JP3279779B2 - 吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物 - Google Patents
吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物Info
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- Y02B—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
- Y02B30/00—Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
- Y02B30/62—Absorption based systems
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- Lubricants (AREA)
- Sorption Type Refrigeration Machines (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸収式ヒ−トポンプに
使用される作動媒体組成物に関し、より具体的には、炭
素鋼系鉄製材質を構成材料とする吸収式ヒ−トポンプに
おいて使用する、水を冷媒とし、吸収剤の成分としてヨ
ウ化物を含む吸収式ヒ−トポンプ用の水溶液組成物に関
する。
使用される作動媒体組成物に関し、より具体的には、炭
素鋼系鉄製材質を構成材料とする吸収式ヒ−トポンプに
おいて使用する、水を冷媒とし、吸収剤の成分としてヨ
ウ化物を含む吸収式ヒ−トポンプ用の水溶液組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】吸収式ヒ−トポンプに使用される作動媒
体としては、これまで種々のものが提案されてきてお
り、特に、水とアンモニア(NH3 :冷媒)との組み合
わせからなるもの、水とハロゲン化塩との組み合わせか
らなるものは、現に実用化されている。
体としては、これまで種々のものが提案されてきてお
り、特に、水とアンモニア(NH3 :冷媒)との組み合
わせからなるもの、水とハロゲン化塩との組み合わせか
らなるものは、現に実用化されている。
【0003】このうち、水とハロゲン化塩とからなる作
動媒体では、水を冷媒とし、吸収剤成分としてハロゲン
化塩を用いるものであるが、このハロゲン化塩として
は、その主要成分として、臭化リチウム(LiBr)や
塩化リチウム(LiCl)が使用されている。
動媒体では、水を冷媒とし、吸収剤成分としてハロゲン
化塩を用いるものであるが、このハロゲン化塩として
は、その主要成分として、臭化リチウム(LiBr)や
塩化リチウム(LiCl)が使用されている。
【0004】しかし、例えば、上記実質上水と臭化リチ
ウムとだけからなる系では、装置を小型化したり、空冷
化するためには、その水溶液中の臭化リチウムの濃度を
高くしなければならないが、そうすると臭化リチウムが
晶出することとなり、ある程度以上の小型化や空冷化は
困難であった。
ウムとだけからなる系では、装置を小型化したり、空冷
化するためには、その水溶液中の臭化リチウムの濃度を
高くしなければならないが、そうすると臭化リチウムが
晶出することとなり、ある程度以上の小型化や空冷化は
困難であった。
【0005】この結晶限界を改良するために、この水と
臭化リチウムとからなる水溶液組成物に臭化亜鉛や塩化
亜鉛を添加することが提案されているが、これらを加え
た系では、その水溶液自体が酸性となり、きわめて強い
腐食性を示すだけではなく、10重量%程度以下の希薄
溶液では水酸化亜鉛の生成に伴う沈澱物が生じてしま
う。
臭化リチウムとからなる水溶液組成物に臭化亜鉛や塩化
亜鉛を添加することが提案されているが、これらを加え
た系では、その水溶液自体が酸性となり、きわめて強い
腐食性を示すだけではなく、10重量%程度以下の希薄
溶液では水酸化亜鉛の生成に伴う沈澱物が生じてしま
う。
【0006】吸収式ヒ−トポンプは、基本的には、発生
器、凝縮器、蒸発器及び吸収器から成るものであるが、
これら各装置は、軟鋼その他の炭素鋼系の鉄製材料、
銅、キュプロニッケル等の銅基合金、等の種々の材料で
構成されていおり、これらの材料のうち、特に高温で機
能する発生器を構成する炭素鋼系の鉄製材料に対する腐
食の問題は、上述吸収剤成分の晶出、沈澱物の生成の問
題とともに、充分に配慮されなければならない。
器、凝縮器、蒸発器及び吸収器から成るものであるが、
これら各装置は、軟鋼その他の炭素鋼系の鉄製材料、
銅、キュプロニッケル等の銅基合金、等の種々の材料で
構成されていおり、これらの材料のうち、特に高温で機
能する発生器を構成する炭素鋼系の鉄製材料に対する腐
食の問題は、上述吸収剤成分の晶出、沈澱物の生成の問
題とともに、充分に配慮されなければならない。
【0007】吸収式ヒ−トポンプでは、順調な運転を維
持するため、系全体を完全な気密状態に保つ必要があ
り、この事は、同時に系の防食のためにも非常に重要な
ことであるが、それでもなお、水を冷媒とし、その吸収
剤として臭化リチウム、塩化リチウム等を使用する場
合、この作動媒体は、吸収式ヒ−トポンプを構成する前
述諸機器の主要構成材料である炭素鋼系の鉄製材料に対
