JPH05203279A - 吸収液とそれを用いた吸収式熱変換装置 - Google Patents
吸収液とそれを用いた吸収式熱変換装置Info
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- JPH05203279A JPH05203279A JP1470492A JP1470492A JPH05203279A JP H05203279 A JPH05203279 A JP H05203279A JP 1470492 A JP1470492 A JP 1470492A JP 1470492 A JP1470492 A JP 1470492A JP H05203279 A JPH05203279 A JP H05203279A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23F—NON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
- C23F11/00—Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent
- C23F11/08—Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in other liquids
- C23F11/18—Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in other liquids using inorganic inhibitors
- C23F11/185—Refractory metal-containing compounds
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Abstract
(57)【要約】
【目的】臭化リチウム水溶液等の吸収液に、モリブデン
酸カリウムを含む腐食抑制剤を添加する事により、抑制
剤の溶解度を増大させ、腐食抑制効果を向上させる。 【構成】主成分が臭化リチウムである吸収液20,21
に、モリブデン酸カリウム(0.01から0.2重量
%)、さらにはそれに他のモリブデン酸塩や硝酸塩等の
一種以上を添加する吸収液、又はそれを用いた吸収式の
空調装置,給湯装置,ヒートポンプ等の吸収式熱変換装
置。 【効果】腐食抑制剤の吸収液に対する溶解度が増すた
め、実機運転中の析出等による濃度低下が原因となる腐
食抑制能力の低下や局部腐食を防ぐことができる。
酸カリウムを含む腐食抑制剤を添加する事により、抑制
剤の溶解度を増大させ、腐食抑制効果を向上させる。 【構成】主成分が臭化リチウムである吸収液20,21
に、モリブデン酸カリウム(0.01から0.2重量
%)、さらにはそれに他のモリブデン酸塩や硝酸塩等の
一種以上を添加する吸収液、又はそれを用いた吸収式の
空調装置,給湯装置,ヒートポンプ等の吸収式熱変換装
置。 【効果】腐食抑制剤の吸収液に対する溶解度が増すた
め、実機運転中の析出等による濃度低下が原因となる腐
食抑制能力の低下や局部腐食を防ぐことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸収液とそれを用いた
吸収式熱変換装置に係り、特に、吸収液に対する溶解度
が高い腐食抑制剤を含んだ吸収液とそれの水蒸気吸収性
を利用した吸収式熱変換装置に関する。
吸収式熱変換装置に係り、特に、吸収液に対する溶解度
が高い腐食抑制剤を含んだ吸収液とそれの水蒸気吸収性
を利用した吸収式熱変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明の対象となる吸収式熱変換装置
は、吸収液の蒸気、特に、水蒸気の吸収性を利用して、
蒸発した水蒸気を吸収液へ吸収させて希釈させることに
より、蒸発側と吸収側に温度差または圧力差を発生させ
て、冷熱や温熱または動力を得るものである。装置の基
本構成は、冷熱,温熱,動力の出力部である吸収液の希
釈手段と、駆動エネルギの入力部である吸収液の濃縮手
段から成る。
は、吸収液の蒸気、特に、水蒸気の吸収性を利用して、
蒸発した水蒸気を吸収液へ吸収させて希釈させることに
より、蒸発側と吸収側に温度差または圧力差を発生させ
て、冷熱や温熱または動力を得るものである。装置の基
本構成は、冷熱,温熱,動力の出力部である吸収液の希
釈手段と、駆動エネルギの入力部である吸収液の濃縮手
段から成る。
【0003】一般に吸収液には臭化リチウムを主成分と
する濃厚水溶液が用いられ、その濃度が高いほど、水蒸
気吸収性が増大し、蒸発器と吸収器の間の温度差又は圧
力差を大きくとれるので、吸収式熱変換装置の性能が向
上する。
する濃厚水溶液が用いられ、その濃度が高いほど、水蒸
気吸収性が増大し、蒸発器と吸収器の間の温度差又は圧
力差を大きくとれるので、吸収式熱変換装置の性能が向
上する。
【0004】それには加熱温度を上げて、より高濃度ま
で濃縮する必要がある。
で濃縮する必要がある。
【0005】一方、吸収液である臭化リチウム水溶液の
金属材料への腐食性は、温度及び濃度が高いほど大きく
なることが知られており、吸収液中に適当な腐食抑制剤
を添加しないと、装置構成材料である炭素鋼及び銅合金
は激しく腐食する。装置の性能と信頼性の向上には、腐
食抑制が重要なポイントである。
金属材料への腐食性は、温度及び濃度が高いほど大きく
なることが知られており、吸収液中に適当な腐食抑制剤
を添加しないと、装置構成材料である炭素鋼及び銅合金
は激しく腐食する。装置の性能と信頼性の向上には、腐
食抑制が重要なポイントである。
