JPH1068558A - 吸収式冷凍機用冷媒組成物 - Google Patents

吸収式冷凍機用冷媒組成物

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JPH1068558A
JPH1068558A JP9160050A JP16005097A JPH1068558A JP H1068558 A JPH1068558 A JP H1068558A JP 9160050 A JP9160050 A JP 9160050A JP 16005097 A JP16005097 A JP 16005097A JP H1068558 A JPH1068558 A JP H1068558A
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nitrate
nitrite
concentration
corrosion
refrigerant composition
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Tadao Sakai
忠雄 酒井
Yukio Fukushima
幸男 福島
Masahiko Ito
雅彦 伊藤
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Hitachi Building Systems Engineering Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来から使用されている毒性の強いクロム酸
塩インヒビタ−に代る無公害でしかも優れた腐食抑制効
果および非凝縮性ガスの発生を抑制する効果を有するア
ンモニア吸収式冷凍機用の冷媒組成物を提供すること。 【解決手段】 所定濃度のアンモニア水溶液と、それに
添加される硝酸塩と亜硝酸塩の少なくとも一種類とを含
んで構成され、硝酸塩または亜硝酸塩の濃度は冷凍機を
構成する鉄系材料の腐食量を実質的に最小にするような
範囲内に選択されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸収式冷凍機に用
いられる冷媒組成物に係り、更に詳しくは冷媒にアンモ
ニアを吸収媒体に水を用いるような吸収式冷凍機に好適
な、自然環境に優しくかつ人体の健康に悪影響を与えな
いような無公害な冷媒組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】吸収式冷凍機と呼ばれる冷凍機は、化学
的に媒体の濃縮希釈によって低温を得るもので、例えば
アメリカ特許4311024明細書に開示されるような、冷媒
に水、吸収媒体にLiBr溶液を用いるようなタイプ
や、冷媒にアンモニア、吸収媒体に水を用いるタイプが
ある。後者のようにアンモニア水を作動溶液とする冷凍
機は、冷媒としてアンモニアを用いるため氷点下の低温
が得られること、作動溶液の濃度の制約が比較的少ない
こと、即ち広い濃度範囲での使用が可能であること、タ
−ボ式冷凍機や前者のタイプの吸収式冷凍機に比較して
騒音が少ないこと、空冷が容易であること等の利点があ
り、広く実用化されている。
【0003】図1は、上述したようなアンモニアが吸収
された水を作動溶液とする吸収式冷凍機の冷凍サイクル
を説明するための模式図である。
【0004】このような吸収式冷凍機は、液状アンモニ
アが蒸発する時の気化熱により冷熱を得る。冷凍サイク
ルとしては、アンモニア水溶液は再生器10内でバーナ
ー12により加熱されてアンモニアガスおよび水蒸気と
して蒸発する。これは精溜器14に導入、冷却されてア
ンモニアガスと水に分離される。アンモニアガスは凝縮
器16において冷却されてアンモニア液kとなり、蒸発
器18に導入される。一方、精溜器14で凝縮分離され
た水は希アンモニア水溶液nとなり、吸収器20に導入
される。蒸発器18内ではアンモニア液kが気化してア
ンモニアガスmとなり、この際に気化熱により低温を得
る。気化したアンモニアガスmは吸収器20内で希アン
モニア水溶液nに吸収されて濃いアンモニア水溶液oと
なり、ポンプ22によって再び再生器10に送られ、冷
凍サイクルが成立する。
【0005】このような一般的な吸収式冷凍機において
使用される作動溶液としてのアンモニア水溶液の濃度に
ついては広い濃度範囲での使用が可能であり、例えば冷
凍機に封入される前の濃度を37%とする場合には、冷
