JP2008188793A - 液体吐出装置及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体のゲル化物生成防止及び防食性が改良され、出射安定性に優れた液体吐出装置及びインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】液体を貯留する液体貯留部から液体を吐出する液体吐出部までの液体流路の少なくとも一部に金属を用いた液体吐出装置において、該液体流路中に液体に接する該金属より電位が卑な金属または不溶性金属から構成される陽極を備えていることを特徴とする液体吐出装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗料、コーティング材料、接着剤、印刷インク、インクジェットインク等の液体の吐出に用いられる防食性が向上した液体吐出装置、特にインクジェット記録装置に関するものである。
近年、軟包装の印刷は、グラビア印刷方式やフレキソ印刷方式で行われている。グラビア印刷やフレキソ印刷は製造方式の工夫などで低コスト短納期化が進んでいるが刷版の作製に多くの時間とコストがかかることや、印刷開始後の濃度安定化に時間がかかる為少量サンプル(試作品や展示会、限定販売品等)の場合、大量のロスが出てしまい、単価が高いものになってしまう。又、最近、湿式電子写真方式で軟包装用フィルムにサンプル作製できるものもあるが、立ち上げ時のレベル調整に時間がかかったり、印刷画像の耐久性に問題があり、小ロットに効率よく対応できるものではない。
上記課題に対し、簡便で、かつ安価に画像を作成できるため、インクジェット記録方式が急速に普及している。このインクジェット記録方式は、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷等、様々な印刷分野に応用されてきている。一般には、水を主溶媒とした水系のインクジェットインクをインク吸収性を備えた専用紙に記録するが、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式や、記録後に紫外線(UV光)等の活性エネルギー線(放射線)の照射により架橋させる活性光線硬化型インクジェット方式など水系以外のインクジェットも実用化されている。
一方、インクジェット記録装置に代表される液体吐出装置を用いて、印刷用インク、表面塗装あるいは機能性素材の表面被覆、接着剤、インクジェットインク等を吐出して、表面加工や画像形成を行う液体吐出方式では、これら用途に用いられる液体吐出装置の多くは、その主体が金属材料により形成されており、これら金属部材から構成される吐出装置内においては、金属材料と機能性素材を含む液体とが接触、あるいはその状態が長期間にわたる場合、構成する金属材料が腐食や液体中へ溶出を起こすという課題が知られている。特に、インクジェット記録装置では、インクジェットインク等を貯留、送液、及びインクジェットヘッドより吐出して画像形成を行うが、インク貯蔵タンク、補助タンク、インク供給路、フィルタ、弁、インク記録ヘッド、インクを送液するポンプ、あるいはこれらの各部位を結合するジョイント等に、加工適性、インクに対する耐久性、寸法安定性、熱伝導性などの観点から、様々な金属材料が使用されており、これらの金属材料が長期間の使用を経て、腐食や溶出を起こすという課題を抱えている。
上記のような課題に対し、特開平5−147221号公報には、インクによって腐食しないように、インクジェット記録装置の金属部材表面を防食コーティングする方法が記載されている。また、特開平6−9129号、特開2000−343694号公報には、構成部材表面から発錆しやすいために、防食の目的で無電解めっき等の防錆処理を行うことが記載されている。一方、インクジェットインク面からの防食方法としては、特開平7−268665号公報には、インクジェット記録装置部材の1つであるアルミニウムの腐食を抑制する方法として、金属表面の腐食防食における有効なインヒビターであるリン酸イオンを添加する方法が記載されている。また、特開2000−290557号公報には、インクジェットインク中に、腐食防止剤あるいは腐食抑制剤として、ベンズトリアゾール化合物を用いることが記載されており、また特開2001−146561号公報には、インクジェットインクのpHを6.0以上とすることにより、インクジェットプリンターの金属部分の腐食を遅延させる方法が記載されている。
一方、近年の印刷方式において、紫外線硬化型インクに代表される活性光線硬化型インクが、速乾性に優れ、熱による乾燥工程が不要であり、また、無溶剤型であるため環境汚染がなく安全性も高いなどの長所を有している。特に、インクジェット記録方式では、高画質を得るためには、記録媒体として専用紙を必要としたが、活性光線硬化型インクを適用することにより、適用可能な記録媒体の制限が少なく、幅広い記録媒体への画像形成が可能となり、高画質が得られる。
活性光線硬化型インクジェットインクとしては、当初は素材選択の幅広さから、ラジカル重合性組成物から構成されるラジカル重合性インクジェットインクが主流であったが、酸素による硬化阻害の観点から、カチオン重合性組成物を用いたカチオン重合性インクジェットインクが最近注目されている。
カチオン重合性インクジェットインクは、カチオン重合性化合物、カチオン重合開始剤の他、色材、界面活性剤等から主に構成されている。一方、前述のように、インクジェット記録装置を構成する金属部材、例えば、SUS、銅、アルミニウム等の導電性金属部材が用いられているが、これらの電気伝導性部材は、一般には、水系インクジェットインク、溶剤系インクジェットインク、オイル系インクジェットインク、紫外線硬化型インクジェットインク、ソリッド系インクジェットインクなど各種インクに対する耐久性が高く、また、インクに対しても悪影響を与えることが少ないと考えられている。
しかしながら、カチオン重合性インクに対しては、安定吐出性の観点で問題のあることが、我々の検討の結果、明らかとなってきた。
すなわち、電気伝導性部材と、カチオン重合性インクとが接触すると、望ましくない電気化学反応が生じ、インク成分の分解物または重合物が、流路内やインクジェットヘッド内に生じることが判明した。流路中やインクジェットヘッド内に2種以上の電気伝導性部材が存在すると、インクと異種金属との接触により、異種金属間に起電力が生じる。または、金属の溶解が起こる。重合性化合物を含むインクを用いた場合、この起電力や金属溶解が引き金となって、長期にわたってインクを流路内やインクジェットヘッド内に接触させると、予期しないインクの重合反応が起こるのである。特に、オニウム塩など光酸発生剤を必須材料とするカチオン重合性の活性光線硬化型インクジェットインクは、インクの電気伝導性が比較的高くなるため、この問題を引き起こしやすい。金属接触による反応の種類によるが、インクの電気伝導性は高いほど、金属は1種より2種、2種以上の場合は2種間のイオン化傾向の差が大きいほど、問題が生じやすい。
なお、1種の金属であっても、表面状態が均一であるとは限らず、ミクロに表面状態が変化した状態となる場合が多い。その結果、1種の金属であっても異種金属接触と同様の重合反応が起こりうる。
