JPWO2007080725A1 - インクとそれを用いた画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、様々な記録媒体に対し、高品位の画像が得られるインクと、それを用いた画像形成方法を提供する。このインクは、放射線硬化性化合物と、20質量%以上の引火点が70℃以上の溶媒とを含有することを特徴とする。
Description
本発明は、新規のインクとそれを用いた画像形成方法に関するものである。
近年、インクジェット記録方式は簡便に、かつ安価に画像を作成できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷等、様々な印刷分野に応用されてきている。特に、微細なドットを出射、制御する記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性を改選したインク及びインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢等を飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。今日のインクジェット記録方式の画質向上は、記録装置、インク、専用紙の全てがそろって初めて達成されている。
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェットシステムは、記録媒体が制限されること、記録媒体のコストアップが問題となる。そこで、専用紙と異なる被転写媒体へインクジェット方式により記録する試みが多数なされている。具体的には、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式や、記録後に紫外線(UV光)等の活性エネルギー線(放射線)の照射により架橋させる活性光線硬化型インクジェット方式などである。
中でも、紫外線硬化型インクジェット方式は、ソルベント系インクジェット方式に比べて比較的低臭気であり、即乾性で、インク吸収能のない記録媒体への記録ができる点で、近年注目されつつあり、それに対応した様々な紫外線硬化型インクジェットインクが開示されている。
この様に、活性光線硬化型インクジェットインクは、使用できる記録媒体の選択幅が広いこと、乾燥が速いため後工程への時間が短縮でき、特に、インク吸収能をほとんど持たないプラスチックや金属等の記録媒体に対して、印字適性があるものもある。しかしながら、活性光線硬化型インクジェットインクは、吸収性能を有していない記録媒体上に印字を行った場合、揮発成分がないため印字部が盛上がるという課題がある。特に、インク粘度が低いグラビア印刷やインクジェット記録方式等の用途では、低粘度で安定なインクを得るために、顔料濃度が限られ、その結果、同じ濃度を得るために必要なインク量が増え、印字部の盛り上がりが無視できなくなる。
上記課題に対し、着色剤、紫外線硬化組成物、光重合開始剤及び紫外線硬化組成物を溶解する有機溶剤とを含み、有機溶剤の沸点を一定値範囲とすると共に、インク組成物中の紫外線硬化性組成物と有機溶剤との質量比率と、紫外線硬化性組成物の含有量をそれぞれ一定値以上に規定した紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照。)が、吐出安定性が十分ではなかった。また、顔料、高分子化合物および有機溶媒を含有し、有機溶媒として、(ポリ)アルキレングリコール誘導体と含窒素複素環化合物とを特定の添加量とし、かつンク組成物全体の引火点が63℃以上である油性顔料インク組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照。)が、活性光線硬化型インクジェットインクに関する記載や言及はなされていない。
特開2002−241654号公報 (特許請求の範囲及び実施例)
特開2005−23298公報 (特許請求の範囲及び実施例)
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、様々な記録媒体に対し、高品位の画像が得られるインクと、それを用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成により達成された。
1.放射線硬化性化合物と、20質量%以上の引火点が70℃以上の溶媒とを含有することを特徴とするインク。
2.前記引火点が70℃以上の溶媒は、沸点が180℃以上であることを特徴とする前記1に記載のインク。
3.前記引火点が70℃以上の溶媒は、沸点が250℃以下であることを特徴とする前記1または2に記載のインク。
4.光重合開始剤を含有することを特徴とする前記1乃至3のいずれか1項に記載のインク。
5.前記引火点が70℃以上の溶剤含有量が、50質量%以上、90質量%以下であることを特徴とする前記1乃至4のいずれか1項に記載のインク。
6.放射線硬化性化合物が、オリゴマーまたはプレポリマーを含有することを特徴とする前記1乃至5のいずれか1項に記載のインク。
7.前記放射線硬化性化合物中のオリゴマーまたはプレポリマーの比率が、30質量%以上であることを特徴とする前記6に記載のインク。
8.色材を含有することを特徴とする前記1乃至7のいずれか1項に記載のインク。
9.前記1乃至8のいずれか1項に記載のインクを、記録媒体上に吐出してインクジェット記録する画像形成方法であって、該インクを吐出する際の最小液滴サイズが、1ドットあたり1pl以上、10pl以下であることを特徴とする画像形成方法。
10.前記1乃至8のいずれか1項に記載のインクを、記録媒体上に吐出してインクジェット記録する画像形成方法であって、印字後に、インクジェット記録した該記録媒体の温度制御手段を有することを特徴とする画像形成方法。
11.前記記録媒体が、前記インクの吸収能を実質的に有しないことを特徴とする前記9または10に記載の画像形成方法。
本発明により、様々な記録媒体に対し、高品位の画像が得られるインクと、それを用いた画像形成方法を提供することができた。
1 記録装置
2 ヘッドキャリッジ
3 記録ヘッド
31 インク吐出口
4 照射手段
5 プラテン部
6 ガイド部材
7 蛇腹構造
8 照射光源
P 記録材料
2 ヘッドキャリッジ
3 記録ヘッド
31 インク吐出口
4 照射手段
5 プラテン部
6 ガイド部材
7 蛇腹構造
8 照射光源
P 記録材料
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、少なくとも放射線硬化性化合物と、引火点が70℃以上の溶媒を20質量%以上含有することを特徴とするインクを用いることにより、様々な記録媒体に対し、高品位の画像が得られるインクを実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の各構成要素の詳細について説明する。
本発明のインクにおいては、放射線硬化性化合物と共に、引火点が70℃以上の溶媒を20質量%以上含有することを特徴とする。
一般に、放射線硬化性化合物を含む活性光線硬化型の油系インクでは、インク吸収能を備えていない記録媒体をはじめとして、様々な記録媒体に印字及び画像形成が可能であるが、放射線硬化性化合物の比率が高いため、例えば、2種以上のインクにより形成した2次色の最高濃度部では、その画像が盛り上がり、違和感のある画像となっている。