凍サイクル内において加熱冷却されるので濃度は約15
〜37%の範囲で希釈・濃縮される。その際、アンモニ
ア水溶液の温度はほぼ45〜170°Cの範囲で変化
し、特に再生器内のアンモニア濃度は約15%、温度は
約170°Cの高温に達するため腐食環境は最も苛酷で
あり、冷凍機の主要構成材料として一般的に使用されて
いる炭素鋼等の鉄系材料の腐食防止策が不可欠である。
【0006】さらに、腐食が生じると副反応として非凝
縮性の水素ガスが発生することが知られているが、図示
したような吸収式冷凍機は機内構造が複雑であるため、
ガスが発生するとガスポケットが生じて機内圧力が上昇
し、性能低下が生じる。
【0007】腐食防止法としてアンモニア水溶液に腐食
抑制剤を添加することが一般的に行なわれている。イン
ヒビターとして特開昭50-3933号公報に開示されている
ようなNa2CrO4等のクロム酸塩を添加する方法や、
特開平5-180532号公報に開示されているようなNa2
oO4等のモリブデン酸塩を添加する方法や、特開平5-3
22357号公報に開示されているようなヒドラジン(N2
4)を添加する方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような腐食抑制剤
のうち、Na2CrO4等のクロム酸塩は強い酸化剤であ
り、その酸化作用により鉄表面に酸化皮膜を形成して腐
食を抑制する。しかしながら、アンモニア水溶液を作動
溶液とする吸収式冷凍機において、腐食抑制剤としてク
ロム酸塩を使用することは、腐食抑制作用について十分
に配慮されたものであるが、自然環境や人体への悪影響
等の安全面についての配慮は十分とは言えないのが現状
である。即ち、クロム酸塩中の6価クロムは、非常に強
い毒性を有するとともに発癌性を有するため、冷凍機の
取り扱いの際の安全性の確保等において問題が残ってい
る。更に、クロム酸塩はガスの発生に対する抑制作用が
ないため、腐食量に比例して発生ガス量が増加し、冷凍
機の性能低下を招くおそれがあった。
【0009】本発明の目的は、自然環境に優しくかつ人
体の健康に悪影響を与えないような安全でしかも優れた
腐食抑制作用および非凝縮性ガス発生抑制作用を有する
吸収式冷凍機用冷媒組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明の冷媒組成物は、所定濃度のアンモニア
水溶液と、それに添加された硝酸塩または亜硝酸塩のう
ち少なくとも1種類とを含み、硝酸塩または亜硝酸塩の
濃度は冷凍機を構成する鉄系材料の腐食量を実質的に最
小にするような範囲にあることを特徴とする。
【0011】冷媒組成物を構成するアンモニア水溶液の
濃度は、蒸発器における冷媒の蒸発温度を何度にするか
によって決められ、冷凍サイクルを構成する主に鉄系材
料からなるパイピング全体の体積や圧力等を考慮して選
択され、冷凍サイクルが稼働した場合には最も温度の高
い再生器においてその濃度は最低となる。
【0012】高温かつ比較的濃いアンモニア水溶液に接
触している吸収式冷凍機の構成部材内の内面、即ち炭素
鋼等の鉄系材料の表面に酸化皮膜を形成するには酸化剤
の存在が必要であり、更にガス発生を抑制するには強い
酸化力で迅速に防食皮膜を形成することが必要である
が、本発明の冷媒組成物においては、所定濃度のアンモ
ニア溶液に硝酸塩または亜硝酸塩を単一で添加するこ
と、あるいは硝酸塩と亜硝酸塩の両方を添加することに
より、炭素鋼等の鉄系材料の表面電位を上昇させて耐食
性被膜を形成し、且つ水素ガスの発生を抑制することが
できる。硝酸塩および亜硝酸塩の酸化力はモリブデン酸
塩やタングステン酸塩などの酸化物よりも強いので、鉄
表面に短時間で防食皮膜を形成することができる。
【0013】更に、硝酸塩が溶解して生成する硝酸イオ
ンは鉄を酸化して防食皮膜を形成する際に自分自身は還
元されて亜硝酸イオンとなる。この硝酸イオンの酸化還
元電位がプロトンの酸化還元電位よりも高いので、鉄表
面に酸化皮膜が形成されて腐食が抑制されるまでの間、
鉄の腐食に伴う水素発生が抑制される。その反応は次式
で表わされる。
【0014】
【数1】Fe→Fe2++2e 2NO3 -+2e→2NO2 上式の硝酸イオンの還元が腐食反応のカソード反応とし
て生じるため、水素ガス発生を抑制して機内の圧力を高
めることはない。
【0015】また本発明の冷媒組成物における硝酸塩、
亜硝酸塩は共にアンモニア水に対する溶解度が高いの
で、インヒビターとして広い濃度範囲を選択できる。添
