路21に入力されている。電子制御回路21は、そうして検出された冷却液の溶存酸素の濃度に基づいて、ガスポンプ19の作動制御を行っている。
【0051】
次にこうした電子制御回路21によるガスポンプ19の作動制御の内容を、図2のフローチャートを併せ参照して説明する。このフローチャートに示される制御は、エンジン1の始動時より開始され、エンジン1が運転されるまで常時実行されている。
【0052】
この制御の実行により、エンジン1の運転中、電子制御回路21は、濃度センサ20により検出されたリザーブタンク12内の冷却液に含まれる溶存酸素の濃度Pを周期的に読込み(図2のS1)、その読み込んだ溶存酸素の濃度Pが所定の判定値α以下であるか否かを判定する(S2)。この判定値αは、冷却液の腐食性が発現されてしまうような溶存酸素の濃度よりも十分に低い値(例:α=0.1ppm)に設定されている。ここで溶存酸素の濃度Pが判定値α以下であると判定されたときには(S2:YES)、電子制御回路21はガスポンプ19の作動を停止させておく(S4)。
【0053】
一方、溶存酸素の濃度Pが判定値αを超えるときには(S2:NO)、電子制御回路21はガスポンプ19を作動させる(S3)。こうしてガスポンプ19が作動されると、窒素ガスが同図1に破線の矢印で示されるように循環される。詳しくは、ガスポンプ19の作動に応じて、窒素タンク17内の窒素ガスが配管16を通じて、リザーブタンク12に貯留された冷却液内に供給される。これにより、リザーブタンク12内の冷却液中に、窒素ガスのバルブリングが行われ、そうした窒素ガスの一部は、冷却液中を通過中に同冷却液に溶け込むようになる。こうして十分な量の窒素ガスが冷却液に溶け込むと、それまでその冷却液に溶け込んでいた溶存酸素は、それ以上、溶け込み続けていることができなくなり、冷却液中から追い出される。このように本実施形態では、冷却液中で窒素ガスのバブリングを行って溶存酸素をその窒素ガスと置換させることで、溶存酸素の除去を果たしている。
【0054】
冷却液中から排出された溶存酸素は、まずリザーブタンク12上部の気層部分に溜まり、そこから配管15を通じて窒素タンク17に送られる。すなわち、窒素タンク17には、配管15を通じて酸素の混入したガスが導入されることとなる。こうして窒素タンク17内に導入された酸素は、その内部の酸素除去剤24により吸収され、その内部に貯留されたガス中から除去される。こうして酸素が除去され、窒素ガスのみとなった窒素タンク17内のガスは、ガスポンプ19の作動により、再びリザーブタンク12内の冷却液中に供給されることとなる。
【0055】
以上のような窒素ガスのバブリングによる溶存酸素の除去処理は、リザーブタンク12内の溶存酸素の濃度Pが上記判定値α以下となるまで継続される。こうした除去処理が行われている間も、冷却液の循環は継続されている。そのため、この熱交換装置では、上記循環通路中を循環される冷却液のすべてに対して、連続的に溶存酸素の除去を行うことができるようになっている。
【0056】
なお、本実施形態では、配管16、窒素タンク17、及びガスポンプ19等が上記ガス供給手段に、また配管15及び窒素タンク17等がガス回収手段にそれぞれ相当する構成となっている。また電子制御回路21が上記制御手段に相当する構成となっている。更に、冷却液、すなわちエチレングリコールの純水希釈液が、上記熱の輸送媒体となる液体に相当する構成となっている。
【0057】
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
(1)本実施の形態では、冷却液中に窒素ガスを供給するとともに、冷却液を通過したガスを回収するようにしている。そのため、冷却液の塩基性を高めることなく溶存酸素を低減でき、冷却液の劣化による金属腐食を更に効果的に抑制することができる。
【0058】
(2)本実施の形態では、窒素タンク17に酸素除去剤24を配設して、冷却液から排出された酸素を除去している。これにより、窒素ガスの再利用が可能となり、予め準備の必要な窒素ガスの量を低減でき、またその補充も不要とすること、若しくは必要最小限に留めることができる。しかも、酸素の除去にかかる反応が、完全に冷却液の外部で行われるため、その結果により、冷却液の塩基性が高められることもない。
【0059】