して腐食性を有し、このため、通常、腐食防止用のイン
ヒビタ−の添加が必要不可欠である。
持するため、系全体を完全な気密状態に保つ必要があ
り、この事は、同時に系の防食のためにも非常に重要な
ことであるが、それでもなお、水を冷媒とし、その吸収
剤として臭化リチウム、塩化リチウム等を使用する場
合、この作動媒体は、吸収式ヒ−トポンプを構成する前
述諸機器の主要構成材料である炭素鋼系の鉄製材料に対
して腐食性を有し、このため、通常、腐食防止用のイン
ヒビタ−の添加が必要不可欠である。
【0008】このインヒビタ−としては、例えばクロム
酸リチウム等のクロム酸塩、モリブデン酸リチウム等の
モリブデン酸塩、タングステン酸塩、亜硝酸塩、硝酸
塩、アゾ−ル塩、アミン類、等が提案されている。
酸リチウム等のクロム酸塩、モリブデン酸リチウム等の
モリブデン酸塩、タングステン酸塩、亜硝酸塩、硝酸
塩、アゾ−ル塩、アミン類、等が提案されている。
【0009】ところで、特公平5−28751号公報に
は、水とハロゲン化塩とからなる作動媒体において、晶
析限界を改良した新しい吸収冷凍機用吸収液が提案され
ている。これによれば、その成分として、臭化リチウ
ム、ヨウ化リチウム、塩化リチウム及び硝酸リチウムを
用い、これら各成分の割合を所定の範囲とすることによ
り、例えば水溶液中の吸収剤成分の濃度63.6wt%
で晶出温度0.5°C、その濃度62.0wt%で晶出
温度1.9°Cという成果が得られることが示されてい
る。
は、水とハロゲン化塩とからなる作動媒体において、晶
析限界を改良した新しい吸収冷凍機用吸収液が提案され
ている。これによれば、その成分として、臭化リチウ
ム、ヨウ化リチウム、塩化リチウム及び硝酸リチウムを
用い、これら各成分の割合を所定の範囲とすることによ
り、例えば水溶液中の吸収剤成分の濃度63.6wt%
で晶出温度0.5°C、その濃度62.0wt%で晶出
温度1.9°Cという成果が得られることが示されてい
る。
【0010】この新しい作動媒体を使用する場合にも、
腐食防止に対する十分な配慮が必要であることに変わり
はなく、例えば、特開平1−174588号公報には、
特に腐食性が強い吸収液として「ヨウ化リチウム等を含
むハロゲン化リチウム塩水溶液」が指摘され、これを用
いる場合の対策が検討されている。
腐食防止に対する十分な配慮が必要であることに変わり
はなく、例えば、特開平1−174588号公報には、
特に腐食性が強い吸収液として「ヨウ化リチウム等を含
むハロゲン化リチウム塩水溶液」が指摘され、これを用
いる場合の対策が検討されている。
【0011】上記公報によれば、この吸収液において
は、従来のインヒビタ−だけでは腐食抑制効果が十分で
はなかったところ、この問題点を、アンチモン化合物、
特に三酸化二アンチモンを添加することにより解決した
というものである。
は、従来のインヒビタ−だけでは腐食抑制効果が十分で
はなかったところ、この問題点を、アンチモン化合物、
特に三酸化二アンチモンを添加することにより解決した
というものである。
【0012】そして、そこでは、その添加アンチモン化
合物の作用として、遊離したハロゲンをイオンに還元
させること及びハロゲンの遊離を抑制させること、添
加アンチモン化合物が吸収機内の銅及び鋼材料の表面に
吸着し、緻密な保護皮膜を形成させ、鉄及び鋼の溶出を
防ぐこと、の2点にあると指摘されている。
合物の作用として、遊離したハロゲンをイオンに還元
させること及びハロゲンの遊離を抑制させること、添
加アンチモン化合物が吸収機内の銅及び鋼材料の表面に
吸着し、緻密な保護皮膜を形成させ、鉄及び鋼の溶出を
防ぐこと、の2点にあると指摘されている。
【0013】しかし、吸収剤の成分としてヨウ化リチウ
ムを添加するのは、化合物としてのヨウ化リチウム自体
の特性を利用するものであるから、これを用いるヒ−ト
ポンプの作動中に、遊離、生成したヨウ素を元のヨウ素
イオンに戻すというのではなく、ヨウ素が遊離、生成す
ること自体を抑制する必要があり、またその生成を、で
き得れば、皆無とするのが望ましい。
ムを添加するのは、化合物としてのヨウ化リチウム自体
の特性を利用するものであるから、これを用いるヒ−ト
ポンプの作動中に、遊離、生成したヨウ素を元のヨウ素
イオンに戻すというのではなく、ヨウ素が遊離、生成す
ること自体を抑制する必要があり、またその生成を、で
き得れば、皆無とするのが望ましい。
【0014】本発明者等は、この観点から、これまで提
案されてきた、水を冷媒とし、ヨウ化リチウム等のヨウ
素化合物を含有するハロゲン化物を吸収剤とする種々の
水溶液組成物について、観察を続けた結果、その水溶液
組成物中にヨウ素が遊離し易いこと、そして特に硝酸塩
を含む場合に顕著であることを見い出した。以下の試験
は、その観察の一例を示すものである。
案されてきた、水を冷媒とし、ヨウ化リチウム等のヨウ
素化合物を含有するハロゲン化物を吸収剤とする種々の
水溶液組成物について、観察を続けた結果、その水溶液
組成物中にヨウ素が遊離し易いこと、そして特に硝酸塩
を含む場合に顕著であることを見い出した。以下の試験
は、その観察の一例を示すものである。
【0015】《試験A》溶液組成として、水306g、
LiBr261g、LiI258g、LiCl53g、
