WO2007148598A1

WO2007148598A1 - インクジェットプリンタ及び画像形成方法

Info

Publication number: WO2007148598A1
Application number: PCT/JP2007/062001
Authority: WO
Inventors: Satoshi Masumi; Ai Kondo
Original assignee: Konica Minolta Medical & Graphic, Inc.
Priority date: 2006-06-22
Filing date: 2007-06-14
Publication date: 2007-12-27
Also published as: EP2030792A1; EP2030792B1; JPWO2007148598A1; US7824022B2; US20070296787A1; EP2030792A4

Abstract

　本発明は、カチオン重合性化合物を含有する活性光線硬化性インクジェットインクを用いるインクジェットプリンタにおいて、装置内での析出物の発生を抑制し、安定した画像記録を行うことができるインクジェットプリンタ及び画像形成方法を提供する。このインクジェットプリンタは、カチオン重合性組成物を含有するインクを、記録媒体上に出射するインクジェットプリンタにおいて、該インクを貯留するインクタンク及び該インクタンクからインクを出射する記録ヘッドまでのインク供給路を構成する接インク部材が、該インクと実質的に電子の授受を行わない材料であることを特徴とする。

Description

明細書

インクジェットプリンタ及び画像形成方法

技術分野

[0001] 本発明は、カチオン重合性組成物を含有するインクを用いた新規の構成カゝらなるィンクジェットプリンタと画像形成方法に関するものである。

背景技術

[0002] 近年、インクジェット記録方式は、簡便で、かつ安価に画像を作成できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルタ一等の特殊印刷等、様々な印刷分野に応用されてきている。一般には、水を主溶媒とした水系のインクジェットインクをインク吸収性を備えた専用紙に記録するが、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジエツト方式や、記録後に紫外線 (UV光)等の活性エネルギー線 (放射線)の照射により架橋させる活性光線硬化型インクジェット方式など水系以外のインクジェットも実用化されている。

[0003] 中でも、紫外線硬化型インクジェット方式は、ソルベント系インクジェット方式に比べて比較的低臭気であり、即乾性で、インク吸収能のない記録媒体への記録ができる点で、近年注目されつつあり、様々な活性光線硬化型インクジェットの技術が開示されている。

[0004] 活性光線硬化型インクジェット用インクは、（メタ）アタリレートに代表されるラジカル系重合性ィ匕合物を用いるものが実用化されているが、最近では、記録媒体に対する密着性、低臭気、酸素による重合阻害が少ない等の理由で、カチオン重合性化合物を用いた活性光線硬化型インクジェット用インク及びそれを用いたインクジェットプリンタの提案がなされている (例えば、特許文献 1、 2参照)。

[0005] 一方、インクジェットプリンタにお!/ヽて、インクタンクやインクタンクとインクジェット記録ヘッド間のインク供給路を構成する材料は、耐久性や加工の簡便性と!/、う観点からステンレス、アルミニウムなどの金属を用いることが多い。特に、インク中の異物等を取り除き、目詰まりを防止する目的で、インク供給路にフィルタを設置され、これらのフィルタを構成する部材としても、金属を用いることが多、。

[0006] 上記の様な金属材料力構成されるインクジェットプリンタにより、カチオン重合性化合物を含有する活性光線硬化性インクジェットインクを用いて画像形成する場合、インクジェットプリンタの使用環境やインク供給路の構成材料により、インク中に析出物が発生し、この析出物がインク供給路を詰まらせたり、ノズル部に到達して出射不良を引き起こすことが判明した。

[0007] 即ち、導電性部材と、反応性の導電性インクとが接触すると、望まれな!/ヽ電気化学反応が生じ、インク成分の分解物または重合物力インク流路及びまたはインクヘッド内に生じ吐出不良となる。例えば、導電性インク供給路内に 2種の金属部材が導通された状態で存在すると、インクと金属の接触により電池が形成されて 2種の金属間に起電力が生じ、電気化学反応が起きる。その際、予期しないインク硬化 (重合)反応力 S起こる。

[0008] 更に、ステンレス鋼などの合金と導電性インクが接して、る場合にも、金属表面状態は均一ではなぐ前記異種金属と導電性インクが導通した状態がミクロに発生し、金属表面上で電気化学反応が起きる。

一般に、活性光線硬化性インクジェットの析出は、活性光線の漏れ光が原因であることがあり、それに関する対策はこれまでになされているが、電子の授受 (電気化学反応）による析出物の発生に関しては、これまでに記載されたものはなぐ更に電子の授受が使用する接インク部材の素材、構成により制御できることはこれまで全く記載されたものはない。

特許文献 1：特開 2005— 290246号公報

特許文献 2：特開 2004 - 34543号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0009] 本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、カチオン重合性化合物を含有する活性光線硬化性インクジェットインクを用いるインクジェットプリンタにおいて、装置内での析出物の発生を抑制し、安定した画像記録を行うことができるインクジェットプリンタ及び画像形成方法を提供することにある。課題を解決するための手段

[0010] 本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。

[0011] 1.カチオン重合性組成物を含有するインクを、記録媒体上に出射するインクジエツトプリンタにおいて、該インクを貯留するインクタンク及び該インクタンクからインクを出射する記録ヘッドまでのインク供給路を構成する接インク部材が、該インクと実質的に電子の授受を行わない材料であることを特徴とするインクジェットプリンタ。

[0012] 2.前記接インク部材の全てが、絶縁性材料で構成されていることを特徴とする前記

1に記載のインクジェットプリンタ。

[0013] 3.前記接インク部材の少なくとも一部力単一の導電性材料で構成されていることを特徴とする前記 1に記載のインクジェットプリンタ。

[0014] 4.前記接インク部材が、複数の導電性材料で構成され、かつ該複数の導電性材料同士が実質的に絶縁状態であることを特徴とする前記 1に記載のインクジェットプリンタ。

[0015] 5.前記接インク部材が、単一または複数の導電性材料で構成され、該インク中での該導電性材料の分極曲線における腐食電流密度が 0. 03 μ AZcm²未満であることを特徴とする前記 1に記載のインクジェットプリンタ。

[0016] 6.前記接インク部材を構成する材料が、イオン化傾向が水素元素以下の金属元素であることを特徴とする前記 1に記載のインクジェットプリンタ。

[0017] 7.カチオン重合性組成物を含有するインクを、記録媒体上に出射するインクジエツトプリンタにおヽて、該インクを貯留するインクタンクまたは該インクタンクカゝらインクを出射する記録ヘッドまでのインク供給路にフィルタを備え、該フィルタ及びフィルタ隣接部が、該インクと実質的に電子の授受を行わない材料で構成されていることを特徴

[0018] 8.前記フィルタ及びフィルタ隣接部が、絶縁性材料で構成されていることを特徴とする前記 7に記載のインクジェットプリンタ。

[0019] 9.前記フィルタ及びフィルタ隣接部が、単一の導電性材料カゝら構成されていることを特徴とする前記 7に記載のインクジェットプリンタ。

[0020] 10.前記フィルタ及びフィルタ隣接部が、複数の導電性材料で構成され、かつ該複数の導電性材料同士が実質的に絶縁状態であることを特徴とする前記 7に記載のインクジェットプリンタ。

[0021] 11.前記フィルタ及びフィルタ隣接部が、単一または複数の導電性材料で構成され、該インク中での該導電性材料の分極曲線における腐食電流密度が 0. 03 μ Α/ cm²未満であることを特徴とする前記 7に記載のインクジェットプリンタ。

[0022] 12.前記フィルタ及びフィルタ隣接部を構成する材料力イオン化傾向が水素元素以下の金属元素であることを特徴とする前記 7に記載のインクジェットプリンタ。

