JP2002275404A - インクジェット用インク及びかかるインクを用いたインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット用インク及びかかるインクを用いたインクジェット記録装置

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JP2002275404A
JP2002275404A JP2001082218A JP2001082218A JP2002275404A JP 2002275404 A JP2002275404 A JP 2002275404A JP 2001082218 A JP2001082218 A JP 2001082218A JP 2001082218 A JP2001082218 A JP 2001082218A JP 2002275404 A JP2002275404 A JP 2002275404A
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pigment
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ultraviolet
head
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Masako Shimomura
まさ子 下村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非吸液性記録媒体に印字して画像を形成した
場合においても、優れた耐擦過性を有する画像を形成し
得るインクを提供すること。 【解決手段】 少なくとも、顔料粒子の表面に1種以上
の親水性基が直接若しくは他の原子団を介して結合して
いる自己分散型顔料と、ビニル化合物からなる紫外線硬
化型モノマーと光重合開始剤と水とを含むことを特徴と
するインクジェット用インク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット用
インク(以下単に「インク」という)及びかかるインク
を用いたインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットインクには水系、非水系
の2種があるが、小型のオフィスやホームプリンターに
おいては、臭気や安全性の面から水系のインクが使用さ
れている。水系インクジェットインクの記録媒体への定
着手法は浸透である。そのため、印字直後に記録媒体中
のセルロース繊維がインクを吸収して膨潤し、再び水分
の蒸発により繊維がもどる現象が生じる。この時、繊維
の若干の移動が生じるため、記録媒体のぼこつき(コッ
クリング)が生じることが問題となっている。
【0003】さらに印字により膨潤した繊維が数日後に
水分の蒸発によりもとにもどる際に、理由は定かではな
いが以前より繊維が縮むために、記録媒体中で印字面が
非印字面の長さより短くなるために発生するカールも深
刻な問題となっている。これらの現象は普通紙や普通紙
に色材を定着させるための顔料層を設けた普通紙ライク
のメディアにおいて生じやすくなっている。
【0004】最近においては、さらなる高速印字を可能
にするために、色間の混色にじみ現象(ブリード)を記
録媒体への浸透速度を高めることにより対応しているた
め、上記の現象がますます生じやすい環境にある。特開
平6−240188号公報、特開平6−240189号
公報では、分子の中にOHを2個以上含む化合物をイン
クに含有させ、セルロースの伸びを防止している。コッ
クリングには効果が多少あるが、カールにはほとんど効
果をもたない。特開平6−126952号公報には、印
字時に記録メディアを裏面より暖めることによりインク
を瞬時に蒸発させ、カールやコックリングを防止する技
術が記載されている。インクを瞬時に防止するためには
高熱でメディアを加熱しなければならず、プリンターの
消費電力が高まるほか、紙つまり時に発火等のおそれが
あるため好ましくない。
【0005】また、顔料を含むインクを用いると顔料が
記録メディアの表層に定着されるために擦過性(耐こす
り性)が著しく悪化する問題もあった。従来よりインク
の色材としては、発色性、透明性、耐擦過性、普通紙へ
の印字特性等の観点から染料が用いられてきたが、最近
では印字画像の堅牢性が求められるようになり、インク
の色材として顔料を使用することが検討されている。イ
ンクジェットの顔料インクは、顔料に極小量の分散剤を
分散させたものを使用していたが、顔料の分散剤がイン
クジェットのフェイスをぬらしやすく、印字時にフェイ
ス面に残存したインクにひっぱられ、よれを生じる等の
問題があった。
【0006】また、バブルジェット(登録商標)方式の
場合ヒーター上に分散剤が熱により分解し、堆積すると
いう問題もあった。このような中で、顔料自身に可溶化
基が結合されており、顔料自身が分散可能(自己分散タ
イプ)な顔料は上記の問題を解決したものであった。と
ころが、分散剤がないことから、記録メディアの表層に
付着した顔料が指等の簡単なこすりにはがれるという問
題があった。顔料を紙中に浸透させると擦過性は改善さ
れるが、先に述べたカールやコックリングが顕著に悪化
した。
【0007】水系紫外線硬化インクにおいては分散顔料
