JP3279779B2 - 吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物 - Google Patents

吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物

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  • Sorption Type Refrigeration Machines (AREA)
  • Lubricants (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸収式ヒ−トポンプに
使用される作動媒体組成物に関し、より具体的には、炭
素鋼系鉄製材質を構成材料とする吸収式ヒ−トポンプに
おいて使用する、水を冷媒とし、吸収剤の成分としてヨ
ウ化物を含む吸収式ヒ−トポンプ用の水溶液組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】吸収式ヒ−トポンプに使用される作動媒
体としては、これまで種々のものが提案されてきてお
り、特に、水とアンモニア(NH3 :冷媒)との組み合
わせからなるもの、水とハロゲン化塩との組み合わせか
らなるものは、現に実用化されている。
【0003】このうち、水とハロゲン化塩とからなる作
動媒体では、水を冷媒とし、吸収剤成分としてハロゲン
化塩を用いるものであるが、このハロゲン化塩として
は、その主要成分として、臭化リチウム(LiBr)や
塩化リチウム(LiCl)が使用されている。
【0004】しかし、例えば、上記実質上水と臭化リチ
ウムとだけからなる系では、装置を小型化したり、空冷
化するためには、その水溶液中の臭化リチウムの濃度を
高くしなければならないが、そうすると臭化リチウムが
晶出することとなり、ある程度以上の小型化や空冷化は
困難であった。
【0005】この結晶限界を改良するために、この水と
臭化リチウムとからなる水溶液組成物に臭化亜鉛や塩化
亜鉛を添加することが提案されているが、これらを加え
た系では、その水溶液自体が酸性となり、きわめて強い
腐食性を示すだけではなく、10重量%程度以下の希薄
溶液では水酸化亜鉛の生成に伴う沈澱物が生じてしま
う。
【0006】吸収式ヒ−トポンプは、基本的には、発生
器、凝縮器、蒸発器及び吸収器から成るものであるが、
これら各装置は、軟鋼その他の炭素鋼系の鉄製材料、
銅、キュプロニッケル等の銅基合金、等の種々の材料で
構成されていおり、これらの材料のうち、特に高温で機
能する発生器を構成する炭素鋼系の鉄製材料に対する腐
食の問題は、上述吸収剤成分の晶出、沈澱物の生成の問
題とともに、充分に配慮されなければならない。
【0007】吸収式ヒ−トポンプでは、順調な運転を維
持するため、系全体を完全な気密状態に保つ必要があ
り、この事は、同時に系の防食のためにも非常に重要な
ことであるが、それでもなお、水を冷媒とし、その吸収
剤として臭化リチウム、塩化リチウム等を使用する場
合、この作動媒体は、吸収式ヒ−トポンプを構成する前
述諸機器の主要構成材料である炭素鋼系の鉄製材料に対
して腐食性を有し、このため、通常、腐食防止用のイン
ヒビタ−の添加が必要不可欠である。
【0008】このインヒビタ−としては、例えばクロム
酸リチウム等のクロム酸塩、モリブデン酸リチウム等の
モリブデン酸塩、タングステン酸塩、亜硝酸塩、硝酸
塩、アゾ−ル塩、アミン類、等が提案されている。
【0009】ところで、特公平5−28751号公報に
は、水とハロゲン化塩とからなる作動媒体において、晶
析限界を改良した新しい吸収冷凍機用吸収液が提案され
ている。これによれば、その成分として、臭化リチウ
ム、ヨウ化リチウム、塩化リチウム及び硝酸リチウムを
用い、これら各成分の割合を所定の範囲とすることによ
り、例えば水溶液中の吸収剤成分の濃度63.6wt%
で晶出温度0.5°C、その濃度62.0wt%で晶出
温度1.9°Cという成果が得られることが示されてい
る。
【0010】この新しい作動媒体を使用する場合にも、
腐食防止に対する十分な配慮が必要であることに変わり
はなく、例えば、特開平1−174588号公報には、
特に腐食性が強い吸収液として「ヨウ化リチウム等を含
むハロゲン化リチウム塩水溶液」が指摘され、これを用
いる場合の対策が検討されている。
【0011】上記公報によれば、この吸収液において
は、従来のインヒビタ−だけでは腐食抑制効果が十分で
はなかったところ、この問題点を、アンチモン化合物、
特に三酸化二アンチモンを添加することにより解決した
というものである。
【0012】そして、そこでは、その添加アンチモン化
合物の作用として、遊離したハロゲンをイオンに還元