[0023] 13.前記インクタンクまたは前記インクタンクと吐出ヘッド間で一時的にインクを貯留する中間タンクが金属で構成され、かつ該金属の表面に不動態処理が施されていることを特徴とする前記 1〜12のいずれか 1項に記載のインクジェットプリンタ。

[0024] 14.前記金属がアルミニウムで、かつ前記不動態処理がアルマイト処理であることを特徴とする前記 13に記載のインクジェットプリンタ。

[0025] 15.前記カチオン重合性組成物を含有するインク力光酸発生剤を含有することを特徴とする前記 1〜14のいずれか 1項に記載のインクジェットプリンタ。

[0026] 16.前記カチオン重合性糸且成物を含有するインクの含水率力 0. 5質量％以上、 3. 0質量％以下であることを特徴とする前記 1〜15のいずれ力 1項に記載のインクジエツトプリンタ。

[0027] 17.前記 1〜16のいずれ力 1項に記載のインクジェットプリンタを用いて、カチオン重合性組成物を含有するインクを記録媒体上に出射して画像を形成することを特徴とする画像形成方法。

発明の効果

[0028] 本発明により、カチオン重合性ィ匕合物を含有する活性光線硬化性インクジェットィンクを用いるインクジェットプリンタにおいて、装置内での析出物の発生を抑制し、安定した画像記録を行うことができるインクジェットプリンタ及び画像形成方法を提供することがでさた。

図面の簡単な説明

[0029] [図 1]本発明の実施の形態に係るフィルタ及び中間タンクを備えたインクジェットプリンタの全体構成を示す図である。圆 2]本発明のインクジェットプリンタにおけるインク供給路構成の一例を示す概略構成図である。

圆 3]本発明で用いることができる電気化学測定装置の一例を示す外観及び概念図である。

[図 4]実施例 7において、水準 4のインクジェットプリンタ 2 (ステンレス）とインクセット D を用いて測定した分極曲線である。

符号の説明

1、 101 インクタンク

2、 104 記録ヘッド

3 エネルギー線源

4、 103 キャリッジ

6、 110 フィルタボックス

7、 108 中間タンク

8、 102 インク供給路

105 中間タンクユニット

106 中間タンク前室

107 フイノレタ

109、 111 フィルタ隣接部

J1〜J6 ジョイント

A 電気化学測定システム

B 塩橋

C 電極槽

D 参照電極槽

I 測定液（インク液）

L 活性エネルギー線源

N ノズル

PS ポテンシヨスタツト

Pt 対極（白金電極） s 試料電極

SCE 参照電極

St スターラー

発明を実施するための最良の形態

[0031] 以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。

[0032] 本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、 1)カチオン重合性組成物を含有するインクを、記録媒体上に出射するインクジェットプリンタにおいて、該インクを貯留するインクタンク及び該インクタンク力インクを出射する記録ヘッドまでのインク供給路を構成する接インク部材が、該インクと実質的に電子の授受を行わない材料であることを特徴とするインクジェットプリンタ、または 2)カチオン重合性組成物を含有するインクを、記録媒体上に出射するインクジェットプリンタにおいて、該インクを貯留するインクタンクまたは該インクタンク力もインクを出射する記録ヘッドまでのインク供給路にフィルタを備え、該フィルタ及びフィルタ隣接部が、該インクと実質的に電子の授受を行わなヽ材料で構成されてヽることを特徴とするインクジェットプリンタにより、装置内での析出物の発生を抑制し、安定した画像記録を行うことができるインクジェットプリンタを実現できることを見出し、本発明に至った次第である。

[0033] すなわち、カチオン重合性組成物を含有するインクは、通常、同時に存在する光酸発生剤が、活性エネルギー線の照射を受けることにより酸を発生し、その酸により力チオン重合性モノマーの重合が開始される。しかし、このカチオン重合性組成物を含有するインクは、インクタンクやインク流路で長期間にわたり停滞された際、接インク部から電子の供給を受けると、活性エネルギー線の照射なしに、その電子の授受によってインク中に酸が発生し、それにより重合が開始するため、不正な重合組成物が発生することを、初めて突き止めた。上記不正な重合物の発生を防止する手段について鋭意検討を進めた結果、インクジェットプリンタの接インク部材を、インクと実質的に電子の授受を行わない材料で構成することにより、解決できることを見出したものである。

[0034] また、接インク部材が単一または複数の導電性材料で構成され、該インク中での該導電性材料の分極曲線における腐食電流密度が 0. 03 μ AZcm²未満であれば、不正な重合組成物の発生は起こらず、問題なくプリントできることを見出した。

[0035] 以下、本発明の各構成要素の詳細について説明する。

[0036] 〔インクジェットプリンタ〕

本発明のインクジェットプリンタは、主には、カチオン重合性組成物を含有するインクを貯留するインクタンク、該インクタンク力も記録ヘッドにインクを送液するためのィンク供給路、該インク供給路より供給されたインクを、記録媒体上に出射する記録へッド、及び記録媒体上に着弾したインク液滴を硬化させるための活性光線照射光源より構成され、また、インクタンクと記録ヘッドのインク供給路には、フィルタあるいは中間タンクが設けられている。

[0037] 図 1は、本発明の実施の形態に係るフィルタ及び中間タンクを備えたインクジェットプリンタの全体構成を示す図である。

[0038] 1はカチオン重合性組成物を含有するインクを貯留して供給するインクタンク 1であり、図 1では、一例として、イェローインクタンク 1Y、マゼンタインクタンク 1Μ、シアンィンクタンク 1C及び黒インクタンク 1Kからなる構成を示している。 Jはインクタンク 1とィンク供給路とを接続するジョイントである。

[0039] 2は、記録媒体上にインク液滴を吐出して画像を形成するノズルを有する記録へッドであり、イェロー記録ヘッド 2Y、マゼンタ記録ヘッド 2Μ、シアン記録ヘッド 2C及び黒記録ヘッド 2Κで構成される。 3は、活性エネルギー線である紫外線を記録媒体上に着弾したインクに照射する活性エネルギー線源である。

[0040] 4はキャリッジであり、キャリッジ 4は記録ヘッド 2及びエネルギー線源 3を一体に搭載しており、キャリッジガイド 5により案内されて矢印 WX1、 WX2で示すように往復移動して、記録媒体 Pを走査し、記録媒体 Pに画像を形成する。

[0041] 6はフィルタボックスであり、イェロー用フィルタボックス 6Y、マゼンタ用フィルタボッタス 6Μ、シアン用フィルタボックス 6C及び黒用フィルタボックス 6Κで構成される。 7 は中間タンクであり、イェロー用中間タンク 7Υ、マゼンタ用中間タンク 7Μ、シアン用中間タンク 7C及び黒用中間タンク 7Κで構成される。

[0042] 記録用インクはインクタンク 1から中間タンク 7に送られ、中間タンク 7からインク供給路 8を経て記録ヘッド 2に供給される。インク供給路 8はイェローインク用、マゼンタインク用、シアンインク用及び黒インク用の供給路で構成されており、各単色インクはそれぞれ独立して、インクタンク 1からインク供給路 8を経て記録ヘッド 2に供給される。

[0043] 10は記録ヘッド 2の回復処理を行うメンテナンスユニットであり、記録ヘッド 2をキヤッビングする吸引キャップ 9を有する。 12は廃インクを収容する廃インク容器であり、フラッシングにおいて、記録ヘッド 2から強制吐出されたインクを受け、収容する。