【0006】現在広く使用されている腐食抑制剤は、無
機の酸化剤で金属表面に強固な不動態酸化被膜を形成さ
せて腐食を抑制する。その代表的な腐食抑制剤として、
モリブデン酸リチウム(例えば特公昭58−224187号公
報),クロム酸リチウム,タングステン酸リチウム(例
えば特公昭58−224186号公報)や硝酸リチウム等のリチ
ウム塩があり、燐酸リチウム,ホウ酸リチウム,過塩素
酸リチウムもしくは、それらの混合物や、それらとベン
ゾトリアゾール等の有機腐食抑制剤との混合物等が列挙
される。これまで無機腐食抑制剤として各種のリチウム
塩が用いられるのは、吸収液である臭化リチウム水溶液
とカチオンを同じにした方が実用上の問題が少ないと考
えていたためである。
機の酸化剤で金属表面に強固な不動態酸化被膜を形成さ
せて腐食を抑制する。その代表的な腐食抑制剤として、
モリブデン酸リチウム(例えば特公昭58−224187号公
報),クロム酸リチウム,タングステン酸リチウム(例
えば特公昭58−224186号公報)や硝酸リチウム等のリチ
ウム塩があり、燐酸リチウム,ホウ酸リチウム,過塩素
酸リチウムもしくは、それらの混合物や、それらとベン
ゾトリアゾール等の有機腐食抑制剤との混合物等が列挙
される。これまで無機腐食抑制剤として各種のリチウム
塩が用いられるのは、吸収液である臭化リチウム水溶液
とカチオンを同じにした方が実用上の問題が少ないと考
えていたためである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】クロム酸リチウムは、
腐食抑制力が最も強いことで知られているが、実機に用
いた場合には、還元されやすい、毒性が強い等の問題が
有り、実用化に対する考慮が不十分であった。
腐食抑制力が最も強いことで知られているが、実機に用
いた場合には、還元されやすい、毒性が強い等の問題が
有り、実用化に対する考慮が不十分であった。
【0008】タングステン酸リチウムは、上記の還元や
毒性の問題は無いが、鉄系材料への腐食抑制効果が少な
く、その改善のために混合系が検討されている(例えば
特公昭58−224186号公報)。
毒性の問題は無いが、鉄系材料への腐食抑制効果が少な
く、その改善のために混合系が検討されている(例えば
特公昭58−224186号公報)。
【0009】硝酸リチウムは、かなり安定した腐食抑制
効果があるが、高温高濃度の吸収液中での還元により発
生するアンモニアによる銅合金の腐食等の不都合が予想
され、多種材料から構成される実機の腐食抑制について
の考慮が不十分であった。
効果があるが、高温高濃度の吸収液中での還元により発
生するアンモニアによる銅合金の腐食等の不都合が予想
され、多種材料から構成される実機の腐食抑制について
の考慮が不十分であった。
【0010】それらに比較し、モリブデン酸リチウム
は、優れた腐食抑制力を持ち、孔食,隙間腐食等の耐局
部腐食性も良好で、還元や毒性の問題も少ないことが知
られている。基礎研究より、腐食抑制能力を十分に発揮
させる添加濃度は、0.03 から0.5 重量%が適当と
され、実機でもそれに見合う量を添加している。しか
し、実機では、その予想に反し、濃縮部での腐食量は多
く、かつそれ以外の場所での孔食等の局部腐食が起こる
ことが有る。その原因は不明であるため、この改善とし
て混合系の検討がある(例えば特公昭58−224187号公
報)が、詳細は後述するが適正な混合系や混合比の検討
に対する考慮が不十分であった。
は、優れた腐食抑制力を持ち、孔食,隙間腐食等の耐局
部腐食性も良好で、還元や毒性の問題も少ないことが知
られている。基礎研究より、腐食抑制能力を十分に発揮
させる添加濃度は、0.03 から0.5 重量%が適当と
され、実機でもそれに見合う量を添加している。しか
し、実機では、その予想に反し、濃縮部での腐食量は多
く、かつそれ以外の場所での孔食等の局部腐食が起こる
ことが有る。その原因は不明であるため、この改善とし
て混合系の検討がある(例えば特公昭58−224187号公
報)が、詳細は後述するが適正な混合系や混合比の検討
に対する考慮が不十分であった。
【0011】本発明の目的は、腐食抑制剤の吸収液に対
する溶解度を増大させてそれを解決し、実運転でも腐食
抑制効果が低下しない吸収液と、それを用いた信頼性の
高い吸収式熱変換装置を提供することにある。
する溶解度を増大させてそれを解決し、実運転でも腐食
抑制効果が低下しない吸収液と、それを用いた信頼性の
高い吸収式熱変換装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、発明者らは、種
々検討した結果、基礎研究の条件は、実機の状態と大き
く異なっていることが、両者の違いの根本原因であるこ
とを発見した。
々検討した結果、基礎研究の条件は、実機の状態と大き
く異なっていることが、両者の違いの根本原因であるこ
とを発見した。
【0013】つまり、モリブデン酸リチウムは、純水に
は数十%と大量に溶解するが、濃厚臭化リチウム水溶液
では、自由な水分子が少ないために、例えば、臭化リチ
ウム濃度60%では、160℃では0.1重量%、40
℃では0.01重量%しか溶けず、腐食抑制剤であるモ
リブデン酸リチウムの吸収液への溶解量は、臭化リチウ
ム濃度が高いほど、又温度が低いほど少なくなることに
着目した。
は数十%と大量に溶解するが、濃厚臭化リチウム水溶液
では、自由な水分子が少ないために、例えば、臭化リチ
ウム濃度60%では、160℃では0.1重量%、40
℃では0.01重量%しか溶けず、腐食抑制剤であるモ
リブデン酸リチウムの吸収液への溶解量は、臭化リチウ