(3)本実施の形態では、冷却液中の溶存酸素の濃度Pを濃度センサ20により監視するとともに、その検出結果に応じて、窒素ガスの供給を制御している。そのため、冷却液中の溶存酸素量の増大をより確実に抑制することができる。また不必要なガスポンプ19の作動を省くこともできる。
【0060】
(4)本実施の形態では、上記のような冷却液中の窒素ガスの供給、及び回収を、冷却液の循環通路上に配設されたリザーブタンク12の内部で行っている。そのため、循環される冷却液のすべてに対して、連続的に溶存酸素の除去を行える。しかも、循環通路中とは云え、冷却液の流れの停滞したリザーブタンク12で窒素ガスの供給、及び回収が行われるため、冷却液中の溶存酸素の低減をより容易且つ的確に行える。
【0061】
(5)本実施の形態では、完全密閉式のリザーブタンク12の採用等により、冷却液の循環通路を外気から完全密封するようにしている。そのため、冷却液に対する外気からの新たな酸素の溶け込みを抑止でき、より容易且つ確実に、冷却液中の溶存酸素量を低レベルに維持することができる。
【0062】
(6)本実施の形態では、予め真空引きによる脱気処理を施した冷却液をその循環通路内に充填するようにしている。そのため、冷却液中の溶存酸素量をより容易に低レベルに維持することができる。
【0063】
更に本実施の形態では、上記のような溶存酸素の除去機構によって、冷却液中の溶存酸素量が十分に低いレベルに維持できるため、劣化に伴う酸の発生による金属腐食を懸念することなく、エチレングリコールの純水希釈液のような不凍液を採用し、それを長期使用することができる。そのため、冷却液の定期交換の頻度を低減したり、或いはその交換を完全に不要としたりすることができ、メンテナンス性を大幅に向上できる。ちなみに本実施の形態に係る熱交換装置では、その想定される使用期間中の冷却液の交換は、基本的には不要となっている。
【0064】
更にそうした冷却液の採用によっては、次のような効果を奏することができるようにもなる。
(6)低温環境下での冷却液の氷結を抑制できるため、そうした氷結に伴う冷却液の体積膨張による配管等の破損を防止するための対策が不要となる。
【0065】
(7)溶存酸素量の低減により、劣化に伴う酸の発生による金属腐食を抑制できるため、冷却液に腐食防止用の添加剤の添加が不要となる。ちなみにエチレングリコールの純水希釈液は(勿論、そうした添加剤は含まれていない)、自然環境下での分解のされ難さを示す指標値である生物化学的酸素要求量(BOD)や化学的酸素要求量(COD)が比較的に低いため、その廃棄にかかる処理が容易でもある。
【0066】
(8)更にエチレングリコールの純水希釈液は、極めて電気抵抗の高い液体でもあり、万一それが漏れ出したとしても、電気回線等に与える影響は小さい。そのため、漏れが生じた場合を想定した電気回路等の保護に係る処置を簡易化、又は不要とすることができるようにもなる。
【0067】
なお、他のグリコール類やアルコール類の純水希釈液も、上記エチレングリコールの純水希釈液とほぼ同様の特性を有しており、エチレングリコールの純水希釈液の代わりとして冷却液に採用しても、上記とほぼ同様の効果を奏することができる。もっとも、その他の冷却液を本実施形態の熱交換装置の冷却液として採用することも可能ではある。例えば、氷結に伴う冷却液の体積膨張による配管等の破損に対して十分な対策を施せば、純水をその冷却液として採用することもできる。その場合にも、上記(6)以外の各効果は得ることができる。
【0068】
更に上記実施の形態は、次のように変更して実施することもできる。
・上記実施形態では、溶存酸素の除去のために冷却液中に窒素ガスを供給していたが、窒素ガス以外にも希ガスのような反応性の極めて低い不活性ガスであれば、その代わりとして用いることができる。またそうした不活性ガスとしては、冷却液に対する溶性が酸素よりも高いガスを用いることが望ましい。例えば、冷却液として上記のような水溶液や純水を用いる場合には、窒素ガスやヘリウムガス、或いはアルゴンガスのいずれか、若しくはそれらの2つ以上を組み合わせたガスを用いることで、冷却益虫の溶存酸素を効果的に除去することができる。
【0069】
・酸素除去剤24として、例えば亜硫酸ソーダや鉄粉、活性酸化鉄、或いはメチルエチルケトキシム等のヒドラジン以外の酸化除去剤を採用しても良い。