[0044] 図 2は、本発明のインクジェットプリンタにおけるインク供給路構成の一例を示す概略構成図である。

[0045] 図 2の a)においては、インクタンク 101は、ジョイント J1を介してインク供給路 102に接続され、更にこのインク供給路 102の端部は、ジョイント J2を介してキャリッジ 103に収納されてヽる記録ヘッド 104に接続されてヽる。画像形成情報に従って記録ヘッド 104のノズル Nより記録媒体上に、インク液滴が吐出され、ついで、瞬時に活性エネルギ一線源より、着弾したインクに活性エネルギー線を照射して、インクを硬化させる。

[0046] 図 2の b)は、インク供給路 102の途中に、フィルタを内蔵した中間タンクユニット 10 5を設けた一例である。インクタンク 101の排出口とインク供給路 102とをジョイント J1 で接続し、ジョイント J3を介して中間ユニットタンク 105に接続されている。インクはジョイント J3部より中間タンク前室 106に送液された後、フィルタ 107により異物等を除いて中間タンク 108に送液される。次いで、中間タンク 108とインク供給路 102がジョイント J4を介して接続されており、中間タンク 108に貯留された濾過済のインクを記録へッド 104に供給するインク供給ラインである。なお、図 2の b)に示す 109は、フィルタ 1 07に隣接するフィルタ隣接部である。

[0047] 図 2の c)は、図 2の b)における中間タンクユニット 105に代えて、フィルタボックス 11 0を設けた例である。インクの入側をジョイント J5と介し、またインクの出側をジョイント J 6と介して、それぞれインク供給路 102と接続されてヽるフィルタボックス 110中には、フィルタ 107が設けられており、インク中の異物等を除いた後、インクを記録ヘッド 10 4に供給するインク供給ラインである。なお、図 2の c)に示す 111は、フィルタ 107に隣接するフィルタ隣接部である。

[0048] 上記説明した図 2にお、ては、便宜上、マゼンタ用の記録ヘッドへインクを供給するラインのみを示してある力図 1に記載のように、同様の供給ラインが、イェロー用記録ヘッド、シアン用記録ヘッド、黒用記録ヘッドにも設けられている。また、図 2には、説明に必要な構成のみを示しており、図 2に記載はしていないが、例えば、インクの送液を制御する電磁弁、分岐ジョイント、送液ポンプの他、記録ヘッドの制御部等が設けられる。

[0049] 本発明のインクジェットは、例えば、図 1あるいは図 2に示すインクジェットプリンタあるヽはインクインク供給ラインにおヽて、 1)インクを貯留するインクタンク及びインクタンクからインクを出射する記録ヘッドまでのインク供給路を構成する接インク部材が、インクと実質的に電子の授受を行わない材料であること、あるいは 2)インクを貯留するインクタンクまたはインクタンク力インクを出射する記録ヘッドまでのインク供給路中にフィルタを備え、該フィルタ及びフィルタ隣接部力インクと実質的に電子の授受を行わな!/ヽ材料で構成されて!ヽることを特徴とする。

[0050] 本発明において、接インク部とは、インクタンク、インク供給路、中間タンクユニット、フィルタボックス等と、それらを接続するジョイント群で、本発明に係るカチオン重合性組成物を含有するインクと直接的に接する部分であり、例えば、図 2の a)に示すインク供給ラインでは、インクタンク 101の内部、インク供給路 102の内部、ジョイント Jl、 J 2及び記録ヘッド内部 104である。また、図 2の b)に示すインク供給ラインでは、インクタンク 101の内部、インク供給路 102の内部、ジョイント J1〜J4、中間タンクユニット 10 5のフィルタ 107とフィルタ隣接部 109及び記録ヘッド内部 104である。また、図 2の c )に示すインク供給ラインでは、インクタンク 101の内部、インク供給路 102の内部、ジョイント Jl、 J2、 J5、 J6、フィルタボックス 110内のフィルタ 107とフィルタ隣接部 111及び記録ヘッド内部 104である。

[0051] 本発明においては、これらの接インク部を構成する部材が、インクと実質的に電子の授受を行わな、材料であることを特徴とする。本発明で、うインクとの実質的な電子の授受とは、インクを構成する!、ずれかの成分を酸化ある!、は還元することであり、この様な特性を持つ材料を、接インク部に使用すると、例えば、インクと電子の授受を有する部材とが長期間にわたり接触した場合、両者間での電子の授受により、析出物が発生し、その結果、析出物が記録ヘッドまで到達することにより、ノズル詰まり、ノズル欠ある!/ヽは斜め出射と!/、う不良を招く結果となる。

[0052] 従って、本発明のインクジェットプリンタにおいては、接インク部をインクとの実質的な電子の授受を起こさない部材で構成することを特徴とし、更には、下記に記載の構成力選ばれる少なくとも 1つ、あるいはそれらを組み合わせることにより、接インク部における電位差の発生を防止することで、インクとの実質的な電子の授受を防止することにより、析出物の発生を抑制することができる。

[0053] 1)接インク部材の全てを、絶縁性材料で構成すること、

2)接インク部材の少なくとも一部を、単一の導電性材料で構成すること、

3)接インク部材を複数の導電性材料で構成し、複数の導電性材料同士が実質的に絶縁状態にすること、

4)接インク部材を、単一または複数の導電性材料で構成し、インク中での該導電性材料の分極曲線における腐食電流密度が 0. 03 μ AZcm²未満である状態にすること、

5)接インク部材を構成する材料を、イオン化傾向が水素元素以下の金属元素とすること、特に、フィルタ及びフィルタ隣接部を構成する材料として、

6)フィルタ及びフィルタ隣接部を、絶縁性材料で構成すること、

7)フィルタ及びフィルタ隣接部を、単一の導電性材料で構成すること、

8)フィルタ及びフィルタ隣接部を複数の導電性材料で構成し、複数の導電性材料同士を実質的に絶縁状態とすること、

9)フィルタ及びフィルタ隣接部を、単一または複数の導電性材料で構成し、該インク中での該導電性材料の分極曲線における腐食電流密度が 0. 03 μ AZcm²未満である状態にすること、

10)フィルタ及びフィルタ隣接部を構成する材料を、イオン化傾向が水素元素以下の金属元素とすること、

また、中間タンクを構成する材料として、

11)中間タンクが金属で構成され、かつ金属表面に不動態処理が施されていること

12)金属がアルミニウムで、かつ不動態処理としてアルマイト処理を施すこと、等の方法が挙げられる。

[0054] 以下、上記インクとの実質的な電子の授受を起こさない部材について、更に説明する。

[0055] 本発明でいう上記 1)項及び 6)項に係る絶縁性材料は、表面抵抗率が 1 X 10⁸ Q -c m以上である材料であり、更に好ましくは表面抵抗率が 1 X 1Ο¹⁰Ω 'cm以上の材料である。絶縁性材料の表面抵抗率測定は、円形電極 (例えば、三菱油化 (株)製ハイレスター IPの「HRプローブ」）を用い、 JIS K6911に準拠した方法に基づき測定することができる。また、本発明に係る絶縁性材料は、上記で規定する表面抵抗率を備えた単一材料で構成されたものであっても、あるいは導電性材料、例えば、金属材料を基材として用い、インクと接する部分を上記絶縁性材料で被覆して絶縁性を付与した形態であっても良い。