を使用した場合、分散樹脂がアルカリ可溶性のためpH
安定領域がアルカリである。紫外線硬化型樹脂は未反応
原料等の残留により酸性のため、アルカリ調整剤をイン
クに用いて凝集の阻害をはかるが、長期保存やインクの
作成方法などにより容易に凝集する。凝集すると、硬化
性能が格段に落ちるため、凝集の防止は大きな課題であ
った。ところが自己分散型顔料は、pHの安定領域が分
散タイプの樹脂よりも大きいことから、凝集が生じにく
く、硬化性能が長期にわたり変化しずらいことがわかっ
た。
【0008】特開平10−95941号公報では、イン
クジェット方式による画像形成に際し、自己分散型の顔
料を色材とするインクを記録媒体に打ち込む前に、イン
クと何らかの反応をする液体組成物を予め画像形成領域
に付与しておき、該画像形成領域に前記顔料インクを印
字して、インク中の顔料を該領域において凝集させて画
像濃度及び画像の耐擦過性を向上させるという印字シス
テムを開示している。また、特開平10−140064
号公報では、自己分散型のブラック顔料を色材とするイ
ンクと、カラー染料インクとの極性を反対にすることに
より、記録媒体上における異色のインクの混色滲みを防
止することを開示している。この方式では擦過性は向上
するが、記録メディアへのインクの打込み量が増えるた
めにカール、コックリング性は極めて悪化する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上より、本発明の目
的は自己分散型顔料を用いて、擦過性、カール、コック
リングの課題を同時に満足させることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、少なくとも、顔
料粒子の表面に1種以上の親水性基が直接若しくは他の
原子団を介して結合している自己分散型顔料と、ビニル
化合物からなる紫外線硬化型モノマーと光重合開始剤と
水とを含むことを特徴とするインクを提供する。
【0011】また、本発明は、前記顔料粒子に結合して
いる親水性基が、カルボニル基、カルボキシル基、ヒド
ロキシル基、スルホン基及びそれらの塩の基からなる群
から選ばれる少なくとも1種である前記インク;前記ビ
ニル化合物からなる紫外線硬化型モノマーが、1分子中
にビニル基を2個以上有するモノマーである前記イン
ク;前記顔料の固形分濃度に対して、5重量倍以上の前
記紫外線硬化型モノマーを含有する前記インクを提供す
る。
【0012】また、本発明は、前記何れかのインクを吐
出する記録ヘッド、及び該記録ヘッドから吐出された前
記インクからなる画像に紫外線を照射する手段を具備す
ることを特徴とするインクジェット記録装置;及び紫外
線を照射する手段が、希ガス蛍光ランプである上記イン
クジェット記録装置を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明を更に詳しく説明する。本発明のインクは、少な
くとも、顔料粒子の表面に1種以上の親水性基が直接若
しくは他の原子団を介して結合している自己分散型顔料
と、ビニル化合物からなる紫外線硬化型モノマーと光重
合開始剤と水とを含むことを特徴としている。
【0014】本発明で用いる自己分散型顔料とは、少な
くとも1種類の親水性基が顔料粒子(カーボンブラック
及び有機顔料)の表面に直接若しくは他の原子団を介し
て結合しているもので、主に親水性基を有するアミンの
ジアゾニウム塩を顔料粒子に反応させて、顔料粒子にイ
オン性の親水性基を直接又は他の原子団を介して結合さ
せたものである。
【0015】他の原子団としては、例えば、炭素数1〜
12のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル
基又は置換基を有してもよいナフチル基等が挙げられ
る。顔料粒子に結合させる親水性基としては、例えば−
COOM、−SO3M、−PO3HM、−PO32、−S
2NH2、−SO2NHCOR、−NH4、−N(C
34(式中のMは水素原子、アルカリ金属、アンモニ
ウム又は有機アンモニウムを表し、Rは炭素数1〜12
のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置
換基を有してもよいナフチル基を表す。)等が挙げられ
る。
【0016】また、上記親水性基中のMがアルカリ金属
の場合には、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム
等が挙げられ、有機アンモニウムの場合には、モノ、ジ
又はトリメチルアンモニウム、モノ、ジ又はトリエチル
アンモニウム、モノ、ジ又はトリエタノールアンモニウ
ム等が挙げられる。
【0017】上記した親水性基が他の原子団を介してカ
ーボンブラック又は有機顔料粒子の表面に結合する場合
の親水性基の具体例としては、例えば、−C24COO
M、−PhSO3M、−C510NH3 +等が挙げられる
が、勿論、本発明はこれに限定されない。この親水性基
の導入により、顔料が、顔料分散剤を使用しなくてもあ
たかも水に溶解するが如く水に分散するものである。
【0018】本発明のインクの調製に際しては、上記自
己分散型カーボンブラック又は有機顔料は、極性が同じ
であれば1種類に限定されることはなく、2種以上を混
合して色調の調整を行って使用してもよい。
【0019】好ましい有機顔料の一例としては、C.
