JP2004243548A - 画像形成方法、インクジェット記録装置及びそれに用いる活性光線硬化型インク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インクジェット記録ヘッドより、活性光線硬化型インクを記録材料上に吐出して画像を形成する画像形成方法であって、該記録材料上に活性光線硬化型インクが着弾した後、210〜280nmに最高照度を有する発光ダイオードを複数個配列したランプにより硬化することを特徴とする画像形成方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規の画像形成方法、インクジェット記録装置及びそれに用いる活性光線硬化型インクに関し、詳しくは、記録材料に対するしわ・カールの発生がなく、かつ印字画像の文字品質及び色混じり耐性に優れた画像形成方法、インクジェット記録装置及びそれに用いる活性光線硬化型インクに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット記録方式が、簡便で安価に画像を作成できる点から、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に広く応用されてきている。特に、微細なドットを出射、制御する記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインクと、インクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙との組み合わせで、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。今日のインクジェット記録方式の画質向上は、記録装置、インク、専用紙の全てが揃って初めて達成されている。
【0003】
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェットシステムでは、使用できる記録媒体が制限されること、記録媒体のコストアップが問題となる。そこで、専用紙と異なる被転写媒体へ、インクジェット方式により記録する試みが多数なされている。具体的には、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式や、記録後紫外線(UV)光や電子線により架橋させる活性光線硬化型インクジェット方式などである。
【0004】
中でも、UVインクジェット方式は、ソルベント系インクジェット方式に比べ、比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性の無い記録媒体への記録ができる点で、近年注目されつつあり、例えば、特開平6−200204号、特表2000−504778号等において、紫外線硬化型インクジェットインクが開示されている。
【0005】
しかしながら、これらのインクを用いたとしても、記録材料の種類や作業環境によって、着弾後のドット径が大きく変化してしまい、様々な記録材料に対して、高精細な画像を形成することは不可能である。
【0006】
例えば、この紫外線硬化型インクとしては、アクリル系組成物を中心とした光重合性化合物を用いたラジカル重合型紫外線硬化型インクとカチオン重合型紫外線硬化型インク等が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)が、下記のような課題が残っている。
【0007】
ラジカル重合型紫外線硬化型インクは、その重合メカニズム上、酸素が介在した環境では酸素阻害作用を受けるため、硬化性が落ちて画質が低下する問題がある。一方、カチオン重合型紫外線硬化型インクは、酸素阻害作用を受けることはないが、重合反応の性質上、分子レベルの水分(湿度)の影響を受けやすいといった問題がある。
【0008】
上記課題に対し、オキシラン基含有化合物と、オキセタン環含有化合物と、ビニルエーテル化合物を特定の比率で混合して、光重合性及び硬化性に優れたインクジェットインキが提案されている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、上記構成からなるインクジェットインキは、照射する活性光源の種類に寄っては、所望の硬化強度が得られなかったり、あるいは到達硬化が変動することが判明した。
【0009】
また、これらのインクを食品包装をはじめとする軟包装で使われるような薄膜プラスチックフィルムに付与、紫外線を照射すると、インク硬化収縮及び硬化反応時の発熱ばかりでなく照射する紫外線ランプより発生する熱により、記録材料のカールや波打ち等が発生し、印刷物としての価値が下がるといった問題があった。
【0010】
【特許文献1】
欧州特許第540,203号明細書
【0011】
【特許文献2】
国際公開第97/31,071号パンフレット
【0012】
【特許文献3】
国際公開第99/29,788号パンフレット
【0013】
【特許文献4】
特開2002−188025号公報(第2〜第7頁)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、紫外線により硬化する活性光線硬化型インクをインクジェット記録方法により様々な記録材料に印字した場合にも、記録材料に対するしわ・カールの発生がなく、かつ印字画像の文字品質及び色混じり耐性に優れた画像形成方法、インクジェット記録装置及びそれに用いる活性光線硬化型インクを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
【0016】
1.インクジェット記録ヘッドより、活性光線硬化型インクを記録材料上に吐出して画像を形成する画像形成方法であって、該記録材料上に活性光線硬化型インクが着弾した後、210〜280nmに最高照度を有する発光ダイオードを複数個配列したランプにより硬化することを特徴とする画像形成方法。
【0017】
2.前記記録材料上に前記活性光線硬化型インクが着弾した後、0.001〜2.0秒の間に前記ランプを照射することを特徴とする前記1項記載の画像形成方法。
【0018】
3.前記活性光線硬化型インクが着弾し、ランプを照射して硬化した後の総インク膜厚が、2〜20μmであることを特徴とする前記1または2項に記載の画像形成方法。
【0019】
4.前記インクジェット記録ヘッドの各ノズルより吐出するインク液滴量が、1〜15plであることを特徴とする前記1〜3項のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0020】
5.前記記録材料が、非吸収性記録材料であることを特徴とする前記1〜4項のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0021】
6.前記210〜280nmに最高照度を有する発光ダイオードが、ダイヤモンド薄膜を発光素子に用いた発光ダイオードであることを特徴とする前記1〜5項のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0022】
7.前記1〜6項のいずれか1項に記載の画像形成方法に用いられるインクジェット記録装置であって、インクジェット記録ヘッドを収納したキャリッジの両端部に、紫外LEDを複数個配列したランプを設けることを特徴とするインクジェット記録装置。
【0023】