これらの反応生成物はインクに再溶解せず、ヘッド内、特に、ノズル周辺部に堆積した場合、出射直進性の低下を引き起こし、最悪の場合、復帰不能なノズル詰まりを引き起こすことになる。
上記のような活性光線硬化型インクジェットインクのインクジェットインクジェット録装置内での課題に対し、空気との接触による凝集物の発生を防止する目的で、インク貯蔵タンクとしてサブタンクを設置して防止する方法(例えば、特許文献1参照。)や、インクジェットインクの粘度安定化剤として用いられている塩基性化合物または塩基性発現化合物が有効であると記載されている(例えば、特許文献2、3参照。)。しかしながら、これら開示あるいは記載されている方法では、活性光線硬化型インクジェットインクを長期間にわたり使用した際のインクジェット記録装置の防食効果あるいは異物発生に対する防止効果としては、極めて不十分である。
一方、防食技術の1つとして、液体と接触する金属製材料のサビや腐食を防止する電気防食技術が知られており、例えば、海水中、河川水中や地中等に設置された金属構造物や埋設管、あるいはコンクリート中の鉄筋、さらに工業用水や有機・無機の液体に接する化学装置等の腐食を防止する方法として利用され、港湾、橋梁等のインフラストラクチュアや各分野の産業での防食に大きな効果を挙げている。
電気防食法としては、大別して商用交流の整流電源や電池等の外部電源と不溶性電極を用いてカソード電流を被防食体に供給する外部電源方式と、卑電位の金属製の流電陽極を被防食体に直結し、両者の電位差を利用し被防食体に対するカソード電流を発生する流電陽極方式とが知られている。この電気防食法を用いた防食技術としては、例えば、特開平5−215489号、同5−287566号、同6−344978号、同8−176858号、同10−103292号公報等に開示されている。しかしながら、この様な電気防食手段を、前述のインクジェットインク特有の課題に対し適用した例は、一切開示がなされていない。
特開2004−306603号公報 特開2004−2668号公報 特開2004−154734号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、液体のゲル化物生成防止及び防食性が改良され、出射安定性に優れた液体吐出装置及びインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.液体を貯留する液体貯留部から液体を吐出する液体吐出部までの液体流路の少なくとも一部に金属を用いた液体吐出装置において、該液体流路中に液体に接する該金属より電位が卑な金属または不溶性金属から構成される陽極を備えていることを特徴とする液体吐出装置。
2.前記陽極は、前記液体貯留部内または前記液体吐出部内に設置されていることを特徴とする前記1に記載の液体吐出装置。
3.前記陽極は、前記液体貯留部内または前記液体吐出部内に対し、脱着可能な状態で装着されていることを特徴とする前記1または2に記載の液体吐出装置。
4.前記陽極は、炭素、黒鉛および珪素から選ばれる少なくとも1種を含有する不溶性金属であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
5.前記陽極に印加する電位を制御する制御回路を有していることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
6.前記液体は、少なくともカチオン重合性化合物、光重合開始剤及び色剤を含有するカチオン重合型光硬化性組成液であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
7.前記液体が、少なくともカチオン重合性化合物、光重合開始剤及び色剤を含有するカチオン重合型光硬化性インクジェットインクであることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
8.インクを貯留するインク貯留部からインクを吐出するインクジェットヘッドまでのインク流路の少なくとも一部に金属を用いたインクジェット記録装置において、該インク流路中にインクに接する該金属より電位が卑な金属または不溶性金属から構成される陽極を備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
9.前記インクが、少なくともカチオン重合性化合物、光重合開始剤及び色剤を含有するカチオン重合型光硬化性インクジェットインクであることを特徴とする前記8に記載のインクジェット記録装置。
本発明により、液体のゲル化物生成防止及び防食性が改良され、出射安定性に優れた液体吐出装置及びインクジェット記録装置を提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、液体を貯留する液体貯留部から液体を吐出する液体吐出部までの液体流路の少なくとも一部に金属を用いた液体吐出装置において、該液体流路中に液体に接する該金属より電位が卑な金属または不溶性金属から構成される陽極を備えていることを特徴とする液体吐出装置により、金属部材の腐食防止と、腐食に伴う金属部材からの金属元素の液体中への溶出を抑制することにより、金属元素と液体との不正な反応を防止し、その結果、液体での不溶性ゲル化物の生成を低減するものである。その結果、連続出射を行った際、液体吐出装置の液体吐出部、特に、出射ノズルにおける不溶性ゲル化物によるノズル詰まりの発生がなく、優れた出射安定性を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の詳細について説明する。
《液体吐出装置》
本発明の液体吐出装置においては、液体を貯留する液体貯留部から液体を吐出する液体吐出部までの液体流路の少なくとも一部に金属を用いた液体吐出装置において、該液体流路中に液体に接する該金属より電位が卑な金属または不溶性金属から構成される陽極(以下、単に陽極ともいう)を備えていることを特徴とするが、その様な構成を備えることができる液体吐出装置としては、例えば、ブレードコータ、ワイヤバー、スライドホッパーコータ、カーテンコータ、エクストルージョンコータ、ダイコータ、ノズルスプレーコータ、インクジェット記録装置等を挙げることができる。
また、本発明の液体吐出装置に適用することのできる液体としては、例えば、印刷インク、缶・プラスチック・紙・木材等のコーティング塗料、接着剤、光学的立体造型、インクジェット用インク等を挙げることができる。
本発明においては、本発明の液体吐出装置の代表例として、以下に、インクジェット記録装置について、その詳細を説明する。
《インクジェット記録装置》
はじめに、本発明の液体吐出装置の一例として、活性光線硬化型インクジェットインクに適用するインクジェット記録装置の概要を説明する。
本発明のインクジェット記録装置は、インクジェットインクを貯留するインクタンク、中間インクタンク、該インクタンクからインクジェットヘッドにインクを送液するためのインク供給路、該インク供給路より供給されたインクを記録材料上に出射するインクジェットヘッドとそれぞれの構成部材を接続するためのジョイント等により構成され、また、インクタンクとインクジェットヘッドのインク供給路には、フィルタあるいは中間タンクが設けられ、これらの構成要素の少なくとも一部が、電気伝導性部材により構成されている。また、インクジェットインクとして活性光線硬化型インクジェットインクを適用する場合には、記録材料上に着弾したインク液滴を硬化させるための活性光線照射光源が装備されている。