加される硝酸塩または亜硝酸塩の濃度あるいは硝酸塩と
亜硝酸塩の合計濃度は、吸収式冷凍機を構成する鉄系材
料の腐食量を実質的に最小にするような範囲内で選択さ
れるべきであり、0.01重量%以上の値に選択されこ
とが好ましい。
【0016】また本発明の冷媒組成物においては、所定
濃度のアンモニア溶液に添加される硝酸塩または亜硝酸
塩の他に、水素イオン濃度を調整するためのアルカリ金
属水酸化物を添加することもできる。
【0017】冷媒組成物中にインヒビタ−とアルカリを
共存させることによって、インヒビタ−によって形成さ
れた防食皮膜の溶解度を減少させて防食皮膜を安定に維
持することができる。即ち、防食皮膜の形成に寄与する
冷媒組成物中の硝酸塩または亜硝酸塩は、それら自身は
還元されて使用年月の経過と共に消耗していくので、ア
ンモニア溶液に予めアルカリ金属水酸化物を添加してお
くことで、インヒビタ−としての硝酸塩または亜硝酸塩
の消耗速度を減少させることができ、結果として冷媒組
成物の長寿命化が達成でき、メインテナンスフリ−を可
能にできる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明による冷媒組成物を
用いて行なった腐食試験、耐食皮膜の安定性試験および
ガス発生量の試験について説明する。
【0019】[試験例1]この腐食試験はオートクレー
ブを用いて実施され、試験片としては、表面を研磨し、
脱脂した炭素鋼板(SS400:ISO規格)を用い、
冷媒組成物としては37重量%濃度のアンモニア水溶液
に次のようなインヒビターおよび水素イオン濃度調整剤
を添加したものを用い、液温165°Cのもとで200
時間にわたる腐食試験をした。液温を165°Cとした
場合のアンモニア水溶液の濃度は約15重量%となる。
アンモニア水溶液に添加されるインヒビターとして、硝
酸塩および亜硝酸塩を代表して、硝酸ナトリウム(Na
NO3)および亜硝酸ナトリウム(NaNO2)をそれぞ
れ用い、比較例1として示されるのは、インヒビターを
添加しないアンモニア水溶液のみの例であり、比較例2
〜4として示されるのは、インヒビターとしてクロム酸
ナトリウム(Na2CrO4)、モリブデン酸ナトリウム
(Na2MoO4)、ヒドラジン(N24)をそれぞれ用
いた従来例である。アンモニア水溶液の水素イオン濃度
の調整にはアルカリ金属の水酸化物を代表して水酸化ナ
トリウムを添加して用いた。
【0020】
【表1】
【0021】表1に示す試験結果、即ち実施例1〜3、
6、8、9から明らかなように、本発明による冷媒組成
物を用いることによって、比較例2のクロム酸ナトリウ
ムによる腐食量とほぼ同等のオ−ダ−での優れた腐食抑
制効果があり、炭素鋼板の腐食量が大きく抑制されるこ
とがわかる。実施例4および7ではアンモニア水溶液の
水素イオン濃度が12と低くすぎるため、また実施例5
ではインヒビターの濃度が0.001重量%と極めて低
いため腐食抑制効果が比較的小さいが、比較例3のモリ
ブデン酸ナトリウムおよび比較例4のヒドラジンよりも
優れた腐食抑制効果があることが分る。
【0022】[試験例2]試験条件は試験例1と同じで
あり、アンモニア水溶液に添加されるインヒビターとし
て異なる種類の硝酸塩および亜硝酸塩を添加してそれぞ
れ腐食試験を行なった。水素イオン濃度の調整には水酸
化リチウムを添加して用い、試験結果は表2において実
施例10〜17として示される。
【0023】
【表2】
【0024】表2から明らかなように、インヒビターと
して加えた硝酸塩あるいは亜硝酸塩の濃度を0.3重量
%とし、アンモニア水溶液の水素イオン濃度をpH13
にした場合には硝酸塩あるいは亜硝酸塩の種類によらず
腐食抑制効果が高いことが分る。
【0025】[試験例3]試験条件は試験例1と同じで
あり、インヒビターとして硝酸塩および亜硝酸塩をそれ
ぞれ1種類ずつ混合させたものを用いた。即ち、実施例
18においてはアンモニア水溶液に硝酸ナトリウムと亜
硝酸ナトリウムをそれぞれ0.1重量%ずつ加え、実施
例19においては硝酸ナトリウムと亜硝酸カリウム(K
NO2)をそれぞれ0.1重量%ずつ添加して腐食試験
を行ない表3に示す結果を得た。表3においてはインヒ
ビター濃度は添加した硝酸塩および亜硝酸塩の合計濃度
が表示される。また、水素イオン濃度の調整には水酸化
カリウムを添加して用いた。
【0026】
【表3】
【0027】表3から明らかなことは、表2に示すよう
にインヒビターとして硝酸塩または亜硝酸塩をそれぞれ