[0056] 本発明に係る絶縁性材料としては、例えば、ゴム、プラスチック材料、繊維、セラミツク等を挙げることができ、柔軟性が要求されるインク供給路等には、例えば、二トリルゴム（NBR)、水素化-トリルゴム（HNBR)、フッ素ゴム（FKM)、パーフルォロゴム（ FFKM)、ミラブル型シリコーンゴム、フルォロシリコーンゴム（FVMQ)、エチレンプロピレンゴム（EPM, EPDM)、スチレンブタジエンゴム（SBR)、シリコーンゴム（VQM )、アクリルゴム（ACM、 ANM)、ブチルゴム（IIR)、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム（CSM)、ェピクロロヒドリンゴム（CO, ECO)、クロロプレンゴム（CR)等を用いることがでさる。

[0057] また、インクタンク、中間タンク、フィルタボックス、ジョイント等には、例えば、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、塩化ビニル、ポリカーボネート、 T FE (テトラフルォロエチレン）、 PFA (パーフルォロアルコキシレジン；テトラフルォロエチレンパールルオリネィテイドアルキルビュルエーテルコポリマー）、 FEP (テトラフルォロエチレン一へキサフルォロプロピレンコポリマー）、 FFKM、 FEPM、 PI (ポリイミド)等を適宜選択して用いることができる。

[0058] また、上記絶縁性材料を被覆する金属基材としては、例えば、鉄、アルミニウム、銅、ニッケル、スズ、亜鉛、鉛、銀、金及びそれら金属同士或いは別の金属を用いた合金を用いることができる。 [0059] 本発明で、う上記 2)、 3)項及び 7)、 8)項に係る導電性材料としては、一般に構造物の形成も適用されている金属材料を用いることができ、具体的には、鉄、アルミニゥム、銅、ニッケル、スズ、亜鉛、鉛、銀、金及びそれら金属同士或いは別の金属を用いた合金を用いることができ、その中でも、特に、ステンレスやアルミニウムは力卩ェ性取り扱い性、コストの点で望ましい。この様に単一の導電性材料を用いて接インク部材あるいはフィルタ及びフィルタ隣接部を構成することにより、インクとの実質的に電子の授受を防止することができる。

[0060] また、本発明にお、ては、導電性材料を用いて接インク部材あるいはフィルタ及びフィルタ隣接部を構成する場合、インク中での該導電性材料の分極曲線における腐食電流密度が 0. 03 AZcm²未満である状態にすることが好ましい。この状態を保つことにより、導電性材料を用いた場合でも、予期しないインク硬化 (重合)反応を防ぐことができる。

[0061] 腐食電流密度の測定方法については、電気化学的な分極特性を測定する方法に準じて求めることができ、本発明においては、比較的広い電位域の分極特性カもタ一フェル外挿法によって求めた値を用いた。以下に、その測定方法の一例を示す。

[0062] 〈電気化学測定試験〉

試験容器：ガラス製 5つ口フラスコ

試験装置:図 3の (a)に電気化学測定装置の一例の外観及び概念図を示す。図 3 の（a)はアノード分極極性を測定する一例を示しており、ガラス製の 5口フラスコ Fの 1 つの挿入口は、測定容器内の雰囲気を窒素ガスで置換するための窒素ガス供給口であり、 5口フラスコ F内には、試料電極 Sと対極（白金電極) Ptと力それぞれリード線により、電気化学測定システム Aに接続されている。また、参照電極 SCEが測定液 (インク液) I中に浸漬されて、この参照電極 SCEも、電気化学測定システム Aに接続されている。ガラス製の 5口フラスコ F内の測定液 (インク液) Iは、底部に設けられるスターラー Stにより常時攪拌しながら、測定を行う。

[0063] 図 3の (b)は、電気化学的試験の状況を模式図で示す。一方の電極槽 Cに測定液 I としてインク液を入れ、測定液 L中には、対極 Ptと試料電極 Sが挿入され、それぞれリ一ド線を介して、ポテンシヨスタツト PSに接続されている。また、参照電極槽 Dには参照電極 SCEが挿入され、参照電極 SCEはリード線を介して、ポテンシヨスタツト PSに接続されている。電極槽 C中の測定液 Lと参照電極槽 D中の緩衝液とは、塩橋 Bを介して接続されている。

[0064] 試料電極:短冊状に試験片を切り出し、リード線をスポット溶接する。電極表面は研磨仕上げとする。対極は白金電極、参照電極は飽和カロメル電極 (SCE)を用いる。

[0065] 試験雰囲気：大気平衡 (力ソード分極曲線測定の場合)、窒素ガス脱気 (アノード分極曲線測定の場合）

試験温度： 70°C

測定項目：試料電極をインク中に 24時間浸漬させて「自然浸漬電位」を求める。その後、電位を変化させて「アノード分極曲線」及び「力ソード分極曲線」を測定し、ターフェル直線と自然浸漬電位の交点から「腐食電流密度」を求める。

[0066] また、接インク部材あるいはフィルタ及びフィルタ隣接部を、複数の異なる導電性材料で構成する場合には、複数の導電性材料同士を実質的に絶縁状態とすること、例えば、異なる導電性材料間に、上記絶縁材料を設けて両導電性材料間を絶縁状態とすることにより、インクとの実質的な電子の授受を防止することができる。

[0067] 接インク部に導電性材料を適用するインクジェットプリンタの構成部位としては、インクタンク、ジョイント部、インク供給路分岐部、インクポンプ、中間タンク、フィルタ、弁、その他流路等があるが、その中でも、特に、インクとの接触面積が大きいフィルタ部や、インクの滞留時間が長いインクタンク内、インクタンク近傍、とりわけ、記録ヘッドの近傍に配置される中間タンクに上記の構成を採ることが重要となってくる。

[0068] 本発明のインクジェットプリンタの記録ヘッドに設けるノズルは内径が 100 μ m以下という微小な孔であり、インク中の微細な異物を確実に取り除くことが、安定な出射を行う上では重要な要件となってくる。従って、本発明に適用するフィルタとしては、上記のような微細な異物を除くことができる構成とすることが好ましぐ例えば、スクリーンメッシュと呼ばれるステンレス等の合金カゝらなる金網の単層体、ステンレス等の合金力なる金網を積層し、各層を焼結した焼結金属フィルタ、ステンレス鋼の微細繊維を複雑に編み込んだ金網にて繊維間の接点を焼結した焼結金属ファイバフィルタ、金属粉末を焼結した焼結金属フィルタ等が挙げられ、これらの中でも、特に、ボックス状の焼結金属ファイバフィルタを使用することが好ましい。

[0069] また、本発明でいう上記 5)項及び 10)項に係るイオン化傾向が水素元素以下の金属元素とは、銅、水銀、銀、白金、金を挙げることができ、接インク部材としてこれらのイオン化傾向が水素元素以下の金属元素を用いることにより、インクとの実質的に電子の授受を防止することができる。

[0070] また、本発明でいう上記 11)項及び 12)項に係る中間タンクの構成として、中間タンクが金属で構成され、かつ金属表面に不動態処理が施されていることが好ましぐ更には金属がアルミニウムで、かつ不動態処理としてアルマイト処理を施した構成とすることにより、中間タンクにおけるインクとの電子の授受を防止することができる。すなわち、図 2の b)に示すような中間タンクユニットを用いる場合、フィルタ 107部材と、フィルタ隣接部 109を異なる金属材料、例えば、フィルタをステンレス、フィルタ隣接部をアルミニウムで構成した場合には、両金属材料間で電位差を生じ、その結果、インクとの電子の授受が発生してしまう。この様な構成が加工性等の観点で必要とされる場合には、フィルタ隣接部を構成する材料として、不動態処理としてアルマイト処理を施したアルミニウムを適用することにより、防止することができる。