ム濃度が高いほど、又温度が低いほど少なくなることに
着目した。
【0014】従って、実機では、添加した腐食抑制剤
は、濃縮部では、高温のため十分溶解しているが、その
濃厚吸収液が、冷却されて希釈部に入るときは、低温に
なるため、液中の腐食抑制剤の大部分は溶解しきれなく
なり析出沈殿し、腐食抑制剤の溶解濃度が大幅に減少す
る。腐食抑制剤の溶解濃度が低い吸収液が濃縮部へ戻る
ために、実機運転時は、常に添加濃度よりは低い腐食抑
制剤濃度の吸収液が循環する。そのために、腐食抑制力
が大幅に低下すると同時に、沈殿した固体が、液が滞留
する隙間等に集まり、そこで局部腐食が起こるのが原因
であることを見出した。
は、濃縮部では、高温のため十分溶解しているが、その
濃厚吸収液が、冷却されて希釈部に入るときは、低温に
なるため、液中の腐食抑制剤の大部分は溶解しきれなく
なり析出沈殿し、腐食抑制剤の溶解濃度が大幅に減少す
る。腐食抑制剤の溶解濃度が低い吸収液が濃縮部へ戻る
ために、実機運転時は、常に添加濃度よりは低い腐食抑
制剤濃度の吸収液が循環する。そのために、腐食抑制力
が大幅に低下すると同時に、沈殿した固体が、液が滞留
する隙間等に集まり、そこで局部腐食が起こるのが原因
であることを見出した。
【0015】これまでは腐食抑制性能のみを考慮して、
モリブデン酸リチウムを選定していたため、解明されな
かった上記の原因、即ち、実機内では、析出沈殿による
腐食抑制能力の低下と局部腐食の促進が起こるのは、す
べて腐食抑制剤の溶解度が不十分なためであることを発
見した。
モリブデン酸リチウムを選定していたため、解明されな
かった上記の原因、即ち、実機内では、析出沈殿による
腐食抑制能力の低下と局部腐食の促進が起こるのは、す
べて腐食抑制剤の溶解度が不十分なためであることを発
見した。
【0016】上記の原因が解明されなかった理由は、運
転を停止するときは、高濃度状態で冷却されると臭化リ
チウムが析出するので、希釈運転を行い低濃度にしてか
ら停止していることにある。つまり、希釈運転時には、
吸収液の濃度が低下するので、腐食抑制剤の溶解度が増
大し、運転中に析出した腐食抑制剤は、再び溶解するた
め、停止時には、液中の腐食抑制剤の濃度が高くなる。
従って、停止時のその液をサンプルして腐食抑制剤の濃
度を測定しても、運転中の腐食抑制剤の濃度低下の実態
は把握できなかった。
転を停止するときは、高濃度状態で冷却されると臭化リ
チウムが析出するので、希釈運転を行い低濃度にしてか
ら停止していることにある。つまり、希釈運転時には、
吸収液の濃度が低下するので、腐食抑制剤の溶解度が増
大し、運転中に析出した腐食抑制剤は、再び溶解するた
め、停止時には、液中の腐食抑制剤の濃度が高くなる。
従って、停止時のその液をサンプルして腐食抑制剤の濃
度を測定しても、運転中の腐食抑制剤の濃度低下の実態
は把握できなかった。
【0017】さらに、近年吸収式熱変換装置の高性能化
のために、運転時の吸収液の濃度を上げる方向に有り、
それに伴い吸収液の濃縮温度も上がるため、さらに腐食
抑制剤濃度が薄くかつ高濃度の吸収液を高温で加熱濃縮
することになり、上記が原因となる腐食がさらに加速さ
れる傾向にある。
のために、運転時の吸収液の濃度を上げる方向に有り、
それに伴い吸収液の濃縮温度も上がるため、さらに腐食
抑制剤濃度が薄くかつ高濃度の吸収液を高温で加熱濃縮
することになり、上記が原因となる腐食がさらに加速さ
れる傾向にある。
【0018】上記の目的を達成するために、本発明は、
吸収式熱変換装置に用いる主成分が臭化リチウムである
吸収液において、主要腐食抑制剤として、同濃度での腐
食抑制効果はモリブデン酸リチウムに比べ多少劣るが
(約0.7 倍)、吸収液に対する溶解度が大幅に優れて
いる(約3.3 倍)モリブデン酸カリウムを添加したこ
とを特徴とする吸収液、およびそれを用いた吸収式熱変
換装置を開示して提供する。
吸収式熱変換装置に用いる主成分が臭化リチウムである
吸収液において、主要腐食抑制剤として、同濃度での腐
食抑制効果はモリブデン酸リチウムに比べ多少劣るが
(約0.7 倍)、吸収液に対する溶解度が大幅に優れて
いる(約3.3 倍)モリブデン酸カリウムを添加したこ
とを特徴とする吸収液、およびそれを用いた吸収式熱変
換装置を開示して提供する。
【0019】モリブデン酸カリウムの添加量が、水溶液
に対し0.01から0.2重量%の範囲であることは特に
好ましい態様である。
に対し0.01から0.2重量%の範囲であることは特に
好ましい態様である。
【0020】さらに、腐食抑制効果や溶解度増大を促進
させるために、モリブデン酸カリウムと、それ以外の腐
食抑制剤として、モリブデン酸リチウムを水溶液に対し
0.01から0.1重量%の範囲で添加したこと、又はモ
リブデン酸ナトリウムを水溶液に対し0.01から0.1
1重量%の範囲で添加したこと、硝酸リチウムを水溶液
に対し0.01重量%未満、もしくは0.02重量%を越
える範囲で添加したこと、あるいはベンゾトリアゾール
を水溶液に対し0.01から0.08重量%の範囲で添加
することも特に好ましい態様である。
させるために、モリブデン酸カリウムと、それ以外の腐
食抑制剤として、モリブデン酸リチウムを水溶液に対し
0.01から0.1重量%の範囲で添加したこと、又はモ
リブデン酸ナトリウムを水溶液に対し0.01から0.1
1重量%の範囲で添加したこと、硝酸リチウムを水溶液
に対し0.01重量%未満、もしくは0.02重量%を越
える範囲で添加したこと、あるいはベンゾトリアゾール
を水溶液に対し0.01から0.08重量%の範囲で添加
することも特に好ましい態様である。