8.前記1〜6項のいずれか1項に記載の画像形成方法に用いられる複数色のインクを吐出するインクジェット記録装置であって、該複数色のインクを吐出する各インクジェット記録ヘッドの横に、紫外LEDを複数個配列したランプを設けることを特徴とするインクジェット記録装置。
【0024】
9.前記1〜6項のいずれか1項に記載の画像形成方法に用いられるインクジェット記録装置であって、インクジェット記録ヘッドがラインヘッド方式であって、該インクジェット記録ヘッドの下流側に紫外LEDを複数個配列したランプを設けることを特徴とするインクジェット記録装置。
【0025】
10.前記ランプの総消費電力が、1kw・hr未満であることを特徴とする前記7〜9項のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【0026】
11.前記1〜6項のいずれか1項に記載の画像形成方法に用いられる活性光線硬化型インクであって、25℃における粘度が7〜50mPa・sであることを特徴とする活性光線硬化型インク。
【0027】
12.前記1〜6項のいずれか1項に記載の画像形成方法に用いられる光重合性モノマーを含有する活性光線硬化型インクであって、該光重合性モノマーが、少なくとも1種のオキセタン環を有する化合物であることを特徴とする活性光線硬化型インク。
【0028】
13.前記1〜6項のいずれか1項に記載の画像形成方法に用いられる光重合性モノマーを含有する活性光線硬化型インクであって、該光重合性モノマーが、60〜95質量%の少なくとも1種のオキセタン環を有する化合物と、5〜40質量%の少なくとも1種のオキシラン基を有する化合物と、0〜40質量%の少なくとも1種のビニルエーテル化合物とからなることを特徴とする活性光線硬化型インク。
【0029】
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、インクジェット記録ヘッドより、活性光線硬化型インクを記録材料上に吐出し、活性光線硬化型インクが着弾した後、210〜280nmに最高照度を有する発光ダイオードを複数個配列したランプにより硬化する画像形成方法により、形成した画像の硬化性が飛躍的に改良され、更にランプから発生する熱による記録材料のカールや、インク硬化時のしわ無く、かつ、再現性良く高精細な画像を形成できることを見出し本発明に至った次第である。特に、熱に弱い薄膜のプラスチックフィルムなどに画像を形成する場合において、本発明の構成からなる画像形成方法が特に有効となる。
【0030】
210〜280nmに最高照度を有する発光ダイオードとしては、ボロンを3×1020cm−3以上の高濃度にドーピングしたダイヤモンドが、248nm(5.00eV)にピークを持つ紫外線発光を呈することは既に知られているが、この発光は、通常の励起子発光と異なり室温でも強度の低下がないという特徴が有り、特にインクジェット画像記録による画像形成に適していることを見出したものである。
【0031】
上記構成に加えて、画像記録方法として、発光ダイオードがダイヤモンド薄膜を発光素子に用いた発光ダイオードであること、活性光線硬化型インクが着弾した後、0.001〜2.0秒の間に前記ランプを照射すること、活性光線硬化型インクが着弾し、ランプを照射して硬化した後の総インク膜厚の範囲を2〜20μmとすること、インクジェット記録ヘッドの各ノズルより吐出するインク液滴量を1〜15plとすること、記録材料として非吸収性記録材料を用いることにより、本発明の目的効果がより一層発揮できることを見出したものである。
【0032】
更に、210〜280nmに最高照度を有する発光ダイオードにより硬化する活性光線硬化型インクとして、光重合性化合物少なくとも1種として、オキセタン環を含有する化合物を用いることにより、インクジェット記録をする上で重要な特性とされる吐出安定性が非常に良好となり、かつ硬化環境に左右されずにインクが記録材料上に着弾した後のDot径の制御が容易にでき、再現性よく高画質な画像を形成することができることを見出したものである。
【0033】
以下、本発明の詳細について説明する。
はじめに、本発明の画像形成方法について説明する。
【0034】
本発明の画像形成方法は、活性光線硬化型インク(以下、単にインクともいう)をインクジェット記録方式により記録材料上に吐出、描画し、次いで、210〜280nmに最高照度を持つ紫外線発光ダイオードを複数個配列したランプにより硬化する。
【0035】
本発明に係る210〜280nmに最高照度を持つ紫外線発光ダイオードとしては、ダイヤモンド薄膜を発光素子に用いた発光ダイオードであることが好ましく、例えば、ダイヤモンド薄膜を発光素子として用いたLEDが既に知られており、それら公知のLEDを使用することができる。具体的には、第46回応用物理学関係連合会講演会(1999年春季)予稿集629頁に紹介されているような神戸製鋼社製のLEDを挙げることができる。
【0036】
上記210〜280nmに最高照度を持つ紫外線発光ダイオードから構成されるランプは、インクジェット記録ヘッドを収納したキャリッジの両端部に配置してもよく、また複数色のインクを吐出する各インクジェット記録ヘッドの横に、それぞれ配置してもよく、あるいはインクジェット記録ヘッドがラインヘッド方式である場合には、インクジェット記録ヘッドの下流側に配置してもよい。
【0037】
本発明の画像形成方法において、インクの吐出条件としては、インクジェット記録ヘッド及びインクを35〜100℃に加熱して吐出することが、吐出安定性の観点から好ましい。活性光線硬化型インクは、一般に、温度変化に対する粘度変動幅が大きく、粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与えて画質劣化を起こすため、インク温度を上げながら、かつその温度を一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅としては、設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。
【0038】
また、本発明の画像形成方法においては、各ノズルより吐出するインク液滴量が1〜15plであることが好ましい。本来、高精細画像を形成するためには、インク液滴量をこの範囲で制御することが必要であるが、従来の活性光線硬化型インクを用いたインクジェット記録装置では、液滴量が20pl以上であり、高精細な画像を形成することは不可能であった。
【0039】
本発明の画像記録方法においては、210〜280nmに最高照度を有する発光ダイオードによる照射条件として、インク着弾後0.001秒〜2.0秒の間に活性光線が照射されることが好ましく、後述する図1及び図2に記載の構成であれば、本発明で規定する条件を満すことができる。より好ましくは0.001〜1.0秒であり、各色ヘッドの間に本発明に係る発光ダイオードを複数個配列したランプを設けることにより達成できる。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができる限り早いことが、特に重要な要件となる。
【0040】