合計878gからなる溶液を調製し、この溶液にLiO
H2.4gを添加して試験液とした。なお、このLiO
Hは、溶液を腐食性の低いアルカリ性に保つために加え
るものである。
LiBr261g、LiI258g、LiCl53g、
合計878gからなる溶液を調製し、この溶液にLiO
H2.4gを添加して試験液とした。なお、このLiO
Hは、溶液を腐食性の低いアルカリ性に保つために加え
るものである。
【0016】 この溶液を後述実施例(含:比較例)の
場合と同じくチタンくり抜き容器に注入後、窒素雰囲
気、密封状態とし(金属クーポンなし)、容器内部温度
を160°Cに保ち、この状態を500時間続けた後、
常温に至った時点で溶液を分析したところ、0.000
1Nの遊離ヨウ素が生成していた。
場合と同じくチタンくり抜き容器に注入後、窒素雰囲
気、密封状態とし(金属クーポンなし)、容器内部温度
を160°Cに保ち、この状態を500時間続けた後、
常温に至った時点で溶液を分析したところ、0.000
1Nの遊離ヨウ素が生成していた。
【0017】《試験例B》一方、硝酸塩を含む場合の溶
液組成として、水306g、LiBr222g、LiI
258g、LiCl44g、LiNO3 44g、合計8
74gからなる溶液に、LiOH2.4gを添加して試
験液とした。この溶液につき、試験例Aの場合と同じ条
件で試験をし、溶液を分析したところ、0.003Nの
遊離ヨウ素が生成していた。
液組成として、水306g、LiBr222g、LiI
258g、LiCl44g、LiNO3 44g、合計8
74gからなる溶液に、LiOH2.4gを添加して試
験液とした。この溶液につき、試験例Aの場合と同じ条
件で試験をし、溶液を分析したところ、0.003Nの
遊離ヨウ素が生成していた。
【0018】そしてまた、本発明者等は、後に詳しく述
べるように、ヨウ化リチウムを含む水溶液中の遊離ヨウ
素が、同液中に浸漬されている炭素鋼の腐食を著しく促
進する事実を見出した。これはすなわち、ヨウ素が遊離
生成すること自体を抑制する必要性を裏付けるものであ
る。
べるように、ヨウ化リチウムを含む水溶液中の遊離ヨウ
素が、同液中に浸漬されている炭素鋼の腐食を著しく促
進する事実を見出した。これはすなわち、ヨウ素が遊離
生成すること自体を抑制する必要性を裏付けるものであ
る。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明は、
炭素鋼系の鉄製材質を構成材料とする吸収式ヒ−トポン
プにおいて使用する、水を冷媒とし、吸収剤成分として
ヨウ化物を含む水溶液組成物において、ヨウ素が遊離、
生成すること自体を抑制ないし皆無とすることにより、
そこで使用される炭素鋼系の鉄製材の腐食を防止し、ま
た前述の諸欠点を有しない水溶液組成物を提供すること
を目的とする。
炭素鋼系の鉄製材質を構成材料とする吸収式ヒ−トポン
プにおいて使用する、水を冷媒とし、吸収剤成分として
ヨウ化物を含む水溶液組成物において、ヨウ素が遊離、
生成すること自体を抑制ないし皆無とすることにより、
そこで使用される炭素鋼系の鉄製材の腐食を防止し、ま
た前述の諸欠点を有しない水溶液組成物を提供すること
を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭素鋼系の鉄
製材質を構成材料とする吸収式ヒ−トポンプにおいて使
用する、水を冷媒とし、吸収剤成分としてヨウ化物を含
む水溶液組成物において、この水溶液組成物に還元剤を
添加してなることを特徴とする吸収式ヒ−トポンプ用水
溶液組成物を提供するものである。ここで、「吸収式ヒ
−トポンプ」の語は、狭義のヒ−トポンプでなく、冷凍
機を含めた広義のヒ−トポンプの意味で使用している。
製材質を構成材料とする吸収式ヒ−トポンプにおいて使
用する、水を冷媒とし、吸収剤成分としてヨウ化物を含
む水溶液組成物において、この水溶液組成物に還元剤を
添加してなることを特徴とする吸収式ヒ−トポンプ用水
溶液組成物を提供するものである。ここで、「吸収式ヒ
−トポンプ」の語は、狭義のヒ−トポンプでなく、冷凍
機を含めた広義のヒ−トポンプの意味で使用している。
【0021】また、本発明では、還元剤のうちでも、そ
の還元剤が亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3 )であ
る場合が最も有効であることを見出した。この還元剤
は、ヨウ素が遊離、生成すること自体を抑制ないし皆無
とし、これによって吸収式ヒ−トポンプに使用される炭
素鋼系の鉄製材料の腐食を長期にわたり防止することが
できる。
の還元剤が亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3 )であ
る場合が最も有効であることを見出した。この還元剤
は、ヨウ素が遊離、生成すること自体を抑制ないし皆無
とし、これによって吸収式ヒ−トポンプに使用される炭
素鋼系の鉄製材料の腐食を長期にわたり防止することが
できる。
【0022】吸収式ヒ−トポンプ用の水溶液組成物に添
加されたインヒビタ−や還元剤は、吸収式ヒ−トポンプ
の長期にわたる作動中、次第に消耗されて行くが、特に
亜硫酸水素ナトリウムの場合には、その水溶液組成物に
対して比較的溶け易いため、必要な量だけ加えることが
でき、また予め過剰に添加しておくことができる等、こ