【0021】また、吸収式熱変換装置は、吸収式空調装
置,吸収式給湯装置,吸収式ヒートポンプまたは吸収式
発電装置あるいは吸収式蓄熱装置をあげることができ
る。
置,吸収式給湯装置,吸収式ヒートポンプまたは吸収式
発電装置あるいは吸収式蓄熱装置をあげることができ
る。
【0022】
【作用】即ち、各種実験の結果、上述のように、主腐食
抑制剤としてモリブデン酸カリウムを用いることによ
り、腐食抑制剤の吸収液に対する溶解度を大きくとれ
る。そのため、実機のように複雑に吸収液の温度や濃度
が変化しても、局部的に腐食抑制剤の析出による濃度低
下がなく、局部腐食を防止し、かつ安定した腐食抑制効
果を維持できるので、吸収式熱変換装置の信頼性を大幅
に向上できる。
抑制剤としてモリブデン酸カリウムを用いることによ
り、腐食抑制剤の吸収液に対する溶解度を大きくとれ
る。そのため、実機のように複雑に吸収液の温度や濃度
が変化しても、局部的に腐食抑制剤の析出による濃度低
下がなく、局部腐食を防止し、かつ安定した腐食抑制効
果を維持できるので、吸収式熱変換装置の信頼性を大幅
に向上できる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
る。吸収液である臭化リチウム水溶液に各種の腐食抑制
剤を添加したときの、吸収液に対する溶解度の増大効果
と、炭素鋼に対する腐食抑制効果を測定評価した結果を
下表に示す。
る。吸収液である臭化リチウム水溶液に各種の腐食抑制
剤を添加したときの、吸収液に対する溶解度の増大効果
と、炭素鋼に対する腐食抑制効果を測定評価した結果を
下表に示す。
【0024】
【表1】
【0025】溶解度特性は、温度40℃における臭化リ
チウム濃度60%,水酸化リチウム濃度0.2 %の水溶
液に対する溶解度S(重量%)で表し、その値が大きい
ほど腐食抑制剤の析出による濃度低下がなく実機でも安
定した腐食抑制効果が期待できる。腐食抑制効果は、ガ
ラスアンプルにより実機で最も腐食条件が厳しい高温再
生器を模擬した腐食試験で評価した。つまり、臭化リチ
ウム濃度65%,水酸化リチウム濃度0.3% の水溶液
(吸収液)を20ml入れたガラスアンプルに、炭素鋼
SS41の試験片(表面積12cm2 )を真空状態で封入
し、それを電気炉で温度160℃で200時間保持した
後に試験片を取り出した。その表面のスケール(腐食生
成物)を除去した後の重量減少量より腐食量を求め、腐
食抑制剤を添加しないときを基準(1.0 )とした腐食
量比で表した。この値が小さいほど、強固な酸化被膜が
形成され局部腐食等のない安定した腐食抑制効果がある
ことを示す。
チウム濃度60%,水酸化リチウム濃度0.2 %の水溶
液に対する溶解度S(重量%)で表し、その値が大きい
ほど腐食抑制剤の析出による濃度低下がなく実機でも安
定した腐食抑制効果が期待できる。腐食抑制効果は、ガ
ラスアンプルにより実機で最も腐食条件が厳しい高温再
生器を模擬した腐食試験で評価した。つまり、臭化リチ
ウム濃度65%,水酸化リチウム濃度0.3% の水溶液
(吸収液)を20ml入れたガラスアンプルに、炭素鋼
SS41の試験片(表面積12cm2 )を真空状態で封入
し、それを電気炉で温度160℃で200時間保持した
後に試験片を取り出した。その表面のスケール(腐食生
成物)を除去した後の重量減少量より腐食量を求め、腐
食抑制剤を添加しないときを基準(1.0 )とした腐食
量比で表した。この値が小さいほど、強固な酸化被膜が
形成され局部腐食等のない安定した腐食抑制効果がある
ことを示す。
【0026】〈実施例1〉 モリブデン酸カリウム添加の効果(No.2,3,4,
5,6,7,12) No.3からNo.7は、本発明となるモリブデン酸カリウ
ム添加の結果を示すが、溶解度は従来(No.12)の1
0倍と大きく、腐食量も溶解度以下の添加量(例えば
0.04% :No.4)でも、従来(No.12)の約1/
3と少なく、実機運転時も析出による濃度低下なしに安
定した腐食抑制効果が維持できる。従来、(No.12)で
も、添加量を上げれば、( )内のように腐食抑制効果は
増大できるが、溶解度以上の添加量のため、実機では、
析出するため実現困難である。また、本発明では、その
腐食抑制効果が、水溶液に対する添加量に下限値がある
ことを明確にした。つまり、添加量0.005%(No.
2)では効果は極端に少なく孔食が起きやすく、0.0
1% より効果が顕著になる。No.2の比較例に類似す
る引例(特公昭58−224187号公報)に、モリブデン酸カ
リウム(0.005% )と硝酸ナトリウム混合系が開示
されているが、添加量が少ないため隙間腐食が起こるこ
とが示されている。また、運転中の抑制剤が消耗するこ
とを考慮すると、吸収式熱変換装置の濃縮部の液温16
0℃の溶解度である0.2% が上限添加量である。した
がって本発明の有効添加量は0.01から0.2%であ
り、特に0.02%から0.1% の範囲が最も安定した腐食
抑制効果がある。
5,6,7,12) No.3からNo.7は、本発明となるモリブデン酸カリウ
ム添加の結果を示すが、溶解度は従来(No.12)の1
0倍と大きく、腐食量も溶解度以下の添加量(例えば
0.04% :No.4)でも、従来(No.12)の約1/
3と少なく、実機運転時も析出による濃度低下なしに安
定した腐食抑制効果が維持できる。従来、(No.12)で
も、添加量を上げれば、( )内のように腐食抑制効果は
増大できるが、溶解度以上の添加量のため、実機では、
析出するため実現困難である。また、本発明では、その
腐食抑制効果が、水溶液に対する添加量に下限値がある
ことを明確にした。つまり、添加量0.005%(No.