図1は、本発明に適用可能なフィルタ及び中間タンクを備えたインクジェット記録装置の全体構成を示す図である。
1は、インクを貯留して供給するインクタンクであり、図1では、一例として、イエローインクタンク1Y、マゼンタインクタンク1M、シアンインクタンク1C及び黒インクタンク1Kからなる構成を示している。Jはインクタンク1とインク供給路とを接続するジョイントである。
2は、記録材料上にインク液滴を吐出して画像を形成するノズルを有するインクジェットヘッドであり、イエローインクジェットヘッド2Y、マゼンタインクジェットヘッド2M、シアンインクジェットヘッド2C及び黒インクジェットヘッド2Kで構成される。3は、活性エネルギー線である紫外線を記録材料上に着弾したインクに照射する活性エネルギー線源である。
4はキャリッジであり、キャリッジ4はインクジェットヘッド2及びエネルギー線源3を一体に搭載しており、キャリッジガイド5により案内されて矢印WX1、WX2で示すように往復移動して、記録材料Pを走査し、記録材料Pに画像を形成する。
6はフィルタボックスであり、イエロー用フィルタボックス6Y、マゼンタ用フィルタボックス6M、シアン用フィルタボックス6C及び黒用フィルタボックス6Kで構成される。7は中間タンクであり、イエロー用中間タンク7Y、マゼンタ用中間タンク7M、シアン用中間タンク7C及び黒用中間タンク7Kで構成される。
インクは、インクタンク1から中間タンク7に送られ、中間タンク7からインク供給路8を経てインクジェットヘッド2に供給される。インク供給路8はイエローインク用、マゼンタインク用、シアンインク用及び黒インク用の供給路で構成されており、各単色インクはそれぞれ独立して、インクタンク1からインク供給路8を経てインクジェットヘッド2に供給される。
10はインクジェットヘッド2の回復処理を行うメンテナンスユニットであり、インクジェットヘッド2をキャッピングする吸引キャップ9を有する。12は廃インクを収容する廃インク容器であり、フラッシングにおいて、インクジェットヘッド2から強制吐出されたインクを受け、収容する。
図2は、本発明に適用可能なインクジェット記録装置のインク供給路構成の一例を示す概略構成図である。
図2のa)においては、インクタンク101は、ジョイントJ1を介してインク供給路102に接続され、更にこのインク供給路102の端部は、ジョイントJ2を介してキャリッジ103に収納されているインクジェットヘッド104に接続されている。画像形成情報に従ってインクジェットヘッド104のノズルNより記録材料上に、インク液滴が吐出され、ついで、瞬時に活性エネルギー線源Lより、着弾したインクに活性エネルギー線を照射して、インクを硬化させる。
図2のb)は、インク供給路102の途中に、フィルタを内蔵した中間タンクユニット105を設けた一例である。インクタンク101の排出口とインク供給路102とをジョイントJ1で接続し、ジョイントJ3を介して中間ユニットタンク105に接続されている。インクはジョイントJ3部より中間タンク前室106に送液された後、フィルタ107により異物等を除いて中間タンク108に送液される。次いで、中間タンク108とインク供給路102がジョイントJ4を介して接続されており、中間タンク108に貯留された濾過済のインクをインクジェットヘッド104に供給するインク供給ラインである。なお、図2のb)に示す109は、フィルタ107に隣接するフィルタ隣接部である。
図2のc)は、図2のb)における中間タンクユニット105に代えて、フィルタボックス110を設けた例である。インクの入側をジョイントJ5を介し、またインクの出側をジョイントJ6を介して、それぞれインク供給路102と接続されているフィルタボックス110中には、フィルタ107が設けられており、インク中の異物等を除いた後、インクをインクジェットヘッド104に供給するインク供給ラインである。なお、図2のc)に示す111は、フィルタ107に隣接するフィルタ隣接部である。
上記説明した図2においては、便宜上、マゼンタ用のインクジェットヘッドへインクを供給するラインのみを示してあるが、図1に記載のように、同様の供給ラインが、イエロー用インクジェットヘッド、シアン用インクジェットヘッド、黒用インクジェットヘッドにも設けられている。また、図2には、説明に必要な構成のみを示しており、図2に記載はしていないが、例えば、インクの送液を制御する電磁弁、分岐ジョイント、送液ポンプの他、インクジェットヘッドの制御部等が設けられる。
本発明のにおいて、インクジェット記録装置は、インク液と接するインク接液部に、少なくとも1種の金属を有する。本発明でいうインク接液部(以下、接インク部ともいう)とは、インクタンク、インク供給路、中間タンクユニット、フィルタボックス等と、それらを接続するジョイント群で、インク液と直接的に接する部分であり、例えば、図2のa)に示すインク供給ラインでは、インクタンク101の内部、インク供給路102の内部、ジョイントJ1、J2及びインクジェットヘッド内部104である。また、図2のb)に示すインク供給ラインでは、インクタンク101の内部、インク供給路102の内部、ジョイントJ1〜J4、中間タンクユニット105のフィルタ107とフィルタ隣接部109及びインクジェットヘッド内部104である。また、図2のc)に示すインク供給ラインでは、インクタンク101の内部、インク供給路102の内部、ジョイントJ1、J2、J5、J6、フィルタボックス110内のフィルタ107とフィルタ隣接部111及びインクジェットヘッド内部104である。
本発明においては、これらのインク接液部を構成する部材の少なくとも1部が、金属から構成されていることを特徴とする。これらの金属部材としては、オーステナイト系ステンレス、フェライト系ステンレス、鉄・ニッケル合金、鉄・コバルト・ニッケル合金、銅、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム等が挙げられる。
接インク部に上記のような金属部材を適用するインクジェット記録装置の構成部位としては、インクジェットヘッド、インクタンク、インク供給路、ジョイント部、インク供給路分岐部、インクポンプ、中間タンク、フィルタ、弁、その他の流路等があるが、その中でも、特に、インクとの接触面積が大きいインク貯留部(インクタンク)、フィルタ部、インク供給路や、インクの滞留時間が長いインク貯留部内において、インク液(活性光線硬化型インクジェットインク)が直接的に接した場合には、それらを構成する金属部材の電解腐食等により、重合反応を起こしやすい。
《電気防食》
上述のようなインク液による金属部材への腐食は、インク液中における電子のやりとりによる酸化・還元反応による電池作用(電気化学的反応)によるものであり、この反応はインク液中の溶存酸素量に影響を受けることとなる。インク液中の溶存酸素は、金属部材表面で電子を受け取り、水酸化物イオン(OH-)となり、一方、金属原子は金属イオン、例えば、鉄イオンとしてインク液中へ溶出されることにより、金属部材の腐食が進行するものである。これら溶出された金属イオンが、再びインク液と反応を生じ、その結果、インク液中にゲル化物が生成したり、あるいは、インク液を長期間にわたり保存した際にゲル化物を生成し、インク液の本来備えている特性を損なうといった問題を引き起こしていると推察している。