上記課題に対し、前述の特許文献1に記載のように、一定量の放射線硬化性組成物を揮発性有機溶剤に置き換えることで、画像の盛り上がりを低減する試みがなされているが、選択する揮発性有機溶剤の引火点が低すぎたり、あるいは沸点が低すぎると、インクとしての安全性に加えて、印字の際にインクジェット記録ヘッドのノズル部で、インク組成物から揮発性有機溶剤が蒸発し易くなり、その結果、吐出安定性を維持することが困難になってくる。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討を行った結果、引火点が70℃以上の溶媒を20質量%以上含有することにより、十分な硬化度を有する画像が得られると共に、特に高濃度画像部におけるインクの盛り上がり感(凹凸感)が低減され、かつ連続吐出を行っても、ノズル部での溶媒の蒸発による吐出安定性を損なうことなく、様々な記録媒体に対し安定して画像形成できることができた。
更に、本発明のインクにおいては、本発明に係る引火点が70℃以上の溶媒が、沸点が180℃以上、250℃以下であること、含有量を50質量%以上、90質量%以下とすることが本発明の目的効果をより奏する観点から好ましい。また、本発明に係る放射線硬化性化合物が、オリゴマーまたはプレポリマーを含有し、オリゴマーまたはプレポリマーの含有量が30質量%以上であることが好ましい。
また、本発明のインクにおいては、本発明に係る放射線硬化性化合物及び引火点が70℃以上の溶媒の他に、インクを形成する化合物として、光重合開始剤、色材を含有することが好ましい。
〔引火点が70℃以上の溶媒〕
本発明に係る引火点が70℃以上の溶媒としては、特に制限はなく、例えば、1,4−ブタンジオール、2−エチル−1−ヘキサノール、乳酸ブチル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3.5.5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3−メチルー3−メトキシブタノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
本発明に係る引火点が70℃以上の溶媒としては、特に制限はなく、例えば、1,4−ブタンジオール、2−エチル−1−ヘキサノール、乳酸ブチル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3.5.5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3−メチルー3−メトキシブタノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
以下に、本発明に係る引火点が70℃以上の溶媒の代表的な化合物の沸点及び引火点を示す。
本発明に係る引火点が70℃以上の溶媒においては、更には、沸点が180℃以上、250℃以下である溶媒が好ましい。
また、本発明のインクにおいては、本発明の目的効果を損なわない範囲で、引火点が70℃未満の溶媒を含んでも良いが、より優れた吐出安定性を実現する観点からは、引火点が70℃未満の溶媒の含有量は10%未満であることが好ましく、更に好ましくは5%未満であり、全く含まなくてもよい。
以下に、引火点が70℃未満の溶媒例を示す。
〔放射線硬化性化合物〕
本発明のインクにおいて、放射線硬化性化合物としては、特に制限はないが、オリゴマーまたはプレポリマーを含有することが好ましく、またオリゴマーまたはプレポリマーの含有量が30質量%以上であることが好ましい。本発明のインクに適用可能な放射線硬化性化合物としては、例えば、ラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物等を挙げることができる。
本発明のインクにおいて、放射線硬化性化合物としては、特に制限はないが、オリゴマーまたはプレポリマーを含有することが好ましく、またオリゴマーまたはプレポリマーの含有量が30質量%以上であることが好ましい。本発明のインクに適用可能な放射線硬化性化合物としては、例えば、ラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物等を挙げることができる。
(ラジカル重合性化合物)
本発明のインクに適用可能なラジカル重合性化合物としては、公知のあらゆる(メタ)アクリレートモノマー、オリゴマーまたはプレポリマーを用いることができる。
本発明のインクに適用可能なラジカル重合性化合物としては、公知のあらゆる(メタ)アクリレートモノマー、オリゴマーまたはプレポリマーを用いることができる。
例えば、イソアミルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソミルスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、ラクトン変性可とう性アクリレート、t−ブチルシクロヘキシルアクリレート等の単官能モノマー、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート等の2官能モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の三官能以上の多官能モノマーが挙げられる。
また、重合性の不飽和炭素−炭素結合を含む少なくとも1種のオリゴマーまたはプレポリマーを含むこともできる。好ましくは、反応性オリゴマー性成分は、1より大きい官能性を有し、重合性の少なくとも2個の不飽和炭素−炭素結合を有する成分又は少なくとも1種の該成分の混合物からなる。さらに、オリゴマー性成分の官能性は2より大きいことが好ましい。各オリゴマーまたはプレポリマーの当量(equivalent weight)は、好ましくは少なくとも180さらに好ましくは少なくとも200又は220である。しかし、一般に、当量の増加は、粘度の増大を伴い、それゆえ組成物に含まれるオリゴマーまたはプレポリマーの量を制限する。好ましくは、そのため、当量は750を超えずそしてさらに好ましくは500を超えない。
ポリアクリレートオリゴマーが、他のオリゴマー性の多官能性物質と比べてそれらの比較的低い粘度のために好ましい。それらの例は、ポリエステルアクリレートとして知られているヒドロキシ末端ポリエステルをアクリル化する多官能性生成物、単にウレタンアクリレートとして知られているウレタンオリゴマーをアクリル化する多官能性生成物、並びにエポキシアクリレートを含む。
オリゴマー成分またはプレポリマー成分の添加量は、放射線硬化性化合物の10%以上であることが好ましく、更に好ましくは20〜70%、特に好ましくは30〜60%である。
(カチオン重合性化合物)
本発明においては、硬化性及び吐出安定性の向上のために、放射線硬化性化合物として少なくとも1種のオキシラン基を有する化合物を含有することが好ましい。
本発明においては、硬化性及び吐出安定性の向上のために、放射線硬化性化合物として少なくとも1種のオキシラン基を有する化合物を含有することが好ましい。
放射線硬化性化合物としては、各種公知のカチオン重合性のモノマーが使用できる。例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892、特開2001−40068、特開2001−55507、特開2001−310938、特開2001−310937、特開2001−220526に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
エポキシ化合物には、以下の芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシド等が挙げられる。
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール或いはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルであり、例えば、ビスフェノールA、あるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリン或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
これらのエポキシドのうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
また、本発明においてはAMES及び感作性などの安全性の観点から、オキシラン基を有するエポキシ化合物としては、エポキシ化脂肪酸エステル、エポキシ化脂肪酸グリセライドの少なくとも一方であることが特に好ましい。
エポキシ化脂肪酸エステル、エポキシ化脂肪酸グリセライドは、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセライドにエポキシ基を導入したものであれば、特に制限はなく用いられる。
エポキシ化脂肪酸エステルとしては、オレイン酸エステルをエポキシ化して製造されたもので、エポキシステアリン酸メチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチル等が用いられる。また、エポキシ化脂肪酸グリセライドは、同様に、大豆油、アマニ油、ヒマシ油等をエポキシ化して製造されたもので、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ヒマシ油等が用いられる。
また、本発明においては、更なる硬化性及び吐出安定性の向上のために、光重合性化合物として、オキセタン環を有する化合物を30〜95質量%、オキシラン基を有する化合物を5〜70質量%、ビニルエーテル化合物0〜40質量%とを含有することが好ましい。
本発明で用いることのできるオキセタン化合物としては、特開2001−220526号、同2001−310937号に記載されているような公知のあらゆるオキセタン化合物を使用できる。
本発明で用いることのできるビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。本発明では、上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
〔光重合開始剤〕
本発明のインクにおいては、放射線重合性化合物と共に、光重合開始剤を用いることが好ましい。
本発明のインクにおいては、放射線重合性化合物と共に、光重合開始剤を用いることが好ましい。
(光酸発生剤、光ラジカル発生剤)
本発明の活性光線硬化型のインクには、公知のあらゆる光開始剤を用いることができる。光開始剤としては、光酸発生剤及び光ラジカル発生剤を挙げることができる。
本発明の活性光線硬化型のインクには、公知のあらゆる光開始剤を用いることができる。光開始剤としては、光酸発生剤及び光ラジカル発生剤を挙げることができる。
光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C6F5)4 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、CF3SO3 -塩を挙げることができる。
本発明で用いることのできるオニウム化合物の具体的な例を、以下に示す。
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができ、その具体的な化合物を、以下に例示する。
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができ、以下にその具体的な化合物を例示する。
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
また、本発明で用いられる光ラジカル発生剤としては、アリールアルキルケトン、オキシムケトン、チオ安息香酸S−フェニル、チタノセン、芳香族ケトン、チオキサントン、ベンジルとキノン誘導体、ケトクマリン類などの従来公知の光ラジカル発生剤が使用出来る。「UV・EB硬化技術の応用と市場」(シーエムシー出版、田畑米穂監修/ラドテック研究会編集)に詳しい。中でもアシルフォスフィンオキシドやアシルホスフォナートは、感度が高く、開始剤の光開裂により吸収が減少するため、インクジェット方式のように1色当たり5〜12μmの厚みを持つインク画像での内部硬化に特に有効である。具体的には、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドなどが好ましい。
また、安全性を考慮した選択では、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(ダロキュア(登録商標)1173)が好適に用いられる。好ましい添加量は、インク組成物全体の1〜6質量%、好ましくは2〜5質量%である。
(光カチオン重合開始剤)
本発明のインクに適用可能な光カチオン重合開始剤としては、アリールスルホニウム塩誘導体(例えば、ユニオン・カーバイド社製のサイラキュアUVI−6990、サイラキュアUVI−6974、旭電化工業社製のアデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトマーSP−172)、アリルヨードニウム塩誘導体(例えば、ローディア社製のRP−2074)、アレン−イオン錯体誘導体(例えば、チバガイギー社製のイルガキュア261)、ジアゾニウム塩誘導体、トリアジン系開始剤及びその他のハロゲン化物等の酸発生剤が挙げられる。光カチオン重合開始剤は、脂環式エポキシ基を有する化合物100質量部に対して、0.2〜20質量部の比率で含有させることが好ましい。光カチオン重合開始剤の含有量が0.2質量部未満では硬化物を得ることが困難であり、20質量部を越えて含有させてもさらなる硬化性向上効果はない。これら光カチオン重合開始剤は、1種または2種以上を選択して使用することができる。
本発明のインクに適用可能な光カチオン重合開始剤としては、アリールスルホニウム塩誘導体(例えば、ユニオン・カーバイド社製のサイラキュアUVI−6990、サイラキュアUVI−6974、旭電化工業社製のアデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトマーSP−172)、アリルヨードニウム塩誘導体(例えば、ローディア社製のRP−2074)、アレン−イオン錯体誘導体(例えば、チバガイギー社製のイルガキュア261)、ジアゾニウム塩誘導体、トリアジン系開始剤及びその他のハロゲン化物等の酸発生剤が挙げられる。光カチオン重合開始剤は、脂環式エポキシ基を有する化合物100質量部に対して、0.2〜20質量部の比率で含有させることが好ましい。光カチオン重合開始剤の含有量が0.2質量部未満では硬化物を得ることが困難であり、20質量部を越えて含有させてもさらなる硬化性向上効果はない。これら光カチオン重合開始剤は、1種または2種以上を選択して使用することができる。
〔色材〕
本発明のインクでは色材を含有することが好ましく、色材としては顔料であることが好ましい。
本発明のインクでは色材を含有することが好ましく、色材としては顔料であることが好ましい。
本発明に用いられる顔料としては、酸性及びまたは塩基性に表面処理された有機顔料が好ましく用いられ、分散剤のインク中における含有量が顔料質量の35〜65%であることが好ましい。本発明のインクにおいては、分散剤の含有量が35%未満であると、分散剤が十分に顔料表面全体に吸着できず分散安定性が不十分な場合があり、65%を超えると、顔料表面に吸着されない分散剤がインク中に遊離して、重合阻害を起こし問題となる場合がある。顔料のアミン価は酸価よりも大きいことが好ましく、その差が1mg/gKOH以上10mg/g未満であることが更に好ましい。1mg/gKOH未満であればその効果がなく、10mg/g以上の場合は塩基性処理を過度に行う必要がありコストアップとなるばかりでなく、重合阻害の原因にもなり好ましくない。
