JP2009138096A - カチオン重合硬化型インクジェットインク及びインク収納容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出安定性及び保存安定性に優れたカチオン重合硬化型インクジェットインク及びそれを収納するインク収納容器を提供する。
【解決手段】発泡減圧度を−60kPa以下とする減圧処理を施したこと特徴とするカチオン重合硬化型インクジェットインク。
【選択図】なし

Description

本発明は、吐出安定性が向上したカチオン重合硬化型インクジェットインク及びそれを収納するインク収納容器に関するものである。
インクジェット記録装置のインク供給路内は、インクを吐出する際には、圧縮室にあるインクジェットインクに急激な圧縮の繰り返しが行われるためキャビテーションが起こり易く、その結果、インクジェットインク中の溶存空気量が多いと、それだけ圧縮室内で気泡が発生しやすくなる。特に、ライン方式のインクジェット記録装置では、この巻き込んだ空気によって引き起こされる吐出不良により、スジ状の故障発生等が顕著になる。
上記課題に対し、予め調製したインクジェットインクに脱気処理を施す方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。更に、記録装置内で脱気する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照。)が、装置が高価になるという課題がある。
また、特許文献1〜3に記載されている方法においては、各種の脱気方法に関する提案は見られる。しかしながら、カチオン重合型インクジェットインクは一般の水系インクジェットインクに比べ空気の溶解性が高く、特許文献3記載の溶存酸素濃度に調製しても、必ずしも安定した連続吐出ができない課題があった。また、予め脱気されたインクジェットインクであっても、長期間保存した際には溶存空気量が増加することに対する対応の記載はなされてはおらず、更にカチオン重合型インクジェットインクにおいては、どの程度の溶存空気量に維持されていることが、安定した吐出性能を得るためには重要であるかとの記載や示唆は、一切記載がなされていない。
特開平5−17712号公報 特開平10−298470号公報 特開2005−22163号公報 特開2007−190703号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、吐出安定性及び保存安定性に優れたカチオン重合硬化型インクジェットインク及びそれを収納するインク収納容器を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.発泡減圧度を−60kPa以下とする減圧処理を施したことを特徴とするカチオン重合硬化型インクジェットインク。
2.前記発泡減圧度が、−90kPa以上、−65kPa以下であることを特徴とする前記1に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
3.前記減圧処理を施した後、インク収納容器に収納されたことを特徴とする前記1または2に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
4.前記インク収納容器の構成材料の少なくとも1種が、酸素透過率は1.0ml/m2/day以下の材料であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
5.少なくともカチオン重合性化合物及び光重合開始剤を含有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
6.前記カチオン重合性化合物が、エポキシ化合物、オキセタン環を有する化合物及びビニルエーテル化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
7.前記光重合開始剤が光酸発生剤であり、かつ該光酸発生剤が、トリアリールスルホニウム塩を含有することを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
8.前記1〜7のいずれか1項に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインクを収納するのに用いることを特徴とするインク収納容器。
本発明により、吐出安定性及び保存安定性に優れたカチオン重合硬化型インクジェットインク及びそれを収納するインク収納容器を提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、発泡減圧度を−60kPa以下とする減圧処理を施したこと特徴とするカチオン重合硬化型インクジェットインクにより、吐出安定性及び保存安定性に優れたカチオン重合硬化型インクジェットインクを実現することができ、本発明に至った次第である。
〔カチオン重合硬化型インクジェットインクの減圧処理〕
上述の様に、高粘性を有するカチオン重合硬化型インクジェットインクは、その調製過程で空気等を巻き込むことが多く、更には長期間保存した際には大気中の空気等の取り込みにより溶存空気量が増加することがある。この様な溶存空気量が多いカチオン重合硬化型インクジェットインクにより、インクジェット記録装置を用いて画像形成を行うと、インク供給部である圧縮室において、急激な圧縮の繰り返しによりキャビテーションが起こり易くなり、結果的には、不正な気泡の発生を誘発することになる。この発生した気泡は、ノズル内部に付着すると、インクの吐出不良を引き起こすことになる。
