JP2002356637A - インクジェット記録用顔料インク - Google Patents

インクジェット記録用顔料インク

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JP2002356637A
JP2002356637A JP2001163713A JP2001163713A JP2002356637A JP 2002356637 A JP2002356637 A JP 2002356637A JP 2001163713 A JP2001163713 A JP 2001163713A JP 2001163713 A JP2001163713 A JP 2001163713A JP 2002356637 A JP2002356637 A JP 2002356637A
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ink
pigment
pigment ink
recording
ether
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Shinichi Tochihara
伸一 栃原
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 顔料インクを用いて光沢系のインクジェット
プリンタ専用記録媒体にフルカラー画像を形成した際
に、画像部分の光沢性および擦過性が従来より改良され
た顔料インクを提供すること。 【解決手段】 インクジェット記録方式により、顔料イ
ンクと光沢性の被記録媒体を用いて画像を形成する際
に、記録面の20度鏡面光沢度がa%の該被記録媒体
に、該顔料インクを用いてインクジェット記録を施した
場合、形成された画像部分の20度鏡面光沢度がb%の
とき、aとbが下記一般式で示される関係を満たすこと
を特徴とするインクジェット記録用顔料インク。 a≦b(ただし、a≧15)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顔料インクを用い
たインクジェット記録に関し、詳しくは、様々な被記録
媒体に対しても良好な文字や画像が形成でき、かつ画像
部分の光沢性や堅牢性も改良されたインクジェット記録
用顔料インクに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット印刷は、カラープ
リンタの登場とカラー画像を処理することができるパソ
コンソフトウェアの発達に伴い、より高精細なフルカラ
ー画像を得たいという要求が高まっている。そのために
プリントヘッドの高解像度化や光沢性、白色度の高い、
高吸収性のインクジェット用特殊記録媒体などの開発も
急速に進められている。
【0003】また、インクジェット印刷システムは、非
接触印刷システムであるために製版の必要もなく、ま
た、高速印刷も可能であることから、産業用途の分野に
おいても期待されている。最近ではインクジェット記録
にインクの色材として顔料を用いる試みが多くなり、そ
の理由は、顔料がインクジェット方式においても耐水性
や耐光性などの堅牢性を有する画像を与える最も良い材
料であるからである。
【0004】このような顔料を用いたインクジェット用
のインクについては、特開平2−255875号公報、
特開平4−334870号公報、特開平4−57859
号公報および特開平4−57860号公報などに、印字
品位、吐出特性、保存安定性、目詰まり性、定着性など
の基本的な特性を満たすインクジェット用の水性顔料イ
ンクが開示されている。
【0005】しかしながら、従来の水性顔料インクを用
いて以下に示すように光沢系のインクジェットプリンタ
専用記録媒体に記録した場合の課題については、いまだ
十分な解決手段が提案されていない。 (1)画像部分の光沢性が、顔料の凝集付着によって失
われること(画像部分のつや消し)。 (2)画像部分を指触したり、擦ったりすると簡単に色
が落ちたり、画像が汚れたりする(擦過性が悪い)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、顔料インクを用いて光沢系のインクジェットプリン
タ専用記録媒体にフルカラー画像を形成した際に、画像
部分の光沢性および耐擦過性が従来より改良された顔料
インクを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。すなわち、本発明は、インクジェ
ット記録方式により、顔料インクと光沢性の被記録媒体
を用いて画像を形成する際に、記録面の20度鏡面光沢
度がa%の該被記録媒体に、該顔料インクを用いてイン
クジェット記録を施した場合、形成された画像部分の2
0度鏡面光沢度がb%のとき、aとbが下記一般式で示
される関係を満たすことを特徴とするインクジェット記
録用顔料インクを提供する。 a≦b(ただし、a≧15)
【0008】さらに、本発明で使用する顔料インクは、
インク中で分散している顔料の平均粒径が、50〜20
0nmの範囲にあり、かつ200nm以上の粒径範囲に
粒径分布の60個数%以下の分散した顔料粒子が存在
し、また、インクジェット記録により形成された画像部
分を被膜化するようなポリマー成分、あるいはエネルギ
ー付与により硬化する硬化型プレポリマーおよび/また
はモノマーと重合開始剤が、少なくとも前記顔料インク
中に含まれているものである。顔料の平均粒径の測定方
法としては、光散乱法を測定原理とする機器を用いて測
定する。
【0009】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明をさらに詳しく説明する。本発明者らは、インク
ジェット記録方式に顔料インクを用いて、より銀塩写真
に近い画像を得るために、まず、使用する被記録媒体自
体の光沢度を規定した。すなわち、JlS−Z−874
1に基づいて測定された記録面の20度鏡面光沢度が1