本発明に用いる顔料としては、カーボンブラック、カーボンリファインド、およびカーボンナノチューブのような炭素系顔料、鉄黒、コバルトブルー、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化クロム、および酸化鉄のような金属酸化物顔料、硫化亜鉛のような硫化物顔料、フタロシアニン系顔料、金属の硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、およびリン酸塩のような塩からなる顔料、並びにアルミ粉末、ブロンズ粉末、および亜鉛粉末のような金属粉末等の無機顔料、ニトロ顔料、アニリンブラック、ナフトールグリーンBのようなニトロソ顔料、ボルドー10B、レーキレッド4Rおよびクロモフタールレッドのようなアゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む。)、ピーコックブルーレーキおよびローダミンレーキのようなレーキ顔料、フタロシアニンブルーのようなフタロシアニン顔料、多環式顔料(ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラノン顔料など)、チオインジゴレッドおよびインダトロンブルーのようなスレン顔料、キナクリドン顔料、キナクリジン顔料、並びにイソインドリノン顔料のような有機系顔料を使用することもできる。
顔料の具体例としては、
C.I Pigmen Yellow−1、2、3、12、13、14、16、17、42、73、74、75、81、83、87、93、95、97、98、109、114、120、128、129、138、150、151、154、180、185、
C.I Pigmen Orange−16、36、38、
C.I Pigmen Red−5、7、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、101、112、122、123、144、146、168、184、185、202、
C.I Pigmen Violet−19、23、
C.I Pigmen Blue−1、2、3、15:1、15:2、15:3、15:4、18、22、27、29、60、
C.I Pigmen Green−7、36、
C.I Pigmen White−6、18、21、
C.I Pigmen Black−7、等を挙げることができる。
C.I Pigmen Yellow−1、2、3、12、13、14、16、17、42、73、74、75、81、83、87、93、95、97、98、109、114、120、128、129、138、150、151、154、180、185、
C.I Pigmen Orange−16、36、38、
C.I Pigmen Red−5、7、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、101、112、122、123、144、146、168、184、185、202、
C.I Pigmen Violet−19、23、
C.I Pigmen Blue−1、2、3、15:1、15:2、15:3、15:4、18、22、27、29、60、
C.I Pigmen Green−7、36、
C.I Pigmen White−6、18、21、
C.I Pigmen Black−7、等を挙げることができる。
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に、分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としては、例えば、Avecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明の光硬化型インクでは、印字後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤では無く重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。本発明のインクにおいては、色材濃度としては、インク全体の1質量%乃至10質量%であることが好ましい。
〔添加剤〕
本発明のインクには、上記説明した以外に様々な添加剤を用いることができる。例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。また、保存安定性を改良する目的で、公知のあらゆる塩基性化合物を用いることができるが、代表的なものとして、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などが挙げられる。また、ラジカル重合性モノマーと開始剤を組み合わせ、ラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとすることも可能である。
本発明のインクには、上記説明した以外に様々な添加剤を用いることができる。例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。また、保存安定性を改良する目的で、公知のあらゆる塩基性化合物を用いることができるが、代表的なものとして、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などが挙げられる。また、ラジカル重合性モノマーと開始剤を組み合わせ、ラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとすることも可能である。
また、カチオン硬化性化合物を用いる場合、インクの保存安定性を向上させる点で、含水率は、0.5〜5%の範囲に調整することが好ましい。
〔インク粘度〕
本発明のインクにおいては、インクジェット画像形成に用いる場合は、25℃における粘度が7〜50mPa・sであることが好ましい。
本発明のインクにおいては、インクジェット画像形成に用いる場合は、25℃における粘度が7〜50mPa・sであることが好ましい。
〔記録媒体〕
本発明で用いることのできる記録媒体としては、様々な記録媒体を用いることができるが、本発明のインクの特性をいかんなく発揮できる観点から、インクの吸収能を実質的に持たない記録媒体であることが好ましい。本発明でいう実質的にインクを吸収しない基材とは、当該インクに10分間浸漬した後の基材の質量増加率が5質量%以下である基材をいう。この様な実質的にインクを吸収しない基材としては、通常の非コート紙、コート紙などの他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチックおよびそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、延伸ポリスチレン(OPS)フィルム、延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、延伸ナイロン(ONy)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム等を挙げることができる。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、ポリビニルアルコール(PVA)、ゴム類などが使用できる。また、金属類や、ガラス類にも適用可能である。これらの記録媒体の中でも、特に熱でシュリンク可能な、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルムへ画像を形成する場合に本発明の構成は、有効となる。これらの基材は、インクの硬化収縮、硬化反応時の発熱などにより、フィルムのカール、変形が生じやすいばかりでなく、インク膜が基材の収縮に追従し難い。