[0071] 本発明でいう不動態処理であるアルマイト処理とは、アルミニウムの陽極酸ィ匕ともいわれ、アルミニウム基材を陽極として電気分解を行い、表面に特異な多孔質構造を持つ酸ィ匕アルミニウム皮膜を形成する方法である。このアルマイト処理は、容易に染色が可能で、様々な色調に着色することができるが、漏光をできるだけ低減する観点力も黒色のアルマイト処理が好まし、。

[0072] 〔カチオン重合性ィ匕合物を含有するインク〕

次、で、本発明のインクジェットプリンタに適用するインクについて説明する。

[0073] 本発明に係るインクでは、放射線硬化性ィ匕合物として、カチオン重合性ィ匕合物を含有することを特徴とする。

[0074] 本発明にお、ては、カチオン重合性ィ匕合物としては、各種公知のカチオン重合性のモノマーを用いることができ、その中でも、ォキシラン基を有する化合物、例えば、特開平 6— 9714号、特開 2001— 31892号、特開 2001— 40068号、特開 2001— 55507号、特開 2001— 310938号、特開 2001— 310937号、特開 2001— 2205 26号に例示されているエポキシィ匕合物、ビニルエーテルィ匕合物、ォキセタンィ匕合物などが挙げられる。

[0075] エポキシ化合物には、以下の芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族ェポキシド等が挙げられる。

[0076] 芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも 1個の芳香族核を有する多価フェノール或いはそのアルキレンオキサイド付カ卩体とェピクロルヒドリンとの反応によつて製造されるジ又はポリグリシジルエーテルであり、例えば、ビスフエノール A、あるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフエノール A或いはそのアルキレンオキサイド付カ卩体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ榭脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。

[0077] 脂環式エポキシドとしては、少なくとも 1個のシクロへキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でェポキシィ匕することによって得られる、シクロへキセンオキサイド又はシクロペンテンォキサイド含有化合物が好ましい。

[0078] 脂肪族エポキシドの好ま、ものとしては、脂肪族多価アルコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は 1, 6—へキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリン或いはそのアルキレンオキサイド付カ卩体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリェチレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付カ卩体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付カ卩体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。

[0079] これらのエポキシドのうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシド及び脂環式ェポキシドが好ましぐ特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシドの 1種を単独で使用してもよいが、 2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。

[0080] また、本発明にお、ては AMES及び感作性などの安全性の観点から、ォキシラン基を有するエポキシィ匕合物としては、エポキシィ匕脂肪酸エステル、エポキシィ匕脂肪酸グリセライドの少なくとも一方であることが特に好ましい。

[0081] エポキシィ匕脂肪酸エステル、エポキシィ匕脂肪酸グリセライドは、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセライドにエポキシ基を導入したものであれば、特に制限はなく用いられる。

[0082] エポキシィ匕脂肪酸エステルとしては、ォレイン酸エステルをエポキシ化して製造されたもので、エポキシステアリン酸メチル、エポキシステアリン酸プチル、エポキシステアリン酸ォクチル等が用いられる。また、エポキシ化脂肪酸グリセライドは、同様に、大豆油、アマ-油、ヒマシ油等をエポキシィ匕して製造されたもので、エポキシィ匕大豆油

、エポキシィ匕アマ二油、エポキシィ匕ヒマシ油等が用いられる。

[0083] また、本発明においては、更なる硬化性及び吐出安定性の向上のために、光重合性ィ匕合物として、ォキセタン環を有する化合物を 30〜95質量％、ォキシラン基を有する化合物を 5〜70質量％、ビニルエーテルィ匕合物 0〜40質量％とを含有することが好ましい。

[0084] 本発明で用いることのできるォキセタン化合物としては、特開 2001— 220526号、同 2001— 310937号に記載されているような公知のあらゆるォキセタン化合物を使用できる。

[0085] 本発明で用いることのできるビュルエーテル化合物としては、例えば、エチレンダリコールジビニノレエーテル、ジエチレングリコールジビニノレエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビュルエーテル、ブタンジオールジビュルエーテル、へキサンジオールジビニノレエーテノレ、シクロへキサンジメタノーノレジビニノレエーテノレ、トリメチローノレプロパントリビュルエーテル等のジ又はトリビュルエーテル化合物、ェチルビ-ルエーテル、 _n ーブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ォクタデシルビニルエーテル、シクロへキシノレビニノレエーテノレ、ヒドロキシブチノレビニノレエーテノレ、 2—ェチノレへキシルビニルエーテル、シクロへキサンジメタノールモノビニルエーテル、 n—プロピルビニノレエーテノレ、イソプロピノレビニノレエーテノレ、イソプロぺニノレエーテノレ一 Ο—プロピレンカーボネート、ドデシルビ-ルエーテル、ジエチレングリコールモノビュルエーテル、ォクタデシルビ-ルエーテル等のモノビュルエーテル化合物等が挙げられる。

[0086] これらのビニルエーテルィ匕合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテルィ匕合物が好ましぐ特にジビュルエーテルィ匕合物が好ましい。本発明では、上記ビニルエーテルィ匕合物の 1種を単独で使用してもよいが、 2種以上を適宜組み合わせて使用してもょ、。

[0087] 本発明に係るカチオン重合性ィ匕合物を含有するインクにおいては、重合開始剤として、光酸発生剤を含有することが好ましい。本発明で用いることのできる光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光力チオン重合に利用される化合物が用いられる（有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版（1993年）、 187〜192ページ参照)。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。

[0088] 第 1に、ジァゾ二ゥム、アンモニゥム、ョ一ドニゥム、スノレホニゥム、ホスホニゥムなどの芳香族ォ -ゥム化合物の B (C F )―、 PF―、 AsF―、 SbF―、 CF SO—塩を挙げるこ

6 5 4 6 6 6 3 3

とがでさる。

[0089] 本発明で用いることのできるォ-ゥム化合物の具体的な例を、以下に示す。

[0090] [化 1]

[0091] 第 2に、スルホン酸を発生するスルホンィ匕物を挙げることができ、その具体的な化合物を、以下に例示する。

[0092] [化 2]

[0093] 第 3に、ハロゲンィ匕水素を光発生するハロゲン化物も用いることができ、以下にその具体的な化合物を例示する。

[0094] [化 3]

[0095] 第 4に、鉄アレン錯体を挙げることができる

[0096] [化 4]

[0097] 上記光酸発生剤（光力チオン重合開始剤）は、カチオン重合性モノマー 100質量部に対して、 0. 2〜20質量部の比率で含有させることが好ましい。光力チオン重合開始剤の含有量が 0. 2質量部未満では硬化物を得ることが困難であり、 20質量部を越えて含有させても、更なる硬化性向上効果を期待することができない。これら光カチオン重合開始剤は、 1種または 2種以上を選択して使用することができる。

[0098] 本発明に係るインクでは色材を含有することが好ましぐ色材としては顔料であることが好ましい。

[0099] 本発明に係るインクに用いられる顔料としては、酸性及びまたは塩基性に表面処理された有機顔料が好ましく用いられ、分散剤のインク中における含有量が顔料質量の 35〜65%であることが好ましい。本発明のインクにおいては、分散剤の含有量が 35%未満であると、分散剤が十分に顔料表面全体に吸着できず分散安定性が不十分な場合があり、 65%を超えると、顔料表面に吸着されない分散剤がインク中に遊離して、重合阻害を起こし問題となる場合がある。顔料のアミン価は酸価よりも大きいことが好ましぐその差が lmgZgKOH以上 lOmgZg未満であることが更に好ましい。 lmgZgKOH未満であればその効果がなぐ lOmgZg以上の場合は塩基性処理を過度に行う必要がありコストアップとなるば力りでなぐ重合阻害の原因にもなり好ましくない。