本発明においては、本発明に係る液体に接する該金属より電位が卑な金属または不溶性金属から構成される陽極が、不溶物が発生しやすいインク貯留部内またはインク流路内に設置されていることが好ましく、また、本発明に係る陽極は、インク貯留部またはインク流路部に対し、脱着可能な状態で装着されていることが、優れた作業性が得られる観点から好ましい。
また、本発明においては、電気防食方法として、1)外部電源方式を用い、本発明に係る陽極の材質が、液体との接液部を主体的に構成する金属よりも電位が貴な金属により構成されていること、2)流電陽極方式を用い、本発明に係る陽極の材質が、液体との接液部を主体的に構成する金属よりも電位が卑な金属であるであることが好ましい。
はじめに、電気防食法である外部電源方式及び流電陽極方式について説明する。
〈外部電源方式〉
外部電源方式とは、インクジェット記録装置の外部電源(例えば、直流電源:整流器、大型電池等)を設置し、一方、インクジェット記録装置内部のインク液に接液する領域にインク接液部を主体的に構成する金属よりも電位が貴な金属により構成されている陽極を設けて、これを腐食を防止する対象物、例えば、インクジェットヘッド、インクタンク、インク供給路、ジョイント部、インク供給路分岐部、インクポンプ、中間タンク、フィルタ、弁等と接続して、強制的に直流電流を流し続けることにより、インクジェット記録装置の金属部材の腐食反応を停止させる方法である。
本発明に係る外部電源方式に適用するインク接液部を主体的に構成する金属よりも電位が貴な金属により構成されている陽極としては、通電により溶解しないカーボングラファイト電極、PT電極(白金めっきチタン電極)、PB電極(鉛銀合金電極)、SI電極(高珪素鋳鉄電極)、FO電極(磁性酸化鉄電極)FP電極(鉄電極)等の不溶性陽極が用いられ、本発明においては、その中でも、炭素、黒鉛および珪素から選ばれる少なくとも1種を含有する不溶性金属から構成される電極であることが好ましく、具体的には、カーボングラファイト電極、カーボンペースト電極、高珪素鋳鉄電極、黒鉛電極等が好ましい。
この外部電源方式は、後述する流電陽極方式に比較し、効果範囲が広いこと、電極の消耗速度が遅いこと、電圧・電流の調整が容易にできること等の利点を有している。
本発明に係る外部電源方式においては、陽極に印加する電位を制御する制御回路を有していることが、特性の異なる様々なインク液に対し、防食に最適の電位(防食電流)を設定することができる観点で好ましい。
すなわち、インクジェット記録装置の構成部材に対しては、その腐食が停止する防食電位まで分極するに必要な防食電流を加えられることが必要となり、インク液の特性の他に、使用環境下でのインク液の電気伝導度、溶存酸素濃度、流速や温度等の条件の変化やインクジェット記録装置の構成部材のエレクトロコーティングの進行状態等により、防食電流の必要量が異なるので、防食電流はこれら条件に対応して最適な電位条件に制御することが好ましい。
電位制御方法としては、例えば、インクジェット記録装置に陽極の他に、補助電極と、インクジェット記録装置の金属部材の電位検出用の照合電極とを備え、更に、これらの電極群及びインクジェット記録装置の金属部材に接続して外部電源としての機能を有すると共に、インクジェット記録装置の金属部材の電位及び防食電流と補助電流の和を一定値に制御する定電位低電流制御電源装置を用いることができる。この定電位定電流電源装置は、定電流制御部および定電位制御部から構成されており、該定電流制御部は定電流整流回路および定電流制御回路を有しており、該定電位制御部は定電位整流回路および定電位制御回路を有している。そして、入力電源は、定電流制御部の定電流整流回路と定電位制御部の定電位整流回路に接続して、電位を制御することができる。
本発明に係る外部電源方式においては、陽極はインク貯留部内またはインクジェットヘッド内に設置されていることが好ましく、また、長期間にわたる使用における消耗を考慮すると、インク貯留部またはインクジェットヘッドに対し、脱着可能な状態で装着されて、容易に交換が可能なことが好ましい。
図3は、外部電源方式で陽極を装着したインクジェット記録装置の一例を示す概略図である。
図3のa)は、インク貯留部内部に陽極を装着した例を示している。図3のa)において、インク液202を貯留しいる金属部材、例えば、ステンレス鋼製のインク貯留部201(インクタンク)内部にインク液202に直接接触する状態で、陽極203が挿入され、このインク貯留部201と陽極203とは、外部に設けた外部電源204に接続されていて、強制的に直流電流を流し続けることにより、インク貯留部を構成する金属の腐食反応を停止させる。
図3のb)は、インクジェットヘッド内部に陽極を装着した例を示している。図3のb)において、インク液はインク導入路205を経て、インクジェットヘッド筐体に保持されているインクジェットヘッド207に供給され、インク流路208を通過し、圧電素子等で構成される吐出エレメント209のノズル210より吐出される。図3のb)では、陽極203を、インク流路208の内部に装着し、陽極203とインク流路208を構成する金属部材とを外部に設けた外部電源204に接続して、強制的に直流電流を流し続けることにより、インク流路208を構成する金属の腐食反応を停止させる。なお、図3に記載のAは絶縁部材である。
〈通電陽極方式〉
通電陽極方式とは、犠牲陽極法とも呼ばれており、防食対象であるインクジェット記録装置のインク接液部を主体的に構成する金属部材よりも電位が卑な金属(イオン化傾向が大きい金属)から構成される陽極を用い、金属部材と陽極とをリード線で接続して、その電池作用により金属部材に防食電流を供給する方式である。
本発明に係る通電陽極方式に適用するインク接液部を主体的に構成する金属よりも電位が卑な金属により構成されている陽極としては、主には、アルミニウム合金陽極、亜鉛合金陽極、マグネシウム合金陽極、鉄陽極等を用いることができる。
本発明に係る通電陽極方式においては、陽極はインク貯留部内またはインクジェットヘッド内に設置されていることが好ましく、また、長期間にわたる使用における消耗を考慮すると、インク貯留部またはインクジェットヘッドに対し、脱着可能な状態で装着されて、容易に交換が可能なことが好ましい。
すなわち、この通電陽極方式は犠牲陽極法とも呼ばれているように、防食対象の金属よりも卑な(低い)電位を備え、溶解(腐食)しやすい金属から構成される陽極は、防食対象金属に代わって、積極的に卑な金属を溶解(腐食)させることにより、防食対象金属の腐食を防止する方法である。従って、インク液と接する金属より電位が卑な金属を陽極として用いた場合には、この陽極は、連続した通電過程で徐々にその構成材料が消耗されていくことになり、陽極が過度に消耗されると電気防食の効果はなくなるため、陽極の一定の耐用年数が経過した後、新たな陽極に交換することで、再び本来の防食状態に戻すことができる。
《インク液》
次いで、本発明の液体吐出装置(インクジェット記録装置)の吐出に用いるインク液について説明する。