2)では効果は極端に少なく孔食が起きやすく、0.0
1% より効果が顕著になる。No.2の比較例に類似す
る引例(特公昭58−224187号公報)に、モリブデン酸カ
リウム(0.005% )と硝酸ナトリウム混合系が開示
されているが、添加量が少ないため隙間腐食が起こるこ
とが示されている。また、運転中の抑制剤が消耗するこ
とを考慮すると、吸収式熱変換装置の濃縮部の液温16
0℃の溶解度である0.2% が上限添加量である。した
がって本発明の有効添加量は0.01から0.2%であ
り、特に0.02%から0.1% の範囲が最も安定した腐食
抑制効果がある。
【0027】〈実施例2〉 モリブデン酸リチウム混合添加の効果(No.8,12) No.8は、モリブデン酸カリウム(0.05% )に少量
のモリブデン酸リチウム(0.01%)を添加した本発明
の実施例を示すが、混合系にすることにより、溶解度が
増大し(0.11 )、腐食抑制効果も実施例1と同様に
大きい。また、本混合系では、両者の混合比を変えて
も、腐食抑制効果はほとんど変化しない。したがって、
モリブデン酸リチウムの溶解度を考慮して、本混合系で
のモリブデン酸リチウムの添加濃度は、水溶液に対し
0.01%から0.1%が好ましい。
のモリブデン酸リチウム(0.01%)を添加した本発明
の実施例を示すが、混合系にすることにより、溶解度が
増大し(0.11 )、腐食抑制効果も実施例1と同様に
大きい。また、本混合系では、両者の混合比を変えて
も、腐食抑制効果はほとんど変化しない。したがって、
モリブデン酸リチウムの溶解度を考慮して、本混合系で
のモリブデン酸リチウムの添加濃度は、水溶液に対し
0.01%から0.1%が好ましい。
【0028】〈実施例3〉 モリブデン酸ナトリウム混合添加の効果(No.9,1
3) No.9は、モリブデン酸カリウム(0.04% )に少量
のモリブデン酸ナトリウム(0.02% )を添加した本
発明の実施例を示すが、混合系にすることにより、溶解
度が増大し(0.12 )、腐食抑制効果も実施例1と同
様に大きい。モリブデン酸ナトリウム単独(No.13)
でも、溶解度は従来(No.12)の3倍になるが腐食抑
制効果は低下する。また、本混合系でも、実施例2と同
様に、混合比により腐食抑制効果はほとんど変化しない
ことより、モリブデン酸ナトリウムの添加濃度は、水溶
液に対し0.01%から0.1%が好ましい。
3) No.9は、モリブデン酸カリウム(0.04% )に少量
のモリブデン酸ナトリウム(0.02% )を添加した本
発明の実施例を示すが、混合系にすることにより、溶解
度が増大し(0.12 )、腐食抑制効果も実施例1と同
様に大きい。モリブデン酸ナトリウム単独(No.13)
でも、溶解度は従来(No.12)の3倍になるが腐食抑
制効果は低下する。また、本混合系でも、実施例2と同
様に、混合比により腐食抑制効果はほとんど変化しない
ことより、モリブデン酸ナトリウムの添加濃度は、水溶
液に対し0.01%から0.1%が好ましい。
【0029】〈実施例4〉 硝酸リチウム混合添加の効果(No.10,14) No.10は、モリブデン酸カリウム(0.05% )に少
量の硝酸リチウム(0.01% )を添加した本発明の実
施例を示すが、混合系にすることにより、溶解度が増大
し(0.12 )、腐食抑制効果も実施例1と同様に大き
く、硝酸リチウム単独(No.14)の2倍にできる。ま
た、本混合系では、硝酸リチウムの溶解度は大きく、大
量に添加できるが、添加量が0.01%から0.02%で
孔食がおきやすいので、添加濃度は0.01%未満か、
こしくは0.02%を越えることが好ましい。
量の硝酸リチウム(0.01% )を添加した本発明の実
施例を示すが、混合系にすることにより、溶解度が増大
し(0.12 )、腐食抑制効果も実施例1と同様に大き
く、硝酸リチウム単独(No.14)の2倍にできる。ま
た、本混合系では、硝酸リチウムの溶解度は大きく、大
量に添加できるが、添加量が0.01%から0.02%で
孔食がおきやすいので、添加濃度は0.01%未満か、
こしくは0.02%を越えることが好ましい。
【0030】〈実施例5〉 ベンゾトリアゾール(BTA)混合添加の効果(No.1
1,15) No.11は、モリブデン酸カリウム(0.05%)に少
量のBTA(0.01%)を添加した本発明の実施例を示
すが、混合系にすることにより、溶解度,腐食抑制効果
共に、BTA単独(No.15)に比べ大幅に増大でき
る。また、本混合系でも、実施例2と同様に、混合比に
より腐食抑制効果はほとんど変化せず、BTAの添加濃度
は、水溶液に対し0.01%から0.08%が好ましい。
1,15) No.11は、モリブデン酸カリウム(0.05%)に少
量のBTA(0.01%)を添加した本発明の実施例を示
すが、混合系にすることにより、溶解度,腐食抑制効果
共に、BTA単独(No.15)に比べ大幅に増大でき
る。また、本混合系でも、実施例2と同様に、混合比に
より腐食抑制効果はほとんど変化せず、BTAの添加濃度
は、水溶液に対し0.01%から0.08%が好ましい。
【0031】以上五つの実施例を用いて説明したが、本
発明におけるモリブデン酸カリウムと共に添加する物質
は、この物質に限定されるものではない。亜硝酸リチウ
ム,ホウ酸リチウム,過塩素酸リチウム,タングステン