本発明者は、上記課題に対し鋭意検討を行った結果、インクジェット記録装置の減圧部の特性を解析し、予めカチオン重合硬化型インクジェットインクの溶存空気量を、その様な条件で気泡の発生を生じない条件まで減圧処理すること、及び空気遮断性の高いインク保存容器に収納することにより、上記課題が解決できることを見出したものである。
本発明は、具体的には、溶存空気量による吐出不良を予防する方法として、カチオン重合硬化型インクジェットインクの空気溶存量の指標として、発泡減圧度という概念を導入し、予め、特定の発泡減圧度まで脱気処理したカチオン重合硬化型インクジェットインクを調製し、かつ空気遮断性の高いインク保存容器に収納することにより、インクジェット記録装置内での気泡の発生を抑制することにより、安定した吐出性能を得ることができることを見出したものである。
本発明のカチオン重合硬化型インクジェット(以下、単にインクともいう)は、発泡減圧度を−60kPa以下とする減圧処理を施すことを特徴とする。
本発明のインクでは、発泡減圧度を−60kPa以下、好ましくは−90kPa以上、−65kPa以下の範囲にすることにより、様々な吐出方式のインクジェット記録装置において、気泡の発生を起こすことなく、吐出安定性を実現することができた。
本発明でいう発泡減圧度とは、23℃の環境下で、気密性の透明容器中に、23℃に温度制御したインクを設置し、気泡を巻き込まない程度のゆっくりとした攪拌を与えながら減圧を行っていき、インク中から気泡の発生が認められる時の減圧度をもって、これを発泡減圧度と定義する。
図1は、本発明に係る発泡減圧度の測定ユニットの一例を示す模式図である。
図1において、発泡減圧度測定ユニット1は、透明の気密性を維持できる真空容器2、測定対象物であるインク4を入れた透明容器3、インク4の測定時の温度を制御するための温度測定部8と、ヒーター等の温度制御部7、温度を制御するための温度コントロールボックス9、測定時に気泡が混入しない程度にインク4を緩やかに回転させるためのマグネチックスターラー5と攪拌子6で構成されている。測定に際しては、脱気孔11より、減圧ポンプ13を用いて、所定の減圧速度で真空容器2内部の脱気(減圧)を開始し、透明容器3内のインク中に、気泡10の発生が開始されたときの減圧度を、圧力ゲージ14で読み取り、この時の減圧度(kPa)を発泡減圧度とした。
測定時のインク4温度は、実際の使用されるインクジェット記録装置内で管理される温度と同じ温度にて測定を行うものであり、本発明の高粘性を有するカチオン重合硬化型インクジェットインクでは、吐出安定性の観点からインクジェット記録ヘッド及びインクを35〜100℃の範囲で加熱して使用されるケースが多く、その様な温度にインク温度を制御して測定を行う。また、減圧速度も、測定精度を高める観点から重要な条件であり、概ね、リーク弁15の開放度をコントロールしながら、−2kPa/minの減圧速度で測定を行う。
また、減圧度を高めていき、インク中からの気泡発生の確認方法としては、上述の様な透明容器を用いて、目視にて判定する他に、市販の泡検出センサーを用いて、透過率の変化、電気電導度の変化等、物理的、電気的な方法を用いて測定することもできる。
本発明のカチオン重合硬化型インクジェットにおいては、上記方法で求めた発泡減圧度を−60kPa以下とすることを特徴とするが、本発明で規定する発泡減圧度を達成する手段としては、特に制限はないが、従来公知の脱気方法を適用して所望の発泡減圧度に設定することができる。例えば、上記と同様に、真空脱気を行って溶存空気を取り除く方法、超音波を照射して脱気する方法(具体的な装置としては、例えば、(株)日本精機製作所製 循環式RUS−600T(周波数20kHz、最大出力600W)、(株)ブランソン製連続式モデル900型(周波数20kHz、最大出力900W))、特開平11−209670に記載のごとく、脱気用中空糸膜による脱気方法(具体的な装置としては、例えば、三菱レイヨン(株)MHFシリーズ、大日本インキ化学工業(株)SEPARELシリーズ等)、あるいはこれらの方法を組み合わせた方法を用いることができる。
〔カチオン重合硬化型インクジェットインク〕
次いで、本発明のカチオン重合硬化型インクジェットインクの各構成要素について説明する。
本発明のカチオン重合硬化型インクジェットインクでは、少なくともカチオン重合性化合物及び光重合開始剤を含有することが好ましい。
(カチオン重合性化合物)
本発明のカチオン重合硬化型インクジェットインクは、カチオン重合性化合物を含有するが、本発明のインクに用いられるカチオン重合性化合物としては、特開平6−9714号、特開2001−31892号、特開2001−40068号、特開2001−55507号、特開2001−310938号、特開2001−310937号、特開2001−220526号に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
エポキシ化合物としては、以下の芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシド等が挙げられる。
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール或いはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルであり、例えば、ビスフェノールA、あるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリン或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
これらのエポキシドのうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明においては、更なる硬化性及び吐出安定性の向上のために、光重合性化合物として、オキセタン環を有する化合物を30〜95質量%、オキシラン基を有する化合物を5〜70質量%、ビニルエーテル化合物を0〜40質量%とを含有することが好ましい。
本発明で用いることのできるオキセタン化合物としては、例えば、特開2001−220526号、同2001−310937号に記載されているような公知のあらゆるオキセタン化合物を使用できる。
本発明で用いることのできるビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。本発明では、上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
(光重合開始剤)
本発明のインクは、光重合開始剤としてカチオン重合開始剤を用いることが好ましく、更には、カチオン重合開始剤としては光酸発生剤を用いることが好ましい。光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される、例えば、有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照に記載の化合物を挙げることができる。
本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C654 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、CF3SO3 -塩を挙げることができる。
本発明で用いることのできるオニウム化合物の具体的な例を、以下に示す。
Figure 2009138096
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができ、その具体的な化合物を、以下に例示する。
Figure 2009138096
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができ、以下にその具体的な化合物を例示する。
Figure 2009138096
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
Figure 2009138096
上記光酸発生剤の中でも、特にトリアリールスルホニウム塩を含有する光酸発生剤が好ましい。
本発明に係る光重合開始剤は、脂環式エポキシ基等のカチオン重合性化合物100質量部に対して、0.2〜20質量部の比率で含有させることが好ましい。光重合開始剤の含有量が0.2質量部以上であれば、十分な硬度を有する記録物を得ることができ、20質量部以下であれば、他の特性に影響を与えることなく十分な硬度を有する記録物を得ることができる。これら光重合開始剤は、1種または2種以上を選択して使用することができる。
(色材)
本発明のインクでは色材を含有することができ、色材としては顔料であることが好ましい。
本発明に用いられる顔料としては、酸性及びまたは塩基性に表面処理された有機顔料が好ましく用いられ、分散剤(顔料分散剤)のインク中における含有量が顔料質量の35〜65%であることが好ましい。分散剤の含有量がこの範囲であることにより、分散剤が十分に顔料表面全体に吸着され分散安定性に優れ、顔料表面に吸着しきれない分散剤がインク中に遊離して、重合阻害を起こすこともない。
顔料のアミン価は酸価よりも大きいことが好ましく、その差が1mgKOH/g以上、10mgKOH/g未満であることが更に好ましい。
本発明に用いる顔料としては、カーボンブラック、カーボンリファインド、およびカーボンナノチューブのような炭素系顔料、鉄黒、コバルトブルー、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化クロム、および酸化鉄のような金属酸化物顔料、硫化亜鉛のような硫化物顔料、フタロシアニン系顔料、金属の硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、およびリン酸塩のような塩からなる顔料、並びにアルミ粉末、ブロンズ粉末、および亜鉛粉末のような金属粉末等の無機顔料、ニトロ顔料、アニリンブラック、ナフトールグリーンBのようなニトロソ顔料、ボルドー10B、レーキレッド4Rおよびクロモフタールレッドのようなアゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む。)、ピーコックブルーレーキおよびローダミンレーキのようなレーキ顔料、フタロシアニンブルーのようなフタロシアニン顔料、多環式顔料(ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラノン顔料など)、チオインジゴレッドおよびインダトロンブルーのようなスレン顔料、キナクリドン顔料、キナクリジン顔料、並びにイソインドリノン顔料のような有機系顔料を使用することもできる。
顔料の具体例としては、
C.I Pigmen Yellow−1、2、3、12、13、14、16、17、42、73、74、75、81、83、87、93、95、97、98、109、114、120、128、129、138、150、151、154、180、185、
C.I Pigmen Orange−16、36、38、