本発明でいう液体とは、吐出手段である液体吐出装置を用いて吐出できるものであれば、特に制限はなく、例えば、印刷インク、缶・プラスチック・紙・木材等のコーティング塗料、接着剤、光学的立体造型、インクジェット用インク等を挙げることができるが、その中でも、特に、活性光線硬化型化合物を含有するインク液であることが好ましく、更には、カチオン重合性化合物を含有するインク液の出射に、本発明の液体吐出装置(インクジェット記録装置)を適用することが有効であり、特には、インク液が、少なくともカチオン重合性化合物、光重合開始剤及び色剤を含有するカチオン重合性インクの出射に、本発明のインクジェット記録装置を適用することが有効である。
前述のように、インクジェットプリンターを構成する金属部材の腐食は、インク液との電子のやりとりによる酸化・還元反応による電池作用(電気化学的反応)によるものであり、特に、インク液がカチオン重合性インクの場合には、溶存酸素量に大きく影響を受けることとなる。カチオン重合性インク中の溶存酸素は、金属部材表面で電子を受け取り、水酸化物イオン(OH-)となり、一方、金属原子は金属イオン、例えば、鉄イオンとしてカチオン重合性インク中へ溶出されることにより、金属部材の腐食が進行するものである。これら溶出された金属イオンが、再びカチオン重合性インク中に含まれるカチオン重合性化合物との反応が生じる。このカチオン重合性化合物は、本来は、活性光線の照射により、インク中に同時に含有されている光重合開始剤と反応して、重合反応を起こすものであるが、上記の場合には、金属イオンとカチオン重合性化合物とが反応して、重合されて不溶物を生成することとなり、この様な特性を有する活性光線硬化型化合物を含むインク液、更には、カチオン重合性化合物を含有するインクジェットインクの出射に、本発明の構成からなるインクジェット記録装置を適用することが、極めて有効である。
〔活性光線硬化型インク〕
本発明に係る活性光線硬化型インク、その中でも、本発明の構成からなるインクジェット記録装置の効果が顕著に発揮できるカチオン重合性インクについて、以下説明する。
本発明に係るカチオン重合性インクは、少なくともカチオン重合性化合物、光重合開始剤及び色剤を含有し、更には、必要に応じて、増感剤、難燃剤、防錆剤、静電防止剤等を適宜添加して構成されている。
(カチオン重合性化合物)
カチオン重合性化合物として、少なくとも1種の単官能モノマーを含有することが好ましい。単官能モノマーは、硬化性を十分に発揮させるために10質量%以上とすることが好ましく、一方、優れた硬化性を達成するとともに、色にじみなどの画質上の劣化を防止するために30質量%以下とすることがより好ましい。
本発明に係るカチオン重合性インクにおいては、カチオン重合性化合物が、エポキシ化合物、オキセタン環を有するオキセタン化合物及びビニルエーテル化合物から選ばれる少なくとも1種であることが、本発明の目的効果をより発揮できる観点から好ましく、更には、少なくとも1種の単官能または2官能のエポキシ化合物、少なくとも1種の単官能または2官能のオキセタン化合物、または少なくとも1種の単官能または2官能のビニルエーテル化合物を含有することが好ましい。
これらのカチオン重合性化合物としては、例えば、開平6−9714号、特開2001−31892号、特開2001−40068号、特開2001−55507号、特開2001−310938号、特開2001−310937号、特開2001−220526号の各公報等に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
エポキシ化合物としては、以下に記載の芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシド等が挙げられる。
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール或いはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルであり、例えば、ビスフェノールA、あるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロヘキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリン或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
これらのエポキシ化合物のうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明においては、更なる硬化性及び吐出安定性向上の観点から、光重合性化合物として、オキセタン環を有する化合物を全光重合性化合物の30〜95質量%、オキシラン基を有する化合物を5〜70質量%、ビニルエーテル化合物を0〜40質量%含有することが好ましい。
本発明で用いることのできるオキセタン化合物としては、例えば、特開2001−220526号、同2001−310937号に記載されているような公知のあらゆるオキセタン化合物を使用できる。
本発明で用いることのできるビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。本発明では、上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
(光重合開始剤)
本発明に係るカチオン重合性インクにおいて、光重合開始剤としては、「UV・EB硬化技術の応用と市場」(シーエムシー出版、田畑米穂監修/ラドテック研究会編集)などに掲載されているあらゆる公知の光重合開始剤を用いることができるが、光酸発生剤を用いることが好ましい。
光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C654 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、CF3SO3 -塩を挙げることができる。
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができる。第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができる。第4に鉄アレン錯体を挙げることができる。
特に、本発明に係るカチオン重合性インクにおいては、光酸発生剤としては、トリアリールスルホニウム塩を含有する化合物であることが好ましい。
光酸発生剤は、カチオン重合性化合物100質量部に対して、0.2〜20質量部の比率で含有させることが硬化性向上の点で好ましい。これら光酸発生剤は、1種または2種以上を選択して使用することができる。
(色材)
本発明に係るカチオン重合性インクにおいては、上記説明したカチオン重合性化合物及び光重合開始剤と共に、各種の公知の染料または顔料を含有することができるが、耐候性に優れる観点から色材として顔料を適用することが好ましい。