・またそうした酸素除去剤とは別の手段によって、酸素を除去するようにしても良い。要は、回収したガス中から酸素を除去することができるのであれば、不活性ガスの再生、再利用が可能となる。
【0070】
・上記実施形態では、冷却液中を通過したガスを回収した後、そのガス中から酸素除去剤によって酸素を除去することで、不活性ガスを再生し、再利用するようにしていたが、十分な量の不活性ガスを準備できるのであれば、そうした不活性ガスの再生にかかる構成、すなわち酸素除去剤24等を省略しても良い。
【0071】
・上記実施形態では、リザーブタンク12で不活性ガスの供給及び回収を行うようにしていたが、冷却液の循環通路上のその他の部位で、そうした不活性ガスの供給、及び回収を行うようにしても良い。またそうした供給、及び回収をそれぞれ別の部位で行うようにしても良い。そうした場合にも、冷却液中への不活性ガスの供給、及び冷却液を通過したガスの回収を適切に行えるのであれば、循環通路を循環される冷却液のすべてに対して連続的に溶存酸素の除去を行うことができる。
【0072】
・また十分に冷却液中の溶存酸素量を低減できるのであれば、必ずしも冷却液が常時循環されていない部位、例えば図3に例示した従来の熱交換装置のリザーブタンク50のような部位で、ガスの供給、回収を行うようにしても良い。
【0073】
・更に、冷却液中への不活性ガスの供給、或いは冷却液を通過したガスの回収は、上記実施形態で例示したものとは別の手段により行うようにしても良い。
・上記実施形態では、濃度センサ20により検出された冷却液中の溶存酸素の濃度Pに応じて不活性ガスの供給を制御するようにしていたが、その制御態様は適宜変更しても良い。例えば、冷却液中の溶存酸素量を十分に低レベルに維持できるのであれば、エンジン始動の都度等、定期的に不活性ガスを所定期間供給したり、エンジン運転中、不活性ガスを常時供給したり、といった制御態様とすることもできる。
【0074】
・上記実施形態では、予め真空引きによる脱気処理を施した冷却液を循環通路内に充填するようにしていたが、十分に高い酸素除去能力を確保できるのであれば、そうした処理を施しておかなくても、冷却液中の溶存酸素量を低レベルに維持することができる。
【0075】
・上記実施形態では、冷却液の循環通路の全体を外気から密封していたが、十分に高い酸素除去能力を確保できるのであれば、必ずしもそうした密封を施さなくても、冷却液中の溶存酸素量を低レベルに維持することができる。
【0076】
・本発明に係る熱交換装置は、上記実施形態に例示した以外の冷却液の循環通路構成を備えるエンジン冷却用の熱交換装置にも、同様或いはそれに準じた態様で適用することが勿論可能である。
【0077】
・更に本発明に係る熱交換装置は、エンジン冷却用の熱交換装置以外の熱交換装置、例えば燃料電池スタックの冷却用の熱交換装置等にも、同様或いはそれに準じた態様で適用することができる。無論、本発明は、機器類の昇温を目的とした熱交換装置にも良好に適用することができる。要は、熱の輸送媒体となる液体を循環させてその液体により熱交換を行わせることで温度を調整させる熱交換装置であれば、本発明の適用は可能である。
【0078】
なお、本発明に係る熱交換装置は、以下に述べるように、上記燃料電池スタックのような高電圧機器類に使用される熱交換装置について高い適性を有している。すなわち、本発明に係る熱交換装置では、上記のグリコール類やアルコール類の純水希釈液のような極めて電気抵抗の高い冷却液についても長期使用が可能となる。またそうした冷却液の酸化を良好に抑制して、冷却液の電気抵抗を高い状態のまま維持することができる。よって本発明を高電圧機器類に使用される熱交換装置に適用すれば、極めて電気抵抗の高い冷却液の使用が許容され、またその高い電気抵抗の維持が可能となる。そしてそうした冷却液の使用により、冷却液が高電圧機器内に漏れ出したとしても、漏電等の不具合を抑止でき、またその結果として冷却液漏れに対する対策を容易とすることができるようにもなる、といった効果を享受することができる。
【0079】
次に、以上説明した実施形態より把握される技術思想を記載する。