単独に用いる場合だけでなく、それらを混合して用いた
場合でも高い腐食抑制効果が得られるということであ
る。
【0028】[試験例4]耐食性はインヒビターにより
鉄表面に形成される耐食皮膜の安定性に依存する。そこ
で本発明による種々の冷媒組成物を使用した場合の鉄表
面皮膜の安定性を試験した。試験は公知のアノード分極
曲線モデルに基づき、炭素鋼板(SS400)について
皮膜安定性の目安になる不動態保持電流密度を測定して
比較した。アノード分極曲線の測定は、165°Cの脱
気した約15重量%のアンモニア水溶液中でPtを対極
とし、Ag/AgCl電極を参照電極として電位走査速
度20mV/minで行なった。水素イオン濃度の調整
には水酸化ナトリウムを用い、結果を表4に示す。
【0029】
【表4】
【0030】表4から明らかなように、本発明による実
施例20〜22では、不動態保持電流密度が比較例2の
クロム酸塩とほぼ同等であるが、比較例1および比較例
3よりも極めて小さく、鉄表面に極めて安定な防食皮膜
が生成されていることが認められた。
【0031】[試験例5]試験片にステンレス鋼板(S
US307:JIS規格)を用いて腐食試験をした。試
験条件は試験例1と同じであり、冷媒としては37重量
%の濃度のアンモニア水溶液を加熱して液温165°C
とし約200時間の腐食試験を行なった。アンモニア水
溶液に添加されるインヒビターとして、実施例23では
硝酸ナトリウム、実施例24では亜硝酸ナトリウムをそ
れぞれ用い、比較例1として示されるのは、インヒビタ
ーを添加しないアンモニア水溶液のみの例である。アン
モニア水溶液の水素イオン濃度の調整には水酸化ナトリ
ウムを用い、試験結果を表5に示す。
【0032】
【表5】
【0033】表5から明らかなように、本発明による冷
媒組成物を使用した場合、炭素鋼板のみならずステンレ
ス鋼に対しても腐食抑制効果が高いことがわかる。
【0034】[試験例6]試験片として炭素鋼板(SS
400)を用い、本発明による種々の冷媒組成物を使用
した場合の水素ガスの発生量を調べた。腐食試験はオー
トクレーブ中にテフロン容器を入れ、試験液がオートク
レーブと接触しないようにした。冷媒組成物としては、
実施例25〜28では37重量%のアンモニア水溶液に
インヒビターとして0.1重量%または0.5重量%の
硝酸ナトリウムをそれぞれ添加し、実施例29では37
重量%のアンモニア水溶液に0.1重量%の亜硝酸ナト
リウムを添加し、更に水素イオン濃度の調整のためにそ
れぞれの実施例について水酸化ナトリウムを適宜添加し
た。比較例1として示されるのは、インヒビターを添加
しないアンモニア水溶液のみの例である。アンモニア水
溶液を脱気して濃度15重量%にし、温度を165°C
に保って約1000時間の間に発生したガス量を測定し
た。結果を表6に示す。
【0035】
【表6】
【0036】表6から明らかなように、本発明による実
施例では比較例1よりも水素ガス発生量がはるかに少な
いことが明らかである。インヒビターとして硝酸ナトリ
ウムを添加し、水酸化ナトリウムを添加して水素イオン
濃度をpH13または14とした実施例25、26、2
8の場合は、他の実施例27、29に比較して水素ガス
の発生量が小さいことがわかる。
【0037】硝酸塩を用いた場合、腐食に伴うカソード
反応は硝酸イオンが還元されて亜硝酸イオンとなる反応
であるため、他のインヒビターに比較して水素ガス発生
量が小さく、検出された水素のほとんどは微量溶出した
鉄イオンがシッコール反応を生じる際に生成したもので
あると思われる。
【0038】以上説明した試験例1−6においては、ア
ンモニア水溶液の溶液全体の水素イオン濃度を調整する
目的でアルカリ金属水酸化物を添加しているが、年月の
経過と共に次第に消耗していくインヒビターの特性を考
慮してインヒビターの濃度を予め十分高い値に選択して
おけば、必ずしも必要でない。
【0039】次に、本発明による冷媒組成物を構成する
硝酸塩あるいは亜硝酸塩の濃度が炭素鋼板(SS40
0)の腐食量に及ぼす影響を調べるための腐食試験をオ
ートクレーブを用いて実施した。37重量%のアンモニ
ア水溶液に、a)硝酸ナトリウムだけを添加した場合、
b)亜硝酸ナトリウムだけを添加した場合、c)硝酸ナ
トリウムと亜硝酸ナトリウムの両方を添加した構成した
冷媒組成物について、それぞれの濃度を変えて行なっ
た。上述した各試験例1−6においていずれもアンモニ
ア水溶液の水素イオン濃度を調整する目的で用いたアル