5%以上の光沢性を有する被記録媒体を、銀塩写真に近
い画像が形成される好ましい被記録媒体とした。
【0010】次に、顔料インクを付与することで、被記
録媒体の画像部分の光沢性だけが、他の白地部分より失
われてアンバランスにならないように、また、染料イン
クで画像を形成したときの画像部分の光沢性により近い
光沢性を得るには、どのような特性に着目したらよいか
鋭意検討した結果、以下に示す条件を満たさなければな
らないことを本発明者らは見出した。
【0011】すなわち、記録面の20度鏡面光沢度がa
%の該被記録媒体に、該顔料インクを用いてインクジェ
ット記録を施した場合、形成された画像部分の20度鏡
面光沢度がb%のとき、aとbが下記一般式で示される
関係を満たすことである。 a≦b(ただし、a≧15)
【0012】また、このような条件を満たすには、顔料
インク中の顔料粒子がある特定の均一性を有さなければ
ならないことがわかった。すなわち、顔料インク中で分
散している顔料の平均粒径が、50〜200nmの範囲
にあり、かつ200nm以上の粒径範囲に粒径分布の6
0個数%以下の分散した顔料粒子が存在することであ
る。本発明において平均粒径を50nm以下に揃えよう
とすると、顔料の粉砕や分散能力のアップなどに対応す
るための機械装置の準備、工程時間の延長、さらには品
質の安定化などの量産性に関わる問題が発生しやすいた
め、好ましい範囲とはいえない。
【0013】また、平均粒径が200nm以上になる
と、通常の製造方法で得られる顔料インクであれば、イ
ンク中に存在する粗大粒子の割合が多くなってくる。こ
の粗大粒子は、被記録媒体上に付与されると、容易かつ
速やかに顔料の凝集塊を形成するため、形成された画像
の耐擦過性に対しても良くないが、特に被記録媒体の白
地部分の光沢性を被覆してしまうので、その結果、画像
部分の光沢性が失われることになる。また、200nm
以上の粒径範囲に全粒径分布の60個数%を超える量の
顔料粒子が存在すると、この場合も上記と同様に顔料の
凝集塊を形成しやすくなるため好ましくない。
【0014】本発明をさらに好ましく実施するには、イ
ンクジェット記録により形成された画像部分を被膜化す
るようなポリマー成分、あるいはエネルギー付与により
硬化する硬化型プレポリマーおよび/またはモノマーと
重合開始剤を、少なくとも顔料インク中に含ませること
である。
【0015】高分子のポリマーを添加した顔料インクを
用いた場合は、被記録媒体上で画像が形成された後、こ
のポリマーの造膜作用により光沢性のある樹脂の被膜が
形成される。このような作用を有する高分子ポリマーの
具体例としては、水を主成分とした媒体中に水不溶性樹
脂を分散させた分散液、例えば、(メタ)アクリル酸エ
ステル系、スチレン系、スチレン−(メタ)アクリル共
重合体、オレフィン系およびアミノ基、アミド基、カル
ボキシル基、水酸基などの親水性官能基を有するモノマ
ーなどの単独重合または共重合樹脂エマルジョン、マイ
クロエマルジョン、内部三次元架橋した有機微粒子な
ど、あるいは、水溶性樹脂としては、塩基を溶解させた
水溶液に可溶なアルカリ可溶型樹脂、例えば、スチレ
ン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、α,β
−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエス
テルなど、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸誘
導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イ
タコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体などか
ら選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロッ
ク共重合体、あるいはランダム共重合体などのアルカリ
中和物を用いてもよい。
【0016】また、エネルギー付与により形成された画
像部分を硬化させるのも有効な手段である。例えば、エ
ネルギーとして紫外線、熱または電子線を用い、反応さ
せるプレポリマーとしては、ポリエステル(メタ)アク
リレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキ
シ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリ
レート、オリゴ(メタ)アクリレートなど、また、モノ
マーとしては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、多価イソシアネートと水酸
基を有する(メタ)アクリル酸モノマーとの反応物など
が挙げられる。
【0017】また、光重合開始剤としては、アセトフェ
ノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾフェ
ノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテ
ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、チオキサンソン
などが挙げられる。
【0018】上記のようにインク中の高分子ポリマーの
作用で画像部分の顔料層を被膜化する、あるいはエネル
ギー付与によるプレポリマー、モノマーと重合開始剤の
反応で画像部分を硬化させることは、光沢性の付与と耐
擦過性の改良に対してさらに効果的な手段となり得る。
【0019】次に本発明で使用される顔料としては、一
般的な無機顔料および有機顔料であり、例えば、無機顔
料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、チャネル
法、ファーネス法などの公知の方法によって製造された