(イ) 熱の輸送媒体となる液体を循環させてその液体により熱交換を行わせることで温度を調整させる熱交換装置において、前記液体の循環通路を外気から密封するとともに、不活性ガスを貯留するガスタンクと、そのガスタンクに貯留された不活性ガスを前記液体中に供給するガス供給手段と、そのガス供給手段より供給されて前記液体中を通過したガスを回収して前記ガスタンクに還流するガス回収手段と、前記ガスタンク内に配設されて、その内部のガスから酸素を除去する酸素除去手段と、を備えることを特徴とする熱交換装置。
【0080】
(ロ) 前記液体は、グリコール類及びアルコール類の少なくとも一方の純水希釈液である請求項1〜11、及び上記(イ)のいずれかに記載の熱交換装置。
(ハ) 当該熱交換装置は、エンジンの冷却を行う装置である請求項1〜11及び上記(イ)及び(ロ)のいずれかに記載の熱交換装置。
【0081】
(ニ) 当該熱交換装置は、燃料電池スタックの冷却を行う装置である請求項1〜11及び上記(イ)及び(ロ)のいずれかに記載の熱交換装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱交換装置の一実施の形態を示す概略構成図。
【図2】本発明に係る酸素除去処理手順を示すフローチャート。
【図3】従来の熱交換装置を示す概略構成図。
【符号の説明】
1…エンジン、2…シリンダブロック、3…シリンダヘッド、5…ウォータジャケット、6…アッパタンク、7…コア、8…ロアタンク、9…ラジエータ、10,11,13…通路、12…リザーブタンク、14…ウォータポンプ、15…配管、16…配管、17…窒素タンク、18…逆止弁、19…ガスポンプ、20…濃度センサ、21…電子制御回路、24…酸素除去剤。

Claims (11)

  1. 熱の輸送媒体となる液体を循環させてその液体により熱交換を行わせることで温度を調整させる熱交換装置において、
    前記液体中に不活性ガスを供給するガス供給手段と、
    そのガス供給手段より供給されて前記液体中を通過したガスを回収するガス回収手段と、
    を備えることを特徴とする熱交換装置。
  2. 請求項1に記載の熱交換装置において、
    前記ガス回収手段により回収されたガスから酸素を除去する酸素除去手段を更に備えるとともに、
    前記ガス供給手段は、その酸素除去手段により酸素の除去されたガスを前記液体中に供給することを特徴とする熱交換装置。
  3. 熱の輸送媒体となる液体を循環させてその液体により熱交換を行わせることで温度を調整させる熱交換装置において、
    不活性ガスを貯留するタンクと、
    そのタンクに貯留された不活性ガスを前記液体中に供給するガス供給手段と、
    そのガス供給手段より供給されて前記液体中を通過したガスを回収して前記タンクに還流するガス回収手段と、
    前記タンク内に配設されて、その内部のガスから酸素を除去する酸素除去手段と、
    を備えることを特徴とする熱交換装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の熱交換装置において、
    前記液体中の溶存酸素の濃度を検出する濃度センサと、
    その濃度センサにより検出された溶存酸素の濃度に応じて前記ガス供給手段による不活性ガスの供給を制御する制御手段と、
    を更に備えることを特徴とする熱交換装置。
  5. 前記ガス供給手段による不活性ガスの供給、及び前記ガス回収手段によるガスの回収は、前記液体の循環通路上にてそれぞれ行われる請求項1〜4のいずれかに記載の熱交換装置。
  6. 前記ガス供給手段による不活性ガスの供給、及び前記ガス回収手段によるガスの回収は、前記循環される液体が一時的に貯留されるリザーブタンク内で行われる請求項1〜4のいずれかに記載の熱交換装置。
  7. 前記リザーブタンクは、前記液体の循環通路上に配設され、該リザーブタンクの内部を通過して前記液体が常時循環されるよう構成されてなる請求項6に記載の熱交換装置。
  8. 前記液体の循環通路は、外気から密封されてなる請求項1〜7のいずれかに記載の熱交換装置。
  9. 前記液体は、前記循環通路への充填に先立って、真空引きによる脱気処理が施されている請求項1〜8のいずれかに記載の熱交換装置。
  10. 前記液体は、不凍液である請求項1〜9のいずれかに記載の熱交換装置。
  11. 前記不活性ガスは、窒素ガスである請求項1〜10のいずれかに記載の熱交換装置。
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