本発明で用いることのできる記録媒体としては、様々な記録媒体を用いることができるが、本発明のインクの特性をいかんなく発揮できる観点から、インクの吸収能を実質的に持たない記録媒体であることが好ましい。本発明でいう実質的にインクを吸収しない基材とは、当該インクに10分間浸漬した後の基材の質量増加率が5質量%以下である基材をいう。この様な実質的にインクを吸収しない基材としては、通常の非コート紙、コート紙などの他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチックおよびそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、延伸ポリスチレン(OPS)フィルム、延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、延伸ナイロン(ONy)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム等を挙げることができる。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、ポリビニルアルコール(PVA)、ゴム類などが使用できる。また、金属類や、ガラス類にも適用可能である。これらの記録媒体の中でも、特に熱でシュリンク可能な、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルムへ画像を形成する場合に本発明の構成は、有効となる。これらの基材は、インクの硬化収縮、硬化反応時の発熱などにより、フィルムのカール、変形が生じやすいばかりでなく、インク膜が基材の収縮に追従し難い。
これら、各種プラスチックフィルムの表面エネルギーは大きく異なり、記録媒体によってインク着弾後のドット径が変わってしまうことが、従来から問題となっていた。本発明の構成では、表面エネルギーの低いOPPフィルム、OPSフィルムや表面エネルギーの比較的大きいPETまでを含む、表面エネルギーが35〜60mN/mの広範囲の記録媒体に良好な高精細な画像を形成できる。
本発明において、包装の費用や生産コスト等の記録媒体のコスト、プリントの作製効率、各種のサイズのプリントに対応できる等の点で、長尺(ウェブ)な記録媒体を使用する方が有利である。
〔画像形成方法〕
本発明の画像形成方法においては、上記のインクを、フレキソ印刷、グラビヤ印刷、インクジェット記録方式等により記録媒体上に描画し、次いで紫外線などの活性光線を照射してインクを硬化させる方法が好ましい。
本発明の画像形成方法においては、上記のインクを、フレキソ印刷、グラビヤ印刷、インクジェット記録方式等により記録媒体上に描画し、次いで紫外線などの活性光線を照射してインクを硬化させる方法が好ましい。
本発明では、各ノズルより吐出する液滴量が1ドットあたり1〜10plであることを一つの特徴とする。本来、高精細画像を形成するためには、液滴量がこの範囲であることが必要であるが、この液滴量で吐出する場合、吐出安定性が特に厳しくなる。本発明によれば、インクの液滴量が1〜10plのような小液滴量で吐出を行っても吐出安定性は向上し、高精細画像が安定して形成出来る。
また、本発明の画像形成方法においては、記録媒体上に本発明のインクを吐出した後、記録媒体の温度制御手段を有することが好ましい。この温度制御手段としては、記録媒体の搬送テーブルの下部に、ヒーター等を設置する方法、あるいは記録媒体表面に温風等を吹き付けて温度制御する方法が挙げられる。
本発明では、記録媒体上にインクを記録し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることが好ましい。記録媒体が薄いプラスチック材料であることが多い軟包装印刷分野では、前述した記録媒体のカール・皺の問題でだけでなく、印刷物全体のこし・質感が変わってしまうという問題が有るため、過剰な膜厚のインク吐出は好ましくない。
尚、ここで「総インク膜厚」とは記録媒体に描画されたインクの膜厚の最大値を意味し、単色でも、それ以外の2色重ね(2次色)、3色重ね、4色重ね(白インクベース)の記録を行った場合でも総インク膜厚の意味するところは同様である。
本発明の印刷方法においては、活性光線の照射条件として、インク印字後0.001秒〜2.0秒の間に活性光線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001秒〜1.0秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングが出来るだけ早いことが特に重要となる。
また、活性光線を照射を2段階に分け、まずインク印字後0.001〜2.0秒の間に活性光線を照射し、かつ、全印字終了後、更に活性光線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性光線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録媒体の収縮を抑えることが可能となる。
従来、UVインク印刷方式では、インク着弾後のドット広がり、滲みを抑制のために、光源の総消費電力が1kW・hrを超える高照度の光源が用いられるのが通常であった。しかしながら、これらの光源を用いると、特に、シュリンクラベルなどへの印字では、記録媒体の収縮があまりにも大きく、実質上使用出来ないのが現状であった。
本発明では、254nmの波長領域に最高照度をもつ活性光線を用いることが好ましく、総消費電力が1kW・hr以上の光源を用いても、高精細な画像を形成出来、且つ、記録媒体の収縮も実用上許容レベル内に収められる。
本発明においては、更に活性光線を照射する光源の総消費電力が1kW・hr未満であることが好ましい。総消費電力が1kW・hr未満の光源の例としては、蛍光管、冷陰極管、LEDなどがあるが、これらに限定されない。
次いで、本発明の画像形成方法に用いることのできるインクジェット記録装置(以下、単に記録装置という)について説明する。
以下、本発明の記録装置について、図面を適宜参照しながら説明する。尚、図面の記録装置はあくまでも本発明の記録装置の一態様であり、本発明の記録装置はこの図面に限定されない。
図1は本発明の記録装置の要部の構成を示す正面図である。記録装置1は、ヘッドキャリッジ2、記録ヘッド3、照射手段4、プラテン部5等を備えて構成される。この記録装置1は、記録材料Pの下にプラテン部5が設置されている。プラテン部5は、紫外線を吸収する機能を有しており、記録材料Pを通過してきた余分な紫外線を吸収する。その結果、高精細な画像を非常に安定に再現できる。
記録材料Pは、ガイド部材6に案内され、搬送手段(図示せず)の作動により、図1における手前から奥の方向に移動する。ヘッド走査手段(図示せず)は、ヘッドキャリッジ2を図1におけるY方向に往復移動させることにより、ヘッドキャリッジ2に保持された記録ヘッド3の走査を行なう。
ヘッドキャリッジ2は記録材料Pの上側に設置され、記録材料P上の画像印刷に用いる色の数に応じて後述する記録ヘッド3を複数個、吐出口を下側に配置して収納する。ヘッドキャリッジ2は、図1におけるY方向に往復自在な形態で記録装置1本体に対して設置されており、ヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に往復移動する。
尚、図1ではヘッドキャリッジ2がイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ライトイエロー(Ly)、ライトマゼンタ(Lm)、ライトシアン(Lc)、ライトブラック(Lk)の記録ヘッド3を収納するものとして描図を行なっているが、実施の際にはヘッドキャリッジ2に収納される記録ヘッド3の色数は適宜決められるものである。
記録ヘッド3は、インク供給手段(図示せず)により供給された活性光線硬化型インク(例えばUV硬化インク)を、内部に複数個備えられた吐出手段(図示せず)の作動により、吐出口から記録材料Pに向けて吐出する。記録ヘッド3により吐出されるUVインクは色材、重合性モノマー、開始剤等を含んで組成されており、紫外線の照射を受けることで開始剤が触媒として作用することに伴なうモノマーの架橋、重合反応によって硬化する性質を有する。