酸リチウム,バナジン酸リチウム,チオシアン酸リチウ
ム,ケイ弗化リチウムの無機塩や、ジフェニルグアニジ
ン,メルカプトベンゾチアゾール,アルカノールアミン
等も、程度の差はあるが効果がある。
発明におけるモリブデン酸カリウムと共に添加する物質
は、この物質に限定されるものではない。亜硝酸リチウ
ム,ホウ酸リチウム,過塩素酸リチウム,タングステン
酸リチウム,バナジン酸リチウム,チオシアン酸リチウ
ム,ケイ弗化リチウムの無機塩や、ジフェニルグアニジ
ン,メルカプトベンゾチアゾール,アルカノールアミン
等も、程度の差はあるが効果がある。
【0032】本発明となる吸収式熱変換装置の代表的な
ものに吸収式空調装置(吸収式冷凍機で冷水,温水を作
り冷暖房に用いる)がある。以下、図1の吸収式冷凍機
を用いてその概要を説明する。装置は、蒸発器1,吸収
器2,高温再生器4,低温再生器5,蒸発器6,熱交換
器3より構成される。冷暖房対象では、冷媒26に水
が、吸収液20として本発明の腐食抑制剤を含む臭化リ
チウムが主成分の濃厚水溶液が使用される。まず、冷房
を例にとり説明する。蒸発器1の伝熱管100の表面に
冷媒である水26が冷媒ポンプ7により散布され、水が
蒸発しその蒸発潜熱により伝熱管100内の冷水10が
冷却され、その冷水10が冷房に利用される。発生した
水蒸気25は吸収器2へ入り、そこの伝熱管101に散
布されている吸収液20に、低温,高濃度状態で吸収さ
れる。水蒸気の吸収により発熱するが、伝熱管101内
を流れる冷却水11により冷却される。水蒸気を吸収し
て希釈された吸収液20は吸収液ポンプ8により熱交換
器3へ送られ予熱されて、一部は低温再生器5へ、残り
は高温再生器4は送られる。高温再生器4では燃料12
の燃焼により加熱され、吸収液の水分が蒸発し高温,高
濃度状態で濃縮される。発生した水蒸気23は低温再生
器5の伝熱管103内に送られ、吸収液20の加熱源と
して利用されて凝縮した後、水26となって蒸発器1へ
送られる。低温再生器5では、吸収液が加熱濃縮され、
発生した水蒸気24は凝縮器6で伝熱管104内を流れ
る冷却水11で冷却されて凝縮した後、水26となって
蒸発器1へ送られる。低温再生器5と高温再生器4で濃
縮された吸収液21,22は熱交換器3で熱回収冷却さ
れた後、再び吸収器2へ戻される。暖房では、希釈操作
なしに直接凝縮器6より温水11′を得る。従って吸収
式空調装置は高温再生器4を加熱することにより、蒸発
器1より冷房用の冷水10を、又は暖房用温水11′を
得るものである。吸収式ヒートポンプは、構造は図1と
全く同じで、蒸発器1へ回収したい低温排水10′を流
して加熱すると、蒸発器で発生した水蒸気25が吸収器
2の吸収液20に吸収され発熱し、その発生熱を利用し
て昇温し、排水10′より高温の温水11′として回収
して暖房等に利用できる。
ものに吸収式空調装置(吸収式冷凍機で冷水,温水を作
り冷暖房に用いる)がある。以下、図1の吸収式冷凍機
を用いてその概要を説明する。装置は、蒸発器1,吸収
器2,高温再生器4,低温再生器5,蒸発器6,熱交換
器3より構成される。冷暖房対象では、冷媒26に水
が、吸収液20として本発明の腐食抑制剤を含む臭化リ
チウムが主成分の濃厚水溶液が使用される。まず、冷房
を例にとり説明する。蒸発器1の伝熱管100の表面に
冷媒である水26が冷媒ポンプ7により散布され、水が
蒸発しその蒸発潜熱により伝熱管100内の冷水10が
冷却され、その冷水10が冷房に利用される。発生した
水蒸気25は吸収器2へ入り、そこの伝熱管101に散
布されている吸収液20に、低温,高濃度状態で吸収さ
れる。水蒸気の吸収により発熱するが、伝熱管101内
を流れる冷却水11により冷却される。水蒸気を吸収し
て希釈された吸収液20は吸収液ポンプ8により熱交換
器3へ送られ予熱されて、一部は低温再生器5へ、残り
は高温再生器4は送られる。高温再生器4では燃料12
の燃焼により加熱され、吸収液の水分が蒸発し高温,高
濃度状態で濃縮される。発生した水蒸気23は低温再生
器5の伝熱管103内に送られ、吸収液20の加熱源と
して利用されて凝縮した後、水26となって蒸発器1へ
送られる。低温再生器5では、吸収液が加熱濃縮され、
発生した水蒸気24は凝縮器6で伝熱管104内を流れ
る冷却水11で冷却されて凝縮した後、水26となって
蒸発器1へ送られる。低温再生器5と高温再生器4で濃
縮された吸収液21,22は熱交換器3で熱回収冷却さ
れた後、再び吸収器2へ戻される。暖房では、希釈操作
なしに直接凝縮器6より温水11′を得る。従って吸収
式空調装置は高温再生器4を加熱することにより、蒸発
器1より冷房用の冷水10を、又は暖房用温水11′を
得るものである。吸収式ヒートポンプは、構造は図1と
全く同じで、蒸発器1へ回収したい低温排水10′を流
して加熱すると、蒸発器で発生した水蒸気25が吸収器
2の吸収液20に吸収され発熱し、その発生熱を利用し
て昇温し、排水10′より高温の温水11′として回収
して暖房等に利用できる。
【0033】なお、図1に示した吸収式空調装置は、二
重効用パラレルフロー(吸収液が吸収器から高温再生器
と低温再生器へ並行して流れる)型であるが、他にいわ
ゆる一重効用,三重効用またはシリーズフロー(吸収液
が高温再生器から低温再生器へ直列に流れる)でも、さ