I.ピグメントイエロー(PY)1、PY12、PY1
3、PY14、PY16、PY17、PY73、PY7
4、PY75、PY83、PY93、PY95、PY9
7、PY98、PY114、PY128、PY129、
PY151、PY154、C.I.ピグメントオレンジ
(PO)43、PO51、C.I.ピグメントレッド
(PR)48、PR3、PR57:1、PR60、PR
122、PR123、PR168、PR184、PR2
02、PR207、C.I.ピグメントブルー(PB)
15:2、PB15:3、PB15:4、PB60、
C.I.ピグメントバイオレット(PV)19、PV2
3、PV42等が好ましく、中でもC.I.ピグメント
レッド122、C.I.ピグメントイエロー74、9
3、114、C.I.ピグメントブルー15:3、カー
ボンブラックが好ましく使用される。
【0020】本発明における自己分散型顔料の粒径は2
00nm以下であることが好ましい。粒径が200nm
より大きいと顔料がUV光を隠蔽するため硬化が阻害さ
れる。これら自己分散型顔料のインク中の固形分含有量
はインク全重量の0.1〜5%の範囲で用いられること
が望ましい。0.1重量%より少ないと印字画像の濃度
が低くなり、一方、5重量%を超えると粒径の大きさに
かかわらずUV光を隠蔽するため硬化が阻害され易くな
る。
【0021】水系インクジェットインクにおいて光硬化
を行なう場合、硬化速度は最も重要な要因のひとつであ
る。というのも、先にも述べたとうりビニル化合物が紙
中に浸透してしまっては、擦過性は向上しない。あくま
で、紙上で顔料を被覆することが重要である。紙へのイ
ンクの浸透はミリセックオーダーであるため浸透に勝る
速度で定着させることは容易ではない。我々は、1印字
後ただちにUV光を照射する、2ビニル化合物の反応基
やインク含有量を増やし、硬化阻害物質(グリコール、
グリセリンなどの高沸点溶媒や、水の比率を下げる)、
3触媒の量を増やす等の対策を講じる必要があることを
見出した。
【0022】ランプについてであるが、本特許で使用し
た、希ガスタイプのランプはこれまで一般的であった高
圧水銀灯のランプに比べ、強度は弱いが非常にコンパク
トであるためプリンター内部に取り込みやすいほか、オ
ゾンの発生がないため人体にやさしいランプである。ま
た、ランプ形状を自在に作成可能なため、ライン状(プ
リントヘッドのキャリッジに平行)に配置することがで
き印字と同時に光を照射し仮硬化することが可能なほ
か、紙上で仮硬化したインクを長時間にわたり(キャリ
ッジがスキャンする間、及び集光させなければ印字して
いる間)照射されるため、印字物の硬化が進む。このた
め、硬い硬化物(印字サンプル)が作成可能である。
【0023】また、希ガスの量や種類を調節することに
より、触媒(開始剤)の吸収波長に合致した、分光分布
のシャープなランプを作成できるため、ランプのエネル
ギーを効率よくインクの硬化に使えることも希ガスラン
プの利点である。ランプの分光特性にもよるが、希ガス
タイプの場合、ランプの波長のλmaxと開始剤のλm
axがプラスマイナス50nm以内であれば効率よく硬
化をおこなっていると考えている。次に本発明で使用す
る紫外線硬化型ビニル化合物を説明する。本発明で使用
する紫外線硬化型ビニル化合物は、水溶性〜親水性であ
ることが好ましく、例えば、主骨格はエポキシアクリレ
ート、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリ
レートであり、水溶性を高めるために分子内に水酸基や
エチレンオキサイド基、グリセリンやエチレングリコー
ルを付加させたものである。さらに光重合性のあるアク
リロイル基、N−アクリロイルモルホリン基、アクロレ
イン基等を分子内に2個以上持つものである。
【0024】上記ビニル化合物のインク中への添加量と
しては、顔料の量に対してビニル化合物の量が多いほ
ど、インクの記録媒体上での硬化速度及び付着力の面で
優れるほか、顔料粒子表面がビニル化合物により覆われ
るので、印字画像の耐水性や耐光性、耐オゾン性等の堅
牢性においても性能が向上する。本発明のインクにおい
て、ビニル化合物はその混合比や顔料の種類にかかわら