本発明に用いる顔料としては、カーボンブラック、カーボンリファインド、およびカーボンナノチューブのような炭素系顔料、鉄黒、コバルトブルー、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化クロム、および酸化鉄のような金属酸化物顔料、硫化亜鉛のような硫化物顔料、フタロシアニン系顔料、金属の硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、およびリン酸塩のような塩からなる顔料、並びにアルミ粉末、ブロンズ粉末、および亜鉛粉末のような金属粉末等の無機顔料、ニトロ顔料、アニリンブラック、ナフトールグリーンBのようなニトロソ顔料、ボルドー10B、レーキレッド4Rおよびクロモフタールレッドのようなアゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む。)、ピーコックブルーレーキおよびローダミンレーキのようなレーキ顔料、フタロシアニンブルーのようなフタロシアニン顔料、多環式顔料(ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラノン顔料など)、チオインジゴレッドおよびインダトロンブルーのようなスレン顔料、キナクリドン顔料、キナクリジン顔料、並びにイソインドリノン顔料のような有機系顔料を使用することもできる。
顔料の具体例としては、
C.I.Pigment Yellow−1、2、3、12、13、14、16、17、42、73、74、75、81、83、87、93、95、97、98、109、114、120、128、129、138、150、151、154、180、185、
C.I.Pigment Orange−16、36、38、
C.I.Pigment Red−5、7、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、101、112、122、123、144、146、168、184、185、202、
C.I.Pigment Violet−19、23、
C.I.Pigment Blue−1、2、3、15:1、15:2、15:3、15:4、18、22、27、29、60、
C.I.Pigment Green−7、36、
C.I.Pigment White−6、18、21、
C.I.Pigment Black−7、等を挙げることができる。
顔料のアミン価は酸価よりも大きいことが好ましい。そして、アミン価と酸価との差は1mg/gKOH以上であれば、分散性が良好となり好ましく、また製造コスト、重合阻害の抑止という点からはその差が10mg/gKOH未満であることが更に好ましい。
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の分散装置を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に、分散剤を添加することもできる。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としては、例えば、Avecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明のインクでは、印字後に反応・硬化させることから、硬化後に溶剤が残留した場合、その溶剤が揮発して臭気の原因となることもあるため、無溶剤であることが好ましい。よって、分散媒体は溶剤では無く重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。本発明のインクにおいては、色材濃度としては、インク全体の1質量%乃至10質量%であることが好ましい。
(添加剤)
本発明のインクには、上記説明した以外に様々な添加剤を用いることができる。例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。また、保存安定性を改良する目的で、公知のあらゆる塩基性化合物を用いることができるが、代表的なものとして、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミン、脂肪酸アミン塩、各種防錆剤などの塩基性有機化合物などが挙げられる。
〔その他の液体〕
インク液が、上記説明したカチオン重合性化合物を含む印刷インク、缶、プラスチック、紙、木材等のコーティング塗料及び接着剤用途の場合は、カチオン重合性化合物、光重合開始剤の他に、無機充填剤、軟化剤、酸化防止剤、老化防止剤、安定剤、粘着付与樹脂、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、染料、処理剤、粘度調節剤、有機溶剤、潤滑性付与剤及び紫外線遮断剤のような不活性成分を配合することができる。無機充填材の例としては、例えば、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化カルシウム、酸化クロム、酸化スズ、酸化チタン、酸化鉄、酸化銅、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化マグネシウム及び酸化マンガン等の金属/非金属酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化第一鉄及び水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸カルシウム及び硫酸カルシウム等の塩類、二酸化ケイ素等のケイ素化合物、カオリン、ベントナイト、クレー及びタルク等の天然顔料、天然ゼオライト、大谷石、天然雲母及びアイオナイト等の鉱物類、人工雲母及び合成ゼオライト等の合成無機物、並びにアルミニウム、鉄及び亜鉛等の各種金属等が挙げられる。これらの中には、顔料と重複するものもあるが、これらは必要に応じて必須成分の顔料に加え、組成物に充填材として配合させることもできる。潤滑性付与剤は、得られる塗膜の潤滑性を向上させる目的で配合されるものであり、例えば、ポリオール化合物と脂肪酸とのエステル化物である脂肪酸エステルワックス、シリコン系ワックス、フッ素系ワックス、ポリオレフィンワックス、動物系ワックス、植物系ワックス等のワックス類を挙げることができる。粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン酸、重合ロジン酸及びロジン酸エステル等のロジン類、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族炭化水素樹脂、脂肪族飽和炭化水素樹脂並びに石油樹脂等が挙げられる。
光学的立体造型用途の場合は、さらに熱可塑性高分子化合物を添加することができる。熱可塑性高分子化合物としては、室温において液体または固体であり、室温において樹脂組成物と均一に混和する高分子化合物である。かかる熱可塑性高分子化合物の代表的なものとしては、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリカーボナート、ポリスチレン、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブテン、スチレンブタジエンブロックコポリマー水添物等が挙げられる。また、これらの熱可塑性高分子化合物に水酸基、カルボキシル基、ビニル基、エポキシ基等の官能基が導入されたものを用いることもできる。かかる熱可塑性高分子化合物について本発明に対して望ましい数平均分子量は1000〜500000であり、さらに好ましい数平均分子量は5000〜100000である。この範囲外であっても使用できないわけではないが、低分子量になるにしたがって強度を改善するという効果が劣る傾向にあり、また高分子量になるにしたがって樹脂組成物の粘度が高くなり、吐出しにくくなる傾向がある。
印刷インク用途の場合は、紙、フィルムまたはシート等を基材として、種々の印刷法、例えばオフセット印刷等の平版印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷またはグラビア印刷等で使用することができる。
缶、プラスチック、紙、木材等のコーティング塗料用途の場合は、種々の金属材料、プラスチック材料、紙、木材等の被覆に適用でき、金属材料としては、例えば電気陽メッキ鋼板、チンフリースチール、アルミニウム等、プラスチック材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタラート、塩化ビニル樹脂及びABS樹脂等、例えばセルロースを主成分とする普通紙の他に、その表面がポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネートまたはポリイミド等で処理された紙等、例えばサクラ、アカガシ、シタン、カリン、マホガニー、ラワン、クワ、ツゲ、カヤ、キハダ、ホウ、カツラ、ケヤキ、クルミ、クス、ナラ、チーク、カキ、神代カツラ、神代スギ、クロガキ、コクタン、シマコクタン、トチ、カエデ、ヤナギ及びトネリコ等の天然木材をはじめ、合板、積層板、パーティクルボード及びプリント合板等の加工木材、並びにこれら天然または加工木材から製造される床材、家具類及び壁材等を挙げることができ、これらは板状でもフェイム状でもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《インクの調製》
《顔料分散液の調製》
〔イエロー顔料分散液の調製〕
下記に示す方法に従って、イエロー顔料分散液を調製した。
下記の2種の化合物をステンレスビーカーに入れ、ホットプレート上で65℃で加熱、攪拌しながら溶解した。
アジスパーPB822(味の素ファインテクノ社製分散剤) 8質量部
アロンオキセタンOXT−221(東亞合成社製オキセタン化合物) 72質量部
次いで、室温まで冷却した後、この溶液に顔料としてC.I.Pigment Yellow 150を20質量部を加えて、直径0.3mmのジルコニアビーズ200部と共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて4時間の分散処理を施した後、ジルコニアビーズを除去して、イエロー顔料分散液を調製した。
〔イエローインクの調製〕
上記調製したイエロー顔料分散液(イエロー顔料:20質量%、分散剤PB822:8質量%、光重合性化合物OXT−221:72質量%含有)と下記の各添加剤とを用いて、イエローインク1を調製した。
具体的には、イエロー顔料分散物以外の全ての下記添加剤を混合し、十分に溶解したことを確認した後、この混合溶液をイエロー顔料分散物中に攪拌しながら少しずつ添加し、15分間攪拌した後、ロキテクノ社製PP3μmディスクフィルタで濾過を行った。
イエロー顔料分散液 20.0質量部
アジスバーPB822(味の素ファインテクノ製) 2.0質量部
オキセタンOXT−221(東亞合成製) 55.0質量部
オキセタンOXT−212(東亞合成製) 5.0質量部
オキセタンOXT−211(東亞合成製) 5.0質量部
脂環式エポキシ化合物1 18.0質量部
光酸発生剤1(分子量466、1分子量当たり3つのアリール基を持つ)
4.0質量部
重合禁止剤(トリイソプロパノールアミン) 0.1質量部
Figure 2008188793
次いで、このイエローインクを、中空糸膜を用いた脱気モジュール(大日本インキ化学工業(株)製、SEPAREL PF−004D)を用いて脱気して、イエローインクを調製した。
《インクジェット記録装置》
〔インクジェット記録装置1〕
図1及び図2の(b)に記載のインクジェット記録装置を用いて、評価を行った。
図2の(b)に記載の構成からなるインク供給ラインは、インクタンク101、ジョイントJ1、J2及びフィルタ107、フィルタボックス、インクジェットヘッド及び内部のインク流路をステンレス製で構成し、インク供給路102は、絶縁部材である耐インク性のあるテフロン(登録商標)チューブを黒色のポリオレフィンチューブで被覆したもので構成した。また、インクジェットヘッド104は、ノズル数を256とし、2〜20plのマルチサイズドットを720×720dpi(dpiとは、2.54cmあたりのドット数を表す)の解像度で吐出できる構成とした。
〔インクジェット記録装置2〕
上記インクジェット記録装置1において、図3のa)、b)に示す構成でインクタンク、フィルタボックス、インクジェットヘッドにそれぞれ陽極をインクに接液する位置に設置し、外部電源方式の電気防食を行った以外は同様にし、これをインクジェット記録装置2とした。
なお、陽極としてはカーボングラファイト電極を用い、インクタンク、フィルタボックス、インクジェットヘッドにぞれぞれ脱着可能な状態で挿入し、外部電源をカーボングラファイト電極(陽極)とそれぞれの金属部位(陰極)に接続し、外部電源よりAC100Vを印加した。
〔インクジェット記録装置3〕
上記インクジェット記録装置2において、陽極203をカーボングラファイト電極に代えて、SI電極(高珪素鋳鉄電極)を用いた以外は同様にし、これをインクジェット記録装置3とした。
〔インクジェット記録装置4〕
上記インクジェット記録装置2において、陽極203をカーボングラファイト電極に代えて、PT電極(白金めっきチタン電極)を用いた以外は同様にし、これをインクジェット記録装置4とした。
《インクの評価》
各インクジェット記録装置に上記調製したイエローインクを充填し、インクジェットヘッドを50℃に加温しながら、1日当たり4時間の断続的な吐出を行い、これを1ヶ月間継続し、下記の各評価を行った。
(ノズル欠耐性の評価)
1ヶ月後にインクジェットヘッドの256個のノズルより各インクを吐出し、各ノズルでの目詰まりに伴うノズル欠の発生状況を目視観察し、ノズル欠の発生したノズル数をカウントし、下記の基準に従ってノズル欠耐性の評価を行った。
◎:全ノズルが正常に出射され、ノズル欠数は皆無である
○:1〜2個のノズルで、ノズル欠が認められるが、形成画像への影響はない
△:2〜5個のノズルで、ノズル欠の発生が認められるが、形成される画像としては実用上許容限界内である
×:6〜15個のノズルで、ノズル欠の発生が認められ、形成画像に不具合が生じる
××:16個以上のノズルで、ノズル欠が発生し、所望の画像が得られない
(メンテナンス復帰性の評価)
1ヶ月の間欠吐出を行った後、メンテナンス作業を行った後の各ノズルの復帰性について確認を行い、下記の基準に従ってメンテナンス復帰性の評価を行った。
◎:メンテナンス作業を行わないでも、各ノズルより正常の出射される
○:1〜2個のノズルでノズル欠が認められるが、1回のメンテナンス作業で正常に復帰する
△:2〜5個のノズルでノズル欠の発生が認められるが、2回のメンテナンス作業で正常に復帰する