らには加熱源が水蒸気または温水等でも、同様であり、
発明の対象となる吸収式熱変換装置が、図1に示す装置
の方式等には限定されるものではない。
重効用パラレルフロー(吸収液が吸収器から高温再生器
と低温再生器へ並行して流れる)型であるが、他にいわ
ゆる一重効用,三重効用またはシリーズフロー(吸収液
が高温再生器から低温再生器へ直列に流れる)でも、さ
らには加熱源が水蒸気または温水等でも、同様であり、
発明の対象となる吸収式熱変換装置が、図1に示す装置
の方式等には限定されるものではない。
【0034】以上はほぼ同じ圧力の蒸発器と吸収器の温
度差を利用した装置であるが、吸収式発電装置は同じ温
度の蒸発器と吸収器の圧力差を利用して、両者の間の水
蒸気通路にタービンを設置し回転させて発電機で電気を
得る装置である。また吸収式給湯装置は、ヒートポンプ
作用で吸収器を介して又は、希釈操作なしに、直接、凝
縮器6より熱水11′を得るものである。
度差を利用した装置であるが、吸収式発電装置は同じ温
度の蒸発器と吸収器の圧力差を利用して、両者の間の水
蒸気通路にタービンを設置し回転させて発電機で電気を
得る装置である。また吸収式給湯装置は、ヒートポンプ
作用で吸収器を介して又は、希釈操作なしに、直接、凝
縮器6より熱水11′を得るものである。
【0035】図2は吸収液を蓄熱液とした吸収式蓄熱装
置を示すが、この装置も作動原理は上記と同じで、凝縮
器と蒸発器を一体にした凝縮蒸発器210,再生器と吸
収器を一体にした再生吸収器220,冷媒タンク23
0,蓄熱剤タンク240より構成される。蓄熱操作は、
蓄熱剤タンク240内の濃厚蓄熱液はポンプ270によ
り、再生吸収器220に送られ加熱水250により加熱
され水分が蒸発し、高温高濃度状態で濃縮された後、蓄
熱剤タンク240へ濃厚蓄熱液として戻される。一方、
水蒸気は凝縮蒸発器210に移動し、冷却水260によ
り冷却され冷媒タンク230に流入する。この操作によ
り、熱エネルギを再生吸収器220で蓄熱剤の濃縮に用
いることにより濃度差エネルギに変換して、濃厚蓄熱液
と冷媒に分離した状態で高密度で貯蔵できる。利用時
は、蓄熱剤タンク240の濃厚蓄熱液をポンプ290で
再生吸収器220へ、冷媒タンク230の冷媒をポンプ
280で凝縮蒸発器210へ送る。そこで水蒸気を発生
させ、蓄熱液へ吸収させる希釈操作を行うことにより、
上記と同様の原理で、冷房時は凝縮蒸発器210から冷
水260′が得られ、暖房給湯時は、再生吸収器220
から温水または熱水250′が得られる。
置を示すが、この装置も作動原理は上記と同じで、凝縮
器と蒸発器を一体にした凝縮蒸発器210,再生器と吸
収器を一体にした再生吸収器220,冷媒タンク23
0,蓄熱剤タンク240より構成される。蓄熱操作は、
蓄熱剤タンク240内の濃厚蓄熱液はポンプ270によ
り、再生吸収器220に送られ加熱水250により加熱
され水分が蒸発し、高温高濃度状態で濃縮された後、蓄
熱剤タンク240へ濃厚蓄熱液として戻される。一方、
水蒸気は凝縮蒸発器210に移動し、冷却水260によ
り冷却され冷媒タンク230に流入する。この操作によ
り、熱エネルギを再生吸収器220で蓄熱剤の濃縮に用
いることにより濃度差エネルギに変換して、濃厚蓄熱液
と冷媒に分離した状態で高密度で貯蔵できる。利用時
は、蓄熱剤タンク240の濃厚蓄熱液をポンプ290で
再生吸収器220へ、冷媒タンク230の冷媒をポンプ
280で凝縮蒸発器210へ送る。そこで水蒸気を発生
させ、蓄熱液へ吸収させる希釈操作を行うことにより、
上記と同様の原理で、冷房時は凝縮蒸発器210から冷
水260′が得られ、暖房給湯時は、再生吸収器220
から温水または熱水250′が得られる。
【0036】このように吸収式熱変換装置は、熱エネル
ギを加えて吸収液を高温高濃度状態で加熱濃縮すること
により、吸収液の希釈操作で冷水,温水,熱水又は動力
や電気を得る装置であり、いずれも吸収液の高温高濃度
状態での濃縮操作と、低温高濃度状態での吸収希釈操作
が存在する。
ギを加えて吸収液を高温高濃度状態で加熱濃縮すること
により、吸収液の希釈操作で冷水,温水,熱水又は動力
や電気を得る装置であり、いずれも吸収液の高温高濃度
状態での濃縮操作と、低温高濃度状態での吸収希釈操作
が存在する。
【0037】
【発明の効果】本発明により、腐食抑制剤の溶解度を増
大できるため、実機採用時の析出による濃度低下が原因
の腐食抑制能力の低下や局部腐食を解消できるので、こ
れを用いた吸収式熱変換装置の信頼性を大幅に向上する
ことができる。
大できるため、実機採用時の析出による濃度低下が原因
の腐食抑制能力の低下や局部腐食を解消できるので、こ
れを用いた吸収式熱変換装置の信頼性を大幅に向上する
ことができる。
【0038】さらに、抑制剤の析出なしに、より高濃度
の吸収液で運転できるため、吸収式の(1)空調装置の
冷暖房能力の向上,(2)ヒートポンプの昇温能力の増
大,(3)発電装置の発電量の増大,(4)蓄熱装置の
蓄熱能力の増大等の効果がある。
の吸収液で運転できるため、吸収式の(1)空調装置の
冷暖房能力の向上,(2)ヒートポンプの昇温能力の増
大,(3)発電装置の発電量の増大,(4)蓄熱装置の
蓄熱能力の増大等の効果がある。
【図1】本発明の吸収液を用いた二重効用パラレルフロ