ず、顔料の固形分重量に対して5倍重量以上使用すれ
ば、インクの硬化速度や付着力、印字画像の耐水性や耐
光性等を満足することができる。
【0025】本発明で用いる光重合開始剤は、水溶性で
あればいかなるものでもよく、ベンゾフェノン系やアセ
トフェノン系の既存の光重合開始剤やそれらにエチレン
オキサイドを付加して、水溶性を高めたものが効果的で
ある。一例としては、市販されている4−(2−ヒドロ
キシエトキシフェニル)−2−ヒドロキシ−2−プロピ
ルケトン(商品名Darocure2959、IRGACURE295
9)、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキ
シ)−N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムク
ロリド−一水塩(Quantacure BPQ)、(4−ベンゾイル
ベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド(Quantacu
re BTC)、又はそれらにエチレンオキサイドを1〜6個
付加したもの等である。光重合開始剤の含有量として
は、多いほど先に述べているビニル化合物の硬化速度が
速くなるが、上記に示した光重合開始剤が不揮発性の高
粘度な物質のため、インクの粘度が増すほか、印字画像
中に残存し、顔料の記録媒体への付着力(耐擦過性)を
悪化させる傾向がある。そのため、前記紫外線硬化型ビ
ニル化合物の重量に対して0.5〜10%で使用するこ
とが好ましい。
【0026】インクジェット記録装置の記録ヘッド(以
下単に「ヘッド」という)のノズルの固着防止等、信頼
性の向上のためにインク中に有機溶剤を少量添加しても
よい。好ましい有機溶剤としては、ポリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、
エチレングリコール等のグリコール類、2−ピロリド
ン、N−メチルピロリドン、スルホラン、ジメチルスル
フオキシド等の非プロトン供与性極性溶剤、グリセリン
等の高沸点溶剤である。
【0027】このような有機溶剤は紫外線硬化型ビニル
化合物の溶剤としてビニル化合物に配位し、光重合性を
悪化させる他、印字画像中に残存し、印字画像の表面硬
度を下げ、画像の耐擦過性を悪化させる傾向があるた
め、使用する場合は5%以内とすることが好ましい。
【0028】次に本発明のインクジェット記録装置につ
いて説明する。インクジェット記録装置は、ヘッドから
記録媒体にインクを吐出して印字を行うものであり、記
録装置のコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高
速で形成することができ、ランニングコストが安く、ノ
ンインパクト方式であるため記録媒体へのダメージが少
なく、騒音も少なく、多色のインクを使用してカラー画
像を形成するのが容易である等の利点を有している。更
にインクが水系のために、作業者の健康を損なうことも
なく、廃液等の処理も簡単である。
【0029】図1にインクジェット記録装置の一例を示
す。先ず、インクジェット記録装置1は、大別してフレ
ーム枠2、2本のガイドレール3、4、ヘッド5とその
移動用キャリッジ6、ヘッド回復装置9及び電送系10
とを備えて構成される。ヘッド5は、複数の吐出口列
と、電気信号を、インクを吐出させるために用いられる
エネルギーに変換するための変換装置とを含み、制御部
から送られてきた画像信号に応じて吐出口列から選択的
にインクを吐出させる機構を持つ。
【0030】前記ヘッド5としては、熱エネルギーを利
用してインクを吐出するヘッドであって、インクに与え
る熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換体を
備えており、前記熱エネルギー変換体によって印加され
る熱エネルギーによりインクに状態変化を生じさせ、か
かる状態変化に基づいて吐出口よりインクを吐出させる
ヘッド若しくはインクを電歪素子等を用いて加圧し、吐
出させるヘッド等が使用される。
【0031】インク供給装置8は、インクを貯留し、ヘ