カーボンブラックを使用することができる。また、有機
顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔
料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多
環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔
料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノ
ン顔料、キノフタロン顔料など)、ニトロ顔料、ニトロ
ソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができ
る。
【0020】また、これらの顔料を分散させるための分
散剤としては、通常の水溶性樹脂や水溶性界面活性剤を
用いることができる。水溶性樹脂の具体例としては、ス
チレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコー
ルエステルなど、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリ
ル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン
酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体
などから選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなる
ブロック共重合体、あるいはランダム共重合体、または
これらの塩などが挙げられる。これらの水溶性樹脂は、
塩基を溶解させた水溶液に可溶なアルカリ可溶型樹脂で
あり、インクジェット用インクに用いた場合に、分散液
の低粘度化が可能であり、かつ分散も容易であるという
利点があるので特に好ましい。
【0021】また、本発明で分散剤として使用できる水
溶性界面活性剤の具体例としては、下記のものが挙げら
れる。例えば、アニオン性界面活性剤としては、高級脂
肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ア
ルキルエステル硫酸塩、アルキルアリルエーテル硫酸
塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキ
ルアリルおよびアルキルナフタレンスルホン酸塩、アル
キルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリ
ン酸エステル塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩など
が挙げられる。また、カチオン性界面活性剤としては、
アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラアルキ
ルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリ
ジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
【0022】さらに両性界面活性剤としては、ジメチル
アルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキ
ルジ(アミノエチル)グリシン、イミダゾリニウムベタ
インなどが挙げられる。また、ノニオン性界面活性剤と
しては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエス
テル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル、グリセリ
ンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタン
エステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトール
エステルのポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸アルカ
ノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミ
ンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどが
挙げられる。
【0023】本発明の水性顔料インクは単色でもよく、
また、複数色のインクからなるインクセットでもよい。
本発明の水性顔料インクは上記した顔料および分散剤
と、これらを分散させるための水系媒体とを少なくとも
有するが、この際に使用する好適な水性媒体としては、
水、または水と水性有機溶剤の混合溶媒を使用すること
が好ましい。本発明において使用するインクの、インク
中における水の含有量は、通常20〜90重量%、好ま
しくは30〜70重量%の範囲である。
【0024】また、本発明において水と混合して使用し
得る水溶性有機溶剤としては、下記の如き3群に分ける
ことができる。すなわち、保湿性が高く、蒸発しにく
く、親水性に優れる第1群の溶剤、有機性があり疎水性
の表面への濡れ性がよく、蒸発乾燥性もある第2群の溶
剤、適度の濡れ性を有し低粘度の第3群の溶剤である。
本発明においてはこれらの溶剤の中から目的に応じて適
宜に選択して使用すればよい。
【0025】第1群に属する溶媒としては、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、トリプロピレングリコール、グリセリン、1,
2,4−ブタントリオール、1,2,6−へキサントリ
オール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2−ブ
タンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、ジメチルスルホキシド、ダイアセトンアル
コール、グリセリンモノアリルエーテル、プロピレング
リコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル300、チオジグリコール、N−メチル−2−ピロリ
ドン、2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、トリメ
チロールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチ
ルグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコ
ールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレング
リコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチル
エーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、β−ジヒドロキシエチルウレア、ウレア、アセトニ
ルアセトン、ペンタエリスリトール、1,4−シクロヘ
キサンジオールなどが挙げられる。
【0026】第2群に属する溶媒としては、へキシレン
グリコール、エチレングリコールモノプロピルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレン
グリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコー
ルモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールジエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレ
ングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコー
ルジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチ
ルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリ
コールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ
プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチル
エーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、グリセリンモノアセテート、グリセリンジアセテー
ト、グリセリントリアセテート、エチレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノール、
1,2−シクロヘキサンジオール、1−ブタノール、3
−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−へキセン−
2,5−ジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5
−へキサンジオールなどが挙げられる。
【0027】第3群に属する溶媒としては、エタノー
ル、n−プロパノール、2−プロパノール、1−メトキ
シ−2−プロパノール、フルフリルアルコール、テトラ
ヒドロフルフリルアルコールなどが挙げられる。
【0028】以上の如き水溶性有機溶媒の総量は、概ね
インク全体に対して5〜40重量%の範囲で使用するこ
とが好ましい。本発明の水性顔料インクには、以上の成
分の他、必要に応じて界面活性剤、pH調整剤、防腐剤
などを添加することが可能である。
【0029】本発明の水性顔料インクは、上記した材料
を分散機によって分散して作製されるが、この際の分散
機としては、一般に使用される分散機なら如何なるもの
も使用し得る。具体的には、例えば、ボールミル、ロー
ルミル、サンドミルなどの分散機が挙げられるが、これ
らの中でも高速度のサンドミルが好ましく、例えば、ス
ーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテ
ータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル、コ
ボルミル(いずれも商品名)などを好ましく使用でき
る。
【0030】本発明において、所望の粒径分布を有する
顔料の分散液あるいはインクを得る方法としては、下記
の方法を用いることができる。例えば、分散機に用いる
粉砕メディアのサイズを小さくする、粉砕メディアの充
填率を大きくする、あるいは粉砕処理時間を長くする、
粉砕速度を遅くするなどの方法や粉砕後、フィルターや
遠心分離機などで分級するなどの手法を用いることがで
きる。勿論、これらの手法を適宜組合わせてもよい。
【0031】本発明で使用する光沢性の被記録媒体は、
その記録面の20度鏡面光沢度が15%以上であれば特
に限定されない。このような記録媒体としては、例え
ば、フォト光沢フイルムHG−201(キヤノン社
製)、専用光沢フイルム(セイコーエプソン社製)、Hi
-Fi JET専用光沢PET(ローランドディー.ジー.社
製)などが挙げられる。
【0032】また、本発明で使用するインクジェット記
録方式は、従来公知の何れの方式でもよいが、例えば、
好ましい方式として記録ヘッドの室内のインクに記録信
号に対応した熱エネルギーを与え、該エネルギーにより
液滴を発生させるインクジェット記録方式が挙げられ
る。
【0033】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。なお、文中「部」または「%」とあるの
は特に断りのない限り重量基準である。 <実施例1>スチレン−メタクリル酸共重合体とこれを