C.I Pigmen Red−5、7、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、101、112、122、123、144、146、168、184、185、202、
C.I Pigmen Violet−19、23、
C.I Pigmen Blue−1、2、3、15:1、15:2、15:3、15:4、18、22、27、29、60、
C.I Pigmen Green−7、36、
C.I Pigmen White−6、18、21、
C.I Pigmen Black−7、等を挙げることができる。
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に、分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としては、例えば、Avecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズが挙げられる。更には、下記のものが挙げられる。
(顔料分散剤)
本発明に適用可能な顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート、顔料誘導体等を挙げることができる。
具体例としては、BYK Chemie社製「Anti−Terra−U(ポリアミノアマイド燐酸塩)」、「Anti−Terra−203/204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk−101(ポリアミノアマイド燐酸塩と酸エステル)、107(水酸基含有カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和酸エステル)、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)」、「P104S、240S(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン系)」、「Lactimon(長鎖アミンと不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン)」が挙げられる。
又、Efka CHEMICALS社製「エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766」、「エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマー)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)、745(銅フタロシアニン系)」;共栄化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「フローノンSH−290、SP−1000」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合物)」;楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」等が挙げられる。
更には、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、EP」、「ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子)」、「エマルゲン920、930、931、935、950、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン24(ココナッツアミンアセテート)、86(ステアリルアミンアセテート)」;ゼネカ社製「ソルスパーズ5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13240、13940(ポリエステルアミン系)、17000(脂肪酸アミン系)、24000、32000」;日光ケミカル社製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)、Hexagline4−0(ヘキサグリセリルテトラオレート)」等が挙げられる。
これらの顔料分散剤は、インク中に0.1〜10質量%の範囲で含有させることが好ましい。
また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明の光硬化型インクでは、印字後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤では無く重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。本発明のインクにおいては、色材濃度としては、インク全体の1質量%乃至10質量%であることが好ましい。
本発明のインクには、上記説明した以外に様々な添加剤を用いることができる。例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。また、保存安定性を改良する目的で、公知のあらゆる塩基性化合物を用いることができるが、代表的なものとして、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などが挙げられる。また、ラジカル重合性モノマーと開始剤を組み合わせ、ラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとすることも可能である。
本発明に係るインクにおいては、インクジェット画像形成に用いる場合は、25℃における粘度が7〜50mPa・sであることが好ましい。