記録ヘッド3は記録材料Pの一端からヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に記録材料Pの他端まで移動するという走査の間に、記録材料Pにおける一定の領域(着弾可能領域)に対してUVインクをインク滴として吐出し、該着弾可能領域にインク滴を着弾させる。
上記走査を適宜回数行ない、1領域の着弾可能領域に向けてUVインクの吐出を行なった後、搬送手段で記録材料Pを図1における手前から奥方向に適宜移動させ、再びヘッド走査手段による走査を行ないながら、記録ヘッド3により上記着弾可能領域に対し、図1における奥方向に隣接した次の着弾可能領域に対してUVインクの吐出を行なう。
上述の操作を繰り返し、ヘッド走査手段及び搬送手段と連動して記録ヘッド3からUVインクを吐出することにより、記録材料P上にUVインク滴の集合体からなる画像が形成される。
照射手段4は特定の波長領域の紫外線を安定した露光エネルギーで発光する紫外線ランプ及び特定の波長の紫外線を透過するフィルターを備えて構成される。ここで、紫外線ランプとしては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーレーザー、紫外線レーザー、冷陰極管、ブラックライト、LED(light emitting diode)等が適用可能であり、帯状のメタルハライドランプ、冷陰極管、水銀ランプもしくはブラックライトが好ましい。特に波長254nmの紫外線を発光する低圧水銀ランプ、冷陰極管、熱陰極管及び殺菌灯が滲み防止、ドット径制御を効率よく行なえ、好ましい。ブラックライトを照射手段4の放射線源に用いることで、UVインクを硬化するための照射手段4を安価に作製することができる。
照射手段4は、記録ヘッド3がヘッド走査手段の駆動による1回の走査によってUVインクを吐出する着弾可能領域のうち、記録装置(UVインクジェットプリンタ)1で設定できる最大のものとほぼ同じ形状か、着弾可能領域よりも大きな形状を有する。
照射手段4はヘッドキャリッジ2の両脇に、記録材料Pに対してほぼ平行に、固定して設置される。
前述したようにインク吐出部の照度を調整する手段としては、記録ヘッド3全体を遮光することはもちろんであるが、加えて照射手段4と記録材料Pの距離h1より、記録ヘッド3のインク吐出部31と記録材料Pとの距離h2を大きくしたり(h1<h2)、記録ヘッド3と照射手段4との距離dを離したり(dを大きく)することが有効である。又、記録ヘッド3と照射手段4の間を蛇腹構造7にすると更に好ましい。
ここで、照射手段4で照射される紫外線の波長は、照射手段4に備えられた紫外線ランプ又はフィルターを交換することで適宜変更することができる。
本発明のインクは、非常に吐出安定性が優れており、ラインヘッドタイプの記録装置を用いて画像形成する場合に、特に有効である。
図2は、インクジェット記録装置の要部の構成の他の一例を示す上面図である。
図2で示したインクジェット記録装置は、ラインヘッド方式と呼ばれており、ヘッドキャリッジ2に、各色の記録ヘッド3を、記録材料Pの全幅をカバーするようにして、複数個、固定配置されている。
一方、ヘッドキャリッジ2の下流側には、同じく記録材料Pの全幅をカバーするようにして、照射手段4が設けられている。
このラインヘッド方式では、ヘッドキャリッジ2及び照射手段4は固定され、記録材料Pのみが、搬送されて、インク出射及び硬化を行って画像形成を行う。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《分散液の調製》
〔分散液Aの調製〕
下記の各化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱撹拌溶解した。
《分散液の調製》
〔分散液Aの調製〕
下記の各化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱撹拌溶解した。
PB822(味の素ファインテクノ社製分散剤) 8部
テトラエチレングリコールジアクリレート(二官能) 72部
室温まで冷却した後、これにPigment Black 7(三菱化学社製#52)を20部加えて、直径0.3mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて4時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去し、分散液Aを調製した。
テトラエチレングリコールジアクリレート(二官能) 72部
室温まで冷却した後、これにPigment Black 7(三菱化学社製#52)を20部加えて、直径0.3mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて4時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去し、分散液Aを調製した。
〔分散液B〜Dの調製〕
上記分散液Aの調製において、顔料をPigment Black 7に代えて、それぞれPigment Blue 15:4(山陽色素社製Cyanine Blue 4044)、Pigment Red 122(大日精化社製CFR321)、Pigment Yellow 180(大日精化社製CFY313−2)を用いた以外は同様にして、分散液B、分散液C、分散液Dを調製した。
上記分散液Aの調製において、顔料をPigment Black 7に代えて、それぞれPigment Blue 15:4(山陽色素社製Cyanine Blue 4044)、Pigment Red 122(大日精化社製CFR321)、Pigment Yellow 180(大日精化社製CFY313−2)を用いた以外は同様にして、分散液B、分散液C、分散液Dを調製した。
〔分散液Eの調製〕
下記の各化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱撹拌溶解した。
下記の各化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱撹拌溶解した。
PB821(味の素ファインテクノ社製分散剤) 9部
OXT211(東亜合成社製オキセタン化合物) 71部
室温まで冷却した後、これにPigment Black 7(三菱化学社製#52)を20部加えて、直径0.3mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて4時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去し、分散液Eを調製した。
OXT211(東亜合成社製オキセタン化合物) 71部
室温まで冷却した後、これにPigment Black 7(三菱化学社製#52)を20部加えて、直径0.3mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて4時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去し、分散液Eを調製した。
〔分散液F〜Hの調製〕
上記分散液Eの調製において、顔料をPigment Black 7に代えて、それぞれPigment Blue 15:4(山陽色素社製Cyanine Blue 4044)、Pigment Red 122(大日精化社製CFR321)、Pigment Yellow 180(大日精化社製CFY313−2)を用いた以外は同様にして、分散液F、分散液G、分散液Hを調製した。
上記分散液Eの調製において、顔料をPigment Black 7に代えて、それぞれPigment Blue 15:4(山陽色素社製Cyanine Blue 4044)、Pigment Red 122(大日精化社製CFR321)、Pigment Yellow 180(大日精化社製CFY313−2)を用いた以外は同様にして、分散液F、分散液G、分散液Hを調製した。
《インクの調製》
〔インク1K〜12Kの調製〕
上記調製した分散液Aを用いて、表3に記載の構成からなるインク1K〜12Kを調製した。なお、表3に記載の数値は、質量部を表す。
〔インク1K〜12Kの調製〕
上記調製した分散液Aを用いて、表3に記載の構成からなるインク1K〜12Kを調製した。なお、表3に記載の数値は、質量部を表す。
また、表3に略称で記載の化合物の詳細は、以下の通りである。
〈溶剤〉
CH:シクロヘキサン(引火点:42.3℃)
DEGEE:ジエチレングリコールジエチルエーテル(引火点:82℃)
〈重合性化合物〉
RA:ラウリルアクリレート
TEGDA:テトラエチレングリコールジアクリレート
DPEHA:カプロラクタム変性ジペンタエリスルトールヘキサアクリレート
A−400:NKエステル 新中村化学工業製
〈変性シリコーンオイル〉
SDX−1843:旭電化工業社製
〈光ラジカル開始剤〉
I−184:イルガキュア184 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製
I−907:イルガキュア184 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製
CH:シクロヘキサン(引火点:42.3℃)
DEGEE:ジエチレングリコールジエチルエーテル(引火点:82℃)
〈重合性化合物〉
RA:ラウリルアクリレート
TEGDA:テトラエチレングリコールジアクリレート
DPEHA:カプロラクタム変性ジペンタエリスルトールヘキサアクリレート
A−400:NKエステル 新中村化学工業製
〈変性シリコーンオイル〉
SDX−1843:旭電化工業社製
〈光ラジカル開始剤〉
I−184:イルガキュア184 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製
I−907:イルガキュア184 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製
〔インク1C〜12Cの調製〕
上記インク1K〜12Kの調製において、分散液Aに代えて分散液Bを用いた以外は表3に記載の構成と同様にして、インク1C〜12Cを調製した。
上記インク1K〜12Kの調製において、分散液Aに代えて分散液Bを用いた以外は表3に記載の構成と同様にして、インク1C〜12Cを調製した。
〔インク1M〜12Mの調製〕
上記インク1K〜12Kの調製において、分散液Aに代えて分散液Cを用いた以外は表3に記載の構成と同様にして、インク1M〜12Mを調製した。
上記インク1K〜12Kの調製において、分散液Aに代えて分散液Cを用いた以外は表3に記載の構成と同様にして、インク1M〜12Mを調製した。
〔インク1Y〜12Yの調製〕
上記インク1K〜12Kの調製において、分散液Aに代えて分散液Dを用いた以外は表3に記載の構成と同様にして、インク1Y〜12Yを調製した。
上記インク1K〜12Kの調製において、分散液Aに代えて分散液Dを用いた以外は表3に記載の構成と同様にして、インク1Y〜12Yを調製した。
〔インク21K〜32Kの調製〕
上記調製した分散液Aを用いて、表4に記載の構成からなるインク21K〜32Kを調製した。なお、表4に記載の数値は、質量部を表す。
上記調製した分散液Aを用いて、表4に記載の構成からなるインク21K〜32Kを調製した。なお、表4に記載の数値は、質量部を表す。
また、表4に略称で記載の化合物の詳細は、以下の通りである。
〈溶剤〉
CH:シクロヘキサン(引火点:42.3℃)
DEGEE:ジエチレングリコールジエチルエーテル(引火点:82℃)
〈重合性化合物〉
UVR−6110:ダウケミカルズ社製
OXT221:オキセタン化合物 東亜合成社製
OXT212:オキセタン化合物 東亜合成社製
〈塩基性化合物〉
*1:トリイソプロパノールアミン
〈光ラジカル開始剤〉
UVI6992:ダウケミカルズ社製
CH:シクロヘキサン(引火点:42.3℃)
DEGEE:ジエチレングリコールジエチルエーテル(引火点:82℃)
〈重合性化合物〉
UVR−6110:ダウケミカルズ社製
OXT221:オキセタン化合物 東亜合成社製
OXT212:オキセタン化合物 東亜合成社製
〈塩基性化合物〉
*1:トリイソプロパノールアミン
〈光ラジカル開始剤〉
UVI6992:ダウケミカルズ社製
〔インク21C〜32Cの調製〕
上記インク21K〜32Kの調製において、分散液Eに代えて分散液Fを用いた以外は表4に記載の構成と同様にして、インク21C〜32Cを調製した。
上記インク21K〜32Kの調製において、分散液Eに代えて分散液Fを用いた以外は表4に記載の構成と同様にして、インク21C〜32Cを調製した。
〔インク21M〜32Mの調製〕
上記インク21K〜32Kの調製において、分散液Eに代えて分散液Gを用いた以外は表4に記載の構成と同様にして、インク21M〜32Mを調製した。
上記インク21K〜32Kの調製において、分散液Eに代えて分散液Gを用いた以外は表4に記載の構成と同様にして、インク21M〜32Mを調製した。
〔インク21Y〜32Yの調製〕
上記インク21K〜32Kの調製において、分散液Eに代えて分散液Hを用いた以外は表4に記載の構成と同様にして、インク21Y〜32Yを調製した。
上記インク21K〜32Kの調製において、分散液Eに代えて分散液Hを用いた以外は表4に記載の構成と同様にして、インク21Y〜32Yを調製した。
《インクセットの調製》
〔インクセット1の調製〕
インク1K、インク1C、インク1M、インク1Cを組み合わせて、これをインクセット1とした。
〔インクセット1の調製〕
インク1K、インク1C、インク1M、インク1Cを組み合わせて、これをインクセット1とした。
〔インクセット2〜12の調製〕
インク2K〜12K、インク2C〜12C、インク2M〜12M、インク2C〜12Cをそれぞれ組み合わせて、これをインクセット2〜12とした。
インク2K〜12K、インク2C〜12C、インク2M〜12M、インク2C〜12Cをそれぞれ組み合わせて、これをインクセット2〜12とした。
〔インクセット21の調製〕
インク21K、インク21C、インク21M、インク21Cを組み合わせて、これをインクセット21とした。
インク21K、インク21C、インク21M、インク21Cを組み合わせて、これをインクセット21とした。
〔インクセット22〜32の調製〕
インク22K〜32K、インク22C〜32C、インク22M〜32M、インク22C〜32Cをそれぞれ組み合わせて、これをインクセット22〜32とした。
インク22K〜32K、インク22C〜32C、インク22M〜32M、インク22C〜32Cをそれぞれ組み合わせて、これをインクセット22〜32とした。
《インクジェット画像形成方法》
ピエゾ型インクジェットノズルを備えた図1に記載の構成からなるインクジェット記録装置に、上記調製した各インクセットを装填し、記録媒体(巾600mm、長さ500mの長尺polyethylene terephthalate film)へ、下記の条件で画像記録を連続して行った。インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、前室タンクからヘッド部分まで断熱して50℃の加温を行った。ピエゾヘッドは、2〜15plのマルチサイズドットを720×720dpi(本発明でいうdpiとは、2.54cmあたりのドット数を表す)の解像度で吐出できるよう駆動して、各インクを連続吐出して、各色ベタ画像を形成した。そして搬送ガイドプレート(プラテン部)を40℃に加熱しておくことにより、記録媒体に着弾後もインクがほぼ40℃を保つようにした。インクは記録媒体に着弾した後、キャリッジ両脇に示すランプユニット(下記の光源Aを装着)により瞬時(着弾後1秒未満)に硬化した。