させること及びハロゲンの遊離を抑制させること、添
加アンチモン化合物が吸収機内の銅及び鋼材料の表面に
吸着し、緻密な保護皮膜を形成させ、鉄及び鋼の溶出を
防ぐこと、の2点にあると指摘されている。
【0013】しかし、吸収剤の成分としてヨウ化リチウ
ムを添加するのは、化合物としてのヨウ化リチウム自体
の特性を利用するものであるから、これを用いるヒ−ト
ポンプの作動中に、遊離、生成したヨウ素を元のヨウ素
イオンに戻すというのではなく、ヨウ素が遊離、生成す
ること自体を抑制する必要があり、またその生成を、で
き得れば、皆無とするのが望ましい。
【0014】本発明者等は、この観点から、これまで提
案されてきた、水を冷媒とし、ヨウ化リチウム等のヨウ
素化合物を含有するハロゲン化物を吸収剤とする種々の
水溶液組成物について、観察を続けた結果、その水溶液
組成物中にヨウ素が遊離し易いこと、そして特に硝酸塩
を含む場合に顕著であることを見い出した。以下の試験
は、その観察の一例を示すものである。
【0015】《試験A》溶液組成として、水306g、
LiBr261g、LiI258g、LiCl53g、
合計878gからなる溶液を調製し、この溶液にLiO
H2.4gを添加して試験液とした。なお、このLiO
Hは、溶液を腐食性の低いアルカリ性に保つために加え
るものである。
【0016】 この溶液を後述実施例(含:比較例)の
場合と同じくチタンくり抜き容器に注入後、窒素雰囲
気、密封状態とし(金属クーポンなし)、容器内部温度
を160°Cに保ち、この状態を500時間続けた後、
常温に至った時点で溶液を分析したところ、0.000
1Nの遊離ヨウ素が生成していた
【0017】《試験例B》一方、硝酸塩を含む場合の溶
液組成として、水306g、LiBr222g、LiI
258g、LiCl44g、LiNO3 44g、合計8
74gからなる溶液に、LiOH2.4gを添加して試
験液とした。この溶液につき、試験例Aの場合と同じ条
件で試験をし、溶液を分析したところ、0.003Nの
遊離ヨウ素が生成していた。
【0018】そしてまた、本発明者等は、後に詳しく述
べるように、ヨウ化リチウムを含む水溶液中の遊離ヨウ
素が、同液中に浸漬されている炭素鋼の腐食を著しく促
進する事実を見出した。これはすなわち、ヨウ素が遊離
生成すること自体を抑制する必要性を裏付けるものであ
る。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明は、
炭素鋼系の鉄製材質を構成材料とする吸収式ヒ−トポン
プにおいて使用する、水を冷媒とし、吸収剤成分として
ヨウ化物を含む水溶液組成物において、ヨウ素が遊離、
生成すること自体を抑制ないし皆無とすることにより、
そこで使用される炭素鋼系の鉄製材の腐食を防止し、ま
た前述の諸欠点を有しない水溶液組成物を提供すること
を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭素鋼系の鉄
製材質を構成材料とする吸収式ヒ−トポンプにおいて使
用する、水を冷媒とし、吸収剤成分としてヨウ化物を含
む水溶液組成物において、この水溶液組成物に還元剤を
添加してなることを特徴とする吸収式ヒ−トポンプ用水
溶液組成物を提供するものである。ここで、「吸収式ヒ
−トポンプ」の語は、狭義のヒ−トポンプでなく、冷凍
機を含めた広義のヒ−トポンプの意味で使用している。
【0021】また、本発明では、還元剤のうちでも、そ
の還元剤が亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3 )であ
る場合が最も有効であることを見出した。この還元剤
は、ヨウ素が遊離、生成すること自体を抑制ないし皆無
とし、これによって吸収式ヒ−トポンプに使用される炭
素鋼系の鉄製材料の腐食を長期にわたり防止することが
できる。
【0022】吸収式ヒ−トポンプ用の水溶液組成物に添
加されたインヒビタ−や還元剤は、吸収式ヒ−トポンプ
の長期にわたる作動中、次第に消耗されて行くが、特に
亜硫酸水素ナトリウムの場合には、その水溶液組成物に
対して比較的溶け易いため、必要な量だけ加えることが
でき、また予め過剰に添加しておくことができる等、こ
の点でも有利である。
【0023】また、本発明で、その対象とする、「水を
冷媒とし、吸収剤成分としてヨウ化物を含む水溶液組成
物」としては、単に水−ヨウ化リチウム系だけでなく、
水−臭化リチウム−ヨウ化リチウム系、水−ヨウ化リチ
ウム−硝酸リチウム系、臭化リチウム−ヨウ化リチウム
−塩化リチウム−硝酸リチウム系の吸収液、等を挙げる
ことができる。特に、ヨウ化リチウムと硝酸リチウムを
含む場合には、硝酸リチウムが酸化力をもち、そのまま
では遊離ヨウ素を生成し易いので、一層効果的である。