ー型吸収式空調装置の系統図。
ー型吸収式空調装置の系統図。
【図2】本発明となる吸収液を蓄熱液として用いた吸収
式蓄熱装置のブロック図。
式蓄熱装置のブロック図。
1…蒸発器、2…吸収器、3…熱交換器、4…高温再生
器、5…低温再生器、6…凝縮器、20,21…吸収
液、26…水。
器、5…低温再生器、6…凝縮器、20,21…吸収
液、26…水。
フロントページの続き (72)発明者 緑川 平八郎 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内
Claims (13)
- 【請求項1】吸収式熱変換装置に用いる主成分が臭化リ
チウムである吸収液において、前記臭化リチウムにモリ
ブデン酸カリウム単独又は、それを含む複数の腐食抑制
剤を添加することを特徴とする吸収液。 - 【請求項2】請求項1において、モリブデン酸カリウム
の添加量が水溶液に対し0.01 から0.2 重量%の範
囲である吸収液。 - 【請求項3】請求項1において、モリブデン酸カリウム
以外の腐食抑制剤がモリブデン酸リチウムである吸収
液。 - 【請求項4】請求項3において、モリブデン酸リチウム
の添加量が水溶液に対し0.01 から0.1 重量%の範
囲である吸収液。 - 【請求項5】請求項1において、モリブデン酸カリウム
以外の腐食抑制剤がモリブデン酸ナトリウムである吸収
液。 - 【請求項6】請求項5において、モリブデン酸ナトリウ
ムの添加量が水溶液に対し0.01から0.11 重量%
の範囲である吸収液。 - 【請求項7】請求項1において、モリブデン酸カリウム
以外の腐食抑制剤が硝酸リチウムである吸収液。 - 【請求項8】請求項7において、硝酸リチウムの添加量
が水溶液に対し0.01 重量%未満、もしくは0.02
重量%を越える範囲である吸収液。 - 【請求項9】請求項1において、モリブデン酸カリウム
以外の腐食抑制剤がベンゾトリアゾールである吸収液。 - 【請求項10】請求項9において、ベンゾトリアゾール
の添加量が水溶液に対し0.01 から0.08 重量%の
範囲である吸収液。 - 【請求項11】請求項1ないし10に記載の吸収液を用
い少なくても吸収液の濃縮部と希釈部とから構成される
吸収式熱変換装置。 - 【請求項12】請求項11において、前記吸収式熱変換
装置が、吸収式空調装置,吸収式給湯装置あるいは吸収
式ヒートポンプまたは吸収式発電装置のいずれかである
吸収式熱変換装置。 - 【請求項13】請求項11において、前記吸収式熱変換
装置が、吸収液の濃縮部と希釈部が一体となる吸収式蓄
熱装置である吸収式熱変換装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1470492A JPH05203279A (ja) | 1992-01-30 | 1992-01-30 | 吸収液とそれを用いた吸収式熱変換装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1470492A JPH05203279A (ja) | 1992-01-30 | 1992-01-30 | 吸収液とそれを用いた吸収式熱変換装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05203279A true JPH05203279A (ja) | 1993-08-10 |
Family
ID=11868568
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1470492A Pending JPH05203279A (ja) | 1992-01-30 | 1992-01-30 | 吸収液とそれを用いた吸収式熱変換装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05203279A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002364940A (ja) * | 2001-06-05 | 2002-12-18 | Sanyo Electric Co Ltd | 吸収冷凍機 |
JP2023047292A (ja) * | 2021-09-24 | 2023-04-05 | 高麗大学校産学協力団 | 吸収式エネルギー貯蔵及び冷暖房同時活用システム |
-
1992
- 1992-01-30 JP JP1470492A patent/JPH05203279A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002364940A (ja) * | 2001-06-05 | 2002-12-18 | Sanyo Electric Co Ltd | 吸収冷凍機 |
JP4596683B2 (ja) * | 2001-06-05 | 2010-12-08 | 三洋電機株式会社 | 吸収冷凍機 |
JP2023047292A (ja) * | 2021-09-24 | 2023-04-05 | 高麗大学校産学協力団 | 吸収式エネルギー貯蔵及び冷暖房同時活用システム |
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