の点でも有利である。
加されたインヒビタ−や還元剤は、吸収式ヒ−トポンプ
の長期にわたる作動中、次第に消耗されて行くが、特に
亜硫酸水素ナトリウムの場合には、その水溶液組成物に
対して比較的溶け易いため、必要な量だけ加えることが
でき、また予め過剰に添加しておくことができる等、こ
の点でも有利である。
【0023】また、本発明で、その対象とする、「水を
冷媒とし、吸収剤成分としてヨウ化物を含む水溶液組成
物」としては、単に水−ヨウ化リチウム系だけでなく、
水−臭化リチウム−ヨウ化リチウム系、水−ヨウ化リチ
ウム−硝酸リチウム系、臭化リチウム−ヨウ化リチウム
−塩化リチウム−硝酸リチウム系の吸収液、等を挙げる
ことができる。特に、ヨウ化リチウムと硝酸リチウムを
含む場合には、硝酸リチウムが酸化力をもち、そのまま
では遊離ヨウ素を生成し易いので、一層効果的である。
冷媒とし、吸収剤成分としてヨウ化物を含む水溶液組成
物」としては、単に水−ヨウ化リチウム系だけでなく、
水−臭化リチウム−ヨウ化リチウム系、水−ヨウ化リチ
ウム−硝酸リチウム系、臭化リチウム−ヨウ化リチウム
−塩化リチウム−硝酸リチウム系の吸収液、等を挙げる
ことができる。特に、ヨウ化リチウムと硝酸リチウムを
含む場合には、硝酸リチウムが酸化力をもち、そのまま
では遊離ヨウ素を生成し易いので、一層効果的である。
【0024】また、上記還元剤として、亜硫酸水素ナト
リウムを使用する場合、その添加量としては、これを適
用しようとする水溶液に対するこの成分の溶解度まで可
能であるが、遊離ヨウ素の生成を抑制し、皆無とする限
度で、その水溶液中に添加されたヨウ化物の量等の如何
により適宜設定することができる。
リウムを使用する場合、その添加量としては、これを適
用しようとする水溶液に対するこの成分の溶解度まで可
能であるが、遊離ヨウ素の生成を抑制し、皆無とする限
度で、その水溶液中に添加されたヨウ化物の量等の如何
により適宜設定することができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
がこの実施例に限定されないことは勿論である。
がこの実施例に限定されないことは勿論である。
【0026】《実施例1》まず、吸収液組成として、
「60%LiXs+0.2%LiOH」の水溶液を調製
し、以降、実験内容に応じて、NaHSO3 の添加、そ
の濃度調整及びI2成分の濃度調整を行った。ここで、
LiXsは、モル比で、LiBr:LiI:LiCl:
LiNO3 =100:75:41:25の混合塩であ
る。
「60%LiXs+0.2%LiOH」の水溶液を調製
し、以降、実験内容に応じて、NaHSO3 の添加、そ
の濃度調整及びI2成分の濃度調整を行った。ここで、
LiXsは、モル比で、LiBr:LiI:LiCl:
LiNO3 =100:75:41:25の混合塩であ
る。
【0027】また、そのNaHSO3 の添加、その濃度
調整及びI2 成分の濃度調整については、次のとおりに
行った。上記水溶液中では、一部のI- の一部は酸化さ
れてI3 -として存在している。そこで、この基本溶液を
NaHSO3 で滴定して(2SO3 2-+I2=S2O6 2-+
2I-)、液中のI2を還元し、この滴定終点時の組成を
基本組成とした(以下、この基本組成の溶液を、適宜
「基本水溶液」と指称する)。
調整及びI2 成分の濃度調整については、次のとおりに
行った。上記水溶液中では、一部のI- の一部は酸化さ
れてI3 -として存在している。そこで、この基本溶液を
NaHSO3 で滴定して(2SO3 2-+I2=S2O6 2-+
2I-)、液中のI2を還元し、この滴定終点時の組成を
基本組成とした(以下、この基本組成の溶液を、適宜
「基本水溶液」と指称する)。
【0028】上記滴定終点時でのI2 及びNaHSO3
は、ともに0ppmであるが、これにさらにNaHSO
3 を添加すると、NaHSO3 含有溶液となり、この場
合にはI2 は存在しない。これに対して、I2 含有溶液
については、基本水溶液すなわち上記滴定終点時の溶液
を、Pt電極を用いて定電流電解して得るが、この場
合、その通電量を変えることにより、各種濃度のI2 含
有溶液とする。
は、ともに0ppmであるが、これにさらにNaHSO
3 を添加すると、NaHSO3 含有溶液となり、この場
合にはI2 は存在しない。これに対して、I2 含有溶液
については、基本水溶液すなわち上記滴定終点時の溶液
を、Pt電極を用いて定電流電解して得るが、この場
合、その通電量を変えることにより、各種濃度のI2 含
有溶液とする。
【0029】一方、試験片としてC:0.049%、S
i:0.010%、Mn:0.25%、P:0.014
%、S:0.0096%、Cu:0.010%、Al:
0.047%、Ti:0.002%以下、Nb:0.0
02%以下、残余:Feからなる炭素鋼を用い、この炭
素鋼板を約5×5×30mm3 の柱状に切り出し、その
表面をSiC紙で研磨したものを用意した。
i:0.010%、Mn:0.25%、P:0.014
%、S:0.0096%、Cu:0.010%、Al:
0.047%、Ti:0.002%以下、Nb:0.0
02%以下、残余:Feからなる炭素鋼を用い、この炭
素鋼板を約5×5×30mm3 の柱状に切り出し、その