【0024】また、上記還元剤として、亜硫酸水素ナト
リウムを使用する場合、その添加量としては、これを適
用しようとする水溶液に対するこの成分の溶解度まで可
能であるが、遊離ヨウ素の生成を抑制し、皆無とする限
度で、その水溶液中に添加されたヨウ化物の量等の如何
により適宜設定することができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
がこの実施例に限定されないことは勿論である。
【0026】《実施例1》まず、吸収液組成として、
「60%LiXs+0.2%LiOH」の水溶液を調製
し、以降、実験内容に応じて、NaHSO3 の添加、そ
の濃度調整及びI2成分の濃度調整を行った。ここで、
LiXsは、モル比で、LiBr:LiI:LiCl:
LiNO3 =100:75:41:25の混合塩であ
る。
【0027】また、そのNaHSO3 の添加、その濃度
調整及びI2 成分の濃度調整については、次のとおりに
行った。上記水溶液中では、一部のI- の一部は酸化さ
れてI3 -として存在している。そこで、この基本溶液を
NaHSO3 で滴定して(2SO3 2-+I2=S26 2-
2I-)、液中のI2を還元し、この滴定終点時の組成を
基本組成とした(以下、この基本組成の溶液を、適宜
「基本水溶液」と指称する)。
【0028】上記滴定終点時でのI2 及びNaHSO3
は、ともに0ppmであるが、これにさらにNaHSO
3 を添加すると、NaHSO3 含有溶液となり、この場
合にはI2 は存在しない。これに対して、I2 含有溶液
については、基本水溶液すなわち上記滴定終点時の溶液
を、Pt電極を用いて定電流電解して得るが、この場
合、その通電量を変えることにより、各種濃度のI2
有溶液とする。
【0029】一方、試験片としてC:0.049%、S
i:0.010%、Mn:0.25%、P:0.014
%、S:0.0096%、Cu:0.010%、Al:
0.047%、Ti:0.002%以下、Nb:0.0
02%以下、残余:Feからなる炭素鋼を用い、この炭
素鋼板を約5×5×30mm3 の柱状に切り出し、その
表面をSiC紙で研磨したものを用意した。
【0030】以上の準備をした後、前述各種溶液を用い
て各種実験を実施したが、何れも次の手法により行っ
た。各水溶液を、テフロンで内張りをした内容積1l
(1リットル)のチタンくり抜き容器に注入した後、そ
の水溶液中に上記試験片を懸吊し、そのチタンくり抜き
容器の上部に蓋をして高純度窒素ガスを用いて脱気後、
その内部を窒素雰囲気とし、密封状態とした。
【0031】まず、「60%LiXs+0.2%LiO
H」の水溶液中において、−800mV、1時間の定電
位保持を行い、その後速やかに、上記各種溶液中で自然
浸漬を行い、自然浸漬電位の経時変化及び生じた食孔の
最大深さを測定した。また、各液中における炭素鋼の定
電位法孔食電位(Vc)又は動電位法孔食電位(Vc′
10)の測定を行い、自然浸漬電位(Esp)と比較し
た。
【0032】なお、各試験における時間は、特に指摘し
ない限り、20時間で実施し、試験温度については、各
溶液の沸点より約2゜C下(LiXs60%の溶液では
150゜C)で行い、また電極電位は、室温のSCE
(飽和甘コウ電極電位)に照合して測定、表示した。
【0033】〈試験1〉以上の手法により、まず基本水
溶液(I2 及びNaHSO3 ともに0ppmである)を
用いて試験をした。図1のとおり、この場合には、自然
電位(Esp)は、時間の経過とともに、穏やかな上昇
傾向を示し、1200分(20時間)経過後でも、動電
位法孔食電位(Vc′10)を超えることなく安定し、こ
の時点で生じたビット(試験片における最大侵食深さ)
は、8μmと浅い。
【0034】〈試験2〉次に、基本水溶液に対して、I
2 を225ppm存在させた溶液を用いて試験した。図
2のとおり、この場合の自然電位(Esp)は、試験片
浸漬後、速やかに動電位法孔食電位(Vc′10)を超え
て貴化し、1200分(20時間)後の最大侵食深さは
240μmにも達した。
【0035】さらに、上記I2 の含有量を変え、そのI
2 を225ppm〜900ppmの濃度範囲で存在させ
た溶液を用いて試験したが、この範囲では、試験片浸漬
直後にすべてEsp,max>Vc′10となり、20時
間の浸漬後には、その深さが数百μmに達する食孔が発
生した。
【0036】〈試験3〉以上の試験1〜2をさらに敷衍
し、滴定終点溶液を中心に、それぞれ、I2 及びNaH
SO3 の濃度を変え、Vc′10、Esp,max及び侵
食深さを測定した。図3は、これを纏めて示したもので
ある。
【0037】ここでは滴定終点溶液を横軸の中心にし、
左方向にNaHSO3の濃度を、右方向にI2の濃度をと
り、図3(a)には、侵食深さを、図3(b)には、E
sp,max及び孔食電位に及ぼす影響を示している。
なお、図中のVcは、滴定を行わずに650ppmのN
aHSO3 を添加した液中における測定値である。
【0038】図3のとおり、I2 はEspを著しく貴化
させ、深い食孔を発生する。これに対して、I2 を含ま
ない溶液では、Esp,max<Vc′10であり、孔食
の危険がないことを示しており、また、過剰のNaHS
3 では、Esp,max、Vc等に与える影響は小さ
い。
【0039】そして、この事実は、すなわち、水溶液組
成物へのNaHSO3 (亜硫酸水素ナトリウム)の添加
による、炭素鋼に対する防食効果が、正にI2 の生成そ
のものを防止することによることを示しているに外なら
ない。
【0040】〈試験4〉次に、LiNO3 の濃度如何に
よる影響を試験した。調整溶液として「55.3%(L
iXs−LiNO3 )+0.2LiOH+650ppm
NaHSO3 +X%LiNO3 」からなる組成のものを
使用し、この式中のX量を変化させ、ピット深さすなわ
ち侵食深さを観察し、またEsp,max及び孔食電位
(Vc)を測定した。この結果を図4及び図5に示す。
【0041】なお、上記式中“(LiXs−LiNO
3 )”、“+X%LiNO3 ”とあるのは、基本水溶液
におけるLiXs中の“LiNO3 ”を一度0%とし、
次いでLiNO3 をX%添加した意味である。またNa
HSO3 については、“+650ppmNaHSO3
すなわちLiNO3 の各X%毎に、NaHSO3 を65
0ppm含有させている。
【0042】図4によると、基本水溶液に対してNaH
SO3 を650ppm含有させた場合、LiNO3 濃度
が4.7%以下であれば、Esp,max<Vcが達成
されており、食孔は発生しないことが分かる。
【0043】また、図5は、上記組成の水溶液におい
て、LiNO3 濃度が4.7%の場合の孔食電位(V
c)及びこれに対する自然浸漬電位(Esp,max)
の経時的変化をみたものである。図示のとおり、Es
p,maxは、初期の段階から、時間の経過とともに緩
やかに増加はするが、1200分(20時間)経過後で
もVcを下回り、また孔食の発生も認められなかった。
【0044】《実施例2》本実施例2では、まず〈比較
例〉を説明し、次いで、本発明に係る構成を適用した
〈実施例〉を記載する。
【0045】〈比較例〉その構成成分として、次の各物
質を下記の割合で予め準備し、これを混合して水溶液と
した。また溶液を腐食性の低いアルカリ性に保つため、
これに水酸化リチウム(LiOH)2.4gを添加し
た。 水 306g 臭化リチウム(LiBr) 222g ヨウ化リチウム(LiI) 258g 塩化リチウム(LiCl) 44g 硝酸リチウム(LiNO3 ) 44g 合 計 874g
【0046】一方、炭素鋼の試験片として、厚さ2m
m、幅30mm、長さ50mmのク−ポン5枚を用意し
た。この金属試験片の材質としては、JIS G 31
31−1990で規定される熱間圧延軟鋼板を用いた
が、これは、SPHC、すなわち一般用として供されて
いるものである。
【0047】次に、上記のとおり準備した水溶液の全量
を、テフロンで内張りをした内容積1l(1リットル)
のチタンくり抜き容器に注入した後、その水溶液中に上
記金属試験片5枚を懸吊し、そのチタンくり抜き容器の
上部に蓋をして脱気後、その内部を窒素雰囲気とし、密
封状態とした。この時点での内圧は1気圧である。
【0048】引続き、その容器を加熱して、その内部温
度を160°Cに保ち、この状態を500時間続けた
後、その加熱を止め、常温に至った時点で、蓋を開き、
まず、その金属試験片の変化の有無を目視により観察し
たところ、その金属試験片は、5枚ともに、多数の小さ
な孔食が発生していた。
【0049】また、その水溶液を分析し、その組成上の
変化を調べたところ、その中に0.01Nのヨウ素が生
成していることが分かった。このように、還元剤を添加
しない場合には、ヨウ素が発生してそのまま存在し、し
たがって、これが腐食に関与していることが明らかであ
る。
【0050】〈実施例〉その構成成分として、下記のと
おり、〈比較例〉で用いたのと同じ各物質を同じ割合で
準備し、これを混合して水溶液とし、また、同じくこれ
に水酸化リチウム(LiOH)2.4gを添加した後、
その水溶液に本発明に係る亜硫酸水素ナトリウム(Na
HSO3 )の0.01Nを添加した。 水 306g 臭化リチウム(LiBr) 222g ヨウ化リチウム(LiI) 258g 塩化リチウム(LiCl) 44g 硝酸リチウム(LiNO3 ) 44g 合 計 874g
【0051】一方、炭素鋼の試験片として、厚さ2m