ッド5にインクを必要量供給するためのものであり、不
図示のインクタンクやインクポンプ等を有する。本体と
ヘッド5はインク供給チューブ11で接続される分だけ
自動的にヘッド5に供給される。また、後述するような
ヘッド回復動作のときにはインクポンプを用いて強制的
にインクがヘッドに供給される。
【0032】上記ヘッド5、インク供給装置8はそれぞ
れ移動用キャリッジ6、7に搭載され、不図示の駆動装
置によりガイドレール3、4に沿って往復移動を行うよ
うに構成されている。ヘッド回復装置9は、ヘツドのイ
ンク吐出安定性を維持するためにヘッド5のホームポジ
ション(待機位置)においてヘッド5に対向しえる位置
に設けられており、矢印A方向に前進後退可能であり、
具体的には次に述べられるような動作を行う。
【0033】先ず、非動作時にヘッド5のノズル内から
のインクの蒸発を防ぐためにホームポジションにおい
て、ヘッド5のキャッピングを行う(キャッピング動
作)、或いは画像記録開始前にノズル内の気泡や不溶物
等を排出するためにインクポンプを用いてヘッド内のイ
ンク流路を加圧してノズルから強制的に排出する動作
(加圧回復動作)、又はノズルから強制的に吸引排出す
る動作(吸引回復動作)を行う際に排出されたインクを
回収する等の機能を果たす。
【0034】電送系10は、電源部及びインクジェット
記録装置全体のシーケンス制御を行うための制御部を含
む。記録媒体12は、ヘッドがキャリッジに沿って主査
方向に移動して所定の記録が行われる毎に、不図示の搬
送装置により副操作方向(矢印B方向)に所定量搬送さ
れ、画像形成が行われていく。図中、斜線部13は記録
が終了した部分を示す。尚、ヘッド5としては、単色記
録用のヘッド、カラー記録用の異なる色のインクで記録
する複数個のヘッド、或いは同一色彩で濃度の異なる濃
淡インクで記録する複数のヘッド等を用いることができ
る。
【0035】また、ヘッドとインクタンクとを一体化し
たカートリッジタイプのもの、或いはヘッドとインクタ
ンクとを別体とし、これらをインク供給チューブで接続
する構成のもの等、記録手段及びインクタンクの構成を
問わず適用することができる。本発明のインクジェット
記録装置は、上記の如きインクジェット記録装置におい
て、形成された印字画像に紫外線を照射する手段を設け
たことを特徴としている。
【0036】次に紫外線照射手段について述べる。紫外
線照射手段としては、従来より用いられているキセノン
ランプをべースに水銀等の金属蒸気を高圧封入したもの
や(高圧水銀ランプ等)、希ガス蛍光ランプ等がある。
ランプの分光特性としては210〜440nmの紫外領
域であればいずれでもよいが、本発明で使用する光重合
開始剤を効率良く働かせるために、好ましくは300〜
450nm、より好ましくは350〜420nmに強度
を持つものが好ましい。図2に紫外線照射手段の設置場
所の一例を示す。好ましくは、プリンター内に設置し、
印字と同時に紫外線が印字画像に当たることが好まし
い。
【0037】本発明で用いる紫外線照射手段の光源につ
いて説明すると、一般に高圧水銀ランプは紫外線強度が
非常に大きく、インク画像の硬化には非常に有利である
が、装置が大型で使用電力量も大きく、高額なため、プ
リンターに内蔵させることが難しい。低圧水銀ランプは
小型であり安価であるが、254nm付近に強度を持た
せることに適しており、350〜420nmに強度を持
つ小型のランプの入手が困難である。また、これらのラ
ンプはランプ内に水銀を含むことから不要となったラン
プが産業廃棄物となりユーザーの手を煩わせることにな
る。
【0038】一方、希ガス蛍光ランプは、300〜50
0nmに強度を持つ紫外線を発生させることが可能であ
り、水銀を使用しないことから不要になったランプの廃
棄物処理も行いやすい。更に外部電極方式を採用するこ
とにより点灯・消灯によるランプ寿命の短縮がなく、点
灯後瞬時にエネルギー飽和となるために、使用直前に点
灯、或いはこまめに点灯・消灯を行なうことが可能とな
り、エネルギーの節約も可能となる。このようなことか
ら、本発明においては希ガス蛍光ランプを用いることが