×:6〜15個のノズルでノズル欠の発生が認められ、全ノズルが正常に復帰するまで3〜5回のメンテナンス作業を要する
××:16個以上のノズルでノズル欠が発生し、5回のメンテナンス作業でも正常に復帰しない
(析出・腐食耐性の評価)
1ヶ月の間欠吐出を行った後、各金属部位での析出物の発生及びタンクの腐食について目視観察し、下記の基準に従って析出・腐食耐性の評価を行った。
◎:各金属部位での析出物の付着及び腐食は認められない
○:各金属部位での析出物の付着及び腐食はほぼ認められない
△:各金属部位で少量の析出物付着は認められるが、腐食の発生はない
×:各金属部位で明らかな析出物の付着が認めら、また弱い腐食が発生している
××:各金属部位に多量の析出物の付着が認めら、また腐食が発生している
以上により得られた結果を、表1に示す。
Figure 2008188793
表1に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する陽極をインクに接液し、外部電源方式の電気防食を行った本発明は、比較例に対し、高温環境下で長期間にわたり連続吐出を行った後でも、インクジェット記録装置を構成する金属部材の腐食がなく、吐出安定性及びメンテナンス性に優れていることが分かる。
実施例2
《インクジェット記録装置》
〔インクジェット記録装置5〕
実施例1に記載のインクジェット記録装置1において、インクタンク、フィルタボックス、インクジェットヘッドにそれぞれに陽極をインクに接液する位置に設置し、流電陽極法の電気防食を行った以外は同様にし、これをインクジェット記録装置5とした。
なお、陽極としてはアルミニウム合金陽極を用い、ステンレス製のインクタンク、フィルタボックス、インクジェットヘッドの各部位内部にぞれぞれ脱着可能な状態で挿入し、アルミニウム合金陽極と各金属部位(陰極)とをターミナルボックスを介してリード線で接続した。
〔インクジェット記録装置6〕
上記インクジェット記録装置5において、陽極をアルミニウム合金陽極に代えて、亜鉛合金陽極を用いた以外は同様にし、これをインクジェット記録装置6とした。
〔インクジェット記録装置7〕
上記インクジェット記録装置5において、陽極をアルミニウム合金陽極に代えて、マグネシウム合金陽極を用いた以外は同様にし、これをインクジェット記録装置7とした。
《インクの評価》
上記作製したインクジェット記録装置5〜7と実施例1で作製したインクジェット記録装置1に実施例1に記載のイエローインクを充填し、インクジェットヘッドを50℃に加温しながら、1日当たり4時間の断続的な吐出を行い、これを1ヶ月間継続し、実施例1に記載の方法と同様にして、ノズル欠耐性、メンテナンス復帰性、析出・腐食耐性の評価を行い、得られた結果を表2に示す。
Figure 2008188793
表1に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する陽極をインクに接液し、流電陽極方式の電気防食を行った本発明は、比較例に対し、高温環境下で長期間にわたり連続吐出を行った後でも、インクジェット記録装置を構成する金属部材の腐食がなく、吐出安定性及びメンテナンス性に優れていることが分かる。
実施例3
実施例1に記載のインクジェット記録装置2〜4に、陽極の他に、補助電極と、インクジェット記録装置の金属部材の電位検出用の照合電極とを備え、インクジェット記録装置の金属部材の電位及び防食電流と補助電流の和を一定値に制御する定電位低電流制御電源装置を用いて、実施例1に記載の方法と同様にして評価を行った結果、本発明のインクジェット記録装置は、いずれもより良好な結果を得ることができた。
実施例4
実施例1〜3において、イエローインク液に代えて、カチオン重合性化合物を含む印刷用インク、コーティング塗料及び接着剤について同様の評価を行った結果、これらのインク液においても、本発明のインクジェット記録装置(外部電源方式、流電陽極法)の有効性を確認することができた。
本発明に適用可能なフィルタ及び中間タンクを備えたインクジェット記録装置の全体構成を示す図である。 本発明に適用可能なインクジェット記録装置のインク供給路構成の一例を示す概略構成図である。 外部電源方式で陽極を装着したインクジェット記録装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1、101、201 インクタンク
2、104、207 インクジェットヘッド
3 エネルギー線源
4、103 キャリッジ
6、110 フィルタボックス
7、108 中間タンク
8、102 インク供給路
105 中間タンクユニット
106 中間タンク前室
107 フィルタ
109、111 フィルタ隣接部
202 インク液
203 陽極
204 外部電源
J1〜J6 ジョイント
L 活性エネルギー線源
N ノズル

Claims (9)

  1. 液体を貯留する液体貯留部から液体を吐出する液体吐出部までの液体流路の少なくとも一部に金属を用いた液体吐出装置において、該液体流路中に液体に接する該金属より電位が卑な金属または不溶性金属から構成される陽極を備えていることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記陽極は、前記液体貯留部内または前記液体吐出部内に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記陽極は、前記液体貯留部内または前記液体吐出部内に対し、脱着可能な状態で装着されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記陽極は、炭素、黒鉛および珪素から選ばれる少なくとも1種を含有する不溶性金属であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記陽極に印加する電位を制御する制御回路を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記液体は、少なくともカチオン重合性化合物、光重合開始剤及び色剤を含有するカチオン重合型光硬化性組成液であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  7. 前記液体が、少なくともカチオン重合性化合物、光重合開始剤及び色剤を含有するカチオン重合型光硬化性インクジェットインクであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  8. インクを貯留するインク貯留部からインクを吐出するインクジェットヘッドまでのインク流路の少なくとも一部に金属を用いたインクジェット記録装置において、該インク流路中にインクに接する該金属より電位が卑な金属または不溶性金属から構成される陽極を備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  9. 前記インクが、少なくともカチオン重合性化合物、光重合開始剤及び色剤を含有するカチオン重合型光硬化性インクジェットインクであることを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
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