[0100] 本発明に用いる顔料としては、カーボンブラック、カーボンリファインド、およびカーボンナノチューブのような炭素系顔料、鉄黒、コバルトブルー、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化クロム、および酸化鉄のような金属酸化物顔料、硫化亜鉛のような硫化物顔料、フタロシアニン系顔料、金属の硫酸塩、炭酸塩、ケィ酸塩、およびリン酸塩のような塩からなる顔料、並びにアルミ粉末、ブロンズ粉末、および亜鉛粉末のような金属粉末等の無機顔料、ニトロ顔料、ァ-リンブラック、ナフトールグリーン Bのような-トロソ顔料、ボルドー 10B、レーキレッド 4Rおよびクロモフタールレッドのようなァゾ顔料（ァゾレーキ、不溶性ァゾ顔料、縮合ァゾ顔料、キレートァゾ顔料などを含む。）、ピーコッタブノレ一レーキおよびローダミンレーキのようなレーキ顔料、フタロシア-ンブノレ一のようなフタロシアニン顔料、多環式顔料 (ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジォキサン顔料、チォインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラノン顔料など）、チォインジゴレッドおよびインダトロンブルーのようなスレン顔料、キナクリドン顔料、キナクリジン顔料、並びにイソインドリノン顔料のような有機系顔料を使用することちできる。

[0101] 顔料の具体例としては、

C. I Pigmen Yellow— 1、 2、 3、 12、 13、 14、 16、 17、 42、 73、 74、 75、 81、 83、 87、 93、 95、 97、 98、 109、 114、 120、 128、 129、 138、 150、 151、 154、 1 80、 185、

C. I Pigmen Orange— 16、 36、 38、

C. I Pigmen Red— 5、 7、 22、 38、 48 : 1、 48 : 2、 48 :4、 49 : 1、 53 : 1、 57: 1、 63 : 1、 101、 112、 122、 123、 144、 146、 168、 184、 185、 202、 C. I Pigmen Violet— 19、 23、

C. I Pigmen Blue— 1、 2、 3、 15 : 1、 15 : 2、 15 : 3、 15 :4、 18、 22、 27、 29、 6 0、

C. I Pigmen Green— 7、 36、

C. I Pigmen White— 6、 18、 21、

C. I Pigmen Black— 7、等を挙げることができる。

[0102] 上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に、分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましぐ高分子分散剤としては、例えば、 Avecia社の Solsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社の PBシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料 100質量部に対し、 1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性ィ匕合物を用いて行うが、本発明の光硬化型インクでは、印字後に反応 •硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤の VOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤では無く重合性ィ匕合物、その中でも最も粘度の低、モノマーを選択することが分散適性上好ましい。

[0103] 顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を 0. 08-0. 5 μ mとすることが好ましぐ最大粒径は 0. 3〜： LO /z m、好ましくは 0. 3〜3 mとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。本発明に係るインクにおいては、色材濃度としては、インク全体の 1〜1 0質量％とすることが好ましい。

[0104] 本発明に係るインクには、上記説明した以外に様々な添加剤を用いることができる。例えば、レべリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系榭脂、ポリウレタン系榭脂、ビニル系榭脂、アクリル系榭脂、ゴム系榭脂、ワックス類を添カロすることができる。また、保存安定性を改良する目的で、公知のあらゆる塩基性化合物を用いることができる力代表的なものとして、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、ァミンなどの塩基性有機化合物などが挙げられる。また、ラジカル重合性モノマーと開始剤を組み合わせ、ラジカル'カチオンのハイブリッド型硬化インクとすることも可能である。

[0105] 本発明においては、インク中での導電性材料の分極曲線における腐食電流密度が 0. 03 AZcm²未満である状態にすることが好ましいが、そのためには、脂肪酸アミン塩、アミンィ匕合物、ベンゾトリアゾール化合物、メルカプト化合物、など公知の防鲭剤をインク中に添加したり、インク中の水分量を制御（電解質量の制御）する、などの方法がある。

[0106] 本発明に係るインクにおいては、インクジェット画像形成に用いる場合は、 25°Cにおける粘度が 7〜50mPa · sであることが好まし!/、。

[0107] 本発明において、本発明のインクジェットプリンタにより、本発明に係るインクにより画像形成を行う際に用いる記録媒体としては、様々な記録媒体を用いることができる 1S 本発明のインクの特性をいかんなく発揮できる観点から、インクの吸収能を実質的に持たない記録媒体であることが好ましぐ通常の非コート紙、コート紙などの他、 V、わゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチックおよびそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート（ PET)フィルム、延伸ポリスチレン（OPS)フィルム、延伸ポリプロピレン（OPP)フィルム、延伸ナイロン（ONy)フィルム、ポリ塩化ビュル（PVC)フィルム、ポリエチレン（PE )フィルム、トリァセチルセルロース（TAC)フィルム等を挙げることができる。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル榭脂、 ABS、ポリアセタール、ポリビ -ルアルコール (PVA)、ゴム類などが使用できる。また、金属類や、ガラス類にも適用可能である。これらの記録媒体の中でも、特に熱でシュリンク可能な、 PETフィルム、 OPSフィルム、 OPPフィルム、 ONyフィルム、 PVCフィルムへ画像を形成する場合に本発明の構成は、有効となる。これらの基材は、インクの硬化収縮、硬化反応時の発熱などにより、フィルムのカール、変形が生じやすいば力りでなぐインク膜が基材の収縮に追従し難い。 [0108] これらの各種プラスチックフィルムの表面エネルギーは大きく異なり、記録媒体によつては、インク着弾後のドット径が変わってしまうことが、従来から問題となっていた。本発明に係るインクは、表面エネルギーの低い OPPフィルム、 OPSフィルムや表面エネルギーの比較的大き!/、PETまでを含む、表面エネルギーが 35〜60mNZmの広範囲な記録媒体に良好な高精細な画像を形成できる。

[0109] 本発明において、包装の費用や生産コスト等の記録媒体のコスト、プリントの作製効率、各種のサイズのプリントに対応できる等の点で、長尺 (ウェブ)な記録媒体を使用する方が有利である。

実施例

[0110] 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「％」の表示を用いる力特に断りがない限り「質量部」ある!/、は「質量％」を表す。

[0111] 実施例 1

《インクの調製》

(シアンインクの調製）

下記の組成力もなるシアンインクを調製した。

[0112] はじめに、 PB822 (味の素ファインテクノネ土製分散剤）の全量とォキセタン OXT221 の 14部とを 65°Cのホットプレート上で加熱しながら 1時間加熱撹拌溶解した溶液に、顔料である C. I. Pigment Blue 15 :4の全量を添カ卩し、直径 0. 3mmのジルコ- ァビーズと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて 4時間分散処理した後、ジルコユアビーズを除去し、分散液を調製した。

[0113] 次いで、上記調製した分散液に、下記の残りの添加剤を加えて、シアンインクを調製した。最終的なシアンインクにおける各添加剤の組成を以下に示す。

[0114] 顔料： C. I. Pigment Blue 15 :4 4. 0部

ァジスバー PB822 (味の素ファインテクノ製、分散剤） 2. 0部ォキセタン OXT221 (東亜合成社製ォキセタンィ匕合物） 71. 0部ォキセタン ΟΧΤ212 (東亜合成社製ォキセタンィ匕合物） 5. 0部ォキセタン OXT101 (東亜合成社製ォキセタンィ匕合物） 5. 0部脂環式エポキシィ匕合物 1 18. 0部光重合開始剤 1 (分子量 466、 1分子量当たり 3つのァリール基を持つ) 4. 0部重合禁止剤（トリイソプロノ V—ルァミン） 0. 1部