表面をSiC紙で研磨したものを用意した。
【0030】以上の準備をした後、前述各種溶液を用い
て各種実験を実施したが、何れも次の手法により行っ
た。各水溶液を、テフロンで内張りをした内容積1l
(1リットル)のチタンくり抜き容器に注入した後、そ
の水溶液中に上記試験片を懸吊し、そのチタンくり抜き
容器の上部に蓋をして高純度窒素ガスを用いて脱気後、
その内部を窒素雰囲気とし、密封状態とした。
て各種実験を実施したが、何れも次の手法により行っ
た。各水溶液を、テフロンで内張りをした内容積1l
(1リットル)のチタンくり抜き容器に注入した後、そ
の水溶液中に上記試験片を懸吊し、そのチタンくり抜き
容器の上部に蓋をして高純度窒素ガスを用いて脱気後、
その内部を窒素雰囲気とし、密封状態とした。
【0031】まず、「60%LiXs+0.2%LiO
H」の水溶液中において、−800mV、1時間の定電
位保持を行い、その後速やかに、上記各種溶液中で自然
浸漬を行い、自然浸漬電位の経時変化及び生じた食孔の
最大深さを測定した。また、各液中における炭素鋼の定
電位法孔食電位(Vc)又は動電位法孔食電位(Vc′
10)の測定を行い、自然浸漬電位(Esp)と比較し
た。
H」の水溶液中において、−800mV、1時間の定電
位保持を行い、その後速やかに、上記各種溶液中で自然
浸漬を行い、自然浸漬電位の経時変化及び生じた食孔の
最大深さを測定した。また、各液中における炭素鋼の定
電位法孔食電位(Vc)又は動電位法孔食電位(Vc′
10)の測定を行い、自然浸漬電位(Esp)と比較し
た。
【0032】なお、各試験における時間は、特に指摘し
ない限り、20時間で実施し、試験温度については、各
溶液の沸点より約2゜C下(LiXs60%の溶液では
150゜C)で行い、また電極電位は、室温のSCE
(飽和甘コウ電極電位)に照合して測定、表示した。
ない限り、20時間で実施し、試験温度については、各
溶液の沸点より約2゜C下(LiXs60%の溶液では
150゜C)で行い、また電極電位は、室温のSCE
(飽和甘コウ電極電位)に照合して測定、表示した。
【0033】〈試験1〉以上の手法により、まず基本水
溶液(I2 及びNaHSO3 ともに0ppmである)を
用いて試験をした。図1のとおり、この場合には、自然
電位(Esp)は、時間の経過とともに、穏やかな上昇
傾向を示し、1200分(20時間)経過後でも、動電
位法孔食電位(Vc′10)を超えることなく安定し、こ
の時点で生じたビット(試験片における最大侵食深さ)
は、8μmと浅い。
溶液(I2 及びNaHSO3 ともに0ppmである)を
用いて試験をした。図1のとおり、この場合には、自然
電位(Esp)は、時間の経過とともに、穏やかな上昇
傾向を示し、1200分(20時間)経過後でも、動電
位法孔食電位(Vc′10)を超えることなく安定し、こ
の時点で生じたビット(試験片における最大侵食深さ)
は、8μmと浅い。
【0034】〈試験2〉次に、基本水溶液に対して、I
2 を225ppm存在させた溶液を用いて試験した。図
2のとおり、この場合の自然電位(Esp)は、試験片
浸漬後、速やかに動電位法孔食電位(Vc′10)を超え
て貴化し、1200分(20時間)後の最大侵食深さは
240μmにも達した。
2 を225ppm存在させた溶液を用いて試験した。図
2のとおり、この場合の自然電位(Esp)は、試験片
浸漬後、速やかに動電位法孔食電位(Vc′10)を超え
て貴化し、1200分(20時間)後の最大侵食深さは
240μmにも達した。
【0035】さらに、上記I2 の含有量を変え、そのI
2 を225ppm〜900ppmの濃度範囲で存在させ
た溶液を用いて試験したが、この範囲では、試験片浸漬
直後にすべてEsp,max>Vc′10となり、20時
間の浸漬後には、その深さが数百μmに達する食孔が発
生した。
2 を225ppm〜900ppmの濃度範囲で存在させ
た溶液を用いて試験したが、この範囲では、試験片浸漬
直後にすべてEsp,max>Vc′10となり、20時
間の浸漬後には、その深さが数百μmに達する食孔が発
生した。
【0036】〈試験3〉以上の試験1〜2をさらに敷衍
し、滴定終点溶液を中心に、それぞれ、I2 及びNaH
SO3 の濃度を変え、Vc′10、Esp,max及び侵
食深さを測定した。図3は、これを纏めて示したもので
ある。
し、滴定終点溶液を中心に、それぞれ、I2 及びNaH
SO3 の濃度を変え、Vc′10、Esp,max及び侵
食深さを測定した。図3は、これを纏めて示したもので
ある。
【0037】ここでは滴定終点溶液を横軸の中心にし、
左方向にNaHSO3の濃度を、右方向にI2の濃度をと
り、図3(a)には、侵食深さを、図3(b)には、E
sp,max及び孔食電位に及ぼす影響を示している。
なお、図中のVcは、滴定を行わずに650ppmのN
aHSO3 を添加した液中における測定値である。
左方向にNaHSO3の濃度を、右方向にI2の濃度をと
り、図3(a)には、侵食深さを、図3(b)には、E
sp,max及び孔食電位に及ぼす影響を示している。
なお、図中のVcは、滴定を行わずに650ppmのN
aHSO3 を添加した液中における測定値である。
【0038】図3のとおり、I2 はEspを著しく貴化
させ、深い食孔を発生する。これに対して、I2 を含ま