好ましい。また、色材である顔料の紫外領域の吸収等を
考慮して、分光特性の異なるランプを複数個装着するこ
ともインク画像を迅速に硬化させる手段として有効であ
る。
【0039】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中「%」とあるのは特に断り
のない限り重量基準である。 <自己分散型顔料の作成> (ブラックインク)カーボンブラックの表面を化学処理
によりアンモニウム化し、下記の特性を有する自己分散
型顔料水溶液(固形分濃度12%)を用いた。 ・pH 5.5 ・粘度 3.5cps ・表面張力 70dyne/cm
【0040】(イエローインク)C.I.ピグメントイ
エロー74(ハンザブリリアントイエロー4GX、ヘキ
スト製)の表面を化学処理によりカルボキシル化し、下
記の特性を有する自己分散型顔料水溶液(固形分濃度1
0%)を用いた。 ・平均粒径 195nm ・pH 7.6 ・粘度 2.9cps ・表面張力 72dyne/cm
【0041】(マゼンタインク)C.I.ピグメントレ
ッド122(ホスタパームピンクE、ヘキスト製)の表
面を化学処理によりカルボキシル化し、下記の特性を有
する自己分散型顔料水溶液(固形分濃度10%)を用い
た。 ・平均粒径 155nm ・pH 7.0 ・粘度 2.4cps ・表面張力 72dyne/cm
【0042】(シアンインク)C.I.ピグメントブル
ー15:3(クロモファインブルー、大日精化製)の表
面を化学処理によりスルホン化し、下記の特性を有する
自己分散型顔料水溶液(固形分濃度10%)を用いた。 ・平均粒径 50nm ・pH 7.3 ・粘度 2.1cps ・表面張力 72dyne/cm
【0043】(紫外線硬化型ビニル化合物) 化合物1:グリセリンエポキシアクリレート(3エチレ
ンオキサイド付加物)3官能タイプ(官能基:アクリロ
イル) 化合物2:エチレングリコールエポキシアクリレート2
官能タイプ(官能基:アクリロイル)
【0044】 (光重合開始剤) 開始剤A:Darocure 2959(Merk) λmax=270nm 開始剤B:Quantacure BCT(シェル化学) λmax=255nm 開始剤C:Quantacure BPQ(シェル化学) λmax=290nm 開始剤D:Quantacure QTX(シェル化学) λmax=400nm
【0045】(紫外線照射手段)下記に示す2種類の紫
外線ランプを用いて、管壁から10mmの距離で照射を
行ない、いずれの印字においても500mJ/cm2
上の熱エネルギーを付与した。紫外線照射手段はプリン
タの印字部付近に設置して使用した(図2参照)。 a:希ガス光源分光分布・・・ピーク420nm b:希ガス光源分光分布・・・ピーク305nm
【0046】実施例1〜7、比較例1で使用したインク
セット、紫外線硬化型ビニル化合物、光重合開始剤及び
紫外線照射手段(ランプ)を表1に、インク処方を表2
に示した。
【0047】
【0048】<評価> 1.カール 実施例及び比較例で作成したインクをBJF600(キ
ヤノン製プリンタ)のインクタンクに充填し、カラーカ
ートリッジに装着し、コピー用紙(キヤノン製)、コピ
ー用紙(4024、XEROX製)、カラーレーザーコ
ピー用紙(TKCL、キヤノン製)にイエロー、ブラッ
ク、シアン、マゼンタそれぞれモノカラーで全面にベタ
印字を行なった。
【0049】この時、プリンターに内蔵されている紫外
線ランプを点灯した場合(紫外線硬化、実施例1〜7)
と、しない場合(紫外線未硬化、比較例1)において印
刷を行なった。印字物を水平な机に室温で7日間放置
後、紙の4すみのカール度を物差しで測定し、平均値を
算出した。 ◎:1.5mm未満 ○:1.5mm〜2.5mm ×:2.5mm以上、又は筒状に形状変化している。
【0050】2.コックリング 評価1で作成した印字サンプルを1日室温に放置し、印
字部の厚さを断面積が1cm2の膜厚計で20ポイント
測定し、値の標準偏差(σ)を算出した。 ◎:σが2.0未満 ○:σが2.0〜3.0 ×:σが3.0以上
【0051】3.耐擦過性 評価1の色彩性で作成したパターンを評価1と同様に印
字し、印字5分後に印字部と非印字部の境界部を指で強