カリ金属水酸化物はこれらの試験では用いず、各冷媒組
成物を脱気して液温を165°Cとした試験液(水素イ
オン濃度はほぼ12.5)を用いて約200時間にわた
る腐食試験を行なった。この試験結果は図2に示され
る。図から理解されるように、硝酸塩あるいは亜硝酸塩
の濃度が比較的低い場合、即ち上述したa)〜c)につ
いて各濃度が0.01重量%よりも小さい範囲では、腐
食量は約20mg/dm2以上であるが、各濃度が実質
的に0.01〜0.05重量%の範囲では腐食量は10
数mg/dm2とより少なくなり、腐食抑制効果はa>
b>cである。それらの各濃度が実質的に0.05重量
%以上の範囲では更に腐食量が少なくなり、腐食抑制効
果が極めて高いことが分る。即ち、硝酸塩あるいは亜硝
酸塩の濃度を実質的に0.01重量%以上とすることで
鉄系金属材料の腐食量を実質的に最小にすることができ
る。
【0040】また本発明の冷媒組成物を実際に吸収式冷
凍機の冷凍サイクル内で使用する場合、冷媒組成物中に
予めアルカリ金属水酸化物を添加することもでき、それ
によってインヒビタ−により形成された防食皮膜の溶解
度を減少させて防食皮膜を安定に維持することができ
る。即ち、防食皮膜の形成に寄与する冷媒組成物中の硝
酸塩または亜硝酸塩は、それら自身は還元されて使用年
月の経過と共に消耗していくが、インヒビタ−とアルカ
リを予め共存させておくことで硝酸塩または亜硝酸塩の
消耗速度を減少させることができ、結果として冷媒組成
物の長寿命化が達成でき、メインテナンスフリ−を可能
にできる。
【0041】本発明による冷媒組成物を実際の吸収式冷
凍機に封入して運転した結果について述べる。吸収式冷
凍機として3RTの冷房能力を有し、かつ単一の再生器
を備えるアンモニア吸収冷凍機を用い、それに封入する
冷媒組成物としては、37重量%アンモニア水溶液に
1.0重量%の硝酸ナトリウムを添加し、かつ水酸化ナ
トリウム水溶液を加えてアンモニア水溶液の水素イオン
濃度をpH13としたものを用いた。このような冷媒組
成物を封入したアンモニア吸収冷凍機を1000時間連
続運転した結果、優れた冷凍性能を示すと共に腐食に伴
う非凝縮性ガスの発生も認められず、機内圧力の変化も
見出されなかった。
【0042】
【発明の効果】以上の試験例から明らかなように、本発
明の冷媒組成物は毒性が全くないので自然環境に優しく
かつ人体に悪影響を与えることがなく、しかも鉄系材料
に対する優れた腐食抑制効果および非凝縮性ガスの発生
を抑制する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】アンモニアが吸収された水を作動溶液とする吸
収式冷凍機の冷凍サイクルを説明するための模式図。
【図2】本発明による冷媒組成物を構成する硝酸塩ある
いは亜硝酸塩の濃度と炭素鋼板の腐食量との関係を示す
グラフ図。
【符号の説明】
10・・再生器、12・・バ−ナ−、14・・精溜器、
16・・凝縮器、18・・蒸発器、20・・吸収器、2
2・・溶液ポンプ、k・・アンモニア冷媒液、m・・ア
ンモニア冷媒ガス、n・・希アンモニア水溶液、o・・
濃アンモニア水溶液。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンモニアを冷媒に、水を吸収媒体に用
    いるような吸収式冷凍機に使用される冷媒組成物におい
    て、所定濃度のアンモニア水溶液と、該アンモニア水溶
    液に添加される硝酸塩または亜硝酸塩の少なくとも一種
    類とを含み、前記硝酸塩または亜硝酸塩の濃度は前記冷
    凍機を構成する鉄系材料の腐食量を実質的に最小にする
    ような範囲にあることを特徴とする冷媒組成物。
  2. 【請求項2】 前記硝酸塩または亜硝酸塩の濃度、ある
    いは硝酸塩と亜硝酸塩の合計濃度は実質的に0.01重
    量%以上であることを特徴とする請求項1記載の冷媒組
    成物。
  3. 【請求項3】 アンモニアを冷媒に、水を吸収媒体に用
    いるような吸収式冷凍機に使用される冷媒組成物におい
    て、所定濃度のアンモニア水溶液と、該アンモニア水溶
    液に添加される硝酸塩または亜硝酸塩の少なくとも一種
    類と、前記アンモニア水溶液に水素イオン濃度を調整す
    るために添加されるアルカリ金属水酸化物とから構成さ
    れる冷媒組成物。
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