ノヽイドロキノン 0. 1咅

水 1. 0部

[0115] [化 5]

OXT-212

脂環式エポキシ化合物 1

光重合開始剤 1

[0116] (イェローインクの調製）

上記シアンインクの調製において、顔料（C. I. Pigment Blue 15 :4)を、 I. Pigment Yellow 150に変更した以外は同様にして、イェローインクを調製した。

[0117] (マゼンタインクの調製）

上記シアンインクの調製において、顔料（C. I. Pigment Blue 15 :4)を、 I. Pigment Red 122に変更した以外は同様にして、マゼンタインクを調製した。 [0118] (ブラックインクの調製）

上記シアンインクの調製において、顔料（C. I. Pigment Blue 15 :4)を、 I. Pigment Black 7に変更した以外は同様にして、ブラックインクを調製した。

[0119] 《インクジェットプリンタ》

図 2の a)に記載の構成力もなるインク供給ラインを有し、インクタンク 101及びジョイント J1、J2の構成部材を表 1に記載の構成としたインクジェットプリンタ 1〜5に準備した。なお、表 1に記載の絶縁部材としては、インクタンクのインク接触部に、ポリエチレン榭脂を用いて、その表面を被覆して絶縁状態とした。また、インク供給路 102は、絶縁部材である耐インク性のあるテフロン (登録商標）チューブを黒色のポリオレフィンチューブで被覆したもので構成した。

[0120] 《インクジェットプリンタの析出耐性評価》

上記調製した各インクを、各インクジェットプリンタのインクタンク力もジョイント J2部まで充填した。上記インクを充填した状態で 23°Cの環境下で 3日間放置した後、インクタンク 101及びジョイント J1部での析出物の有無を目視観察し、得られた結果を表 1 に示す。

[0121] [表 1]

* 1 ：アルマイト処理のアルミニウム

[0122] 表 1に記載の結果より、ジョイント部とインクタンクとを異なる金属材料で構成した比較例のインクジェットプリンタ 1は、長期間にわたりカチオン重合性糸且成物を含有するインクと接触することで析出物の発生が認められた。これに対し、同一種類の金属で構成したインクジェットプリンタ 2、 3、アルマイト処理を行ったアルミニウムを用いたィンクジェットプリンタ 4及び異種の金属で構成されているがインク接触部を絶縁材料で被覆したインクジェットプリンタ 5では、インクとの電子授受が防止され、析出物の発生が抑制されることが分かる。 [0123] 実施例 2

《インクジェットプリンタ》

図 2の c)に記載のフィルタボックスを備えた構成力もなるインク供給ラインを有し、フィルタ 107及びフィルタ隣接部 111の構成部材を表 2に記載の構成としたインクジェットプリンタ 6〜13に準備した。なお、表 2に記載の絶縁部材としては、ォレエチレン榭脂を用い、フィルタ隣接部のインク接触部全面を被覆して、絶縁状態とした。また、インク供給路 102は、絶縁部材である耐インク性のあるテフロン (登録商標）チューブを黒色のポリオレフインチューブで被覆したもので構成し、各ジョイントはフィルタ隣接部材料と同一とした。

[0124] 《インクジェットプリンタの析出耐性及び吐出安定性の評価》

(析出耐性の評価）

上記調製した各インクを、各インクジェットプリンタのインクタンク力もジョイント J2部まで充填した。上記インクを充填した状態で 23°Cの環境下で 3日間放置した後、フィルタボックス内の析出物の有無を判定した。

[0125] (吐出安定性の評価）

上記インク供給ライン内に各インクを 23°Cの環境下で 3日間放置した後、ノズル数 2 56、 2〜20plのマルチサイズドットを 720 X 720dpi (dpiとは、 2. 54cmあたりのドット数を表す)の解像度で吐出でき、 50°Cの加温した記録ヘッドを用いて、 3時間の連続吐出を行った。次いで、各色インクの出射状態を目視観察し、各色インクの平均出射状態を求め、下記の基準に従って吐出安定性を評価した。

[0126] A:ノズル欠及び出射曲がりの発生が認められない

B：ノズル欠の発生は認められなヽが、出射曲がりのあるノズルが数力所で認められる

C :明らかなノズル欠及び出射曲がりが発生しており、実用に耐えない

以上により得られた結果を、表 2に示す。

[0127] [表 2] インクジエツトフィルタフィルタボックス絶縁部材吐出

析出耐性備考

プリンタ番号部材部材被覆有無安定性

6 ステンレスアルミニウム有 c 比較例

7 ステンレスステンレス A 本発明

8 アルミニウムアルミニウム to A 本発明

9 銅銅 A 本発明

10 銅アルミニウム有 C 比較例

1 1 銅銀 A 本発明

1 2 ステンレス * 1 A 本発明

1 3 ステンレスアルミニウム有 A 本発明

* 1 ：アルマイト処理のアルミニウム

[0128] 表 2に記載の結果より明らかなように、フィルタボックスのフィルタとフィルタ隣接部を異なる導電性部材で構成したインクジェットプリンタ 6、 10は、長期間にわたりカチォン重合性組成物を含有するインクと接触することで析出物の発生が認めら、かつ吐出安定性に乏しいことが分かる。これに対し、同一種類の金属で構成したインクジェットプリンタ 7〜9、水素元素よりイオンィ匕傾向が小さい銅及び銀を用いたインクジエツトプリンタ 11、アルマイト処理を行ったアルミニウムを用、たインクジエツトプリンタ 12 及び異種の金属で構成されているがインク接触部を絶縁材料で被覆したインクジエツトプリンタ 13では、インクとの電子授受が防止され、析出物の発生が抑制されると共に、連続出射時のノズル詰まりの発生が無ぐ良好な出射安定性が得られることが分力る。

[0129] 実施例 3

《インクジェットプリンタ》

図 2の b)に記載の中間タンクユニットを備えた構成力なるインク供給ラインを有し、フィルタ 107及びフィルタ隣接部 109の構成部材を表 3に記載の構成としたインクジエツトプリンタ 14〜21に準備した。なお、表 3に記載の絶縁部材としては、ォレエチレン榭脂を用い、フィルタ隣接部のインク接触部全面を被覆して、絶縁状態とした。また、インク供給路 102は、絶縁部材である耐インク性のあるテフロン (登録商標）チューブを黒色のポリオレフインチューブで被覆したもので構成し、各ジョイントはフィルタ隣接部材料と同一とした。

[0130] 《インクジェットプリンタの析出耐性及び吐出安定性の評価》

実施例 2に記載の方法と同様にして、中間タンクユニット内部の析出耐性及び吐出安定性を評価し、得られた結果を表 3に示す。

[0131] [表 3]

* 1 ：アルマイト処理のアルミニウム

[0132] 表 3に記載の結果より明らかなように、中間タンクユニットのフィルタとフィルタ隣接部を異なる導電性部材で構成したインクジェットプリンタ 14、 18は、長期間にわたり力チオン重合性組成物を含有するインクと接触することで析出物の発生が認めら、かつ吐出安定性に乏しいことが分かる。これに対し、同一種類の金属で構成したインクジエツトプリンタ 15〜 17、水素元素よりイオン化傾向が小さい銅及び銀を用いたインクジェットプリンタ 19、アルマイト処理を行ったアルミニウムを用いたインクジェットプリンタ 20及び異種の金属で構成されているがインク接触部を絶縁材料で被覆したインクジェットプリンタ 21では、インクとの電子授受が防止され、析出物の発生が抑制されると共に、連続出射時のノズル詰まりの発生が無ぐ良好な出射安定性が得られることが分かる。

[0133] 実施例 4

実施例 1〜3において、各インクの調製に用いた光重合開始剤 1に代えて、下記の光重合開始剤 2を用いた以外は同様にして、各インクの調製及びそのインクを用いたインクジェットプリンタの評価を行った結果、いずれも前記表 1〜表 3と同様の結果を得ることができた。

[0134] [化 6] 光重合開始剤 2

[0135] 実施例 5

実施例 1〜3にお、て、各インクの調製に用ヽた脂環式エポキシィ匕合物 1に代えて、 Cel2021P (ダイセルィ匕学工業社製)を用いた以外は同様にして、各インクの調製及びそのインクを用いたインクジェットプリンタの評価を行った結果、、ずれも前記表 1〜表 3と同様の結果を得ることができた。

[0136] 実施例 6

実施例 1〜3において、各インクの含水率 (実施例 1〜3で用いたインクの含水率は 0. 9%)を、 0. 1%、 0. 3%、 0. 5%、 1. 5%、 2. 0%、 2. 5%、 3. 0%、 3. 5%、 5.

0%に変更した以外は同様にして各インクを調製し、実施例 1〜3に記載の各インクジエツトプリンタを用いて同様の評価を行った結果、インクの含水率が 0. 5〜3. 0%の範囲でより良好な結果が得られることを確認することができた。

[0137] 実施例 7

《インクセット A〜Lの調製》

実施例 1に記載のシアンインク、イェローインク、マゼンタインク、ブラックインクにおいて、それぞれ重合禁止剤（トリイソプロパノールァミン: TP A)の 0. 1部及び水の 1. 0部を取り除き、表 4に記載の防鲭剤と、水を表 4に記載の含水率となるように添加した以外は同様にして、インクセット A〜Lを調製した。

[0138] 上記インクセットの調製に用いた防食剤の詳細を、以下に示す。

[0139] [化 7] 化合物 Z— 1

化合物 Z— 2

[0140] 〈インクの腐食電流密度の測定〉

上記調製した各インクにっ、て、下記の方法に従って腐食電流密度（ μ A/cm²) を測定した。

[0141] 図 3に記載の電気化学測定装置を用いて、対極として白金電極、参照電極として飽和カロメル電極 (SCE)を用い、 70°Cで力ソード分極曲線の測定は大気圧下行!/ヽ、アノード分極曲線は窒素ガス雰囲下で行った。

[0142] 試料電極 (ステンレス）を各インク中に 24時間浸漬させて、自然浸漬電位を求めた。その後、電位を変化させてアノード分極曲線及び力ソード分極曲線を測定し、ターフェル直線と自然浸漬電位の交点から腐食電流密度を求めた。 [0143] 図 4は、水準 4のインクジェットプリンタ 2 (ステンレス）とインクセット Dを用いて測定した分極曲線である。自然浸漬電位を求めた後、力ソード分極曲線とアノード分極曲線より求めたターフェル直線と自然浸漬電の交点より、腐食電流密度 (水準 4は 0. 016 μ A/ cm²)を求めた。

[0144] 《インクジェットプリンタの析出耐性及び吐出安定性の評価》

実施例 1に記載のインクジェットプリンタ 2及び実施例 3に記載のインクジェットプリンタ 15を用いて、表 4に記載の各インクセットとの組み合わせ (水準 1〜水準 13)で、実施例 2に記載の方法と同様にして、析出耐性及び吐出安定性の評価を行った。

[0145] 以上により得られた結果を、表 4に示す。

[0146] [表 4]

表 4に記載の結果より明らかな様に、ステンレス部材との分極曲線における腐食電流密度が 0. 03 ^ AZcm²未満であるインクセットは、比較例に対し、析出耐性及び吐出安定性に優れてレ、ることが分かる。

Claims

請求の範囲

[1] カチオン重合性組成物を含有するインクを、記録媒体上に出射するインクジェットプリンタにおヽて、該インクを貯留するインクタンク及び該インクタンクからインクを出射する記録ヘッドまでのインク供給路を構成する接インク部材が、該インクと実質的に電子の授受を行わない材料であることを特徴とするインクジェットプリンタ。

[2] 前記接インク部材の全てが、絶縁性材料で構成されて、ることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載のインクジェットプリンタ。

[3] 前記接インク部材の少なくとも一部が、単一の導電性材料で構成されてヽることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載のインクジェットプリンタ。

[4] 前記接インク部材が、複数の導電性材料で構成され、かつ該複数の導電性材料同士が実質的に絶縁状態であることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載のインクジェットプリンタ。

[5] 前記接インク部材が、単一または複数の導電性材料で構成され、該インク中での該導電性材料の分極曲線における腐食電流密度が 0. 03 μ AZcm²未満であることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載のインクジェットプリンタ。

[6] 前記接インク部材を構成する材料が、イオン化傾向が水素元素以下の金属元素であることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載のインクジェットプリンタ。

[7] カチオン重合性組成物を含有するインクを、記録媒体上に出射するインクジェットプリンタにおヽて、該インクを貯留するインクタンクまたは該インクタンクからインクを出射する記録ヘッドまでのインク供給路にフィルタを備え、該フィルタ及びフィルタ隣接部力該インクと実質的に電子の授受を行わない材料で構成されていることを特徴とするインクジェットプリンタ。

[8] 前記フィルタ及びフィルタ隣接部力絶縁性材料で構成されていることを特徴とする請求の範囲第 7項に記載のインクジェットプリンタ。

[9] 前記フィルタ及びフィルタ隣接部力単一の導電性材料力構成されていることを特徴とする請求の範囲第 7項に記載のインクジェットプリンタ。

[10] 前記フィルタ及びフィルタ隣接部が、複数の導電性材料で構成され、かつ該複数の導電性材料同士が実質的に絶縁状態であることを特徴とする請求の範囲第 7項に記載のインクジェットプリンタ。

[11] 前記フィルタ及びフィルタ隣接部が、単一または複数の導電性材料で構成され、該ィンク中での該導電性材料の分極曲線における腐食電流密度が 0. 03 μ AZcm²未満であることを特徴とする請求の範囲第 7項に記載のインクジェットプリンタ。

[12] 前記フィルタ及びフィルタ隣接部を構成する材料が、イオン化傾向が水素元素以下の金属元素であることを特徴とする請求の範囲第 7項に記載のインクジェットプリンタ

[13] 前記インクタンクまたは前記インクタンクと吐出ヘッド間で一時的にインクを貯留する中間タンクが金属で構成され、かつ該金属の表面に不動態処理が施されていることを特徴とする請求の範囲第 1項乃至第 12項のいずれか 1項に記載のインクジェットプリンタ。

[14] 前記金属がアルミニウムで、かつ前記不動態処理がアルマイト処理であることを特徴とする請求の範囲第 13項に記載のインクジェットプリンタ。

[15] 前記カチオン重合性組成物を含有するインクが、光酸発生剤を含有することを特徴とする請求の範囲第 1項乃至第 14項のいずれか 1項に記載のインクジェットプリンタ。

[16] 前記カチオン重合性糸且成物を含有するインクの含水率力 0. 5質量％以上、 3. 0質量％以下であることを特徴とする請求の範囲第 1項乃至第 13項のいずれ力 1項に記載のインクジェットプリンタ。

[17] 請求の範囲第 1項乃至第 14項のいずれか 1項に記載のインクジェットプリンタを用いて、カチオン重合性組成物を含有するインクを記録媒体上に出射して画像を形成することを特徴とする画像形成方法。