ピエゾ型インクジェットノズルを備えた図1に記載の構成からなるインクジェット記録装置に、上記調製した各インクセットを装填し、記録媒体(巾600mm、長さ500mの長尺polyethylene terephthalate film)へ、下記の条件で画像記録を連続して行った。インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、前室タンクからヘッド部分まで断熱して50℃の加温を行った。ピエゾヘッドは、2〜15plのマルチサイズドットを720×720dpi(本発明でいうdpiとは、2.54cmあたりのドット数を表す)の解像度で吐出できるよう駆動して、各インクを連続吐出して、各色ベタ画像を形成した。そして搬送ガイドプレート(プラテン部)を40℃に加熱しておくことにより、記録媒体に着弾後もインクがほぼ40℃を保つようにした。インクは記録媒体に着弾した後、キャリッジ両脇に示すランプユニット(下記の光源Aを装着)により瞬時(着弾後1秒未満)に硬化した。
光源A:高圧水銀ランプVZero085(INTEGRATION TECHNOLOGY社製、3kW)
《形成画像の評価》
〔硬化性の評価〕
形成した各ベタ画像表面を爪で擦り、膜がはがれるか否かを目視判定し、下記の基準に従って各色画像の平均値を求め、これを硬化性の尺度とした。
《形成画像の評価》
〔硬化性の評価〕
形成した各ベタ画像表面を爪で擦り、膜がはがれるか否かを目視判定し、下記の基準に従って各色画像の平均値を求め、これを硬化性の尺度とした。
A:爪で強く擦っても剥がれない
B:爪で強く擦ると剥がれるが、実用上使用可能レベル
C:爪で擦ると、簡単に剥がれてしまう。
B:爪で強く擦ると剥がれるが、実用上使用可能レベル
C:爪で擦ると、簡単に剥がれてしまう。
(画像平滑性(凹凸感)の評価)
イエローインク、マゼンタインク及びシアンインクを重ねて黒画像を作成し、この画像部と非画像部の凹凸感を目視観察し、下記の基準に従って画像平滑性の評価を行った。
イエローインク、マゼンタインク及びシアンインクを重ねて黒画像を作成し、この画像部と非画像部の凹凸感を目視観察し、下記の基準に従って画像平滑性の評価を行った。
A:凹凸感はない、あるいは気にならない
B:凹凸感が僅かにある
C:凹凸が気になる
D:凹凸が目立つ
(吐出安定性の評価)
上記調製した各インクセットを構成する各色インクを、ガラス容器に収納した後、蓋をして密封状態で約70℃の恒温槽中で1週間の強制劣化処理を行った。
B:凹凸感が僅かにある
C:凹凸が気になる
D:凹凸が目立つ
(吐出安定性の評価)
上記調製した各インクセットを構成する各色インクを、ガラス容器に収納した後、蓋をして密封状態で約70℃の恒温槽中で1週間の強制劣化処理を行った。
次いで、上記強制劣化処理を行った各インクセットを、ザール(Xaar)社製のインクジェットプリンタの記録ヘッドから23℃、55%RHの環境下で30分間の連続吐出を行った後、記録ヘッドの各ノズルからの各色インクの吐出状態を目視観察して各色インクの平均状態を求め、下記の基準に従って吐出安定性の評価を行った。
A:30分連続出射しても、ノズル欠が発生しない
B:30分連続出射でノズル欠は発生しないが、わずかにサテライトが発生する
C:30分連続出射で、わずかなノズル欠が発生し、弱いサテライトが発生する
D:ノズル欠、サテライトの発生が激しく、安定に出射できない
以上により得られた各評価結果を、表5に示す。
B:30分連続出射でノズル欠は発生しないが、わずかにサテライトが発生する
C:30分連続出射で、わずかなノズル欠が発生し、弱いサテライトが発生する
D:ノズル欠、サテライトの発生が激しく、安定に出射できない
以上により得られた各評価結果を、表5に示す。
表5に記載の結果より明らかなように、放射線硬化性化合物と共に、引火点が70℃以上の溶媒を20質量%以上含有する本発明のインクから構成されるインクセットは、比較例に対し、形成した画像の硬化性を損なうことなく、画像平滑性が良好で、かつ強制劣化処理を行った後でも吐出安定性に優れていることが分かる。
実施例2
実施例1に記載のインクセット8〜12、28〜32の調製において、溶媒としてジエチレングリコールジエチルエーテル(引火点:82℃)を、表1に記載の各溶媒及びγ−ブチロラクトン、3.5.5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オンに変更し、同様の評価を行った結果、実施例1に記載の比較例に対し、形成した画像の硬化性を損なうことなく画像平滑性が良好で、かつ強制劣化処理を行った後でも吐出安定性に優れていることを確認することができた。なお、その中でも、沸点が180〜250℃の溶媒が、より良好な結果を示した。
実施例1に記載のインクセット8〜12、28〜32の調製において、溶媒としてジエチレングリコールジエチルエーテル(引火点:82℃)を、表1に記載の各溶媒及びγ−ブチロラクトン、3.5.5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オンに変更し、同様の評価を行った結果、実施例1に記載の比較例に対し、形成した画像の硬化性を損なうことなく画像平滑性が良好で、かつ強制劣化処理を行った後でも吐出安定性に優れていることを確認することができた。なお、その中でも、沸点が180〜250℃の溶媒が、より良好な結果を示した。
Claims (11)
- 放射線硬化性化合物と、20質量%以上の引火点が70℃以上の溶媒とを含有することを特徴とするインク。
- 前記引火点が70℃以上の溶媒は、沸点が180℃以上であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のインク。
- 前記引火点が70℃以上の溶媒は、沸点が250℃以下であることを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載のインク。
- 光重合開始剤を含有することを特徴とする請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか1項に記載のインク。
- 前記引火点が70℃以上の溶剤含有量が、50質量%以上、90質量%以下であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか1項に記載のインク。
- 放射線硬化性化合物が、オリゴマーまたはプレポリマーを含有することを特徴とする請求の範囲第1項乃至第5項のいずれか1項に記載のインク。
- 前記放射線硬化性化合物中のオリゴマーまたはプレポリマーの比率が、30質量%以上であることを特徴とする請求の範囲第6項に記載のインク。
- 色材を含有することを特徴とする請求の範囲第1項乃至第7項のいずれか1項に記載のインク。
- 請求の範囲第1項乃至第8項のいずれか1項に記載のインクを、記録媒体上に吐出してインクジェット記録する画像形成方法であって、該インクを吐出する際の最小液滴サイズが、1ドットあたり1pl以上、10pl以下であることを特徴とする画像形成方法。
- 請求の範囲第1項乃至第8項のいずれか1項に記載のインクを、記録媒体上に吐出してインクジェット記録する画像形成方法であって、印字後に、インクジェット記録した該記録媒体の温度制御手段を有することを特徴とする画像形成方法。
- 前記記録媒体が、前記インクの吸収能を実質的に有しないことを特徴とする請求の範囲第9項または第10項に記載の画像形成方法。
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