本発明の画像記録方法においては、記録材料上にインクが着弾し、210〜280nmに最高照度を有する発光ダイオードにより活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が、2μm〜20μmであることが好ましい。スクリーン印刷分野の活性光線硬化型インクジェット記録では、総インク膜厚が20μmを越えているのが現状であるが、記録材料が薄いプラスチック材料であることが多い軟包装印刷分野では、記録材料のカール・皺の問題だけでなく、印刷物全体のこし・質感が変わってしまうという問題が有るため、過剰な膜厚のインク吐出は好ましくない。なお、ここでいう総インク膜厚とは、記録材料に描画されたインクの膜厚の最大値を意味し、単色でも、それ以外の2色重ね(二次色)、3色重ね、4色重ね(白インクベース)のインクジェット記録方式で記録を行った場合でも総インク膜厚の意味するところは同様である。本発明で規定する総インク膜厚とするためには、前述の範囲のインク液滴量で高濃度なインクを吐出することにより達成できる。
【0041】
従来、活性光線硬化型インクジェット方式では、インク着弾後のドット広がり、滲みを抑制のために、ランプ(光源)の総消費電力が1kW・hrを超える高照度の光源が用いられるのが通常であった。しかしながら、これらの光源を用いると、特に、シュリンクラベルなどへの印字では、記録材料のカール・収縮があまりにも大きく、実質上使用出来ないのが現状であった。
【0042】
本発明においては、活性光線を照射するランプの総消費電力が1kW・hr未満であることが好ましい。総消費電力が1kW・hr未満の光源の例としては、蛍光管、冷陰極管、LEDなどがあるが、本発明においては、これらの中でも高出力な本発明に係るLEDを採用することが特徴である。本発明によれば、高出力かつ発熱の少ないLEDを用いることにより、上記のように少ない消費電力であっても、文字品質に優れ、色混じりの発生がなく、高精細な画像を非常に安定に記録することができるインクジェット記録が可能となる。
【0043】
本発明の画像形成方法においては、後述する活性光線硬化型インクを記録材料上に吐出して画像を形成するものである。本発明で用いることのできる記録材料としては、特に制限はないが、非吸収性記録材料であることが好ましい。
【0044】
本発明でいう非吸収性記録材料とは、インク組成物を吸収しないと言う意味であり、本発明においては、下記に示すようなブリストウ法におけるインク転移量が、0.1ml/mm2未満、実質的に0ml/mm2であるようなものを非吸収性記録材料と定義する。
【0045】
本発明に係る非吸収性記録材料としては、通常の非コート紙、コート紙などの他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチック及びそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、OPS(延伸ポリスチレン)フィルム、OPP(延伸ポリプロピレン)フィルム、ONy(延伸ナイロン)フィルム、PVC(ポリビニルクロライド)フィルム、PE(ポリエチレン)フィルム、TAC(トリアセチルセルロース)フィルムを挙げることができる。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体)、ポリアセタール、PVA(ポリビニルアルコール)、ゴム類などが使用できる。また、金属類や、ガラス類にも適用可能である。これらの記録材料の中でも、特に熱でシュリンク可能な、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルムへ画像を形成する場合に本発明の構成は、有効となる。これらの基材は、インクの硬化収縮、硬化反応時の発熱などにより、フィルムのカール、変形が生じやすいばかりでなく、インク膜が基材の収縮に追従し難い。
【0046】
これら、各種プラスチックフィルムの表面エネルギーは大きく異なり、記録材料によってインク着弾後のドット径が変わってしまうことが、従来から問題となっていた。本発明の構成では、表面エネルギーの低いOPPフィルム、OPSフィルムや表面エネルギーの比較的大きいPETまでを含む、表面エネルギーが35〜60mJ/m2のような広範囲の記録材料に良好な高精細な画像を形成できるが、更に好ましくは、40〜60mJ/m2の範囲の記録材料である。
【0047】
本発明において、包装の費用や生産コスト等の記録材料のコスト、プリントの作製効率、各種のサイズのプリントに対応できる等の点で、長尺(ウェブ)な記録材料を使用する方が有利である。
【0048】
次いで、本発明の画像形成方法で用いることのできるインクジェット記録装置について、図面を適宜参照しながら説明する。なお、例示する図面のインクジェット記録装置は、あくまでも本発明のインクジェット記録装置の一態様であり、本発明はこの図面に限定されれるものではない。
【0049】
図1は、本発明のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す正面図である。
【0050】
インクジェット記録装置1は、ヘッドキャリッジ2、インクジェット記録ヘッド3、210〜280nmに最高照度を有する発光ダイオードを複数個配列したランプである照射手段4、プラテン部5等を備えて構成される。このインクジェット記録装置1は、記録材料Pの下にプラテン部5が設置されている。プラテン部5は、紫外線を吸収する機能を有しており、記録材料Pを通過してきた余分な紫外線を吸収する。その結果、高精細な画像を非常に安定に再現できる。
【0051】
記録材料Pは、ガイド部材6に案内され、搬送手段(図示せず)の作動により、図1における手前から奥の方向に移動する。ヘッド走査手段(図示せず)は、ヘッドキャリッジ2を図1におけるY方向に往復移動させることにより、ヘッドキャリッジ2に保持されたインクジェット記録ヘッド3の走査を行なう。
【0052】
ヘッドキャリッジ2は記録材料Pの上側に設置され、記録材料P上の画像印刷に用いる色の数に応じてインクジェット記録ヘッド3を複数個、インク吐出口31を下側に配置して収納する。ヘッドキャリッジ2は、図1におけるY方向に往復自在な形態で、インクジェット記録装置1本体に対して設置されており、ヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に往復移動する。
【0053】
なお、図1ではヘッドキャリッジ2がホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ライトイエロー(Ly)、ライトマゼンタ(Lm)、ライトシアン(Lc)、ライトブラック(Lk)、ホワイト(W)の各インクジェット記録ヘッド3を収納するものとして描図を行なっているが、実施の際にはヘッドキャリッジ2に収納されるインクジェット記録ヘッド3の色数は、適宜決められるものである。また、各インクジェット記録ヘッド3の間に、照射手段4(ランプ)を設けても良い。
【0054】
インクジェット記録ヘッド3は、インク供給手段(図示せず)により供給された活性光線硬化型インク(例えば、紫外線硬化型インク)を、内部に複数個備えられた吐出手段(図示せず)の作動により、インク吐出口31から記録材料Pに向けて吐出する。インクジェット記録ヘッド3により吐出される紫外線硬化型インクは、色材、重合性モノマー、開始剤等を含んで構成されており、紫外線の照射を受けることにより、開始剤が触媒として作用することに伴なうモノマーの架橋、重合反応によって硬化する性質を有する。
【0055】
インクジェット記録ヘッド3は、記録材料Pの一端からヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に記録材料Pの他端まで移動するという走査の間に、記録材料Pにおける一定の領域(着弾可能領域)に対して紫外線硬化型インクをインク滴として吐出し、着弾可能領域にインク滴を着弾させる。
【0056】
上記走査を適宜回数行ない、1領域の着弾可能領域に向けて紫外線硬化型インクの吐出を行なった後、搬送手段で記録材料を図1における手前から奥方向に適宜移動させ、再びヘッド走査手段による走査を行ないながら、インクジェット記録ヘッド3により上記着弾可能領域に対し、図1における奥方向に隣接した次の着弾可能領域に対して紫外線硬化型インクの吐出を行なう。
【0057】
上述の操作を繰り返して、ヘッド走査手段及び搬送手段と連動してインクジェット記録ヘッド3から紫外線硬化型インクを吐出することにより、記録材料P上に紫外線硬化型インク液滴の集合体からなる画像が形成される。
【0058】
図2は、インクジェット記録装置の要部の構成の他の一例を示す上面図である。
【0059】
図2で示したインクジェット記録装置は、ラインヘッド方式と呼ばれており、ヘッドキャリッジ2に、各色のインクジェット記録ヘッド3を、記録材料Pの全幅をカバーするようにして、複数個、固定配置されている。
【0060】
一方、ヘッドキャリッジ2の下流側には、同じく記録材料Pの全幅をカバーするようにして、本発明に係る210〜280nmに最高照度を有する発光ダイオードからなる照射光源8、例えば、図2に示すように走査方向に4個、副走査方向に10個配列して、インク印字面全域をカバーするように配置されている照射手段4が設けられている。
【0061】
このラインヘッド方式では、ヘッドキャリッジ2及び照射手段4は固定され、記録材料Pのみが、搬送されて、インク出射及び硬化を行って画像形成を行う。
【0062】
次に、本発明の活性光線硬化型インクの詳細について説明する。
本発明の活性光線硬化型インクにおいては、少なくとも重合性モノマー、光開始剤から構成される。
【0063】
はじめに、重合性モノマーについて説明する。
本発明で用いることのできる重合性モノマーとしては、ラジカル重合性モノマー、カチオン重合性モノマーを挙げることができる。
【0064】
ラジカル重合性モノマーとしては、特に制限はないが、好ましくは各種の(メタ)アクリレートモノマーを挙げることができる。例えば、イソアミルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソミルスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、ラクトン変性可とう性アクリレート、t−ブチルシクロヘキシルアクリレート等の単官能モノマー、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ビスフェノールAのEO(エチレンオキサイド)付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのPO(ポリエチレンオキサイド)付加物ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート等の2官能モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の三官能以上の多官能モノマーが挙げられる。この他、重合性のオリゴマー類も、モノマー同様に配合可能である。重合性オリゴマーとしては、エポキシアクリレート、脂肪族ウレタンアクリレート、芳香族ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、直鎖アクリルオリゴマー等が挙げられる。
【0065】
なお、感作性、皮膚刺激性、眼刺激性、変異原性、毒性などの観点から、上記モノマーの中でも特に、イソアミルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソミルスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、イソボルニルアクリレート、ラクトン変性可とう性アクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。
【0066】
更に、この中でも、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソステアリルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、イソボルニルアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが特に好ましい。
【0067】
また、カチオン重合性モノマーとしては、各種公知のカチオン重合性のモノマーを挙げることができ、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、特開2001−40068号、特開2001−55507号、特開2001−310938号、特開2001−310937号、特開2001−220526号等の各公報に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物等が挙げられる。
【0068】
本発明において、芳香族エポキシドとして好ましい化合物は、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルであり、例えば、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここで、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
【0069】
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化して得られる化合物を挙げることができ、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
【0070】
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。これらのエポキシドのうち、硬化速度を考慮すると、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
【0071】
本発明で用いることのできるビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
【0072】
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。
【0073】
本発明の活性光線硬化型インクにおいては、光重合性モノマーとして、少なくとも1種のオキセタン環を有する化合物を用いることが好ましい態様である。
【0074】
少なくとも1種のオキセタン環を有する化合物としては、特開2001−220526号、特開2001−310937号に記載されているような公知のあらゆるオキセタン化合物を挙げることができる。
【0075】
ただし、オキセタン環を5個以上有する化合物を使用した場合には、インク組成物の粘度が高くなるため、取扱いが困難になったり、又インク組成物のガラス転移温度が高くなるため、得られる硬化物の粘着性が十分でなくなってしまうため、本発明で使用するオキセタン環を有する化合物としては、オキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。
【0076】
以下、本発明に係るオキセタン化合物の詳細について説明する。
本発明に1個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(1)で示される化合物が挙げられる。
【0077】
【化1】
【0078】
一般式(1)において、R1は水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基またはチエニル基である。R2は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等の炭素数2〜6個のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等の芳香環を有する基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、またはエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等の炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基等である。本発明で使用するオキセタン化合物としては、1個のオキセタン環を有する化合物を使用することが、得られる組成物が粘着性に優れ、低粘度で作業性に優れるため、特に好ましい。
【0079】
2個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(2)で示される化合物等が挙げられる。
【0080】
【化2】
【0081】
一般式(2)において、R1は、上記一般式(1)におけるそれと同様の基である。R3は、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の線状または分枝状アルキレン基、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等の線状または分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等の線状または分枝状不飽和炭化水素基、またはカルボニル基またはカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基等である。
【0082】
また、R3としては、下記一般式(3)、(4)及び(5)で示される基から選択される多価基も挙げることができる。
【0083】
【化3】
【0084】
一般式(3)において、R4は、水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシル基、カルボキシル基、またはカルバモイル基である。
【0085】
【化4】
【0086】
一般式(4)において、R5は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF3)2、又はC(CH3)2を表す。
【0087】
【化5】
【0088】
一般式(5)において、R6は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。nは0〜2000の整数である。R7はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。R7としては、更に、下記一般式(6)で示される基から選択される基も挙げることができる。
【0089】
【化6】
【0090】
一般式(6)において、R8は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。mは0〜100の整数である。
【0091】
2個のオキセタン環を有する化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
【0092】
【化7】
【0093】
例示化合物1は、前記一般式(2)において、R1がエチル基、R3がカルボキシル基である化合物である。また、例示化合物2は、前記一般式(2)において、R1がエチル基、R3が前記一般式(5)でR6及びR7がメチル基、nが1である化合物である。
【0094】
2個のオキセタン環を有する化合物において、上記の化合物以外の好ましい例としては、下記一般式(7)で示される化合物がある。一般式(7)において、R1は、前記一般式(1)のR1と同義である。
【0095】
【化8】
【0096】
また、3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(8)で示される化合物が挙げられる。
【0097】
【化9】
【0098】
一般式(8)において、R1は、前記一般式(1)におけるR1と同義である。R9としては、例えば、下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基又は下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは、3又は4である。
【0099】
【化10】
【0100】
上記Aにおいて、R10はメチル基、エチル基又はプロピル基等の低級アルキル基である。また、上記Dにおいて、pは1〜10の整数である。
【0101】
3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、例示化合物3が挙げられる。
【0102】
【化11】
【0103】
さらに、上記説明した以外の1〜4個のオキセタン環を有する化合物の例としては、下記一般式(9)で示される化合物が挙げられる。
【0104】
【化12】
【0105】
一般式(9)において、R8は前記一般式(6)のR8と同義である。R11はメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基又はトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
【0106】
本発明で使用するオキセタン化合物の好ましい具体例としては、以下に示す化合物がある。
【0107】
【化13】
【0108】
上述したオキセタン環を有する各化合物の製造方法は、特に限定されず、従来知られた方法に従えばよく、例えば、パティソン(D.B.Pattison,J.Am.Chem.Soc.,3455,79(1957))が開示している、ジオールからのオキセタン環合成法等がある。また、これら以外にも、分子量1000〜5000程度の高分子量を有する1〜4個のオキセタン環を有する化合物も挙げられる。これらの具体的化合物例としては、以下の化合物が挙げられる。
【0109】
【化14】
【0110】
本発明においては、重合性のモノマーとして、単官能、二官能、三官能以上の多官能モノマーを併用することが特に好ましい。単官能モノマーは硬化時の収縮率を下げる効果が大きく、また低粘度でインクジェット記録時の射出安定性が得られやすい。二官能モノマーは適度な感度と様々な記録材料への接着性に優れる。三官能以上の多官能モノマーは感度および硬化後の膜強度を得られる。これら三者を併用することで、硬化収縮によるカールや波打ちの防止、基材への接着性・追従性、高感度化、が達成される。特に印刷後基材自体を収縮させるシュリンクフィルムの場合には非常に有効である。
【0111】
単官能モノマーはインク組成物全体の5〜40質量%、二官能モノマーは5〜40質量%、三官能以上の多官能モノマーは5〜30質量%含有させることが好ましい。併用するモノマーは、その溶解性パラメーター(SP値)の最大値と最小値の差が、1以上である組合せが、様々な基材への接着性、硬化収縮起因のカールを防止する点で好ましい。更に好ましくは1.5以上である。
【0112】
本発明に用いられる活性光線硬化型インクとしては、上記重合性モノマーの中でも、酸素重合阻害のないカチオン重合性モノマーが好ましく、その中でもオキセタン環を有する化合物を用いることが硬化性の点で好ましい。更に、オキセタン環を有する化合物を60〜95質量%、オキシラン基を有する化合物を5〜40質量%、ビニルエーテル化合物を0〜40質量%の範囲でそれぞれ含む活性光線硬化型インクが、硬化性及び吐出安定性の点で好ましい。
【0113】
本発明で用いることのできる光ラジカル開始剤としては、アリールアルキルケトン、オキシムケトン、チオ安息香酸S−フェニル、チタノセン、芳香族ケトン、チオキサントン、ベンジルとキノン誘導体、ケトクマリン類などの従来公知の開始剤が使用出来る。開始剤については「UV・EB硬化技術の応用と市場」(シーエムシー出版、田畑米穂監修/ラドテック研究会編集)に詳しい。中でもアシルフォスフィンオキシドやアシルホスフォナートは、感度が高く、開始剤の光開裂により吸収が減少するため、インクジェット方式のように1色当たり5〜12μmの厚みを持つインク画像での内部硬化に特に有効である。具体的には、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドなどが好ましい。
【0114】
光カチオン開始剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
【0115】
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C6F5)4 −、PF6 −、AsF6 −、SbF6 −、CF3SO3 −塩を挙げることができる。
【0116】
本発明で用いることのできるオニウム化合物の具体的な例を、以下に示す。
【0117】
【化15】
【0118】
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができ、その具体的な化合物を、以下に例示する。
【0119】
【化16】
【0120】
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができ、以下にその具体的な化合物を例示する。
【0121】
【化17】
【0122】
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
【0123】
【化18】
【0124】
また、前述の重合性モノマー同様、安全性を考慮した選択では、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(ダロキュア(R)1173)が好適に用いられる。好ましい添加量は、インク組成物全体の1〜6質量%、好ましくは2〜5質量%である。本発明では、インク膜の基材への接着性・追従性を上げる観点から、波長または強度を変えて2段階に照射を分けることが好ましく、開始剤についても吸光波長の異なる2種以上を併用することが特に好ましい。
【0125】
本発明の活性光線硬化型インクは、上述の活性光線硬化型組成物と共に、各種公知の染料または顔料を含有するが、好ましくは顔料を含有することである。
【0126】
本発明で用いることのできる顔料の一例を、以下に列挙する。
C.I Pigment Yellow−1、3、12、13、14、17、81、83、87、95、109、42、
C.I Pigment Orange−16、36、38、
C.I Pigment Red−5、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、144、146、185、101、
C.I Pigment Violet−19、23、
C.I Pigment Blue−15:1、15:3、15:4、18、60、27、29、
C.I Pigment Green−7、36、
C.I Pigment White−6、18、21、
C.I Pigment Black−7、
等が使用できるが、これにのみ限定されるものではない。
【0127】
また、本発明において、プラスチックフィルムのような透明基材での色の隠蔽性を上げる目的で、白インクを用いることが好ましい。
【0128】
顔料の分散方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各種分散装置を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に、分散剤を用いることもでき、分散剤としては高分子分散剤が好ましい。好ましい高分子分散剤としては、例えば、Avecia社製のSolsperseシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤及び分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部の範囲で添加することが好ましい。分散時の媒体としては溶剤または重合性化合物を用いるが、本発明に係る照射線硬化型インクでは、インク着弾直後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が、硬化画像中に残留すると、溶剤耐性の低下、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤では無く、重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
【0129】
顔料粒子の平均粒径は、0.08〜0.5μmであることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、上述した顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定することが好ましい。この顔料粒子の粒径管理によって、インクジェット記録ヘッドにおけるノズルの目詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができる。また、色材は、インク全体の1〜10質量%添加することが好ましい。
【0130】
本発明のインクは、特開平8−248561号、特開平9−34106号をはじめとし、既に公知となっている活性光線の照射で発生した酸により新たに酸を発生する酸増殖剤を、光カチオン開始剤とともに含有することが好ましい。酸増殖剤を用いることで、更なる薄膜硬化性向上を可能とする。
【0131】
また、保存安定性(保存による粘度上昇が減少)の改良、インクジェット記録における吐出安定性向上を目的として、熱塩基発生剤を含有することが好ましい。特に、吐出量の多い白インクを吐出する場合には有効である。
【0132】
熱塩基発生剤としては、例えば、加熱により脱炭酸して分解する有機酸と塩基の塩、分子内求核置換反応、ロッセン転位、ベックマン転位等の反応により分解してアミン類を放出する化合物や、加熱により何らかの反応を起こして塩基を放出するものが好ましく用いられる。具体的には、英国特許第998,949号に記載のトリクロロ酢酸の塩、米国特許第4,060,420号に記載のアルファースルホニル酢酸の塩、特開昭59−157637号に記載のプロピール酸類の塩、2−カルボキシカルボキサミド誘導体、特開昭59−168440号に記載の塩基成分に有機塩基の他にアルカリ金属、アルカリ土類金属を用いた熱分解性酸との塩、特開昭59−180537号に記載のロッセン転位を利用したヒドロキサムカルバメート類、加熱によりニトリルを生成する特開昭59−195237号に記載のアルドキシムカルバメート類等が挙げられる。その他、英国特許第998,945号、米国特許第3,220,846号、英国特許第279,480号、特開昭50−22625号、同61−32844号、同61−51139号、同61−52638号、同61−51140号、同61−53634号、同61−53640号、同61−55644号、同61−55645号等に記載の熱塩基発生剤が有用である。更に具体的に例を挙げると、トリクロロ酢酸グアニジン、トリクロロ酢酸メチルグアニジン、トリクロロ酢酸カリウム、フェニルスルホニル酢酸グアニジン、p−クロロフェニルスルホニル酢酸グアニジン、p−メタンスルホニルフェニルスルホニル酢酸グアニジン、フェニルプロピオール酸カリウム、フェニルプロピオール酸グアニジン、フェニルプロピオール酸セシウム、p−クロロフェニルプロピオール酸グアニジン、p−フェニレン−ビス−フェニルプロピオール酸グアニジン、フェニルスルホニル酢酸テトラメチルアンモニウム、フェニルプロピオール酸テトラメチルアンモニウムがある。上記の熱塩基発生剤は広い範囲で用いることができる。
【0133】
熱塩基発生剤を存在させる際の濃度は、光重合性モノマーの総量に対して10〜1000ppm、特に20〜500ppmの範囲であることが好ましい。なお、塩基性化合物は単独で使用しても複数を併用して使用してもよい。
【0134】
この他に、必要に応じて界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することが出来る。記録媒体との密着性を改善するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量は0.1〜5%、好ましくは0.1〜3%である。
【0135】
また、本発明のインクは、25℃における粘度が7〜50mPa・sであることが、硬化環境(温度、湿度等)に関係なく吐出が安定し、再現性よく良好な硬化性を得ることができ好ましい。
【0136】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらの例に限定されるものではない。
【0137】
《インク組成物セットの調製》
下記の方法に従って、表1〜4に記載の組成からなるインク組成物セット1〜4を調製した。
【0138】
高分子分散剤(ソルスパース32000GR アビシア社製)を10質量部と、表1〜4に記載の各光重合性化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間かけて撹拌、混合して溶解させた。次いで、この溶液に表1〜4に記載の色材を添加した後、直径1mmのジルコニアビーズ200gと共にポリ瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて2時間分散処理を行った。次いで、ジルコニアビーズを取り除き、各光開始剤、酸増殖剤、熱塩基発生剤を表1〜4に記載の組み合わせで添加し、これをプリンター目詰まり防止のため0.8μmメンブランフィルターで濾過して、インク組成物セット1〜4を調製した。
【0139】
なお、上記調製した各インク組成物セットの粘度は、以下の通りである。粘度は、各色の最大及び最小粘度での粘度巾で表示した。
【0140】
インク組成物セット1:28〜33mPa・s
インク組成物セット2:35〜40mPa・s
インク組成物セット3:32〜37mPa・s
インク組成物セット4:25〜29mPa・s
【0141】
【表1】
【0142】
【表2】
【0143】
【表3】
【0144】
【表4】
【0145】
【化19】
【0146】
【化20】
【0147】
表1〜4に記載の各インクと各化合物の詳細は、以下の通りである。
K:濃ブラックインク
C:濃シアンインク
M:濃マゼンタインク
Y:濃イエローインク
W:ホワイトインク
Lk:淡ブラックインク
Lc:淡シアンインク
Lm:淡マゼンタインク
Ly:淡イエローインク
色材1:C.I.pigment Black 7
色材2:C.I.pigment Blue 15:3
色材3:C.I.pigment Red 57:1
色材4:C.I.pigment Yellow 13
色材5:酸化チタン(アナターゼ型 平均粒径0.20μm)
〔光重合性化合物〕
*1:アデカサイザーD55(旭電化工業社製 エポキシ化脂肪酸ブチル エポキシ化合物)
*2:RSOX(東亜合成社製 オキセタン化合物)
*3:ラウリルアクリレート(単官能アクリレート化合物)
*4:テトラエチレングリコール(EO含有)ジアクリレート(2官能アクリレート化合物)
*5:カプロラクタム変性ジペンタエリスルトールヘキサアクリレート(6官能アクリレート化合物)
*6:トリメチロールプロパントリアクリレート(3官能アクリレート化合物)
*7:サンソサイザーE−PO(新日本理化社製 エポキシヘキサヒドロフタル酸ジエステル)
*8:OXT−221(東亜合成社製 オキセタン化合物)
〔光カチオン開始剤〕
SP152:トリフェニルスルホニウム塩(アデカオプトマーSP−152 旭電化社製)
UVI6990:トリフェニルスルホニウム塩(サイラキュアUVI6990ユニオンカーバイド社製)
〔光ラジカル開始剤〕
*A:イルガキュア2959(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
*B:イルガキュア500(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
*C:イルガキュア184(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
*D:イルガキュア651(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
〔その他〕
*E:N−エチルジエタノールアミン(塩基性化合物)
*F:ソルスパース32000GR(アビシア社製 高分子分散剤)
《インクジェット画像形成方法》
ピエゾ型インクジェットノズルを備えた図1に記載の構成からなるインクジェット記録装置に、上記調製した各インク組成物セット1、2を装填し、表5に記載の各表面エネルギーを有する巾600mm、長さ500mの長尺の各記録材料へ、下記の画像記録を連続して行った。インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、前室タンクからヘッド部分まで断熱して55℃の加温を行った。ピエゾヘッドは、1〜15plのマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動して、各インクを連続吐出した。各インクが着弾した後、キャリッジ両脇のランプユニットにより、瞬時(着弾後2秒未満)に表5に記載の各照射光源より紫外線照射してインクを硬化した。画像記録後に、総インク膜厚を測定したところ、2.3〜13μmの範囲であった。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
【0148】
次いで、図2に記載のラインヘッド方式のインクジェット記録装置を用い、インク組成物セット3、4を用いて、同様にして各画像を形成した。
【0149】
なお、表5に記載の各照射光源の詳細は、以下の通りである。
照射光源A:120W/cmのメタルハライドランプ(日本電池製 MAL 400NL、3kW・hr電源;比較の照射光源)
照射光源B:LED(神戸製鋼社製特注品 246nmに最高照度を有する発光ダイオードを複数個配置 光源消費電力1kW・hr未満;本発明の照射光源)
また、表5に記載の各照射光源の照度は、ウシオ電機社製のURS40で220〜420nmの積算照度を測定して表示した。
【0150】
また、表5に記載の各記録材料の略称の詳細は、以下の通りである。
OPP:oriented polypropylene
PET:polyethylene terephthalate
シュリンクOPS:市販のシュリンク用途のoriented polystyrene
【0151】
【表5】
【0152】
《インクジェット記録画像の評価》
上記画像形成方法で記録した各画像について、下記の各評価を行った。
【0153】
(印刷物のしわ、カールの評価)
印字直後に、印刷物を手に取り、照射、硬化によりしわやカールが発生していないかを目視観察し、下記の評価基準に則り評価した。
【0154】
○:しわやカールの発生がない
△:ややしわやカールの発生が認められるが、実用上許容の範囲にある
×:印刷物に強いしわやカールが認められ、実用上問題となる
(文字品質)
Y、M、C、K各色インクを用いて、目標濃度で6ポイントMS明朝体文字を印字し、文字のガサツキをルーペで拡大評価し、下記の基準に則り文字品質の評価を行った。
【0155】
◎:ガサツキなし
○:僅かにガサツキが見える
△:ガサツキが見えるが、文字として判別でき、ギリギリ使えるレベル
×:ガサツキがひどく、文字がかすれていて使えないレベル
(色混じり(滲み)耐性)
720dpiで、Y、M、C、K各色1dotが隣り合うように印字し、隣り合う各色dotをルーペで拡大し、滲み具合を目視観察し、下記の基準に則り色混じり耐性の評価を行った。
【0156】
◎:隣り合うdot形状が真円を保ち、滲みがない
○:隣り合うdot形状はほぼ真円を保ち、ほとんど滲みがない
△:隣り合うdotが少し滲んでいてdot形状が少しくずれているが、ギリギリ使えるレベル
×:隣り合うdotが滲んで混じりあっており、使えないレベル
以上により得られた各評価結果を、表6に示す。
【0157】
【表6】
【0158】
表6より明らかなように、本発明に係る構成からなる画像形成方法は、比較例に対し、様々な記録材料に対して、文字品質に優れ、色混じり、印刷物しわ、カールの発生もなく、高精細な画像を記録することができることが分かる。
【0159】
【発明の効果】
本発明により、様々な記録材料に印字した場合にも、印刷物の質感を損なうことなく、文字品質、色混じり耐性に優れ、かつ印刷物のしわ、カールの発生もない高精細な画像を形成できる画像形成方法、インクジェット記録装置及びそれに用いる活性光線硬化型インクを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す正面図である。
【図2】本発明のインクジェット記録装置の要部の構成の他の一例を示す上面図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置
2 ヘッドキャリッジ
3 インクジェット記録ヘッド
31 インク吐出口
4 照射手段
5 プラテン部
6 ガイド部材
7 蛇腹構造
8 照射光源
P 記録材料
Claims (13)
- インクジェット記録ヘッドより、活性光線硬化型インクを記録材料上に吐出して画像を形成する画像形成方法であって、該記録材料上に活性光線硬化型インクが着弾した後、210〜280nmに最高照度を有する発光ダイオードを複数個配列したランプにより硬化することを特徴とする画像形成方法。
- 前記記録材料上に前記活性光線硬化型インクが着弾した後、0.001〜2.0秒の間に前記ランプを照射することを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
- 前記活性光線硬化型インクが着弾し、ランプを照射して硬化した後の総インク膜厚が、2〜20μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
- 前記インクジェット記録ヘッドの各ノズルより吐出するインク液滴量が、1〜15plであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記記録材料が、非吸収性記録材料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記210〜280nmに最高照度を有する発光ダイオードが、ダイヤモンド薄膜を発光素子に用いた発光ダイオードであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法に用いられるインクジェット記録装置であって、インクジェット記録ヘッドを収納したキャリッジの両端部に、紫外LEDを複数個配列したランプを設けることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法に用いられる複数色のインクを吐出するインクジェット記録装置であって、該複数色のインクを吐出する各インクジェット記録ヘッドの横に、紫外LEDを複数個配列したランプを設けることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法に用いられるインクジェット記録装置であって、インクジェット記録ヘッドがラインヘッド方式であって、該インクジェット記録ヘッドの下流側に紫外LEDを複数個配列したランプを設けることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 前記ランプの総消費電力が、1kw・hr未満であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法に用いられる活性光線硬化型インクであって、25℃における粘度が7〜50mPa・sであることを特徴とする活性光線硬化型インク。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法に用いられる光重合性モノマーを含有する活性光線硬化型インクであって、該光重合性モノマーが、少なくとも1種のオキセタン環を有する化合物であることを特徴とする活性光線硬化型インク。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法に用いられる光重合性モノマーを含有する活性光線硬化型インクであって、該光重合性モノマーが、60〜95質量%の少なくとも1種のオキセタン環を有する化合物と、5〜40質量%の少なくとも1種のオキシラン基を有する化合物と、0〜40質量%の少なくとも1種のビニルエーテル化合物とからなることを特徴とする活性光線硬化型インク。
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