ない溶液では、Esp,max<Vc′10であり、孔食
の危険がないことを示しており、また、過剰のNaHS
O3 では、Esp,max、Vc等に与える影響は小さ
い。
させ、深い食孔を発生する。これに対して、I2 を含ま
ない溶液では、Esp,max<Vc′10であり、孔食
の危険がないことを示しており、また、過剰のNaHS
O3 では、Esp,max、Vc等に与える影響は小さ
い。
【0039】そして、この事実は、すなわち、水溶液組
成物へのNaHSO3 (亜硫酸水素ナトリウム)の添加
による、炭素鋼に対する防食効果が、正にI2 の生成そ
のものを防止することによることを示しているに外なら
ない。
成物へのNaHSO3 (亜硫酸水素ナトリウム)の添加
による、炭素鋼に対する防食効果が、正にI2 の生成そ
のものを防止することによることを示しているに外なら
ない。
【0040】〈試験4〉次に、LiNO3 の濃度如何に
よる影響を試験した。調整溶液として「55.3%(L
iXs−LiNO3 )+0.2LiOH+650ppm
NaHSO3 +X%LiNO3 」からなる組成のものを
使用し、この式中のX量を変化させ、ピット深さすなわ
ち侵食深さを観察し、またEsp,max及び孔食電位
(Vc)を測定した。この結果を図4及び図5に示す。
よる影響を試験した。調整溶液として「55.3%(L
iXs−LiNO3 )+0.2LiOH+650ppm
NaHSO3 +X%LiNO3 」からなる組成のものを
使用し、この式中のX量を変化させ、ピット深さすなわ
ち侵食深さを観察し、またEsp,max及び孔食電位
(Vc)を測定した。この結果を図4及び図5に示す。
【0041】なお、上記式中“(LiXs−LiNO
3 )”、“+X%LiNO3 ”とあるのは、基本水溶液
におけるLiXs中の“LiNO3 ”を一度0%とし、
次いでLiNO3 をX%添加した意味である。またNa
HSO3 については、“+650ppmNaHSO3 ”
すなわちLiNO3 の各X%毎に、NaHSO3 を65
0ppm含有させている。
3 )”、“+X%LiNO3 ”とあるのは、基本水溶液
におけるLiXs中の“LiNO3 ”を一度0%とし、
次いでLiNO3 をX%添加した意味である。またNa
HSO3 については、“+650ppmNaHSO3 ”
すなわちLiNO3 の各X%毎に、NaHSO3 を65
0ppm含有させている。
【0042】図4によると、基本水溶液に対してNaH
SO3 を650ppm含有させた場合、LiNO3 濃度
が4.7%以下であれば、Esp,max<Vcが達成
されており、食孔は発生しないことが分かる。
SO3 を650ppm含有させた場合、LiNO3 濃度
が4.7%以下であれば、Esp,max<Vcが達成
されており、食孔は発生しないことが分かる。
【0043】また、図5は、上記組成の水溶液におい
て、LiNO3 濃度が4.7%の場合の孔食電位(V
c)及びこれに対する自然浸漬電位(Esp,max)
の経時的変化をみたものである。図示のとおり、Es
p,maxは、初期の段階から、時間の経過とともに緩
やかに増加はするが、1200分(20時間)経過後で
もVcを下回り、また孔食の発生も認められなかった。
て、LiNO3 濃度が4.7%の場合の孔食電位(V
c)及びこれに対する自然浸漬電位(Esp,max)
の経時的変化をみたものである。図示のとおり、Es
p,maxは、初期の段階から、時間の経過とともに緩
やかに増加はするが、1200分(20時間)経過後で
もVcを下回り、また孔食の発生も認められなかった。
【0044】《実施例2》本実施例2では、まず〈比較
例〉を説明し、次いで、本発明に係る構成を適用した
〈実施例〉を記載する。
例〉を説明し、次いで、本発明に係る構成を適用した
〈実施例〉を記載する。
【0045】〈比較例〉その構成成分として、次の各物
質を下記の割合で予め準備し、これを混合して水溶液と
した。また溶液を腐食性の低いアルカリ性に保つため、
これに水酸化リチウム(LiOH)2.4gを添加し
た。 水 306g 臭化リチウム(LiBr) 222g ヨウ化リチウム(LiI) 258g 塩化リチウム(LiCl) 44g 硝酸リチウム(LiNO3 ) 44g 合 計 874g
質を下記の割合で予め準備し、これを混合して水溶液と
した。また溶液を腐食性の低いアルカリ性に保つため、
これに水酸化リチウム(LiOH)2.4gを添加し
た。 水 306g 臭化リチウム(LiBr) 222g ヨウ化リチウム(LiI) 258g 塩化リチウム(LiCl) 44g 硝酸リチウム(LiNO3 ) 44g 合 計 874g
【0046】一方、炭素鋼の試験片として、厚さ2m
m、幅30mm、長さ50mmのク−ポン5枚を用意し
た。この金属試験片の材質としては、JIS G 31
31−1990で規定される熱間圧延軟鋼板を用いた
が、これは、SPHC、すなわち一般用として供されて
いるものである。
m、幅30mm、長さ50mmのク−ポン5枚を用意し
た。この金属試験片の材質としては、JIS G 31
31−1990で規定される熱間圧延軟鋼板を用いた
が、これは、SPHC、すなわち一般用として供されて
いるものである。
【0047】次に、上記のとおり準備した水溶液の全量
を、テフロンで内張りをした内容積1l(1リットル)