《インク収納容器》
本発明の発泡減圧度を制御したカチオン重合硬化型インクジェットインクは、調製した後、直ちにインクジェット記録装置に装填して画像記録を行う場合の他、一旦、インク収納容器に保管した後、画像記録に使用される場合がある。特に、後者の場合には、溶存空気量を一定値以下とした本発明のカチオン重合硬化型インクジェットインクは、空気透過性の低いインク収納容器を用いて保管することが、本発明の効果を長期間にわたり保存した後でも発揮させる観点から重要である。すなわち、本発明においては、構成材料の少なくとも1種が、酸素透過率が1.0ml/m2/day以下の材料で構成されているインク収納容器に保管することが好ましい。
本発明のインク収納容器の形態としては、ボトル容器形態、ピロー形態、スタンディングパウチ形態等、気密性が維持された任意の形態からなる容器を用いることができる。
本発明のインク収納容器の材質としては、ガラス、プラスチック等いかなる材質でもよいが、空気透過性の指標として酸素透過率は1.0ml/m2/day以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.5ml/m2/dである。本発明でいう酸素透過率の測定は、常法に従い、JIS1707で規定されている方法に準じて求めることができ、例えば、モダンコントロール社製酸素透過率測定装置OX−TRAN100を用いて、23℃、0%RHの条件で測定することができる。
本発明において、インク収納容器としてはプラスチック材料であることが好ましく、プラスチック材料としては、例えば、以下の材料群を挙げることができる。
A:ポリオレフィン系樹脂
B:ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂
C:エチレン−ビニルアルコール共重合体系樹脂
D:ポリアミド系樹脂
E:セラミック
F:アクリロニトリル系樹脂
G:ポリエチレンテレフタレート系樹脂
H:ポリハロゲン化ビニリデン系樹脂
I:ポリハロゲン化ビニル系樹脂
ポリオレフィン系樹脂層に用いられる樹脂としては、ポリエチレンが好ましく、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)及び高密度ポリエチレン(HDPE)のいずれも使用することができる。本発明に好ましく用いられるHDPEは、密度が0.941〜0.969のものである。また、好ましいLDPEは高圧重合法で合成され、その密度は0.910〜0.925である。
本発明に用いられる保存容器としては、上記の密度範囲のHDPEを用いることが好ましいが、更にHDPEのメルトインデックス(ASTM D1238に規定された方法で、190℃で、押し出し圧力21.2Paで測定)が、0.3〜7.0g/minであることが好ましく、更に好ましくは0.3〜5.0g/minである。
インク収納容器の厚みは、用いる材質によって異なるが、0.1〜2.0mmが好ましく、より好ましくは0.3〜1.5mmであり、特に好ましくは0.4〜1.0mmである。
また、ポリアミド系樹脂としては、突き差し強度やピンホール耐性の観点からナイロンが好ましく用いられ、とりわけ、延伸ナイロンが好ましい。厚みは3〜50μmが好ましく、より好ましくは5〜30μmである。
また、セラミックは酸化ケイ素を主体とする無機質であるが、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートに真空中でコートして用いても良い。これらの具体的な材料としては、凸版印刷社製のGLタイプ(セラミック蒸着フィルム)等が挙げられる。
また、エチレン−ビニルアルコール共重合体系樹脂としては、クラレ社製のクラレ・エバールフィルム(商品名;EF−XL、EF−F、EF−E)等が挙げられる。
また、ポリハロゲン化ビニリデン系樹脂及びポリハロゲン化ビニル系樹脂のハロゲンとしては、塩素、フッ素、臭素等が挙げられ、具体的には、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル等の樹脂が挙げられる。
しかしながら、本発明においては、環境適性の観点、特に焼却処理時の有害ガス発生が好ましくないため、前記材料群の中でも、A〜Gが好ましく用いられ、特に好ましくはA〜Fの材料である。
本発明において用いられる各樹脂は、上記列挙した以外にも「プラスチックフィルム」(日刊工業新聞社発行、高橋儀作著、昭和51年12月20日増補版)に記載されている中から、本発明の条件を満足するものを適宜選択して用いることができる。
これらの材料は、単一で成型して使用しても良いが、2種類以上の材料をフィルム上に貼り合わせた積層フィルムを使用しても良い。
本発明において、インク収納容器として積層フィルムを使用する場合、層の構成としては、例えば、下記に示す構成を挙げることができる。
積層構成のプラスチックシートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリビニルアルコール・エチレン共重合体/ポリエチレンの3層構成、延伸ポリプロピレン/ポリビニルアルコール・エチレン共重合体/ポリエチレンの3層構成、未延伸ポリプロピレン/ポリビニルアルコール・エチレン共重合体/ポリエチレンの3層構成、ナイロン/アルミニウム箔/ポリエチレンの3層構成、ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム箔/ポリエチレンの3層構成、セロファン/ポリエチレン/アルミニウム箔/ポリエチレンの4層構成、アルミニウム箔/紙/ポリエチレンの3層構成、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン/アルミニウム箔/ポリエチレンの4層構成、ナイロン/ポリエチレン/アルミニウム箔/ポリエチレンの4層構成、紙/ポリエチレン/アルミニウム箔/ポリエチレンの4層構成、ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム箔/ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレンの4層構成、ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム箔/ポリエチレンテレフタレート/高密度ポリエチレンの4層構成、ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム箔/ポリエチレン/低密度ポリエチレンの4層構成、ポリビニルアルコール・エチレン共重合体/ポリプロピレンの2層構成、ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム箔/ポリプロピレンの3槽構成、紙/アルミニウム箔/ポリエチレンの3層構成、特に好ましくは、ポリエチレン/ポリ塩化ビニリデン被覆ナイロン/ポリエチレン/エチルビニルアセテート・ポリエチレン縮合物の4層構成、ポリエチレン/ポリ塩化ビニリデン被覆ナイロン/ポリエチレンの3層構成、エチルビニルアセテート・ポリエチレン縮合物/ポリエチレン/アルミニウム蒸着ナイロン/ポリエチレン/エチルビニルアセテート・ポリエチレン縮合物の5層構成、アルミニウム蒸着ナイロン/ナイロン/ポリエチレン/エチルビニルアセテート・ポリエチレン縮合物の4層構成、延伸ポリプロピレン/ポリ塩化ビニリデン被覆ナイロン/ポリエチレンの3層構成、ポリエチレン/ポリ塩化ビニリデン被覆ナイロン/ポリエチレン/ポリ塩化ビニリデン被覆ナイロン/ポリエチレンの5層構成、延伸ポリプロピレン/ポリビニルアルコール・エチレン共重合体/低密度ポリエチレンの3層構成、延伸ポリプロピレン/ポリビニルアルコール・エチレン共重合体/未延伸ポリプロピレンの3層構成、ポリエチレンテレフタレート/ポリビニルアルコール・エチレン共重合体/低密度ポリエチレンの3層構成、延伸ナイロン/ポリビニルアルコール・エチレン共重合体/低密度ポリエチレンの3層構成、未延伸ナイロン/ポリビニルアルコール・エチレン共重合体/低密度ポリエチレンの3層構成等を挙げることができる。
それぞれの層間の接着性を向上するため、接着剤によるアンダーコート処理、プラズマ処理、コロナ処理等を行うことが好ましい。接着剤としては、大日精化工業(株)製のセイカボンド A−158W/C−90等が挙げられる。
積層フィルムの製法は特に制限されないが、例えば、フィルムとフィルムとを接着剤で貼り付ける方法や、フィルムとフィルムを溶融した樹脂で貼り付ける方法、2種以上の樹脂をスリットから一緒に押し出す、いわゆる共押し出しと呼ばれる方法や、その他一般的に用いられているフィルム積層法などを、単独あるいは組み合わせて用いられる。
《記録媒体》
本発明のインクにより画像形成を行う際に用いる記録媒体としては、様々な記録媒体を用いることができるが、本発明のインクの特性をいかんなく発揮できる観点から、インクの吸収能を実質的に持たない記録媒体であることが好ましく、通常の非コート紙、コート紙などの他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチックおよびそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、延伸ポリスチレン(OPS)フィルム、延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、延伸ナイロン(ONy)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム等を挙げることができる。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、ポリビニルアルコール(PVA)、ゴム類などが使用できる。また、金属類や、ガラス類にも適用可能である。これらの記録媒体の中でも、特に熱でシュリンク可能な、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルムへ画像を形成する場合に本発明の構成は、有効となる。これらの基材は、インクの硬化収縮、硬化反応時の発熱などにより、フィルムのカール、変形が生じやすいばかりでなく、インク膜が基材の収縮に追従し難い。
これらの各種プラスチックフィルムの表面エネルギーは大きく異なり、記録媒体によっては、インク着弾後のドット径が変わってしまうことが、従来から問題となっていた。本発明に係るインクは、表面エネルギーの低いOPPフィルム、OPSフィルムや表面エネルギーの比較的大きいPETまでを含む、表面エネルギーが35〜60mN/mの広範囲な記録媒体に良好な高精細な画像を形成できる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《顔料分散液の調製》
〔イエロー顔料分散液の調製〕
下記に示す方法に従って、イエロー顔料分散液を調製した。
下記の2種の化合物をステンレスビーカーに入れ、ホットプレート上で65℃で加熱、攪拌しながら溶解した。
アジスパーPB822(味の素ファインテクノ社製分散剤) 8質量部
アロンオキセタンOXT−221(東亞合成社製オキセタン化合物) 72質量部
次いで、室温まで冷却した後、この溶液に顔料としてC.I.Pigment Yellow 150を20質量部を加えて、直径0.3mmのジルコニアビーズ200部と共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて4時間の分散処理を施した後、ジルコニアビーズを除去して、イエロー顔料分散液を調製した。
〔マゼンタ顔料分散液の調製〕
上記イエロー顔料分散液の調製において、顔料をC.I.Pigment Yellow 150に代えて、C.I.Pigment Red 122を用いた以外は同様にして、マゼンタ顔料分散液を調製した。
〔シアン顔料分散液の調製〕
上記イエロー顔料分散液の調製において、顔料をC.I.Pigment Yellow 150に代えて、C.I.Pigment Blue 15:4を用いた以外は同様にして、シアン顔料分散液を調製した。
〔ブラック顔料分散液の調製〕
上記イエロー顔料分散液の調製において、顔料をC.I.Pigment Yellow 150に代えて、C.I.Pigment Black 7を用いた以外は同様にして、ブラック顔料分散液を調製した。
《インクの調製》
[イエローインクの調製]
〔イエローインクY1の調製〕
上記調製したイエロー顔料分散液(イエロー顔料:20質量%、分散剤アジスパーPB822(前出):8質量%、光重合性化合物OX−221(前出):72質量%含有)と下記の各添加剤とを用いて、イエローインクY1を調製した。
具体的には、イエロー顔料分散物以外の全ての下記添加剤を混合し、十分に溶解したことを確認した後、この混合溶液をイエロー顔料分散物中に攪拌しながら少しずつ添加し、15分間攪拌した後、ロキテクノ社製PP3μmディスクフィルターで濾過を行った。
イエロー顔料分散液 20.0質量部
オキセタンOXT221(東亞合成社製オキセタン化合物) 47.45質量部
オキセタンOXT212(東亞合成社製オキセタン化合物) 5.0質量部
オキセタンOXT101(東亞合成社製オキセタン化合物) 5.0質量部
脂環式エポキシ化合物1 20.0質量部
光酸発生剤1(分子量466、1分子量当たり3つのアリール基を持つ)
2.5質量部
重合禁止剤(トリイソプロパノールアミン) 0.1質量部
Figure 2009138096
次いで、このイエローインクを、中空糸膜を用いた脱気モジュール(大日本インク化学工業(株)製、SEPAREL PF−004D)を用いて0.5時間かけて脱気処理を施し、脱気後、直ちに酸素透過率が0.5ml/m2/dayの下記インク収納容器1に充填し、これをイエローインクY1とした。
(インク収納容器1の作製)
以下に示す材料を使用してインク容器を作製した。
PET#12/DL/AL12(T−120)/DL/ONY#15/AC/PE30/黒PE50からなる軟包材インク容器用の複合フィルムを作製した。用いた各材料の詳細を下記に示す。
〈PET#12〉
膜厚12μmのPETフィルムで、保護層となる。
〈DL〉
ドライラミネート(大日精化工業(株)製接着剤、セイカボンド、A−158W/C−90)を用い接着した。
〈AL12(T−120)〉
水分透過性をなくすために膜厚12μmのAL12(アルミ箔)を使用した。また、アルミ箔は破断しやすく3〜4Lのインク容器では振動等による外箱内面とのこすれ、折れ等によるピンホールができやすい懸念があり、強度が高く折り曲げ性に優れる鉄系合金のT−120との複合フィルムを使用した。これは第一遮光層となる。
〈ONY#15〉
膜厚15μmの2軸延伸ナイロンフィルムで、耐油性で油性物質を遮断し、腐食耐性効果を備えている。
〈AC〉
接着力を得るための表面処理(アンカーコート)を行った。
〈PE30〉
膜厚30μmのポリエチレンフィルムで、衝撃に対するクッション効果により落下時のインク容器の破裂を防止する。
〈黒PE50〉
膜厚50μmでカーボンブラックを練り込んだポリエチレンフィルムである。このポリエチレンはメタロセン触媒を用いて重合した線状低密度ポリエチレン(住友化学(株)製、線状低密度ポリエチレンFV202)で、分子量分布が一定で強度が高い。これは第二遮光層を兼ねたヒートシール層となる。
上記複合フィルムを使用し、黒PE50を内側とし、インク収納部を熱溶着方式でスパウト状に加工した後、射出成形で作製した低密度ポリエチレン製インク供給口を設けてインク容器1を作製した。
〔イエローインクY2〜Y4の調製〕
上記イエローインクY1の調製において、インクを調製した後の中空糸膜を用いた脱気モジュールでの脱気処理時間を、それぞれ1時間、2時間、3時間に変更した以外は同様にして、イエローインクY2、イエローインクY3、イエローインクY4とした。
[マゼンタインクの調製]
上記イエローインクY1〜Y4の調製において、イエロー顔料分散液に代えて、マゼンタ顔料分散液を用いた以外は同様にして、マゼンタインクM1〜M4を調製した。
[シアンインクの調製]
上記イエローインクY1〜Y4の調製において、イエロー顔料分散液に代えて、シアン顔料分散液を用いた以外は同様にして、シアンインクC1〜C4を調製した。
[ブラックインクの調製]
上記イエローインクY1〜Y4の調製において、イエロー顔料分散液に代えて、ブラック顔料分散液を用いた以外は同様にして、ブラックインクK1〜K4を調製した。
《インクの評価》
〔発泡減圧度の測定〕
図1に記載の構成からなる発泡減圧度の測定ユニットを用いて、各インクの発泡減圧度を測定した。
具体的には、23℃の環境下で、下部にマグネマグネチックスターラー5を設置したアクリル製の透明な真空容器2内に、透明容器3である100mlのガラス製ビーカー中に、80mlの各インク4と攪拌子6を入れたものを設置した。各インク4は、温度測定部8、温度制御部7及び温度コントロールボックス9により、23℃に制御した。
次いで、インク4表面に弱い渦ができる程度にゆっくりと攪拌し、減圧ポンプ13を用いて減圧を行った。この時、リーク弁15を利用し、−2kPa/minの速度に調整して減圧を行い、目視でインク表面に気泡10が発生した時点の減圧度を測定し、これをインクの発泡減圧度とした。この時、ビーカーの直径は約5.2cm、インク表面の面積は、約21.23cm2である。
〔吐出安定性の評価〕
ノズル数256、2〜20plのマルチサイズドットを720×720dpi(dpiとは、2.54cmあたりのドット数を表す)の解像度で吐出でき、50℃の加温した記録ヘッドを用いて、各インクについて3時間の連続吐出を行った後、その飛翔性を目視観察し、出射ノズル欠のあるノズル数をカウントし、下記の基準に従って吐出安定性の評価を行った。
◎:全ノズルで正常に出射され、ノズル欠及び斜め出射の発生は皆無である
○:全ノズルでノズル欠の発生は認められないが、1〜2個のノズルで弱い斜め出射が認められるが、全く問題のない品質である
△:1〜2個のノズルでノズル欠の発生が認められるが、実用上許容される品質である
×:3個〜20個のノズルでノズル欠の発生が認められ、実用上問題となる品質である
××:21個以上のノズルでノズル欠の発生が認められ、実用に耐えない品質である
以上により得られた結果を、表1に示す。
Figure 2009138096
表1に記載の結果より明らかな様に、発泡減圧度を−60kPa以下とする減圧処理を施した本発明のカチオン重合硬化型インクジェットインクは、比較例に対し、連続吐出を行った後でも、吐出安定性に優れていることが分かる。
実施例2
《インクの調製》
〔イエローインクY5〜Y7の調製〕
実施例1に記載のイエローインクY4の調製において、インク収納容器1に代えて、それぞれ酸素透過率が0.85ml/m2/day、1.4ml/m2/day、2.5ml/m2/dayの収納容器2〜4を用いた以外は同様にして、イエローインクY5〜Y7を調製した。インク収納容器2は、インク収納容器1と同一材料で構成し、各材料の厚さを変更して、酸素透過率が0.85ml/m2/dayとした。また、インク収納容器3、4は、膜厚の異なるピロー形態の軟質ポリエチレンを用いた。
《インクの長期保存処理》
実施例1で調製したイエローインクY2、Y4と上記調製したイエローインクY5〜Y7を、30℃、相対湿度80%の環境下で、1ヶ月の保存を行って、強制保存処理済み各イエローインクを調製した。
《インクの評価》
未処理のイエローインクY2、Y4〜Y7と、強制保存処理済みイエローインクY2、Y4〜Y7について、実施例1に記載の方法と同様にして、発泡減圧度の測定及び吐出安定性の評価を行い、得られた結果を表2に示す。
Figure 2009138096
表2に記載の結果より明らかな様に、酸素透過率が1.0ml/m2/day以下のインク収納容器にインクを収納することで、高温高湿環境下で保存された後でも、低い溶存酸素量レベルを維持でき、その結果、保存後においても優れた吐出安定性を発揮できることが分かる。
本発明に係る発泡減圧度の測定ユニットの一例を示す模式図である。
符号の説明
1 発泡減圧度測定ユニット
2 真空容器
3 透明容器
4 インク
5 マグネチックスターラー
6 攪拌子
7 温度制御部
8 温度測定部
9 温度コントロールボックス
10 気泡
11 脱気孔
12 脱気用配管
13 減圧ポンプ
14 圧力ゲージ
15 リーク弁

Claims (8)

  1. 発泡減圧度を−60kPa以下とする減圧処理を施したことを特徴とするカチオン重合硬化型インクジェットインク。
  2. 前記発泡減圧度が、−90kPa以上、−65kPa以下であることを特徴とする請求項1に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
  3. 前記減圧処理を施した後、インク収納容器に収納されたことを特徴とする請求項1または2に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
  4. 前記インク収納容器の構成材料の少なくとも1種が、酸素透過率は1.0ml/m2/day以下の材料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
  5. 少なくともカチオン重合性化合物及び光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
  6. 前記カチオン重合性化合物が、エポキシ化合物、オキセタン環を有する化合物及びビニルエーテル化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
  7. 前記光重合開始剤が光酸発生剤であり、かつ該光酸発生剤が、トリアリールスルホニウム塩を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインク。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のカチオン重合硬化型インクジェットインクを収納するのに用いることを特徴とするインク収納容器。
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