く擦った。 ◎:印字画像にまったく変化がない。 ○:印字画像の非印字面との境界がわずかに汚れた。 ×:印字画像の色落ちにより記録媒体の表面が露出し
た。
【0052】上記実施例及び比較例の評価結果を表3に
示した。
【0053】
【発明の効果】以上より、本発明の紫外線硬化型インク
ジェット用インク及び装置を用いると、自己分散型顔料
においても印字画像の耐擦過性を向上させることが可能
となる。インクを紫外線硬化し、記録媒体上にポリマー
を作成しているため印字物のカールが生じない。インク
を記録メディアに浸透させないためにコックリングも生
じない。希ガス蛍光ランプを用いるため装置が小さくな
りプリンターの消費電力も小さい。インク中に含まれる
開始剤と光吸収波長が近いランプを用いることにより、
照射エネルギーが弱くてもインクの硬化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインクジェット記録装置を説明する
図。
【図2】 本発明のインクジェット記録装置を説明する
図。
【符号の説明】 1:インクジェット記録装置 2:フレーム枠 3,4:ガイドレール 5:ヘッド 6,7:移動用キャリッジ 8:インク供給装置 9:ヘッド回復装置 10:電送系 11:供給チューブ 12:記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09C 3/08 B41J 3/04 101Y 101Z Fターム(参考) 2C056 EA13 FC01 FC02 HA44 2H086 BA05 BA53 BA55 BA59 BA62 4J037 AA02 AA30 CB18 CB21 DD05 EE02 EE11 FF05 FF15 4J039 AD21 AE04 AE05 AE06 AE07 BA04 BC07 BC12 BC16 BC19 BC33 BC54 BE01 BE27 CA06 EA06 EA15 EA16 EA17 EA19 EA36 GA24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、顔料粒子の表面に1種以上
    の親水性基が直接若しくは他の原子団を介して結合して
    いる自己分散型顔料と、ビニル化合物からなる紫外線硬
    化型モノマーと光重合開始剤と水とを含むことを特徴と
    するインクジェット用インク。
  2. 【請求項2】 前記顔料粒子に結合している親水性基
    が、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、
    スルホン基、アンモニウム基及び4級アンモニウム基そ
    れらの塩の基からなる群から選ばれる少なくとも1種で
    ある請求項1に記載のインクジェット用インク。
  3. 【請求項3】 前記ビニル化合物からなる紫外線硬化型
    モノマーが、1分子中にビニル基を2個以上有するモノ
    マーである請求項1に記載のインクジェット用インク。
  4. 【請求項4】 前記顔料の固形分濃度に対して、5重量
    倍以上の前記紫外線硬化型モノマーを含有する請求項1
    に記載のインクジェット用インク。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項に記載のイン
    クを吐出する記録ヘッド、及び該記録ヘッドから吐出さ
    れた前記インクからなる画像に紫外線を照射する手段を
    具備することを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 紫外線を照射する手段が、希ガス蛍光ラ
    ンプである請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記記載のランプのλmaxと、インク
    中に含まれる開始剤のλmaxの値が、プラスマイナス
    50nm以内である請求項6に記載のインクジェット記
    録装置。
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