のチタンくり抜き容器に注入した後、その水溶液中に上
記金属試験片5枚を懸吊し、そのチタンくり抜き容器の
上部に蓋をして脱気後、その内部を窒素雰囲気とし、密
封状態とした。この時点での内圧は1気圧である。
を、テフロンで内張りをした内容積1l(1リットル)
のチタンくり抜き容器に注入した後、その水溶液中に上
記金属試験片5枚を懸吊し、そのチタンくり抜き容器の
上部に蓋をして脱気後、その内部を窒素雰囲気とし、密
封状態とした。この時点での内圧は1気圧である。
【0048】引続き、その容器を加熱して、その内部温
度を160°Cに保ち、この状態を500時間続けた
後、その加熱を止め、常温に至った時点で、蓋を開き、
まず、その金属試験片の変化の有無を目視により観察し
たところ、その金属試験片は、5枚ともに、多数の小さ
な孔食が発生していた。
度を160°Cに保ち、この状態を500時間続けた
後、その加熱を止め、常温に至った時点で、蓋を開き、
まず、その金属試験片の変化の有無を目視により観察し
たところ、その金属試験片は、5枚ともに、多数の小さ
な孔食が発生していた。
【0049】また、その水溶液を分析し、その組成上の
変化を調べたところ、その中に0.01Nのヨウ素が生
成していることが分かった。このように、還元剤を添加
しない場合には、ヨウ素が発生してそのまま存在し、し
たがって、これが腐食に関与していることが明らかであ
る。
変化を調べたところ、その中に0.01Nのヨウ素が生
成していることが分かった。このように、還元剤を添加
しない場合には、ヨウ素が発生してそのまま存在し、し
たがって、これが腐食に関与していることが明らかであ
る。
【0050】〈実施例〉その構成成分として、下記のと
おり、〈比較例〉で用いたのと同じ各物質を同じ割合で
準備し、これを混合して水溶液とし、また、同じくこれ
に水酸化リチウム(LiOH)2.4gを添加した後、
その水溶液に本発明に係る亜硫酸水素ナトリウム(Na
HSO3 )の0.01Nを添加した。 水 306g 臭化リチウム(LiBr) 222g ヨウ化リチウム(LiI) 258g 塩化リチウム(LiCl) 44g 硝酸リチウム(LiNO3 ) 44g 合 計 874g
おり、〈比較例〉で用いたのと同じ各物質を同じ割合で
準備し、これを混合して水溶液とし、また、同じくこれ
に水酸化リチウム(LiOH)2.4gを添加した後、
その水溶液に本発明に係る亜硫酸水素ナトリウム(Na
HSO3 )の0.01Nを添加した。 水 306g 臭化リチウム(LiBr) 222g ヨウ化リチウム(LiI) 258g 塩化リチウム(LiCl) 44g 硝酸リチウム(LiNO3 ) 44g 合 計 874g
【0051】一方、炭素鋼の試験片として、厚さ2m
m、幅30mm、長さ50mmのク−ポン5枚を用意し
た。この試験片の材質としては、JIS G 3131
−1990で規定される熱間圧延軟鋼板を用いたが、こ
れは、SPHC、すなわち一般用として供されているも
のである。
m、幅30mm、長さ50mmのク−ポン5枚を用意し
た。この試験片の材質としては、JIS G 3131
−1990で規定される熱間圧延軟鋼板を用いたが、こ
れは、SPHC、すなわち一般用として供されているも
のである。
【0052】次に、上記のとおり準備した水溶液の全量
をテフロンで内張りをした内容積1lのチタンくり抜き
容器に注入した後、その水溶液中に上記炭素鋼試験片5
枚を懸吊し、そのチタンくり抜き容器の上部に蓋をし
て、脱気後、窒素雰囲気とし、密封状態とした。この時
点での内圧は1気圧であった。
をテフロンで内張りをした内容積1lのチタンくり抜き
容器に注入した後、その水溶液中に上記炭素鋼試験片5
枚を懸吊し、そのチタンくり抜き容器の上部に蓋をし
て、脱気後、窒素雰囲気とし、密封状態とした。この時
点での内圧は1気圧であった。
【0053】引続き、その容器を加熱して、その内部温
度を160°Cに保ち、この状態を500時間続けた
後、その加熱を止め、常温に至った時点で、蓋を開き、
まず、その金属試験片の変化の有無を目視により観察し
たところ、その金属試験片の表面に孔食の発生は認めら
れず、本試験をスタ−トさせた時のままの状態を保って
いた。
度を160°Cに保ち、この状態を500時間続けた
後、その加熱を止め、常温に至った時点で、蓋を開き、
まず、その金属試験片の変化の有無を目視により観察し
たところ、その金属試験片の表面に孔食の発生は認めら
れず、本試験をスタ−トさせた時のままの状態を保って
いた。
【0054】一方、その水溶液を分析し、その組成上の
変化を調べたところ、その中にヨウ素の生成はないこと
が分かった。このように、本発明によれば、(発生した
ヨウ素に対して云々するのではなく)、遊離ヨウ素(I
2 )自体の発生を防ぐことにより、ヒ−トポンプを構成
する諸機器の腐食を実質上皆無とすることができ、優れ
た効果を奏することは明らかである。
変化を調べたところ、その中にヨウ素の生成はないこと
が分かった。このように、本発明によれば、(発生した
ヨウ素に対して云々するのではなく)、遊離ヨウ素(I
2 )自体の発生を防ぐことにより、ヒ−トポンプを構成
する諸機器の腐食を実質上皆無とすることができ、優れ
た効果を奏することは明らかである。