中和するのに必要な所定量の水酸化カリウム、および水
を混合して、約60℃に保温した状態でこれらを撹拌混
合し、10%のスチレン−メタクリル酸共重合体の水溶
液を作製した。このようにして作製したスチレン−メタ
クリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなブ
ラック顔料分散体を作製した。
【0034】・10%スチレン−メタクリル酸共重合体
水溶液20部 ・カーボンブラック 10部 ・グリセリン 20部 ・ジエチレングリコール 20部 ・トリエチレングリコール 10部 ・水 20部
【0035】これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに
仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填
し、水冷しつつ3時間、分散処理を行った。このブラッ
ク顔料分散体を1回目の遠心分離処理(10000rp
m、30分間)することによって、粗大粒子を除去した
後、水にて全体を2倍に希釈してインク化した。次に水
酸化カリウムで中和された20%のスチレン−アクリル
酸共重合体の水溶液をこのインクに添加して、スチレン
−アクリル酸共重合体の含有量が純分で8%になるよう
に調整した。さらにこのインクを2回目の遠心分離処理
(10000rpm、30分間)することによって、粗
大粒子を除去した後、所定の組成になるようにインクを
調製した。そして、最後にこのインクを1μmのメンブ
ランフィルターで濾過することによって、本発明のブラ
ックインクを得た。
【0036】<実施例2>実施例1で作製したスチレン
−メタクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のよ
うなイエロー顔料分散体を作製した。 ・10%スチレン−メタクリル酸共重合体水溶液20部 ・C.I.Pigment Yellow 74 10部 ・グリセリン 20部 ・ジエチレングリコール 20部 ・トリエチレングリコール 10部 ・水 20部
【0037】これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに
仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填
し、水冷しつつ3時間、分散処理を行った。このイエロ
ー顔料分散体を1回目の遠心分離処理(10000rp
m、15分間)することによって、粗大粒子を除去した
後、水にて全体を2倍に希釈してインク化した。
【0038】次にウレタン樹脂エマルジョン(商品名:
ユーコートUWS−140、樹脂成分35%、三洋化成
工業製)をこのインクに添加して、インク中での含有量
が純分で3%になるように調製した。さらにこのインク
を2回目の遠心分離処理(10000rpm、15分
間)することによって、粗大粒子を除去した後、所定の
組成になるようにインクを調製した。そして、最後にこ
のインクを1μmのメンブランフィルターで濾過するこ
とによって、本発明のイエローインクを得た。
【0039】<実施例3>実施例1で作製したスチレン
−メタクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のよ
うなマゼンタ顔料分散体を作製した。 ・10%スチレン−メタクリル酸共重合体水溶液20部 ・C.I.Pigment Red 122 10部 ・グリセリン 20部 ・ジエチレングリコール 20部 ・トリエチレングリコール 10部 ・水 20部
【0040】これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに
仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填
し、水冷しつつ3時間、分散処理を行った。このマゼン
タ顔料分散体を1回目の遠心分離処理(10000rp
m、20分間)することによって、粗大粒子を除去した
後、水にて全体を2倍に希釈してインク化した。
【0041】次にこのインクに紫外線硬化型モノマー
(商品名:A−TMPT、新中村化学社製)と光重合開
始剤(商品名:イルガキュア651、チバガイギー社
製)をそれぞれインク中で8%、0.5%になるように
添加した。さらにこのインクを2回目の遠心分離処理
(10000rpm、20分間)することによって、粗
大粒子を除去した後、所定の組成になるようにインクを
調製した。そして、最後にこのインクを1μmのメンブ
ランフィルターで濾過することによって、本発明のマゼ
ンタインクを得た。
【0042】<実施例4>実施例1で作製したスチレン
−メタクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のよ
うなシアン顔料分散体を作製した。 ・10%スチレン−メタクリル酸共重合体水溶液20部 ・C.I.Pigment Blue 15:3 10部 ・グリセリン 20部 ・ジエチレングリコール 20部 ・トリエチレングリコール 10部 ・水 20部
【0043】これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに
仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填
し、水冷しつつ3時間、分散処理を行った。このシアン
顔料分散体を1回目の遠心分離処理(10000rp
m、30分間)することによって、粗大粒子を除去した
後、水にて全体を2倍に希釈してインク化した。
【0044】次に水酸化カリウムで中和された20%の
スチレン−アクリル酸共重合体の水溶液をこのインクに
添加して、スチレン−アクリル酸共重合体の含有量が純
分で6%になるように調整した。さらにこのインクを2
回目の遠心分離処理(10000rpm、30分間)す
ることによって、粗大粒子を除去した後、所定の組成に
なるようにインクを調製した。そして、最後にこのイン
クを1μmのメンブランフィルターで濾過することによ
って、本発明のシアンインクを得た。
【0045】<比較例1>実施例1で作製したスチレン
−メタクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のよ
うなシアン顔料分散体を作製した。 ・10%スチレン−メタクリル酸共重合体水溶液20部 ・C.I.Pigment Blue 15:3 10部 ・グリセリン 20部 ・ジエチレングリコール 20部 ・トリエチレングリコール 10部 ・水 20部
【0046】これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに
仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填
し、水冷しつつ2時間、分散処理を行った。このシアン
顔料分散体を遠心分離処理(10000rpm、30分
間)することによって、粗大粒子を除去した後、水にて
全体を2倍に希釈してインク化した。2回目の遠心分離
処理、およびメンブランフィルターによる濾過は実施せ
ずに比較例のシアンインクを得た。
【0047】<比較例2>実施例1で作製したスチレン
−メタクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のよ
うなマゼンタ顔料分散体を作製した。 ・10%スチレン−メタクリル酸共重合体水溶液20部 ・C.I.Pigment Red 122 10部 ・グリセリン 20部 ・ジエチレングリコール 20部 ・トリエチレングリコール 10部 ・水 20部
【0048】これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに
仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填
し、水冷しつつ3時間、分散処理を行った。このマゼン
タ顔料分散体を遠心分離処理(10000rpm、30
分間)することによって、粗大粒子を除去した後、水に
て全体を2倍に希釈してインク化した。2回目の遠心分
離処理、およびメンブランフィルターによる濾過は実施
せずに、比較例のマゼンタインクを得た。
【0049】以上のようにして得られた実施例1〜4お
よび比較例1〜2のインク中に存在する顔料粒子の平均
粒径および200nm以上の粒径範囲に存在する顔料粒
子の割合を表1に示す。
【0050】
【0051】<評価方法および結果>上記実施例1〜4
および比較例1〜2のインクをBJF600プリンタ
(キヤノン社製)専用のインクカートリッジに充填し
て、以下の3種類のインクジェット専用の光沢系被記録
媒体に記録した。 a.フォト光沢フイルムHG−201(キヤノン社製) b.専用光沢フイルム(セイコーエプソン社製) c.Hi-Fi JET専用光沢PET(ローランドディー.ジ
ー.社製)
【0052】また、実施例3に関しては、記録後、画像
部分に速やかに紫外線を照射したものについて下記の評
価を行った。その時の照射条件は、約10秒の照射で約
500mJ/cm2の強度であった。
【0053】(1)記録面の表面光沢度測定 被記録媒体の記録表面の白地部分および上記インクにて
ベタ記録を行ったベタ画像部分のJlS−Z−8741
に基づく20度鏡面光沢度を、デジタル変角光沢計UG
V−5D(スガ試験機製)を用いて測定した。
【0054】(2)耐擦過性評価 上記(1)の条件で、印字したベタ画像部分を数時間放
置した後、指で擦ったり、爪で軽く引っかいたりして調
べた。 ○:指への付着、画像の汚れ、色落ちが発生しない。 ×:指への付着、画像の汚れ、色落ちが発生する。 上記の各評価項目についての結果を表2に示す。
【0055】
【0056】
【発明の効果】本発明の顔料インクを用いれば、光沢系
のインクジェットプリンタ専用記録媒体に対しても、画
像部分の光沢性および擦過性が従来より改良されたフル
カラー画像を提供することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA04 EA13 FC01 FC02 2H086 BA41 BA59 BA60 4J039 AD01 AD02 AD03 AD10 AD13 AD14 AD23 AE04 BC03 BC07 BC12 BC16 BC54 BE01 BE27 EA06 EA07 EA08 EA33 EA36 GA24

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット記録方式により、顔料イ
    ンクと光沢性の被記録媒体を用いて画像を形成する際
    に、記録面の20度鏡面光沢度がa%の該被記録媒体
    に、該顔料インクを用いてインクジェット記録を施した
    場合、形成された画像部分の20度鏡面光沢度がb%の
    とき、aとbが下記一般式で示される関係を満たすこと
    を特徴とするインクジェット記録用顔料インク。 a≦b (ただし、a≧15)
  2. 【請求項2】 前記顔料インク中で分散している顔料の
    平均粒径が、50〜200nmの範囲にあり、かつ20
    0nm以上の粒径範囲に粒径分布の60個数%以下の分
    散した顔料粒子が存在する請求項1に記載のインクジェ
    ット記録用顔料インク。
  3. 【請求項3】 前記形成された画像部分を被膜化するよ
    うなポリマー成分、あるいはエネルギー付与により硬化
    する硬化型プレポリマーおよび/またはモノマーと重合
    開始剤が、少なくとも前記顔料インク中に含まれている
    請求項1に記載のインクジェット記録用顔料インク。
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