m、幅30mm、長さ50mmのク−ポン5枚を用意し
た。この試験片の材質としては、JIS G 3131
−1990で規定される熱間圧延軟鋼板を用いたが、こ
れは、SPHC、すなわち一般用として供されているも
のである。
【0052】次に、上記のとおり準備した水溶液の全量
をテフロンで内張りをした内容積1lのチタンくり抜き
容器に注入した後、その水溶液中に上記炭素鋼試験片5
枚を懸吊し、そのチタンくり抜き容器の上部に蓋をし
て、脱気後、窒素雰囲気とし、密封状態とした。この時
点での内圧は1気圧であった。
【0053】引続き、その容器を加熱して、その内部温
度を160°Cに保ち、この状態を500時間続けた
後、その加熱を止め、常温に至った時点で、蓋を開き、
まず、その金属試験片の変化の有無を目視により観察し
たところ、その金属試験片の表面に孔食の発生は認めら
れず、本試験をスタ−トさせた時のままの状態を保って
いた。
【0054】一方、その水溶液を分析し、その組成上の
変化を調べたところ、その中にヨウ素の生成はないこと
が分かった。このように、本発明によれば、(発生した
ヨウ素に対して云々するのではなく)、遊離ヨウ素(I
2 )自体の発生を防ぐことにより、ヒ−トポンプを構成
する諸機器の腐食を実質上皆無とすることができ、優れ
た効果を奏することは明らかである。
【0055】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は、ヨウ化物を含
む吸収式ヒ−トポンプ用の水溶液組成物において、これ
に還元剤、特に亜硫酸水素ナトリウムを添加することに
より、遊離ヨウ素の生成自体を防止し、吸収式ヒ−トポ
ンプを構成する諸機器の主要材料である炭素鋼系の鉄製
材料の腐食を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基本水溶液(滴定終点溶液)を用いた場合の自
然浸漬電位(Esp,max)及び動電位法孔食電位
(Vc′10)の変化を示す図。
【図2】基本水溶液に対して、I2 を225ppm存在
させた溶液を用いた場合の自然浸漬電位及び動電位法孔
食電位の変化を示す図。
【図3】基本水溶液を中心とし、それぞれ、NaHSO
3 及びI2 の濃度を変えた場合の自然浸漬電位、動電位
法孔食電位及び侵食深さを示す図。
【図4】LiNO3 の濃度如何による、ピット深さ(侵
食深さ)、また自然浸漬電位及び孔食電位(Vc)を示
す図。
【図5】LiNO3 の濃度が4.7%の場合の自然浸漬
電位及び孔食電位の経時的変化を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10M 125:20 C10M 125:22) 125:22) C10N 10:02 C10N 10:02 30:12 30:12 40:30 40:30 C09K 5/00 F (56)参考文献 特開 平1−174588(JP,A) 特開 平1−198678(JP,A) 特開 平2−143062(JP,A) 特開 昭59−93778(JP,A) 特開 昭50−13953(JP,A) 特開 昭59−91188(JP,A) 腐食防食’92講演集、第95−98頁 (1992) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01M 173/00 - 173/02 C01M 125/18 - 125/22 C10N 10:02 C10N 30:12 C10N 40:30 C09K 5/08 - 5/12 F25B 15/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素鋼を構成材料とする吸収式ヒ−トポ
    ンプにおいて用いる吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物
    であって、該水溶液組成物が、水を冷媒とし、吸収剤成
    分として塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム
    および硝酸リチウムを含むとともに、還元剤として亜硫
    酸水素ナトリウムを含み、これにより該組成物中での
    離ヨウ素の生成を抑制するようにしてなることを特徴と
    する吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物。
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腐食防食’92講演集、第95−98頁(1992)

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