【0055】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は、ヨウ化物を含
む吸収式ヒ−トポンプ用の水溶液組成物において、これ
に還元剤、特に亜硫酸水素ナトリウムを添加することに
より、遊離ヨウ素の生成自体を防止し、吸収式ヒ−トポ
ンプを構成する諸機器の主要材料である炭素鋼系の鉄製
材料の腐食を防止することができる。
む吸収式ヒ−トポンプ用の水溶液組成物において、これ
に還元剤、特に亜硫酸水素ナトリウムを添加することに
より、遊離ヨウ素の生成自体を防止し、吸収式ヒ−トポ
ンプを構成する諸機器の主要材料である炭素鋼系の鉄製
材料の腐食を防止することができる。
【図1】基本水溶液(滴定終点溶液)を用いた場合の自
然浸漬電位(Esp,max)及び動電位法孔食電位
(Vc′10)の変化を示す図。
然浸漬電位(Esp,max)及び動電位法孔食電位
(Vc′10)の変化を示す図。
【図2】基本水溶液に対して、I2 を225ppm存在
させた溶液を用いた場合の自然浸漬電位及び動電位法孔
食電位の変化を示す図。
させた溶液を用いた場合の自然浸漬電位及び動電位法孔
食電位の変化を示す図。
【図3】基本水溶液を中心とし、それぞれ、NaHSO
3 及びI2 の濃度を変えた場合の自然浸漬電位、動電位
法孔食電位及び侵食深さを示す図。
3 及びI2 の濃度を変えた場合の自然浸漬電位、動電位
法孔食電位及び侵食深さを示す図。
【図4】LiNO3 の濃度如何による、ピット深さ(侵
食深さ)、また自然浸漬電位及び孔食電位(Vc)を示
す図。
食深さ)、また自然浸漬電位及び孔食電位(Vc)を示
す図。
【図5】LiNO3 の濃度が4.7%の場合の自然浸漬
電位及び孔食電位の経時的変化を示す図。
電位及び孔食電位の経時的変化を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10M 125:20 C10M 125:22) 125:22) C10N 10:02 C10N 10:02 30:12 30:12 40:30 40:30 C09K 5/00 F (56)参考文献 特開 平1−174588(JP,A) 特開 平1−198678(JP,A) 特開 平2−143062(JP,A) 特開 昭59−93778(JP,A) 特開 昭50−13953(JP,A) 特開 昭59−91188(JP,A) 腐食防食’92講演集、第95−98頁 (1992) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01M 173/00 - 173/02 C01M 125/18 - 125/22 C10N 10:02 C10N 30:12 C10N 40:30 C09K 5/08 - 5/12 F25B 15/00
Claims (1)
- 【請求項1】 炭素鋼を構成材料とする吸収式ヒ−トポ
ンプにおいて用いる吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物
であって、該水溶液組成物が、水を冷媒とし、吸収剤成
分として塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム
および硝酸リチウムを含むとともに、還元剤として亜硫
酸水素ナトリウムを含み、これにより該組成物中での遊
離ヨウ素の生成を抑制するようにしてなることを特徴と
する吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30223493A JP3279779B2 (ja) | 1993-11-09 | 1993-11-09 | 吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30223493A JP3279779B2 (ja) | 1993-11-09 | 1993-11-09 | 吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07133489A JPH07133489A (ja) | 1995-05-23 |
JP3279779B2 true JP3279779B2 (ja) | 2002-04-30 |
Family
ID=17906569
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30223493A Expired - Fee Related JP3279779B2 (ja) | 1993-11-09 | 1993-11-09 | 吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3279779B2 (ja) |
-
1993
- 1993-11-09 JP JP30223493A patent/JP3279779B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
腐食防食’92講演集、第95−98頁(1992) |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07133489A (ja) | 1995-05-23 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |